JP2008249916A - 光学部材用放射線硬化性樹脂組成物及び光学部材 - Google Patents

光学部材用放射線硬化性樹脂組成物及び光学部材 Download PDF

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Abstract

【課題】高屈折率で、フレネルレンズ等の表面凹凸構造が歪みにくい適度な硬度(ヤング率)を有し、かつ、光による黄変が少ない硬化物を形成することができる光学部材用放射線硬化性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)(a)水酸基含有(メタ)アクリレート、(b)脂肪族ポリイソシアネート、及び(c)ポリオールの反応物である、ウレタン(メタ)アクリレート5〜70質量%、及び、(B)(A)成分以外のエチレン性不飽和基含有化合物10〜80質量%を含有する光学部材用放射線硬化性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、放射線硬化性樹脂組成物に関し、特に、光学部材形成に有用な放射線硬化性樹脂組成物、及びその硬化物を含む光学部材に関する。
従来、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズ等のレンズは、プレス法、キャスト法等の手法により製造されてきたが、両手法ともに、レンズの製作に長い時間を要し、生産性が悪かった。
このような問題点を解決するために、近年、紫外線硬化性樹脂を用いてレンズを製作する検討がなされている。具体的には、レンズ形状の付いた金型と透明樹脂基板との間に紫外線硬化性樹脂組成物を流し込み、基板側より紫外線を照射し、該組成物を硬化させることで、短時間でレンズを製造することができる。
さらに、最近のプロジェクションテレビやビデオプロジェクターの薄型化、大型化に伴い、レンズを形成する樹脂に対して、高屈折率化や力学特性等の種々のレンズ特性に応じた様々な提案や検討がなされている。例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、エチレン性不飽和基含有モノマー及び光重合開始剤を含むことを特徴とする紫外線硬化性樹脂組成物が提案されている(特許文献1〜2参照)。
特開平5−255464号公報 特開2001−200022号公報
しかしながら、かかる従来の紫外線硬化性樹脂組成物では、硬化物が経時的に黄変し、フレネルレンズ等としての使用に支障をきたすという問題があった。
そこで、本発明は、屈折率、硬度等のレンズに求められる要求特性を十分満足し、かつ、優れた耐光黄変性(光による黄変を抑制する性質)を有する光学部材(硬化物)を与えることのできる放射線硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、(A)(a)水酸基含有(メタ)アクリレートと(b)脂肪族ポリイソシアネートと(c)ポリオールとの反応物であるウレタン(メタ)アクリレート、及び、(B)前記(A)成分以外のエチレン性不飽和基含有化合物、を特定の配合割合で含有する放射線硬化性樹脂組成物を用いることによって、屈折率等のレンズに求められる要求特性を満たし、かつ、光によって経時的に黄変する度合いが小さい光学部材が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記の[1]〜[7]を提供するものである。
[1](A)(a)水酸基含有(メタ)アクリレート、(b)脂肪族ポリイソシアネート、及び(c)ポリオールの反応物である、ウレタン(メタ)アクリレート5〜70質量%、及び
(B)前記(A)成分以外のエチレン性不飽和基含有化合物10〜80質量%
を含有することを特徴とする光学部材用放射線硬化性樹脂組成物。
[2]前記(b)成分が、分子中にアルキレンオキシ構造を有する数平均分子量500以上のポリエーテルポリオールを含む前記[1]に記載の光学部材用放射線硬化性樹脂組成物。
[3]前記(b)成分が、ビスフェノール構造を有するポリオールを含む前記[1]又は[2]に記載の光学部材用放射線硬化性樹脂組成物。
[4]さらに、(C)光重合開始剤0.01〜10質量%を含有するものである前記[1]〜[3]のいずれかに記載の光学部材用放射線硬化性樹脂組成物。
[5]前記光学部材が光学用レンズである前記[1]〜[4]のいずれかに記載の光学部材用放射線硬化性樹脂組成物。
[6]前記[1]〜[5]のいずれかに記載の放射線硬化性樹脂組成物に放射線を照射して得られる硬化物を含む光学部材。
[7]光学用レンズである前記[6]に記載の光学部材。
本発明の光学部材用放射線硬化性樹脂組成物によれば、高屈折率で、フレネルレンズ等の表面凹凸構造が歪みにくい適度な硬度(ヤング率)を有し、かつ、光による黄変が少ない硬化物を形成することができる。
本発明の光学部材用放射線硬化性樹脂組成物からなる硬化物は、例えば、マイクロディスプレイ型プロジェクションテレビのフレネルレンズ等の光学部材として好適に用いられる。
本発明の光学部材用放射線硬化性樹脂組成物は、(A)〜(C)成分と、必要に応じて添加される他の成分とを含む。
以下、各成分ごとに詳しく説明する。
[(A)成分]
本発明の光学部材用放射線硬化性樹脂組成物に用いられる(A)成分は、(a)水酸基含有(メタ)アクリレート、(b)脂肪族ポリイソシアネート、及び(c)ポリオールの反応物である、ウレタン(メタ)アクリレートである。
まず、(A)成分の原料である(a)〜(c)成分について説明する。
[(a)成分]
