JP2009156998A - 光学部材用放射線硬化性樹脂組成物及び光学部材 - Google Patents

光学部材用放射線硬化性樹脂組成物及び光学部材 Download PDF

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甫 稲見
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Abstract

【課題】高い屈折率、剛性(ヤング率)を有し、湿熱環境下であっても各種プラスチック基材との密着性を維持しうる硬化物を与えることのできる光学部材用放射線硬化性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】組成物の全量を100質量%として、(A)(a)水酸基含有(メタ)アクリレート、(b)脂肪族ポリイソシアネート、及び(c)ポリオールの反応物であるウレタン(メタ)アクリレート 5〜70質量%、(B)カルボキシル基及びエチレン性不飽和基を有する化合物 0.1〜10質量%、及び(C)前記(A)成分及び(B)成分以外のエチレン性不飽和基含有化合物 10〜80質量%を含む光学部材用放射線硬化性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、光学部材用放射線硬化性樹脂組成物、及び該放射線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる光学部材に関する。
従来、液晶表示装置のバックライトに使用されるプリズムレンズシートや、プロジェクションテレビ等に使用されるフレネルレンズ、レンチキュラーレンズ等の光学レンズは、プレス法、キャスト法等の手法により製造されてきた。しかし、これらの手法では、製造時の加熱及び冷却に長時間を必要とするため、生産性が低いという問題があった。
このような問題点を解決するために、近年、紫外線硬化性樹脂を用いてレンズを製作する検討がなされている。具体的には、レンズ形状の付いた金型と透明樹脂基板との間に紫外線硬化性樹脂組成物を流し込み、基板側より紫外線を照射し、該組成物を硬化させることで、短時間でレンズを製造することができる。
ここで、光学部材用の紫外線硬化性樹脂組成物としては、ウレタン(メタ)アクリレート(A)、反応性単量体(B)、特定のヒンダードアミン化合物(C)、及び特定の光重合開始剤を含むことを特徴とするレンズ用材料樹脂組成物が提案されている(特許文献1)。
また、特定の式で表されるジオール(a)と芳香族有機ポリイソシアネート(b)と水酸基含有(メタ)アクリレート(c)との反応物であるウレタン(メタ)アクリレート(A)、該(A)成分以外のエチレン性不飽和基含有化合物(B)及び光重合開始剤(C)を含むことを特徴とする樹脂組成物が提案されている(特許文献2)。
さらに、(A)少なくとも、分子中にアルキレンオキシ構造を有する数平均分子量500以上のポリエーテルポリオール、有機ポリイソシアネート化合物及び水酸基含有(メタ)アクリレートの3種を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート、(B)特定の式で表される単官能(メタ)アクリレート、(C)光重合開始剤、および(D)特定の式で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル燐酸エステルを含有することを特徴とする光硬化性樹脂組成物が提案されている(特許文献3)。
特開平4−288314号公報 特開平5−255464号公報 特開2001−200022号公報
特許文献1〜3の技術によると、高い屈折率を有し、各種プラスチック基材との密着性等に優れた硬化物(光学部材)を得ることができる。
しかし、これらの樹脂組成物は、耐湿熱性が低く、高温高湿環境下において各種プラスチック基材との密着性が低下して、基材から剥離等を生じるという問題がある。
また、近年のプロジェクションテレビやビデオプロジェクターの薄型化、大型化に伴い、光学レンズを形成する紫外線硬化性樹脂組成物に対して、高い屈折率を有することに加えて、優れた力学的特性(例えば、高い剛性等)を有することが要求されている。
そこで、本発明は、高い屈折率、剛性(ヤング率)を有し、湿熱環境下であっても各種プラスチック基材との密着性を維持しうる硬化物を与えることのできる光学部材用放射線硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、(A)(a)水酸基含有(メタ)アクリレート、(b)脂肪族ポリイソシアネート、及び(c)ポリオールの反応物であるウレタン(メタ)アクリレート、(B)カルボキシル基及びエチレン性不飽和基を有する化合物、及び(C)(A)成分及び(B)成分以外のエチレン性不飽和基含有化合物を、特定の割合で含む放射線硬化性樹脂組成物によれば、本発明の上記目的を達成することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記の[1]〜[9]を提供するものである。
[1] 組成物の全量を100質量%として、下記(A)〜(C)成分を含むことを特徴とする光学部材用放射線硬化性樹脂組成物。
(A)(a)水酸基含有(メタ)アクリレート、(b)脂肪族ポリイソシアネート、及び(c)ポリオールの反応物であるウレタン(メタ)アクリレート 5〜70質量%
(B)カルボキシル基及びエチレン性不飽和基を有する化合物 0.1〜10質量%
