JP2008222884A - 放射線硬化性樹脂組成物及び光学部材 - Google Patents

放射線硬化性樹脂組成物及び光学部材 Download PDF

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Abstract

【課題】硬化前に適当な粘度を有し、かつ、硬化後には、高い屈折率と高いアッベ数とを有し得る放射線硬化性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】本発明の組成物は、(A)(a)ポリチオールと、(b)脂環式構造及び2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物とを反応させて得られる、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物、(B)脂環式構造及びエチレン性不飽和基を有する、(A)成分以外の化合物、及び、(D)光重合開始剤、を含む。本発明の組成物は、さらに、(C)単独で重合させて得られる硬化物のアッベ数が40以上であり、かつ、エチレン性不飽和基を有する、(A)成分及び(B)成分以外の化合物、及び/又は、(E)臭素化アリール基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物、を含むことができる。本発明の組成物の硬化物は、屈折率(n 25)が1.555以上であり、かつ、アッベ数が48以上である。
【選択図】なし

Description

本発明は、放射線硬化性樹脂組成物に関し、特に、液晶表示装置のバックライトに使用されるプリズムレンズシートや、プロジェクションテレビ等のスクリーンに使用されるレンズシート(例えば、フレネルレンズシート、レンチキュラーレンズシート等)等の各種レンズシートのレンズ部等の光学部材の材料として有用な放射線硬化性樹脂組成物、及びその硬化物からなる光学部材に関する。
従来、プロジェクションテレビ等に使用されるフレネルレンズ、レンチキュラーレンズ等の光学レンズは、プレス法、キャスト法等の方法により製造されてきた。しかし、これらの方法では、製造時の加熱及び冷却に長時間を必要とするため、生産性が低いという問題があった。
このような問題点を解決するために、近年、紫外線硬化性樹脂組成物を用いてレンズを製作することが検討されている。具体的には、レンズ形状の付いた金型と透明樹脂基板との間に紫外線硬化性樹脂組成物を流し込んだ後、透明樹脂基板の側から紫外線を照射し、該組成物を硬化させることによって、短時間でレンズを製造することができる。
近年のプロジェクションテレビやビデオプロジェクターの薄型化及び大型化に伴い、光学レンズを形成するための紫外線硬化性樹脂組成物に対して、高い屈折率を有することや、いわゆる青色抜け(画面が青みを帯びる現象)を防止することや、優れた力学特性(機械的強度、靭性等)を有することや、硬化前に適当な粘度(薄型化及び大型化に適する小さな粘度)を有すること等が要求されている。
ここで、光学レンズを形成するための樹脂組成物として、例えば、特定の構造を有するジオール(a)と芳香族有機ポリイソシアネート(b)と水酸基含有(メタ)アクリレート(c)との反応物であるウレタン(メタ)アクリレート(A)、該(A)成分以外のエチレン性不飽和基含有化合物(B)、及び光重合開始剤(C)を含むことを特徴とする樹脂組成物が提案されている(特許文献1)。
また、A成分:特定の一般式で表わされるビス(アクリロキシメチル又はメタクリロキシメチル)トリシクロデカン40〜80重量%、B成分:ペンタエリスリトールテトラキス(β−チオプロピオネート)又はペンタエリスリトールテトラキス(チオグリコレート)10〜50重量%、C成分:ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート又はジビニルベンゼン10〜40重量%、からなる混合物を重合硬化して得た、屈折率(N20℃)が1.53以上、アッベ数(ν20℃)が40以上である高アッベ数レンズ(特に、眼鏡用レンズ)が提案されている(特許文献2)。
しかし、特許文献1、2等の技術を用いても、プロジェクションテレビ等の光学レンズに対する近年の要求、すなわち、光学レンズの薄型化による高屈折率の要求と、いわゆる青色抜け(画面が青みを帯びる現象)の防止のための高アッベ数の要求と、光学レンズの大型化による力学特性等の向上の要求を共に十分満足させることは困難である。
特に、プロジェクションテレビ等の光学レンズを形成するための有機系材料は、一般的に、長波長光よりも短波長光に対する屈折率が高いため、アッベ数が小さいと、長波長光(赤色)に比べ、短波長光(青色光)をより大きく屈折させ、テレビ画面で青色抜け(画面が青みを帯びる現象)が起きるという問題がある。近年主流になりつつある薄型のリアプロジェクションテレビ等においては、光源からフレネルレンズへの光の入射角が鋭角となり、短波長光がさらに顕著に屈折されるため、この青色抜けが大きな問題となっている。
なお、この青色抜けの問題を解消するためにアッベ数を大きくすると、屈折率が急に小さくなり、プロジェクションテレビ等における薄型化を実現することができなくなる。
特開平5−255464号公報 特開平2−141702号公報
