JP2008245159A - 音響信号発生装置および方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】デジタル信号処理により低コストで理想球面波に近い過渡特性が得られるようにする。
【解決手段】第1の音響信号を発生する第1のスピーカと、第2の音響信号を発生する第2のスピーカと、残響成分を含まない直接波の所望インパルス応答を算出する第1の算出部と、所望インパルス応答が得られるような制御フィルタ係数を求める第2の算出部と、第1のスピーカからの音の伝達と第2のスピーカからの音の伝達とが因果律を満たすような遅延量を算出する第3の算出部と、入力信号を遅延処理する遅延部と、制御フィルタ係数を用いて入力信号をフィルタ処理する制御フィルタ部と、を具備し、第1のスピーカは遅延部による遅延処理後の入力信号にしたがって第1の音響信号を発生し、第2のスピーカは制御フィルタ部によるフィルタ処理後の入力信号にしたがって第2の音響信号を発生する。
【選択図】図1

Description

本発明は、二次音源スピーカを用いて主音源スピーカから発生する音響波の音質を向上する音響信号生成装置および方法に関する。
スピーカの音質に関して、低音域周波数特性についてはデジタル信号処理を駆使して多くの改善がなされている。例えば、主音源スピーカから発生する音響波の低音域における周波数特性を、デジタルフィルタを用いた信号処理により改善する手法が既に知られている。
音質劣化原因のひとつである過渡特性については音の発生部材の改善を行うのが一般的である。例えば高級オーディオ製品では、スピーカコーン、スピーカコーンを支えるエッジ部、およびエンクロージャ等の材質あるいは形状を変更することにより、ひずみ、共振、及び共鳴等の発生を回避するようにしている。
誠文堂新光社 監修 佐伯多門 「スピーカ&エンクロージャー百科」
過渡特性改善のために音の発生部材の材質や形状を変更する場合、加工費や材料費がコスト高となるし、その都度、個別の調整作業も必要である。したがって、民生スピーカなど大量に生産されて流通する製品においてはこのような材質変更等による過渡特性改善策はなかなか採用されにくいが、言うまでもなく高音質化を低コストで実現することが望まれている。
理想は、直接波のみが音響空間を伝搬し、かつ、その音圧の空間分布が球面波と同じものとなることである。これは、二次音源スピーカを用いた空間音場制御においても同様である。直接波以外の二次波成分が残響波として発生すると、理想球面波の近似精度劣化に伴い、音場制御における空間設計精度も悪化し、所望空間の実現が困難となる。
本発明は、デジタル信号処理により低コストで理想球面波に近い過渡特性が得られるような音響信号発生装置を提供することを目的とする。
本発明の一観点に係る音響信号発生装置は、第1の音響信号を発生する第1のスピーカと、第2の音響信号を発生する第2のスピーカと、前記第1のスピーカについて第1の空間インパルス応答を計測し、前記第2のスピーカについて第2の空間インパルス応答を計測する計測部と、前記第1の空間インパルス応答に窓掛けおよび遅延処理を行うことにより、残響成分を含まない直接波の所望インパルス応答を算出する第1の算出部と、前記所望インパルス応答が得られるような制御フィルタ係数を前記第1の空間インパルス応答および第2の空間インパルス応答から求める第2の算出部と、前記第1のスピーカからの音の伝達と前記第2のスピーカからの音の伝達とが因果律を満たすような遅延量を算出する第3の算出部と、前記入力信号を前記遅延量によって遅延処理する遅延部と、前記制御フィルタ係数を用いて前記入力信号をフィルタ処理する制御フィルタ部と、を具備し、前記第1のスピーカは前記遅延部による遅延処理後の入力信号にしたがって前記第1の音響信号を発生し、前記第2のスピーカは前記制御フィルタ部によるフィルタ処理後の入力信号にしたがって前記第2の音響信号を発生する。
