JP2008246380A - 真空処理装置及びそのメンテナンス方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】真空引きに要する時間の短縮化を通じて装置稼働時間を増加させることができる真空処理装置及びそのメンテナンス方法を提供する。
【解決手段】真空容器10の内部に発熱体14を取外し可能に設置し、次に真空容器10内を真空引きし、真空引きと並行して発熱体14により真空容器10の内部を加熱し、この内部に付着した物質であって材料ガスを構成する元素を含むものに吸着した成分(水分等)を蒸発させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、真空容器を有する真空処理装置及びそのメンテナンス方法に関する。
例えば液晶ディスプレイや半導体装置の製造において、液晶ガラス基板や半導体基板にリン(P)やボロン(B)などの不純物を注入するために、イオン注入装置が用いられる。イオン注入装置は、内部に供給された材料ガスをプラズマ化し、このプラズマからイオンビームを引き出すイオン源と、このイオン源よりもイオンビーム進行方向の下流側に設置され基板等の被処理物を収容する処理容器とを備えている。上記のイオン源は、プラズマ生成容器とプラズマ発生手段(フィラメント等)から構成される。
イオン注入装置には、イオン源と処理容器との間に質量分離電磁石を配置し、この質量分離電磁石により質量分離して所望のイオン種のみを含むイオンビームを被処理物に入射させるように構成した質量分離型と、イオン源からのイオンビームを質量分離せずにそのまま被処理物に入射させる非質量分離型がある。
イオン注入装置は、質量分離型の場合、イオン源のプラズマ生成容器と、処理容器と、イオン源と処理容器との間のイオンビームの経路(この経路上に質量分離電磁石が配置されている)を囲む隔壁とが、相互に内部空間が連通するように連結して単一の真空容器を形成している。また、非質量分離型の場合、イオン源のプラズマ生成容器と処理容器とが隣接して配置され、両者が相互に内部空間が連通するように連結して単一の真空容器を形成している。
上述のように構成されたイオン注入装置は、プラズマ生成容器の内部に水素で希釈したフォスフィン(PH)やジボラン(B)等の材料ガスを導入し、この材料ガスをプラズマ化し、このプラズマからイオンビームを引き出し、処理容器内の被処理物(半導体薄膜が成膜されたガラス基板等)にイオンビームを入射させることによりイオン注入を行なう。
上述したイオン注入装置の、真空容器の内部の壁面などには、リンやボロンの化合物で生成される物質が付着する。この付着物質は大気に暴露されると大気中の水分(HO)等を吸着することがある。一般的に装置の定期的なメンテナンスにおいて、イオンビームが直射して付着物質による汚染が著しい部品は交換し、イオンビームが直射せずに汚染の軽い部品は交換せず再使用する。これらの交換しない部品は、装置稼動時には材料ガスにさらされているため、上述したような付着物質が堆積する。付着物質に吸着した水分等はメンテナンスなどで大気開放したあとの真空引きの際に蒸発してガスを発生させるため、真空引きに要する時間を大幅に延長させる問題がある。また、装置稼動とメンテナンスを重ねることで、付着物質堆積量と水分吸着量も増加するため、真空引きに要する時間が徐々に延長していく問題がある。さらに、付着物質や吸着した水分などは装置特性にも影響を与え、イオンビームの特性を変化させてしまう問題も含んでいる。
付着物質や水分等を除去するために、まず乾拭きによる清掃方法があるが、付着物質の完全な除去は困難であり、また、完全除去に近い状態まで付着物質を除去するには長時間を要する。
有機溶剤などを使用する清掃方法も考えられるが、有機溶剤などは処理装置としてのイオン注入装置に悪影響を与える恐れがあるため積極的には使用できない。
水を使用して付着物質を除去することも考えられるが、除去から真空引きまでの間の再度の水分等の吸着は避けられない。
下記特許文献1のように、真空引きの際に真空容器外部からヒータ等を巻いて加熱することも考えられるが、真空容器のサイズが大きく壁が厚い場合には効果が低い。
特開2004−234929号公報
