JP2008247453A - コンテナ - Google Patents

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Tatsuya Eguchi
達也 江口
Koji Azuma
孝二 東
Shiro Onodera
史郎 小野寺
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Abstract

【課題】物品の収納が容易であり、かつ段積みした場合でもその姿勢を長期にわたって安定的に保持することができる、折り畳み式のコンテナを得る。
【解決手段】周縁部に受け溝24、34を有する上下一対のパレット2、3と、パレットの受け溝に上下端を差し込んだ状態で上下一対のパレット間に取り付けられて4つの側壁を形成する枠スペーサ4とを備えるコンテナ1において、枠スペーサ4を、コンテナの3つの側壁を形成する第1の枠スペーサ5と残りの1つの側壁を形成する第2の枠スペーサ6とで構成する。第1の枠スペーサ5は下パレット2の受け溝24にその下端を差し込んだ状態で自立状態を保持することができ、かつ第2の枠スペーサ6は左右の両端に、第1の枠スペーサ5の対向する2つの側壁52、53の外側面に積層状態で留め付け可能な折り代部63、63を備える。
【選択図】図1

Description

本発明はコンテナに関し、特にコンテナとして使用しないときに、側壁部と上下のパレットとを分離できる形態のコンテナに関する。
周縁部に受け溝を有する上下一対のパレットと、前記パレットの受け溝に上下端を差し込んだ状態で上下一対のパレット間に取り付けられて4つの側壁を形成する枠スペーサとを備えたコンテナは知られている(例えば、特許文献1、2等参照)。この種のコンテナは、コンテナとして使用しないときは、枠スペーサと上下一対のパレットとを分離して枠スペーサを折り畳み、コンパクトな形態として運搬することができる利点がある。コンテナとして使用するときには、下パレットの周縁部に形成した受け溝に枠スペーサの下端を差し込んで4つの立ち上がった側壁を形成し、その内部に物品を収納した後、枠スペーサの上に上パレットを取り付けて、物流や保管に供される。
また、折り畳み式のコンテナにおいて、物品の収納を容易にするために、側壁の一部を着脱できるようにしたコンテナも知られている(特許文献3、4等参照)。
実開昭62−110190号公報 特開2005−231669号公報 実開平5−44894号公報 特開2004−292027号公報
特許文献1や2に記載される形態のコンテナは、コンテナとしての使用時に、立ち上げた枠スペーサの上方から物品をコンテナ内に収納しなければならず、物品を収納する作業および収納した物品を取り出す作業が容易でない。特に、厚さが薄く、それ自体では自立性の少ない物品を、立った姿勢でコンテナ内に収納することはきわめて困難である。
特許文献3に記載されるコンテナは前面が着脱自在であり、前面を取り外した姿勢でそこから物品をコンテナ内に収納することができる。しかし、左右の側壁は内側に折れ曲がる折り代部を有し、その折り代部に前面となる側壁を取り付けるようにしており、開放した前面から物品を入れようとする場合に、その入口の幅が狭くなるのを避けられない。
特許文献4に記載されるコンテナも前面壁あるいは側面壁の一部が開放可能となっているが、複数の側壁同士をヒンジを介して端面接合するようになっており、構成がやや複雑となっている。また、特許文献4に記載のコンテナは段積みすることを前提としていないので、重量物をコンテナに収納して、それを段積みしたような場合に、開放可能な部分において、荷重がかかることによりズレが生じる恐れがある。また、下パレットの周縁部の上縁と、該下パレットの物品支持面とは高さが異なっており、自立性の少ない重量物品を開放した面からコンテナ内に入れるのに、物品を一旦持ち上げる等の作業が必要となる。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、自立性の少ない物品であっても、開放した側面から、立てた状態で容易にコンテナ内に収納することのでき、かつ段積みした場合でも、高い安定性を支持することのできるコンテナを提供することを課題とする。
本発明によるコンテナは、周縁部に受け溝を有する上下一対のパレットと、前記パレットの受け溝に上下端を差し込んだ状態で上下一対のパレット間に取り付けられて4つの側壁を形成する枠スペーサとを備えるコンテナであって、前記枠スペーサは、コンテナの3つの側壁を形成する第1の枠スペーサと残りの1つの側壁を形成する第2の枠スペーサとで構成されており、前記第1の枠スペーサは下パレットの受け溝にその下端を差し込んだ状態で自立状態を保持することができ、かつ前記第2の枠スペーサは左右の両端に、第1の枠スペーサの対向する2つの側壁の外側面に積層状態で留め付け可能な折り代部を備えていることを特徴とする(請求項1)。