(a)成分として用いられる水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリロイルフォスフェート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、下記式(1)
Figure 2008249916
(式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、vは1〜15の整数を示す)
で表される(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、アルキルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基含有化合物と、(メタ)アクリル酸との付加反応により得られる化合物も使用することができる。
中でも、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートが好ましい。
これら水酸基含有(メタ)アクリレートは1種であるいは二種以上を組合せて使用することができる。
[(b)成分]
(b)成分として用いられる脂肪族ポリイソシアネートは、芳香環構造を含まない、イソシアネート基を2個以上含む化合物である。(A)ウレタン(メタ)アクリレートの原料として、通常用いられる芳香環構造を有するポリイソシアネートに替えて、(b)脂肪族ポリイソシアネートを用いることにより、優れた耐光黄変性を有する硬化物を形成することができる。
(b)脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘプタメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート;イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、ノルボルナンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート等が挙げられる。
中でも、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘプタメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネートが好ましい。
これらのポリイソシアネート化合物は一種であるいは二種以上を組合せて使用することができる。
[(c)成分]
(c)成分として用いられるポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,3−ブタンジオール、シクロヘキサンジメチロール、トリシクロデカンジメチロール、1,6−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−プロパンジオール;アルキレンオキシ構造を有するポリエーテルポリオール;ビスフェノール構造を有するポリオール;ポリカプロラクトンジオール;ポリエステルジオール;ポリカーボネートジオール;等を挙げることができる。
中でも、アルキレンオキシ構造を有するポリエーテルポリオール、ビスフェノール構造を有するポリオールが好ましい。
前記アルキレンオキシ構造を有するポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリエチレンブチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール、ポリヘプタメチレングリコール、ポリデカメチレングリコール;エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブテン−1−オキシド、イソブテンオキシド、3,3−ビスクロロメチルオキセタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、トリオキサン、テトラオキサン、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、エピクロルヒドリン、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、アリルグリシジルカーボネート、ブタジエンモノオキシド、イソプレンモノオキシド、ビニルオキセタン、ビニルテトラヒドロフラン、ビニルシクロヘキセンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、安息香酸グリシジルエステル等のイオン重合性環状化合物の2種以上を開環共重合させて得られるポリエーテルジオール;等が挙げられる。これらのうち、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリエチレンブチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールが好ましい。
なお、(c)成分として用いられるアルキレンオキシ構造を有するポリエーテルポリオールは、ポリスチレン換算で求められる数平均分子量が500以上であることが好ましく、900以上であることが好ましい。
前記ポリエーテルポリオールの市販品としては、PTMG650、PTMG1000、PTMG2000(以上、三菱化学社製)、PPG700、PPG1000、EXCENOL2020、1020(以上、旭硝子ウレタン社製)、PEG1000、ユニセーフDC1100、DC1800(以上、日本油脂社製)、PTG650、PTG1000、PTG2000、PTG3000、PPTG2000、PPTG1000、PTGL1000、PTGL2000(以上、保土谷化学工業社製)、Z−3001−4、Z−3001−5、PBG2000、PBG2000B(以上、第一工業製薬社製)等が挙げられる。
