JPH0833086A - アクティブ狭指向性スピーカ - Google Patents

アクティブ狭指向性スピーカ

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JPH0833086A
JPH0833086A JP19632994A JP19632994A JPH0833086A JP H0833086 A JPH0833086 A JP H0833086A JP 19632994 A JP19632994 A JP 19632994A JP 19632994 A JP19632994 A JP 19632994A JP H0833086 A JPH0833086 A JP H0833086A
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JP
Japan
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wave
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phase speaker
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JP19632994A
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English (en)
Inventor
Akira Yaoita
晃 八百板
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BIIBA KK
Original Assignee
BIIBA KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スピーカの指向特性を広い周波数帯域にわた
って鋭くすることのできるアクティブ狭指向性スピーカ
を提供するとともに、スピーカの指向角を可変とするこ
とのできるアクティブ狭指向特性スピーカを提供するこ
とを目的とする。 【構成】 正相スピーカ1と、逆相スピーカ2と、エン
クロージャー3とから成り、前記正相スピーカ1の音波
の発生源から放射された直接波が、微小な時間経過後
に、素元波が密接に並んで新たな波源となって回折波を
放射するフード4の先端Eの近傍に、前記直接波と前記
回折波との境界面に対して垂直、かつ、音波の進行方向
に前記逆相スピーカ2の音波を放射する開口面を設けた
ことを特徴とするアクティブ狭指向性スピーカ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、狭指向特性を有するス
ピーカに関するものであり、更には、狭指向特性スピー
カの指向角を可変とすることのできるスピーカに関す
る。
【0002】
【従来の技術】拡声装置の案内放送の音声や、美術館や
博物館又は展示会場などの展示説明用に用いられる視聴
覚機器の音声は、これらの情報を必要とする特定の範囲
内にいる人にとっては必要な音であっても、情報を必要
としない周囲の人にとっては不要な騒音となって不快感
を与える場合も少なくない。
【0003】従来より、拡声装置にあっては、指向性ス
ピーカとしてホーンスピーカや平面型スピーカなどが用
いられ、また、近年では、狭指向性のスピーカとして、
超音波に対する空気の非線形相互作用を利用した音声出
力装置が開発されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のホーンスピーカ
は、低い周波数帯域まで鋭い指向性を得ることが難し
い、低域を出すためには形状が大きくなりすぎる、室内
での使用には向かない、などの問題があった。
【0005】平面型スピーカは、低音がスピーカ側面へ
も回折して大きく回り込むため、広い帯域の指向特性を
一様に高めることは難しい。
【0006】また、超音波によるスピーカにあっては、
振幅変調超音波によって実用レベルの可聴音を発生させ
るためには、低い変換効率を補うための大型の電力増幅
器が必要となったり、極めて強力な超音波音場から受聴
音を保護するための音響フィルターが必要となったりす
るなど、装置が大がかりで、高価なものになるため、手
軽に使えないという問題があった。
【0007】本発明が解決しようとする課題は、上述の
問題点に鑑み、スピーカの指向特性を広い周波数帯域に