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであり、真空引きに要する時間の短縮化を通じて装置稼働時間を増加させることができる真空処理装置及びそのメンテナンス方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の真空処理装置は、以下の手段を採用する。
(1)本発明は、内部を真空状態に保持可能な真空容器を有し、該真空容器の内部に材料ガスを導入して被処理物に対して所定の処理を行う真空処理装置であって、前記真空容器内に着脱可能に設置され該真空容器の内部を加熱する発熱体と、前記真空容器内を真空状態に保持したまま前記発熱体を前記真空容器の内部から外部へ取り出すための取出機構と、を備え、前記発熱体により、前記真空容器の内部を、該内部に付着した物質であって前記材料ガスを構成する元素を含むものに吸着した成分を蒸発させる温度条件で加熱することを特徴とする。
上記構成の真空処理装置によれば、真空容器の内部に発熱体を取外し可能に設置し、次に真空容器内を真空引きし、この真空引きと並行して発熱体により真空容器の内部を加熱し、内部に付着した物質であって材料ガスを構成する元素を含むものに吸着した成分(水分等)を蒸発させることにより、水分等のガスの発生を促進することができるので、真空引きに要する時間を大幅に短縮することができ、この真空引き時間の短縮化を通じて装置稼働時間を増加させることができる。
また、発熱体による真空容器の内部の加熱が終了した後は、取出機構により発熱体を真空容器の外部に取り出すことができるので、発熱体が装置特性や処理に悪影響を与える危険性を排除することができる。
(2)また、本発明は、内部を真空状態に保持可能な真空容器を有し、該真空容器の内部に材料ガスを導入して被処理物に対して所定の処理を行う真空処理装置であって、前記真空容器内に設置され、該真空容器の内部を加熱する発熱体を備え、該発熱体により、前記真空容器の内部を、該内部に付着した物質であって前記材料ガスを構成する元素を含むものに吸着した成分を蒸発させる温度条件で加熱することを特徴とする。
上記構成の真空処理装置によれば、上記(1)の真空処理装置と同様に、付着物質に吸着した成分を蒸発させることにより、水分等のガスの発生を促進することができるので、真空引き時間の短縮化を通じて装置稼働時間を増加させることができる。
(3)また、本発明は、内部を真空状態に保持可能な真空容器を有し、該真空容器の内部に材料ガスを導入して被処理物に対して所定の処理を行う真空処理装置のメンテナンス方法であって、前記真空容器の内部に発熱体を取外し可能に設置し、次に前記真空容器内を真空引きし、該真空引きと並行して前記発熱体により前記真空容器の内部を加熱し、該内部に付着した物質であって前記材料ガスを構成する元素を含むものに吸着した成分を蒸発させることを特徴とする。
上記の真空処理装置のメンテナンス方法によれば、付着物質に吸着した成分を蒸発させることにより、水分等のガスの発生を促進することができるので、真空引き時間の短縮化を通じて装置稼働時間を増加させることができる。
(4)また、上記の真空処理装置のメンテナンス方法において、前記発熱体による前記真空容器の加熱を所定時間実施した後、前記真空容器内を真空状態に保持したまま前記発熱体を前記真空容器の外部へ取り出す。
このように発熱体による真空装置の内部の加熱が終了した後、発熱体を真空容器の外部に取り出すので、発熱体が装置特性や処理に悪影響を与える危険性を排除することができる。
(5)また、本発明は、内部を真空状態に保持可能な真空容器を有し、該真空容器の内部に材料ガスを導入して被処理物に対して所定の処理を行う真空処理装置のメンテナンス方法であって、前記真空容器の内部に発熱体を常設しておき、前記真空容器内を真空引きし、該真空引きと並行して前記発熱体により前記真空容器の内部を加熱し、該内部に付着した物質であって前記材料ガスを構成する元素を含むものに吸着した成分を蒸発させることを特徴とする。
上記の真空処理装置のメンテナンス方法によれば、上記(3)のメンテナンス方法と同様に、付着物質に吸着した成分を蒸発させることにより、水分等のガスの発生を促進することができるので、真空引き時間の短縮化を通じて装置稼働時間を増加させることができる。
本発明によれば、真空引きに要する時間の短縮化を通じて装置稼働時間を増加させることができるという優れた効果が得られる。
