JP2008254610A - 車両制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】操舵系に生ずる振動の増大を抑制して良好な操舵フィーリングを実現することのできる車両制御装置を提供すること。
【解決手段】特定周波数抽出部51は、操舵系の状態を示す信号としてのピニオン角θpから、EPSアクチュエータ22を構成する減速機構における歯打ち音(ラトル音)の発生を助長する振動に対応する周波数成分を抽出し、その実効値をパワースペクトルSpとして出力する。そして、速度ECU7は、そのパワースペクトルSpが所定の閾値以上となった場合には、当該パワースペクトルSpを低減すべく、車速を制御、詳しくは、車速Vが、第1の所定速度から第2の所定速度までの範囲から外れるように制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両制御装置に関するものである。
従来、モータを駆動源とする電動パワーステアリング装置(EPS)には、ステアリングシャフトを回転駆動することにより、そのモータトルクをアシスト力として操舵系に付与するものがある。通常、このようなEPSにおいて、モータは、第1及び第2のギヤを噛合してなる減速機構(例えばウォーム&ホイール等)を介してステアリングシャフトに連結されている。そして、同モータの回転は、この減速機構により減速されてステアリングシャフトに伝達されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−291718号公報
さて、このようなEPSにおいて、操舵系に発生した振動は、その操舵フィーリングを損ねる要因の一つとなる。つまり、不整路面走行時等、転舵輪に逆入力応力が印加された場合、当該逆入力応力は、その減衰までの間、振動として操舵系に残存することになるが、その振動、或いは当該振動により生ずる異音を運転者が感じ取ることで、操舵フィーリングは、大きく損なわれることとなる。そして、特に、上記のような第1及び第2のギヤを噛合してなる減速機構を介してモータとステアリングシャフトとが駆動連結されたEPSでは、こうした操舵系に生じた振動が、上記両ギヤの噛合部における歯打ち音(ラトル音)の発生を助長する可能性がある。
即ち、EPSの多くは、図8に示すようなステアリングと転舵輪とを連結する操舵伝達系(ステアリングシャフト71)の途中に設けられたトーションバー72の捻れ角に基づき操舵トルクを検出するトルクセンサ73を備えている。尚、図8は、EPS用トルクセンサとして広く採用されているもの、即ちトーションバー72の両端に設けられた一対の角度センサ74a,74b(レゾルバ)により同トーションバー72の捻れ角を検出する所謂ツインレゾルバ型トルクセンサの概略構成を示す模式図である。そして、EPSは、このようなトルクセンサにより検出された操舵トルクに基づいて、操舵反力を低減する方向にアシスト力を付与する。
しかしながら、逆入力応力印加時においては、当該逆入力応力により回転するステアリングシャフトに対し、モータは、その回転を抑制すべく相反する方向に回転する。即ち、トルクセンサにおいて逆入力応力に基づくトルクが操舵反力として検出されることで、モータは、その操舵反力を低減する(打ち消す)方向にアシスト力を付与すべく制御される。そして、図9に示すように、ステアリングシャフトとともに一体回転する第1のギヤ(リダクションギヤ)75と、モータ駆動により回転する第2のギヤ(モータギヤ)76とが相反する方向に回転し、互いに噛合されたそれぞれの歯75a,76aが互いに衝突することにより歯打ち音が発生する。従って、歯打ち音は、操舵系に生ずる振動が増大するほど大となる傾向があり、操舵フィーリングの更なる向上を図るために、こうした操舵系に生ずる振動の増大を抑制することが重要な課題の一つとなっている。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、操舵系に生ずる振動の増大を抑制して良好な操舵フィーリングを実現することのできる車両制御装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、モータを駆動源として操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する電動パワーステアリング装置と、車速を制御可能な車速制御装置とを備えた車両制御装置であって、前記操舵系の状態を示す信号から、前記操舵系に生じた振動に対応する特定の周波数成分を抽出可能な特定周波数抽出手段を備え、前記車速制御装置は、前記特定の周波数成分の実効値が所定の閾値以上である場合には、該特定の周波数成分の実効値が増大する車速領域から外すべく前記車速を制御すること、を要旨とする。
