JP2008244073A - GaN系LED素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】照明用途に好適に用いることのできる、発光出力に優れたGaN系LED素子を提供すること。
【解決手段】上面110a、下面110bおよび側面110cを有する透光性基板110の上面110a側に、GaN系半導体結晶からなり発光ダイオード構造を備え透光性基板110よりも高い屈折率を有する半導体膜120が積層された、GaN系LED素子100において、透光性基板110の側面110c−2が、透光性基板110の上面110aに隣接する斜面110c−21を有しており、半導体膜120が透光性基板110の上面110上から斜面110c−21上にかけて形成されている。
【選択図】図2
【解決手段】上面110a、下面110bおよび側面110cを有する透光性基板110の上面110a側に、GaN系半導体結晶からなり発光ダイオード構造を備え透光性基板110よりも高い屈折率を有する半導体膜120が積層された、GaN系LED素子100において、透光性基板110の側面110c−2が、透光性基板110の上面110aに隣接する斜面110c−21を有しており、半導体膜120が透光性基板110の上面110上から斜面110c−21上にかけて形成されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、GaN系半導体を用いて発光ダイオード構造を構成してなる、GaN系LED素子に関する。
GaN系半導体は、化学式AlaInbGa1−a−bN(0≦a≦1、0≦b≦1、0≦a+b≦1)で表される化合物半導体であり、3族窒化物半導体、窒化物系半導体などとも呼ばれる。pn接合構造、ダブルヘテロ構造、量子井戸構造などの発光素子構造をGaN系半導体で構成したGaN系LED素子は、緑色〜近紫外の光を発生することが可能であり、これまで、信号機やディスプレイ装置等の用途で実用化されている。
図9(a)に、特許文献1に記載された従来のGaN系LED素子の断面図を示す。この図に示すGaN系LED素子300は、サファイアからなる透光性基板310の上面310a側に、GaN系半導体結晶からなる半導体膜320が積層された構造を有している。半導体膜320には、発光層322を挟んでn型層321とp型層323が積層されてなる発光ダイオード構造が含まれている。透光性基板310の側面310cは、その一部に、当該基板の上面310aに隣接する斜面310dを備えており、この斜面310dと半導体膜320の側面(傾斜している)とが、連続したひとつの面をなしている。この面上に、n型層321に接するように負電極330が形成されている。半導体膜320上(p型層323の表面上)には正電極340が形成されている。
サファイア基板上にGaN系半導体結晶からなる半導体膜を形成してなるLED素子中には、サファイアの屈折率がGaN系半導体結晶のそれよりも低いために、半導体膜をコアとする板状の導波路構造が形成される。そして、半導体膜中の発光層から放出される光の多くの部分は、この導波路構造に閉じ込められる。すなわち、導波路構造のコア中を伝播する伝播光となる。LED素子300は、この伝播光を効率よくLED素子の外部に取り出すことを目的として発明されたものであり、図9(b)に示すように、伝播光が半導体膜320の傾斜した側面上に設けられた負電極330によって透光性基板310側に向けて反射され、透光性基板310の下面310bに全反射臨界角よりも小さい角度で入射するように構成されている。
特開2004−119996号公報
現在、GaN系LED素子を照明用途に適用するための研究開発が盛んとなっているが、GaN系LED素子を照明用途において実用化するには、更なる高出力化が必要といわれている。本発明はかかる事情に鑑みなされたものであり、その主たる目的は、照明用途に好適に用いることのできる、発光出力に優れたGaN系LED素子を提供することにある。
本発明によれば、上記課題を解決するために、次の特徴を有するGaN系LED素子が提供される。