上記のコンテナにおいて、枠スペーサは、コンテナの3つの側壁を形成する第1の枠スペーサと残りの1つの側壁を形成する第2の枠スペーサとで構成され、かつ前記第1の枠スペーサは下パレットの受け溝にその下端を差し込んだ状態で自立状態を保持することができるので、下パレットに第1の枠スペーサのみを取り付けた状態で、開放した側壁部分から収納すべき物品を容易に収納することができる。
そして、前記第2の枠スペーサは、その左右の両端に折り代部を備えており、該折り代部は、既に取り付けてある第1の枠スペーサの対向する2つの側壁の外側面に積層状態で留め付けるようになっているので、下パレットに取り付けた前記第1の枠スペーサにおける対向する2つの側壁の間はすべて開放した状態とすることができ、開放した側壁部に広い物品収納用空間を確保できる。
さらに、第1の枠スペーサに対する第2の枠スペーサの留め付け態様は、第2の枠スペーサの左右端に設けた折り代部を第1の枠スペーサの対向する2つの側壁の外側面に対して積層した状態で留め付けるようにされており、該2つの角部での上からの荷重に対する抵抗力を、第1の枠スペーサが形成する他の2つの角部における抵抗力とほぼ同等なものとすることができる。そのために、本発明によるコンテナを物品を収納した状態で上下方向に段積みしても、また段積みした状態で物流に供するときにも、長期にわたり安定した段積み状態を維持することができる。
本発明によるコンテナにおいて、好ましくは、前記下パレットの周縁部の上縁と下パレットの物品支持面とが同じレベルとされる(請求項2)。この態様とすることにより、開放した側面からスライドさせながらコンテナ内に物品を収納することができるので、物品収納作業が容易化する。特に、厚さの薄い物品の多数枚を間にクッション材を挟持した姿勢でコンテナ内に収納するようなときに、その収納作業はきわめて容易となる。
第2の枠スペーサを第1の枠スペーサに留め付ける手段に任意であり、安定した留め付け態様が得られることを条件に任意であるが、好ましくは、前記第1の枠スペーサの対向する2つの側壁の外側面には第1の面ファスナーが取り付けられており、前記第2の枠スペーサの折り代部の外側面には、前記第1の面ファスナーに係合することができるようにして第2の面ファスナーが取り付けられている態様とされる(請求項3)。この態様とすることにより、留め付け時に、第1の枠スペーサの端面を第2の枠スペーサの内側面に密着した状態で両方の枠スペーサを留め付けることが容易かつ確実となり、前記留め付け部における角部での、上からの荷重に対する高い抵抗力を安定的に確保することができる。また、コンテナとして使用しないときに、第2の枠スペーサを第1の枠スペーサから分離する作業も容易となる。
本発明によれば、物品の収納が容易であり、かつ段積みした場合でもその姿勢を長期にわたって安定的に保持することができる、折り畳み式のコンテナが得られる。
以下、図面を参照しながら、本発明によるコンテナの一実施の形態を説明する。図1は本発明によるコンテナの一形態を分解して示す斜視図、図2はそれをコンテナとして組み付けた状態を示す斜視図であり、図3はコンテナを2段に積み上げた状態を示している。図4は第1の枠スペーサと第2の枠スペーサとの留め付け部を説明するための上から見た図である。
コンテナ1は、上下一対の下パレット2と上パレット3および枠スペーサ4とを有し、該枠スペーサ4は第1の枠スペーサ5と第2の枠スペーサ6とで構成される。下パレット2と上パレット3は、例えばポリプロピレン樹脂等の一体成形品であり、枠スペーサ4は、強度と軽量化の双方を満足するために、例えばポリプロピレン樹脂等を素材とするプラスチック段ボールで作られる。これらの材料はいずれも例示であって、コンテナとしての所要の強度が得られることを条件に任意の材料を用いることができる。
下パレット2は、物品支持面21と周縁部22とを有し、物品支持面21と周縁部22の上縁23とは同じレベル(高さ)とされている。また、周縁部22の内面側と物品支持面21との間には、枠スペーサ4を差し込むための受け溝24が形成されており、さらに、下パレット2としての機械的強度を確保しかつ図示しないフォークリフトのフォーク用の差し込み口25を確保するために、前記物品支持面21の一部は下方に向けた複数の凹陥部26となっている。そして、該凹陥部26の底面には上に向けた凹所27(図3参照)が形成されている。