請求項2に記載の発明は、前記モータは、第1及び第2のギヤを噛合してなる減速機構を介してステアリングシャフトに駆動連結されるものであって、前記特定の周波数成分は、前記第1及び第2のギヤの噛合部分における歯打ち音の発生を助長する振動に対応する周波数成分であること、を要旨とする。
即ち、操舵系に生ずる振動の振幅は、転舵輪を支承するサスペンションの振動特性に依存し、当該サスペンションに共振が発生する特定の車速領域において増幅される。従って、上記各構成のように、この車速領域から外れるように車速を制御することにより、操舵系に生ずる振動の増大を抑制することができる。特に、請求項2に示される構成を有するもの、例えば所謂コラム型のようなものにおいては、操舵系に生ずる振動は、減速機構における歯打ち音(ラトル音)の発生として顕在化しやすい。そして、このような歯打ち音もまた、特定の車速領域において特に顕著となる傾向がある。従って、特定の周波数成分及び特定の車速領域を、歯打ち音の抑制に焦点を絞った設定とすることで、より顕著な効果を得ることができる。
請求項3に記載の発明は、モータを駆動源として操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する電動パワーステアリング装置と、車速を制御可能な車速制御装置とを備えた車両制御装置であって、前記車速制御装置は、前記車速が、前記操舵系に生ずる振動が増大する車速領域にある場合には、前記車速を当該車速領域から外すべく制御すること、を要旨とする。
請求項4に記載の発明は、前記モータは、第1及び第2のギヤを噛合してなる減速機構を介してステアリングシャフトに駆動連結されるものであって、前記車速領域は、前記第1及び第2のギヤの噛合部分における歯打ち音の発生が顕著となる車速領域であること、を要旨とする。
上記各構成によれば、請求項1及び請求項2に記載の発明と同様の効果を得ることができる。加えて、特定の周波数成分の抽出、及びその実効値の算出を行わないため、その演算負荷が小さいという利点がある。
請求項5に記載の発明は、前記車速制御装置は、車両が加速状態にある場合には、前記車速が増速する方向で前記制御すること、を要旨とする。
請求項6に記載の発明は、車両が加速状態にない場合には、前記車速が減速する方向で前記制御すること、を要旨とする。
上記各構成によれば、運転者に違和感を与えることなく、特定の車速領域を外すように車速を制御することができる。
本発明によれば、操舵系に生ずる振動の増大を抑制して良好な操舵フィーリングを実現することが可能な車両制御装置を提供することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態の車両1は、前輪2fを駆動輪とする前輪駆動車であり、エンジン3に組み付けられたトランスアクスル4には、一対のフロントアクスル5が連結されている。そして、エンジン3の駆動力は、これらフロントアクスル5を介して駆動輪である前輪2fへと伝達されるようになっている。
本実施形態では、駆動源であるエンジン3、及び各車輪2に設けられたブレーキ装置6は、速度ECU7によりその作動が制御されている。本実施形態では、速度ECU7には、車速センサ8により検出される車速Vの他、各車輪速やアクセル開度、並びにブレーキ信号等が入力されるようになっている。そして、速度ECU7は、これら入力される各種の車両状態量に基づいて、エンジン3の出力、及び各ブレーキ装置6が発生する制動力を制御することにより、車両1の車速Vを制御する構成となっている。即ち、本実施形態では、エンジン3を含む駆動系、及び各ブレーキ装置6を含む制動系、並びに速度ECU7により速度制御装置が構成されている。
また、本実施形態の車両1は、モータを駆動源として操舵系にアシスト力を付与する電動パワーステアリング装置(EPS)10を備えている。即ち、本実施形態の車両1において、車両制御装置は、上記速度制御装置と、この電動パワーステアリング装置とを備えて構成されている。
