JP2008255213A - ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子および型内発泡成形体 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子および型内発泡成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】 表面に凹凸形状を有する型内発泡成形体において、成形に使用する金型の凹凸形状を良好に転写し得ることを可能にするポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を提供すること。
【解決手段】 180℃での動的粘弾性測定における角振動数1rad/sでの貯蔵弾性率が200〜1000Paであるポリプロピレン系樹脂を基材樹脂とするポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子であり、1個当りの重量が0.5〜3.0mgであり、示差走査熱量計法による測定で2つの融解ピークを示し、該2つの融解ピークのうち、高温側に現われる融解ピーク熱量の融解ピーク全体熱量に対する比率が10〜50%であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子および型内発泡成形体に関する。更に詳しくは、型内発泡成形体としたときに、表面伸びが良好、かつ、金型追随性が良好なポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子および、該予備発泡粒子から得られる型内発泡成形体に関する。
ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体は、ポリスチレン系樹脂型内発泡成形体と比較して、耐薬品性能、耐熱性能、緩衝性能、圧縮歪み回復性能に優れ、ポリエチレン系樹脂型内発泡成形体と比較しても、耐熱性能、圧縮強度に優れることから、緩衝包装資材や通い箱、自動車用部材として広く用いられている。
特に、様々な形状の緩衝包装資材として、内包する商品や部材の形状に合わせて柔軟に、かつ切削加工無しで成形できることから、電子機械から産業資材など幅広く利用されている。
しかし、様々な形状に成形できるとはいえ、良品を得るための成形加工温度幅がポリスチレンなどと比べて狭いため、成形時の加熱蒸気圧力の調整、加熱時間の調整、および冷却時間の調整など、ユーザーの成形技術の熟練を要する。また、例えば、表面に凹凸形状を有する成形体を得ようとすると、加熱で膨張した予備発泡粒子が金型内に隅々まで入り込み、予備発泡粒子同士が融着し、形状が維持される必要があるが、金型の凹凸形状を良好に転写した、角がシャープな成形体を得ることが困難な場合がある。そのため、部品トレーなどに使用する場合、設計した張り出しが充分に形成されないため部品の保持性が損なわれる場合があり、また滑り止めのため表面に四角錘状の小突起を多数形成する場合、小突起の先端が丸いため滑り止め効果が充分に得られない場合がある。
一般的に、樹脂融点温度が低い原料を使用することで、蒸気加熱した際の二次発泡性(二次発泡倍率)が高くなりやすくなる為、金型内への充填性は改善される傾向にはあるが、離型後の収縮により形状が充分に維持されず、結果として角のシャープな成形体を必ずしも得ることができない。
以上のような課題に鑑み、例えば、複雑な形状の成形体を容易に得ることができるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子として、融点温度差が15℃以上30℃以下のポリプロピレン系樹脂を混合してなるメルトインデックスが3g/10min以上20g/10min以下のポリプロピレン系樹脂を基材に用いることが提案されている(特許文献1)。しかし、この方法では、異なる2種の樹脂を混合する必要があるが、均一な混合がなされないと予備発泡粒子内で高融点成分に起因して、成形時の伸びの劣る部位が発生する場合があり、表面に凹凸形状を有する型内発泡成形体において、金型の凹凸形状を良好に転写し得ない場合がある。
ポリプロピレン系樹脂を改質する技術として、有機過酸化物を用いる方法があるが、ポリプロピレン系樹脂を有機過酸化物を用いて減成して予備発泡粒子を得る技術として、例えば、特許文献2には、金型のキャビティ内を減圧しなくても粒子間隙を埋めるのに十分な加熱膨張率を有するポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を提供することを目的として、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が6以下であって、JIS K−7210記載のMFR測定器を用い、オリフィス径(lo)2.0959±0.005mmφ、オリフィス長8.000±0.025mm、荷重2160g、230±0.2℃の条件下でポリプロピレン系樹脂のMFRを測定する際、オリフィスから押出された樹脂の直径lと、オリフィス径(lo)との比(l/lo)が1.15以下であるポリプロピレン系樹脂を基材とする予備発泡粒子が開示されている。