以下、本発明の好ましい実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図1は、本発明の実施形態にかかる真空処理装置1の概略図である。
図1に示す真空処理装置1は、基板等の被処理物13に対してイオンを注入するためのイオン注入装置として構成されており、内部に供給された材料ガスをプラズマ化し、このプラズマ7からイオンビーム11を引き出すイオン源4と、このイオン源4よりもイオンビーム11の進行方向の下流側に設置され被処理物13を収容する処理容器9とを備えている。なお、以下の説明では、説明の便宜上、イオン注入装置に対しても参照符号「1」を使用する。
イオン源4は、この例では、図示しない永久磁石によってプラズマ生成容器5の内部にプラズマ7を閉じ込めるためのカスプ磁場を形成するバケット型イオン源4であり、プラズマ発生室2に熱電子放出用の1以上のフィラメント3が配置されている。
処理容器9には、内部に処理空間となる処理室8が形成されるとともに、被処理物13を載せて2次元的に移動可能なステージ40が設置されており、ステージ40が移動することにより被処理物13の表面全体にイオンビーム11を入射させることができる。
図1に示したイオン注入装置1は、非質量分離型であり、イオン源4のプラズマ生成容器5と処理容器9とが隣接して配置され、両者が相互に内部空間が連通するように連結して単一の真空容器10を形成している。真空容器10は、処理容器9に接続された真空排気装置12によって一括して真空に排気される。
上述のように構成されたイオン注入装置1は、プラズマ生成容器5の内部に水素で希釈したフォスフィン(PH)やジボラン(B)等の材料ガスを導入し、この材料ガスをプラズマ化し、引出し電極系6により、プラズマ7からイオンビーム11を引き出して加速し、処理容器内の被処理物13にイオンビーム11を入射させることによりイオン注入を行なう。
なお、イオン源4におけるプラズマ発生方法は、上述したアーク放電によるものに限られず、例えばマイクロ波を用いた方法等によるものでもよい。
また、イオン源4は、バケット型イオン源を例に説明したが、他の形式のイオン源、例えば、カスプ磁場を用いない無磁場型イオン源や単一のマグネットコイルを用いるカウフマン型イオン源等であってもよい。
また、イオン注入装置1は、質量分離型でもよく、この場合、イオン源4と、処理容器9と、イオン源4と処理容器9の間のイオンビーム11の経路を囲む隔壁とが、相互に内部空間が連通するように連結して単一の真空容器10を形成する。
図1に示すように、本発明の真空処理装置1は、さらに、真空容器10内に着脱可能に設置され、真空容器10の内部を加熱する発熱体14と、真空容器10内を真空状態に保持したまま発熱体14を真空容器10の内部から外部へ取り出すための取出機構20とを備え、発熱体14により、真空容器10の内部を、この内部に付着した物質であって材料ガスを構成する元素を含むものに吸着した成分を蒸発させる温度条件で加熱する。
なお、後述の説明から明らかなように、発熱体14と取出機構20(一部を除く)は、イオン注入装置1の稼働中は設置されていないため、図1では二点鎖線で示している。
ここで、上記の「真空容器の内部」とは、真空容器10の内部において材料ガスに曝される部位をいい、真空容器10の内壁のほか、ステージ40の表面等を含む。また、「真空容器の内部に付着した物質であって材料ガスを構成する元素を含むもの」は、具体的には、リンやボロンの化合物が該当する。以下、真空容器10の内部に付着したこの物質を、「付着物質」とよぶ。また、「付着物質に吸着した成分」は、具体的には、大気中に含まれる水分等の成分が該当する。
上記の発熱体14は、その種類はとくに限定されないが、例えば、ランプヒータやフィラメント等を使用することができる。
また、本実施形態では、真空容器10の一部を構成する処理容器9の内部に発熱体14が設置されているが、真空容器10の他の部分に発熱体14が配置されてもよい。例えば、質量分離型イオン注入装置の場合、処理容器9のほか、イオン源4と処理容器9との間のイオンビーム11の経路を囲む隔壁の内部に配置されてもよい。
