以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明に係る第1の実施の形態の画像形成装置の概略構成を示す縦断面図である。
図1の画像形成装置1に示される給紙部2は、図示せぬ媒体搬送モータにより駆動されるローラ等であり、給紙トレイ3に載置された紙等の印刷媒体13を、その媒体搬送路における下流に設けられ、やはり媒体搬送モータにより駆動されるローラ等からなる印刷タイミング調整部4と、さらにその下流の媒体搬送ローラ対14、15に向けて給紙する。
画像形成ユニット5は、画像形成装置1における画像形成位置に着脱自在であり、カラー画像を形成する場合は、例えばS(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)B(ブラック)等の各色毎の複数の画像形成ユニット5が印刷媒体13の搬送経路(搬送ルート)上に配置される。各色毎の画像形成ユニット5は、入力した画像データに基づいて画像形成手段である例えばLEDヘッド16により、その色の画像形成ユニット5の内部の感光ドラム17の上にその色に色分解されたトナー像(現像剤像)等の画像を形成する。
転写ベルトユニット6は、例えば図2に示した媒体搬送モータ(ベルトモータ)42によりローラ等を介して駆動される無限軌道のベルトと、各色毎の感光ドラム17に対向して配置される各転写ローラとの組であり、各色毎の画像形成ユニット5の感光ドラム17上に形成されたトナー像等の画像を、順次、その色の画像形成/転写位置で、搬送されてきた印刷媒体13の表面上に転写させる。その後、転写ベルトユニット6は、各色毎のトナー像等の画像が転写された印刷媒体13を下流にある定着器8へと送出する。尚、転写ベルトユニット6上にトナー像を転写させる際には、感光ドラム17と転写ローラの間に転写用の電圧が印加される。尚、転写ベルトユニット6は、本実施の形態ではカラー画像用であるため、印刷媒体13を搬送ベルトに静電気力により吸着させて搬送する搬送部としているが、例えば、単色の白黒画像用の場合ならば、2個の搬送ローラとして、その間に挟持させて搬送する搬送部としても良い。従って、本実施の形態の転写ベルトユニット6は、表面上に画像が形成される印刷媒体13の搬送経路中に設置されており、画像形成ユニット5と共に、印刷媒体13を任意の搬送速度で搬送させる第1の搬送部として機能している。
定着器8は、1対のローラ部材であり、転写部6で現像剤像が転写された印刷媒体13が搬送されて導入され、その搬送されてきた印刷媒体13上のトナー像等の画像に対して加熱しながら圧力をかけて定着させる。その後、定着器8は、画像が定着された印刷媒体13を、媒体排出搬送路9及び11に向けて排出する。定着器8のローラ部材は、図2に示した定着器駆動モ−タ22により駆動され、ローラ部材の内部には発熱体が設けられる。つまり、本実施の形態の定着器8は、印刷媒体13を搬送する機能と共に現像剤を定着器8で定着させる機能を備えている。従って、本実施の形態の定着器8は、搬送経路中の第1の搬送部6に隣接する下流側に設置されており、印刷媒体13を任意の搬送速度で搬送させる第2の搬送部として機能している。
本実施の形態では、転写ベルトユニット6が、表面上に画像が形成される印刷媒体13の搬送経路中に設置されて印刷媒体13を任意の搬送速度で搬送させる第1の搬送部であって、その第1の搬送速度をV1とする。又、定着器8が、搬送経路中の第1の搬送部6に隣接する下流側に設置されて印刷媒体13を任意の搬送速度で搬送させる第2の搬送部であって、その第2の搬送速度をV2とする。
媒体排出搬送路9及び11の途中には、各搬送ローラ対10の間に図示しないセパレータ等の搬送路切り換え手段が設けられ、画像が定着された印刷媒体13の搬送方向が、例えば手差し用紙等についてはストレート排出方向に、通常の給紙トレイ3からの印刷用紙について上部排出方向というように、いずれかの方向に切り換えられる。ここで印刷媒体13を搬送する各搬送ローラ対10も媒体搬送モータにより駆動される。
各搬送ローラ対10により、画像が形成されて定着された印刷媒体13が画像形成装置1から排出されると、画像形成装置1は、その動作を終了する。
媒体検出センサ12は、媒体搬送ローラ対15から転写ベルトユニット6に搬送される印刷媒体13を検出するセンサであり、例えば、搬送経路の下方向LDに回転軸を有するレバー形状部が搬送路を横切るように設置される検出部を有し、印刷媒体13の搬送時には、その印刷媒体13の搬送方向最前部によりレバー形状部が押されて回転角が変わることで、印刷媒体13の先端を検出する。この回転角の検出には、例えば、透過光や反射光で検出する光学的なセンサを用いるか、静電容量変化や磁気的な変化を検出するセンサを用いることができる。この印刷媒体13の前端13aが検出されることで、後述する制御部30では、画像形成部5の画像形成を開始させる。その一方で、媒体検出センサ12は、印刷媒体13の搬送方向の最後部(後端)13bが通過して、レバー形状部が例えば弾性材料による付勢力や重力等により元の位置に戻り、回転角が元に戻ることで、印刷媒体13の後端13bを検出し、制御部30では画像形成を停止する。この印刷媒体13の後端13bが媒体検出センサ12のOFF信号により検出されることで、制御部30では、例えば、印刷タイミング調整部4により次の印刷媒体13を搬送させたり、画像形成部5の画像形成が終了し次第、その画像形成部5の動作を停止させる等の動作を実施する。
撓み量検出センサ7は、転写ベルトユニット6(第1の搬送部)及び定着器8(第2の搬送部)の間に設置されて、印刷媒体13の搬送時に転写ベルトユニット6の各搬送速度V1及び定着器8の搬送速度V2の間の差D1により発生する印刷媒体13の撓み方向が上方向UDであるか下方向LDであるかと、上下方向UD/LDにおける各撓み量BLを検出する。
図2は、図1の撓み量検出センサ7で撓み量制御を行う場合に用いられる各ブロックが示されたブロック図である。