本発明は、前記の従来技術の問題を解決しようとするものであり、具体的には、硬化前に適当な粘度を有し、かつ、硬化後には、高い屈折率と、高いアッベ数と、優れた力学特性(機械的強度、靭性等)とを有することのできる放射線硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、(A)(a)ポリチオールと、(b)脂環式構造及び2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物とを反応させて得られる、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物と、(B)脂環式構造及びエチレン性不飽和基を有する、(A)成分以外の化合物と、(D)光重合開始剤とを含むことにより、適度な粘度を有して塗布性に優れ、かつ、紫外線等の放射線照射によって、高い屈折率、高いアッベ数、及び優れた力学特性(機械的強度、靭性等)のすべてを兼ね備えた硬化物(例えば、リアプロジェクションテレビ用のフレネルレンズ等)を与えることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[5]を提供するものである。
[1] (A)(a)ポリチオールと、(b)脂環式構造及び2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物とを反応させて得られる、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物、(B)脂環式構造及びエチレン性不飽和基を有する、(A)成分以外の化合物、及び(D)光重合開始剤、を含むことを特徴とする放射線硬化性樹脂組成物。
[2] 前記(b)成分の脂環式構造が、架橋環式構造を有する前記[1]に記載の放射線硬化性樹脂組成物。
[3] さらに、(C)単独で重合させて得られる硬化物のアッベ数が40以上であり、かつ、エチレン性不飽和基を有する、(A)成分及び(B)成分以外の化合物、を含む前記[1]又は[2]に記載の放射線硬化性樹脂組成物。
[4] さらに、(E)臭素化アリール基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物、を含む前記[1]〜[3]のいずれかに記載の放射線硬化性樹脂組成物。
[5] 前記放射線硬化性樹脂組成物の硬化物は、屈折率(n 25)が1.555以上であり、かつ、アッベ数が48以上である前記[1]〜[4]のいずれかに記載の放射線硬化性樹脂組成物。
[6] 光学部材形成用である前記[1]〜[5]のいずれかに記載の放射線硬化性樹脂組成物。
[7] 前記[6]に記載の放射線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる光学部材。
本発明の放射線硬化性樹脂組成物は、特定の構造を有する成分を含むため、優れた塗布性(適度な粘性)を有し、薄型のリアプロジェクションテレビのフレネルレンズ等の製造用に用いた場合であっても、所望の膜厚を有する均一なレンズを形成することができる。
また、本発明の放射線硬化性樹脂組成物の硬化物は、高い屈折率を有するため、フレネルレンズ等に用いた場合に、正面輝度の高さ、すなわち、正面から見たときの明るさを維持したままで、薄型化を図ることができる。
また、本発明の放射線硬化性樹脂組成物の硬化物は、高いアッベ数を有するため、長波長光(赤色光)と短波長光(青色光)との屈折率の差が小さく、それゆえ、薄型のリアプロジェクションテレビ等における青色抜け(画面が青みを帯びる現象)を改善することができる。
また、本発明の放射線硬化性樹脂組成物の硬化物は、機械的強度(曲げ強度等)に優れ、リアプロジェクションテレビ等の薄型化に適する。
さらに、本発明の放射線硬化性樹脂組成物の硬化物は、各種プラスチック基材との密着性、金型からの剥離性、復元性等に優れる。
本発明の放射線硬化性樹脂組成物は、(A)成分、(B)成分、及び(D)成分と、必要に応じて配合される他の任意成分とを含む。
以下、各成分ごとに詳細に説明する。
[(A)成分]
本発明の放射線硬化性樹脂組成物に用いられる(A)成分は、(a)ポリチオールと、(b)脂環式構造及び2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物とを反応させて得られる、2以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物である。(A)成分を用いることにより、得られる樹脂組成物に十分な放射線硬化性を付与することができ、また、高いアッベ数及び高い屈折率を併せ持つ硬化物(フレネルレンズ等の光学部材)を形成することができる。
(A)成分の原料の1つは、ポリチオール((a)成分)である。(A)成分の原料としてポリチオールを用いているため、樹脂組成物の硬化物に高い屈折率を与えることができる。
ポリチオールの好ましい例としては、(i)2個以上のチオール(−SH)を末端に有し、かつ、末端以外の構造部分に1個以上の硫黄原子を含む化合物や、(ii)3個以上のチオール(−SH)を末端に有する化合物が挙げられる。
前記(i)の例として、含硫黄脂肪族構造(例えば、−S−(CH−(式中、nは1以上の整数である。)で表わされる構造)を有するポリチオールが挙げられる。含硫黄脂肪族構造は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよい。