本発明によれば、デジタル信号処理により低コストで理想球面波に近い過渡特性が得られるような音響信号発生装置を提供できる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係る音響信号発生装置のブロック図を図1に示す。本装置は、空間インパルス応答・周波数特性計測部1、所望インパルス応答を算出する算出部2、遅延量算出部3、制御フィルタ係数算出部4、および音響信号発生部20により構成されている。音響信号発生部20は、信号入力部5、信号遅延部6、制御フィルタ部7、D/A(デジタル/アナログ変換器)8a,8b、アンプ部9a,9b、主音源スピーカ10、および二次音源スピーカ11により構成されている。
本実施形態は、制御フィルタ係数算出部4により算出された制御フィルタ係数が制御フィルタ部7に設定され、直接波以外の二次波成分を打ち消すような制御音を二次音源スピーカ11から発生する。これにより主音源スピーカ10から発生する直接音以外の成分を除去し、空間に伝搬する音響波の音質を向上するというものである。
空間インパルス応答・周波数特性計測部1には、図2に示すように、空間特性事前同定処理の際に、校正信号発生部12と、主音源スピーカ10および二次音源スピーカ11から離れた位置に設置される音響信号検出部(マイク)21とが接続される。空間インパルス応答・周波数特性計測部1は、各スピーカ10,11と音響信号検出部21との間の空間インパルス応答および周波数特性を計測する。主音源スピーカ10と音響信号検出部21との間の空間インパルス応答および周波数特性を計測する再には、SW1をONにするとともにSW2を主音源スピーカ10側に接続する。二次音源スピーカ11と音響信号検出部21との間の空間インパルス応答および周波数特性を計測する再には、SW1をONにするとともにSW2を二次音源スピーカ11側に接続する。空間インパルス応答・周波数特性計測部1によって得られる計測信号は、所望インパルス算出部2に出力される。
所望インパルス応答を算出する算出部2では、図3に示すように、主音源スピーカ10のみを単独で鳴らしたときの波形33に窓フィルタ34を掛けるとともに遅延処理を行うことにより直接波の波形を切り出し、これを所望波形(所望インパルス応答)35とする。この切り出した所望波形となるように、二次音源スピーカ11から逆位相の音波を発生させる。この際、二次音源スピーカ11から逆位相の波形を生成する処理に要する時間分だけ、主音源スピーカ10から発生した音波に間に合わなくなる。そこで、主音源スピーカ10の前段に信号遅延部6が設けられている。
いま、制御フィルタ特性をg(n)、主音源スピーカ10から音響信号検出部21までの空間インパルス応答をh(n)、二次音源スピーカ11から音響信号検出部21までの空間インパルス応答をh(n)、遅延時間をτとする。主音源スピーカ10の近傍で所望波形d(n)が得られるようにするための制御フィルタg(n)を以下の式により算出することができる。この処理は制御フィルタ係数算出部4で行われる。
d(n)=h(n)*δ(n−τ)+h(n)*g(n)より、
∴g(n)=IFFT[FFT[d(n)−h(n)*δ(n−τ)]/H(jω)]
ここで、Hはhをフーリエ変換した周波数特性を表している。
これにより得られる信号遅延量および制御フィルタ係数は、信号入力部5の後段の信号遅延部6、制御フィルタ部7に転送される。そして、信号入力部5からの入力信号(デジタル信号)との畳み込み演算の結果、D/A(8a,8b)、アンプ(9a,9b)、スピーカ(10,11)を介して音波が放射される。これら音波の干渉により、二次波が抑制され、音質改善された音波が遠方に伝播する。
具体的に、図4に示すような実験システムにおける実証例を説明する。
まず、空間インパルス応答・周波数特性計測部1がsp.1−mic.1間のインパルス応答h(n)およびsp.2−mic.1間のインパルス応答h(n)を計測する。sp.1−mic.1間のインパルス応答h(n)は、主音源スピーカ10と音響信号検出部21との間のインパルス応答に相当し、sp.2−mic.1間のインパルス応答h(n)は、二次音源スピーカ11と音響信号検出部21との間のインパルス応答に相当する。計測結果を図5(a)(b)、図6(a)(b)に示す。図5(b)および図6(b)はそれぞれの周波数特性(周波数応答)を示している。
