JP4491795B2 - 物品交換機構および物品交換方法 - Google Patents

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Description

本発明は、真空容器内に設置される物品を交換するための物品交換機構および物品交換方法に関する。
例えば液晶ディスプレイや半導体装置の製造において、液晶ガラス基板や半導体基板にリン(P)やボロン(B)などの不純物を注入ために、イオン注入装置が用いられる。イオン注入装置には、プラズマを発生させイオンビームを引き出すためのイオン源が設けられている。イオン源におけるプラズマ生成方法としては、フィラメント加熱によって熱電子を放出してアーク放電を発生させ、アーク放電によって材料ガスをプラズマ化する方法がある。
イオン源では、イオン注入装置の運転時間の累積に伴って、アーク放電を行なうためのフィラメントが劣化・断線するため、フィラメントを交換する必要がある。従来、装置の運転停止時間を短縮化し、稼働率を向上させるために、装置の真空容器を大気開放せずにフィラメントを交換する方法が種々提案されている。このようなフィラメント交換方法を開示するものとして、例えば下記特許文献1及び2がある。
図7は、特許文献1に開示されたイオン源の構成図である。このイオン源は、以下のように構成されている。
フランジ付電流導入端子61とプラズマ生成容器62の開口部63との間に、電流導入端子64及びフィラメント65が通る開口部を有する真空弁66を設け、その側部には真空弁の真空側と大気側とを連通させるバイパス経路と、それを開閉する補助弁とを設け、真空弁66の大気側に、フランジ付電流導入端子61の頭部を覆うように補助真空容器67を着脱可能に取り付ける。補助真空容器67は、フランジ付電流導入端子61及びフィラメント65を内部に収納可能である。フランジ付電流導入端子61に結合してそれをフィラメント65と共に抜き差しする操作軸68を補助真空容器67に取り付け、補助真空容器67の内外を仕切るベント弁69を設ける。
上記のイオン源において、フィラメント65の交換作業は以下の手順で行なう。
まず真空弁66に対するフランジ付電流導入端子61の固定を解除し、次に補助真空容器67を真空弁66の大気側にフランジ付電流導入端子61の頭部を覆うように取り付け、次に補助弁を開いてバイパス経路を経由して補助真空容器67内をプラズマ生成容器62側から真空排気し、次に操作軸68をフランジ付電流導入端子61に結合させてフランジ付電流導入端子61をフィラメント65と共に補助真空容器67内に引き抜き、次に真空弁66および補助弁を閉じ、次にベント弁69を開いて補助真空容器67内にベント気体を導入して補助真空容器67内をほぼ大気圧に戻し、次に補助真空容器67をフランジ付電流導入端子61およびフィラメント65と共に真空弁66から取り外し、次にフランジ付電流導入端子61に対するフィラメント65の交換を行い、次に補助真空容器67をフランジ付電流導入端子61およびフィラメント65と共に真空弁66に取り付け、次にベント弁69を閉じた状態で補助弁または真空弁66を開いて補助真空容器67内をプラズマ生成容器62側から真空排気し、次に真空弁66を開いた状態で操作軸68によってフランジ付電流導入端子61の電流導入端子64およびフィラメント65を真空弁66の開口部を通してプラズマ生成容器62内に挿入すると共にフランジ付電流導入端子61のフランジを真空弁66に当接させて真空弁66の大気側を封止し、次に補助弁を閉じた状態でベント弁69を開いて補助真空容器67内にベント気体を導入して補助真空容器67内をほぼ大気圧に戻し、次に操作軸68とフランジ付電流導入端子61との結合を解除し、次に補助真空容器67を操作軸68と共に真空弁66から取り外し、次にフランジ付電流導入端子61を真空弁66に固定する。
図8は、特許文献2に開示されたイオン源の構成図である。このイオン源50は、プラズマ発生室52に隣接して設けられた真空ボックス51と、この真空ボックス51とプラズマ発生室52とを気密状態で区画開閉するゲートバルブ53と、真空ボックス51内に設けられフィラメント54を先端部にて支持すると共に基端部にて真空ボックス51に回転可能に支持されていて開いた状態のゲートバルブ53をフィラメント54が通過して真空ボックス51内とプラズマ発生室52間とで移動するように動作する支持アーム55と、真空ボックス51を開放するための蓋部材56と、フィラメント交換後に真空ボックス51内を真空状態とするための大気吸引手段57とを備えている。
上記のイオン源50において、フィラメントの交換作業は、以下の手順で行なう。
真空ボックス51内で支持アーム55を90°回転させてその支持アーム55の先端部に支持されたフィラメント54を、ゲートバルブ53を通過させ真空ボックス51内に移動させる。次にゲートバルブ53を閉塞し、真空ボックス51内を大気開放する。次に真空ボックス51の蓋部材56を開けてフィラメント54を交換する。次に蓋部材56を閉めて、大気吸引手段57で真空ボックス51内を真空状態にした後、ゲートバルブ53を開けて、支持アーム55をプラズマ発生室52の方向に90°回転させて、フィラメント54をプラズマ発生室52内に移動させる。
特開平11−250846号公報 特開2002−343265号公報
上述した従来のフィラメントの交換方法には、以下の問題がある。
(1)大気開放を行なう場合の交換方法に比べて、作業時間の短縮化が図れるものの、依然として作業時間が長く装置稼働率の低下を招いているため、さらなる作業時間の短縮化が望まれている。
(2)真空引きと大気開放の実施などで作業が複雑であり、作業手順に注意が必要となっている。上述した特許文献2の交換方法では、真空引きと大気開放をそれぞれ2回ずつ行なう必要があるが、真空引き、大気開放の繰り返しが多いと、それにともないバルブ操作回数も多くなり作業手順を間違えた場合は、装置側の真空リークなどの大きな問題を引き起こす可能性がある。