前記ビスフェノール構造を有するポリオールとしては、ビスフェノールAポリエトキシグリコール、ビスフェノールAポリプロポキシグリコール、ビスフェノールAポリエトキシプロポキシグリコール、ビスフェノールFポリエトキシグリコール、ビスフェノールFポリプロポキシグリコール、ビスフェノールFポリエトキシプロポキシグリコール、ビスフェノールSポリエトキシグリコール、ビスフェノールSポリプロポキシグリコール、ビスフェノールSポリエトキシプロポキシグリコール等が挙げられる。
特に、屈折率の観点から、ビスフェノールAポリ(好ましくは重合度:平均値としてn=2〜40)エトキシグリコール、ビスフェノールAポリ(好ましくは重合度:平均値としてn=2〜40)プロポキシグリコール、ビスフェノールAポリ(好ましくは重合度:平均値としてn=2〜40)エトキシプロポキシグリコール、ビスフェノールFポリ(好ましくは重合度:平均値としてn=2〜40)エトキシグリコール、ビスフェノールFポリ(好ましくは重合度:平均値としてn=2〜40)プロポキシグリコール、ビスフェノールFポリ(好ましくは重合度:平均値としてn=2〜40)エトキシプロポキシグリコール、ビスフェノールSポリ(好ましくは重合度:平均値としてn=2〜40)エトキシグリコール、ビスフェノールSポリ(好ましくは重合度:平均値としてn=2〜40)プロポキシグリコール及びビスフェノールSポリ(好ましくは重合度:平均値としてn=2〜40)エトキシプロポキシグリコールから選ばれる一種又は二種以上を使用することが好ましい。中でも、ビスフェノールA構造を有するポリオールが好ましく、ビスフェノールAポリエトキシグリコールが好ましい。
(c)成分として用いられるビスフェノール構造を有するポリオールは、ポリスチレン換算で求められる数平均分子量が500未満であることが好ましい。
前記ビルフェノール構造を有するポリオールの市販品としては、DA400、DA800、DB400(以上、日本油脂社製)等が挙げられる。
(c)成分としては、アルキレンオキシ構造を有するポリエーテルポリオールと、ビスフェノール構造を有するポリオールとを併用することが好ましい。これらを併用することにより、高い屈折率と、適度な硬さ(ヤング率)とを兼ね備えた硬化物を形成することができる。
(A)成分のウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、以下の(1)〜(4)の方法によって製造される。
(1)(c)ポリオール及び(b)脂肪族ポリイソシアネートを反応させ、次いで(a)水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させる方法
(2)(b)脂肪族ポリイソシアネート及び(a)水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させ、次いで(c)ポリオールを反応させる方法
(3)(c)ポリオール、(b)脂肪族ポリイソシアネート、及び(a)水酸基含有(メタ)アクリレートを一括に仕込んで反応させる方法
(4)(b)脂肪族ポリイソシアネート及び(a)水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させ、次いで(c)ポリオールを反応させ、最後にまた(a)水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させる方法
これらのうち、上記(2)の方法が好ましく用いられる。
(A)成分のウレタン(メタ)アクリレートを製造する際の、(a)水酸基含有(メタ)アクリレート、(b)脂肪族ポリイソシアネート、及び(c)ポリオールのそれぞれの使用割合は、(c)ポリオールに含まれる水酸基1当量に対して、(b)脂肪族ポリイソシアネートに含まれるイソシアネート基が1.1〜2当量で、かつ、(a)水酸基含有(メタ)アクリレートの水酸基が0.1〜0.5当量となるようにするのが好ましい。
さらに、(c)ポリオールに含まれる水酸基1当量に対して、(b)脂肪族ポリイソシアネートに含まれるイソシアネート基が1.3〜2当量で、かつ、(a)水酸基含有(メタ)アクリレートの水酸基が0.3〜0.5当量となるようにするのが特に好ましい。
この好適範囲から外れると、粘度が高くなるなど、液状での樹脂組成物の取り扱いが困難になる。
(A)成分のウレタン(メタ)アクリレートを製造する際、通常、ナフテン酸銅、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、ジラウリル酸ジ−n−ブチル錫、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン−2−メチルトリエチレンアミン等のウレタン化触媒が、反応原料の総量に対して0.01〜1質量%の量で用いられる。尚、反応温度は通常、10〜90℃、特に30〜80℃で行うのが好ましい。
(A)ウレタン(メタ)アクリレートの数平均分子量は、好ましくは500〜20,000、より好ましくは1,000〜15,000である。該数平均分子量が500未満であると、樹脂組成物を硬化して得られる硬化物の基材への密着性が低下し、逆に数平均分子量が20,000を超えると、樹脂組成物の粘度が高くなり、取り扱いにくくなり易い。
(A)ウレタン(メタ)アクリレートの配合割合は、本発明の樹脂組成物の全量を100質量%として、好ましくは5〜70質量%、特に好ましくは10〜60質量%である。(A)成分の配合割合が5質量%未満では、硬化物に適度な靱性等の力学特性を付与することが困難なことがある。一方、(A)成分の配合割合が70質量%を超えると、樹脂組成物の粘度が上昇し、作業性や塗工性が悪化することがある。