図1では、真空容器10の対向する側壁に発熱体14が2つずつ配置され、計4つの発熱体14が示されているが、本発明はこの数及び配置に限定されない。すなわち、発熱体14の発熱量(出力)、真空容器10の大きさ、形状等に応じて、真空容器10内の加熱を要する部分が所望の温度条件(付着物質中の水分等が蒸発する温度)で加熱されるように数及び配置が設定される。このような意味では、発熱体14は一つの場合があってもよいが、真空容器10の内部を水分等が蒸発する温度に効率よく加熱するために、本実施形態のように複数の発熱体14を設置するのが好ましい。
図2は、上記の取出機構20の構成例を示す図である。
図2において、発熱体14は、フランジ16に固定された支持部品15によって支持され、フランジ16の支持部品15が固定された面と反対側の面には電流導入端子17が固定されており、発熱体14、支持部品15、フランジ16及び電流導入端子17により発熱ユニット18が構成されている。
図2に示すようにこの構成例の取出機構20は、真空容器10の開口部9aの外側に設けられ気密に開閉可能な真空バルブ21と、真空バルブ21に気密に着脱可能であり発熱ユニット18を収容可能な取出容器23と、取出容器23を気密に貫通可能な操作棒24と、取出容器23の内部を真空状態にする真空機構26と、取出容器23の内部を真空状態から所定圧力(ほぼ大気圧)まで戻す復圧機構28とを有する。
真空バルブ21は、開いた状態で発熱体14及び支持部品15を挿通することができ、閉じた状態で真空容器10の内外を気密に仕切るようになっている。また、真空バルブ21の大気側には、発熱ユニット18のフランジ16を固定するための台座22が設けられている。
取出容器23は、真空バルブ21に取り付ける側が開口しており、その開口端部にフランジ部が形成されている。フランジ部の、真空バルブ21と対向する端面には、Oリング等のシール部材が設けられており、図示しないボルト等の固定部品によってフランジ部が真空バルブ21に固定されることにより、取出容器23が真空バルブ21に気密に取り付けられる。
操作棒24は、発熱ユニット18を抜き差しする方向に移動可能な状態で取出容器23を貫通している。取出容器23に設けられた操作棒24用の貫通穴の内周面には図示しないOリング等のシール部材が設けられており、操作棒24と密着することにより気密性が確保される。また、操作棒24の先端には、発熱ユニット18を抜き差し可能なように電流導入端子17に連結する連結部24aが設けられている。この構成例において、この連結部24aは雄ネジ部であり、この雄ネジ部が電流導入端子17の頭部に形成された雌ネジ部と螺合して、操作棒24と発熱ユニット18とが連結するようになっている。
真空機構26は、真空ポンプ、配管等から構成され、取出容器23に着脱可能に接続される。復圧機構28は、パージガス(窒素ガス等)の供給源となるガスボンベ、配管等から構成され、取出容器23に着脱可能に接続される。
発熱体14により真空容器10の内部を加熱する場合、図3Aに示すように、取出容器23を真空バルブ21から外した状態で、真空バルブ21を開けて、発熱体14が真空容器10の内部に挿入されるように外部から発熱ユニット18を真空容器10に差し込み、図示しないボルト等の固定部品によりフランジ16を真空バルブ21に対して固定する。なお、後述するように、発熱ユニット18を差し込む際には真空容器10の内部は大気圧となっている。
次に、電流導入端子17と電源30とを電力ケーブル31を介して接続し、電源30からの電力の供給によって発熱体14を発熱させ、真空容器10内を加熱する。
発熱体14を、真空状態にある真空容器10の内部から外部に取り出す場合は、以下の手順で行なう。図3Bに示すように、フランジ16からボルト等の固定部品を取り外し、次に電力ケーブル31を電流導入端子17から取り外し、次に操作棒24を挿通させた状態の取出容器23を真空バルブ21に取り付け、次に操作棒24と電流導入端子17とを連結し、次に取出容器23に真空機構26を接続して真空機構26により取出容器23の内部を真空引きする。
次に、図3Cに示すように、操作棒24を引き抜くことによって発熱ユニット18を真空容器10から引き抜いたら、真空バルブ21を閉じ、次に復圧機構28を接続して復圧機構28により取出容器23の内部にパージガスを導入し、取出容器23の内部を所定圧力(ほぼ大気圧)まで復圧する。最後に、取出容器23を真空バルブ21から取り外す。
図4は、取出機構20の別の構成例を示す図である。