また、特許文献3には、発泡温度が多少変動しても発泡倍率がほとんど変らず、そのために発泡工程の温度管理が容易な上に発泡倍率が一定なので成形性等も優れると共に、発泡倍率も高い高品質の発泡粒子、及びその製造方法を提供することを目的として、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子において、該樹脂中にコモノマー成分としてエチレン及び/又はブテン−1を3〜10重量%含有すると共に、該樹脂のZ平均分子量Mzと重量平均分子量Mwの比Mz/Mwが1.5〜2.5の範囲にあり、該樹脂発泡粒子は融解エネルギーが11〜30J/gの二次結晶を有することを特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡粒子が開示されている。
特開2006−96805号公報 特開平3−152136号公報 特開平8−259724号公報
本発明の目的は、例えば、表面に凹凸形状を有する型内発泡成形体において、成形に使用する金型の凹凸形状を良好に転写し得るような、型内発泡成形体としたときに、表面伸びが良好、かつ、金型追随性が良好なポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を提供することにある。
本発明者らは前記実情に鑑み、金型の凹凸形状を良好に転写し得るポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を得るべく鋭意研究を重ねた結果、溶融時の動的粘弾性測定において、角振動数の低い領域での貯蔵弾性率が特定の領域にあるポリプロピレン系樹脂を基材とし、予備発泡粒子の重量と示差走査熱量計法での融解挙動を特定することにより、型内発泡成形体としたとき表面伸びが良好で金型への追随性が良好なポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子が得られることを見出した。
溶融時の動的粘弾性測定において、角振動数の低い領域での貯蔵弾性率が特定の領域にするための手法としては、後述するとおり、有機過酸化物を用いる方法が挙げられ、特開平3−152136号公報や特開平8−259724号公報にはそのような樹脂を用いたポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子が開示されている。本発明者らは、前記公報に記載のMw/Mn、バラス効果(l/lo)やMz/Mwと、溶融時の動的粘弾性測定における、角振動数の低い領域での貯蔵弾性率が必ずしも相関があるわけではなく、また、溶融時の動的粘弾性測定における、角振動数の低い領域での貯蔵弾性率を所定の範囲とすることで、成形加工時に予備発泡粒子が良好に膨張するだけでなく、例えば、金型端部でも予備発泡粒子が充分に変形して金型内に充満し、金型形状を良好に転写し得る、即ち、型内発泡成形体としたとき表面伸びが良好で金型への追随性が良好なポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子が得られることをようやく見出し、本発明の完成に至った。
すなわち本発明は、180℃での動的粘弾性測定における角振動数1rad/sでの貯蔵弾性率が100〜1000Paであるポリプロピレン系樹脂を基材樹脂とするポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子であり、1個当りの重量が0.5〜3.0mgであり、示差走査熱量計法による測定で2つの融解ピークを示し、該2つの融解ピークのうち、高温側に現われる融解ピーク熱量の融解ピーク全体熱量に対する比率が10〜50%であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子に関する。
本発明の第2は、前記記載のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子に0.1kg/cm−G以上の内圧を付与せしめ、閉塞しうるが密閉しえない金型に充填し、水蒸気で加熱して成形することを特徴とするポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体に関する。
本発明のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子は、型内発泡成形体としたとき表面伸びが良好、かつ、金型への追随性が良好である。従い、ポリプロピレン系樹脂が本来有する耐熱性、耐溶剤性、断熱性、緩衝性を全く阻害することなく、例えば、凹凸を有する複雑な形状の成形体を容易に得ることができる。
本発明のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体は、表面性が良好で、かつ、凹凸を有するような複雑な形状の金型形状を良好に反映しているため、部品トレーや緩衝材、自動車用部材などの用途で幅広く好適に利用可能である。