(a)成分の具体例としては、例えば、下記一般式(1)で表される化合物、下記一般式(2)〜(4)で表される化合物、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート(TMTG)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート(PETG)、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート(TMTP)、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート(PETP)等が挙げられる。
Figure 2008222884
(式中、複数のR及びRは、各々独立して、炭素数1〜5のアルキレンであり、nは1〜5の整数である。)
Figure 2008222884
一般式(1)中、複数のR及びRは、各々独立して、炭素数1〜3のアルキレンであることが好ましく、エチレン基であることがより好ましい。
一般式(1)中、nは、1〜3の整数であることが好ましく、1であることがより好ましい。
このような化合物の具体例としては、1,5−ジメルカプト−3−チアペンタン、1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン等が挙げられる。中でも、1,5−ジメルカプト−3−チアペンタン、1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタンが好ましい。
(A)成分の製造原料である(b)成分は、脂環式構造及び2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物である。(A)成分が(b)成分由来の構造を有することにより、高い屈折率と高いアッベ数とを兼ね備えた硬化物を得ることができる。(b)成分に代えて、芳香族構造及び2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を用いた場合、硬化物の屈折率は増大するが、アッベ数が低下する傾向がある。また、(b)成分に代えて脂肪族構造及び2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を用いた場合、硬化物のアッベ数は増大するが、屈折率が低下する傾向がある。
(b)成分の一例は、下記一般式(5)で表される構造を有する化合物である。
Figure 2008222884
(式中、R及びRは、各々独立して水素原子又はメチル基であり、R及びRは、各々独立して炭素数1〜5のアルキレンであり、X及びXは、各々独立して、O(酸素原子)又はS(硫黄原子)であり、Yは脂環式構造を含む2価の有機基である。)
一般式(5)中、R及びRは、各々、好ましくは炭素数1〜3のアルキレン、より好ましくはメチレン基である。
一般式(5)中のYは、屈折率及びアッベ数の観点から、好ましくは脂環式構造を2個以上含む2価の有機基であり、例えば、架橋環式構造を有する2価の有機基や、シクロアルカンを2個以上含む2価の有機基等が挙げられる。
架橋環式構造を有する2価の有機基としては、下記一般式(6)〜(10)で表される構造を有する有機基が挙げられる。また、シクロアルカンを2個以上含む2価の有機基としては、下記一般式(11)〜(13)で表される構造を有する有機基が挙げられる。
Figure 2008222884
一般式(5)中のYは、屈折率およびアッベ数の観点から、架橋環式構造を有する2価の有機基であることが好ましく、一般式(6)〜(8)で表される有機基であることがより好ましい。
なお、一般式(5)中のYにおける脂環式構造は、保存安定性の観点から、飽和脂環式炭化水素構造(二重結合を含まず、炭素原子と水素原子のみからなる脂環構造)であることが好ましい。
このような(b)成分の具体例としては、ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)ペンタシクロ[7.4.0.12,5.08,12.17,13]ペンタデカン、ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)ビシクロ[2.1.1]ヘプタン、ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)ペンタシクロ[7.4.0.12,5.18,11.07,12]ペンタデカン、ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、水添ビスフェノールAビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)、水添ビスフェノールSビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)、ビス((メタ)アクリロイルオキシメチルオキシシクロヘキシル)スルフィド等が挙げられる。中でも、ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)ペンタシクロ[7.4.0.12,5.08,12.17,13]ペンタデカン、ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)ペンタシクロ[7.4.0.12,5.18,11.07,12]ペンタデカンが好ましい。