[(B)成分]
本発明の放射線硬化性樹脂組成物に用いられる(B)成分は、(A)成分以外のエチレン性不飽和基含有化合物である。(B)成分の例としては、(メタ)アクリロイル基又はビニル基を含有する化合物(以下、「不飽和モノマー」という。)等が挙げられる。
該不飽和モノマーとしては、単官能モノマー、及び多官能モノマーを使用することができる。
単官能モノマーとしては、例えばN−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン等のビニルモノマー;フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシ−2−メチルエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2ーフェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、4−フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、3−(2−フェニルフェニル)−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレンオキシドを反応させたp−クミルフェノールの(メタ)アクリレート、2−ブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2,4−ジブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを複数モル変性させたフェノキシ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、へキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシブチルビルエーテル、ラウリルビニルエーテル、セチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル及び下記式(2)、(3):
Figure 2008249916
(式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数2〜8のアルキレン基を示し、wは1〜8の整数を示す。)
Figure 2008249916
(式中、R及びRはそれぞれ独立して水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数2〜8のアルキレン基を示し、xは1〜8の数を示す。)
で表される化合物等が挙げられる。
これらの中で、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(メタ)アクリレート等が好ましい。
多官能モノマーとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−へキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロイルオキシ)イソシアヌレート、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのポリエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドの付加体であるジオールのジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドの付加体であるジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルに(メタ)アクリレートを付加させたエポキシ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジビニルエーテル等が挙げられる。
これらの中で、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのポリエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドの付加体であるジオールのジ(メタ)アクリレート等が好ましい。
単官能モノマーの市販品としては、例えばアロニックスM101、M102、M110、M111、M113、M117、M5700、TO−1317、M120、M150、M156(以上、東亞合成社製)、LA、IBXA、2−MTA、HPA、ビスコート#150、#155、#158、#190、#192、#193、#220、#2000、#2100、#2150(以上、大阪有機化学工業社製)、ライトアクリレートBO−A、EC−A、DMP−A、THF−A、HOP−A、HOA−MPE、HOA−MPL、PO−A、P−200A、NP−4EA、NP−8EA、エポキシエステルM−600A
(以上、共栄社化学社製)、KAYARAD TC110S、R−564、R−128H (以上、日本化薬社製)、NKエステルAMP−10G、AMP−20G(以上、新中村化学工業社製)、FA−511A、512A、513A(以上、日立化成社製)、PHE、CEA、PHE−2、PHE−4、BR−31、BR−31M、BR−32(以上、第一工業製薬社製)、VP(BASF社製)、ACMO、DMAA、DMAPAA(以上、興人社製)等が挙げられる。