(3)交換機構の全部又は一部を装置に常設しておくと、コスト増大、交換機構の劣化などの問題がある。特に真空バルブ(図7の真空弁66、図8のゲートバルブ53)を設置しておくと、材料ガスやプラズマに曝されることでバルブのフランジ面やシール部材(Oリングなど)の劣化が進み、真空閉止できなくなる場合がある。
(4)図8に示したイオン源のように、真空ボックス51を常設すると、その内壁面が材料ガスやプラズマに曝されて汚染されるため、真空ボックス51をメンテナンスする必要が生じることもある。
(5)上記(2)〜(4)は、コスト増大、及びメンテナンス時間の増加による装置稼働率低下につながる。
本発明は上述した問題に鑑みてなされたものであり、交換作業時間のさらなる短縮化を通じて装置稼働率を向上させることができ、作業手順が簡単で間違いの発生を少なくすることができる物品交換機構および物品交換方法を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明の物品交換機構および物品交換方法は、以下の手段を採用する。
(1)本発明は、真空容器内に設置される物品を交換するための物品交換機構であって、前記物品が通る大きさの開口部を有する真空容器と、前記物品を支持し且つ前記開口部を気密に開閉可能な2つの交換ユニットと、該真空容器の外壁の第1及び第2の取付位置に着脱可能であり、それぞれ、前記交換ユニットと解除可能に連結して、前記交換ユニットを前記真空容器の内外間を前記物品が前記開口部を通って移動するように支持する2つのユニット支持機構と、前記開口部を覆うとともに、2つの交換ユニットを内部に収容する状態で前記真空容器に気密に取り付け可能であり且つ取り外し可能な交換用容器と、該交換用容器を気密状態で貫通し前記第1及び第2の取付位置に取り付けられた2つのユニット支持機構の各々と解除可能に連結して該2つのユニット支持機構を動作させる複数の操作部材と、前記交換用容器の内部を真空状態にする真空機構と、前記交換用容器の内部を真空状態から所定圧力まで戻す復圧機構と、を備え、前記真空容器は、イオン注入装置、中性化装置またはスパッタ装置におけるイオン源であり、前記物品は、前記真空容器がイオン注入装置におけるイオン源である場合、フィラメントであり、前記真空容器が中性化装置におけるイオン源である場合、カソードであり、前記真空容器がスパッタ装置におけるイオン源である場合、試料であることを特徴とする。
上記構成によれば、一方の取付位置に取り付けられた交換ユニットに旧物品が支持されて真空容器内に設置されている状態から、第1と第2の取付位置にユニット支持機構を取り付け、一方のユニット支持機構と旧交換ユニットとを連結し、他方のユニット支持機構に新交換ユニットを連結し、次に真空容器に交換用容器を気密に取り付け、次に交換用容器内を真空状態とし、次に操作部材を操作して旧物品が真空容器内から交換用容器内に移動するように旧交換ユニットを動作させ、次に別の操作部材を操作して新物品が交換用容器内から真空容器内に移動するように新交換ユニットを動作させ、次に交換用容器内を真空状態から所定圧力まで戻し、次に交換用容器を真空容器から取り外し、次に旧交換ユニットとユニット支持機構との連結を解除し、新交換ユニットとユニット支持機構との連結を解除し、各ユニット支持機構を真空容器から取り外すことにより、真空容器を大気開放することなく、物品を交換することができる。
また、交換作業に際し、真空バルブの操作が無く、しかも交換用容器の真空引きと大気開放はそれぞれ一回ずつ行なえばよいので、操作手順の間違いの発生を少なくすることができるとともに、さらなる作業時間の短縮化を図ることができる。また、この交換機構には、真空容器の内外を気密に仕切る真空バルブが無いので、真空バルブの構成部品の劣化による真空閉止機能の低下等の問題が生じることがない。また、交換用容器は、交換作業のときにのみ取り付けられるものであり、装置の稼働中は真空容器内の作動ガス等に曝されないので、交換用容器をメンテナンスする必要が無い。
(2)また、上記の物品交換機構において、前記各ユニット支持機構は、前記操作部材と連結可能な操作軸と、前記真空容器の外壁に着脱可能であり前記操作軸を回転可能に支持する取付部品と、前記操作軸と前記交換ユニットとを接続する接続部品とを有し、前記各操作部材は、前記各操作軸のうち連結相手となるものの回転軸心と同心で回転可能である。
上記構成によれば、真空容器の外壁に取付部品を取り付け、操作軸を取付部品に回転可能に支持させ、接続部品により操作軸と交換ユニットを接続することにより、真空容器に着脱可能で且つ交換ユニットを動作させるユニット支持機構を容易に構成することができる。また、操作部材を回転操作して交換ユニットを回転させることができるので、真空容器の内外間での物品の移動を簡単に行なうことができる。
(3)また、本発明は、真空容器内に設置される物品を交換するための物品交換機構であって、前記物品が通る大きさの開口部を有する真空容器と、該真空容器の外壁の異なる2箇所に設置され、それぞれ前記開口部を気密に開閉可能であり、前記物品を支持して、該物品を前記開口部を通して前記真空容器の内外間で移動させるように動作する一対の物品支持移動機構と、前記開口部を覆うとともに、前記一対の物品支持移動機構を内部に収容する状態で前記真空容器に気密に取り付け可能であり且つ取り外し可能な交換用容器と、該交換用容器を気密状態で貫通し前記一対の物品支持移動機構の各々と連結して該一対の物品支持移動機構を動作させる複数の操作部材と、前記交換用容器の内部を真空状態にする真空機構と、前記交換用容器の内部を真空状態から所定圧力まで戻す復圧機構と、を備え、前記真空容器は、イオン注入装置、中性化装置またはスパッタ装置におけるイオン源であり、前記物品は、前記真空容器がイオン注入装置におけるイオン源である場合、フィラメントであり、前記真空容器が中性化装置におけるイオン源である場合、カソードであり、前記真空容器がスパッタ装置におけるイオン源である場合、試料であることを特徴とする。