わたって鋭くすることのできるアクティブ狭指向性スピ
ーカを提供するものであり、更には、スピーカの指向角
を可変とすることのできるアクティブ狭指向特性スピー
カを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、正相スピーカ
1と、逆相スピーカ2と、エンクロージャー3とから成
り、前記正相スピーカ1の音波の発生源から放射された
直接波が、微小な時間経過後に、素元波が密接に並んで
新たな波源となって回折波を放射するフード4の先端E
の近傍に前記直接波と前記回折波との境界面に対して垂
直、かつ、音波の進行方向に前記逆相スピーカ2の音波
を放射する開口面を設け、前記正相スピーカ1により放
射された音波と、前記逆相スピーカ2より放射された音
波との干渉により、双方の音波の波動エネルギーを消耗
させることによって、前記正相スピーカ1から放射され
る音波の指向角を制御するようにしたものである。
【0009】また、前記逆相スピーカ2の開口面を構成
する前記フード4の背面と、該フード4の背面と対向す
る前記エンクロージャー3の内面との間隔を、前記フー
ド4の開口径に対して十分小とすると良い。
【0010】更には、前記正相スピーカ1の出力に対す
る前記逆相スピーカ2の出力の比を増減することによっ
て、前記正相スピーカ1の指向角を可変とすることがで
きる。
【0011】また、進相回路10又は遅相回路11を信
号ラインに挿入することによって、前記正相スピーカ1
および前記逆相スピーカ2から放射される音波の双方の
音波の干渉点に於ける位相回転誤差を補正すると良い。
【0012】
【作用】正相スピーカ1の音を発生する音源の中心部か
ら放射された直接波は、微小な時間の経過後に、フード
4の開口正面前方へは直進する放射波となって伝搬し、
フード4によって影となる後方へは回折波として、フー
ド4先端E上の無限個の微小な素元波によって構成され
る新たな波源となって、伝搬されていく。回折波が放射
される位置近傍から逆相スピーカ2によって回折波と逆
相関係にある音波を放射し、正相スピーカ1から放射さ
れた音波と逆相スピーカ2から放射された音波との双方
の音波を互いに干渉させることによって、双方の音波の
波動エネルギーを消耗させ、狭指向特性を有するスピー
カを得ることができる。
【0013】また、フード4の背面を一方の壁面とし、
該壁面に対向するエンクロージャー3の内面をもう一方
の壁面とすることによって形成される逆相スピーカ2の
開口面の開口寸法を、フード4の開口径に対して十分に
小さくすると、逆相スピーカ2の開口面より放射される
音波は、正相スピーカ1の回折波の波元となる素元波の
有する音波伝搬特性と、同一と見なせる特性の指向性に
広がりのある波面となって放射される。しかるに、正相
スピーカ1から放射された音波と逆相スピーカ2から放
射された音波とが干渉作用をする位置での双方の音波の
伝搬状態は、同一の音源から放射され、2つの経路に分
かれて進む音波の一方の音波の位相を180°回転し、
残る一方の音波と再び合流させられたときと同じような
状態となり、双方の音波の波動エネルギーを干渉によっ
て効率良く消耗させることができる。
【0014】更に、正相スピーカ1の出力に対する逆相
スピーカ2の出力の比を増減することによって、正相ス
ピーカ1より放射された音波と逆相スピーカ2より放射
された音波との干渉による双方の音波の波動エネルギー
の消耗の度合いを変化させ、狭指向性スピーカの指向角
を可変とすることができる。
【0015】正相スピーカ1および逆相スピーカ2から
放射される音波の発生源から双方の音波の干渉点に至る
音波伝搬距離に差があると、位相特性の周波数に対する
傾斜があるため、周波数が高くなるに従って位相回転に
よる位相誤差が大きく出ることになり、干渉による波動
エネルギーの低減効率も低下する。そこで、交流信号の
周波数が増大するに従って入力波形に対する出力波形の
位相進みが増大する波形の出力の得られる進相回路10
や、交流信号の周波数が増大するに従って入力波形に対
する出力波形の位相遅れが増大する波形の出力の得られ
る遅相回路11を、正相スピーカ1又は逆相スピーカ2
の信号ラインに適宜に挿入し、音波伝搬距離の違いから
生ずる位相誤差が少なくなるように補正することによっ
て、干渉による波動エネルギーの低減効率を改善するこ
とができる。
【0016】
【実施例】
実施例1 本発明によるアクティブ狭指向性スピーカの実施例1
