JP2008247238A - 車両用ハーネス配設構造 - Google Patents

車両用ハーネス配設構造 Download PDF

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Abstract

【課題】 中間ピラーのシートベルト機構の収容性や衝撃吸収性を損なうことなく、中間ピラー内にハーネスを支障なく配設できるようにする。
【解決手段】 ピラーインナパネル3とピラートリム22とで形成されるトリム空間25内に衝撃吸収作用を有するリブRが配置されてなる中間ピラー20の前記トリム空間内に、カーテンエアバッグのインフレータ12へ信号を供給するハーネスWを配設する車両用ハーネス配設構造であって、ピラーインナパネル上にシートベルト装置のアジャスタユニット30が設置され、該アジャスタユニットは、ウエビング支持用のDリング31とその上下位置調整機構40とを備えており、前記ハーネスは、上下位置調整機構とピラーインナパネルとの間で上下方向に延びるとともに、リブとの干渉を回避する所定空間部を通りながら全体として上下方向に配設されることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両用ハーネス配設構造、特に、ピラー構造体とピラートリムとの間の空間内に衝撃吸収材が配置されてなる中間ピラー内にハーネスを配設するハーネス配設構造に関する。
近年では、車両の側突時あるいは横転時に車室内の乗員を保護するために、車室内の側部にエアバッグ本体をカーテン状に展開膨張させる、所謂カーテンエアバッグ装置は一般に良く知られており(例えば、特許文献1,2参照)、一部においては既に実用に供されている。
このカーテンエアバッグ装置の場合、運転席や助手席に設けられるエアバッグ装置に比して、広範囲にエアバッグを展開膨張させる必要があり、また、特に、横転時や横転予知時にエアバッグを作動させる横転対応のものにあっては、エアバッグの中心側の上部からガスを供給して早期にエアバッグを展開させるために、ガスを供給するインフレータを、例えば最後部ピラーの上部などに配置することが提案されている。
一方、エアバッグ装置などを含む車載部品の作動を制御する制御ユニットは、例えば運転席と助手席の間のフロア部分などに配置されるのが一般的である。前述のように、インフレータが最後部ピラーの上部に配置されている場合、制御ユニットからインフレータに対して作動信号を供給するハーネスは、最後部ピラーを経由して配設されることになる。
特開2006−168671号公報 特開2005−324586号公報
ところで、カーテンエアバッグ全体を迅速かつ均等に展開膨張させるためには、通常その上部中央に設けられているガス供給口にできるだけ近い位置にインフレータを配置することが好ましい。このため、ルーフ側部で車体前後方向に延びるルーフサイドレールの前後方向中央にできるだけ近い部位に、インフレータを配置することが考えられる。この場合、従来のように最後部ピラーを経由してハーネスを配設したのでは、高価なハーネスの配設長さが非常に長くなり、またハーネス等の取付作業性も悪化し、コストが嵩むという問題がある。
このため、インフレータと制御ユニットの双方に最も近い中間ピラーを経由してハーネスを配設できれば、ハーネス長さを短くでき非常に好都合である。このように、エアバッグ装置などを含む車載部品へ信号を供給するハーネスを、中間ピラーを利用して支障なく配設できるようにすることが望まれている。
しかしながら、中間ピラーは、最後部ピラーに比し幅が狭くて内部空間も余裕に乏しく、しかも、運転席用あるいは助手席用のシートベルト装置の一部機構を収容する必要があり、また、乗員の特に頭部などがぶつかった際の衝撃を吸収するための衝撃吸収材も内部に備えることが求められる。従って、この中間ピラーを経由してハーネスを配設することは、なかなかに難しいという問題があった。
この発明は、かかる技術的課題に鑑みてなされたもので、中間ピラーのシートベルト機構の収容性や衝撃吸収性を損なうことなく、中間ピラー内にハーネスを支障なく配設できるようにすることを目的とする。