制御部30は、画像形成装置1内の各部を制御するために、例えば、CPU(中央演算素子)等の演算素子と、一時記憶やプログラム等の処理用等のRAM(ランダムアクセスメモリ)等の高速メモリと、処理に必要なデータや条件を記憶するROMや大容量HDD等の不揮発性のメモリを少なくとも備え、さらに、画像形成装置1内の各部の処理時間や現在時刻を検出するタイマ31と、撓み量検出センサ7からのパルス信号の数をカウント(加減算)処理するカウンタ32を備えている。
制御部30は、画像形成部5に対しては、画像データによるトナー像等の画像形成とそのタイミングを制御し、転写ベルトユニット6等の転写部に対しては、媒体搬送モータ駆動部43を介して媒体搬送モータ(ベルトモータ)42の駆動を制御する。尚、媒体搬送モータ駆動部43では、画像形成前の媒体搬送モータ41も制御することができる。又、制御部30は、定着器駆動モータ駆動部23を介して定着器駆動モータ22の駆動を制御し、定着器温度制御部24を介して定着器8の定着温度を制御する。
本実施の形態の制御部30は、転写ベルトユニット6(第1の搬送部)の搬送速度が定着器8(第2の搬送部)の搬送速度よりも早くなるように転写ベルトユニット6(第1の搬送部)の第1の搬送速度V1と定着器8(第2の搬送部)の第2の搬送速度V2の少なくとも一方を制御することで、印刷媒体13が転写ベルトユニット6と定着器8の間で撓むようにしている。より具体的には、本実施の形態の制御部30は、定着器8の第2の搬送速度V2を、転写ベルトユニット6の第1の搬送速度V1よりもわずかに遅い標準速度モードV2Nと、転写ベルトユニット6の第1の搬送速度V1よりもわずかに早い高速速度モードV2Hとで切り替え制御している。標準速度モードV2Nと高速速度モードV2Hの速度値は実験により決定される。更に制御部30は、撓み方向が上方向UDである場合には、その上側撓み量UBLが動作上好適な所定の許容範囲内に維持されるように転写ベルトユニット6及び定着器8の少なくとも一方の搬送速度を制御し、撓み方向が下方向LDである場合には、その下側撓み量LBLが動作上好適な所定の許容範囲内に維持されるように転写ベルトユニット6及び定着器8の少なくとも一方の搬送速度を制御する。
図3は、図1の撓み量検出センサ7のさらに詳しい構成を周辺の構成と共に示した縦断面図である。
図4(a)は、図1の撓み量検出センサ7の周辺部のみの斜視図であり、(b)は(a)の撓み量検出センサ7の拡大斜視図である。尚、本実施の形態における転写ベルトユニット6及び定着器8の間の印刷媒体13の搬送経路は、転写ベルトユニット6における印刷媒体13の搬送終了端と、定着器8の定着ローラにおけるニップ部を最短距離で結んだ線を搬送経路としている。
図3及び図4(a)、(b)に示されたように、転写ベルトユニット6及び定着器8の間に設置された撓み量検出センサ7は、搬送される印刷媒体13の前端13aにより押されて変位する搬送センサ可動部19と、その搬送センサ可動部19の変位量を検出する検出部21で構成される。
搬送センサ可動部19は、印刷媒体13の搬送経路から下方向LDに外れた位置に設けられたシャフト形状の回転軸19zと、その回転軸19zから放射方向に印刷媒体13の搬送経路と交差し、更にその搬送経路の先まで延伸されるレバー形状の検出レバー部19aを有する。回転軸19zには、バネ性のスプリング20がはめ込まれ、検出レバー部19aを印刷媒体13が検出される前の最初の位置(ホームポジション)に戻す方向に付勢している。
搬送経路を搬送される印刷媒体13により検出レバー部19aが搬送方向に押されることで、回転軸19zに対する検出レバー部19aの回転角度が変化する。
又、撓み量検出センサ7の搬送センサ可動部19には、回転軸19zから放射方向で先端が扇形状に広がるように延伸される扇状突出部19bが設けられ、更にその扇状突出部19bの円周辺の近傍には、回転軸19zに対する検出レバー部19aの角度が変位することを検出するために、円周方向に等間隔に複数の検出点19cが設けられている。の各検出点19cは、検出部21に透過光の有無を検出させるスリット状開口窓形状である。
用紙ガイド18は、例えば印刷媒体13の先端が搬送されるに従い下方向に潜り込もうとする場合に、通常の搬送方向、即ち、検出レバー部19aを変位させる(倒す)方向に搬送方向を戻すガイド機能を有する。また、用紙ガイド18に検出レバー部19aが入り込む凹部18aを設けることで、検出レバー部19aに対してもガイド機能を有するようになる。
本実施の形態の撓み量検出センサ7の検出部21は、検出レバー部19aの回転角度の変化等の機械的変位量を検出し、それにより印刷媒体13の撓み量を検出するものであり、例えば、透過光が各検出点19cを透過したことが検出される毎にパルス信号を出力する。つまり、検出部21は、例えば、光学式のインクリメンタル形のロータリーエンコーダのように、その各検出点19cが所定の検出領域を通過することでパルス信号の検出信号を発生させるようになっている。従って、撓み量検出センサ7は、検出されたパルス信号の数を計数することで、印刷媒体13の撓み方向が上方向UDであるか下方向LDであるかと、上下方向UD/LDにおける各撓み量BLを検出することができる。
更に、検出部21は、2相センサであり、2組の発光部と受光部の組21a、21bが所定間隔で配置されてA相とB相の二相のパルス信号を出力し、各検出点19cと発光部と受光部の組21a、21bは、A相とB相の2相の各パルス信号出力間が1/4周期分異なるように配置されている。これにより、検出部21は、検出レバー部19aの角度の変位の方向と速度を検出することができ、検出レバー部19aが、印刷媒体13の搬送方向に先端により押されて動いた場合か、印刷媒体13の搬送方向の終端でスプリング20の付勢力によりホームポジションに戻る場合かを判別することができる。
図5は、図3及び図4(a)、(b)に示された発光部と受光部の各組21a、21bの各々の一例を示す回路図である。