を、図1および図5によって説明する。図1は、本発明
による実施例1のアクティブ狭指向性スピーカの動作を
示すブロック図であり、図5は、本発明によるアクティ
ブ狭指向性スピーカの指向性パターン図の1例である。
図1において、1は正相スピーカ、2は逆相スピーカ、
3は正相スピーカ1および逆相スピーカ2を収納するエ
ンクロージャーであり、4は正相スピーカ1のフード、
5は音声信号の入力端子、6,7は電力増幅器、8は位
相反転器、9はレベル調整器であり、A,Aは直接
波面、B,Bは回折波面、C,Cは逆相波面、
Eはフード4の先端を示す。
【0017】正相スピーカ1は平面スピーカであり、該
平面スピーカの音波放射面外周より前方に漸次広がるフ
ード4が設けられ、フード4の先端Eによって囲まれる
面が正相スピーカ1の開口面となっている。正相スピー
カ1および逆相スピーカ2は、エンクロージャー3に収
納され、逆相スピーカ2は、フード4の背面と、該背面
と対向するエンクロージャー3の先端部内面とによっ
て、正相スピーカ1の音波の発生源から放射された直接
波とフード4の先端E近傍で発生される回折波との境界
面に対して垂直となる向きに、フード4の開口径よりも
十分小さな開口寸法とする逆相スピーカ2の開口面が形
成され、正相スピーカ1に隣接して正相スピーカ1と同
一方向に向けて設置されている。なお、逆相スピーカ2
の音波の発生源より放射された音波が、逆相スピーカ2
の開口面に達する距離と、正相スピーカ1の音波の発生
源より放射された音波が、正相スピーカ1のフード4の
先端Eに達する距離とが等しくなるようにしてある。
【0018】音声信号入力端子5は電力増幅器6に接続
されるとともに、位相反転器8に接続され、位相反転器
8の出力は,レベル調整器9を介して電力増幅器7に接
続され、電力増幅器6の出力は正相スピーカ1に、電力
増幅器7の出力は逆相スピーカ2にそれぞれ接続されて
いる。以上のように構成された本実施例1のアクティブ
狭指向性スピーカにおいて,以下その動作を説明する。
【0019】入力端子5より入力された音声信号は、電
力増幅器6で増幅され、正相スピーカ1によって空中に
音波となって放射されるが、正相スピーカ1は平面スピ
ーカであるから、音波放射面より放射された音波はフー
ド4によって形成される開口面中央部より正面前方へ向
けて平面波(A,A)として伝搬される。正相スピ
ーカ1によって放射されフード4の近傍を進んだ音波
は、フード4の先端Eで素元波となり、新たな波源とな
ってフード4によって影となる後方へ回折波(B,B
) として伝搬される。
【0020】一方、入力端子5より入力された音声信号
は、位相反転器8にも入力され、位相が180°回転さ
れた後、レベル調整器9でレベル調整され、電力増幅器
7で増幅され、逆相スピーカ2によって、空中に音波を
放射する。また、逆相スピーカ2の開口面の開口幅は正
相スピーカ1の開口径に対して十分に小さくしてあるか
ら、逆相スピーカ2の開口面より放射される音波は、正
相スピーカ1のフード4の先端Eで新たな波源となって
伝搬される素元波の有する伝搬特性と、位相関係が18
0°回転された逆相の音波であることを除いて、ほぼ同
一と見なせる特性の指向性に広がりのある波面(C
)となって放射される。
【0021】正相スピーカ1の音波によって生成される
素元波の発生点、つまり、フード4の先端Eと、逆相ス
ピーカ2により音波が放射される開口面の位置は、近似
的にほぼ同一の位置と見なすことができる程度に接近し
た位置関係にあり、ある瞬間に入力端子5へ入力された
音声信号は、正相スピーカ1と逆相スピーカ2とから、
双方の音波の位相関係が互いに逆相の関係を有する音波
として同時に放射され、微小な時間の経過後に、フード
4の近くを進行してきた正相スピーカ1の正相の音波
と、逆相スピーカ2の開口面から放射された逆相の音波
とは、フード4の先端Eおよび逆相スピーカ2の開口面
近傍で瞬時に干渉し合い、双方の波動エネルギーが効率
良く消耗される。
【0022】ここで、レベル調整器9の減衰度を増減
し、逆相スピーカ2より放射される音波の放射量を適宜
に調整すると、正相スピーカ1より放射される音波の波
動エネルギーは、逆相スピーカ2より放射される音波と
の干渉によって、消耗される度合いがコントロールされ
ることになり、正相スピーカ1から放射される音波の指
向角を任意に可変とすることができる。
【0023】レベル調整器9を可変にしたときのアクテ