本発明におけるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子(以下、単に予備発泡粒子と称す場合がある)の基材樹脂であるポリプロピレン系樹脂の組成としては、単量体として、プロピレンを80重量%以上、より好ましくは85重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上含むものであり、例えば、エチレン−プロピレンランダム共重合体、プロピレン−ブテンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン三元共重合体などが挙げられる。
そして本発明における予備発泡粒子の基材樹脂であるポリプロピレン系樹脂の180℃での動的粘弾性測定における角振動数1rad/sでの貯蔵弾性率は、100〜1000Pa、好ましくは200〜900Paである。なお、貯蔵弾性率の測定には回転型のレオメータを用い、平板状のポリプロピレン系樹脂サンプルを180℃で充分に予熱した後に、一定周期で回転角を変化させて歪みを加えた際の応力を検出して行う。測定冶具としてはパラレルプレート型を使用し、窒素雰囲気下で測定を行う。測定は、角振動数0.1rad/sから100rad/sまでの範囲で行い、各角振動数での貯蔵弾性率と損失弾性率が得られる。これらの結果のうち、角振動1rad/sでの貯蔵弾性率の値を採用する。
本発明において180℃での動的粘弾性測定における角振動数1rad/sでの貯蔵弾性率が100〜1000Paの範囲であると、型内発泡成形体としたとき表面伸びが良好、かつ、金型への追随性が良好となる理由は明確ではないが、以下のように考えられる。角振動数1rad/sは一般的に低剪断領域であり、ここでの貯蔵弾性率が1000Pa以下はポリプロピレン系樹脂としては比較的低い領域といえる。成形加工時にポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子が加熱されて気泡内の圧力が上昇し膨張するが、低剪断領域での貯蔵弾性率が低いと膨張に対する抵抗力が小さくなるため、金型の凹凸形状にも充分に追随して伸びることが可能になると考えられる。一方、180℃での動的粘弾性測定における角振動数1rad/sでの貯蔵弾性率が100を下回ると、予備発泡粒子の独立気泡率が低下し、成型加工時に気泡内圧力が抜けて膨張しにくいため、好ましくないと考えられる。
前記180℃での動的粘弾性測定における角振動数1rad/sでの貯蔵弾性率が100〜1000Paの範囲にあるポリプロピレン系樹脂は、例えば、重合で得たポリプロピレン系樹脂(以下、原料ポリプロピレン系樹脂と称す場合がある)を少量の有機過酸化物で処理することで得ることができる。
ここで好適に使用しうる有機過酸化物としては、水素引き抜き性が高いことが好ましく、その様な有機過酸化物の目安としては、1分間半減期温度が100℃以上であることが好ましく、更には、原料ポリプロピレン系樹脂の融点以上であることが好ましい。当該1分間半減期温度の有機過酸化物を使用することで、ポリプロピレン系樹脂と有機過酸化物の混合物を溶融混練して、処理する場合に、ポリプロピレン系樹脂への有機過酸化物が良好に分散し、かつ、速やかに分解される傾向にある。本発明で用いることが出来る有機過酸化物としては、例えば、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタンなどのパーオキシケタール;パーメタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド;ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などのジアルキルパーオキサイド;t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレートなどのパーオキシエステルなどがあげられる。
また、ポリプロピレン系樹脂を有機過酸化物で処理する方法としては、ポリプロピレン系樹脂と有機過酸化物の混合物を溶融混練する方法が挙げられ、生産性の観点から、単軸押出機や二軸押出機などの押出機を使用することが好ましい。この際の押出機の設定温度としては、ポリプロピレン系樹脂が充分に溶融し、押出機を通過する間に有機過酸化物が実質的に全て分解し、かつポリプロピレン系樹脂の過度の分解を抑制する観点から、180〜280℃であることが好ましい。
またポリプロピレン系樹脂を有機過酸化物で処理する方法において、使用する有機過酸化物の配合量としては、原料ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレートにより異なるが、例えば、原料ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレートが0.5〜5g/10分の範囲であれば0.05〜0.5重量部、原料ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレートが5〜15g/10分の範囲であれば0.005〜0.1重量部であることが好ましい。当該範囲内であれば、前記180℃での動的粘弾性測定における角振動数1rad/sでの貯蔵弾性率が100〜1000Paの範囲としやすいことから好ましい。なお本発明において、ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレートは、JIS K7210に準拠し、230℃、荷重2.16kgfの条件で測定された値である。