検出部21の2相センサには、図5の回路が2組用いられる。A相とB相のLED等の発光素子D1は、個別に電源Vccにより駆動されて発光している。まず、A相のパルス信号について説明する。A相の発光素子D1からの光は、扇状突出部19bのスリット状開口窓形状である検出点19cの一つを通過し、受光素子であるA相のトランジスタF1に到達する。するとA相のトランジスタF1は導通してφAのパルス信号が出力される。その際に、同様にB相の発光素子D1からの光も、扇状突出部19bのスリット状開口窓形状である検出点19cの異なる1つを通過し、受光素子であるB相のトランジスタF1に到達し、B相のトランジスタF1は導通してφBのパルス信号が出力される。抵抗R1及び抵抗R2は、各々発光素子D1とトランジスタF1に流れる電流を仕様範囲内に調整するための抵抗である。
図6(a)、(b)、(c)は、印刷媒体13と検出レバー部19aの位置関係を示し、(a)が印刷媒体13の前端13aが検出レバー部19aに到達する前の媒体検出前の位置関係を示し、(b)が印刷媒体13の前端13aが検出レバー部19aに到達して変位させた後の媒体検出中の位置関係を示し、(c)が印刷媒体13の後端13bが検出レバー部19aから離れた後の媒体検出終了後の位置関係を示す図である。
図6(a)では、印刷媒体13の前端13aが検出レバー部19aに到達しておらず、扇状突出部19bはホームポジションで、検出部21の2組の発光部と受光部の組21a、21bを遮っていない。従って、扇状突出部19bのスリット状開口窓形状である検出点19cによるパルス信号は発生していない。尚、印刷媒体13は、転写ベルトユニット6の平坦面上では静電気により無限軌道のベルト上に吸着されているが、ベルトがローラにより方向転換する位置では図4に示した用紙ガイド18によりガイドされ、ベルト上から離れて定着器8の各ローラ間のニップ部に向かい直進しようとする。
それに対して図6(b)は、印刷媒体13の前端13aが検出レバー部19aに到達した後の、印刷媒体13が転写ベルトユニット6と定着器8の間にまたがっている場合である。尚、図6(b)では、搬送センサ可動部19の説明を容易にするために便宜上から印刷媒体13が撓んでいない場合(転写ベルトユニット6の第1の搬送速度V1と定着器8の第2の搬送速度V2が同じ場合)を示しているが、本実施の形態では印刷媒体13を撓ませるものであり、その方法については後に詳しく説明する。
印刷媒体13の前端13aが検出レバー部19aに到達すると、検出レバー部19aが反時計回り方向(CCW:Counter Clock Wise)の回転方向に変位し、それに伴い扇状突出部19bも反時計回り方向(CCW)の回転方向に変位し始める。やがて、扇状突出部19bのスリット状開口窓形状である検出点19cの最初の1つが、検出部21の発光部と受光部の組21aを通過する。すると、検出部21からは、A相の検出開始時の最初のパルス信号φAが出力される。さらに検出レバー部19aと扇状突出部19bの反時計回り方向(CCW)の変位が進むと、同様に最初の1つに続いて並んで設けられた他の複数の検出点19cが次々と発光部と受光部の組21aを順次通過し、検出部21からはA相のパルス信号φAが順次出力される。
その後、扇状突出部19bのスリット状開口窓形状である複数の検出点19cの最初の1つが、検出部21の発光部と受光部の組21bを通過すると、検出部21からは、B相の検出開始時の最初のパルス信号φBが出力される。さらに検出レバー部19aと扇状突出部19bの反時計回り方向(CCW)の変位が進むと、同様に最初の1つに続いて並んで設けられた他の複数の検出点19cが次々と発光部と受光部の組21bを順次通過し、検出部21からはB相のパルス信号φBが順次出力される。本実施の形態では、このB相のパルス信号φBの出力は、上記したように検出点19cと発光部と受光部の組21a、21bの各配置を考慮することにより、A相のパルス信号出力と1/4周期分だけ異なるように出力される。
印刷媒体13が図6(b)のように転写ベルトユニット6と定着器8の間で撓まないようにまたがっていて、転写ベルトユニット6の第1の搬送速度V1と定着器8の第2の搬送速度V2が全く同じである場合、印刷媒体13は搬送されても検出レバー部19aは回転方向(反時計回り方向:CCWと時計回り方向:CWの何れにも)に変化しないので、図6(b)に示した位置関係が、搬送される印刷媒体13の後端13bが通過するまで維持される。
印刷媒体13の後端13bが図6(c)のように検出レバー部19aの可動範囲を通過した場合、検出レバー部19aが時計回り方向(CW:Clock Wise)の回転方向に変位し、それに伴い扇状突出部19bも時計回り方向(CW)の回転方向に変位し始める。これにより、扇状突出部19bのスリット状開口窓形状である検出点19cの最寄りの1つが、検出部21の発光部と受光部の組21aを通過すると、検出部21からは、A相の帰還時の最初のパルス信号φAが出力される。さらに検出レバー部19aと扇状突出部19bの時計回り方向(CW)の変位が進むと、同様に最初の1つに続いて並んで設けられた他の複数の検出点19cが次々と発光部と受光部の組21aを順次通過し、検出部21からはA相のパルス信号φAが順次出力される。さらに検出レバー部19aと扇状突出部19bの時計回り方向(CW)の変位が進むと、同様に次の検出点19cが発光部と受光部の組21bを通過し、検出部21からはB相の次のパルス信号φBが順次出力される。これらのパルス信号は、検出レバー部19aと扇状突出部19bが図6(c)のホームポジションに戻った場合には出力されない。
検出部21から出力されたA相のパルス信号φAとB相のパルス信号φBは、図2に示した制御部30内のカウンタ32で加減算されて計数される。図6(b)では、検出部21の発光部と受光部の組21aが、扇状突出部19bの検出点19cの最初の1つから、扇状突出部19bの周辺に沿って中程を少し超えた位置の検出点19cまでを検出し、検出部21の発光部と受光部の組21bが、扇状突出部19bの検出点19cの最初の1つから、扇状突出部19bの周辺に沿って中程の少し手前の位置の検出点19cまでを検出している。従って、図6(a)から図6(b)の状態になる場合、又は、図6(b)から図6(c)の状態になる場合、A相のパルス信号φAのカウント数はB相のパルス信号φBのカウント数よりも多い。印刷媒体13に撓みが発生する場合には、図6(b)における扇状突出部19bの検出点19cの位置が異なってくる。