このため、本願の第1の発明は、車体の中間ピラー部を構成するピラー構造体と、該ピラー構造体を車室内から覆うピラートリムとの間の空間内に、乗員がピラートリムに当接した際の衝撃を吸収する衝撃吸収材が配置されてなる中間ピラーの前記空間内に、車載部品へ信号を供給するハーネスを配設する車両用ハーネス配設構造であって、
前記ピラー構造体には、座席に着座した乗員を拘束可能なシートベルト装置のウエビングを支持するアンカー部材が設置され、該アンカー部材は、ウエビングを挿通させて支持するウエビング支持部と、上下方向に延び前記ウエビング支持部の上下方向位置を調整可能とするガイド部とを備えており、前記ハーネスは、前記ガイド部と前記ピラー構造体との間で上下方向に延設されとともに、前記衝撃吸収材との干渉を回避する所定空間部を通りながら全体として上下方向に配設される、ことを特徴としたものである。
また、本願の第2の発明は、前記第1の発明において、前記ガイド部は、乗員が当該ガイド部または前記ウエビング支持部に当接した際に、車室外方へ変位して衝撃吸収可能となるように、前記ピラー構造体から所定距離以上離間して設置される、ことを特徴としたものである。
更に、本願の第3の発明は、前記第1又は第2の発明において、前記ピラートリムは合成樹脂製であり、前記衝撃吸収材はこの合成樹脂製のピラートリムと一体的に形成される一方、前記ガイド部は金属製である、ことを特徴としたものである。
また更に、本願の第4の発明は、前記第1から第3の何れか一の発明において、前記ピラートリムは、互いに別体に形成された上部トリムと下部トリムとで構成され、前記アンカー部材は、ピラー構造体の前記上部トリムが覆う部分に設置されており、前記ウエビングは、前記下部トリムと上部トリムとの連結部またはその近傍に形成された開口を介して、ピラートリムとピラー構造体との間の前記空間から車室内に延出し、前記上部トリムよりも車室側を上部トリムの長手方向に沿って前記ウエビング支持部まで延びる、ことを特徴としたものである。
また更に、本願の第5の発明は、前記第1から第4の何れか一の発明において、前記車載部品は、車体ルーフ及びその近傍に設置され、車両が所定条件のときに乗員保護用エアバッグを展開させるエアバッグ装置である、ことを特徴としたものである。
本願の第1の発明によれば、ハーネスは、シートベルト装置のアンカー部材のガイド部とピラー構造体との間で上下方向に延設されるとともに、衝撃吸収材との干渉を回避する所定空間部を通りながら全体として上下方向に配設されるので、中間ピラーの前記衝撃吸収材による衝撃吸収性を損なうことなく、また、前記アンカー部材等のシートベルト機構の機能や収容性を損なうことなく、前記中間ピラー内にハーネスを支障なく配設することができる。
また、本願の第2の発明によれば、前記第1の発明と同様の作用効果を奏することができ、特に、前記ガイド部は、乗員が当該ガイド部またはウエビング支持部に当接した際には車室外方へ変位して衝撃吸収可能となるように、ピラー構造体から所定距離以上離間して設置されるので、中間ピラーの衝撃吸収性をより高めることができ、しかも、ガイド部のピラー構造体からの離間による両者間の空間を利用してハーネスを配設することができる。この場合、このような大きな空間にハーネスを配設することができるため、乗員がウエビング支持部の高さを調整する際に、ハーネスとウエビング支持部との干渉を抑制できる。
更に、本願の第3の発明によれば、前記第1又は第2の発明と同様の作用効果を奏することができ、特に、ピラートリムは合成樹脂製であり、衝撃吸収材はこの合成樹脂製のピラートリムと一体的に形成される一方、前記ガイド部は金属製であるので、乗員が比較的大きな衝撃を伴って中間ピラーに当接した際には、金属製のガイド部よりも樹脂製のピラートリム及びこれと一体的な衝撃吸収材がより大きく変形して効果的に衝撃吸収を行うことにより、比較的変形の小さい金属製のガイド部とピラー構造体との間に配設されたハーネスを有効に保護することができる。
また更に、本願の第4の発明によれば、前記第1から第3の何れか一の発明と同様の作用効果を奏することができ、特に、ウエビングは、下部トリムと上部トリムとの連結部またはその近傍に形成された開口を介して、ピラートリムとピラー構造体との間の前記空間から車室内に延出し、前記上部トリムよりも車室側を上部トリムの長手方向に沿って前記ウエビング支持部まで延びるので、前記開口よりも上方においてはウエビングとハーネスとの間にピラートリムを介在させることができるので、ウエビングとハーネスが干渉することを確実に防止できる。