図2に示すように、ステアリング11が固定されたステアリングシャフト12は、ラックアンドピニオン機構13を介してラック軸14と連結されており、ステアリング操作に伴うステアリングシャフト12の回転は、ラックアンドピニオン機構13によりラック軸14の往復直線運動に変換される。本実施形態のステアリングシャフト12は、自在継手15a,15bを介して、コラムシャフト16、インターミディエイトシャフト17、及びピニオンシャフト18を連結してなり、ラックアンドピニオン機構13は、ピニオンシャフト18に形成されたピニオン歯18aとラック軸14側のラック歯14aとを噛合させることにより構成されている。また、ラック軸14の両端には、タイロッド19が連結されており、これらのタイロッド19は、それぞれ、左右の前輪2fを支持するナックル20に連結されている(図1参照)。そして、ステアリングシャフト12の回転に伴うラック軸14の往復直線運動が、タイロッド19を介してナックル20に伝達されることにより、転舵輪である前輪2fの舵角が変更される構成となっている。
本実施形態では、ステアリングシャフト12を構成するコラムシャフト16には、モータ21を駆動源として同コラムシャフト16の回転駆動が可能なEPSアクチュエータ22が設けられている。即ち、本実施形態のEPSアクチュエータ22は、コラムシャフト16にアシスト力を付与する所謂コラム型のEPSアクチュエータとして構成されており、その駆動源であるモータ21は、EPSECU23から供給される駆動電力により回転する。そして、EPSECU23は、このモータ21に対する駆動電力の供給を通じて同モータ21の出力トルクを制御することにより、EPSアクチュエータ22の作動、即ち操舵系に付与するアシスト力を制御する構成となっている。
詳述すると、本実施形態のEPSアクチュエータ22において、モータ21は、減速機構24を介してコラムシャフト16と駆動連結されており、同減速機構24は、コラムシャフト16に対して相対回転不能に設けられたリダクションギヤ25と、モータ軸21aに対して相対回転不能に設けられたモータギヤ26とを噛合することにより構成されている。尚、本実施形態では、第1ギヤとしてのリダクションギヤ25にはウォームホイールが用いられ、第2ギヤとしてのモータギヤ26にはウォームギヤが用いられている。即ち、本実施形態の減速機構24は、所謂ウォーム&ホイールにより構成されている。そして、本実施形態のEPSアクチュエータ22は、この減速機構24によって、駆動源であるモータ21の回転を減速してコラムシャフト16に伝達することにより、そのモータトルクをアシスト力として操舵系に付与するように構成されている。
一方、EPSECU23には、コラムシャフト16に設けられたトルクセンサ31が接続されている。本実施形態では、コラムシャフト16は、ステアリング11側の第1シャフト16aとインターミディエイトシャフト17(ピニオンシャフト18)側の第2シャフト16bとを、トーションバー33を介して連結することにより形成されている。そして、トルクセンサ31は、トーションバー33、及び同トーションバー33の両端(第1シャフト16aの端部及び第2シャフト16bの端部)に設けられた一対の角度センサ34a,34b(レゾルバ)により構成されている。
即ち、本実施形態のトルクセンサ31は、図8に示されるトルクセンサ73と同様、ツインレゾルバ型のトルクセンサとして構成されており、EPSECU23は、第1の角度センサ34aにより第1シャフト16aの回転角(操舵角θs)を検出するとともに、第2の角度センサ34bにより第2シャフト16bの回転角(ピニオン角θp)を検出する。そして、これら両角度センサ34a,34bにより検出された両回転角の差分、即ちトーションバー33の捻れ角に基づいて、操舵トルクτを検出する。
また、本実施形態では、EPSECU23には、車速センサ8により検出された車速Vが入力される。そして、EPSECU23は、これら各センサにより検出される操舵トルクτ及び車速Vに基づいて、操舵系に付与すべき目標アシスト力を決定し、当該目標アシスト力をEPSアクチュエータ22に発生させるべく、モータ21に対する駆動電力の供給を実行する。