上記構成によれば、一方の物品支持移動機構に旧物品が支持されて真空容器内に設置されている状態から、新物品を他方の物品支持移動機構に取り付け、次に真空容器に交換用容器を気密に取り付け、次に交換用容器内を真空状態とし、次に操作部材を操作して旧物品が真空容器内から交換用容器内に移動するように一方の物品支持移動機構を動作させ、次に別の操作部材を操作して新物品が交換用容器内から真空容器内に移動するように他方の物品支持移動機構を動作させ、次に交換用容器内を真空状態から所定圧力まで戻し、次に交換用容器を真空容器から取り外し、次に旧物品を一方の物品支持移動機構から取り外すことにより、真空容器を大気開放することなく、物品を交換することができる。
また、上記(1)の構成と同様に、操作手順の間違いの発生を少なくすることができ、真空バルブの構成部品の劣化による真空閉止機能の低下等の問題が生じることがなく、交換用容器をメンテナンスする必要が無い。
(4)また、上記の物品交換機構において、前記各物品支持移動機構は前記真空容器の外壁に回転可能に連結されており、前記各操作部材は、前記各物品支持移動機構のうち連結相手となるものの回転軸心と同心で回転可能である。
上記構成によれば、操作部材を回転操作して物品支持移動機構を回転させることができるので、真空容器の内外間での物品の移動を簡単に行なうことができる。
(5)また、上記の物品交換機構において、前記交換用容器に、該交換用容器の内部を観察するための透明材料からなる観察窓が設けられている。
上記構成によれば、観察窓を通して交換ユニットの動きや位置を確認しながら交換ユニットを動作させることができるので、真空容器の外壁面に対する交換ユニットの位置決めを容易に行なうことができる。
このように本発明をイオン注入装置におけるイオン源のフィラメント交換機構に適用することにより、フィラメントの交換作業時間の短縮化を通じてイオン注入装置の稼働率を向上させることができる。
(6)また、本発明は、上記(1)の物品交換機構を用いて、真空容器内に設置される物品を交換するための物品交換方法であって、前記交換ユニットに旧物品が支持されて前記真空容器内に設置されている状態から、(a)新物品を支持する交換ユニットに対応する前記ユニット支持機構を前記真空容器の一方の取付位置に取り付ける工程、(b)新物品を支持する交換ユニットと対応する前記ユニット支持機構とを連結する工程、(c)旧物品を支持する交換ユニットに対応する前記ユニット支持機構を前記真空容器の他方の取付位置に取り付ける工程、及び(d)旧物品を支持する交換ユニットと対応するユニット支持機構とを連結する工程、を任意の順序で行い、次に前記開口部を覆うとともに2つの前記交換ユニットを収容するように前記真空容器に前記交換用容器を気密に取り付け、次に前記交換用容器内を真空状態とし、次に前記交換用容器に気密に貫通させた操作部材を操作して、旧物品を支持している前記交換ユニットを、旧物品が前記真空容器内から前記交換用容器内に移動するように動作させ、次に前記交換用容器に気密に貫通させた別の操作部材を操作して、新物品を支持している前記交換ユニットを、新物品が前記交換用容器内から前記真空容器内に移動するように動作させ、次に前記交換用容器内を真空状態から所定圧力まで戻し、次に前記交換用容器を前記真空容器から取り外し、次に、(e)新物品を支持する交換ユニットに対応する前記ユニット支持機構を前記真空容器から取り外す工程、(f)新物品を支持する交換ユニットと対応する前記ユニット支持機構との連結を解除する工程、(g)旧物品を支持する交換ユニットに対応する前記ユニット支持機構を前記真空容器から取り外す工程、及び(h)旧物品を支持する前記交換ユニットと対応するユニット支持機構との連結を解除する工程、を任意の順序で行う、ことを特徴とする。
(7)また、本発明は、上記(3)の物品交換機構を用いて、真空容器内に設置される物品を交換するための物品交換方法であって、一方の前記物品支持移動機構に旧物品が支持されて前記真空容器内に設置されている状態から、新物品を他方の前記物品支持移動機構に取り付け、次に前記開口部を覆うとともに前記一対の物品支持移動機構を収容するように前記真空容器に交換用容器を気密に取り付け、次に前記交換用容器内を真空状態とし、次に前記交換用容器に気密に貫通させた操作部材を操作して、前記一方の物品支持移動機構を、旧物品が前記真空容器内から前記交換用容器内に移動するように動作させ、次に前記交換用容器に気密に貫通させた別の操作部材を操作して、前記他方の物品支持移動機構を、新物品が前記交換用容器内から前記真空容器内に移動するように動作させ、次に前記交換用容器内を真空状態から所定圧力まで戻し、次に前記交換用容器を前記真空容器から取り外し、次に旧物品を前記一方の物品支持移動機構から取り外す、ことを特徴とする。
本発明によれば、交換作業時間のさらなる短縮化を通じて装置稼働率を向上させることができ、作業手順が簡単で間違いの発生を少なくすることができるという優れた効果が得られる。
以下、本発明の好ましい実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図1は、本発明の物品交換機構を適用することができるイオン注入装置40の一例を示す概略図である。このイオン注入装置40の基本構成を説明する。
処理室容器45の内部に基板等の被処理物47が収容される処理室44が形成されている。処理室容器45にイオン源41が接続されている。イオン源41はプラズマ生成容器4を有し、プラズマ生成容器4の内部に形成されたプラズマ発生室2でプラズマ43を発生させる。処理室44及びプラズマ発生室2は、処理室容器45に接続された真空排気装置46によって一括して真空に排気される。