また更に、本願の第5の発明によれば、車体ルーフ及びその近傍に設置され、車両が所定条件のときに乗員保護用エアバッグを展開させるエアバッグ装置へ信号を供給するハーネスを配設するに際して、前記第1から第4の何れか一の発明と同様の作用効果を奏することができる。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る自動車の車体側部およびフロア部の構造を部分的に示す斜視図である。尚、この図1では、車体の右側部のみが示されているが、車体左側部についても、右側と左右対称であるが基本的には同様に構成されている。以下においては、主として車体右側部を例にとって説明するが、この説明は左側部についても同様に当てはまるものである。
図1に示すように、前記自動車では、車体側部を構成するサイドパネル1のフロントドア用開口1Fとリヤドア用開口1Rとを仕切る中間ピラー部2が、サイドパネル1と一体的に形成されている。前記中間ピラー部2の上端側は、車体の左右側部の上端においてルーフ部(不図示)の左右側部を支持して車体前後方向に延びるルーフサイドレール部5に連結され、下端側は車体の左右側部の下端においてフロア部8(フロアパネル)の左右側部を支持して車体前後方向に延びるサイドシル部6に連結されている。前記中間ピラー部2は、サイドパネル1の外板と一体の外板(アウタパネル:図1では不図示)にピラー内板3(ピラーインナパネル)を組み合わせ、或いは更に、両者間に補強板(レーンフォースメント:不図示)を挟み込んで接合することで構成されている。
図2はピラートリムを取り外した状態での中間ピラー部の比較的上部を示す斜視図であり、図3はピラートリムを取り付けた状態での中間ピラーの比較的上部を示す正面図である。これらの図から分かるように、中間ピラー部2の車室側(つまり、ピラーインナパネル3の車室側)を、ピラートリム22で覆って中間ピラー20が構成されている。前記ピラートリム22は、中間ピラー部2に対応する車室内装品としての役割を果たし得るもので、好ましくは合成樹脂材料を用いた成形加工によって製作されている。このピラートリム22を中間ピラー部2の車室側に取り付けた状態で、ピラーインナパネル3とピラートリム22とで空間部25(トリム空間)が形成される。
前記中間ピラー部2は運転席(車体左側においては助手席)の略側方でやや後寄りに位置しており、この中間ピラー部2の比較的上部の適所に、運転席用の所謂三点式シートベルト装置のアンカー部としてのアジャスタユニット30が取り付けられている。このアジャスタユニット30は、後で詳しく説明するように、運転席に着座した乗員を拘束可能なウエビング15を支持するものである。一方、中間ピラー部2の比較的下部の適所には、シートベルト装置の所謂プリテンショナー機構部14が配置されている。このプリテンショナー機構部14は、従来良く知られているものと同様のものである。これらアジャスタユニット30の大部分及びプリテンショナー機構部14は共に、中間ピラー20の前記トリム空間25内に収容される。
また、前記自動車には、車両の側突時あるいは横転時に車室内の乗員を保護するために、車室内の側部にエアバッグ本体10をカーテン状に展開膨張させる、所謂カーテンエアバッグ装置が装備されている。前記エアバッグ本体10は、その展開膨張時には、少なくとも、フロントドア及びリヤドアのウインドウガラス(共に不図示)並びに中間ピラー20を含む車室側部の内側を覆うものである。
このカーテンエアバッグ装置のエアバッグ本体10は、折り畳み状態で前記ルーフサイドレール部5に沿って配置されている。このエアバッグ本体10にガスを供給するインフレータ12は、エアバッグ本体10の車体前後方向における略中央に設けられたガス供給口のできるだけ近くに配置することが好ましく、このため、本実施形態では、図2により詳しく示すように、ルーフサイドレール部5の車体前後方向における中央近く、つまり、中間ピラー20の上端近傍に前記インフレータ12が配置されている。
また、本実施形態では、より好ましくは、前記カーテンエアバッグ装置は、横転時や横転予知時にエアバッグ本体10を作動させる横転対応のものとされており、インフレータ12は、内部に所定の圧縮ガスを封入した円筒形のシリンダ構造とされている。