次に、本実施形態のEPSにおけるアシスト制御の態様について説明する。
図3に示すように、EPSECU23は、モータ制御信号を出力するマイコン41と、そのモータ制御信号に基づいて、EPSアクチュエータ22の駆動源であるモータ21に駆動電力を供給する駆動回路42とを備えている。
本実施形態では、EPSECU23には、モータ21に通電される実電流値Iを検出するための電流センサ43、及びモータ回転角θmを検出するための回転角センサ44(図1参照)が接続されている。そして、マイコン41は、上記各車両状態量、並びにこれら電流センサ43及び回転角センサ44の出力信号に基づき検出されたモータ21の実電流値I及びモータ回転角θmに基づいて、駆動回路42に出力するモータ制御信号を生成する。
詳述すると、マイコン41は、操舵系に付与するアシスト力の目標値、すなわち目標アシスト力に対応した電流指令値Iq*を演算する電流指令値演算部45と、電流指令値演算部45により算出された電流指令値Iq*に基づいてモータ制御信号を出力するモータ制御信号出力部46とを備えている。
本実施形態では、電流指令値演算部45には、操舵トルクτ及び車速Vが入力されるようになっている。そして、該電流指令値演算部45は、これら操舵トルクτ及び車速Vに基づいて、その操舵トルクτが大きいほど、また車速Vが小さいほど、より大きな電流指令値Iq*を演算する。
電流指令値演算部45が出力する電流指令値Iq*は、電流センサ43により検出された実電流値I、及び回転角センサ44により検出されたモータ回転角θmとともに、モータ制御信号出力部46に入力される。そして、モータ制御信号出力部46は、この目標アシスト力に対応する電流指令値Iq*に実電流値Iを追従させるべくフィードバック制御を実行することによりモータ制御信号を演算する。
具体的には、本実施形態では、モータ21には、三相(U,V,W)の駆動電力の供給により回転するブラシレスモータが用いられている。そして、モータ制御信号出力部46は、実電流値Iとして検出されたモータ21の相電流値(Iu,Iv,Iw)をd/q座標系のd,q軸電流値に変換(d/q変換)することにより、上記電流フィードバック制御を行う。
即ち、電流指令値Iq*は、q軸電流指令値としてモータ制御信号出力部46に入力され、モータ制御信号出力部46は、回転角センサ44により検出されたモータ回転角θmに基づいて相電流値(Iu,Iv,Iw)をd/q変換する。また、モータ制御信号出力部46は、そのd,q軸電流値及びq軸電流指令値に基づいてd,q軸電圧指令値を演算する。そして、そのd,q軸電圧指令値をd/q逆変換することにより相電圧指令値(Vu*,Vv*,Vw*)を演算し、当該相電圧指令値に基づいてモータ制御信号を生成する。
そして、本実施形態のEPSECU23は、上記のように生成されたモータ制御信号をマイコン41が駆動回路42に出力し、該駆動回路42がその当該モータ制御信号に基づく三相の駆動電力をモータ21に供給することにより、EPSアクチュエータ22の作動を制御する構成となっている。
(操舵系に生ずる振動の抑制制御)
次に、本実施形態における操舵系に生ずる振動の抑制制御の態様について説明する。
図3に示すように、本実施形態では、EPSECU23を構成するマイコン41には、入力される信号から特定の周波数成分を抽出可能な特定周波数抽出部51が設けられている。本実施形態では、この特定周波数抽出部51には、操舵系の状態を示す信号として、該操舵系を構成するピニオンシャフト18の回転角を示すピニオン角θpが入力されるようになっており、該特定周波数抽出部51は、入力されるピニオン角θpから、操舵系に生じた振動に対応する特定の周波数成分を抽出する。具体的には、特定周波数抽出部51は、入力されるピニオン角θpから、減速機構24を構成するリダクションギヤ25及びモータギヤ26の噛合部分における歯打ち音(ラトル音)の発生を助長する振動に対応する周波数成分を抽出する。そして、その実効値をパワースペクトルSpとして出力するように構成されている。