多官能モノマーの市販品としては、例えばユピマーUV SA1002、SA2007(以上、三菱化学社製)、ビスコート #195、#230、#215、#260、#335HP、#295、#300、#360、#700、GPT、3PA(以上、大阪有機化学工業社製)、ライトアクリレート 4EG−A、9EG−A、NP−A、DCP−A、BP−4EA、BP−4PA、TMP−A、PE−3A、PE−4A、DPE−6A(以上、共栄社化学社製)、KAYARAD PET−30、TMPTA、R−604、DPHA、DPCA−20、−30、−60、−120、HX−620、D−310、D−330(以上、日本化薬社製)、アロニックス M208、M210、M215、M220、M240、M305、M309、M310、M315、M325、M400(以上、東亞合成社製)、リポキシVR−77、VR−60、VR−90(以上、昭和高分子社製)等が挙げられる。
なお、(B)成分としては、単官能モノマーと多官能モノマーとを併用して用いることが好ましい。
(B)成分の配合割合は、本発明の樹脂組成物の全量を100質量%として、好ましくは10〜80質量%、特に好ましくは20〜80質量%である。(B)成分の配合割合が10質量%未満では、樹脂組成物の粘度や硬化物の屈折率が劣ることがある。(B)成分の配合割合が80質量%を超えると、十分な力学特性の保持、及び塗工性の点で劣ることがある。
[(C)成分]
本発明の放射線硬化性樹脂組成物に用いられる(C)成分は、光重合開始剤である。(C)光重合開始剤としては、光(放射線)により分解し、ラジカルを発生して重合を開始せしめるものであればいずれでもよく、例えば、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、べンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド等が挙げられる。
なお、上記放射線とは、例えば赤外線、可視光線、紫外線及びX線、電子線、α線、β線、γ線のような電離放射線等を意味し、通常は紫外線等の光が簡便に用いられる。
(C)光重合開始剤の市販品としては、例えばIrgacure184、369、651、500、819、907、784、2959、CGI−1700、−1750、−1850、CG24−61、Darocur l116、1173(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、Lucirin TPO、LR8893、LR8970(以上、BASF社製)、ユベクリルP36(UCB社製)等が挙げられる。
(C)成分の配合割合は、本発明の樹脂組成物の全量を100質量%として、好ましくは0.01〜10質量%、特に好ましくは0.5〜7質量%である。(C)成分の配合割合が0.01質量%未満であると、硬化速度が低下して反応効率が低くなることがある。一方、(C)成分の配合割合が10質量%を超えると、樹脂組成物の硬化特性及び取り扱い性や、硬化物の力学特性及び光学特性の点で劣ることがある。
なお、本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、(C)光重合開始剤とともに光増感剤を配合することができる。
光増感剤としては、例えばトリエチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、エタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル等が挙げられ、市販品としては、例えばユベクリルP102、103、104、105(以上、UCB社製)等が挙げられる。
また、本発明の樹脂組成物を硬化させる場合、必要に応じて熱重合開始剤も併用することができる。好ましい熱重合開始剤としては、例えば過酸化物、アゾ化合物を挙げることができる。具体例としては、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチル−パーオキシベンゾエート、アゾビスイソブチロニトリル等を挙げることができる。
本発明の樹脂組成物には、前記の成分以外に、必要に応じて本発明の樹脂組成物の特性を損なわない範囲で、硬化性の他のオリゴマー又はポリマーを配合することができる。
硬化性の他のオリゴマー又はポリマーとしては、例えば成分(A)以外のポリウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリアミド(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するシロキサンポリマー、グリシジル(メタ)アクリレートとその他の重合性モノマーとの共重合体と(メタ)アクリル酸を反応させて得られる反応性ポリマー等が挙げられる。
さらにまた、上記成分以外に必要に応じて各種添加剤として、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、シランカップリング剤、塗面改良剤、熱重合禁止剤、レベリング剤、界面活性剤、着色剤、保存安定剤、可塑剤、滑剤、離型剤、溶媒、フィラー、老化防止剤、濡れ性改良剤等を必要に応じて配合することができる。
ここで、酸化防止剤としては、例えばIrganox1010、1035、1076、1222(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、Antigen P、3C、FR、GA−80(住友化学工業社製)等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えばTinuvin P、234、320、326、327、328、329、213(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、Seesorb102、103、110、501、202、712、704(以上、シプロ化成社製)等が挙げられる。