(1)上面、下面および側面を有する透光性基板の上面側に、GaN系半導体結晶からなり発光ダイオード構造を備え前記透光性基板よりも高い屈折率を有する半導体膜が積層された、GaN系LED素子において、前記透光性基板の少なくともひとつの側面が、当該透光性基板の上面に隣接する斜面を有しており、前記半導体膜が前記透光性基板の上面上から前記斜面上にかけて形成されている、ことを特徴とするGaN系LED素子。
(2)前記半導体膜の表面には前記斜面に沿って段が形成されている、前記(1)に記載のGaN系LED素子。
(3)前記半導体膜を構成するGaN系半導体結晶が、前記透光性基板の上面上においてC軸配向しており、前記斜面が該C軸配向したGaN系半導体結晶のA軸に平行である、前記(1)または(2)に記載のGaN系LED素子。
(4)前記斜面の傾斜が70度未満である、前記(3)に記載のGaN系LED素子。
(5)前記透光性基板がサファイアC面基板であり、前記斜面がサファイアのM軸に平行である、前記(3)または(4)に記載のGaN系LED素子。
(6)前記斜面の傾斜が約60度である、前記(5)に記載のGaN系LED素子。
(1)上面、下面および側面を有する透光性基板の上面側に、GaN系半導体結晶からなり発光ダイオード構造を備え前記透光性基板よりも高い屈折率を有する半導体膜が積層された、GaN系LED素子において、前記透光性基板の少なくともひとつの側面が、当該透光性基板の上面に隣接する斜面を有しており、前記半導体膜が前記透光性基板の上面上から前記斜面上にかけて形成されている、ことを特徴とするGaN系LED素子。
(2)前記半導体膜の表面には前記斜面に沿って段が形成されている、前記(1)に記載のGaN系LED素子。
(3)前記半導体膜を構成するGaN系半導体結晶が、前記透光性基板の上面上においてC軸配向しており、前記斜面が該C軸配向したGaN系半導体結晶のA軸に平行である、前記(1)または(2)に記載のGaN系LED素子。
(4)前記斜面の傾斜が70度未満である、前記(3)に記載のGaN系LED素子。
(5)前記透光性基板がサファイアC面基板であり、前記斜面がサファイアのM軸に平行である、前記(3)または(4)に記載のGaN系LED素子。
(6)前記斜面の傾斜が約60度である、前記(5)に記載のGaN系LED素子。
本発明の実施形態に係るGaN系LED素子は、発光出力に優れたものとなるので、照明用途をはじめとする、高出力が要求される用途において、好適に用いることができる。
本発明の好適な実施形態に係るGaN系LED素子は、上面、下面および側面を有する透光性基板の上面側に、GaN系半導体結晶からなり発光ダイオード構造を備え前記透光性基板よりも高い屈折率を有する半導体膜が積層された、GaN系LED素子であって、前記透光性基板の少なくともひとつの側面が、当該透光性基板の上面に隣接する斜面を有しており、前記半導体膜が前記透光性基板の上面上から前記斜面上にかけて形成されている、という特徴的な構成を有する。このように構成されたGaN系LED素子の構造例を図1および図2に示す。図1(a)はLED素子を半導体膜が形成された側から見た平面図であり、図1(b)は、このLED素子の、図1(a)のX−X線の位置における断面図であり、図2は、このLED素子の、図1(a)のY−Y線の位置における断面図である。
図1(b)および図2に断面図を示すように、GaN系LED素子100は、サファイアからなる透光性基板110の上面110a側に、GaN系半導体結晶からなる半導体膜120が積層された構造を有している。半導体膜120には、発光層122を挟んでn型層121とp型層123が積層されてなる発光ダイオード構造が含まれている。図3は、透光性基板110のみを抜き出して描いた斜視図であるが、透光性基板110は2種類の側面110−c1、110−c2を有しており、そのうち側面110−c2の方が、当該基板の上面110aに隣接する斜面110−c21を備えている。GaN系LED素子100において、半導体膜120は、その殆どが透光性基板の上面110a上を覆っているが、その一部に、この斜面110c−21上を覆う部分120aを有している。換言すれば、半導体膜120は、基板110の上面110aから斜面110c−21上にかけて形成されているということができる。また、半導体膜120の表面には、斜面110c−21に沿って段120bが形成されている。負電極130は、従来より知られているGaN系LEDと同様に、半導体膜120の一部をエッチングによって除去することにより露出したn型層121の表面上に形成されている。正電極140は、半導体層120の表面のうち、段120bの上側の面上に形成されている。正電極140は、p型層123上に拡がるように形成された拡散電極141と、該拡散電極141上の一部に形成されたパッド電極142とから構成されている。