次に、所望インパルス算出部2がh(n)*δ(n−τ)に窓フィルタ(ハニング窓)w(n)を掛けて残留波をできるだけ削除し、直接波ピークが1本卓越する所望インパルスd(n)を生成する。図5(a)から切り出した所望インパルス特性dを図7に示し、これをフーリエ変換して得た周波数特性を図8に示す。
次に、因果律を満足するための遅延時間を遅延量算出部3が算出する。因果律が満足しているとは、主音源からの音が音響信号検出部21に伝わるよりも、二次音源からの音が音響信号検出部21に伝わる方が早いことを意味する。図4では主音源スピーカ10の方が二次音源スピーカ11よりも音響信号検出部21側に設置されていることから、仮に二次音源と同時に音を鳴らした場合は主音源の方が先に届いてしまう。そこで、主音源に遅延を与え、二次音源の方が先に伝わるようにする。遅延算出方法は以下のとおりである。
まず、遅延ポイント数をゼロとし(すなわち遅延させない状態)、次式(1)にしたがい算出した制御フィルタgを図9に示す。
Figure 2008245159
ここで、FFTポイント数は例えば65536点とする。この数値自体は意味あるものでなく、用いた計測器上の仕様で決まるものであるが、遅延ポイント数の算出方法を明示するために必要なことから記載した。
図9によると、因果律を満足していないため、後半部分に非因果項90が算出されていることがわかる。つまり、二次音源スピーカ11からの音が主音源スピーカ10からの音よりも先に音響信号検出部21に伝わっていない。そこで、遅延ポイントを1000に増やす。その結果を図10に示す。最大ピーク(直接波成分)は前半部に変換され、因果律を満足し始めたが、依然として残響波分が非因果項91として後半部に残っている。さらに、遅延ポイント数を10000とした場合を図11に示す。残響分も含めてすべて前半部に反映され、因果律を満足していることがわかる。
次に、制御フィルタ係数算出部4は、制御フィルタG(周波数応答)に対して、周波数領域で次式(3)(4)に示すフィルタ窓Wを掛ける。
Figure 2008245159
さらに次式(5)(6)にしたがい、制御フィルタg(インパルス応答)に、一波目を中心とする長さ20ポイントの時間領域におけるハニング窓w(図12参照)を掛けて図13に示すような制御フィルタgを算出する。
Figure 2008245159
ここで、|g(n)|はn=9993で最大値をとり、ハニング窓w(n)は中心がn=9993、長さ8192ポイントの窓となる。窓掛けを行うと、制御フィルタg(n)=0(n=1,・・・,5897)となり、このフィルタ係数0を省略すると、遅延は10000−5897=4103ポイントとなる。これは次式(7)で表すことができる。
遅延ポイント数=FFTポイント+W(n)の窓長/2−n(maxゼロ遅延)
=65536+8192/2−65529=4103...(7)
n(maxゼロ遅延)のポイントとは、遅延ゼロ、つまり図9において絶対値(|g(n)|)の最大ピークをとるポイント数に相当する。
図9では後半を拡大していないため、最大ピーク位置はFFTポイント数(終端)と一致しているように見られるが、実際はFFTの終端65536点よりも少ない65529点目に現れている。
式(7)の意味は、n=W(n)の窓長/2で|g(n)|が最大値をとるように、遅延を与えると解釈できる。あるいは、4103≒W(n)の窓長/2のため、次式(8)で遅延を決定してもよい。
遅延ポイント数=W(n)の窓長/2...(8)
算出された制御フィルタg(n)の所望インパルス特性、すなわち、制御フィルタ特性を図14に示し、これをフーリエ変換して得た周波数特性を図15に示す。