光安定剤としては、例えばTinuvin 292、144、622LD(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、サノールLS770(三共社製)、Sumisorb TM−061(住友化学工業社製)等が挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えばγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシランが挙げられ、市販品としては、SH6062、6030(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)、KBE903、603、403(以上、信越化学工業社製)等が挙げられる。
塗面改良剤としては、例えばジメチルシロキサンポリエーテル等のシリコーン添加剤が挙げられ、市販品としてはDC−57、DC−190(以上、ダウコーニング社製)、SH−28PA、SH−29PA、SH−30PA、SH−190(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)、KF351、KF352、KF353、KF354(以上、信越化学工業社製)、L−700、L−7002、L−7500、FK−024−90(以上、日本ユニカー社製)等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、前記各成分を常法により混合して製造することができる。このようにして調製される本発明の樹脂組成物の粘度は、通常200〜50,000mPa・s/25℃、好ましくは500〜30,000mPa・s/25℃である。粘度が高すぎると、レンズを製造する際、塗布むらやうねりが生じたり、目的とするレンズ厚を得るのが難しくなり、レンズとしての性能を十分に発揮できない。逆に低すぎるとレンズ厚のコントロールが難しく、一定厚の均一なレンズを形成できない場合がある。
また、本発明の樹脂組成物の硬化物の25℃での屈折率は、好ましくは1.53以上、より好ましくは1.54以上である。屈折率が1.53未満であると、樹脂組成物を用いて透過型スクリーンを形成した場合、十分な正面輝度を確保することができないことがある。
また、本発明の樹脂組成物の硬化物のヤング率(40℃)は、好ましくは20MPa以上、より好ましくは30MPa以上、さらに好ましくは40MPa以上、特に好ましくは50MPa以上である。ヤング率が上記好ましい範囲内であると、硬化物が適度な硬さを有するために、フレネルレンズ等の表面凹凸構造が歪みにくい。
なお、本発明の樹脂組成物の硬化物のヤング率の上限値は、特に限定されないが、通常、2,000MPa以下である。
本発明の樹脂組成物に放射線を照射して得られる硬化物は、プリズムレンズシート、フレネルレンズシート、レンチキュラーレンズシート等のレンズ部や、このようなシートを用いたバックライト等の光学部材として有用であり、特に光学用レンズとして有用である。
このような光学用レンズのうち、特に、レンズ形状の付いた金型と透明プラスチック基材との間に紫外線硬化性樹脂組成物を流し込み、基材側より紫外線を照射して、該組成物を硬化させることにより製造される光学用レンズが好ましい。
従って、本発明により得られる好ましい光学用レンズは、本発明の樹脂組成物からなる硬化物(レンズ本体)を、透明プラスチック基材に密着させてなるレンズである。
また、透明プラスチック基材としては、ポリメチルメタクリレート(PMMA)を主体とする基材や、メチルメタクリレート・スチレン共重合体(MS)を主体とする基材等が挙げられる。これらの中でも、メチルメタクリレート・スチレン共重合体(MS)を主体とする基材が、特に好ましい。
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[合成例1:ウレタン(メタ)アクリレートの合成]
撹拌機を備えた反応容器に、希釈用のアクリレートモノマーとして2−フェノキシエチルアクリレートを34.21質量部、イソホロンジイソシアネートを20.01質量部、ジラウリル酸ジ−n−ブチル錫0.035質量部、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.015質量部を仕込み、5〜10℃に冷却した。撹拌しながら温度を20℃以下に保ちつつ、2−ヒドロキシエチルアクリレート5.23質量部を滴下した。滴下終了後、20℃で40分反応させた。次に、数平均分子量1000のポリテトラメチレングリコール(PTMG1000;三菱化学社製)を22.50質量部加え、15〜55℃にて1時間反応を続けた。さらに、数平均分子量400のビスフェノールAのエチレンオキサイド付加ジオール(DA400;日本油脂社製)を18.00質量部加え、65〜75℃にて3時間反応を続けた。残留イソシアネートが0.05質量%以下になった時を反応終了時とした。この手法により得られたウレタンアクリレートを「ウレタンアクリレートA−1」とした。
実施例1
攪拌機を備えた反応容器に、(A)成分として(A−1)を21.9質量%、(B)成分として2−フェノキシエチルアクリレートを34.5質量%、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルアクリレートを7.8質量%、ビスフェノール系ビニルエステルを31.6質量%、(C)成分として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを2.9質量%の配合割合で仕込み、その他の成分として、表1に示す添加剤をそれぞれ添加し、液温を50〜60℃に制御しながら1時間攪拌し、均一な液状硬化性樹脂組成物を得た。