(A)成分は、通常、(a)成分と(b)成分とを混合し、アミン類の存在下で反応させることにより製造することができる。具体的には、以下の(1)又は(2)の方法により製造することができる。
(1)まず、(a)成分と(b)成分とを混合し、室温下でアミン類を添加した後、発熱が穏やかになったのを確認してから昇温し、撹拌する方法
(2)まず、(b)成分とアミン類とを混合し、室温下で(a)成分を滴々とゆっくり添加した後、発熱が穏やかになったのを確認してから昇温し、攪拌する方法
上記(1)及び(2)の方法のうち、(2)の方法を採用することが好ましい。(2)の方法を用いると、多量体の生成が抑えられ、より低粘度の(A)成分を製造することができる。
なお、(a)成分と(b)成分とを反応させる際の反応温度(上記方法における昇温後の温度)は、50〜80℃、好ましくは60〜70℃であり、反応時間(上記方法における撹拌する時間)は1〜5時間、好ましくは1〜2時間である。
また、この際、(b)成分の有する(メタ)アクリロイル基のモル数が、(a)成分の有するチオール基のモル数よりも過剰になるように、(a)成分と(b)成分とを混合する必要がある。その理由は次のとおりである。(A)成分は、(a)成分の有するチオール基と、(b)成分の有する(メタ)アクリロイル基との反応により合成される。そのため、(b)成分の有する(メタ)アクリロイル基が、(a)成分の有するチオール基により消費されてしまうと、結果物である(A)成分は、(メタ)アクリロイル基を有しなくなる。この場合、組成物を放射線照射で硬化させることができなくなってしまうからである。
(a)成分及び(b)成分は、(a)成分中のチオール基と、(b)成分中の(メタ)アクリロイル基とのモル比(チオール基/(メタ)アクリロイル基)が、1/1.2〜1/3.0、好ましくは1/1.3〜1/2.5となるように配合される。
アミン類としては、エチルアミン、アミノエタノール、トリエチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、N,N-ジエチルアミノエタノール、トリエタノールアミン、ピリジン、モルホリン、イミダゾール、アニリン、エチレンジアミン等が挙げられる。中でも、ジブチルアミンが好ましい。
このようにして得られる(A)成分は、例えば、下記一般式(14)で表される構造を有する化合物である。なお、一般式(14)で表される構造を有する化合物は、(a)成分が1,5−ジメルカプト−3−チアペンタンであり、(b)成分がビス(アクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンであるものである。
Figure 2008222884
(A)成分は、数平均分子量が500〜20,000であることが好ましく、特に1,000〜10,000であることが好ましい。(A)成分の数平均分子量が500未満であると、樹脂組成物の粘度が低すぎるために膜厚が薄くなりすぎる等の欠点を生じ、逆に数平均分子量が20,000を超えると、粘度が高くなり取り扱いが煩雑になったり、また、膜厚が厚くなりすぎる等の欠点を生じる。
本発明の放射線硬化性樹脂組成物中、(A)成分の配合割合は、組成物全量を100質量%として、好ましくは15〜90質量%、より好ましくは25〜85質量%である。(A)成分の配合割合が15質量%未満であると、屈折率及びアッベ数が低下するため好ましくない。一方、(A)成分の配合割合が90質量%を超えると、樹脂組成物の粘度が高くなり、取り扱いが煩雑になったり、また、硬化物の膜厚が厚くなりすぎたりするため、好ましくない。
[(B)成分]
本発明の放射線硬化性樹脂組成物に用いられる(B)成分は、脂環式構造及びエチレン性不飽和基を有する、(A)成分以外の化合物である。(B)成分を配合することにより、高い屈折率と高いアッベ数を兼ね備えた硬化物を得ることができる。
上記エチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基等が挙げられるが、硬化性の観点から、好ましくは(メタ)アクリロイル基である。(B)成分は、エチレン性不飽和基を2個以上含むことが好ましい。
上記脂環式構造としては、飽和脂肪族炭化水素環を2個以上含む構造が好ましい。飽和脂肪族炭化水素環を2個以上含む構造の例としては、例えば、架橋環式構造や、シクロアルカンを2個以上含む構造等が挙げられる。
これらのうち、屈折率およびアッベ数の観点から、架橋環式構造が好ましい。架橋環式構造の好適な例としては、トリシクロデカン構造を含む構造が挙げられる。トリシクロデカン構造を含む構造としては、トリシクロデカン構造、ペンタシクロペンタデカン構造等が挙げられるが、好ましくはトリシクロデカン構造である。
(B)成分の具体例としては、ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)ペンタシクロ[7.4.0.12,5.08,12.17,13]ペンタデカン、ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)ビシクロ[2.1.1]ヘプタン、ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)ペンタシクロ[7.4.0.12,5.18,11.07,12]ペンタデカン等が挙げられるが、中でも、ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンが好ましい。