さらに本発明におけるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の基材樹脂であるポリプロピレン系樹脂の融点は、130〜155℃であることが好ましく、133〜150℃であることがさらに好ましい。
ここで、予備発泡粒子の基材樹脂であるポリプロピレン系樹脂の融点とは、示差走査熱量計法による測定において、40℃と210℃の間を10℃/分の速度で昇温・降温させた後、再度40℃から210℃まで10℃/分にて昇温した際に吸熱量が最大となる結晶融解ピークの示す温度を言う。
前記ポリプロピレン系樹脂の融点が130℃未満の場合、離型後の収縮が大きいために成形体の形状が維持されにくい傾向にあり、155℃を超えると、後述する予備発泡粒子の示差走査熱量計法による測定における2つの融解ピークの温度差が狭くなる傾向にある。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリプロピレン系樹脂に、さらに別のポリプロピレン系樹脂またはポリプロピレン系樹脂以外の他の合成樹脂を添加しても良い。ポリプロピレン系樹脂以外の他の合成樹脂としては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、直鎖状超低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタアクリル酸共重合体等のエチレン系樹脂、ポリスチレン、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−エチレン共重合体等のスチレン系樹脂等が例示される。
また、必要に応じて、例えば、タルク、酸化ホウ素等の造核剤をはじめ、メラミン等の吸水性化合物、酸化防止剤、金属不活性剤、燐系加工安定剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、蛍光増白剤、金属石鹸などの安定剤または架橋剤、連鎖移動剤、滑剤、可塑剤、充填剤、強化剤、顔料、染料、難燃剤、帯電防止剤等を本発明の効果を損なわない範囲で基材樹脂に添加してもよい。
ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を得るには、まずは基材樹脂を加工しポリプロピレン系樹脂粒子とする。例えば、本発明においては、基材樹脂となる、ポリプロピレン系樹脂と必要に応じて添加される前記合成樹脂や前記添加剤を共に押出機等で溶融混合し、ストランド状に押出してペレット化するか、ダイから吐出直後に切断することなどにより、円柱状、楕円柱状、球状、立方体状、直方体状等のような所望の粒子形状のポリプロピレン系樹脂粒子とする。
前記ポリプロピレン系樹脂粒子は、発泡させてポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子とするため、ポリプロピレン系樹脂粒子重量は、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子重量となる。そのため、ポリプロピレン系樹脂粒子の1個当りの重量は0.5〜3.0mg、好ましくは0.7〜2.0mgとする。ポリプロピレン系樹脂粒子の1個当りの重量、即ちポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の1個当りの重量が0.5mg未満の場合、粒子重量のばらつきが大きくなるため、発泡工程での各粒子への熱廻りにムラを生じ発泡粒子の倍率ばらつきが大きくなり、成形体にヒケやシワを生じる。3.0mgを越える場合、金型の隅々まで発泡粒子が膨張しないため金型の凹凸形状を転写しきれない。
前記ポリプロピレン系樹脂粒子を、発泡させ、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子とする方法としては、例えば、揮発性発泡剤と共に耐圧容器内で水中に分散させ、ポリプロピレン系樹脂分散物とし、該分散物を、好ましくは該ポリプロピレン系樹脂粒子の融点−25℃から+10℃、更に好ましくは−20℃から+5℃の範囲の温度に加熱して該ポリプロピレン系樹脂粒子内に発泡剤を含浸させ、該発泡剤の示す蒸気圧以上の加圧下で容器内の温度、圧力を一定に保持しながら、該ポリプロピレン系樹脂粒子と水との分散物を容器内よりも低圧の雰囲気下に放出することにより、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を得る方法などが挙げられる。
前記分散物の調製に際しては、分散剤として、例えば、第三リン酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、カオリン等の無機系分散剤と、例えばドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、n−パラフィンスルホン酸ソーダ、α−オレフィンスルホン酸ソーダ、硫酸マグネシウム等の分散助剤を使用することが好ましい。これらの中でも、第三リン酸カルシウムとドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの併用が更に好ましい。