得られた液状樹脂組成物について、下記の方法で、屈折率、ヤング率、及びΔYI(イエローインデックスの経時的変化)の測定を行った。結果を表1に示す。
評価方法
[屈折率]
液状樹脂組成物を、ガラス板上に膜厚が200μmとなるようにアプリケーターバーを用いて塗布し、1.0J/cmの紫外線を窒素下で照射して試験片を作製した。JIS K7105に従い、アタゴ(株)製アッベ屈折計を用いて、上記試験片の25℃における屈折率を測定した。
[剛性]
381μm厚のアプリケーターバーを用いて、ガラス板上に液状硬化性樹脂組成物を塗布した後、この組成物層に、空気中で1.0J/cm2のエネルギーの紫外線を照射し硬化させ、硬化フィルムを得た。この硬化フィルムから、延伸部が幅6mm、長さ25mmとなるように短冊状サンプルを作製した。
この短冊状サンプルに対して、温度40℃、湿度50%下で引張り試験機を用いて、JIS K7127に準拠して引張試験を行った。引張速度は1mm/分とし、2.5%歪みでの抗張力からヤング率(MPa)を求めた。
ヤング率が50MPa以上の場合を「○」、50MPa未満の場合を「×」として評価した。
[光照射時の黄変の抑制効果]
液状硬化性樹脂組成物の硬化物のΔYI(黄変の程度を示すイエローインデックスの経時的変化)を、次のように測定した。
スライドガラス上に、253μm厚のアプリケーターを用いて液状硬化性樹脂組成物を塗布した後、この組成物層に、メタルハライドランプを用いて1.0J/cmの紫外線を照射して、厚さ約130μmの硬化フィルムを得た。
スライドガラス上の硬化フィルムを、蛍光灯の照射下に7日間置いた。
色相変化を、色差計(日本電色工業社製のSZ−Σ80分光色差計)を用いて、YI(イエローインデックス)で評価した。7日間放置後のYI値と、硬化フィルム作製直後のYI値との差をΔYI値とした。ΔYI値が1以下の場合を「○」、1を超える場合を「×」として評価した。
実施例2
表1の組成に従って各成分を配合したこと以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
Figure 2008249916
表1中の各成分の詳細は以下のとおりである。
(1)2−フェノキシエチルアクリレート:第一工業製薬社製、ニューフロンティアPHE(商品名)
(2)ビスフェノール系ビニルエステル:昭和高分子社製、リポキシVR−77(商品名)、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加アクリレート
(3)ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルアクリレート:東亜合成社製、アロニックスM113(商品名)
(4)Irgacure184(商品名):チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
[添加剤]
(5)Irganox 245:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチルー4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート](酸化防止剤)
(6)SANOL LS−765:三共社製、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−3−ピペリジル)セバケート1−メチル−8−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)−セバケート(光安定剤)
(7)プライサーフA208F:第一工業製薬社製、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル・リン酸エステル(離型剤)
表1から、(A)成分のウレタン(メタ)アクリレートの原料として脂肪族ポリイソシアネートを用いた実施例1、2の組成物の硬化物は、屈折率及び剛性に優れ、かつ、ΔYI値(色相の経時的変化が小さいこと)が小さく、優れた耐光黄変性を有することがわかる。

Claims (7)

  1. (A)(a)水酸基含有(メタ)アクリレート、(b)脂肪族ポリイソシアネート、及び(c)ポリオールの反応物である、ウレタン(メタ)アクリレート5〜70質量%、及び
    (B)前記(A)成分以外のエチレン性不飽和基含有化合物10〜80質量%
    を含有することを特徴とする光学部材用放射線硬化性樹脂組成物。
  2. 前記(b)成分が、分子中にアルキレンオキシ構造を有する数平均分子量500以上のポリエーテルポリオールを含む請求項1に記載の光学部材用放射線硬化性樹脂組成物。
  3. 前記(b)成分が、ビスフェノール構造を有するポリオールを含む請求項1又は2に記載の光学部材用放射線硬化性樹脂組成物。
  4. さらに、(C)光重合開始剤0.01〜10質量%を含有するものである請求項1〜3のいずれかに記載の光学部材用放射線硬化性樹脂組成物。
  5. 前記光学部材が光学用レンズである請求項1〜4のいずれかに記載の光学部材用放射線硬化性樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の放射線硬化性樹脂組成物に放射線を照射して得られる硬化物を含む光学部材。
  7. 光学用レンズである請求項6に記載の光学部材。
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