すなわち、このインフレータ12は、車両中央に設置された横転検出センサ(不図示)によって車両の横転が検出あるいは横転が予知された場合に作動するように構成されている。従来公知のものと同様のものであるので詳細には説明しないが、横転検出センサが所定角度以上(例えば5〜30度)の車体ロール角を検出した場合には、制御ユニットC(図1参照)が横転または横転予知と判断してインフレータ12に作動信号を出力するようになっている。
前記制御ユニットCは、前記カーテンエアバッグ装置や運転席用および助手席用のエアバッグ装置さらにはシートベルト装置のプリテンショナー14等を含む車載部品の作動を制御し得るもので、衝突時にもその影響を最も受けにくい箇所として、例えば運転席と助手席の間のフロア部分に配置されている。尚、この制御ユニットCは、好ましくは、例えば、CPUを含むマイクロコンピュータを主要部として構成されている。
本実施形態では、この制御ユニットCから前記インフレータ12に対して作動信号を供給するハーネスWを配設するに際して、高価なハーネスWの長さをできるだけ短くするために、前記中間ピラー20の内部空間を利用するようにしている。以下、この中間ピラー20を利用したハーネスWの配設構造について説明する。
図4は、シートベルト装置のアンカー部材としてのアジャスタユニット30の説明図であり、(a)は車室内側から見て示した斜視図、(b)は車室外側から見て示した斜視図である。更に、図5は、前記アジャスタユニット30から所謂Dリング31と呼ばれる、シートベルトのショルダーアンカー用のウエビング支持部を取り外した状態を示す説明図であり、(a)は車室内側から見て示した斜視図、(b)は車室外側から見て示した斜視図である。
図2及び図3から良く分かるように、中間ピラー部2の比較的上部の適所には、運転席に着座した乗員を拘束可能なシートベルト装置のウエビング15を支持するアンカー部材としてのアジャスタユニット30が取り付けられている。該アジャスタユニット30は、図4から良く分かるように、ウエビング15を挿通させて支持するウエビング支持部としての所謂Dリング31と、上下方向に延びて前記Dリング31の上下方向位置を調整可能とするガイド部としての上下位置調整機構40とを備えている。尚、ピラーインナパネル3には、ウエビング15の引き出し動作および巻き取り動作を案内するために所定幅の凹状ガイド溝3gが上下方向に延設されている。このような凹状の溝部3gを設けることにより、ピラーインナパネル3の剛性の向上にも寄与することができる。
この上下位置調整機構40は、図5から良く分かるように、中間ピラー部2のピラーインナパネル3上に上下方向へ延設されて固定されるロアレール41と、該ロアレール41よりも車室内側に配置されロアレール41に対して上下方向へスライド可能に支持されたアッパレール44と、該アッパレール44の車室内側に固定されたスライダ45とを備え、該スライダ45に、前記Dリング31をボルト36(図2参照)により締結固定するためのボス部46が設けられている。このボス部46は、Dリング31の取付後にプラスチックカバー37(図5参照)で覆われる。
前記ロアレール41には、上下方向に配列された複数の穴部41hが形成されており、アッパレール44の背面側に設けられた位置決め突起44pが、前記複数の穴部41hの何れかに嵌合することで、アッパレール44の(つまり、スライダ45及びDリング31の)上下方向位置が定まることになる。スライダ45には、前記位置決め突起44pの穴部41hに対する嵌合状態を解除する解除ボタン32が設けられており(図4参照)、この解除ボタン32を例えば押下操作することで前記嵌合状態を解除し、スライダ45を上下方向へスライドさせ、位置決め突起44pを他の穴部41hに嵌合させることにより、スライダ45に固定されたDリング31の上下方向位置を調整することができる。前記解除ボタン32は、位置調整を行っていない通常時には、プラスチック製のキャップ38で覆われている。尚、かかる上下位置調整機構40の構造および機能は、従来公知のものと同様のものである。