(C)前記(A)成分及び(B)成分以外のエチレン性不飽和基含有化合物 10〜80質量%
[2] 前記(A)、(B)及び(C)成分の合計1kg中に含まれるカルボキシル基の含有量が、10〜1,200mmolである前記[1]に記載の光学部材用放射線硬化性樹脂組成物。
[3] 前記(A)成分が、ビスフェノール構造及び脂肪族ポリエーテル構造を有する前記[1]又は[2]に記載の光学部材用放射線硬化性樹脂組成物。
[4] 前記(C)成分の50質量%以上が芳香族構造を有する化合物である前記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の光学部材用放射線硬化性樹脂組成物。
[5] さらに、(D)光重合開始剤 0.01〜10質量%を含む前記[1]〜[4]のいずれか1つに記載の光学部材用放射線硬化性樹脂組成物。
[6] 硬化物の25℃における屈折率が1.55以上である前記[1]〜[5]のいずれか1つに記載の光学部材用放射線硬化性樹脂組成物。
[7] 硬化物の23℃におけるヤング率が100MPa以上である前記[1]〜[6]のいずれか1つに記載の光学部材用放射線硬化性樹脂組成物。
[8] 前記光学部材が光学用レンズである前記[1]〜[7]のいずれか1つに記載の光学部材用放射線硬化性樹脂組成物。
[9] 前記[1]〜[8]のいずれか1つに記載の放射線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる光学用レンズ。
本発明の光学部材用放射線硬化性樹脂組成物によれば、高屈折率で、フレネルレンズ等の表面凹凸構造が歪みにくい適度な剛性(ヤング率)を有し、かつ、湿熱環境下においても各種プラスチック基材との密着性に優れた(すなわち、基材に対し、初期及び湿熱後のいずれにおいても、高い密着性を有する)硬化物を形成することができる。
該硬化物は、高屈折率の光学部材として好適に用いることができる。該光学部材としては、例えば、マイクロディスプレイ型プロジェクションテレビのフレネルレンズ等が挙げられる。
本発明の光学部材用放射線硬化性樹脂組成物は、(A)〜(C)成分と、必要に応じて配合される他の任意成分とを含む。
以下、各成分ごとに詳しく説明する。
[(A)成分]
本発明の光学部材用放射線硬化性樹脂組成物に用いられる(A)成分は、(a)水酸基含有(メタ)アクリレート、(b)脂肪族ポリイソシアネート、及び(c)ポリオールの反応生成物であるウレタン(メタ)アクリレートである。(A)成分を用いることにより、高い剛性(ヤング率)を有する硬化物(光学部材)を得ることができる。
(a)水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリロイルフォスフェート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、下記式(1)で表される(メタ)アクリレート等が挙げられる。
Figure 2009156998
(式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、vは1〜15の整数を示す)
中でも、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が好ましい。
これら水酸基含有(メタ)アクリレートは、一種であるいは二種以上を組合せて使用することができる。
(b)脂肪族ポリイソシアネートとしては、芳香環構造を含まない、イソシアネート基を2個以上含む化合物が挙げられる。
(b)脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘプタメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート;イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、ノルボルナンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート等が挙げられる。
中でも、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘプタメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネートが好ましい。
これらのポリイソシアネート化合物は、一種であるいは二種以上を組合せて使用することができる。
(c)ポリオールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,3−ブタンジオール、シクロヘキサンジメチロール、トリシクロデカンジメチロール、1,6−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−プロパンジオール、ビスフェノールAポリエトキシグリコール、ビスフェノールAポリプロポキシグリコール、ビスフェノールAポリエトキシプロポキシグリコール、ビスフェノールFポリエトキシグリコール、ビスフェノールFポリプロポキシグリコール、ビスフェノールFポリエトキシプロポキシグリコール、ビスフェノールSポリエトキシグリコール、ビスフェノールSポリプロポキシグリコール、ビスフェノールSポリエトキシプロポキシグリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリエチレンブチレングリコール、ポリカプロラクトンジオール、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール等を挙げることができる。