本発明の放射線硬化性樹脂組成物中、(B)成分の配合割合は、組成物全量を100質量%として、好ましくは1〜55質量%、より好ましくは1〜50質量%、特に好ましくは3〜50質量%である。(B)成分の配合割合が1質量%未満であると、硬化物のアッベ数が低下する傾向があるため好ましくない。一方、(B)成分の配合割合が55質量%を超えると、配合される他の成分、特に(A)成分の配合割合が少なくなり、硬化物の屈折率が低下する傾向があるため好ましくない。
[(C)成分]
本発明の放射線硬化性樹脂組成物に用いられる(C)成分は、単独で重合させて得られる硬化物のアッベ数が40以上であり、かつ、エチレン性不飽和基を有する、(A)成分及び(B)成分以外の化合物である。(C)成分を配合することにより、塗布性の向上及びアッベ数の所望の数値範囲内への調整を図ることができる。
(C)成分としては、エチレン性不飽和基を1個有する化合物(以下、「単官能モノマー」という。)と、エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物(以下、「多官能モノマー」という。)のいずれも用いることができる。
(C)成分として用いられる単官能モノマーの具体例としては、N−ビニルカプロラクタム(アッベ数47.1、屈折率1.54)、N−ビニルピロリドン(アッベ数63.0、屈折率1.54)、アクリロイルモルホリン(アッベ数44.4、屈折率1.55)等が挙げられる。(C)成分として用いられる多官能モノマーの具体例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート(アッベ数45.7、屈折率1.51)、トリプロピレングリコールジアクリレート(アッベ数47.7、屈折率1.49)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(アッベ数51.3、屈折率1.50)、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート(アッベ数53.0、屈折率1.53)、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸アクリル酸エステル(アッベ数53.0、屈折率1.53)、ノナンジオールジアクリレート(アッベ数57.7、屈折率1.50)等が挙げられる。
単官能モノマーの市販品としては、例えばアロニックス M120、M150、M156(以上、東亞合成(株)製)、LA、IBXA、2−MTA、HPA、ビスコート#150、#155、#158、#190(以上、大阪有機化学工業(株)製)、ライトアクリレートBO−A、EC−A、DPM−A、THF−A、HOP−A(以上、共栄社化学(株)製)、KAYARAD TC110S(日本化薬(株)製)、FA−511A、512A、513A(以上、日立化成(株)製)、VP(BASF社製)、ACMO、DMAA(以上、興人(株)製)等が挙げられる。
また、多官能モノマーの市販品としては、例えばニューフロンティアLC−9A(第一工業製薬(株)製)、ユピマーUV SA1002、SA2007(以上、三菱化学(株)製)、ビスコート #195、#230、#215、#260、#335HP、#295、#300、#360、GPT、3PA(以上、大阪有機化学工業(株)製)、ライトアクリレート4EG−A、9EG−A、NP−A、DCP−A、BP−4EA、TMP−A、PE−3A、PE−4A、DPE−6A(以上、共栄社化学(株)製)、KAYARAD PET−30、TMPTA、R−604、DPHA、DPCA−20、−30、−60、−120、HX−620、D−310、D−330(以上、日本化薬(株)製)、アロニックス M215、M220、M240、M305、M309、M310、M315、M325、M400(以上、東亞合成(株)製)、等が挙げられる。
本発明の放射線硬化性樹脂組成物中、(C)成分の配合割合は、組成物全量を100質量%として、好ましくは1〜30質量%、より好ましくは1〜20質量%、さらに好ましくは5〜20質量%である。(C)成分の配合割合が1質量%未満であると、硬化物の屈折率が低下することがある。一方、(C)成分の配合割合が30質量%を超えると、(A)成分や(B)成分の配合割合が少なくなり、硬化物の屈折率とアッベ数が低下する傾向がある。(C)成分の配合割合を、上記範囲内とすることにより、塗布性に優れかつ硬化後には高い屈折率及び高いアッベ数を与える樹脂組成物を得ることができる。
[(D)成分]
本発明の放射線硬化性樹脂組成物に用いられる(D)成分は、光重合開始剤である。(D)光重合開始剤としては、光照射により分解してラジカルを発生し、重合を開始させ得るものであればよく、例えばアセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、べンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド等が挙げられる。
光重合開始剤の市販品としては、例えばIrgacure184、369、651、500、819、907、784、2959、CGI−1700、−1750、−1850、CG24−61、Darocur 1116、1173(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、Lucirin TPO、LR8893、LR8970(以上、BASF社製)、ユベクリルP36(UCB社製)等が挙げられる。