ところで、印刷媒体13に撓みが発生する場合、その撓みの発生する方向は、様々な要素の影響により上方向UDまたは下方向LDの何れかに形成される。様々な要素とは、例えば、画像形成装置の設置された場所の温度及び湿度、印刷媒体13自体の厚さ寸法や材料の弾性レベル(こし)、印刷媒体13の搬送速度等である。以下に図7〜図9を用いて転写ベルトユニット6と定着器8の間の印刷媒体13の撓み方向と撓み量について説明する。
図7は、印刷媒体13を転写ベルトユニット6と定着器8の間で所定範囲内で撓ませた場合の撓み方向と撓み量を示す図である。
図7では、印刷媒体13を上方向UDに撓ませるUBの場合の、その撓み量が所定範囲内の最少(最低)のレベルLLの印刷媒体13の状態がUBLLで示され、その撓み量が所定範囲内の最大(最高)のレベルULの印刷媒体13の状態がUBULで示されている。上方向UDの所定範囲の最大レベルULは、図9を用いて後述するように、転写ベルトユニット6と定着器8の間の周辺にはフレームや容器等の機材が存在するので、それらに接触しない範囲で決定される。上方向UDの所定範囲の最少レベルLLは、転写ベルトユニット6の第1の搬送速度V1と定着器8の第2の搬送速度V2の速度差V1−V2を吸収可能である最小限の撓み量である。
図7では、印刷媒体13を下方向LDに撓ませるLBの場合の、その撓み量が所定範囲内の最少(最高)のレベルULの印刷媒体13の状態がLBULで示され、その撓み量が所定範囲内の最大(最低)のレベルLLの印刷媒体13の状態がLBLLで示されている。最大レベルLLは跳ね上がり防止のため、最小レベルULは速度差吸収のために決定される。
それぞれの場合に検出部21から出力されたA相のパルス信号φAとB相のパルス信号φBは、制御部30内のカウンタ32で加減算されて計数されそのカウント値により転写ベルトユニット6の第1の搬送速度V1と定着器8の第2の搬送速度V2の速度制御が実施される。以下、印刷媒体13の上方向UDの撓み量が図7のUBLLの場合のカウント値をk1とし、印刷媒体13の上方向UDの撓み量が図7のUBULの場合のカウント値をk2とし、印刷媒体13の下方向LDの撓み量が図7のLBLLの場合のカウント値をk3とし、印刷媒体13の下方向LDの撓み量が図7のLBULの場合のカウント値をk4とする。
図8(a)、(b)は、図6(b)の印刷媒体13を転写ベルトユニット6と定着器8の間で撓ませた場合の印刷媒体13と検出レバー部19aの位置関係を示す図であり、図8(a)が上側UDに撓ませた場合であり、(b)が下方向LDに撓ませた場合である。
図8(a)では、転写ベルトユニット6と定着器8との間で搬送される印刷媒体13の中間点13Cは、上側UDに撓んでいる。この場合、検出部21の発光部と受光部の組21aが、扇状突出部19bの検出点19cの最初の1つから、扇状突出部19bの周辺に沿って中程の少し手前の位置の検出点19cまでを検出し、検出部21の発光部と受光部の組21bが、扇状突出部19bの検出点19cの最初の1つから、扇状突出部19bの周辺に沿って最初から数個目までの位置の検出点19cまでを検出している(検出点19cは少なくとも20個程度は設けられている)。これを図6(b)の場合と比較すると、図8(a)の場合のA、B各相のパルス信号のカウント数は少なくなる。つまり、A、B各相のパルス信号のカウント数が少ない場合は、画像形成装置は、上側UDに撓んでいることを検出することができる。又、図6(b)の場合と比較してパルス信号のカウント数が少くなった程度で、上側の撓み量がどのレベルであるかを知ることができる。
図8(b)では、転写ベルトユニット6と定着器8との間で搬送される印刷媒体13の中間点13Dは、下方向LDに撓んでいる。この場合、検出部21の発光部と受光部の組21aが、扇状突出部19bの検出点19cの最初の1つから、扇状突出部19bの周辺に沿って最後又は最後に近い位置の検出点19cまでを検出し、検出部21の発光部と受光部の組21bが、扇状突出部19bの検出点19cの最初の1つから、扇状突出部19bの周辺に沿って最初から中程をはるかに超えて最後に近い位置の検出点19cまでを検出している。これを図6(b)の場合と比較すると、図8(b)の場合のA、B各相のパルス信号のカウント数は多くなっている。つまり、A、B各相のパルス信号のカウント数が多い場合は、画像形成装置は、下方向LDに撓んでいることを検出することができる。又、図6(b)の場合と比較してパルス信号のカウント数が多くなる程度で、下方向LDの撓み量がどのレベルであるかを知ることができる。
ところで、転写ベルトユニット6と定着器8との間で搬送される印刷媒体13の印刷面側の上部空間には、画像形成ユニット5や定着器8のフレームその他の構造物が配置されているため、印刷媒体13に撓みを発生させる場合に、撓み量が大きくなりすぎると、構造物と擦れて未定着のトナー画像が損傷する場合がある。
図9は、印刷媒体13を撓ませた場合の撓み量と周辺装置との位置関係を示す図である。尚、図9には、印刷媒体13に形成された撓みの量が増大して、印刷媒体13上の未定着のトナー像に擦れが発生する可能性がある場合の搬送軌道が示されている。
図9に示したように、印刷媒体13の下方向LDの撓み量が最少のLBULの場合と上方向UDの撓み量が最少のUBLLの場合には、周辺装置と接触する可能性については問題ないと言える。しかし、印刷媒体13の下方向LDの撓み量が最大のLBLLを超える場合には、定着器8の筐体8aにおける印刷媒体13導入用の開口部の下方向LDと接触する可能性が出てくる。この場合には、印刷媒体13の下面にはトナー像は形成されていないので、筐体8aと接触によるトナー像のかすれの可能性は少ないが、筐体8aと印刷媒体13との接触は好ましくはない。又、撓みが大きくなると、下撓みがはね上がって上撓みに変わる。