この段階に着目すると、図14に示すように約1×10000ポイント上のピーク波形から約2×10000まで残響が発生し、制御フィルタ長は長くなってしまう。実際に制御装置に実装する上では、計算負荷を軽減する観点からフィルタ長は短い方が望ましい。そこで、対象周波数を15kHzとし、G(jω)に図16に示すフィルタ窓を掛けて図17に示すG(jω)を得る(次式(9))。
Figure 2008245159
図17のG(jω)周波数応答を逆フーリエ変換して求めた制御フィルタg(n)を図18に示す。残響波は約5000点で収束(窓長5000/48000sec)し、フィルタ長が短くなっていることがわかる。
このような制御フィルタを用いて音源(主音源スピーカ10+二次音源スピーカ11)から音響信号検出部21までのインパルス応答および周波数応答を求めた結果を図19および図20に示す。これらを図21および図22に示す目標特性と比較してみると、二次波が軽減され、周波数も窓上限18kHzまで目標の特性に近づいた。所望信号を設定した音響信号検出部21では目標値にほぼ一致し、本実施形態の有効性を確認した。
以上説明したように、遅延ポイント数を算出するにあたり、時間領域での窓掛けを行い、さらに最終的に算出する制御フィルタgのフィルタ長を短くする目的で周波数領域の窓掛けを行うことが好ましい。ここで、制御フィルタgのフィルタ長を短くする目的に対しては、さらに時間領域による窓掛けを行うことが好ましい。最終的に必要とされる制御フィルタgは時間領域のため、直接、時間領域での窓を掛けることで所望のフィルタ長を設計することができるからである。
前述のとおり、高音質化を実現するには時間領域では直接波のピークが1本のインパルス特性が望ましく、周波数領域では高周波までフラットな周波数特性が望ましい。
図23は周波数領域での窓掛けにより算出したインパルス特性、図24はこれをフーリエ変換した周波数特性を示している。一方、図25は時間領域での窓掛けにより算出したインパルス特性、図26はこれをフーリエ変換した周波数特性を示している。
後者の図25から分かるように、横軸は直接波ピーク付近の波形を詳細に見るために拡大しているが、残響のない理想的なピークが形成され、図26の周波数特性も高音域までフラット化が実現できている。これに対して前者の図23は残響波こそ見受けられないが、直接波ピーク時刻の直後にも負のピーク(残留分)がわずかに現れている。図24の周波数特性も図26に比べて20kHzで劣化していることがわかる。したがって、時間領域での窓掛けは周波数領域の窓掛けに比べて、直接、制御フィルタを加工できることからより高音質化を実現できる。
以上説明したように、第1の実施形態によれば、直接波以外の二次波成分を打ち消すような制御音を二次音源スピーカ11から発生する。これにより主音源スピーカ10から発生する直接音以外の成分を除去し、空間に伝搬する音響波の音質を向上することができる。したがって、デジタル信号処理により低コストで理想球面波に近い過渡特性が得られるような音響信号発生装置を提供できる。
(第2の実施形態)
図27は第2の実施形態に係る音響信号発生装置を示すブロック図である。
主音源スピーカ10と二次音源スピーカ11とを互いに対向するように配置することを特徴としている。その他の構成は第1の実施形態と同様である。
図1に示したように主音源スピーカ10と二次音源スピーカ11を横に並べて設置すると、スピーカ間距離が大きくなるためにスピーカ正面以外の地点では各スピーカからの距離に差がある。このため干渉むらが生じ、所望波形dが得られなくなる。
そこで本実施形態のように主音源スピーカ10と二次音源スピーカ11とを互いに対向するように配置すると、スピーカ間距離は短くなる。したがって、広範囲で所望波形を得ることができる。
(第3の実施形態)
図28は第3の実施形態に係る音響信号発生装置を示すブロック図である。