(c)ポリオールとしては、(c1)ビスフェノール構造を有するポリオールと、(c2)脂肪族ポリエーテル構造を有するポリオールとを併用することが好ましい。これらを併用することにより、(A)ウレタン(メタ)アクリレートに、ビスフェノール構造と脂肪族ポリエーテル構造とを導入することができ、高い屈折率と、機械的強度(例えば、高いヤング率)とを兼ね備えた硬化物を形成することができる。(c)ポリオールとして(c2)脂肪族ポリエーテル構造を有するポリオールのみを用いると、硬化物の屈折率が低下する傾向があるため好ましくない。また、(c)ポリオールとして(c1)ビスフェノール構造を有するポリオールのみを用いると、硬化物が過度に硬直となって基材に対する密着性が低下するため好ましくない。
(c1)ビスフェノール構造を有するポリオールとしては、ビスフェノールAポリ(好ましくは重合度:平均値としてn=2〜40)エトキシグリコール、ビスフェノールAポリ(好ましくは重合度:平均値としてn=2〜40)プロポキシグリコール、ビスフェノールAポリ(好ましくは重合度:平均値としてn=2〜40)エトキシプロポキシグリコール、ビスフェノールFポリ(好ましくは重合度:平均値としてn=2〜40)エトキシグリコール、ビスフェノールFポリ(好ましくは重合度:平均値としてn=2〜40)プロポキシグリコール、ビスフェノールFポリ(好ましくは重合度:平均値としてn=2〜40)エトキシプロポキシグリコール、ビスフェノールSポリ(好ましくは重合度:平均値としてn=2〜40)エトキシグリコール、ビスフェノールSポリ(好ましくは重合度:平均値としてn=2〜40)プロポキシグリコール及びビスフェノールSポリ(好ましくは重合度:平均値としてn=2〜40)エトキシプロポキシグリコールから選ばれる一種又は二種以上を使用することが好ましい。
(c2)脂肪族ポリエーテル構造を有するポリオールとしては、ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリエチレンブチレングリコールから選ばれる一種又は二種以上を使用することが好ましい。
(c1)成分として用いられるポリオールの市販品としては、DA400、DB400(日本油脂社製)等が挙げられる。(C2)成分として用いられるポリオールの市販品としては、PTMG1000(三菱化学社製)等が挙げられる。
これらのポリオールは、一種であるいは二種以上を組合せて使用することができる。
成分(A)であるウレタン(メタ)アクリレートは、(a)水酸基含有(メタ)アクリレート、(b)脂肪族ポリイソシアネート化合物、及び(c)ポリオール化合物を反応させることにより製造される。具体的には、以下の製法1〜製法4のいずれかの方法で製造される。
製法1:ポリオール化合物、脂肪族ポリイソシアネート化合物及び水酸基含有(メタ)アクリレートを一括して仕込んで反応させる方法。
製法2:ポリオール化合物及び脂肪族ポリイソシアネート化合物を反応させ、次いで水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させる方法。
製法3:脂肪族ポリイソシアネート化合物及び水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させ、次いでポリオール化合物を反応させる方法。
製法4:脂肪族ポリイソシアネート化合物及び水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させ、次いでポリオール化合物を反応させ、最後にまた水酸基含有(メタ)アクリレート化合物を反応させる方法。
これらのうち、製法3(脂肪族ポリイソシアネート、及び水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させ、次いでポリオールを反応させる方法)が好ましく用いられる。
(A)ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを製造する際、(a)水酸基含有(メタ)アクリレート、(b)脂肪族ポリイソシアネート、及び(c)ポリオールのそれぞれの配合割合は、(c)ポリオールに含まれる水酸基1当量に対して、(b)脂肪族ポリイソシアネートに含まれるイソシアネート基が1.1〜2当量で、かつ、(a)水酸基含有(メタ)アクリレートに含まれる水酸基が0.1〜1当量となるように定めるのが好ましい。
さらに、ポリオールに含まれる水酸基1当量に対して、(b)脂肪族ポリイソシアネートに含まれるイソシアネート基が1.3〜2当量で、かつ、(a)水酸基含有(メタ)アクリレートに含まれる水酸基が0.3〜1当量となるように定めるのが特に好ましい。
この好適範囲から外れると、粘度が高くなるなど、液状での樹脂組成物の取り扱いが困難になる。
(A)ウレタン(メタ)アクリレートを製造する際、通常、ナフテン酸銅、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、ジラウリル酸ジ−n−ブチル錫、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン−2−メチルトリエチレンアミン等のウレタン化触媒が、反応原料の総量に対して0.01〜1質量%の量で用いられる。尚、反応温度は通常、10〜90℃、特に30〜80℃で行うのが好ましい。