ィブ狭指向性スピーカの指向性パターンの1例を図5に
示す。実線12はレベル調整器9の減衰度を最大にした
ときのアクティブ狭指向性スピーカによる指向性パター
ンであり、正相スピーカ1の出力は逆相スピーカ2の出
力によって影響を受けないので、指向角は正相スピーカ
1そのものの指向性を示す。点線13はレベル調整器9
の減衰度をやや小さくしたときのアクティブ狭指向性ス
ピーカの指向性パターンであり、太線14はレベル調整
器9の減衰度を更に小さくしたときの指向性パターン
で、アクティブ狭指向性スピーカより放射される音波の
指向角は、点線13よりも更に狭くなる。
【0024】実施例2 図2に基づいて実施例2を説明する。図2は、本発明に
よる実施例2のアクティブ狭指向性スピーカの動作を示
すブロック図である。図2において、図1と共通の部分
は同一符号を付してあり、10は進相回路である。
【0025】正相スピーカ1および逆相スピーカ2は平
面スピーカであり、正相スピーカ1の音波放射面外周よ
り前方へ向けてフード4が設けられ、フード4の先端E
によって囲まれる面が、正相スピーカ1の開口面となっ
ている。正相スピーカ1および逆相スピーカ2は、エン
クロージャー3に収納されており、逆相スピーカ2は、
正相スピーカ1のフード4の背面と、該背面と対向する
エンクロージャー3の内面とによって正相スピーカ1の
音波の発生源から放射された直接波とフード4の先端E
で発生される回折波との境界面に対して垂直となる向き
に、フード4の開口径よりも十分小さな開口寸法とする
逆相スピーカ2の開口面が形成され、正相スピーカ1の
後方同一軸上に正相スピーカ1と同一方向に向けて正相
スピーカ1に近接して設置されている。
【0026】音声信号入力端子5は電力増幅器6に接続
されるとともに、位相反転器8に接続され、位相反転器
8の出力は進相回路10に入力され、進相回路10の出
力は、レベル調整器9を介して電力増幅器7に接続され
る。電力増幅器6の出力は正相スピーカ1に、電力増幅
器7の出力は逆相スピーカ2にそれぞれ接続されてい
る。以上のように構成された本実施例2のアクティブ狭
指向性スピーカにおいて、以下その動作を説明する。
【0027】入力端子5より入力された信号は、電力増
幅器6で増幅され、正相スピーカ1によって空中に音波
となって放射されるが、正相スピーカ1は、平面スピー
カであり、フード4によって形成される開口面より正面
前方へ向けて平面波(A,A) として伝搬され
る。正相スピーカ1によって放射されフード4の近傍を
進んだ音波は、フード4の先端Eで素元波となり、新た
な波源となってフード4によって影となる後方へ回折波
(B,B)として伝搬される。
【0028】一方、入力端子5より入力された音声信号
は、位相反転器8にも入力され、位相が180°回転さ
れた後、進相回路10によって、交流信号の周波数が増
大するに従って、入力波形に対する出力波形の位相進み
が増大する波形の出力とされ、レベル調整器9でレベル
調整され、電力増幅器7で増幅されて、逆相スピーカ2
によって、空中に音波を放射する。
【0029】正相スピーカ1より放射され、微小な時間
経過後に、フード4の先端E近傍に達した音波は、
経過した微小な時間t分の周波数に対応した位相の回
転された波形の音波となっている。逆相スピーカ2より
放射され、微小な時間t経過後に、逆相スピーカ2の
開口面に達した音波は、正相スピーカ1により放射され
た音波と同様に位相回転されるが、t>tのため、
逆相スピーカ2から放射された音波の方が、周波数に対
応した回転角が大きくなることになるので、進相回路1
0によって、電気的に逆相スピーカ2により放射される
音波の回転角を周波数に対応して進めておくことによっ
て、音波の伝搬距離の違いから生ずる正相スピーカ1よ
り放射された音波と逆相スピーカ2より放射される音波
の位相回転による誤差を補正している。
【0030】また、逆相スピーカ2の開口面の開口幅は
正相スピーカ1の開口径に対して十分に小さくしてある
から、逆相スピーカ2の開口面より放射される音波は、
フード4の先端Eで新たな波源となって伝搬される素元
波の有する伝搬特性と、位相関係が180°回転された
逆相の音波であることを除いて、ほぼ同一と見なせる特
性の指向性に広がりのある波面(C,C)となって
放射される。
【0031】正相スピーカ1の音波によって生成される
素元波の発生点、つまり、フード4の先端Eと、逆相ス
