JP2008252414A - 発振回路 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】発振回路1は、基準電流を発生する基準抵抗RE1と、基準抵抗RE1と別個に設けられ、基準抵抗RE1に電流を供給するオペアンプAMP1と、基準抵抗RE1に印加する基準電圧VREFを決定する基準電圧発生回路24と、定電圧VREGを発生する定電圧回路21とを有し、基準電流と定電圧VREGとに基づいて発振周波数を定める集積回路2と、基準抵抗RE1の温度依存性と同じ温度依存性となるように、基準電圧発生回路24の出力する基準電圧VREFの温度依存性を設定する設定レジスタ25と、を有する。
【選択図】図1
Description
図12は、従来のCR発振回路の構成を示す図である。
図13は、図12に示す回路の動作時の各部の波形を示す図である。
しかし、発振周波数の精度に改善の余地があることも指摘されている。具体的には、抵抗RT81が温度に依存する場合、発振周波数変動を抑制することが難しいという欠点がある。抵抗RT81を例えばチップ内部に集積した場合、抵抗RT81の温度依存性を小さくすることは実際上困難である。
図14は、従来のCR発振回路の他の構成を示す図である。
図14の回路の動作を簡単に説明する。
一定電流を発生させるために、抵抗に電流を流して発生する電位と基準電圧をフィードバック制御により一致させる。オンチップ抵抗の温度依存性を考慮して基準電圧に温度依存性を持たせる。温度が上昇して抵抗値が大きくなる場合には、基準電圧も温度とともに大きくなるような正の温度依存性を持たせ、抵抗の温度依存性を、基準電圧の温度依存性で相殺し、電流が温度に依存しないように設計する。
CR発振回路90では、抵抗の温度依存性を予め設計した内蔵基準電圧の温度依存性で相殺するように構成されている。しかしながら、内蔵抵抗が複雑な温度依存性を持っている場合、例えば1次式で温度特性を近似した場合に、誤差が大きくなる。このため、抵抗の温度特性を2次式で近似する必要がある場合や、サンプル毎に温度特性が大きく変わる場合等には、内蔵抵抗の温度依存性を、内蔵基準電圧の温度依存性で相殺することが困難となるという問題がある。
図1は、第1の実施の形態の発振回路を示す回路図である。
発振回路1は、SIP(System In Package)で構成されており、その内部に集積回路2と、基準抵抗RE1と、設定レジスタ25とを有している。
集積回路2において、インバータINV1の入力のノードをノードN1、インバータINV1の出力のノードをノードN2、インバータINV3の出力のノードをノードN3、PMOSトランジスタMP2およびNMOSトランジスタMN2のドレインのノードをノードN4とする。
インバータINV1は、容量C2の一端側の電圧が閾値電圧Vthより小さいとき、供給されている電源電圧VCCを出力する。
バイアス発生回路23は、PMOSトランジスタMP3、NMOSトランジスタMN3が電源電圧および温度の影響を受けずに一定の電流を出力するように、PMOSトランジスタMP3、NMOSトランジスタMN3をバイアス制御する。
オペアンプAMP1は、基準抵抗RE1に接続されるノードNVRの電位と基準電圧発生回路24が発生する基準電圧VREFとが一致するようフィードバック制御を行う。基準電圧VREFよりノードNVRの電位が高い電位となると、オペアンプAMP1の出力NG4の電位は低くなる。これにより、ノードNVRの電位は低くなる。逆に基準電圧VREFの電位よりノードNVRの電位が低くなると、オペアンプAMP1の出力NG4の電位は高くなる。これにより、ノードNVRの電位は高くなる。結局、ノードNVRの電位と基準電圧VREFの電位は、ほぼ等しくなる。
基準抵抗RE1の温度依存性が正(温度とともに抵抗値が増加)の場合には、図2に示すように、基準電圧VREFの温度依存性も正とする。基準抵抗RE1の温度依存性が負(温度とともに抵抗値が減少)の場合には、図3に示すように、基準電圧VREFの温度依存性も負とする。
図4は、バイアス発生回路の構成を示す回路図である。
バイアス発生回路23は、PMOSトランジスタMP4〜MP11と、NMOSトランジスタMN5、MN6とを有している。
図5は、基準電圧発生回路の構成を示す回路図である。
基準電圧発生回路24は、PMOSトランジスタMP12〜30と、オペアンプAMP2、AMP3と、PNPトランジスタQ1、Q2と抵抗RI1、RI2、RI3とを有している。また、制御信号CTC2〜CTC9は、それぞれ基準電圧VREFの温度依存性を制御するための信号を示している。