(A)ウレタン(メタ)アクリレートの数平均分子量は、好ましくは500〜20,000、より好ましくは1,000〜15,000である。該数平均分子量が500未満であると、樹脂組成物を硬化して得られる硬化物の基材への密着性が低下し、逆に数平均分子量が20,000を超えると、樹脂組成物の粘度が高くなり、取り扱いにくくなり易い。
また、(A)ウレタン(メタ)アクリレートは、ビスフェノール構造及び脂肪族ポリエーテル構造を有することが好ましい。これらの構造を有するウレタン(メタ)アクリレートを用いることにより、高い屈折率と、機械的強度(例えば、高いヤング率)とを兼ね備えた硬化物を形成することができる。
本発明の光学部材用放射線硬化性樹脂組成物中、(A)成分の配合割合は、組成物の全量を100質量%として、好ましくは5〜70質量%、より好ましくは10〜60質量%、特に好ましくは10〜40質量%である。上記配合割合が5質量%未満では、機械的強度が低下することがある。一方、上記配合割合が70質量%を超えると、樹脂組成物の粘度が上昇し、作業性や塗工性が悪化することがある。
[(B)成分]
本発明の放射線硬化性樹脂組成物に使用される(B)成分は、カルボキシル基及びエチレン性不飽和基を有する化合物である。(B)成分を用いることにより、高い剛性(ヤング率)を有し、かつ、湿熱環境下であっても基材に対する密着性を維持することのできる硬化物を得ることができる。
(B)カルボキシル基及びエチレン性不飽和基を有する化合物としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、コハク酸等のジカルボン酸;2−スクシニルオキシエチルメタクリレート、2−マレオイルオキシエチルメタクリレート、2−ヘキサヒドロフタロイルオキシエチルメタクリレート、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸等のカルボキシル基及びエステル結合を有する(メタ)アクリル酸誘導体等が挙げられる。これらの化合物は単独で、もしくは2種以上組み合わせて使用できる。
これらの中ではアクリル酸、メタクリル酸、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸等が好ましい。
本発明の光学部材用放射線硬化性樹脂組成物中、(B)成分の配合割合は、組成物の全量を100質量%として、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%、特に好ましくは0.1〜2.5質量%である。上記配合割合が0.1質量%未満では、硬化物の耐湿熱性が低下し、湿熱環境下において基材から剥離を生じることがあるため好ましくない。一方、上記配合割合が10質量%を超えると、硬化物の屈折率や、ヤング率が低下するため好ましくない。
[(C)成分]
本発明の放射線硬化性樹脂組成物に使用される(C)成分は、前記(A)成分及び(B)成分以外のエチレン性不飽和基含有化合物である。(C)成分の例としては、(メタ)アクリロイル基又はビニル基を含有する化合物であって、(A)成分及び(B)成分に該当しない化合物(以下、「不飽和モノマー」という。)等が挙げられる。
不飽和モノマーとしては、単官能モノマー、及び多官能モノマーを使用することができる。
単官能モノマーとしては、例えばN−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン等のビニルモノマー;フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシ−2−メチルエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、4−フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、3−(2−フェニルフェニル)−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレンオキシドを反応させたp−クミルフェノールの(メタ)アクリレート、2−ブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2,4−ジブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを複数モル変性させたフェノキシ(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシブチルビルエーテル、ラウリルビニルエーテル、セチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(メタ)アクリレート及び下記式(2)、(3)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2009156998
(式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数2〜8のアルキレン基を示し、nは1〜8の整数を示す。)
Figure 2009156998
(式中、R及びRはそれぞれ独立して水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数2〜8のアルキレン基を示し、nは1〜8の整数を示す。)
これらの中で、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(メタ)アクリレート等が好ましい。