図4に示すように、この構成例の取出機構20は、真空容器10の開口部9aの外側に設けられ気密に開閉可能な上記と同様の構成の真空バルブ21と、発熱ユニット18を抜き差し方向に移動可能に支持し且つ支持位置を固定可能なユニット移動機構39と、発熱ユニット18の抜き差し方向に伸縮可能であり内外を気密に区画可能でありかつ発熱ユニット18を真空容器10から引き抜いた状態の発熱体14を収容可能なようにユニット移動機構39と真空バルブ21との間に設けられた真空ベローズ35と、真空ベローズ35の内部を真空状態から所定圧力(ほぼ大気圧)に戻す復圧機構28とを有する。
本構成例において、上記のユニット移動機構39は、発熱ユニット18(具体的にはフランジ16)に固定されたユニット支持部材34と、発熱ユニット18の抜き差し方向に延びてユニット支持部材34を貫通するネジ棒36と、ユニット支持部材34の両面側のそれぞれでネジ棒36に螺合するナット37,38とから構成されている。この構成により、各ナット37,38を回転させてユニット支持部材34の位置を変えることにより、発熱ユニット18を抜き差し方向に移動させ且つ位置を固定することができる。
また、本構成例において、上記の真空ベローズ35は、一端が台座22に気密に固定され他端がユニット支持部材34に気密に固定されている。
発熱体14により真空容器10の内部を加熱する場合、真空バルブ21を開けてから、ユニット移動機構39を動作させて発熱体14が真空容器10の内部に挿入されるように発熱ユニット18を真空容器10に差し込む。図4では、発熱ユニット18を真空容器10に差し込んだ状態を破線で示している。なお、後述するように、真空容器10の内部が大気圧の状態で発熱ユニット18を差し込むので、予め真空ベローズ35の内部を真空引きする必要は無い。また、発熱ユニット18を真空容器10に差し込んだ状態では、真空ベローズ35の内部と真空容器10の内部は連通している。
次に、図3Aに示したのと同様に、電流導入端子17と電源30とを電力ケーブル31を介して接続し、電源30からの電力の供給によって発熱体14を発熱させ、真空容器10内を加熱する。
発熱体14を、真空状態にある真空容器10の内部から外部に取り出す場合は、以下の手順で行なう。電力ケーブル31を電流導入端子17から取り外し、ユニット移動機構39を動作させて発熱ユニット18を真空容器10から引き抜き、次に真空バルブ21を閉じる。次に復圧機構28を接続し、復圧機構28によりパージガスを真空ベローズ35の内部に導入し、真空ベローズ35の内部を所定圧力(ほぼ大気圧)まで戻す。
なお、本発明において、上記の取出機構20は上述した2つの構成例に限定されず、真空容器10内を真空状態に保持したまま発熱体14を真空容器10の内部から外部へ取り出すことができる限りで種々の構成を採用することができる。例えば、特開平11−250846号公報、特開2002−343265号公報に開示されたフィラメント3交換機構の構成を応用したものであってもよい。
次に、本発明の真空処理装置のメンテナンス方法について説明する。
このメンテナンス方法を実施する場合、装置の運転を停止して、まず、以下の一次メンテナンスを実施する。
この一次メンテナンスでは、真空容器10を大気開放して、イオンビーム11が直射して汚染が著しい部品を交換する。また、イオンビーム11が直射せずに汚染の軽い部品、部位は交換せず再使用するために、乾拭きにより付着物質を除去する。この場合、後述するように、真空容器の内部を真空引きする際に、発熱体14により、付着物質に吸着した水分等を蒸発させ、水分等のガスの発生を促進し除去することができるので、付着物質の完全除去を目標とする必要は無い。したがって、従来と比較して、短時間で乾拭きによる清掃を終了することができる。
上記の一次メンテナンスが終了したら、以下の二次メンテナンス(本発明のメンテナンス方法)を実施する。
この二次メンテナンスでは、真空容器10の内部に発熱体14を取外し可能に設置し、次に真空容器10内を真空引きし、この真空引きと並行して発熱体14により真空容器10の内部を加熱し、真空容器10内の付着物質に吸着した成分(水分等)を蒸発させる。真空容器10内で蒸発した水分等のガスは、他の空気とともに真空容器10の外部に排出される。以下、この二次メンテナンスについて、具体的に説明する。
装置の一次メンテナンスが終了して真空容器10の内部を真空引きする前に、上述した手順で発熱体14を真空容器10の内部に設置する。
