JP2008254046A - 熱交換板 - Google Patents

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Abstract

【課題】加工するのに要する作業時間を短縮することができ、製造コストの低減化を図ることができて、かつ、接合部の裏波が流路に入ることを防止することができ、接合による蓋の変形を防止すること。
【解決手段】断面視矩形状を有する少なくとも一本の第1の溝4が、その表面2aに形成された平板状の本体2と、前記第1の溝4と略同じ平面視形状を有し、前記第1の溝4内に嵌め込まれた際に、その裏面3aが前記第1の溝4の底面4aと接し、その両側面3bが前記第1の溝4の両側面4bと接するとともに、その表面3cが前記本体2の表面2aと略面一となるように形成された蓋3とを備え、前記裏面3aの中央部に、前記両側面3b,4bに沿って形成された第2の溝5が設けられており、かつ、前記蓋3が、前記本体2に摩擦攪拌接合により接合されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、内部に冷却媒体または加熱媒体が通過する流路を備えた熱交換板に関するものである。
このような熱交換板としては、例えば、液晶製造装置のスパッタリング工程においてターゲット材を保持するのに使用されるバッキングプレートがある(例えば、特許文献1参照)。
特許第3818084号公報
しかしながら、上記特許文献に開示されている発明では、本体の上面(表面)に加工される流路(水路)の断面視形状が、複雑な形状(T字形状)を有することとなるので、流路を加工するのに多大な作業時間を要し、製造コストが増加してしまうといった問題点があった。
また、上記特許文献に開示されている発明では、本体の上面に加工される流路の断面視形状を最も単純な形状(矩形状)とすることも提案されているが、接合部が流路の近傍に形成されることとなるので、接合部の裏波が流路に入り込んでしまうおそれがある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、加工するのに要する作業時間を短縮することができ、製造コストの低減化を図ることができて、かつ、接合部の裏波が流路に入ることを防止することができ、接合による蓋の変形を防止することができる熱交換板を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
本発明に係る熱交換板は、断面視矩形状を有する少なくとも一本の第1の溝が、その表面に形成された平板状の本体と、前記第1の溝と略同じ平面視形状を有し、前記第1の溝内に嵌め込まれた際に、その裏面が前記第1の溝の底面と接し、その両側面が前記第1の溝の両側面と接するとともに、その表面が前記本体の表面と略面一となるように形成された蓋とを備え、前記裏面の中央部に、前記両側面に沿って形成された第2の溝が設けられており、かつ、前記蓋が、前記本体に摩擦攪拌接合により接合されている。
本発明に係る熱交換板によれば、本体の上面(表面)に加工される第1の溝の断面視形状が、最も単純な形状(矩形状)を有することとなるので、第1の溝を加工するのに要する作業時間を短縮することができ、製造コストの低減化を図ることができる。
また、流路を形成する第2の溝が、蓋の下面(裏面)中央部に形成されているので、本体と蓋とが接合される際に蓋に加わる荷重を、第1の溝の深さと略等しい高さを有する蓋の周縁部を介して第1の溝の底面、すなわち、本体に伝達することができて、接合部の裏波が流路に入ることを防止することができ、かつ、接合による蓋の変形を防止することができる。
さらに、蓋の周縁部が、第1の溝の深さと略等しい高さを有するように形成されているので、蓋全体の剛性を高めることができて、第2の溝の幅を広くとることができ、流路の幅を広げることができて、流路の断面積を大きくすることができる。
本発明に係る熱交換板は、断面視矩形状を有する少なくとも一本の第1の溝が、その表面に形成された平板状の本体と、前記本体の表面全体を覆うとともに、その裏面に、前記本体の表面に重ね合わされた際に、その頂面が前記第1の溝の底面と接し、その両側面が前記第1の溝の両側面と接するように形成された凸部が形成された平板状の蓋とを備え、前記頂面の中央部に、前記両側面に沿って形成された第2の溝が設けられており、かつ、前記蓋が、前記本体に摩擦攪拌接合により接合されている。
本発明に係る熱交換板によれば、本体の上面(表面)に加工される第1の溝の断面視形状が、最も単純な形状(矩形状)を有することとなるので、第1の溝を加工するのに要する作業時間を短縮することができ、製造コストの低減化を図ることができる。