バンドギャップ回路では、順バイアスされたpn接合の電位と、絶対温度(T)に比例する電圧(以下、「PTAT(Proportional To Absolute Temperature)電圧」と言う)を加算することで、温度に依存しない基準電圧VREFを得る。順バイアスされたpn接合の電位は(pn接合の電位を1次式で近似すれば、あるいは、1次式で近似できる範囲内では)、CTAT(Complementary To Absolute Temperature)であることが知られており、この順バイアスされたpn接合の電位に(適切な)PTAT電圧を加算することで、ほぼ温度に依存しない基準電圧が得られることが知られている。
ここで、Veg:シリコンのバンドギャップ電圧、約1.2V、a:電圧Vbeの温度依存性、約2mV/℃、T:絶対温度であり、温度依存性aの値はバイアス電流により異なるが、実用領域で、概略2mV/℃程度となることが知られている。
IE=I0exp(qVbe/kT)・・・(2)
ここで、IE:PNPトランジスタのエミッタ電流あるいはダイオードの電流、I0:定数(面積に比例)、q:電子の電荷、k:ボルツマン定数である。
I=10×I0exp(qVbe2/kT)・・・(4)
両辺それぞれを割り算し、Vbe1−Vbe2=ΔVbeと表わすと、式(5)、式(6)が得られる。
ΔVbe=(kT/q)ln(10)・・・(6)
つまり、PNPトランジスタQ1とPNPトランジスタQ2の各ベース、エミッタ間電圧の差、ΔVbeは、PNPトランジスタQ1とPNPトランジスタQ2の電流密度比10の対数(ln(10))と熱電圧(kT/q)で表わされる。このΔVbeが、抵抗RI1の両端の電位差に等しいので、抵抗RI1には、ΔVbe/RI1の電流が流れる(抵抗RI1の抵抗値もRI1で表すものとする)。
IMP12=ΔVbe/RI1=(kT/q)ln(10)(1/RI1)・・・(7)
式(7)と図5から明らかなように、PMOSトランジスタMP12、MP13に流れる電流は絶対温度に比例した電流となる。
オペアンプAMP3の負帰還により、オペアンプAMP3の反転入力端子に接続されているノードIPの電位と、非反転入力端子に接続されているノードNR2の電位とは、ほぼ等しい電位となって回路が安定する。ノードNR2の電位がノードIPの電位となるので、抵抗RI2には、PNPトランジスタQ1のベース、エミッタ間電圧Vbe1が加わる。抵抗RI2に流れる電流は、PMOSトランジスタMP22にも流れるので、PMOSトランジスタMP22に流れる電流IMP22は、式(8)で表される(抵抗RI2の抵抗値もRI2で表すものとする)。
電圧Vbeは式(1)より、絶対温度に比例して減少するので、式(8)より、PMOSトランジスタMP22に流れる電流は絶対温度に比例して減少することがわかる。
<変形例>
次に、バイアス発生回路23の変形例について説明する。
バイアス発生回路23では、基本的な機能を説明するための回路部分だけを図示したが、バイアス発生回路23aは、発振回路1をスタンバイまたは停止する機能を備える回路である。
基準抵抗RE1を集積回路2の外部に設けたことにより、チップ内蔵の集積回路プロセスで製造した抵抗の温度依存性が複雑な依存性を持つ従来回路の欠点を回避することができる。LSIプロセスで製造した抵抗の絶対値の変動が大きいという問題、さらに、絶対値の変動が大きいので、温度依存性のサンプル毎のばらつきも大きいという問題を回避することができる。
以下、第2の実施の形態の発振回路について、前述した第1の実施の形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
基準電圧発生回路24aは、基準電圧発生回路24に素子を追加してバンドギャップ回路出力も同時に発生する回路である。具体的には、基準電圧発生回路24aには、基準電圧発生回路24に比べ、PMOSトランジスタMP33、MP34および抵抗RI4が追加されている。
図8は、第2の実施の形態の定電圧回路を示す回路図である。
定電圧回路21aは、基準電圧発生回路24aから得られたバンドギャップ電圧VBGRから定電圧VREGを発生する回路であり、オペアンプAMP4と、PMOSトランジスタMP35と、抵抗RF1、RF2とを有している。
そして、第2の実施の形態の発振回路によれば、基準電圧発生回路24にわずかな回路素子を追加する回路構成とすることで、基準電圧VREFを発生する回路とバンドギャップ電圧VBGRを発生する回路とを一体化した基準電圧発生回路24aが得られる。これにより、回路素子数を少なくできるので、集積回路を構成するために必要な回路の占有面積を低減することができる。
図9は、本発明の発振回路の基準電圧発生回路とバンドギャップ回路の考え方を示すブロック図である。なお、図9の発振回路1bは、発振回路1と同様の部分については同じ符号を付し、その説明を省略する。