本発明の放射線硬化性樹脂組成物中、(D)成分の配合割合は、組成物全量を100質量%として、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.5〜7質量%である。(D)成分の配合割合が0.01質量%未満であると、硬化速度が低下するため好ましくない。一方、(D)成分の配合割合が10質量%を超えると、樹脂組成物の硬化特性、及び硬化物の力学的特性、光学特性が低下したり、取り扱いが困難になったりするため好ましくない。
また、本発明の放射線硬化性樹脂組成物は、上記(D)光重合開始剤に加えて、光増感剤を含むことができる。光増感剤としては、例えばトリエチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、エタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル等が挙げられる。市販品としては、例えばユベクリルP102、103、104、105(以上、UCB社製)等が挙げられる。
また、本発明の放射線硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、熱重合開始剤を含むことができる。熱重合開始剤の好適な例としては、例えば過酸化物、アゾ化合物を挙げることができる。熱重合開始剤の具体的化合物名としては、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチル−パーオキシベンゾエート、アゾビスイソブチロニトリル等を挙げることができる。
[(E)成分]
本発明の放射線硬化性樹脂組成物には、その効果を妨げない範囲内で、(E)エチレン性不飽和基を有する、(A)成分、(B)成分および(C)成分以外の化合物を配合してもよい。(E)成分としては、エチレン性不飽和基を1個有する単官能モノマーと、エチレン性不飽和基を2個以上有する多官能モノマーのいずれも用いることができる。
(E)成分として用いられる単官能モノマーとしては例えば、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン等のビニルモノマー;ベンジル(メタ)アクリレート、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシブチルビルエーテル、ラウリルビニルエーテル、セチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、トリブロモフェノールエトキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中では、トリブロモフェノールエトキシ(メタ)アクリレートが好ましい。
(E)成分として用いられる多官能モノマーの具体例としては、ビスフェノールAのポリエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドの付加体であるジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルに(メタ)アクリレートを付加させたエポキシ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジビニルエーテル等の多官能モノマーが挙げられる。
本発明の放射線硬化性樹脂組成物中、(E)成分の配合割合は、組成物全量を100質量%として、好ましくは0〜40質量%、より好ましくは0〜30質量%、さらに好ましくは10〜25質量%である。(E)成分を配合することにより、組成物の粘度、及び、硬化後の屈折率等を所望の数値範囲内に調整することができる。(E)成分の配合割合が40質量%を超えると、樹脂組成物の塗布性が悪くなったり、硬化物の力学特性等が悪くなったりするため好ましくない。
[他の成分]
本発明の放射線硬化性樹脂組成物には、本発明の目的、効果を損なわない範囲において、その他の任意成分として、硬化性の他のオリゴマー又はポリマーや、各種添加剤を配合することができる。
硬化性の他のオリゴマー又はポリマーとしては、例えば、ポリウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリアミド(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するシロキサンポリマー、グリシジルメタアクリレートとそのほかの重合性モノマーとの共重合体と(メタ)アクリル酸を反応させて得られる反応性ポリマー等が挙げられる。