前記ロアレール41は、それぞれ車室外方へ突き出す上下の取付脚部42,43を備えている。下側取付脚部43の端末部43bは、ピラーインナパネル3に設けられた車体前後方向の溝部3s(図2参照)に係合され、この係合状態で、上側取付脚部42の端末部42bがボルト部材49を用いてピラーインナパネル3に締結固定されることにより、ロアレール41がピラーインナパネル3上に固定される。このとき、ロアレール41は、その上下の取付脚部42,43の高さに相当する距離だけ、ピラーインナパネル3の表面から離間して設置されることになる。本実施形態では、この離間量を例えば10mm〜30mmに設定した。
従って、乗員が前記アジャスタユニット30に(つまり、上下位置調整機構40またはDリング31に)ぶつかった際には、上下位置調整機構40は、ロアレール41がピラーインナパネル3表面から離間している距離に応じて、車室外方へ変位することができる。これにより、中間ピラー20の衝撃吸収性をより高めることができる。
また、後述するように、ロアレール41のピラーインナパネル3からの離間による両者41,3間の空間を利用してハーネスW(直径が例えば約5mm程度)を配設することができる。この場合、このような大きな空間にハーネスWを配設することができるため、乗員がDリング31の高さを調整する際に、ハーネスWと上下位置調整機構40との干渉を抑制できる。尚、ロアレール41のピラーインナパネル3からの離間量をできるだけ大きく設定することで、乗員がアジャスタユニット30に(つまり、上下位置調整機構40またはDリング31に)当接した際に、これらが移動してハーネスWと干渉することを抑制できる。
本実施形態では、上述のように、ロアレール41にそれぞれ所定高さを有する上下の取付脚部42,43を設けることで、ロアレール41をピラーインナパネル3から離間させるようにしているが、この代わりに、ロアレールを平坦に形成し、ピラーインナパネルに所定高さの取付基部を設けることで、同様の作用効果を奏するように構成することもできる。
前記ロアレール41,アッパレール44及びスライダ45は何れも、例えば鋼板等の金属製であり、これに対してピラートリム22は前述のように合成樹脂製である。後述する図6及び図7に示されるように、この合成樹脂製のピラートリム22の裏面側(車室外側)に、乗員がピラートリム22に当接した際の衝撃を吸収する衝撃吸収材としての複数のリブRが一体的に形成されている。これらリブRは、ピラートリム22の裏面側にて、水平方向に延び車室外方へ所定量だけ張り出している。このリブRの車室外方への張り出し量は、ピラートリム22がピラーインナパネル3を覆った状態で、リブRの先端とピラーインナパネル3との間隔がハーネスWの直径よりも大きく確保されるように設定されている。
かかるリブRは、ピラートリム22の裏面側に形成されているので、中間ピラー部2のピラーインナパネル3を覆って装着された際には、ピラートリム22とピラーインナパネル3との間に形成されたトリム空間25内に位置することになる。尚、前記リブRは、より好ましくはピラートリム22の成形時に一体成形されるが、トリム本体とは別途に成形したリブを接着や溶着などによってトリム本体の裏面側に後付けすることもできる。
このように、ピラートリム22を合成樹脂製とされ、衝撃吸収を行うリブRがこの合成樹脂製のピラートリム22と一体的に形成されており、上下位置調整機構40は金属製とされているので、乗員が比較的大きな衝撃を伴って中間ピラー20にぶつかった際には、金属製の上下位置調整機構40よりも樹脂製のピラートリム22及びこれと一体的なリブRがより大きく変形して効果的に衝撃吸収を行うことで、比較的変形が小さい金属製の上下位置調整機構40とピラーインナパネル3との間に配設されたハーネスWを有効に保護することができる。
前記ピラートリム22は、樹脂成形品としては比較的大型のものであるので、本実施形態では、成形および取り扱いを容易化する等の観点から、互いに別体の上部トリム23と下部トリム24とに分割した構成としている。これら上部トリム23及び下部トリム24は、それらが覆う中間ピラー部2の形状に対応して、上部トリム23は比較的幅が狭く、下部トリム24は比較的幅広に形成されている。また、乗員が中間ピラー20にぶつかった場合に、特に乗員の頭部をより有効に保護する観点から、衝撃吸収材としての前記リブRは主として上部トリム23に設けられている。