印刷媒体13の上方向UDの撓み量が図7の最大のUBULを超える場合と、図9に示したように撓み量が最大のUBULよりもさらに大きいUBOLの場合には、定着器8の筐体8aにおける印刷媒体13導入用の開口部の上側(H部)と接触する可能性が出てくる。又、UBOLの場合には、印刷媒体13はもはや転写ベルトユニット6上に吸着されておらず、転写ベルトユニット6上でも撓んでいることから、画像形成ユニット5の筐体5aにおける感光ドラム17用の開口部の縁端部周辺(G部)に接触する可能性が出てくる。印刷媒体13の撓み量が上側UDの最大のUBOLよりもさらに大きくなると、印刷媒体13は上側と下方向LDの両方にS字形に撓むようになり、この場合である図8に示したSBOLの場合には、やはり、画像形成ユニット5の筐体5aにおける感光ドラム17用の開口部の縁端部周辺(G部)に接触する可能性が出てくる。
本実施の形態では、例えば、印刷媒体13がLBLLを超える場合、UBULを超える場合、UBOLの場合、及び、SBOLの場合には、制御部30は、カウント値に基づいて定着器駆動モータ駆動部23を制御することにより定着器駆動モータ22を増速方向に制御して印刷媒体13の撓み量を減少させている。
以上のように制御部30は、カウンタ32のカウント値が、図7のUBLLの場合のカウント値k1よりも小さく、図6(b)のカウント値との間の値になった場合は、上側UDの撓みを増加させるように、定着器駆動モータ22を減速方向に制御する。制御部30は、カウンタ32のカウント値が、図7のUBLLの場合のカウント値k1と図7のUBULの場合のカウント値k2との間の値になった場合は、上側UDの撓みを変化させる必要がないので、定着器駆動モータ22の速度をそのまま維持する。制御部30は、カウンタ32のカウント値が、図7のUBULの場合のカウント値k2よりも大きい値になった場合は、上側UDの撓みを減少させるように、定着器駆動モータ22を増速方向に制御する。
又、制御部30は、カウンタ32のカウント値が、図7のLBULの場合のカウント値k4よりも大きく、図6(b)のカウント値との間の値になった場合は、下方向LDの撓みを増加させるように、定着器駆動モータ22を減速方向に制御する。制御部30は、カウンタ32のカウント値が、図7のLBULの場合のカウント値k4と図7のLBLLの場合のカウント値k3との間の値になった場合は、下方向LDの撓みを変化させる必要がないので、定着器駆動モータ22の速度をそのまま維持する。制御部30は、カウンタ32のカウント値が、図7のLBLLの場合のカウント値k3よりも小さい値になった場合は、下方向LDULの撓みを減少させるように、定着器駆動モータ22を増速方向に制御する。
図9において、軌道Aは、下方向LDの撓み量が最少のLBULの場合であり、図6(b)に示したような印刷媒体13のテンションが張り過ぎた軌道に対して下方向LDに撓ませることでテンションに余裕(マージン)を持たせた搬送軌道である。軌道Bは、上方向UDの撓み量が最少のUBLLの場合であり、図6(b)に示したような印刷媒体13のテンションが張り過ぎた軌道に対して上方向UDに撓ませることでテンションに余裕(マージン)を持たせた搬送軌道である。軌道Cは、下方向LDの撓み量が最大のLBLLの場合であり、印刷媒体13が下方向LDに撓み過ぎて印刷媒体13に擦れが発生する可能性がある軌道である。軌道Dは、上方向UDの撓み量が最大のUBULの場合であり、印刷媒体13が上方向UDに撓み過ぎて印刷媒体13上の未定着のトナー像に擦れが発生する可能性がある軌道に対して余裕(マージン)を持たせた搬送軌道である。軌道A〜軌道Cの間と、軌道B〜軌道Dの間は、本実施の形態における撓み量の許容範囲である。つまり、印刷媒体13がこの範囲の中で搬送されていれば、印刷媒体13のテンション(引っ張り力)や撓み量が多過ぎないため、良好な搬送状態となる。
次に、軌道Eについて説明する。例えば印刷媒体13を下方向LDに撓ませる場合で、定着器8の搬送速度を転写ベルトユニット6の搬送速度に対して遅くなるように速度差V1−V2をつけた場合、印刷媒体13の下側撓み量LBLは徐々に大きくなり、印刷媒体13の搬送軌道は軌道Aから軌道Cになる。ここで速度差V1−V2をそのままに印刷媒体13の搬送を続けた場合、転写ベルトユニット6と画像形成ユニット5の間のニップ部と定着器8の定着ローラ対のニップ部の間の搬送速度差V1−V2及び印刷媒体の弾性力(コシ)により、印刷媒体13には撓み量のエネルギーが徐々に蓄積される。そのエネルギーが印刷媒体13で蓄積可能な限度を超えた場合、印刷媒体13は転写ベルトユニット6のベルト上に吸着されていた部分が解放されて搬送軌道が側面から見てS字を描くようになる。この場合が軌道Eとなる。
軌道Fは、既道Eと同様に印刷媒体13のエネルギーが蓄積可能な限度を超えて、転写ベルトユニット6のベルト上に吸着されていた部分が解放された場合であるが、軌道Eの下方向LDの撓みの部分が上方向UDに跳ね上がってしまった場合である。
印刷媒体13の撓み量による印刷画像の擦れの主な原因としては、軌道Eが形成された場合の図9における画像形成ユニット5の端部“G部”との接触、若しくは、軌道Fが形成された場合の図9における定着器8の構成部材の端部“H部”との接触であると考えられる。又、一般的に、定着器8における印刷媒体13の搬送速度V2を調整するだけでは、一旦、上方向UDに撓んだ撓み量を下方向LDの撓み量に変更させること、あるいは逆に、下方向LDの撓み量を上方向UDの撓み量へ変更させることは困難である。
そのため本実施の形態の撓み量の制御方法では、印刷媒体13に上方向UDの撓み或いは下方向LDの撓みが発生した時に、撓み量を撓み量検出センサ7で検出し、その上方向UDの撓み或いは下方向LDの撓みの状態を保ちながら、擦れや過度のテンションが発生しないように、撓み量については軌道A〜軌道Cの間と軌道B〜軌道Dの間の許容範囲内になるように、定着器8における印刷媒体13の搬送速度V2を制御している。