多官能モノマーとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−へキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロイルオキシ)イソシアヌレート、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのポリエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドの付加体であるジオールのジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドの付加体であるジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルに(メタ)アクリレートを付加させたエポキシ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジビニルエーテル等が挙げられる。
これらの中で、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのポリエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドの付加体であるジオールのジ(メタ)アクリレート等が好ましい。
単官能モノマーの市販品としては、例えばアロニックスM101、M102、M110、M111、M113、M117、M5700、TO−1317、M120、M150、M156(以上、東亞合成社製)、LA、IBXA、2−MTA、HPA、ビスコート#150、#155、#158、#190、#192、#193、#220、#2000、#2100、#2150(以上、大阪有機化学工業社製)、ライトアクリレートBO−A、EC−A、DMP−A、THF−A、HOP−A、HOA−MPE、HOA−MPL、PO−A、P−200A、NP−4EA、NP−8EA、エポキシエステルM−600A
(以上、共栄社化学社製)、KAYARAD TC110S、R−564、R−128H (以上、日本化薬社製)、NKエステルAMP−10G、AMP−20G(以上、新中村化学工業社製)、FA−511A、512A、513A(以上、日立化成社製)、PHE、CEA、PHE−2、PHE−4、BR−31、BR−31M、BR−32(以上、第一工業製薬社製)、VP(BASF社製)、ACMO、DMAA、DMAPAA(以上、興人社製)、SR−339A(サートマー社製)等が挙げられる。
また、多官能モノマーの市販品としては、例えばユピマーUV SA1002、SA2007(以上、三菱化学社製)、ビスコート #195、#230、#215、#260、#335HP、#295、#300、#360、#700、GPT、3PA(以上、大阪有機化学工業社製)、ライトアクリレート 4EG−A、9EG−A、NP−A、DCP−A、BP−4EA、BP−4PA、TMP−A、PE−3A、PE−4A、DPE−6A(以上、共栄社化学社製)、KAYARAD PET−30、TMPTA、R−604、DPHA、DPCA−20、−30、−60、−120、HX−620、D−310、D−330(以上、日本化薬社製)、アロニックス M208、M210、M215、M220、M240、M305、M309、M310、M315、M325、M400(以上、東亞合成社製)、リポキシVR−77、VR−60、VR−90(以上、昭和高分子社製)等が挙げられる。
本発明の光学部材用放射線硬化性樹脂組成物中、(C)成分の配合割合は、組成物の全量を100質量%として、好ましくは10〜80質量%、より好ましくは20〜80質量%、特に好ましくは50〜80質量%である。上記配合割合が10質量%未満では、樹脂組成物の粘度や硬化物の屈折率が劣ることがある。一方、上記配合割合が80質量%を超えると、十分な力学特性の保持、及び塗工性の点で劣ることがある。
また、(C)成分は、その50質量%以上が芳香環構造を有する化合物であることが好ましい。すなわち、(C)成分の全量100質量%中、芳香環構造を有する化合物の割合は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは85質量%以上、特に好ましくは100質量%である。芳香環構造を有する化合物の割合を上記範囲内とすることにより、より高い屈折率を有する硬化物を得ることができる。
[(D)成分]
本発明の光学部材用放射線硬化性樹脂組成物は、放射線によって硬化される。ここで放射線とは、例えば赤外線、可視光線、紫外線及びX線、電子線、α線、β線、γ線のような電離放射線を意味し、通常は紫外線等の光が簡便に用いられる。光硬化反応には、必要に応じて、光重合開始剤((D)成分)を添加し、さらに必要に応じて、光増感剤を添加する。
(D)光重合開始剤としては、光照射により分解してラジカルを発生して重合を開始せしめるものであればいずれでもよく、例えばアセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、べンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド等が挙げられる。
(D)光重合開始剤の市販品としては、例えばIrgacure184、369、651、500、819、907、784、2959、CGI−1700、−1750、−1850、CG24−61、Darocur l116、1173(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、Lucirin TPO、LR8893、LR8970(以上、BASF社製)、ユベクリルP36(UCB社製)等が挙げられる。