次に、発熱体14を加熱しない状態で真空容器10の内部の真空引きを開始する。真空引きからある程度の時間が経過した頃、発熱体14に電力供給し真空容器10の内部の加熱を開始する。真空容器10の内部を加熱すると、付着物質に吸着した水分等が蒸発しガスを発生させるため、真空容器10の内部の真空圧力の低下が鈍化するか、あるいは真空圧力が上昇する。このため、急激な圧力上昇が起きないように、発熱体14への供給電力を徐々に上げていくのが良い。また、真空引きの開始からある程度時間が経過してから加熱を開始するのは、真空引きと同時又はそれより前に加熱を開始すると圧力の上昇により真空排気装置12に悪影響を与える可能性があり、これを排除するためである。
真空圧力低下の鈍化がある程度続いた後、あるいは、真空圧力がある程度上昇したところで、発熱体14への供給電力を一定にして維持する。また、真空圧力に応じて供給電力を変化させてもよい。一定時間経過後後に発熱体14への電力供給を停止し、加熱を停止する。加熱を停止すると、真空圧力の低下を観測できることがある。なお、これらの一連の時間および加熱具合(供給電力)などは装置によって異なるため、それぞれに適した値を設定する。
真空容器10に対する加熱を停止した後、上述した手順で発熱体14を真空容器10から取り出す作業を実施する。この取出し作業は、真空引きの途中に行なってもよいが、真空引き終了後に行なうのが好ましい。図2に示した取出機構20により行なう場合、真空引きの途中に発熱体14の取出し作業を行なうと、取出容器23の内部を真空容器10の内部の真空圧力と同調させて真空引きする必要があり、作業が煩雑となるからである。
図5は、本発明のメンテナンス方法を実施したときの、真空容器10の内部の真空度の変化の様子を示したグラフである。このグラフでは、横軸に時間[hour]、縦軸に真空度(真空圧力)[Pa]をとっている。また、発熱体14による真空容器10の加熱時間の範囲を、時間軸の上に付帯して表示している。
図5から、実線で示した「加熱あり」(本発明)では、加熱開始とほぼ同時に水分等の蒸発によるガスの発生により圧力低下が鈍化しているものの、その後、「加熱なし」(従来技術)の場合よりも圧力低下の速度が速くなり、途中から「加熱なし」よりも短時間でより低い真空圧力に到達していることが分かる。図5では、圧力aに到達するまでに、「加熱あり」と「加熱なし」では約8時間の差が生じている。
このように本発明の真空処理装置及びそのメンテナンス方法によれば、真空容器10内の付着物質に吸着した成分(水分等)を蒸発させるので、水分等のガスの発生を促進することができる。このため、真空引きに要する時間を大幅に短縮することができ、この真空引き時間の短縮化を通じて装置稼働時間を増加させることができる。
また、発熱体14による真空容器10の内部の加熱が終了した後は、取出機構20により、真空容器10の真空状態を保持したまま発熱体14を真空容器10の外部に取り出すので、発熱体14が装置特性や処理に悪影響を与える危険性を排除することができる。
なお、上述した実施形態において、発熱体14や、その導入部(支持部品15)や内部配線が真空排気装置12やイオン注入装置1の特性などに影響が無く、かつ装置の稼働中に真空容器10の内部の他の構造物(ステージ40等)と機械的に干渉しないような位置に配置できるのであれば、真空引き終了後に取り出さず、装置稼働中も装置の内部に放置してもよい。この場合、装置稼動時に発熱体14や内部配線が材料ガスの暴露などにより汚染される可能性が高いため、次に加熱を実施する際には新品に交換して使用することが好ましい。
また、本発明の別の実施形態として、装置稼動時の材料ガスによる汚染の程度が低い位置でかつ装置の稼働中に真空容器10の内部の他の構造物(ステージ40等)と機械的に干渉しないような位置に発熱体14を設置でき、比較的簡単に付着物質を除去でき、かつその後の使用に問題が無い場合には、発熱体14を真空容器10の内部に常設しておく構成を採用してもよい。この場合のメンテナンス方法は、真空容器10の内部への発熱体14の設置および取出し作業が無い点以外は、上述した方法と同様に実施することができる。