上パレット3は、天面31と周縁部32とを有し、周縁部32の内面側には、枠スペーサ4を差し込むための受け溝34(なお、受け溝34は図に示されない)が形成されている。また、上パレット3としての機械的強度を確保しまた段積みしたときに図示しないフォークリフトのフォーク用の差し込み口25を確保するために、下パレット2における前記凹陥部26に対向する位置に突出部36を形成しており、該突出部36の上面における前記凹所27に対向する位置には、突起37が形成されている。
また、図示は省略するが、下パレット2および上パレット3の適所には、水平方向に進退自在とされているフックが取り付けてある。
枠スペーサ4を構成する前記第1の枠スペーサ5は、後側壁51とその両端に折曲自在に一体に接続する右側壁52と左側壁53とで構成される。図1に示すように、後側壁51に対して右側壁52と左側壁53とを90度の角度に折り曲げた状態で、第1の枠スペーサ5の下端側は、前記下パレット2の3辺に沿って形成した受け溝24内に差し込まれるようになっており、差し込まれた状態で、第1の枠スペーサ5は自立した姿勢を保持できる。
第1の枠スペーサ5の下端側には、下パレット2に取り付けた図示しないフックに対応する位置に開口54が形成されており、第1の枠スペーサ5を下パレット2の3辺に沿って形成した受け溝24内に差し込んだ姿勢とした後、前記フックを操作することにより、フックが開口54内に入り込んで、第1の枠スペーサ5と下パレット2とを一体化する。第1の枠スペーサ5の上端側にも、前記した上パレット3に取り付けた図示しないフックに対応する位置に開口55が形成されている。
第1の枠スペーサ5の前記右側壁52と左側壁53の外側面であって、前端縁56の上方位置には、図4に示すように、先端内面に第1の面ファスナー57を備えたストラップ58が水平方向に延出するようにして配置されており、その後方端はリベット59により側壁に固定されている。
枠スペーサ4を構成する前記第2の枠スペーサ6は、前記第1の枠スペーサ5の後側壁51と実質的に同じ形状と大きさである前側壁61と、その両端に折曲自在に一体に接続する右折り代部62と左折り代部63とで構成される。また、右折り代部62と左折り代部63の上下端には切り欠き部66が形成されている。第2の枠スペーサ6の下端側は、前記下パレット2の残りの1辺に沿って形成した受け溝24内に差し込み可能であり、差し込まれた状態で、前記右折り代部62と左折り代部63は、その内側面が既に差し込まれている第1の枠スペーサ5の前記対向する2つの側壁、すなわち右側壁52と左側壁53の外側面に積層状態となるように折り込むことができる。
第2の枠スペーサ6の下端側にも、前記下パレット2に取り付けた図示しないフックに対応する位置に開口64が形成されており、第2の枠スペーサ6を下パレット2に形成した受け溝24内に差し込んだ姿勢とした後、前記フックを操作することにより、フックが開口64内に入り込んで、第2の枠スペーサ6と下パレット2とを一体化する。第2の枠スペーサ6の上端側にも、前記した上パレット3に取り付けた図示しないフックに対応する位置に開口65が形成されている。
第2の枠スペーサ6の前記右折り代部62と左折り代部63の外側面における、前記した第1の枠スペーサ5の第1の面ファスナー57を備えたストラップ58に対向するに位置には、第2の面ファスナー67が取り付けてある。
上記のコンテナ1の組み立て手順を説明する。最初に平坦な面に下パレット2を置く。平板状態あるいは適宜折り込まれた状態となっている第1の枠スペーサ5を、図1に示すように、後側壁51に対して右側壁52と左側壁53とが90度の角度に折曲した状態として、その下端側を下パレット2の前記周縁部に形成した受け溝24内に差し込む。必要な場合には、図示しないフックを操作して、フック先端を開口54内に挿入する。
その姿勢で、第1の枠スペーサ5は自立した姿勢を取ることができるので、開放している前面側から収納しようとする物品(不図示)をコンテナ内に入れ込む。この例では、下パレット2の物品支持面21と周縁部22の上縁とは同じレベル(高さ)となっており、滑らせながら、物品をコンテナ内に容易に収納することができる。この収納態様は、自立性の少ない厚さの薄い物品を順次収納していくのに、特に有効となる。
所定量の物品を収納した後、第2の枠スペーサ6を取り付ける。すなわち、第2の枠スペーサ6の前側壁61の内面側を、既に取り付けてある第1の枠スペーサ5の前記右側壁52と左側壁53の前端縁56に押し付けた状態として、下方にスライドさせ、第2の枠スペーサ6の下端側を下パレット2の周縁部に形成した受け溝24内に差し込む。その姿勢で、前記右折り代部62と左折り代部63を第1の枠スペーサ5の右側壁52と左側壁53の外側面に折り込み、両者が積層した状態とする。そして、図4bに示すように、前記第2の面ファスナー67の上に第1の面ファスナー57を押し付けることにより、第2の枠スペーサ6の第1の枠スペーサ5に対する留め付けは終了する。必要に応じて、図示しないフックを操作して、フック先端を開口64内に挿入する。