GaN系LED素子100が従来のGaN系LED素子よりも高い発光出力を示す理由について、本発明者等は次のように考えている。即ち、このLED素子100では、透光性基板の上面110a側に積層された半導体膜120の一部が、あたかも、基板の下面110b側に向かって曲げられたかのような形状となっているが、そのために、図4(a)に示すように、半導体膜120中に閉じ込められた伝播光の一部が、この曲げられた部分(図2では120a)に集まる傾向があり、そして、その先端からLED素子の外部に放出され易くなっているものと、本発明者等は推定している。
GaN系LED素子100では、また、110c−21に沿って、半導体膜120の表面に段120bが形成されているが、この段は、図4(b)に示すように、半導体膜120中に閉じ込められた伝播光の一部を散乱させて、伝播光の伝播状態を不安定化させる働きを有すると推定される。伝播状態が不安定化すると、伝播光の導波路構造の外部への漏れ出し、すなわち、LED素子の外部への脱出が起こり易くなる。
次に、GaN系LED素子100の製造方法について説明する。
(基板の加工)
ウェハサイズのサファイアC面基板210を準備し、その上面210aに、図5に示すように、斜面210c−21を側壁面とする溝Tを、サファイアのM軸方向に平行に形成する。なお、図5〜図8では、サファイアのM軸方向が紙面に垂直な方向となっている。斜面210c−21は、LED素子100における斜面110c−21となる。後の工程で、溝Tの位置にてウェハを切断することから、溝Tの中心間隔Lは、作製しようとするLED素子の、サファイアのA軸方向の幅に合わせて設定する。溝Tの深さDは、例えば、1μm〜100μmとすることができるが、好ましくは2μm〜40μmであり、より好ましくは4μm〜20μmである。溝Tが浅過ぎると、LED素子における光取出し効率の改善効果が小さくなる傾向があり、溝Tが深過ぎると、1枚の基板上に形成できる素子の数が少なくなるため、LED素子の製造効率が低下する。斜面210c−21の傾斜Sは、70度未満であることが好ましく、より好ましくは60度以下である。傾斜Sが70度以上では、斜面210c−21上にGaN系半導体結晶が成長し難くなるために、所望の構造を得ることが難しくなる。溝Tの断面形状はV字形に限定されるものではなく、逆台形などであってもよいが、最も好ましいのはV字形である。断面V字形の溝は、後の工程でウェハを切断する際に、スクライブ溝に代えて用いることができる(割れの起点とすることができる)という利点がある。また、1枚の基板上に形成する素子の数をできるだけ多くする目的にとっても、溝Tの断面形状をV字形とするのが最も有利である。
(基板の加工)
ウェハサイズのサファイアC面基板210を準備し、その上面210aに、図5に示すように、斜面210c−21を側壁面とする溝Tを、サファイアのM軸方向に平行に形成する。なお、図5〜図8では、サファイアのM軸方向が紙面に垂直な方向となっている。斜面210c−21は、LED素子100における斜面110c−21となる。後の工程で、溝Tの位置にてウェハを切断することから、溝Tの中心間隔Lは、作製しようとするLED素子の、サファイアのA軸方向の幅に合わせて設定する。溝Tの深さDは、例えば、1μm〜100μmとすることができるが、好ましくは2μm〜40μmであり、より好ましくは4μm〜20μmである。溝Tが浅過ぎると、LED素子における光取出し効率の改善効果が小さくなる傾向があり、溝Tが深過ぎると、1枚の基板上に形成できる素子の数が少なくなるため、LED素子の製造効率が低下する。斜面210c−21の傾斜Sは、70度未満であることが好ましく、より好ましくは60度以下である。傾斜Sが70度以上では、斜面210c−21上にGaN系半導体結晶が成長し難くなるために、所望の構造を得ることが難しくなる。溝Tの断面形状はV字形に限定されるものではなく、逆台形などであってもよいが、最も好ましいのはV字形である。断面V字形の溝は、後の工程でウェハを切断する際に、スクライブ溝に代えて用いることができる(割れの起点とすることができる)という利点がある。また、1枚の基板上に形成する素子の数をできるだけ多くする目的にとっても、溝Tの断面形状をV字形とするのが最も有利である。