図10は、印刷媒体13が転写ベルトユニット6及び定着器8の間を搬送される場合の、撓み量検出センサ7で検出されたA、B各相の検出信号のタイミングを示し、(a)が例えば印刷媒体13の前端により検出レバー部19aが押されている場合の各A相/B相のパルス信号φA/φBのパルスの発生タイミングを示し、(b)が例えば印刷媒体13の後端が通過することで検出レバー部19aが戻る場合の各A相/B相のパルス信号φA/φBのパルスの発生タイミングを示すタイムチャートである。又、下側撓み量LBLを制御する場合としては、図10は、(a)の場合は、下側撓み量LBLが増加している場合のパルスの発生タイミングを示すタイムチャートであり、(b)の場合は、下側撓み量LBLが減少している場合のパルスの発生タイミングを示すタイムチャートである。あるいは、上側撓み量UBLを制御する場合としては、図12は、(a)の場合は、上側撓み量UBLが減少している場合のパルスの発生タイミングを示すタイムチャートであり、(b)の場合は、上側撓み量UBLが増加している場合のパルスの発生タイミングを示すタイムチャートである。
図10の(a)は、検出レバー部19aが反時計方向(CCW)に正回転(+方向回動)している場合で、A相のパルス信号φAのパルスの立ち上がりタイミングt1が、B相のパルス信号φBのパルスの立ち上がりタイミングt2よりも1/4周期だけ先行している。又、図12の(b)は、検出レバー部19aが時計方向(CW)に逆回転(CW方向回動)している場合で、B相のパルス信号φBのパルスの立ち上がりタイミングt3が、A相のパルス信号φAのパルスの立ち上がりタイミングt4よりも1/4周期だけ先行している。
撓み量の制御方法としては、例えば、検出レバー部19aがホームポジションにある場合は、制御部30内のカウンタ32のカウント値を0とする。撓み量検出センサ7で検出されたA、B各相の検出信号の内のA相のパルス信号φAのパルスの立ち上がりタイミングt1が、B相のパルス信号φBのパルスの立ち上がりタイミングt2よりも1/4周期だけ先行する場合、制御部30内のカウンタ32のカウント値を+1とする。逆に、撓み量検出センサ7で検出されたA、B各相の検出信号の内のB相のパルス信号φBのパルスの立ち上がりタイミングt3が、A相のパルス信号φAのパルスの立ち上がりタイミングt4よりも1/4周期だけ先行する場合、制御部30内のカウンタ32のカウント値を−1とする。
従って、撓み量検出センサ7のパルス信号を用いることで印刷媒体13の前端が到達したことと印刷媒体13の後端が通過したことの他に、撓みの方向が上側UDか下方向LDかが認識されていれば、各A相/B相のパルス信号φA/φBのパルスの発生タイミングから、その方向の撓み量が増加中であるか、減少中であるかを検出でき、各方向のパルス数をカウンタで計数することで撓み量も検出することができる。そこで、撓みの方向が上側UDか下方向LDかを検出することについて、以下に図11及び図12を用いて説明する。
図11は、印刷媒体13が下方向LDに撓んだ場合の下側撓み量LBLが、所定の下方向LD下限撓み量LBLLを超えないように制御する場合の、撓み量検出センサ7で検出されたA、B各相の検出信号と、その検出結果により定着器の第2の搬送速度V2の高速速度モードV2Hと標準速度モードV2Nとが切替制御される様子を示すタイムチャートである。
尚、図11及び図12では、(a)がA相のパルス信号φAのパルスの形状と数を示し、(b)がB相のパルス信号φBのパルスの形状と数を示し、(c)が下側撓み量LBLを示し、(d)が定着器8の搬送速度V2の切替状況を示す。(a)、(b)中で検出されたパルスの幅が変化するのは、印刷媒体13が撓む場合には、検出レバー部19aの回動する速度が撓み量により変化して一定ではないためである。その際に検出レバー部19aが図3や図6(a)に示したようなホームポジションにある場合には、制御部30無いのカウンタ32のカウント値は0とする。
又、(a)の場合は、扇状突出部19bの複数の検出点19cの数がn個であり、A相のパルス信号φAのカウント数は、n/2で撓みがない状態で、φA>n/2の場合は、下方向LDに撓んでいることから下側撓み量LBLが発生しており、φA<n/2の場合は、上方向UDに撓んでいることから上側撓み量UBLが発生していることとする。(b)の場合には、B相のパルス信号φBの総数は、A相のパルス信号φAの総数nよりも少ないと考えられるが、図中では説明が容易となるように同数としている。尚、A相の場合と同様にすることで、B相のパルス信号φBによっても撓み方向の判定が可能である。
印刷媒体13が上方向UDに撓んでいる場合には、検出レバー19aの回転方向の変換が、印刷媒体13に撓みが無い状態の時のカウント値よりも少ない値(例えばn/2未満)で始まり、下方向LDに撓んでいる場合には、検出レバー19aの回転方向の変換が、印刷媒体13に撓みが無い状態の時のカウント値よりも多い値(例えばn/2超)で始まる。
図11では、まず最初の領域EL1では、(a)の最初のA相のパルス信号φAがB相のパルス信号φBよりも1/4周期だけ先行する状態が、A相のパルス信号φAのカウント数=n/2の時点で、B相のパルス信号φBがA相のパルス信号φAよりも1/4周期だけ先行する状態に変わらない。つまり、領域EL1では、n/2の時点を境に検出レバー部19aの回転方向が逆になっていない。
この場合、検出レバー部19aは、撓みが無い状態の回転角度の変位量よりも多く角度が変位し、領域EL1内のA相のパルス信号φAは、撓みが無い状態のパルス信号φAよりも多くなることから、印刷媒体13が下方向LDに撓んでいることがわかる。
その後、領域EL2では、図11(c)に示したように、下側たるみ量LBLは増加し続け、A相のパルス信号φAがB相のパルス信号φBよりも1/4周期だけ先行する状態が続き、パルス信号のカウント値が増加し続け、印刷媒体13の下方向LDの撓みが増加し続けると、下側撓み量制御目標値(LBLL)に対応する所定のカウント値を超えたところで、図11(d)に示したように、定着速度が、撓みを増加させる標準速度モードV2Nから撓みを減少させる高速速度モードV2Hに変更される。