第3の実施形態は、主音源スピーカ10を支持するスピーカエンクロージャ36内の背面に、二次音源スピーカ11を配置していることを特徴とする。主音源スピーカ10の振動面は音を透過させる働きがあることから、その背面に設置した二次音源スピーカ11からの音波も主音源スピーカ10の振動面を透過し、結果として主音源からの音波とエンクロージャ外部正面で干渉する。図27に示したスピーカ対向型と比べて、スピーカ放射面を点音源近似、球面波伝播させることはできないものの、図1のスピーカを横に並べるよりは点音源化が可能となり、広範囲で所望波形を得ることができる。
従来型の高音質スピーカはスピーカボックスの剛性を強化することで過渡ひずみ(残留波成分)を抑制するようにしている。これに対し本実施形態は、そのような剛性強化策に代えて、二次音源スピーカ11を設けて上述した制御を行うことにより同等の効果を得ることができる。
(第4の実施形態)
図29は第4の実施形態に係る音響信号発生装置を示すブロック図である。
本実施形態は、第1の実施形態の構成に対し、音響信号検出部21(マイク)により検出された音響信号の波形を判定する音響波形判別部13を付加したものである。
音響信号検出部21で検出した波形が所望インパルス算出部2で予想する波形と合致しているかどうかを音響波形判別部13によって判別することで主音源スピーカ10から発生する直接音以外の成分の除去精度を向上させることを特徴とする。
スピーカシステムは振動面、エッジ面などの消耗材料で構成され、経時変化を伴いやすい。また、音量の違いによって非線形性が増大する。したがって、計測部1による実測値から求めた所望インパルス応答の波形は必ずしも不変でよいとは限らない。音響波形判定部13は、インパルス応答波形の経時変化の度合いを判定し、初期に同定した波形と差異が生じたときは、再度、所望インパルス応答を生成し直すように所望インパルス算出部2と遅延量算出部3に指示する。
(第5の実施形態)
図30は第5の実施形態に係る音響信号発生装置を示すブロック図である。
本実施形態では、校正信号発生部12、アンプ部22、スピーカ振動検出部30、および空間インパルス応答・周波数特性計測部1が空間特性事前同定処理部37を構成している。スピーカ振動検出部30を設けることで、常に、スピーカの放射状態を監視し、空間インパルス応答・周波数特性の同定を人手による介在なしで更新できるようにしたものである。
スピーカ振動検出部30がセンサ37を介して所定量以上の振動を検出すると、空間特性事前同定処理部37に制御が切り替わる。これによりSW1がONし、校正信号発生部12から校正信号が出力され、アンプ部22に供給される。まず、SW2が主音源スピーカ10側に接続されるとともにSW3がアンプ部22側に接続される。これにより、主音源スピーカ10についての空間インパルス応答・周波数特性計測が行われる。次に、SW2が二次音源スピーカ11側に接続されるとともにSW3がアンプ部22側に接続される。これにより、二次音源スピーカ11についての空間インパルス応答・周波数特性計測が行われる。これらの計測によって得られた信号は、空間インパルス応答・周波数特性計測1から所望インパルス算出部2に送られる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
第1の実施形態に係る音響信号発生装置のブロック図 空間特性事前同定処理を示す図 所望インパルス応答算出について説明するための図 実験システムを示す図 sp.1−mic.1間のインパルス応答を示すグラフ sp.1−mic.1間の周波数応答を示すグラフ sp.2−mic.1間のインパルス応答を示すグラフ sp.2−mic.1間の周波数応答を示すグラフ 遅延数0で算出した制御フィルタを示すグラフ 遅延数1000で算出した制御フィルタを示すグラフ 遅延数10000で算出した制御フィルタを示すグラフ 時間領域におけるハニング窓を示すグラフ 時間領域におけるハニング窓と制御フィルタを示すグラフ 時間領域における制御フィルタを示すグラフ 周波数領域における制御フィルタを示すグラフ フィルタ窓の特性を示すグラフ 窓フィルタ後の制御フィルタの周波数応答を示すグラフ 図17の周波数応答をフーリエ変換して得られた制御フィルタを示すグラフ 算出したインパルス応答を示すグラフ 算出した周波数応答を示すグラフ 