溝Tの形成方法に限定はないが、ウェットエッチングは同一の断面形状を有する溝を再現性よく形成することができること、また、大量生産に適していることから、最も好ましい方法である。その他、プラズマエッチング、反応性イオンエッチングなどのドライエッチング、V字形等の断面を有するダイシングソーを用いた切削加工などの方法も、好ましく用いることができる。ウェットエッチングで用いることのできるエッチング剤としては、塩酸、硝酸、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、硫酸、リン酸などが挙げられる。エッチング液は、加熱して用いることが好ましい。特に好ましいエッチング剤としては、リン酸、硫酸またはこれらの混合物が挙げられ、その場合、酸化ケイ素からなるエッチングマスクを好ましく用いることができる。リン酸と硫酸を体積比1:3〜5:1(リン酸:硫酸)で混合したエッチング液を用いることにより、側壁面の傾斜Sが約60度の、サファイアのM軸に平行な、断面V字形の溝を、簡便に形成することができる。この60度という角度は、LED素子の光取出し効率の改善のうえで好適な角度であるとともに、一枚の基板上に形成する素子の数をできるだけ多くするという観点でも、好ましい角度である。更に、側壁面の傾斜Sが60度のV溝は、ウェハを切断する工程において、スクライブ溝の代用として好適に用いることができる。
GaN系半導体結晶が成長する際に、転位欠陥の低減に有用なラテラル成長が生じるように、サファイア基板の上面210aに酸化ケイ素などからなるマスクを部分的に形成したり、あるいは、溝Tよりも浅い凹部を形成して該上面110aの表面を凹凸面にするといったことは、適宜行ってよい。
(半導体膜の形成)
次に、上面210aに溝Tを形成したサファイア基板210の、該上面側に、周知のMOVPE技術を用いてGaN系半導体結晶からなる半導体膜220を成長させる。その場合、まず、定法に従い、水素雰囲気中でのサーマルエッチングにより基板表面のクリーニングを行う。次に、GaN、AlGaNなどからなる低温成長バッファ層の形成を行う。次に、n型層を形成するために、キャリアガスに水素を用いて、Siを添加したGaN結晶を成長させる。このとき、サファイアのM軸に平行に形成した溝Tによって、GaN結晶のM軸方向の成長(サファイアのA軸に平行な方向の成長)が抑制されるために、図6に示すように、基板の上面210a上には、溝Tに面する傾斜した側面(ファセット面)Fを有する半導体膜220−1が形成される。
次に、上面210aに溝Tを形成したサファイア基板210の、該上面側に、周知のMOVPE技術を用いてGaN系半導体結晶からなる半導体膜220を成長させる。その場合、まず、定法に従い、水素雰囲気中でのサーマルエッチングにより基板表面のクリーニングを行う。次に、GaN、AlGaNなどからなる低温成長バッファ層の形成を行う。次に、n型層を形成するために、キャリアガスに水素を用いて、Siを添加したGaN結晶を成長させる。このとき、サファイアのM軸に平行に形成した溝Tによって、GaN結晶のM軸方向の成長(サファイアのA軸に平行な方向の成長)が抑制されるために、図6に示すように、基板の上面210a上には、溝Tに面する傾斜した側面(ファセット面)Fを有する半導体膜220−1が形成される。