添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、シランカップリング剤、塗面改良剤、熱重合禁止剤、レベリング剤、界面活性剤、着色剤、保存安定剤、可塑剤、滑剤、離型剤、溶媒、フィラー、老化防止剤、濡れ性改良剤等を必要に応じて配合することができる。ここで、酸化防止剤としては、例えばIrganox1010、1035、1076、1222(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、Antigen P、3C、FR、GA−80(住友化学工業(株)製)等が挙げられ、紫外線吸収剤としては、例えばTinuvin P、234、320、326、327、328、329、213(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、Seesorb102、103、110、501、202、712、704(以上、シプロ化成(株)製)等が挙げられ、光安定剤としては、例えばTinuvin 292、144、622LD(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、サノールLS770(三共(株)製)、Sumisorb TM−061(住友化学工業(株)製)等が挙げられ、シランカップリング剤としては、例えばγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、市販品として、SH6062、6030(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)、KBE903、603、403(以上、信越化学工業(株)製)等が挙げられ、塗面改良剤としては、例えばジメチルシロキサンポリエーテル等のシリコーン添加剤が挙げられ、市販品としてはDC−57、DC−190(以上、ダウコーニング社製)、SH−28PA、SH−29PA、SH−30PA、SH−190(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)、KF351、KF352、KF353、KF354(以上、信越化学工業(株)製)、L−700、L−7002、L−7500、FK−024−90(以上、日本ユニカー(株)製)等が挙げられる。
本発明の放射線硬化性樹脂組成物は、前記各成分を常法により混合することにより製造することができる。このようにして調製される本発明の放射線硬化性樹脂組成物の粘度は、通常200〜50,000mPa・s/25℃、好ましくは500〜10,000mPa・s/25℃である。粘度が高すぎると、樹脂組成物を塗布する際に塗布むらやうねりが生じ、目的とする膜厚を得るのが難しくなり、光学部材(例えばレンズ等)としての性能を十分に発揮することができない。一方、粘度が低すぎても、膜厚のコントロールが難しく、一定の厚さを有する均一な光学部材(例えばレンズ等)を形成することができない場合がある。
本発明の光学部材は、上記放射線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる。光学部材がフレネルレンズ等の光学用レンズである場合には、例えば、上記放射線硬化性樹脂組成物をレンズ形状の付いた金型と透明プラスチック基材との間に流し込み、基材側より紫外線を照射して、該組成物を硬化させることにより製造される。
本発明の放射線硬化性樹脂組成物の硬化物のアッベ数は、好ましくは40以上、より好ましくは45以上、さらに好ましくは48以上、特に好ましくは49以上である。アッベ数が40以上であると、本発明の組成物によってフレネルレンズ等を形成した場合に、テレビ画面の青色抜けの現象を抑制することができる。また、本発明においては、436nm(青色光)と589nm(赤色光)の屈折率の差が、0.015以下であることが好ましく、0.010以下であることがより好ましい。
本発明の放射線硬化性樹脂組成物の硬化物の25℃におけるナトリウムD線(589nm)の屈折率(「屈折率(n 25)」と略すことがある。)は、好ましくは1.550以上、より好ましくは1.555以上、さらに好ましくは1.556以上、特に好ましくは1.557以上である。屈折率が1.550未満であると、本発明の放射線硬化性樹脂組成物を用いてフレネルレンズ等を形成した場合に、十分な正面輝度を確保することができない場合があり、また、プロジェクションテレビを薄型化することが困難になるため、好ましくない。
このような高いアッベ数と高い屈折率とを兼ね備えることにより、例えば、正面輝度が高く、青色抜けのない、高い画質のプロジェクションテレビを、より薄型化して提供することができる。
なお、このような高いアッベ数及び高い屈折率を有する硬化物を得るためには、アッベ数及び屈折率の高い単量体((A)及び(B)成分)を組み合わせることが有効である。
本発明の紫外線硬化性樹脂組成物は、上記の有利な特性を備えることにより、光学用部品の製造材料として有用である。
本発明の紫外線硬化性樹脂組成物は、例えば、リアプロジェクションテレビの厚さをより薄く設計するために有用なフレネルレンズ用材料として用いることができる。
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[(A)成分の合成]
調製例1
撹拌機を備えた反応容器に、(a)成分として1,5−ジメルカプト−3−チアペンタンを20質量部、(b)成分としてビス(アクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンを80質量部の配合割合で仕込み、攪拌しながら15℃下でジブチルアミンを0.2重量部加えた。発熱が収まるのを確認してから、液温度を60〜70℃に制御しながら2時間撹拌し、均一な液状樹脂組成物A−1を得た。なお、(a)成分中のチオール基と、(b)成分中のアクリロイル基との比は、チオール基/アクリロイル基=1/2(モル比)であった。
調製例2
(a)成分25質量部に対して、(b)成分75質量部を配合した以外は調製例1と同様にして液状樹脂組成物A−2を得た。なお、(a)成分中のチオール基と、(b)成分中のアクリロイル基との比は、チオール基/アクリロイル基=2/3(モル比)であった。