前記アジャスタユニット30は、ピラーインナパネル3の前記上部トリム23が覆う部分に設置されており、この上部トリム23と下部トリム24との連結部またはその近傍には、トリム空間25内から車室内へウエビング15を引き出す開口部22Hが形成されている。プリテンショナー機構部14から延出したウエビング15は、前記開口部22Hを介してトリム空間25内から車室内へ延出し、上部トリム23よりも車室側を該上部トリム23の長手方向(上下方向)に沿ってDリング31まで延びる。そして、このDリング31のスロット31sを挿通した上で下方へ向かって折り返すようになっている。
つまり、ウエビング15は、前記開口部22Hから車室内に引き出された後は、上部トリム23よりも車室側を上部トリム23に沿って上方に延びDリング31に至るので、前記開口部22Hよりも上方においては、ウエビング15とハーネスWとの間に上部トリム23を介在させることができるので、ウエビング15とハーネスWとが干渉することが確実に防止できる。
図6は、前記中間ピラー内へのハーネスの配設構造を示す正面図である。また、図7は、図6におけるY7−Y7線に沿った縦断面図である。これらの図に示すように、ハーネスWは、アジャスタユニット30の上下位置調整機構40とピラーインナパネル3との間では、上下位置調整機構40のロアレール41がピラーインナパネル3から離間して形成された空間部を利用して上下方向に延設される。
本実施形態では、ハーネスWの直径は5mm程度であり、前記の離間量が10mm〜30mmに設定されている。従って、この領域では、ハーネスWがアジャスタユニット30の部品等と干渉するおそれはなく、容易にハーネスWを配設することができる。
また、この領域では、前述のように、ロアレール41のピラーインナパネル3からの離間量をできるだけ大きく設定することで、乗員がアジャスタユニット30を操作してDリング31の高さを調整する際に移動するDリング31を連結するアッパレール44が、ハーネスWと干渉することを抑制できる。
尚、ロアレール41の上側取付脚部42の端末部42bの近傍では、この端末部42bとの干渉を回避するために、ハーネスWは前記端末部42bよりも若干後方を通るように取り回されている。この場合、ハーネスWは、ピラーインナパネル3の車室側に隆起する土手部3d(図2参照)を越える際には、図6に示す側面視で、リブRと重ならないように配置されており、ハーネスWとリブRとの干渉をより防止できる。
また、ロアレール41の下側取付脚部43の端末部43bの近傍においても、この端末部43bとの干渉を回避するために、ハーネスWは、ピラーインナパネル3の土手部3dを越える際に、前記端末部43bよりも後方を通るように取り回されるが、この場合には、リブRとの干渉を回避するために、隣り合うリブRの間の空間を通るようにハーネスWを水平方向に方向変換し、リブRの比較的後部に取り回した上で、該リブRの先端とピラーインナパネル3との間を通って下方へ延設されるようになっている。
尚、この場合において、ハーネスWと中間ピラー20の内部の機構や部材との干渉を回避するに際し、ハーネスWを中間ピラー20内の比較的後部に取り回すようにしたのは、中間ピラー20と運転席(或いは助手席)との位置関係により、中間ピラー20の後部の方が前部よりも、衝撃吸収性が特に必要とされる頻度あるいは可能性が低いと考えられるからである。
以上、説明したように、本実施形態によれば、ハーネスWは、シートベルト装置のアジャスタユニット30の上下位置調整機構40とピラーインナパネル3との間で上下方向に延設されるとともに、ピラートリム22の衝撃吸収用のリブRとの干渉を回避する所定空間部を通りながら全体として上下方向に配設されるので、中間ピラー20のリブRによる衝撃吸収性を損なうことなく、また、アジャスタユニット30等のシートベルト機構の機能や収容性を損なうことなく、中間ピラー20内にハーネスWを支障なく配設することができる。
本発明は、ピラー構造体とピラートリムとの間の空間内に衝撃吸収材が配置されてなる中間ピラー内にハーネスを配設するハーネス配設構造に関し、例えば、所謂カーテンエアバッグ装置のインフレータへ信号を供給するハーネスを中間ピラーを利用して配設する場合などに有効に利用でき、中間ピラーのシートベルト機構の収容性や衝撃吸収性を損なうことなく、中間ピラー内にハーネスを支障なく配設できるようになる。