ピーカ2により音波が放射される開口面の位置は、近似
的にほぼ同一の位置と見なすことができる程度に接近し
た位置関係にあり、ある瞬間に入力端子5へ入力された
音声信号は、フード4の近くを進行してきた正相スピー
カ1の正相の音波と、逆相スピーカ2の開口面から放射
された逆相の音波とは、フード4の先端Eおよび逆相ス
ピーカ2の開口面近傍で瞬時に干渉し合うため、双方の
音波の波動エネルギーが効率良く消耗される。
【0032】レベル調整器9の減衰度を適宜に調整する
ことによって、正相スピーカ1より放射される音波の指
向角を任意に可変できる。
【0033】実施例3 図3に基づいて実施例3を説明する。図3は、本発明に
よる実施例3のアクティブ狭指向性スピーカの動作を示
すブロック図である。図3において、図1と共通の部分
は同一符号を付してあり、11は遅相回路である。
【0034】正相スピーカ1および逆相スピーカ2は平
面スピーカであり、正相スピーカ1の音波放射面外周よ
り前方へ向けてフード4が設けられ、フード4の先端E
によって囲まれる面が、正相スピーカ1の開口面となっ
ている。正相スピーカ1および逆相スピーカ2は、エン
クロージャー3に収納されており、逆相スピーカ2は、
正相スピーカ1のフード4の背面と、該背面と対向する
エンクロージャー3の内面とによって正相スピーカ1の
音波の発生源から放射された直接波とフード4の先端E
で発生される回折波との境界面に対して垂直となる向き
に、フード4の開口径よりも十分小さな開口寸法とする
逆相スピーカ2の開口面が形成され、正相スピーカ1の
後方同一軸上に正相スピーカ1と同一方向に向けて正相
スピーカ1に近接して設置されている。
【0035】音声信号入力端子5は、遅相回路11に入
力されるとともに位相反転器8に接続され、遅相回路1
1の出力は、電力増幅器6に接続され、位相反転器8の
出力はレベル調整器9を介して電力増幅器7に接続され
ている。電力増幅器6の出力は正相スピーカ1に、電力
増幅器7の出力は逆相スピーカ2にそれぞれ接続されて
いる。以上のように構成された本実施例3のアクティブ
狭指向性スピーカにおいて、以下その動作を説明する。
【0036】入力端子5より入力された音声信号は、遅
相回路11によって、交流信号の周波数が増大するに従
って、入力波形に対する出力波形の位相遅れが増大する
波形の出力とされ、電力増幅器6で増幅され、正相スピ
ーカ1によって空中に音波となって放射されるが、正相
スピーカ1は、平面スピーカであり、フード4によって
形成される開口面より正面前方へ向けて平面波(A
)として伝搬される。正相スピーカ1によって放出
されフード4の近傍を進んだ音波は、フード4の先端E
で素元波となり、新たな波源となってフード4によって
影となる後方へ回折波(B,B)として伝搬され
る。
【0037】一方、入力端子5より入力された音声信号
は、位相反転器8にも入力され、位相が180°回転さ
れた後、レベル調整器9でレベル調整され、電力増幅器
7で増幅されて、逆相スピーカ2によって、空中に音波
を放射する。
【0038】正相スピーカ1より放射され、微小な時間
経過後に、フード4の先端E近傍に達した音波は、
経過した微小な時間t分の周波数に対応した位相の回
転された波形の音波となっている。逆相スピーカ2より
放射され、微小な時間t経過後に、逆相スピーカ2の
開口面に達した音波は、正相スピーカ1により放射され
た音波と同様に位相回転されるが、t>tのため、
逆相スピーカ2から放射された音波の方が、周波数に対
応した回転角が大きくなることになるので、遅相回路1
1によって、電気的に正相スピーカ1により放射される
音波の回転角を周波数に対応して遅らせておくことによ
って、音波の伝搬距離の違いから生ずる正相スピーカ1
により放射された音波と逆相スピーカ2より放射された
音波の位相回転による誤差を補正している。
【0039】また、逆相スピーカ2の開口面の開口幅は
正相スピーカ1の開口径に対して十分に小さくしてある
から、逆相スピーカ2の開口面より放射される音波は、
フード4の先端Eで新たな波源となって伝搬される素元
波の有する伝搬特性と、位相関係が180°回転された
逆相の音波であることを除いて、ほぼ同一と見なせる特
性の指向性に広がりのある波面(C,C)となって
放射される。
【0040】正相スピーカ1の音波によって生成される
素元波の発生点、つまり、フード4の先端Eと、逆相ス
ピーカ2により音波が放射される開口面の位置は、近似