上記のようにして4つの側壁が形成された後、その上に、前記上パレット3を、そこに形成されている受け溝34(不図示)内に枠スペーサ4の上端側を差し込むようにして組み付け、必要に応じて、図示しないフックを操作し、フック先端を開口55、65内に挿入することにより、図2に示すように、物品の収納およびコンテナの組み立て作業は終了する。
上記のように本発明によるコンテナは、上方向からばかりでなく、広く開放した前面側から、すなわち横方向から物品の収納と取り出しが可能であり、作業はきわめて容易である。また、第1の枠スペーサ5に対する第2の枠スペーサ6の留め付け態様は、第2の枠スペーサ6の左右端に設けた折り代部62、63を第1の枠スペーサ5の対向する2つの側壁52、53の外側面に対して積層した状態で留め付けるようにしており、2つの角部での上からの荷重に対する抵抗力を、第1の枠スペーサ5が形成する他の2つの角部、すなわち、後側壁51と右側壁52との角部および後側壁51と左側壁53との角部における抵抗力とほぼ同等なものとすることができる。
そのために、図3に示すように、コンテナ1、1を物品を収納した状態で上下方向に段積みしても、また段積みした状態で物流に供するときにも、長期にわたり安定した段積み状態を維持することができる。
さらに、コンテナとして使用しないときには、各構成部材を分離した状態とすることにより、小さなスペースで保管することも可能となる。図示しないが、非使用時の折り畳み収納をより便利にするするために、枠スペーサ4を構成する4つの側壁部に折り畳み部を形成することもできる。
また、図示の例では、第1の面ファスナー57と第2の面ファスナー67とからなる留め付け手段を上方向の一箇所にのみ取り付けたが、上下方向の2箇所に取り付けるようにてもよい。上パレット3の天面31は、周縁部に受け溝が形成されていることを条件に、平坦な面であってもよく、また、下パレット2に形成した凹所27と上パレット3に形成した突起37を省略することもできる。
本発明によるコンテナの一形態を分解して示す斜視図。 コンテナとして組み付けた状態を示す斜視図。 コンテナを2段に積み上げた状態を示す図。 第1の枠スペーサと第2の枠スペーサとの留め付け部を説明するための上から見て示す図。
符号の説明
1…コンテナ、2…下パレット、21…物品支持面、22…周縁部、23…周縁部の上縁、24…受け溝、25…フォーク用の差し込み口、26…凹陥部、27…凹所、3…上パレット、31…天面、32…周縁部、34…受け溝、36…突出部、37…突起、4…枠スペーサ、5…第1の枠スペーサ、51…後側壁、52…右側壁、53…左側壁、54…開口、55…開口、56…前端縁、57…第1の面ファスナー、58…ストラップ、59…リベット、6…第2の枠スペーサ、61…前側壁、62…右折り代部、63…左折り代部、66…切り欠き部、64…開口、65…開口、67…第2の面ファスナー

Claims (3)

  1. 周縁部に受け溝を有する上下一対のパレットと、前記パレットの受け溝に上下端を差し込んだ状態で上下一対のパレット間に取り付けられて4つの側壁を形成する枠スペーサとを備えるコンテナであって、
    前記枠スペーサは、コンテナの3つの側壁を形成する第1の枠スペーサと残りの1つの側壁を形成する第2の枠スペーサとで構成されており、前記第1の枠スペーサは下パレットの受け溝にその下端を差し込んだ状態で自立状態を保持することができ、かつ前記第2の枠スペーサは左右の両端に、第1の枠スペーサの対向する2つの側壁の外側面に積層状態で留め付け可能な折り代部を備えていることを特徴とするコンテナ。
  2. 前記下パレットの周縁部の上縁と下パレットの物品支持面とが同じレベルとされていることを特徴とする請求項1に記載のコンテナ。
  3. 前記第1の枠スペーサの対向する2つの側壁の外側面には第1の面ファスナーが取り付けられており、前記第2の枠スペーサの折り代部の外側面には、前記第1の面ファスナーに係合することができるようにして第2の面ファスナーが取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のコンテナ。
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