分散剤や分散助剤の使用量は、その種類や、用いるポリプロピレン系樹脂の種類と使用量によって異なるが、通常、水100重量部に対して分散剤0.2〜3重量部を配合することが好ましく、分散助剤0.001重量部以上0.1重量部以下を配合することが好ましい。また、ポリプロピレン系樹脂粒子は、水中での分散性を良好なものにするために、通常、水100重量部に対して20重量部以上100重量部以下使用するのが好ましい。
前記発泡剤としては、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサンなどの炭化水素、または、窒素、空気、炭酸ガス等の無機ガスがあげられ、これらは単独または2種以上組み合わせて使用される。これらの発泡剤の使用量に限定はなく、発泡剤の種類、容器内の樹脂量と容器内空間容積との比率を考慮して設定すれば良く、その使用量はポリプロピレン系樹脂粒子100重量部に対して、好ましくは5重量部以上50重量部以下である。
前記発泡剤を利用する以外にも、経済的にポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を製造する方法として、ポリプロピレン系樹脂粒子中に、例えば、親水性化合物を含有させることにより、分散媒に使用する水を発泡剤として利用する方法(例えば、特開平10−306179号公報、特開平11−106576号公報)も利用可能である。
以上のようにして得られたポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の発泡倍率は、好ましくは10倍以上50倍以下であり、更に好ましくは15倍以上40倍以下である。発泡倍率が当該範囲内であると、型内発泡成形加工した発泡体の利点である軽量性と満足な圧縮強度が得られる傾向にある。
更には、前記ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の発泡倍率が前記範囲に至らなかった場合、予備発泡粒子内を不活性ガスで加圧し、加熱して発泡倍率を高める方法(例えば特開平10−237212号公報)も利用可能である。
本発明のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子は、示差走査熱量計法による測定において、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子試料4〜10mgを40℃から210℃まで10℃/分の速度で昇温した時に得られる吸熱曲線において、基材樹脂が本来有していた結晶状態に基づく融解ピークと、予備発泡粒子を得る工程で融点近傍の温度に保持することで、前記融解ピークより高温側に出現する融解ピークの、2つの融解ピークを示す。そして、この2つの融解ピークのうち、高温側に現われる融解ピーク熱量の融解熱量全体に対する比率が10〜50%であり、好ましくは15〜45%である。
前記高温側に現われる融解ピーク熱量の比率が10%未満の場合、離型後の収縮が大きいために型内発泡成形体の形状が維持されにくく、50%を超えると、成形加工時の加熱でもポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子が充分に膨張せず、金型内に充分に充填されない。
また本発明のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子は、示差走査熱量計法による測定において高温側の融解ピークの最高値が示す温度(以下、高温側融点と称す)と他方の融解ピークの最高値が示す温度(以下、低温側融点と称す)の温度差が10℃以上であることが好ましく、13℃以上あることが更に好ましい。上限としては特に設けないが、現実的には35℃が製造可能な上限である。前記温度差が10℃未満である場合、加熱蒸気圧力や温度範囲といった成形加工条件幅が狭く、安定して成形体を得にくい傾向にある。
本発明の発泡成形体は、本発明のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を用いて型内発泡成形法により得られる。
本発明のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子からポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体を成形するには、例えば、イ)発泡粒子を無機ガスで加圧処理して粒子内に無機ガスを含浸させ所定の粒子内圧を付与した後、金型に充填し、蒸気等で加熱融着させる方法(例えば、特公昭51−22951号)、ロ)発泡粒子をガス圧力で圧縮して金型に充填し粒子の回復力を利用して、蒸気等で加熱融着させる方法(例えば、特公昭53−33996号)等の方法が利用しうる。中でも、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子に0.1kg/cm−G以上の内圧を付与せしめ、閉塞しうるが密閉しえない金型に充填し、水蒸気で加熱して成形する方法が、薄肉形状を有する箱型成形体や表面に凹凸形状を有する型内発泡成形体等の複雑な形状を有する型内発泡成形体を美麗に成形し易いために好ましい。このようにして得られたポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の密度は、12〜75kg/mの範囲であることが好ましい。当該範囲の密度であるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体は、型内発泡成形体の特徴である軽量性を有し、かつ、金型追随性が良好であるため、成形時に収縮、変形が起こりにくく、不良品の割合が低いため生産性が良好である傾向にある。
ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の発泡倍率と型内発泡成形時の粒子内圧付与を適宜調整することで所望とする密度の型内発泡成形体を得ることが出来る。
次に、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
〈基材樹脂の貯蔵弾性率測定〉
ポリプロピレン系基材樹脂を1.5mm厚のスペーサーを用いて190℃にて5分間熱プレスして1.5mm厚のプレス板を作製し、ここからφ25mmのポンチを用いて打ち抜き、試験片を得たる。測定装置としては、TAインスツルメンツ社製粘弾性測定装置、ARESを用い、φ25mmのパラレルプレート型冶具を装着した。冶具を囲うように恒温槽を設置し180℃に保温、冶具が予熱された後に恒温槽を開け、パラレルプレート間にφ25mmとした試験片を挿入して恒温槽を閉じ、5分間予熱した後にパラレルプレート間隔を1mmまで圧縮した。圧縮後、再度恒温槽を開き、パラレルプレートからはみ出した樹脂を真鍮のヘラで掻き取り、恒温槽を閉じて再度5分間保温した後に、動的粘弾性測定を開始した。測定は、角振動数0.1rad/sから100rad/sまでの範囲で行い、各角周波数での貯蔵弾性率と損失弾性率が得られる。これらの結果のうち、角周波数1rad/sでの貯蔵弾性率の値を採用した。なお、歪み量は5%で、窒素雰囲気下で測定を行った。
〈基材樹脂の分子量分布測定〉
基材樹脂をo−ジクロロベンゼンに溶解して約2.0mg/mLの試料溶液を作製した。測定装置としてはウォーターズ社製高温GPC測定装置、Alliance GPCV200を用い、カラムとしては昭和電工社製のShodex UT−807を用い、カラム温度140℃、溶離液流量1.0mL/分、注入量317μLにて測定を行い、Mw/Mn(重量平均分子量/数平均分子量)、及びMz/Mw(z平均分子量/重量平均分子量)を求めた。
〈予備発泡粒子の重量測定〉
ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を無作為に20個取り出し、各重量から算術平均にて求めた。
〈ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の融解熱量比率測定〉
示差走査熱量計法による測定において、発泡粒子試料4〜10mgを40℃から210℃まで10℃/分の速度で昇温して融解した時に得られる吸熱曲線において、低温側の融解ピークから得られる融点を低温側融点とし、低温側融点より高温側に現れる融解ピークから得られる融点を高温側融点とした。そして、両融点の間で最も吸熱が小さくなる点から各融点の立ち上がり部に接線を引き、該接線と吸熱曲線で囲まれた面積から各融解ピークにおける融解熱量を求める。各融解ピークの融解熱量の和を融解熱量全体として、高温側融点に基づく融解ピーク熱量の融解熱量全体に対する比率を算出した。
〈基材樹脂の樹脂融点測定〉
示差走査熱量計法による測定において、発泡前の樹脂粒子試料4〜10mgを40℃から210℃まで10℃/分の速度で昇温して一旦融解し、次に210℃から40℃まで10℃/分の速度で冷却するという熱履歴の後、再度40℃から210℃まで10℃/分の速度で昇温して融解した時に得られる吸熱曲線においてえられる吸熱量が最大となる結晶融解ピークを樹脂融点とした。
〈発泡倍率測定〉
試料となる予備発泡粒子重量と、該試料をメスフラスコ中のエタノールに水没させてえられる容積から予備発泡粒子密度を算出し、基材樹脂密度を除して発泡倍率とした。
〈成形評価〉
内寸300mm×400mm×50mmで、300mm×400mmの一面に、2.5mm×2.5mm、深さ1.2mmの四角錐状の凹部(成形体表面に四角錐形状の突起を形成)を全面に配した成形金型を用いる。そして予備発泡粒子を2.0kg/cm−Gの加圧空気下に約24時間放置して、予備発泡粒子に1.5kg/cm−Gの内圧を付与せしめ、閉塞しうるが密閉しえない前記成形金型に充填し、3.0kgf/cm−Gの水蒸気加熱により成形を行った。成形後、25℃で2時間静置し、次いで65℃に温調した恒温室内に5時間静置した後取り出し、25℃で4時間静置して放冷し、成形体を得た。
(1)表面性
成形体表面(四角錐形状の突起を形成した面、及びそれ以外の面)を観察し、以下の基準に基づいて評価した。
○:表面に現れる発泡粒子の輪郭全てが隣り合った粒子と融着し、成形体表面に露出する発泡粒子表面に皺がない。
×:表面に現れる発泡粒子間に隙間が観られる、もしくは、成形体表面に露出する発泡粒子表面に皺が見られる。
(2)成形体収縮率