また、光増感剤としては、例えばトリエチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、エタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル等が挙げられ、市販品としては、例えばユベクリルP102、103、104、105(以上、UCB社製)等が挙げられる。
本発明の光学部材用放射線硬化性樹脂組成物中、(D)成分の配合割合は、組成物の全量を100質量%として、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.5〜7質量%である。上記配合割合が0.01質量%未満では、硬化速度が低下して反応効率が低くなることがある。一方、上記配合割合が10質量%を超えると、樹脂組成物の硬化特性及び取り扱い性や、硬化物の力学特性及び光学特性の点で劣ることがある。
本発明の樹脂組成物を硬化させる場合、必要に応じて熱重合開始剤も併用することができる。好ましい熱重合開始剤としては、例えば過酸化物、アゾ化合物を挙げることができる。具体例としては、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチル−パーオキシベンゾエート、アゾビスイソブチロニトリル等を挙げることができる。
本発明の樹脂組成物には、前記の成分以外に、必要に応じて本発明の樹脂組成物の特性を損なわない範囲で、硬化性の他のオリゴマー又はポリマーを配合することができる。
硬化性の他のオリゴマー又はポリマーとしては、例えば成分(A)以外のポリウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリアミド(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するシロキサンポリマー、グリシジル(メタ)アクリレートとその他の重合性モノマーとの共重合体と(メタ)アクリル酸を反応させて得られる反応性ポリマー等が挙げられる。
さらにまた、上記成分以外に必要に応じて各種添加剤として、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、シランカップリング剤、塗面改良剤、熱重合禁止剤、レベリング剤、界面活性剤、着色剤、保存安定剤、可塑剤、滑剤、離型剤、溶媒、フィラー、老化防止剤、濡れ性改良剤等を必要に応じて配合することができる。
ここで、酸化防止剤としては、例えばIrganox245、1010、1035、1076、1222(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、Antigen P、3C、FR、GA−80(住友化学工業社製)等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えばTinuvin P、234、320、326、327、328、329、213(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、Seesorb102、103、110、501、202、712、704(以上、シプロ化成社製)等が挙げられる。
光安定剤としては、例えばTinuvin 292、144、622LD(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、サノールLS−765、LS−770(三共社製)、Sumisorb TM−061(住友化学工業社製)等が挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えばγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、市販品として、SH6062、6030(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)、KBE903、603、403(以上、信越化学工業社製)等が挙げられる。
塗面改良剤としては、例えばジメチルシロキサンポリエーテル等のシリコーン添加剤が挙げられ、市販品としてはDC−57、DC−190(以上、ダウコーニング社製)、SH−28PA、SH−29PA、SH−30PA、SH−190(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)、KF351、KF352、KF353、KF354(以上、信越化学工業社製)、L−700、L−7002、L−7500、FK−024−90(以上、日本ユニカー社製)等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、前記各成分を常法により混合して製造することができる。このようにして調製される本発明の樹脂組成物の粘度は、通常1,500〜2,500mPa・s/25℃、好ましくは1,700〜2,300mPa・s/25℃、特に好ましくは1,800〜2,100mPa・s/25℃である。粘度が高すぎると、レンズを製造する際、塗布むらやうねり(硬化反応後の反り)が生じたり、目的とするレンズ厚を得るのが難しくなり、レンズとしての性能を十分に発揮できない。逆に低すぎるとレンズ厚のコントロールが難しく、一定厚の均一なレンズを形成できない場合がある。