実施例1
撹拌機を備えた反応容器に、(A)成分としてA−1を85質量部、(B)成分としてビス(アクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンを15質量部、(D)成分として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを3質量部、Irganox1035を0.3質量部の配合割合で仕込み、液温度を50〜60℃に制御しながら1時間撹拌し、均一な放射線硬化性樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の粘度及び塗布性を下記の方法により評価した。さらに、得られた放射線硬化性樹脂組成物を、ガラス板上に膜厚が200μmとなるようにアプリケーターバーを用いて塗布し、1.0J/cmの紫外線を窒素下で照射して試験片を作製し、屈折率、アッベ数を、下記の方法によって評価した。結果を表1に示す。
(1)粘度、塗布性
樹脂組成物を25℃に保ち、B型粘度計を用いてJIS K−7117に準じて、粘度を測定した。
塗布性については、25℃における粘度が4,000(mPa・s)を超える場合を「◎」、4,000(mPa・s)以下の場合を「○」とした。
(2)屈折率(n 25)の測定
JIS K7105に従い、(株)アタゴ製アッベ屈折計を用いて、25℃における屈折率を測定した。
(3)アッベ数の測定
(株)アタゴ社の多波長アッベ屈折計で求めた、D線(589nm)、F線(486nm)、C線(656nm)の屈折率から算出した。
実施例2〜5及び比較例1、2
表1の組成に従って各成分を配合したこと以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
Figure 2008222884
表1中の「Irgacure184」及び「Irganox1035」の詳細は、次のとおりである。
Irgacure184:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製
Irganox1035:チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート];チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製
なお、実施例及び比較例で用いた(A)成分(A−1、A−2)及び(B)成分のアッベ数、屈折率(n 25)、粘度を同様に測定又は評価した結果を表2に示す。
Figure 2008222884
表1から、本発明に属する実施例1〜5では、塗布性に優れた樹脂組成物が得られており、さらに、その硬化物は高いアッベ数と高い屈折率とを有することがわかる。一方、比較例1は、(A)成分を含まない実験例であり、粘度が小さ過ぎて塗布性が劣り、また、実施例1〜5と比べて硬化物のアッベ数が低いことがわかる。比較例2は、(B)成分を含まない実験例であり、実施例1〜5と比べて屈折率が小さいことがわかる。
なお、本発明の組成物の硬化物は、成分(A)及び成分(B)を含むため、機械的強度、靭性、各種プラスチック基材との密着性、金型からの剥離性、復元性等に優れるものである。

Claims (7)

  1. (A)(a)ポリチオールと、(b)脂環式構造及び2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物とを反応させて得られる、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物、
    (B)脂環式構造及びエチレン性不飽和基を有する、(A)成分以外の化合物、及び
    (D)光重合開始剤
    を含むことを特徴とする放射線硬化性樹脂組成物。
  2. 前記(b)成分の脂環式構造が、架橋環式構造を有する請求項1に記載の放射線硬化性樹脂組成物。
  3. さらに、(C)単独で重合させて得られる硬化物のアッベ数が40以上であり、かつ、エチレン性不飽和基を有する、(A)成分及び(B)成分以外の化合物、を含む請求項1又は2に記載の放射線硬化性樹脂組成物。
  4. さらに、(E)臭素化アリール基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物、を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の放射線硬化性樹脂組成物。
  5. 前記放射線硬化性樹脂組成物の硬化物は、屈折率(n 25)が1.555以上であり、かつ、アッベ数が48以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の放射線硬化性樹脂組成物。
  6. 光学部材形成用である請求項1〜5のいずれか1項に記載の放射線硬化性樹脂組成物。
  7. 請求項6に記載の放射線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる光学部材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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