イオン源41は、この例では、図示しない永久磁石によってプラズマ生成容器4の内部にプラズマ43を閉じ込めるためのカスプ磁場を形成するバケット型イオン源であり、プラズマ発生室2に熱電子放出用の1以上のフィラメント3が配置されている。プラズマ生成容器4には、所望のイオン種を含む材料ガスが導入される。材料ガスは、例えば、燐イオンを得るためにはPH、硼素イオンを得るためにはBが用いられる。
プラズマ発生室2に材料ガスを導入し、フィラメント3を加熱すると共にフィラメント3とプラズマ生成容器4との間に直流のアーク放電電圧を印加すると、フィラメント3とプラズマ生成容器4との間にアーク放電が生じ、それによって材料ガスが電離されてプラズマ43が生成される。このプラズマ43から、1枚以上の電極を有する引出し電極系42によってイオンビーム48が引き出される。このイオンビーム48は、この例では上記被処理物47に照射されてイオン注入等の処理が行われる。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態にかかる物品交換機構1について説明する。
図2(A)は、本発明の第1実施形態にかかる物品交換機構1の構成を示す断面図であり、図2(B)は図2(A)の2B−2B線断面図である。ただし、図2(B)では、図2(A)における左側の交換ユニット12と接続部品8は図示を省略している。
本実施形態は、上述したイオン注入装置40におけるイオン源41に対する適用例であり、後述するように、フィラメント3を交換するので、フィラメント3が交換対象となる「物品」に該当する。
物品交換機構1は、真空容器4と、交換ユニット12と、ユニット支持機構13と、交換用容器10と、操作部材18と、真空機構23と、復圧機構26とを備えている。
真空容器4は、本実施形態では上述したプラズマ生成容器4であり、内部にプラズマ発生室2が形成されている。この真空容器4は、フィラメント3及びフィラメント3を支持する支持部品6が通る大きさの開口部5を有する。真空容器4の外壁面には、開口部5を囲むように外方に突出する台座部4aが設けられている。開口部5の大きさは、交換ユニット12が動作する際に、フィラメント3及びその支持部品6が、開口部5の内周壁や真空容器4の内外壁面と干渉しないように設定される。
交換ユニット12は、使用済みで交換が必要なフィラメント3a(以下、「旧フィラメント」という)を支持するものと、新しいフィラメント3b(以下「新フィラメント」という)を支持するものの少なくとも2つが必要であり、且つその各々は、開口部5を気密に開閉可能な構造を有している。本実施形態において、各交換ユニット12は、開口部5を閉止するフランジ7と、フランジ7の表面側(開口部5を閉止する側と反対側)に設けられた電流導入端子15と、フランジ7の裏面側(開口部5を閉止する側)に設けられフィラメント3を支持する支持部品6と、フィラメント3とから構成されている。
フランジ7は、開口部5を閉止できる大きさを有し、その裏面の周縁沿いには図示しないシール部材が設けられている。上記構成により、フランジ7が開口部5を閉じるように真空容器4の台座部4aに当接して密着することにより、開口部5を気密に封止することができる。
なお、台座部4aに対するフランジ7の位置決めを容易にするために、フランジ7と台座部4aの互いに対向する各部位の一方に、他方に向って突出する突起部を設け、他方に突起部が挿入される凹部を設けてもよい。
ユニット支持機構13は、真空容器4の外壁の異なる2箇所の取付位置のいずれにも着脱可能に構成されている。以下、2箇所の取付位置のうち一方(図で右側)を「第1取付位置」とよび、他方を「第2取付位置」とよぶ。また、第1取付位置と第2取付位置に取り付けられたユニット支持機構13は、それぞれ、交換ユニット12と解除可能に連結して、交換ユニット12を真空容器4の内外間をフィラメント3が開口部5を通って移動するように支持する。
本実施形態におけるユニット支持機構13の具体的な構成を説明する。各ユニット支持機構13は、それぞれ、操作部材18と連結可能な操作軸14と、真空容器4の外壁に固定可能であり操作軸14を回転可能に支持する取付部品9と、操作軸14と交換ユニット12とを接続する接続部品8とからなる。
操作軸14は、操作部材18と連結して操作部材18から回転力を受けて回転するものである。本実施形態では、各操作軸14の回転軸心は、互いに平行でありかつ開口部5を間に挟む位置に設定されている。
上記構成により、各交換ユニット12を互いに干渉しない配置にしやすいとともに、交換用容器10の交換ユニット12の回転軸心方向の寸法を小さくすることができるので、交換用容器10の大きさをコンパクトにすることができ、これにより真空引きや大気開放の時間を短縮化でき、交換作業の短縮化に寄与できる。
取付部品9は、真空容器4の外壁にボルト等の固定部品により固定して取り付けることができ、また、固定部品による固定を解除することにより真空容器4の外壁から取り外すことができる。本実施形態において、第1取付位置及び第2取付位置の各々において、2つの取付部品9が軸方向に間隔をおいて取り付けられるようになっている。操作軸14は、2つ取付部品9の軸方向外側から挿入され、取付部品9に回転可能に支持される。なお、取付部品9の、操作軸14を支持する部分には軸受が設けられている。
装置の運転中は、ボルト37(図4A参照)によりフランジ7を台座部4aに固定するが、交換作業中は図2に示すようにボルト37を取り外している。フランジ7により開口部5を閉止し、真空容器4内を真空引きすると、真空容器4の内外間の差圧によりフランジ7が台座部4aに押しつけられるため、ボルト37により固定する前でも真空閉止が可能であるが、ボルト止めするまでの仮止め用として、図2(B)に示すような補助拘束部品19を設けてもよい。この補助拘束部品19は、フランジ7を台座部4aに押し付けたまま拘束する位置と、フランジ7から離れて拘束を解除する位置との間を移動するように回転可能に設けられている。補助拘束部品19は、交換用容器10を気密に貫通する図示しない操作棒により回転させることができる。