尚、以上の説明は、中間ピラーを利用して所謂カーテンエアバッグ装置のインフレータへ信号を供給するハーネスを配設する場合についてのものであったが、本発明は、かかる場合に限定されるものではなく、中間ピラーを利用するものであれば、他の車載部品用のハーネスを配設する場合においても有効に適用できるものである。
このように、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変形や改良が行い得るものであることは言うまでもない。
本発明の一実施形態に係る自動車の車体側部およびフロア部の構造を部分的に示す斜視図である。 ピラートリムを取り外した状態での中間ピラー部の比較的上部を示す斜視図である。 ピラートリムを取り付けた状態での中間ピラーの比較的上部を示す正面図である。 シートベルト装置のアジャスタユニットの説明図で、(a)は車室内側から見て示した斜視図、(b)は車室内側から見て示した斜視図である。 アジャスタユニットからDリングを取り外した状態を示す説明図で、(a)は車室内側から見て示した斜視図、(b)は車室内側から見て示した斜視図である。 前記中間ピラー内へのハーネスの配設構造を示す正面図である。 図6におけるY7−Y7線に沿った縦断面図である。
符号の説明
1 サイドパネル
2 中間ピラー部
3 ピラーインナパネル(ピラー構造体)
10 エアバッグ本体
12 インフレータ(車載部品)
15 ウエビング
20 中間ピラー
22 ピラートリム
22H 開口部
23 上部トリム
24 下部トリム
30 アジャスタユニット(アンカー部材)
31 Dリング(ウエビング支持部)
40 上下位置調整機構(ガイド部)
41 ロアレール
44 アッパレール
45 スライダ
C 制御ユニット
R リブ(衝撃吸収材)
W ハーネス

Claims (5)

  1. 車体の中間ピラー部を構成するピラー構造体と、該ピラー構造体を車室内から覆うピラートリムとの間の空間内に、乗員がピラートリムに当接した際の衝撃を吸収する衝撃吸収材が配置されてなる中間ピラーの前記空間内に、車載部品へ信号を供給するハーネスを配設する車両用ハーネス配設構造であって、
    前記ピラー構造体には、座席に着座した乗員を拘束可能なシートベルト装置のウエビングを支持するアンカー部材が設置され、
    該アンカー部材は、ウエビングを挿通させて支持するウエビング支持部と、上下方向に延び前記ウエビング支持部の上下方向位置を調整可能とするガイド部とを備えており、
    前記ハーネスは、前記ガイド部と前記ピラー構造体との間で上下方向に延設されとともに、前記衝撃吸収材との干渉を回避する所定空間部を通りながら全体として上下方向に配設される、
    ことを特徴とする車両用ハーネス配設構造。
  2. 前記ガイド部は、乗員が当該ガイド部または前記ウエビング支持部に当接した際に、車室外方へ変位して衝撃吸収可能となるように、前記ピラー構造体から所定距離以上離間して設置されることを特徴とする請求項1に記載の車両用ハーネス配設構造。
  3. 前記ピラートリムは合成樹脂製であり、前記衝撃吸収材はこの合成樹脂製のピラートリムと一体的に形成される一方、前記ガイド部は金属製であることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用ハーネス配設構造。
  4. 前記ピラートリムは、互いに別体に形成された上部トリムと下部トリムとで構成され、
    前記アンカー部材は、ピラー構造体の前記上部トリムが覆う部分に設置されており、
    前記ウエビングは、前記下部トリムと上部トリムとの連結部またはその近傍に形成された開口を介して、ピラートリムとピラー構造体との間の前記空間から車室内に延出し、前記上部トリムよりも車室側を上部トリムの長手方向に沿って前記ウエビング支持部まで延びる、
    ことを特徴とする請求項1から3の何れか一に記載の車両用ハーネス配設構造。
  5. 前記車載部品は、車体ルーフ及びその近傍に設置され、車両が所定条件のときに乗員保護用エアバッグを展開させるエアバッグ装置であることを特徴とする請求項1から4の何れか一に記載の車両用ハーネス配設構造。
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