また、本発明の樹脂組成物は、前記(A)、(B)及び(C)成分の合計1kg中に含まれるカルボキシル基の含有量が10〜1,200mmolであることが好ましく、10〜500mmolであることがより好ましい。カルボキシル基の含有量を上記範囲内とすることにより、より高い屈折率及びヤング率を有し、湿熱環境下であっても基材に対して優れた密着性を有する硬化物を形成することができる。
また、本発明の樹脂組成物の硬化物の25℃での屈折率は、1.55以上であることが好ましい。屈折率が1.55未満であると、樹脂組成物を用いて透過型スクリーンを形成した場合、十分な正面輝度を確保することができないことがある。
また、本発明の樹脂組成物の硬化物のヤング率(23℃)は、好ましくは100MPa以上、より好ましくは110MPa以上である。ヤング率が100MPa未満であると、硬化物の硬度が低く、フレネルレンズ等の表面凹凸構造が歪む傾向がある。本発明の樹脂組成物の硬化物のヤング率(23℃)の上限値は、特に限定されないが、例えば200MPa以下、好ましくは150MPa以下である。
本発明の樹脂組成物に放射線を照射して得られる硬化物は、プリズムレンズシート、フレネルレンズシート、レンチキュラーレンズシート等のレンズ部や、このようなシートを用いたバックライト等の光学部材として有用であり、特に光学用レンズとして有用である。
このような光学用レンズのうち、特に、レンズ形状の付いた金型と透明プラスチック基材との間に紫外線硬化性樹脂組成物を流し込み、基材側より紫外線を照射して、該組成物を硬化させることにより製造される光学用レンズが好ましい。
従って、本発明により得られる好ましい光学用レンズは、本発明の樹脂組成物からなる硬化物(レンズ本体)を、透明プラスチック基材に密着させてなるレンズである。
また、透明プラスチック基材としては、ポリメチルメタクリレート(PMMA)を主体とする基材、メチルメタクリレート・スチレン共重合体(MS)を主体とする基材、ポリエチレンテレフタレート(PET)を主体とする基材や、接着層を有するPET基材等が挙げられる。
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[ウレタン(メタ)アクリレートの合成]
撹拌機を備えた反応容器に、希釈用のアクリレートモノマーとして2−フェノキシエチルアクリレートを34.21質量部、イソホロンジイソシアネートを20.01質量部、ジラウリル酸ジ−n−ブチル錫0.035質量部、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.015質量部を仕込み、5〜10℃に冷却した。撹拌しながら温度を20℃以下に保ちつつ、2−ヒドロキシエチルアクリレート5.23質量部を滴下した。滴下終了後、20℃で40分反応させた。次に、数平均分子量1,000のポリテトラメチレングリコール(PTMG1000;三菱化学社製)を22.50質量部加え、15〜55℃にて1時間反応を続けた。さらに、数平均分子量400のビスフェノールAのエチレンオキサイド付加ジオール(DA400;日本油脂社製)を18.00質量部加え、65〜75℃にて3時間反応を続けた。残留イソシアネートが0.05質量%以下になった時を反応終了時とした。この手法により得られたウレタンアクリレートを「ウレタンアクリレートA−1」とした。
[実施例1]
攪拌機を備えた反応容器に、(A)成分としてウレタンアクリレートA−1を21.8質量%、(B)成分としてアクリル酸を0.1質量%、(C)成分としてポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルアクリレートを7.8質量%、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加アクリレートを31.6質量%、2−フェノキシエチルアクリレート34.5質量%(D)成分として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを2.9質量%の配合割合で仕込み、その他の成分として、表1に示す添加剤をそれぞれ添加し、液温を50〜60℃に制御しながら1時間攪拌し、均一な液状硬化性樹脂組成物を得た。
得られた液状硬化性樹脂組成物に対し、硬化物の屈折率、初期及び湿熱後の基材密着性、及びヤング率を下記の方法により評価した。
[屈折率]
液状硬化性樹脂組成物を、ガラス板上に膜厚が200μmとなるようにアプリケーターバーを用いて塗布し、1.0J/cmの紫外線を空気下で照射して試験片を作製した。JIS K7105に従い、アタゴ(株)製アッベ屈折計を用いて、上記試験片の25℃における屈折率を測定した。
[初期基材密着性]
液状硬化性樹脂組成物を、ガラス板上に膜厚が130μmとなるようにアプリケーターバーを用いて塗布した後、接着層付きPETフィルムを被せ、1.0J/cmの紫外線を空気下で照射して硬化させた。次いで、ガラス板から剥離し、PETフィルムと硬化性樹脂組成物の硬化物とからなる硬化膜を得た。得られた硬化膜を幅10mmにカットし、引張試験器を用いて180°ピール強度(N/cm)(硬化物−PETフィルム間のピール強度)を測定した。
[湿熱基材密着性]
初期基材密着性の評価と同様にして得た硬化膜(幅10mm)を、60℃、相対湿度90%の環境下に2日間放置し、さらに室温で1日放置した後、引張試験器を用いて180°ピール強度(N/cm)を測定した。
[ヤング率]
液状硬化性樹脂組成物を、アプリケーターバーを用いて、ガラス板上に液状硬化性樹脂組成物を塗布した後、この組成物層に、空気中で1.0J/cm2のエネルギーの紫外線を照射し硬化させ、膜厚200μmの硬化フィルムを得た。この硬化フィルムから、延伸部が幅6mm、長さ25mmとなるように短冊状サンプルを作製した。