接続部品8は、一端が操作軸14に連結され、他端が交換ユニット12のフランジ7に連結されることにより、操作軸14と交換ユニット12とを接続する。操作軸14と接続部品8はボルト等の固定部品により解除可能に連結される。また、フランジ7と接続部品8はボルト等の固定部品により解除可能に連結される。
交換用容器10は、開口部5を覆うとともに、第1取付位置と第2取付位置に取り付けられた2つの交換ユニット12を内部に収容する状態で真空容器4に気密に取り付け可能であり且つ取り外し可能に構成されている。具体的には、交換用容器10は、取付側が開口した箱状に形成されており、真空容器4に取り付けた状態で、交換ユニット12の一方が開口部5を封止し、他方が一方と干渉しないように開口部5から退避するときに、いずれの交換ユニット12にも干渉しない大きさを有している。
交換用容器10は、固定手段30によって真空容器4に固定し、取り付けることができる。固定手段30は、例えば、図2(A)及び(B)に示すように、交換用容器10の開口側端部にフランジ部11を設け、このフランジ部11を真空容器4にボルト31で固定する構造とすることができる。
また、固定手段30は、図3に示すようなフック機構であってもよい。この固定手段30は、真空容器4の外壁に突出して形成された容器用台座4bの側面に設けられたフック33と、交換用容器10の外壁面に回転可能に設けられたレバー35と、レバー35に回転可能に連結されフック33に引っ掛かるリンク34とから構成される。交換用容器10の開口側端部を真空容器4に設けた容器用台座4bの位置に当てて静止させ、レバー35を交換用容器10の側面に対して立てた状態でリンク34をフック33に引っ掛け、その状態からレバー35を交換用容器10の側面に向けて倒すことにより、交換用容器10を真空容器4に固定し、取り付けることができる。交換用容器10を取り外すときは、上記と逆の手順で固定手段30を操作することにより、固定手段30による拘束を解除することができる。
また、図2(A)に示すように、交換用容器10には、交換用容器10の内部を観察するための透明材料からなる観察窓10aが設けられている。この観察窓10aは、透明度が高く且つ高真空圧に耐え得る強度をもつ材料からなるのがよく、例えばアクリル板が好適である。
上記構成により、観察窓10aを通して交換ユニット12の動きや位置を確認しながら交換ユニット12を動作させることができるので、真空容器4の台座部4aに対する交換ユニット12(フランジ7)の位置決めを容易に行なうことができる。
交換用容器10には、ガスの供給及び排出を行なうためのガスポート17が設けられている。ガスポート17にはバルブ22が接続されている。またガスポート17には、交換用容器10の内部を真空状態にする真空機構23と、交換用容器10の内部を真空状態から所定圧力まで戻す復圧機構26が、それぞれ択一的に接続できるようになっている。ただし、ガスポート17及びバルブ22は、真空機構23の接続用と復圧機構26の接続用とで別々に設けてもよい。
真空機構23は、ガスポート17に接続される大気吸引管24と、大気吸引管24に接続されたブロア等の吸引装置25とで構成されている。復圧機構26は、復圧用気体であるベントガス(清浄空気や窒素ガスなど)の供給源となるガスボンベ29と、ガスポート17に接続されるものであってガスボンベ29のベントガスを交換用容器10内に導入するためのベントガス導入管27とからなる。
図2(B)に示すように、操作部材18は複数設けられており、その各々は、交換用容器10を気密状態で貫通し、かつ軸方向に移動することができる。
本実施形態の操作部材18は、少なくとも交換用容器10を貫通する部分の断面輪郭形状が円形である棒状部材である。交換用容器10の、操作部材18を挿通させる挿通穴の内周面には図示しないシール部材が設けられており、この内周面と操作部材18の間を真空閉止している。シール部材としては、例えば、ダブルOリングが好適である。
また、交換用容器10の、操作部材18を挿通させるための挿通穴は、交換用容器10が真空容器4に取り付けられた状態のときに、操作軸14と操作部材18とが回転軸心を同心にして軸方向から連結できる位置に、設けられている。したがって、各操作部材18は、連結相手となる操作軸14と同心で回転することができる。また、手動での回転操作を容易にするために、操作部材18はL字形に曲がった形状を有している。
本実施形態において、操作部材18は、操作軸14の軸方向両側から連結できるようになっている。このため、フィラメント3交換作業の際には、第1取付位置と第2取付位置の交換ユニット12を動作させるために、各操作軸14に対してそれぞれ2つずつの計4つの操作部材18が交換用容器10を貫通する。
操作部材18と回転軸は、操作部材18の回転力が回転軸に伝達するように連結可能に構成されている。このような連結構成としては、ネジ構造による連結が例示される。また、他の連結構成としては、操作部材18の先端と操作軸14の端面のいずれか一方に、多角形、星型、十字形、楕円などの非円形の断面形状を有する突起部を設け、他方に、突起部の形状に対応する非円形の凹部を設け、両者を連結することにより操作部材18の回転力を操作軸14に伝達する構造が例示される。本実施形態では、操作部材18の先端に非円形断面形状の突起部を設けている。
上記構成により、操作部材18を回転操作して交換ユニット12を回転させることができるので、真空容器4の内外間でのフィラメント3の移動を簡単に行なうことができる。