所望インパルス応答を示すグラフ 所望周波数応答を示すグラフ 周波数領域での窓掛けによって算出されたインパルス特性を示すグラフ 図23のインパルス特性をフーリエ変換して得られた周波数特性を示すグラフ 時間領域での窓掛けにより算出したインパルス特性を示すグラフ 図25のインパルス特性をフーリエ変換して得られた周波数特性を示すグラフ 第2の実施形態に係る音響信号発生装置を示すブロック図 第3の実施形態に係る音響信号発生装置を示すブロック図 第4の実施形態に係る音響信号発生装置を示すブロック図 第5の実施形態に係る音響信号発生装置を示すブロック図
符号の説明
1…空間インパルス応答・周波数特性計測部;
2…所望インパルス算出部;
3…遅延量算出部;
4…制御フィルタ係数算出部;
5…信号入力部;
6…信号遅延部;
7…制御フィルタ部;
8a,8b…D/A;
9a,9b…アンプ部;
10…主音源スピーカ;
11…二次音源スピーカ

Claims (9)

  1. 第1の音響信号を発生する第1のスピーカと、
    第2の音響信号を発生する第2のスピーカと、
    前記第1のスピーカについて第1の空間インパルス応答を計測し、前記第2のスピーカについて第2の空間インパルス応答を計測する計測部と、
    前記第1の空間インパルス応答に窓掛けおよび遅延処理を行うことにより、残響成分を含まない直接波の所望インパルス応答を算出する第1の算出部と、
    前記所望インパルス応答が得られるような制御フィルタ係数を前記第1の空間インパルス応答および第2の空間インパルス応答から求める第2の算出部と、
    前記第1のスピーカからの音の伝達と前記第2のスピーカからの音の伝達とが因果律を満たすような遅延量を算出する第3の算出部と、
    前記入力信号を前記遅延量によって遅延処理する遅延部と、
    前記制御フィルタ係数を用いて前記入力信号をフィルタ処理する制御フィルタ部と、を具備し、
    前記第1のスピーカは前記遅延部による遅延処理後の入力信号にしたがって前記第1の音響信号を発生し、
    前記第2のスピーカは前記制御フィルタ部によるフィルタ処理後の入力信号にしたがって前記第2の音響信号を発生する音響信号発生装置。
  2. 前記第1のスピーカと前記第2のスピーカを対向配置したこと特徴とする請求項1に記載の音響信号発生装置。
  3. 前記第1のスピーカを支持するスピーカエンクロージャをさらに具備し、前記第2のスピーカを前記スピーカエンクロージャ内の背面に配置したことを特徴とする請求項1に記載の音響信号発生装置。
  4. 前記第1および第2のスピーカから発生した音響信号の波形が前記所望インパルス応答の波形と合致しているか否かを判定する波形判別部をさらに具備する請求項1乃至3のいずれかに記載の音響信号発生装置。
  5. 前記第1および第2のスピーカの振動を検出する検出部と、
    前記振動を検出した際に、前記第1および第2の空間インパルス応答を再計測するよう前記計測部に指示する制御部とをさらに具備する請求項1乃至4のいずれかに記載の音響信号発生装置。
  6. 前記第2の算出部は、次式にしたがって前記制御フィルタ係数の算出を行う請求項1記載の音響信号発生装置。
    Figure 2008245159
  7. 前記第2の算出部は、前記制御フィルタGに対して、周波数領域で次式に示すフィルタ窓Wを掛ける請求項6に記載の音響信号発生装置。
    Figure 2008245159
  8. 前記第2の算出部は、前記制御フィルタgに対して、時間領域で次式に示すフィルタ窓wを掛けることを特徴とする請求項6に記載の音響信号発生装置。
    Figure 2008245159
  9. 前記第2の算出部は、さらに、周波数領域で次式に示すフィルタ窓Wを掛けることを特徴とする請求項8に記載の音響信号発生装置。
    Figure 2008245159
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