この短冊状サンプルに対して、温度23℃、湿度50%下で引張り試験機を用いて、JIS K7127に準拠して引張試験を行った。引張速度は1mm/分とし、2.5%歪みでの抗張力からヤング率(MPa)を求めた。
結果を表1に示す。
[実施例2〜4、比較例1、2]
表1に記載の割合で各成分を配合したこと以外は、実施例1と同様にして、各種物性を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2009156998
なお、表1中の各成分は以下のとおりである。
((B)成分)
2−アクリロイルオキシエチルコハク酸:共栄社化学社製、ライトアクリレートHOA−MS
アクリル酸:和光純薬社製
((C)成分)
2−フェノキシエチルアクリレート:サートマー社製、SR−339A
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルアクリレート:東亜合成社製、アロニックスM113
ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加アクリレート:昭和高分子社製、リポキシVR−77(ビスフェノール系ビニルエステル)
((D)成分)
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、Irgacure184
(添加剤)
Irganox 245:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチルー4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート](酸化防止剤)
SANOL LS−765:三共株式会社製、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−3−ピペリジル)セバケート1−メチル−8−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)−セバケート(光安定剤)
プライサーフA208F:第一工業製薬社製、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル・リン酸エステル(離型剤)
プライサーフA208B:第一工業製薬社製、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル・リン酸エステル(離型剤)
表1の結果から、本発明の放射線硬化性樹脂組成物によると、高い屈折率及びヤング率を有し、初期及び耐湿熱試験後のいずれも優れた基材密着性を有する硬化物を得ることができることがわかる。一方、(B)成分を含まない比較例1では、耐湿熱試験後の基材密着性が低いことがわかる。(B)成分を本発明の範囲を超えて含有する比較例2では、耐湿熱試験後の基材密着性は高くなるものの、屈折率が低く、ヤング率も低いことがわかる。

Claims (9)

  1. 組成物の全量を100質量%として、下記(A)〜(C)成分を含むことを特徴とする光学部材用放射線硬化性樹脂組成物。
    (A)(a)水酸基含有(メタ)アクリレート、(b)脂肪族ポリイソシアネート、及び(c)ポリオールの反応物であるウレタン(メタ)アクリレート 5〜70質量%
    (B)カルボキシル基及びエチレン性不飽和基を有する化合物 0.1〜10質量%
    (C)前記(A)成分及び(B)成分以外のエチレン性不飽和基含有化合物 10〜80質量%
  2. 前記(A)、(B)及び(C)成分の合計1kg中に含まれるカルボキシル基の含有量が、10〜1,200mmolである請求項1に記載の光学部材用放射線硬化性樹脂組成物。
  3. 前記(A)成分が、ビスフェノール構造及び脂肪族ポリエーテル構造を有する請求項1又は2に記載の光学部材用放射線硬化性樹脂組成物。
  4. 前記(C)成分の50質量%以上が、芳香族構造を有する化合物である請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学部材用放射線硬化性樹脂組成物。
  5. さらに、(D)光重合開始剤 0.01〜10質量%を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学部材用放射線硬化性樹脂組成物。
  6. 硬化物の25℃における屈折率が1.55以上である請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学部材用放射線硬化性樹脂組成物。
  7. 硬化物の23℃におけるヤング率が100MPa以上である請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学部材用放射線硬化性樹脂組成物。
  8. 前記光学部材が光学用レンズである請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学部材用放射線硬化性樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の放射線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる光学用レンズ。
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