詳述すると、図4のフローチャートに示すように、特定周波数抽出部51は、入力されるピニオン角θp(ステップ101)について、先ず、バンドパスフィルタ処理を実行し、歯打ち音の発生を助長する特定の周波数成分として8〜12Hzの周波数成分を抽出する(ステップ102)。次に、特定周波数抽出部51は、RMS(Root Means square:平均自乗平方根)演算により、上記ステップ102において抽出された周波数成分の実効値を求める(ステップ103)。そして、ローパスフィルタ処理を実行し(ステップ104)、当該ローパスフィルタ処理した後の値をパワースペクトルSpとして出力する(ステップ105)。
本実施形態では、図1に示すように、EPSECU23は、そのマイコン41の特定周波数抽出部51により演算された特定の周波数成分についてのパワースペクトルSpを、速度ECU7へと出力する。そして、速度ECU7は、その入力されるパワースペクトルSpが所定の閾値Sth以上となった場合には、当該パワースペクトルSpを低減すべく、車速を制御、詳しくは、車速Vが、第1の所定速度V1から第2の所定速度V2までの範囲(V1≦V≦V2)から外れるように制御する。
即ち、操舵系に生ずる振動の振幅は、転舵輪を支承するサスペンションの振動特性に依存し、当該サスペンションに共振が発生する特定の車速領域において増幅される。そして、図5に示すように、減速機構24において発生する歯打ち音(ラトル音)は、上記第1の所定速度V1から第2の所定速度V2までの範囲において特に顕著となる傾向がある。
つまり、歯打ち音の発生を助長する特定の周波数成分の実効値であるパワースペクトルSpは、この車速領域(V1≦V≦V2)において増大する。そして、本実施形態では、そのパワースペクトルSpが所定の閾値Sth以上となった場合、速度ECU7が、当該車速領域から外れるように(V<V1又はV>V2)車速Vを制御することにより、操舵系に生ずる振動の増大、ひいては減速機構24において発生する歯打ち音の抑制を図る構成となっている。
次に、上記歯打ち音抑制のための車速制御の処理手順について説明する。
図6のフローチャートに示すように、速度ECU7は、入力されるパワースペクトルSpが所定の閾値Sth以上であるか否かを判定し(ステップ201)、パワースペクトルSpが所定の閾値Sth以上である場合(Sp≧Sth、ステップ201:YES)には、車両が加速状態にあるか否かを判定する(ステップ202)。そして、車両が加速状態にある場合(ステップ202:YES)には、車速Vが第2の所定速度V2を超えるように制御し(V>V2、ステップ203)、加速状態にない場合(ステップ202:NO)には、車速Vが第1の所定速度V1よりも低速となるように制御する(V<V1、ステップ204)。
尚、上記ステップ201において、パワースペクトルSpが所定の閾値Sthに満たない場合(Sp<Sth、ステップ201:NO)、速度ECU7は、上記ステップ202〜ステップ204の処理を実行しない。また、本実施形態では、上記ステップ203及びステップ204における車速制御は、エンジン回転数を調整(UP又はDOWN)、及び各ブレーキ装置6が発生する制動力を調整することにより行われる。
以上、本実施形態によれば、以下のような作用・効果を得ることができる。
(1)特定周波数抽出部51は、操舵系の状態を示す信号としてのピニオン角θpから、減速機構24を構成するリダクションギヤ25及びモータギヤ26の噛合部分における歯打ち音(ラトル音)の発生を助長する振動に対応する周波数成分を抽出し、その実効値をパワースペクトルSpとして出力する。そして、速度ECU7は、そのパワースペクトルSpが所定の閾値以上となった場合には、当該パワースペクトルSpを低減すべく、車速を制御、詳しくは、車速Vが、第1の所定速度V1から第2の所定速度V2までの範囲から外れるように制御する。
即ち、操舵系に生ずる振動の振幅は、転舵輪を支承するサスペンションの振動特性に依存し、当該サスペンションに共振が発生する特定の車速領域において増幅される。このため、減速機構において発生する歯打ち音もまた、特定の車速領域(V1≦V≦V2)において特に顕著となる傾向がある。従って、上記構成のように、この車速領域から外れるように車速を制御することにより、操舵系に生ずる振動の増大、ひいては減速機構における歯打ち音の発生を抑制することができる。そして、歯打ち音(ラトル音)の発生を助長する周波数成分の実効値(パワースペクトルSp)に基づき当該歯打ち音抑制のための車速制御の開始判定を行うことにより、その精度を向上させることができる。