GaN結晶の成長を続けると、やがて、図7に示すように、溝Tの側壁面である斜面210c−21上にも半導体膜220−2が形成される。サファイア基板の上面210a上における半導体膜220−1の厚さが2μm程度となったところで、その表面の平坦性を高くするために成長温度を上げると、斜面210c−21上に形成された半導体膜は、溝Tの底および半導体膜220−1の側面F上に向かって成長し始め、やがて、2つの半導体膜220−1、220−2がつながって、図8に示す断面形状を呈す半導体膜220が形成される。ただし、半導体膜220−1を構成する結晶と、半導体膜220−2を構成する結晶は、異なる方位を有することから、融合してひとつの結晶となることはない。基板の上面210a上におけるSiドープGaN結晶膜の厚さが約5μmとなったら、InGaN結晶を成長させて発光層を形成する。発光層はMQW構造とすることが好ましい。続いて、発光層の上に、Mgを添加したGaN系半導体結晶を成長させて、p型層を形成する。p型層は、AlGaN結晶からなるp型クラッド層の上に、GaN結晶からなるp型コンタクト層を積層した、2層構造とする。MOVPE法による半導体膜220の形成が完了した後、必要に応じて、p型層に添加したMgの活性化を促進するために、半導体膜220に対してアニーリング処理、電子線照射処理などを施すことができる。
(電極の形成、ウェハの分断)
半導体膜220上への正電極の形成、ドライエッチングによるn型層の部分的な露出、露出させたn型層の表面上への負電極の形成は、この分野における周知の方法を用いて行うことができる。正電極に含まれる拡散電極は、光反射性の電極としてもよいし、透光性の電極としてもよい。光反射性の電極には、発光層から放出される光が到達し得る部分(例えば、半導体膜と接する部分)に、Ag、Al、Rhなどを用いて形成した高反射膜を設けることが好ましい。光反射性の電極は、ITO(インジウム錫酸化物)、酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛などの酸化物半導体を用いて形成した透光性電極の上に、Ag、Al、Rhなどを用いて形成した高反射膜を積層して構成することもできる。拡散電極を光反射性の電極とする場合には、パッド電極を設けないで、拡散電極の表面をボンディングに用いるようにしてもよい。換言すると、拡散電極にオーミック電極とボンディング用の電極を兼用させてもよい。一方、拡散電極を透光性の電極とする場合は、ITOなどの酸化物半導体を用いて形成することが好ましい。電極形成が完了したら、負電極およびパッド電極の表面を除く、ウェハの半導体膜側の表面を、透光性の絶縁保護膜で被覆することが好ましい。
半導体膜220上への正電極の形成、ドライエッチングによるn型層の部分的な露出、露出させたn型層の表面上への負電極の形成は、この分野における周知の方法を用いて行うことができる。正電極に含まれる拡散電極は、光反射性の電極としてもよいし、透光性の電極としてもよい。光反射性の電極には、発光層から放出される光が到達し得る部分(例えば、半導体膜と接する部分)に、Ag、Al、Rhなどを用いて形成した高反射膜を設けることが好ましい。光反射性の電極は、ITO(インジウム錫酸化物)、酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛などの酸化物半導体を用いて形成した透光性電極の上に、Ag、Al、Rhなどを用いて形成した高反射膜を積層して構成することもできる。拡散電極を光反射性の電極とする場合には、パッド電極を設けないで、拡散電極の表面をボンディングに用いるようにしてもよい。換言すると、拡散電極にオーミック電極とボンディング用の電極を兼用させてもよい。一方、拡散電極を透光性の電極とする場合は、ITOなどの酸化物半導体を用いて形成することが好ましい。電極形成が完了したら、負電極およびパッド電極の表面を除く、ウェハの半導体膜側の表面を、透光性の絶縁保護膜で被覆することが好ましい。
負電極および正電極の形成後、サファイア基板210の下面に研削加工および/または研磨加工を施して、その厚さを200μm以下、より好ましくは150μm以下に減じる。そのうえで、ウェハを切断し、チップ状のLED素子100を得る。このとき、溝Tをスクライブ溝に代えて用いることができる。即ち、ウェハに外力を加えることによって、ウェハを該溝Tの位置で割ることができる。他の方向の切断に関しては、スクライビング、ダイシング、レーザ加工など、この分野で周知の方法を用いて行うことができる。