さらにその後、領域EL3では、図11(c)に示したように、下側たるみ量LBLは増加から減少に転じ、B相のパルス信号φBがA相のパルス信号φAよりも1/4周期だけ先行する状態が続き、パルス信号のカウント値が減少し続け、印刷媒体13の下方向LDの撓みが減少し続けると、下側撓み量制御目標値(LBLL)に対応する所定のカウント値よりも少なくなったところで、図11(d)に示したように、定着速度が、撓みを減少させる標準速度モードV2Hから撓みを増加させる高速速度モードV2Nに変更される。以上の処理が、印刷媒体13の後端13bが搬送によって転写ベルトユニット6を通過するまで繰り返される。
図12は、印刷媒体13が上方向UDに撓んだ場合の上側撓み量UBLが、所定の上側上限撓み量UBULを超えないように制御する場合の、撓み量検出センサ7で検出されたA、B各相の検出信号と、その検出結果により定着器の第2の搬送速度V2の高速速度モードV2Hと標準速度モードV2Nとが切替制御される様子を示すタイムチャートである。
図12では、まず最初の領域EL1では、(a)の最初のA相のパルス信号φAのカウント数<n/2で撓みが無い状態の時よりも少ないことから、印刷媒体13が上側に撓み、検出レバー部19aは、印刷媒体13に撓みが無い状態の時よりも少なく上側(CW方向)に回動している状態であると判断できる。
図12では、まず最初の領域EL1では、(a)の最初のA相のパルス信号φAがB相のパルス信号φBよりも1/4周期だけ先行する状態が、A相のパルス信号φAのカウント数=n/2の時点で、B相のパルス信号φBがA相のパルス信号φAよりも1/4周期だけ先行する状態に変わる。つまり、領域EL1では、n/2の時点を境に検出レバー部19aの回転方向が逆になっている。
この場合、検出レバー部19aは、撓みが無い状態の回転角度の変位量よりも少なく角度が変位し、領域EL1内のA相のパルス信号φAは、撓みが無い状態のパルス信号φAよりも少なくなることから、印刷媒体13が上方向UDに撓んでいることがわかる。
その後、領域EL2では、図12(c)に示したように、上側たるみ量UBLは増加し続け、B相のパルス信号φBがA相のパルス信号φAよりも1/4周期だけ先行する状態が続き、パルス信号のカウント値が減少し続け、印刷媒体13の上方向LDの撓みが増加し続けると、上側撓み量制御目標値(UBLL)に対応する所定のカウント値を超えたところで、図12(d)に示したように、定着速度が、撓みを増加させる標準速度モードV2Nから撓みを減少させる高速速度モードV2Hに変更される。
さらにその後、領域EL3では、図12(c)に示したように、上側たるみ量UBLは増加から減少に転じ、A相のパルス信号φAがB相のパルス信号φBよりも1/4周期だけ先行する状態が続き、パルス信号のカウント値が減少し続け、印刷媒体13の下方向LDの撓みが減少し続けると、上側撓み量制御目標値(UBLL)に対応する所定のカウント値よりも少なくなったところで、図12(d)に示したように、定着速度が、撓みを減少させる標準速度モードV2Hから撓みを増加させる高速速度モードV2Nに変更される。以上の処理が、印刷媒体13の後端13bが搬送によって転写ベルトユニット6を通過するまで繰り返される。
次に、画像形成装置の概略の動作について簡単に説明する。
図1の給紙カセット3に格納された印刷媒体13は、給紙部2のローラにより搬送経路(搬送ルート)に給紙され、印刷タイミング調整部4、印刷媒体搬送ローラ14及び15により転写ベルトユニット6の位置まで搬送される。その際に、印刷媒体13の先端が、印刷媒体搬送ローラ15を通過した直後に配置された印刷媒体検出センサー12をONさせるので、画像形成装置は、搬送経路において印刷媒体13が転写ベルトユニット6の位置まで搬送されたこと(及び印刷媒体13の位置)を検出することができる。
転写ベルトユニット6は、図1等に矢示された方向に回転駆動され、各色毎の画像形成ユニット5の感光ドラム17と共に、印刷媒体13を所定の搬送速度で定着器8に向けて搬送する。各色毎の画像形成ユニット5は、帯電された感光ドラム17上にLEDヘッド16で画像データに基づく潜像を形成し、その潜像に画像形成ユニット5の内部で帯電させたトナーを付着させてトナー像(現像剤像)とし、そのトナー像を搬送されてきた印刷媒体13の表面上に静電気力で転写させる。
転写ベルトユニット6は、一つの色の画像形成ユニット5により未定着のトナー像が表面上に転写された印刷媒体13を次の色の画像形成ユニット5の場所まで搬送し、全ての色の画像形成ユニット5により未定着のトナー像が表面上に転写された印刷媒体13を定着器8に向けて搬送する。
定着器8では、搬送されてきた未定着のトナー像が表面上に転写された印刷媒体13を、矢示方向に回転駆動される定着ローラのニップ部に導入させる。ニップ部は、印刷媒体13の表面上の未定着のトナー像に対して熱と圧力を付加して定着させる。定着器8でトナー像が定着された印刷媒体13は、排出ローラ対10により搬送され、印刷媒体排出部搬送路11を経由して装置の外に排出される。
本実施の形態では、上記した画像形成装置の概略の動作において、未定着のトナー像が表面上に転写された印刷媒体13を転写ベルトユニット6から定着器8へ搬送する際には、転写ベルトユニット6の印刷媒体搬送速度V1と定着器8の印刷媒体搬送速度V2の速度差V1−V2により転写ベルトユニット6と定着器8との間において印刷媒体13に撓み量が形成される。
これは、定着器8の搬送速度が早過ぎると、定着器8の過度なテンション(引っ張り力)により印刷媒体13上の未定着のトナー画像がズレ、それにより印刷品位が低下したり、印刷媒体にシワが発生することを防止するために、定着器8の搬送速度(標準速度モードV2N)を転写べルトユニット4の搬送速度よりも僅かに遅く設定しているからである。
図13は、本実施の形態の画像形成装置の転写ベルトユニット6と定着器8の間において撓み量を制御する際の処理を示すフローチャートである。