次に、上記のように構成された第1実施形態の物品交換機構1を用いた物品交換方法を説明する。本実施形態では旧フィラメント3aが取り付けられた交換ユニット12(以下、「旧交換ユニット」という)を新たな交換ユニット12(以下、「新交換ユニット」という)に交換する手順を、図4A〜図4Eに基づいて説明する。
(1)まず、装置の運転を停止した後に、配線や配管を取り外し、図4Aに示す状態とする。また、旧交換ユニット12のフランジ7を真空容器4の台座部4aに対して固定していたボルト37を取り外す。なお、ボルト37を取り外しても、真空容器4の内外間の差圧によりフランジ7が台座部に押し付けられているため、フランジ7と台座部4aとの密着による真空封止は維持される。
(2)次に、図4Bに示すように、第1取付位置と第2取付位置の各々に、ボルト等の固定部品により、ユニット支持機構13を取り付ける。また、旧フィラメント3aを支持している旧交換ユニット12と、これに対応する第1取付位置に取り付けられたユニット支持機構13とを、ボルト等の固定部品により連結する。また、新フィラメント3bを支持している新交換ユニット12と、これに対応する第2取付位置に取り付けられたユニット支持機構13とを、ボルト等の固定部品により連結する。
なお、各交換ユニット12と、これに対応するユニット支持機構13との連結を先に行い、その後にユニット支持機構13を真空容器4に固定するようにしてもよい。
(3)次に、図4Cに示すように、開口部5を覆うとともに2つの交換ユニット12を収容するように、真空容器4に交換用容器10を気密に取り付ける。交換用容器10の真空容器4に対する固定は、上述した固定手段30による。
次に、交換用容器10の挿通穴から操作部材18を挿入し、操作部材18と各ユニット支持機構13とを連結する。
次に、真空機構23の大気吸引管24を、交換用容器10のガスポート17に接続し、交換用容器10内を真空引きする。
(4)次に、図4Dに示すように、第1取付位置のユニット支持機構13と連結された操作部材18を回転させて、旧フィラメント3aが真空容器4内から交換用容器10内に移動するように旧交換ユニット12を動作させる。
次に、第2取付位置のユニット支持機構13と連結された操作部材18を回転させて、新フィラメント3bが交換用容器10内から真空容器4内に移動するように新交換ユニット12を動作させる。
次に、復圧機構26のベントガス導入管27を、交換用容器10のガスポート17に接続し、交換用容器10内にパージガスを導入して、交換用容器10内を所定圧力(ほぼ大気圧)まで戻す。
(5)次に、各操作部材18と各ユニット支持機構13との連結を解除する。次に、図4Eに示すように、交換用容器10を真空容器4から取り外す。次に、各交換ユニット12と各ユニット支持機構13との連結を解除するとともに、各ユニット支持機構13を真空容器4から取り外す。次に、新交換ユニット12のフランジ7をボルト37により台座部4aに対して固定し、図4Eの状態にする。
なお、各交換ユニット12と各ユニット支持機構13との連結の解除、及び真空容器4からの各ユニット支持機構13の取外しを行なう順序は任意である。
このように本実施形態によれば、真空容器4を大気開放することなく、フィラメント3を交換することができる。
また、交換作業に際し、真空バルブの操作が無く、しかも交換用容器10の真空引きと大気開放はそれぞれ一回ずつ行なえばよいので、操作手順の間違いの発生を少なくすることができるとともに、さらなる作業時間の短縮化を図ることができる。また、この物品交換機構1には、真空容器4の内外を気密に仕切る真空バルブが無いので、真空バルブの構成部品の劣化による真空閉止機能の低下等の問題が生じることがない。また、交換用容器10は、交換作業のときにのみ取り付けられるものであり、装置の稼働中は真空容器4内の作動ガス等に曝されないので、交換用容器10をメンテナンスする必要が無い。
なお、フィラメント3の交換の際に、新しい交換ユニット12が準備されておらず、新しいフィラメント3bのみがある場合には、図5に示すように、旧交換ユニット12の代わりに開口部5を気密に閉止できるブランクフランジ20を用いて、以下の手順でフィラメント3を交換することもできる。
まず、上記の手順(1)と同様の作業を行う。次に、上記手順(2)において旧交換ユニット12の代わりにブランクフランジ20をユニット支持機構13に取り付ける。
次に交換用容器10を真空容器4に取り付け、次に真空機構23により交換用容器10内を真空引きし、次に操作部材18を操作して交換ユニット12を回転動作させて旧フィラメント3aを交換用容器10内に抜き出し、次に操作部材18を操作してブランクフランジ20を回転動作させてブランクフランジ20で開口部5を閉止する。
次に復圧機構26により交換用容器10内を所定圧力(ほぼ大気圧)まで戻し、次に交換用容器10を真空容器4から取り外し、次に旧交換ユニット12から旧フィラメント3aを取り外して新フィラメント3を取り付ける。
次に交換用容器10を真空容器4に取り付け、次に真空機構23により交換用容器10を真空引きし、次に操作部材18を操作してブランクフランジ20を回転動作させて開口部5を開け、次に操作部材18を操作して交換ユニット12を回転動作させて新フィラメント3bを真空容器4内に移動させる。
次に復圧機構26により交換用容器10内を所定圧力まで戻し、次に交換用容器10を真空容器4から取り外す。
次にブランクフランジ20及び交換ユニット12と各ユニット支持機構13との連結を解除するとともに、各ユニット支持機構13を真空容器4から取り外す。
[第2実施形態]
次に、図6を参照し、本発明の第2実施形態にかかる物品交換機構1について説明する。本実施形態も第1実施形態と同様に、上述したイオン注入装置におけるイオン源に対する適用例である。