得られたGaN系LED素子100は、SMD(表面実装)型LEDパッケージ、砲弾型ランプ、LED素子が直接ユニット基板に実装されるチップオンボード(COB)型ユニットなど、各種の発光装置に用いることができる。LED素子は、基板、スラグ、リードフレーム、ユニット基板などの実装基材上に直接固定してもよいし、サブマウントを介して固定してもよい。その際、LED素子100は、半導体膜120側の面が発光装置の光取出し方向を向くように、実装基材の素子載置面上に固定してもよいし、反対に、基板110側の面が発光装置の光取出し方向を向くように、固定してもよい。後者のようにLED素子を固定する実装形態は、フリップチップ実装、フェースダウン実装などと呼ばれる。GaN系LED素子100の好ましい実装形態は、フリップチップ実装である。特に、拡散電極141を透光性電極としたうえで、フリップチップ実装することが好ましい。
以上、具体的な実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は上記具体例に限定されるものではない。
本発明のGaN系LED素子において、透光性基板はサファイア基板に限定されるものではない。上記の実施形態において、サファイア基板を、スピネル、酸化ガリウム、酸化亜鉛、LGO、NGO、LAOなどからなる基板に置き換えた場合にも、同様の効果が得られる。好ましい実施形態では、LED素子の光取出し効率を高めるために、透光性基板の下面を加工して凹凸面とすることができる。本発明のGaN系LED素子の製造に用いるGaN系半導体結晶の成長方法に限定はなく、MOVPE法(有機金属化合物気相成長法)、MBE法(分子ビームエピタキシー法)、HVPE法(ハイドライド気相成長法)、その他、公知の気相エピタキシャル成長法を適宜用いることができる。
100、300 GaN系LED素子
110、310 透光性基板
120、320 半導体膜
130、330 負電極
140、340 正電極
110、310 透光性基板
120、320 半導体膜
130、330 負電極
140、340 正電極
Claims (6)
- 上面、下面および側面を有する透光性基板の上面側に、GaN系半導体結晶からなり発光ダイオード構造を備え前記透光性基板よりも高い屈折率を有する半導体膜が積層された、GaN系LED素子において、
前記透光性基板の少なくともひとつの側面が、当該透光性基板の上面に隣接する斜面を有しており、
前記半導体膜が前記透光性基板の上面上から前記斜面上にかけて形成されている、
ことを特徴とするGaN系LED素子。 - 前記半導体膜の表面には前記斜面に沿って段が形成されている、請求項1に記載のGaN系LED素子。
- 前記半導体膜を構成するGaN系半導体結晶が、前記透光性基板の上面上においてC軸配向しており、前記斜面が該C軸配向したGaN系半導体結晶のA軸に平行である、請求項1または2に記載のGaN系LED素子。
- 前記斜面の傾斜が70度未満である、請求項3に記載のGaN系LED素子。
- 前記透光性基板がサファイアC面基板であり、前記斜面がサファイアのM軸に平行である、請求項3または4に記載のGaN系LED素子。
- 前記斜面の傾斜が約60度である、請求項5に記載のGaN系LED素子。
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Cited By (1)
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JP2011077418A (ja) * | 2009-09-30 | 2011-04-14 | Nec Corp | 半導体素子、半導体ウェハ、半導体ウェハの製造方法、半導体素子の製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011077418A (ja) * | 2009-09-30 | 2011-04-14 | Nec Corp | 半導体素子、半導体ウェハ、半導体ウェハの製造方法、半導体素子の製造方法 |
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