また、流路を形成する第2の溝が、凸部の頂面中央部に形成されているので、本体と蓋とが接合される際に蓋に加わる荷重を、第1の溝の深さと略等しい高さを有する凸部の周縁部を介して第1の溝の底面、すなわち、本体に伝達することができて、接合部の裏波が流路に入ることを防止することができ、かつ、接合による蓋の変形を防止することができる。
さらに、凸部の周縁部が、第1の溝の深さと略等しい高さを有するように形成されているので、蓋全体の剛性を高めることができて、第2の溝の幅を広くとることができ、流路の幅を広げることができて、流路の断面積を大きくすることができる。
本発明によれば、加工するのに要する作業時間を短縮することができ、製造コストの低減化を図ることができて、かつ、接合部の裏波が流路に入ることを防止することができ、接合による蓋の変形を防止することができるという効果を奏する。
以下、本発明に係る熱交換板の第1実施形態を、図1および図2を参照しながら説明する。図1は本実施形態に係る熱交換板の概略平面図であり、図2は図1の部分断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る熱交換板(以下、「バッキングプレート」という。)1は、本体2と、蓋3とを備えている。
本体2は、例えば、無酸素銅、あるいは5%以下のZrやCrを含む銅合金から作り出された、長さ2350mm、幅2010mm、厚さ15mm程度の平面視矩形状を呈する板状の部材である。また、この本体2の上面(表面)2aには、例えば、平面視U字形状、断面視矩形状を呈する(第1の)溝4や、平面視波形状、断面視矩形状を呈する溝4が設けられている。
蓋3は、溝4と同じ平面視形状を有し、かつ、溝4内に嵌め込まれた際に、その下面(裏面)3aが溝4の底面4aと接し、その両側面3bが溝4の両側面4bと接するとともに、その上面(表面)3cが本体2の上面2aと面一となる(同一平面を形成する)ように形成された板状の部材である。また、この蓋3の下面3a中央部には、両側面3bに沿って形成された、断面視矩形状を呈する(第2の)溝5が設けられている。そして、蓋3が溝4内に嵌め込まれた際に形成される空間(より詳しくは、溝4の底面4aと溝5とにより囲まれた空間)は、冷却媒体または加熱媒体が通過する流路6となる。
本体2と蓋3とは、摩擦攪拌接合(Friction Stir Welding:FSW)により接合されている。摩擦攪拌接合とは、図2に示すような、ショルダー部7およびピン部8を備えた回転ツール9を回転させながら本体2と蓋3との継ぎ目(境目:接合線)に挿入するとともに、回転ツール9をその継ぎ目に沿って移動させていき接合する方法である。
そして、本体2と蓋3とが、摩擦攪拌接合により接合されると、バッキングプレート1には、それぞれ独立した複数本(本実施形態では2本)の流路6(平面視U字形状を有する溝4の底面4aと、平面視U字形状を有する蓋3の下面3aに形成された溝5との間に形成された流路6、および平面視波形状を有する溝4の底面4aと、平面視波形状を有する蓋3の下面3aに形成された溝5との間に形成された流路6)が形成されることとなる。また、接合後、各流路6の一端部には、冷却媒体または加熱媒体の入口が設けられ、各流路6の他端部には、冷却媒体または加熱媒体の出口がそれぞれ設けられる。
本実施形態に係るバッキングプレート1によれば、本体2の上面2aに加工される溝4の断面視形状が、最も単純な形状(矩形状)を有することとなるので、溝4を加工するのに要する作業時間を短縮することができ、製造コストの低減化を図ることができる。
また、流路6を形成する溝5が、蓋3の下面3a中央部に形成されているので、本体2と蓋3とが接合される際に蓋3に加わる荷重を、溝4の深さと略等しい高さを有する蓋3の周縁部を介して溝4の底面4a、すなわち、本体2に伝達することができて、接合部の裏波が流路6に入ることを防止することができ、かつ、接合による蓋3の変形を防止することができる。
さらに、蓋3の周縁部が、溝4の深さと略等しい高さを有するように形成されているので、蓋3全体の剛性を高めることができて、溝5の幅を広くとることができ、流路6の幅を広げることができて、流路6の断面積を大きくすることができる。
本発明に係るバッキングプレートの第2実施形態を図3に基づいて説明する。図3は本実施形態に係るバッキングプレートの部分断面図であり、図2と同様の図である。
本実施形態に係るバッキングプレートは、蓋3の代わりに、蓋13を備えているという点で上述した第1実施形態のものと異なる。その他の構成要素については上述した第1実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、上述した第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