本実施形態が第1実施形態と異なるのは、真空容器4に一対の物品支持移動機構21を常設しておき、物品支持移動機構21に支持される物品(本実施形態ではフィラメント3)のみを交換するように構成した点である。
一対の物品支持移動機構21は、真空容器4の外壁の異なる2箇所に設置されており、それぞれ開口部5を気密に開閉可能であり、フィラメント3を支持して、フィラメント3を開口部5を通して真空容器4の内外間で移動させるように動作する。
本実施形態において、物品支持移動機構21は、第1実施形態のユニット支持機構13と、交換ユニット12のフィラメント3を除く部分(フランジ7、電流導入端子15および支持部品6)とから構成されている。なお、物品支持移動機構21は、開口部5を気密に開閉可能であり、フィラメント3を支持して、フィラメント3を開口部5を通して真空容器4の内外間で移動させるように動作するものであれば、上記構成に限定されない。他の部分の構成は、第1実施形態と同様である。
上記のように構成された本実施形態の物品交換機構1を用いた物品交換方法は、以下の手順で行なう。
(1)一方(図で右側)の物品支持移動機構21に旧フィラメント3aが支持されて真空容器4内に設置されている状態から、新フィラメント3bを他方(図で左側)の物品支持移動機構21に取り付ける。
(2)次に開口部5を覆うとともに一対の物品支持移動機構21を収容するように真空容器4に交換用容器10を気密に取り付ける。
(3)次に、交換用容器10に真空機構23を接続し、真空機構23により交換用容器10内を真空引きする。
(4)次に、交換用容器10の各挿通穴に4本の操作部材18を挿入して、各操作部材18と各物品支持移動機構21(より具体的には操作軸14)とを連結する。
(5)次に、操作部材18を回転操作して、旧フィラメント3aを支持している物品支持移動機構21を、旧フィラメント3aが真空容器4内から交換用容器10内に移動するように回転動作させる。
(6)次に、別の操作部材18を操作して、新フィラメント3bを支持している物品支持移動機構21を、新フィラメント3bが交換用容器10内から真空容器4内に移動するように動作させる。
(7)次に、交換用容器10に復圧機構26を接続し、復圧機構26により交換用容器10内を真空状態から所定圧力(ほぼ大気圧)まで戻す。
(8)次に、交換用容器10を真空容器4から取り外す。
(9)最後に、旧フィラメント3aを物品支持移動機構21から取り外す。
本実施形態によっても、第1実施形態と同様に、操作手順の間違いの発生を少なくすることができ、真空バルブの構成部品の劣化による真空閉止機能の低下等の問題が生じることがなく、交換用容器10をメンテナンスする必要が無いという優れた効果が得られる。
なお、上記において、本発明の実施形態について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発明の実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
例えば、本発明は、イオン注入装置のプラズマ発生用フィラメントの交換に限らず、中性化装置やスパッタ装置のカソードや試料の交換にも適用することができる。また、プラズマやビームの種類も限定されない。
本発明の物品交換機構を適用することができるイオン注入装置の一例を示す概略図である。 本発明の第1実施形態にかかる物品交換機構の構成を示す断面図である。 本発明の第1実施形態にかかる図であって、交換用容器を真空容器に対して固定するための固定手段の別の構成例を示す図である。 本発明の第1実施形態の物品交換機構を用いた物品交換方法を説明する図である。 本発明の第1実施形態の物品交換機構を用いた物品交換方法を説明する図である。 本発明の第1実施形態の物品交換機構を用いた物品交換方法を説明する図である。 本発明の第1実施形態の物品交換機構を用いた物品交換方法を説明する図である。 本発明の第1実施形態の物品交換機構を用いた物品交換方法を説明する図である。 本発明の第1実施形態の物品交換機構を用いた別の物品交換方法を説明する図である。 本発明の第2実施形態にかかる物品交換機構の構成を示す断面図である。 特許文献1に開示されたイオン源の構成図である。 特許文献2に開示されたイオン源の構成図である。
符号の説明
1 物品交換機構
2 プラズマ発生室
3 フィラメント
3a 旧フィラメント
3b 新フィラメント
4 真空容器(プラズマ生成容器)
4a 台座部
4b 容器用台座
5 開口部
6 支持部品
7 フランジ
8 接続部品
9 取付部品
10 交換用容器
10a 観察窓
11 フランジ部
12 交換ユニット
13 ユニット支持機構
14 操作軸
15 電流導入端子
17 ガスポート
18 操作部材
19 補助拘束部品
20 ブランクフランジ
21 物品支持移動機構
22 バルブ
23 真空機構
24 大気吸引管
25 吸引装置
26 復圧機構
27 ベントガス導入管
29 ガスボンベ
30 固定手段
31,37 ボルト
33 フック
34 リンク
35 レバー

Claims (7)

  1. 真空容器内に設置される物品を交換するための物品交換機構であって、
    前記物品が通る大きさの開口部を有する真空容器と、
    前記物品を支持し且つ前記開口部を気密に開閉可能な2つの交換ユニットと、
    該真空容器の外壁の第1及び第2の取付位置に着脱可能であり、それぞれ、前記交換ユニットと解除可能に連結して、前記交換ユニットを前記真空容器の内外間を前記物品が前記開口部を通って移動するように支持する2つのユニット支持機構と、
    前記開口部を覆うとともに、2つの交換ユニットを内部に収容する状態で前記真空容器に気密に取り付け可能であり且つ取り外し可能な交換用容器と、
    該交換用容器を気密状態で貫通し前記第1及び第2の取付位置に取り付けられた2つのユニット支持機構の各々と解除可能に連結して該2つのユニット支持機構を動作させる複数の操作部材と、