(2)速度ECU7は、車両が加速状態にある場合(ステップ202:YES)には、車速Vが第2の所定速度V2を超えるように制御し(V>V2、ステップ203)、加速状態にない場合(V<V1、ステップ202:NO)には、車速Vが第1の所定速度V1よりも低速となるように制御する(ステップ204)。このように、加速状態にある場合には車速が増速する方向で、また、加速状態にない場合には車速が減速する方向で車速を制御することにより、運転者に違和感を与えることなく、特定の車速領域(V1≦V≦V2)を外すことができる。
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
・本実施形態では、本発明を所謂コラム型のEPS10を備えた車両制御装置に具体化したが、本発明は、第1及び第2のギヤを噛合してなる減速機構を介してモータとステアリングシャフトとが駆動連結される構成を有するものであれば、例えばピニオンシャフトに対してアシスト力を付与する所謂ピニオン型のEPSを備えるものに適用してもよい。
・本実施形態では、リダクションギヤ25を第1のギヤとし、モータギヤ26を第2のギヤとしたが、この第1及び第2のギヤの位置づけは逆転させてもよい。
・本実施形態では、速度ECU7は、エンジン3の出力、及び各ブレーキ装置6が発生する制動力を制御することにより、車両1の車速Vを制御することとした。しかし、これに限らず、駆動力又は制動力の何れかの制御により車速制御を行うこととしてもよい。即ち、車速制御装置として、一般的な、エンジン制御系、又はブレーキ制御系を利用する構成であってもよい。また、モータを駆動源とする車両に適用してもよい。
・本実施形態では、特定周波数抽出手段としての特定周波数抽出部51は、EPSECU23(のマイコン41)に設けられることとした。しかし、これに限らず、特定周波数抽出手段は、電動パワーステアリング装置や車速制御装置と別体に設けられる構成としてもよい。
・本実施形態では、速度ECU7は、パワースペクトルSpを低減すべく、車速を制御する際、その車速制御目標を、車速Vが第2の所定速度V2を超える、又は車速Vが第1の所定速度V1よりも低速となることとした。しかし、これに限らず、より直接的に、パワースペクトルSpが所定の閾値よりも低くなるまで車速を増加又は低下させる構成としてもよい。
・また、本実施形態では、歯打ち音抑制のための車速制御の開始判定として、パワースペクトルSpが所定の閾値Sth以上であるか否かを判定した(図6参照、ステップ201)。しかし、これに限らず、開始条件として、減速機構において発生する歯打ち音が顕著となる特定の車速領域(V1≦V≦V2)にあるか否かを判定する構成としてもよい。
即ち、図7のフローチャートに示すように、先ず、車速Vが、減速機構において発生する歯打ち音が顕著となる特定の車速領域(V1≦V≦V2)にあるか否かを判定し(ステップ301)、当該車速領域にある場合(ステップ301:YES)には、車両が加速状態にあるか否かを判定する(ステップ302)。そして、車両が加速状態にある場合(ステップ302:YES)には、車速Vが第2の所定速度V2を超えるように制御し(V>V2、ステップ303)、加速状態にない場合(ステップ302:NO)には、車速Vが第1の所定速度V1よりも低速となるように制御する(V<V1、ステップ304)。そして、上記ステップ301において、特定の車速領域(V1≦V≦V2)にない(V<V1又はV>V2、ステップ301:NO)と判定した場合には、上記ステップ302〜ステップ304の処理を実行しない構成としてもよい。このような構成としても、本実施形態と同様の効果を得ることができる。そして、更に、特定の周波数成分の抽出、及びその実効値の算出を行わないため、その演算負荷が小さいという利点がある。
・本実施形態では、操舵系に生する振動のうち、特に減速機構において発生する歯打ち音に注目し、特定の周波数成分(8〜12Hz)、及び特定の車速領域(V1≦V≦V2)を設定した。しかし、特定の周波数成分及び特定の車速領域の設定は、必ずしもこれに限るものではない。即ち、特定の周波数成分及び特定の車速領域は、操舵系に生する振動全般を抑制する、或いは歯打ち音の発生以外の課題を解決すべく設定してもよい。