加算割合設定回路27は、電圧VPTATおよび電圧VCTATを係数倍し、加算することでバンドギャップ電圧VBGRを発生する。
バンドギャップ電圧VBGRに基づいて、定電圧回路21bは、定電圧VREGを発生する。基準電圧VREFは、オペアンプAMP1に供給され、基準電流を発生し、バイアス発生回路23を経て、回路内に供給される。
図10は、第3の実施の形態の発振回路を示す回路図である。
以下、第3の実施の形態の発振回路1cについて、前述した第1の実施の形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
発振回路1cは、NMOSトランジスタMN4の代わりにPMOSトランジスタMP36とPMOSトランジスタMP37とを有し、オペアンプAMP1の代わりにオペアンプAMP5を有している。また、バイアス発生回路23の代わりにバイアス発生回路23cを有している。
発振回路1cは、オペアンプAMP5により、基準抵抗RE1のノードNVRの電位と基準電圧VREFとが一致するようフィードバック制御する。基準電圧VREFよりノードNVRの電位が高くなると、オペアンプAMP5の出力ノードPG36の電位は高くなる。出力ノードPG36の電位が高くなるので、PMOSトランジスタMP36の電流は減少し、ノードNVRの電位は低くなる。逆に基準電圧VREFの電位よりノードNVRの電位が低くなると、オペアンプAMP5の出力ノードPG36の電位は低くなる。出力ノードPG36の電位が低くなると、PMOSトランジスタMP36の電流は増加し、ノードNVRの電位は高くなる。結局、ノードNVRの電位と基準電圧VREFの電位とは、ほぼ等しくなる。
オペアンプAMP5のフィードバック制御により、PMOSトランジスタMP36には基準電圧VREFと基準抵抗RE1とで決定される基準電流が流れる。このときPMOSトランジスタMP36に基準電流を流すために必要な出力ノードPG36のゲート電位が定まるので、カレントミラー回路により、この基準電流をミラー比により調整し、また、NMOSトランジスタNM5のバイアス電位に変換することで、バイアス電位PB1、NB1を発生することができる。
以上、本発明の発振回路を、図示の実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物や工程が付加されていてもよい。
2、2b、2c 集積回路
21、21a、21b 定電圧回路
22 定電流源
23、23a、23c バイアス発生回路
24、24a、24b 基準電圧発生回路
25 設定レジスタ
27、243 加算割合設定回路
241 PTAT電圧発生回路
242 CTAT電圧発生回路
AMP1〜AMP5 オペアンプ
C1、C2 容量
INV1〜INV3 インバータ
MN1〜NM4 NMOSトランジスタ
MP1〜MP3 PMOSトランジスタ
N1〜N4 ノード
PAD1 パッド
RE1 基準抵抗
Claims (3)
- マイクロコントローラに搭載される発振回路において、
基準電流を発生する基準抵抗と、
前記基準抵抗と別個に設けられ、前記基準抵抗に電流を供給するオペアンプ回路と、前記基準抵抗に印加する基準電圧を決定する基準電圧発生回路と、定電圧を発生する定電圧回路とを有し、前記基準電流と前記定電圧とに基づいて発振周波数を定める集積回路と、
前記基準抵抗の温度依存性と同じ温度依存性となるように、前記基準電圧発生回路の出力する前記基準電圧の温度依存性を設定するレジスタと、
を有することを特徴とする発振回路。 - 前記オペアンプ回路は、前記基準抵抗の一端の電位と、前記基準電圧発生回路が出力する前記基準電圧との電位とを一致させるようにフィードバック制御を行い、
前記レジスタに設定した値により、前記基準抵抗の温度依存性と前記基準電圧発生回路の温度依存性とを一致させ、
前記基準電圧を、前記基準抵抗の抵抗値で除した値の基準電流を発生し、
前記基準電流と、一定の信号振幅を備える容量とにより前記発振周波数を決定することを特徴とする請求項1記載の発振回路。 - 絶対温度に比例して増加する電圧を発生するPTAT電圧発生回路と、
絶対温度に比例して減少する電圧を発生するCTAT電圧発生回路と、をさらに有し、
前記定電圧回路は、前記PTAT電圧発生回路の出力と、前記CTAT電圧発生回路の出力を温度依存性が0になるような割合で加算し、前記基準電圧発生回路は、前記PTAT電圧発生回路の出力と、前記CTAT電圧発生回路の出力を温度依存性が0になるような割合で加算し、前記PTAT電圧発生回路の出力と前記CTAT電圧発生回路の出力の加算の割合を前記レジスタで決定することを特徴とする請求項1記載の発振回路。
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