成形体の四角錘状の突起を形成した面の縦横寸法(金型内寸で300mm、400mmの辺)を測定し、金型からの収縮率を算出し、縦方向及び横方向の収縮率を算術平均した。
(3)金型転写性
成形体表面に形成された四角錘状の突起について、30個を任意(成形時の水蒸気を通過させるべく小孔を設けた部位を除く)に選定し、四角錐の頂点を通る面で切り出して四角錐の高さを測定し算術平均を行う。予備発泡粒子が金型転写性に劣る場合や成形後の収縮が大きい場合は、四角錘状の突起部先端が丸く四角錐の高さは低くなることから、以下の基準で金型転写性を評価した。
○:四角錐状の突起の平均高さが1.0mm以上
×:四角錐状の突起の平均高さが1.0mm未満
(実施例1)
エチレン−プロピレンランダム共重合体(樹脂密度0.90g/cm、樹脂融点142.3℃、230℃におけるメルトフローインデックス6.0g/10分)100重量部に対し、有機過酸化物としてt−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート(日本油脂製、パーブチルI、1分間半減期温度159℃)0.01重量部とパウダー状タルク0.1重量部をドライブレンドして200℃に設定した50mm単軸押出機にて押し出し、エチレン−プロピレンランダム共重合体樹脂粒子(樹脂密度0.90g/cm、樹脂融点142.3℃、180℃角振動数1rad/sでの貯蔵弾性率870Pa、Mw/Mn4.8、Mz/Mw2.7、1個当りの重量1.3mg)とした。得られた樹脂粒子100重量部(2kg)を、攪拌機を有する10L容の耐圧容器の中に入れ、第3リン酸カルシウム(大平化学産業製)2.0重量部及びノルマルパラフィンスルホン酸ナトリウム0.03重量部の存在下で、水300重量部中に分散させた。該分散液を攪拌しながら、イソブタン12.4重量部を加え(初期仕込み量)、該分散液を132.9℃に加熱した。この時、ガス状のイソブタンを追加して、該耐圧容器の内圧を20.2kgf/cmになるように調整した。次に、該耐圧容器内の圧力をガス状のイソブタンで維持しながら、内径25mmの放出バルブの後方端に取り付けた直径4mmの円形オリフィスを通して、ペレット及び水の分散液を大気中に放出して、発泡倍率28.4倍、1個当りの重量が1.3mg、示差走査熱量計に基づく高温側融点の熱量比率は23.1%、高融点ピーク温度と低融点ピーク温度の差は15.7℃の予備発泡粒子を得た。この予備発泡粒子の成形評価を行ったところ、表面性は○、成形体収縮率は2.4%であり、四角錘状突起高さは1.1mmで金型転写性は○であった。評価結果を表1に示す。
Figure 2008255213
(比較例1)
実施例1でブレンド時に添加した有機過酸化物を添加せずに押出機による混練を実施し、エチレン−プロピレンランダム共重合体樹脂粒子(樹脂密度0.90g/cm、樹脂融点142.4℃、180℃角振動数1rad/sでの貯蔵弾性率1269Pa、Mw/Mn5.2、Mz/Mw3.0、1個当りの重量1.3mg)を得た以外は実施例1と同様な方法により発泡倍率24.5倍、1個当りの重量が1.3mg、示差走査熱量計に基づく高温側融点の熱量比率は22.4%、高融点ピーク温度と低融点ピーク温度の差は15.8℃の予備発泡粒子を得た。この予備発泡粒子の成形評価を行ったところ、表面性は○で、成形体収縮率は2.3%であり、四角錘状突起高さは0.8mmで金型転写性は×であった。
(実施例2)
実施例1で用いた樹脂を用いる代わりに、エチレン−プロピレンランダム共重合体(樹脂密度0.90g/cm、樹脂融点137.7℃、230℃におけるメルトフローインデックス2.0g/10分)100重量部とパウダー状タルク0.1重量部、有機過酸化物としてα,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン(日本油脂製、パーブチルP、1分間半減期温度175℃)0.08重量部をドライブレンド・押出機による混練を実施し、エチレン−プロピレンランダム共重合体樹脂粒子(樹脂密度0.90g/cm、樹脂融点137.9℃、180℃角振動数1rad/sでの貯蔵弾性率525Pa、Mw/Mn3.7、Mz/Mw2.5、1個当りの重量0.9mg)を得た。イソブタンの初期仕込み量を15.0重量部とし、分散液を126.9℃に加熱し、該耐圧容器の内圧を19.4kgf/cmに調整した以外は実施例1と同様な方法により、発泡倍率25.8倍、1個当りの重量が0.9mg、示差走査熱量計に基づく高温側融点の熱量比率は30.1%、高融点ピーク温度と低融点ピーク温度の差が17.5℃の予備発泡粒子を得た。この予備発泡粒子の成形評価を行ったところ、表面性は○で、成形体収縮率は2.5%であり、四角錘状突起高さは1.1mmで金型転写性は○であった。
(実施例3)