・本実施形態では、操舵系の状態を示す信号として、当該操舵系を構成するピニオンシャフト18の回転角を示すピニオン角θpを用いたが、これに限らず、ステアリング11側の回転角である操舵角θs(ハンドル角)や、トルクセンサ31により検出される操舵トルクτを用いてもよい。尚、周波数解析におけるピニオン角θp、操舵角θs、操舵トルクτの位置づけは、瞬間値ではなく、連続信号としての位置付けであることはいうまでもない。
車両の概略構成図。 電動パワーステアリング装置(EPS)の概略構成図。 EPSの制御ブロック図。 特定周波数抽出部の処理手順を示すフローチャート。 車速と歯打ち音(ラトル音)との関係を示す説明図。 本実施形態における歯打ち音抑制のための車速制御の処理手順を示すフローチャート。 別例の歯打ち音抑制のための車速制御の処理手順を示すフローチャート。 トルクセンサの構成を概略的に示す模式図。 減速機構における歯打ち音(ラトル音)の発生メカニズムを示す説明図。
符号の説明
1…車両、3…エンジン、6…ブレーキ装置、7…速度ECU、8…車速センサ、10…電動パワーステアリング装置(EPS)、11…ステアリング、12…ステアリングシャフト、16…コラムシャフト、16a…第1シャフト、16b…第2シャフト、17…インターミディエイトシャフト、18…ピニオンシャフト、21…モータ、21a…モータ軸、22…EPSアクチュエータ、23…EPSECU、24…減速機構、25…リダクションギヤ、26…モータギヤ、31…トルクセンサ、33…トーションバー、34a…第1の角度センサ、34b…第2の角度センサ、41…マイコン、42…駆動回路、51…特定周波数抽出部、θp…ピニオン角、θs…操舵角、τ…操舵トルク、V…車速、V1,V2…所定速度、Sp…パワースペクトル、Sth…閾値。

Claims (6)

  1. モータを駆動源として操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する電動パワーステアリング装置と、車速を制御可能な車速制御装置とを備えた車両制御装置であって、
    前記操舵系の状態を示す信号から、前記操舵系に生じた振動に対応する特定の周波数成分を抽出可能な特定周波数抽出手段を備え、
    前記車速制御装置は、前記特定の周波数成分の実効値が所定の閾値以上である場合には、該特定の周波数成分の実効値が増大する車速領域から外すべく前記車速を制御すること、を特徴とする車両制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両制御装置において、
    前記モータは、第1及び第2のギヤを噛合してなる減速機構を介してステアリングシャフトに駆動連結されるものであって、
    前記特定の周波数成分は、前記第1及び第2のギヤの噛合部分における歯打ち音の発生を助長する振動に対応する周波数成分であること、を特徴とする車両制御装置。
  3. モータを駆動源として操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する電動パワーステアリング装置と、車速を制御可能な車速制御装置とを備えた車両制御装置であって、
    前記車速制御装置は、前記車速が、前記操舵系に生ずる振動が増大する車速領域にある場合には、前記車速を当該車速領域から外すべく制御すること、
    を特徴とする車両制御装置。
  4. 請求項3に記載の車両制御装置において、
    前記モータは、第1及び第2のギヤを噛合してなる減速機構を介してステアリングシャフトに駆動連結されるものであって、
    前記車速領域は、前記第1及び第2のギヤの噛合部分における歯打ち音の発生が顕著となる車速領域であること、を特徴とする車両制御装置。
  5. 請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の車両制御装置において、
    前記車速制御装置は、車両が加速状態にある場合には、前記車速が増速する方向で前記制御すること、を特徴とする車両制御装置。
  6. 請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の車両制御装置において、
    前記車速制御装置は、車両が加速状態にない場合には、前記車速が減速する方向で前記制御すること、を特徴とする車両制御装置。
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