蓋13は、本体2の上面2a全体を覆う、長さ2350mm、幅2010mmの平面視矩形状を呈する板状の部材である。また、この蓋13の下面(裏面)13aには、蓋13と本体2の上面2aとが重ね合わされた際に、その頂面14aが溝4の底面4aと接し、その両側面14bが溝4の両側面4bと接するように形成された凸部14が形成されている。さらに、凸部14の頂面14a中央部には、両側面14bに沿って形成された、断面視矩形状を呈する(第2の)溝5が設けられている。そして、凸部14が溝4内に嵌め込まれた際に形成される空間(より詳しくは、溝4の底面4aと溝5とにより囲まれた空間)は、冷却媒体または加熱媒体が通過する流路6となる。
本体2と蓋13とは、摩擦攪拌接合(Friction Stir Welding:FSW)により接合されている。摩擦攪拌接合とは、図3に示すような、ショルダー部7およびピン部8を備えた回転ツール9を回転させながら板厚方向に沿って延びる本体2と蓋13との継ぎ目(境目:接合線)に挿入するとともに、回転ツール9をその継ぎ目に沿って移動させていき接合する方法である。
そして、本体2と蓋13とが、摩擦攪拌接合により接合されると、バッキングプレートには、それぞれ独立した複数(本実施形態では2本)の流路6(平面視U字形状を有する溝4の底面4aと、平面視U字形状を有する凸部14の頂面14aに形成された溝5との間に形成された流路6、および平面視波形状を有する溝4の底面4aと、平面視波形状を有する凸部14の頂面14aに形成された溝5との間に形成された流路6)が形成されることとなる。また、接合後、各流路6の一端部には、冷却媒体または加熱媒体の入口が設けられ、各流路6の他端部には、冷却媒体または加熱媒体の出口がそれぞれ設けられる。
本実施形態に係るバッキングプレートによれば、本体2の上面2aに加工される溝4の断面視形状が、最も単純な形状(矩形状)を有することとなるので、溝4を加工するのに要する作業時間を短縮することができ、製造コストの低減化を図ることができる。
また、流路6を形成する溝5が、凸部14の頂面14a中央部に形成されているので、本体2と蓋13とが接合される際に蓋13に加わる荷重を、溝4の深さと略等しい高さを有する凸部14の周縁部を介して溝4の底面4a、すなわち、本体2に伝達することができて、接合部の裏波が流路6に入ることを防止することができ、かつ、接合による蓋13の変形を防止することができる。
さらに、凸部14の周縁部が、溝4の深さと略等しい高さを有するように形成されているので、蓋13全体の剛性を高めることができて、溝5の幅を広くとることができ、流路6の幅を広げることができて、流路6の断面積を大きくすることができる。
なお、本実施形態において、本体2と蓋13とを接合した後、蓋13の上面(表面)を図2に示す状態まで、すなわち、本体2の表面2a全体が露出するまで研削および研磨して、板厚を減少させて使用することもできる。
また、本発明に係る熱交換板は、上述した実施形態のところで説明したバッキングプレートのみに適用され得るものではなく、アレイ形成工程において同様の構成および機能を有するものにも適用することができる。
本発明の第1実施形態に係る熱交換板の概略平面図である。 図1の部分断面図である。 本発明の第2実施形態に係る熱交換板の部分断面図であり、図2と同様の図である。
符号の説明
1 バッキングプレート(熱交換板)
2 本体
2a 上面(表面)
3 蓋
3a 下面(裏面)
3b 側面
3c 上面(表面)
4 第1の溝
4a 底面
4b 側面
5 第2の溝
13 蓋
13a 下面(裏面)
14 凸部
14a 頂面
14b 側面

Claims (2)

  1. 断面視矩形状を有する少なくとも一本の第1の溝が、その表面に形成された平板状の本体と、
    前記第1の溝と略同じ平面視形状を有し、前記第1の溝内に嵌め込まれた際に、その裏面が前記第1の溝の底面と接し、その両側面が前記第1の溝の両側面と接するとともに、その表面が前記本体の表面と略面一となるように形成された蓋とを備え、
    前記裏面の中央部に、前記両側面に沿って形成された第2の溝が設けられており、かつ、前記蓋が、前記本体に摩擦攪拌接合により接合されていることを特徴とする熱交換板。
  2. 断面視矩形状を有する少なくとも一本の第1の溝が、その表面に形成された平板状の本体と、
    前記本体の表面全体を覆うとともに、その裏面に、前記本体の表面に重ね合わされた際に、その頂面が前記第1の溝の底面と接し、その両側面が前記第1の溝の両側面と接するように形成された凸部が形成された平板状の蓋とを備え、
    前記頂面の中央部に、前記両側面に沿って形成された第2の溝が設けられており、かつ、前記蓋が、前記本体に摩擦攪拌接合により接合されていることを特徴とする熱交換板。
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