実施例1で用いた樹脂を用いる代わりに、エチレン−プロピレンランダム共重合体(樹脂密度0.90g/cm、樹脂融点142.4℃、230℃におけるメルトフローインデックス0.5g/10分)100重量部とパウダー状タルク0.1重量部、有機過酸化物としてt−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート(日本油脂製、パーブチルI、1分間半減期温度159℃)0.3重量部をドライブレンド・押出機による混練を実施し、エチレン−プロピレンランダム共重合体樹脂粒子(樹脂密度0.90g/cm、樹脂融点142.5℃、180℃角振動数1rad/sでの貯蔵弾性率245Pa、Mw/Mn2.8、Mz/Mw2.1、1個当りの重量1.7mg)を得た。イソブタンの初期仕込み量を12.0重量部とし、分散液を136.2℃に加熱し、該耐圧容器の内圧を19.0kgf/cmに調整した以外は実施例1と同様な方法により、発泡倍率23.8倍、1個当りの重量が1.7mg、示差走査熱量計に基づく高温側融点の熱量比率は17.7%、高融点ピーク温度と低融点ピーク温度の差が17.1℃の予備発泡粒子を得た。この予備発泡粒子の成形評価を行ったところ、表面性は○で、成形体収縮率は2.7%であり、四角錘状突起高さは1.0mmで金型転写性は○であった。
(比較例2)
実施例3でブレンド時に添加する有機過酸化物を0.7重量部としてドライブレンド・押出機による混練を実施し、エチレン−プロピレンランダム共重合体樹脂粒子(樹脂密度0.90g/cm、樹脂融点142.4℃、180℃角振動数1rad/sでの貯蔵弾性率84Pa、Mw/Mn2.8、Mz/Mw2.1、1個当りの重量が1.7mg)を得た以外は実施例3と同様な方法により発泡倍率22.8倍、1個当りの重量が1.7mg、示差走査熱量計に基づく高温側融点の熱量比率は25.0%、高融点ピーク温度と低融点ピーク温度の差は16.9℃の予備発泡粒子を得た。この予備発泡粒子の成形評価を行ったところ、表面性は皺が多く×で、成形体収縮率は3.5%であり、四角錘状突起高さは0.8mmで金型転写性は×であった。
(比較例3)
実施例1で押出の際の引取速度と切断速度を調整してエチレン−プロピレンランダム共重合体樹脂粒子(樹脂密度0.90g/cm、樹脂融点142.3℃、180℃角振動数1rad/sでの貯蔵弾性率870Pa、Mw/Mn4.8、Mz/Mw2.7、1個当りの重量3.5mg)を得、イソブタンの初期仕込み量を16.0重量部とした以外は実施例1と同様な方法により発泡倍率23.1倍、1個当りの重量が3.5mg、示差走査熱量計に基づく高温側融点の熱量比率は22.7%、高融点ピーク温度と低融点ピーク温度の差は15.1℃の予備発泡粒子を得た。この予備発泡粒子の成形評価を行ったところ、表面性は発泡粒子間に隙間が見られる個所があり×で、成形体収縮率は2.5%であり、四角錘状突起高さは0.9mmで金型転写性は×であった。
(比較例4)
実施例1のエチレン−プロピレンランダム共重合体樹脂粒子を用い、分散液を129.5℃に加熱した以外は実施例1と同様な方法により発泡倍率27.1倍、1個当りの重量が1.3mg、示差走査熱量計に基づく高温側融点の熱量比率は52.1%、高融点ピーク温度と低融点ピーク温度の差は14.9℃の予備発泡粒子を得た。この予備発泡粒子の成形評価を行ったところ、表面性は発泡粒子間に隙間が見られる個所があり×で、成形体収縮率は2.2%であり、四角錘状突起高さは0.7mmで金型転写性は×であった。
(比較例5)
実施例1のエチレン−プロピレンランダム共重合体樹脂粒子を用い、分散液を135.0℃に加熱した以外は実施例1と同様な方法により発泡倍率28.7倍、1個当りの重量が1.3mg、示差走査熱量計に基づく高温側融点の熱量比率は9.4%、高融点ピーク温度と低融点ピーク温度の差は15.3℃の予備発泡粒子を得た。この予備発泡粒子の成形評価を行ったところ、表面性は発泡粒子間に隙間が見られないが皺が多く×で、成形体収縮率は3.3%であり、四角錘状突起高さは0.8mmで金型転写性は×であった。
示差走査熱量計を用い、本発明記載のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を測定した際に得られるDSC曲線の一例である。横軸は温度、縦軸は吸熱量である。低温側の網掛け部分(Ql)が低温側融点に基づく融解ピーク熱量、高温側の網掛け部分(Qh)が高温側融点に基づく融解ピーク熱量を表す。

Claims (2)

  1. 180℃での動的粘弾性測定における角振動数1rad/sでの貯蔵弾性率が100〜1000Paであるポリプロピレン系樹脂を基材樹脂とするポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子であり、1個当りの重量が0.5〜3.0mgであり、示差走査熱量計法による測定で2つの融解ピークを示し、該2つの融解ピークのうち、高温側に現われる融解ピーク熱量の融解ピーク全体熱量に対する比率が10〜50%であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子。
  2. 請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子に0.1kg/cm−G以上の内圧を付与せしめ、閉塞しうるが密閉しえない金型に充填し、水蒸気で加熱して成形することを特徴とするポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体。
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