的にほぼ同一の位置と見なすことができる程度に接近し
た位置関係にあり、ある瞬間に入力端子5へ入力された
音声信号は、フード4の近くを進行してきた正相スピー
カ1の正相の音波と、逆相スピーカ2の開口面から放射
された逆相の音波とは、フード4の先端Eおよび逆相ス
ピーカ2の開口面近傍で瞬時に干渉し合うため、双方の
音波の波動エネルギーが効率良く消耗される。
【0041】レベル調整器9の減衰度を適宜に調整する
ことによって、正相スピーカ1より放射される音波の指
向角を任意に可変できる。
【0042】実施例4 図4に基づいて実施例4を説明をする。図4は、本発明
による実施例4のアクティブ狭指向性スピーカの動作を
示すブロック図である。図4において、図1と共通の部
分は同一符号を付してあり、11は遅相回路である。
【0043】正相スピーカ1はコーンスピーカであり正
相スピーカ1の音波放射面外周より前方へ漸次広がるフ
ード4が設けられ、フード4の先端Eによって囲まれる
面が、正相スピーカ1の開口面となっている。正相スピ
ーカ1および逆相スピーカ2は、エンクロージャー3に
収納されており、逆相スピーカ2は、正相スピーカ1の
フード4の背面と、該背面と対向するエンクロージャー
3の内面とによって正相スピーカ1の音波の発生源から
放射された直接波とフード4の先端Eで発生される回折
波との境界面に対して垂直、かつ、直接波の進行方向に
向け、フード4の開口径よりも十分に小さな開口寸法と
する逆相スピーカ2の開口面が形成され、正相スピーカ
1に近接して設置されている。
【0044】音声信号入力端子5は電力増幅器6に接続
されるとともに、位相反転器8に接続され、位相反転器
8の出力は遅相回路11に入力され、遅相回路11の出
力は、レベル調整器9を介して電力増幅器7に接続され
ている。電力増幅器6の出力は正相スピーカ1に、電力
増幅器7の出力は逆相スピーカ2にそれぞれ接続されて
いる。以上のように構成された本実施例4のアクティブ
狭指向性スピーカにおいて、以下その動作を説明する。
【0045】入力端子5より入力された音声信号は、電
力増幅器6で増幅され、正相スピーカ1によって空中に
音波となって放射されるが、正相スピーカ1はコーンス
ピーカであり、フード4によって形成される開口面より
正面前方へ向けて漸次拡散する球面波(A,A)と
して伝搬される。正相スピーカ1によって放射されフー
ド4の近傍を進んだ音波は、フード4の先端Eで素元波
となり、新たな波源となってフード4によって影となる
後方へ回折波(B,B)として伝搬される。
【0046】一方、入力端子5より入力された音声信号
は、位相反転器8にも入力され、位相が180°回転さ
れた後、遅相回路11によって、交流信号の周波数が増
大するに従って、入力波形に対する出力波形の位相遅れ
が増大する波形の出力とされ、レベル調整器9でレベル
調整され、電力増幅器7で増幅されて、逆相スピーカ2
によって、空中に音波を放射する。
【0047】正相スピーカ1より放射され、微小な時間
経過後に、フード4の先端E近傍に達した音波、経
過した微小な時間t分の周波数に対応した位相の回転
された波形の音波となっている。逆相スピーカ2より放
射され、微小な時間t経過後に、逆相スピーカ2の開
口面に達した音波は、正相スピーカ1により放射された
音波と同様に位相回転されるが、t<tのため、正
相スピーカ1から放射された音波の方が、周波数に対応
した回転角が大きくなることになるので、遅相回路10
によって、電気的に逆相スピーカ2により放射される音
波の回転角を周波数に対応して遅らせておくことによっ
て、音波の伝搬距離の違いから生ずる正相スピーカ1に
より放射された音波と逆相スピーカ2より放射された音
波の位相回転による誤差を補正している。
【0048】また、逆相スピーカ2の開口面の開口幅は
正相スピーカ1の開口径に対して十分に小さくしてある
から、逆相スピーカ2の開口面より放射される音波は、
フード4の先端Eで新たな波源となって伝搬される素元
波の有する伝搬特性と、位相関係が180°回転された
逆相の音波であることを除いて、ほぼ同一と見なせる特
性の指向性に広がりのある波面(C,C)となって
放射される。
【0049】正相スピーカ1の音波によって生成される
素元波の発生点、つまり、フード4の先端Eと、逆相ス
ピーカ2により音波が放射される開口面の位置は、近似
的にほぼ同一の位置と見なすことができる程度に接近し
た位置関係にあり、ある瞬間に入力端子5へ入力された