    前記交換用容器の内部を真空状態にする真空機構と、
    前記交換用容器の内部を真空状態から所定圧力まで戻す復圧機構と、を備え、
    前記真空容器は、イオン注入装置、中性化装置またはスパッタ装置におけるイオン源であり、
    前記物品は、前記真空容器がイオン注入装置におけるイオン源である場合、フィラメントであり、前記真空容器が中性化装置におけるイオン源である場合、カソードであり、前記真空容器がスパッタ装置におけるイオン源である場合、試料であることを特徴とする物品交換機構。
  2. 前記各ユニット支持機構は、前記操作部材と連結可能な操作軸と、前記真空容器の外壁に着脱可能であり前記操作軸を回転可能に支持する取付部品と、前記操作軸と前記交換ユニットとを接続する接続部品とを有し、
    前記各操作部材は、前記各操作軸のうち連結相手となるものの回転軸心と同心で回転可能である請求項1記載の物品交換機構。
  3. 真空容器内に設置される物品を交換するための物品交換機構であって、
    前記物品が通る大きさの開口部を有する真空容器と、
    該真空容器の外壁の異なる2箇所に設置され、それぞれ前記開口部を気密に開閉可能であり、前記物品を支持して、該物品を前記開口部を通して前記真空容器の内外間で移動させるように動作する一対の物品支持移動機構と、
    前記開口部を覆うとともに、前記一対の物品支持移動機構を内部に収容する状態で前記真空容器に気密に取り付け可能であり且つ取り外し可能な交換用容器と、
    該交換用容器を気密状態で貫通し前記一対の物品支持移動機構の各々と連結して該一対の物品支持移動機構を動作させる複数の操作部材と、
    前記交換用容器の内部を真空状態にする真空機構と、
    前記交換用容器の内部を真空状態から所定圧力まで戻す復圧機構と、を備え、
    前記真空容器は、イオン注入装置、中性化装置またはスパッタ装置におけるイオン源であり、
    前記物品は、前記真空容器がイオン注入装置におけるイオン源である場合、フィラメントであり、前記真空容器が中性化装置におけるイオン源である場合、カソードであり、前記真空容器がスパッタ装置におけるイオン源である場合、試料であることを特徴とする物品交換機構。
  4. 前記各物品支持移動機構は前記真空容器の外壁に回転可能に連結されており、前記各操作部材は、前記各物品支持移動機構のうち連結相手となるものの回転軸心と同心で回転可能である請求項3記載の物品交換機構。
  5. 前記交換用容器に、該交換用容器の内部を観察するための透明材料からなる観察窓が設けられている請求項1又は3記載の物品交換機構。
  6. 請求項1記載の物品交換機構を用いて、真空容器内に設置される物品を交換するための物品交換方法であって、
    前記交換ユニットに旧物品が支持されて前記真空容器内に設置されている状態から、
    (a)新物品を支持する交換ユニットに対応する前記ユニット支持機構を前記真空容器の一方の取付位置に取り付ける工程、
    (b)新物品を支持する交換ユニットと対応する前記ユニット支持機構とを連結する工程、
    (c)旧物品を支持する交換ユニットに対応する前記ユニット支持機構を前記真空容器の他方の取付位置に取り付ける工程、及び
    (d)旧物品を支持する交換ユニットと対応するユニット支持機構とを連結する工程、
    を任意の順序で行い、
    次に前記開口部を覆うとともに2つの前記交換ユニットを収容するように前記真空容器に前記交換用容器を気密に取り付け、次に前記交換用容器内を真空状態とし、次に前記交換用容器に気密に貫通させた操作部材を操作して、旧物品を支持している前記交換ユニットを、旧物品が前記真空容器内から前記交換用容器内に移動するように動作させ、次に前記交換用容器に気密に貫通させた別の操作部材を操作して、新物品を支持している前記交換ユニットを、新物品が前記交換用容器内から前記真空容器内に移動するように動作させ、次に前記交換用容器内を真空状態から所定圧力まで戻し、次に前記交換用容器を前記真空容器から取り外し、
    次に、
    (e)新物品を支持する交換ユニットに対応する前記ユニット支持機構を前記真空容器から取り外す工程、
    (f)新物品を支持する交換ユニットと対応する前記ユニット支持機構との連結を解除する工程、
    (g)旧物品を支持する交換ユニットに対応する前記ユニット支持機構を前記真空容器から取り外す工程、及び
    (h)旧物品を支持する前記交換ユニットと対応するユニット支持機構との連結を解除する工程、
    を任意の順序で行う、ことを特徴とする物品交換方法。
  7. 請求項3記載の物品交換機構を用いて、真空容器内に設置される物品を交換するための物品交換方法であって、
    一方の前記物品支持移動機構に旧物品が支持されて前記真空容器内に設置されている状態から、新物品を他方の前記物品支持移動機構に取り付け、次に前記開口部を覆うとともに前記一対の物品支持移動機構を収容するように前記真空容器に交換用容器を気密に取り付け、次に前記交換用容器内を真空状態とし、次に前記交換用容器に気密に貫通させた操作部材を操作して、前記一方の物品支持移動機構を、旧物品が前記真空容器内から前記交換用容器内に移動するように動作させ、次に前記交換用容器に気密に貫通させた別の操作部材を操作して、前記他方の物品支持移動機構を、新物品が前記交換用容器内から前記真空容器内に移動するように動作させ、次に前記交換用容器内を真空状態から所定圧力まで戻し、次に前記交換用容器を前記真空容器から取り外し、次に旧物品を前記一方の物品支持移動機構から取り外し、ことを特徴とする物品交換方法。
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