なお、上記において、本発明の実施形態について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発明の実施の形態に限定されない。上述した実施形態では、真空処理装置10としてイオン注入装置を例にして説明したが、本発明は、内部を真空状態に保持可能な真空容器を有し、真空容器の内部に導入された材料ガスを導入して被処理物に対して所定の処理を行う他の真空処理装置、例えば、スパッタ装置やCVD装置にも適用可能である。
本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
本発明の実施形態にかかる真空処理装置の概略図である。 本発明の実施形態にかかる真空処理装置における取出機構の構成例を示す図である。 本発明の実施形態にかかる真空処理装置の真空容器に発熱体を設置し、真空容器の内部を加熱する手順を説明する図である。 本発明の真空処理装置のメンテナンス方法において、発熱体を真空容器から取り出す手順を説明する図である。 本発明の真空処理装置のメンテナンス方法において、発熱体を真空容器から取り出す手順を説明する別の図である。 本発明の実施形態にかかる真空処理装置における取出機構の別の構成例を示す図である。 本発明の真空処理装置のメンテナンス方法を実施したときの、真空容器の内部の真空度の変化の様子を示したグラフである。
符号の説明
1 真空処理装置(イオン注入装置)
2 プラズマ発生室
3 フィラメント
4 イオン源
5 プラズマ生成容器
6 引き出し電極系
7 プラズマ
8 処理室
9 処理容器
9a 開口部
10 真空容器
11 イオンビーム
12 真空排気装置
13 被処理物
14 発熱体
15 支持部品
16 フランジ
17 電流導入端子
18 発熱ユニット
20 取出機構
21 真空バルブ
22 台座
23 取出容器
24 操作棒
26 真空機構
28 復圧機構
30 電源
31 電力ケーブル
34 ユニット支持部材
35 真空ベローズ
36 ネジ棒
37,38 ナット
39 ユニット移動機構
40 ステージ

Claims (5)

  1. 内部を真空状態に保持可能な真空容器を有し、該真空容器の内部に材料ガスを導入して被処理物に対して所定の処理を行う真空処理装置であって、
    前記真空容器内に着脱可能に設置され該真空容器の内部を加熱する発熱体と、
    前記真空容器内を真空状態に保持したまま前記発熱体を前記真空容器の内部から外部へ取り出すための取出機構と、を備え、
    前記発熱体により、前記真空容器の内部を、該内部に付着した物質であって前記材料ガスを構成する元素を含むものに吸着した成分を蒸発させる温度条件で加熱することを特徴とする真空処理装置。
  2. 内部を真空状態に保持可能な真空容器を有し、該真空容器の内部に材料ガスを導入して被処理物に対して所定の処理を行う真空処理装置であって、
    前記真空容器内に設置され、該真空容器の内部を加熱する発熱体を備え、
    該発熱体により、前記真空容器の内部を、該内部に付着した物質であって前記材料ガスを構成する元素を含むものに吸着した成分を蒸発させる温度条件で加熱することを特徴とする真空処理装置。
  3. 内部を真空状態に保持可能な真空容器を有し、該真空容器の内部に材料ガスを導入して被処理物に対して所定の処理を行う真空処理装置のメンテナンス方法であって、
    前記真空容器の内部に発熱体を取外し可能に設置し、次に前記真空容器内を真空引きし、該真空引きと並行して前記発熱体により前記真空容器の内部を加熱し、該内部に付着した物質であって前記材料ガスを構成する元素を含むものに吸着した成分を蒸発させることを特徴とする真空処理装置のメンテナンス方法。
  4. 前記発熱体による前記真空容器の加熱を所定時間実施した後、前記真空容器内を真空状態に保持したまま前記発熱体を前記真空容器の外部へ取り出す、請求項3記載の真空処理装置のメンテナンス方法。
  5. 内部を真空状態に保持可能な真空容器を有し、該真空容器の内部に材料ガスを導入して被処理物に対して所定の処理を行う真空処理装置のメンテナンス方法であって、
    前記真空容器の内部に発熱体を常設しておき、前記真空容器内を真空引きし、該真空引きと並行して前記発熱体により前記真空容器の内部を加熱し、該内部に付着した物質であって前記材料ガスを構成する元素を含むものに吸着した成分を蒸発させることを特徴とする真空処理装置のメンテナンス方法。
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