音声信号は、フード4の近くを進行してきた正相スピー
カ1の正相の音波と、逆相スピーカ2の開口面から放射
された逆相の音波とは、フード4の先端Eおよび逆相ス
ピーカ2の開口面近傍で瞬時に干渉し合うため、双方の
音波の波動エネルギーが効率良く消耗される。
【0050】レベル調整器9の減衰度を適宜に調整する
ことによって、正相スピーカ1より放射される音波の指
向角を任意に可変できる。
【発明の効果】本発明によれば、スピーカより発せられ
た音波を、微小な時間の経過後に、放射された音波と逆
相の音波とを干渉させ、局部的に音波の波動エネルギー
を消耗させることによって狭指向性のスピーカを得るも
のであるから、指向制御をすることの難しい低い周波数
の音波をはじめ、広い周波数帯域の音波を一様に指向制
御することができる。また、ボリュームを回すだけで容
易に指向角を調節することができるため、業務用の狭指
向性スピーカとして、あるいは、一般家庭用のテレビの
スピーカなどとして、広範囲に利用することができ、非
常に便利なアクティブ狭指向性スピーカが得られる。ま
た、スピーカの音波放射面の外周に取付けられるフード
を大きな壁面とし、拡声スピーカの前方が開放された特
定のエリアを囲むブースを音場として設定すれば、壁面
によって囲まれたブース内以外の外部への、不必要な音
漏れによる障害を軽減することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1のアクティブ狭指向性スピー
カの動作を示すブロック図である。
【図2】実施例2のアクティブ狭指向性スピーカの動作
を示すブロック図である。
【図3】実施例3のアクティブ狭指向性スピーカの動作
を示すブロック図である。
【図4】実施例4のアクティブ狭指向性スピーカの動作
を示すブロック図である。
【図5】本発明によるアクティブ狭指向性スピーカの指
向性パターン図の1例である。
【符号の説明】 1 正相スピーカ 2 逆相スピーカ 3 エンクロージャー 4 フード 5 入力端子 6,7 電力増幅器 8 位相反転器 9 レベル調整器 10 進相回路 11 遅相回路 12,13,14 指向性パターン A1,A2 直接波面 B1,B2 回折波面 C1,C2 逆相波面 E フードの先端

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正相スピーカ(1)と、逆相スピーカ
    (2)と、エンクロージャー(3)とから成り、前記正
    相スピーカ(1)の音波の発生源から放射された直接波
    が、微小な時間経過後に、素元波が密接に並んで新たな
    波源となって回折波を放射するフード(4)の先端
    (E)の近傍に前記直接波と前記回折波との境界面に対
    して垂直、かつ、音波の進行方向に前記逆相スピーカ
    (2)の音波を放射する開口面を設け、前記正相スピー
    カ(1)により放射された音波と、前記逆相スピーカ
    (2)より放射された音波との干渉により、双方の音波
    の波動エネルギーを消耗させることによって、前記正相
    スピーカ(1)から放射される音波の指向角を制御する
    ようにしたことを特徴とするアクティブ狭指向性スピー
    カ。
  2. 【請求項2】 前記逆相スピーカ(2)の開口面を構成
    する前記フード(4)の背面と、該フード(4)の背面
    と対向する前記エンクロージャー(3)の内面との間隔
    を、前記フード(4)の開口径に対して十分小とするこ
    とを特徴とする請求項1記載のアクティブ狭指向性スピ
    ーカ。
  3. 【請求項3】 前記正相スピーカ(1)の出力に対する
    前記逆相スピーカ(2)の出力の比を増減することによ
    って、前記正相スピーカ(1)の指向角を可変とするこ
    とを特徴とする請求項1、2、記載のアクティブ狭指向
    性スピーカ。
  4. 【請求項4】 進相回路(10)又は遅相回路(11)
    を信号ラインに挿入することによって、前記正相スピー
    カ(1)および前記逆相スピーカ(2)から放射される
    音波の双方の音波の干渉点に於ける位相回転誤差を補正
    することを特徴とする請求項1、2、および3記載のア
    クティブ狭指向性スピーカ。
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