媒体検出センサ12の出力と搬送速度と距離の演算により印刷媒体13が搬送されてきたことが検出されると、制御部30は、定着器8の第2の搬送速度V2を、転写ベルトユニット6の第1の搬送速度V1よりもわずかに遅い標準速度モードV2Nに設定する(S1)。
尚、この定着器8の第2の搬送速度V2の標準速度モードV2Nは、後述するステップS8で制御部30により、カウンタ32がカウント値(k2)以上になって印刷媒体13が図7の印刷媒体13を上方向UDに撓ませるUBの場合の撓み量が所定範囲内の最大(最高)のレベルULの印刷媒体13の状態UBULを超える程度まで撓んでいると判断されるまで継続される。
さらに印刷媒体13が搬送されて定着器8と転写ベルトユニット6の間まで搬送されると、撓み量検出センサ7の搬送センサ可動部19における検出レバー部19aが印刷媒体13の前端13aにより押されてホ−ムポジションからCCW方向へ回転する。このとき撓み量検出センサ7の検出部21からの加算方向のA相のパルス信号φA及びB相のパルス信号φBの各出力(センサ出力)により、制御部30内のカウンタ32がカウントアップ(加算)する。
尚、この場合の印刷媒体13の前端13aが定着器8のニッチ部に到達するまでは、ほぼ印刷媒体13に撓みが無い場合として説明する。これは、印刷媒体13の弾性強さ(こし)により、例えば、重力で印刷媒体13の前端13aが下方向に撓む場合も考えられるが、ここでは説明を容易にするため、最初の印刷媒体13の前端13aが定着器8のニッチ部に到達するまでは撓みが無いものとして説明する。その撓みが無い場合の検出レバー部19aの動きとカウンタ32のカウント(加減算)処理について以下に説明する。
印刷媒体13に撓みが無い場合、(a)検出レバー部19aは、印刷媒体13の前端13aにより押され、その時に、カウンタ32は、押されるに従って発生する加算方向のA相のパルス信号φA及びB相のパルス信号φBの各出力をカウントアップ(加算)する。(b)検出レバー部19aは、印刷媒体13の前端13aにより押されきって、印刷媒体13の下面に接触する状態になった場合には回動しなくなる。従って、その場合にはカウンタ32もカウントアップ(加算)を停止する。検出レバー部19aのその停止状態は、撓みが発生しない場合は印刷媒体13の後端13bが搬送によって到着するまでは維持される。言い換えれば、撓みが発生しない場合は、印刷媒体13の後端13bが搬送によって到着するまでの間は、カウンタ32もカウント(加減算)処理を実施しない。
(c)印刷媒体13の後端13bが搬送によって検出レバー部19aのところに到着すると、検出レバー部19aは印刷媒体13の後端13bに追従してスプリング20の付勢力によりCW方向に戻される。その際に、カウンタ32は、カウント値CNをカウントダウン(減算)する。
しかし、本実施の形態は、印刷媒体13の前端13aが定着器8のニッチ部に到達した後に印刷媒体13がさらに搬送されると、定着器8の第2の搬送速度V2の標準速度モードV2Nが転写ベルトユニット6の第1の搬送速度V1よりもわずかに遅いことにより、印刷媒体13に対して上方向UD又は下方向LDに撓みを発生させるものであるので、上記の(b)の処理はそのまま実施されるわけではなく変更される。上記の(c)の処理は、撓みが有る場合も同様に実施される。
まず、印刷媒体13の撓み無い状態から上方向UDに撓みが発生した場合について説明する。その場合、検出レバー部19aは、印刷媒体13の前端13aが定着器8のニッチ部に到達するまでの撓みが無い場合から、印刷媒体13の下面に接触する状態の回動角度よりも小さくなる方に回動する。そのためカウンタ32は撓みが無い場合の所定値に対してカウント値CNを少なくする(カウントダウン:減算する)。また、検出レバー部19aが印刷媒体13の前端13aにより押されきって印刷媒体13の下面に接触中である場合にも、検出レバー部19aは、印刷媒体13の後端13bが搬送によって検出レバー部19aのところに到着するまで停止しないで、所定の上側撓み量制御目標値を上下するように回動が繰り返される。従って、その間はカウンタ32もカウント(加減算)処理を継続している。
印刷媒体13の撓み無い状態から下方向LDに撓みが発生する場合は、検出レバー部19aは、印刷媒体13の前端13aが定着器8のニッチ部に到達するまでの撓みが無い場合から、印刷媒体13の下面に接触する状態の回動角度よりも大きくなる方に回動する。そのためカウンタ32は撓みが無い場合の所定値に対してカウント値CNを多くする(カウントアップ:加算する)。検出レバー部19aが印刷媒体13の下面に接触中の場合にも、検出レバー部19aが後端13bが検出レバー部19aのところに到着するまで停止しないで、所定の上側撓み量制御目標値を上下するように回動が繰り返され、その間はカウンタ32もカウント(加減算)処理を継続している点は同様である。
従って、本実施の形態のように撓みを発生させる場合には、制御部30は、カウンタ32によるカウント値CNが、撓みが無い場合の所定のカウント値BCNからダウン(減算)されるか、アップ(加算)されるかの判断(S2)により、撓み方向が上方向UDか(S4)、或いは、下方向LDか(S3)の判断が可能であり、その判断を実施している。
カウンタ32が所定値に対してカウントアップ(S2:Up)したことから、撓み方向が下方向LDであると判断された場合(S3)には、制御部30は、カウンタ32によるカウント値CNが、例えば撓みが無い場合の所定のカウント値BCNの方に近づくか否かで、印刷媒体13の後端13bが搬送によって転写ベルトユニット6上から離れたか否かが判断される(S5)。印刷媒体13の後端13bが転写ベルトユニット6上から離れた場合(S5:Yes)には、印刷媒体13の上方向UDの撓みが解消されるため、撓み制御を終了する。又、ステップS2で、カウンタ32が所定値に対してカウントダウンもカウントアップもしない場合は、まだ撓みが発生していない状態と考えられるため、ステップS2の判断を繰り返す。
印刷媒体13の後端13bがまだ転写ベルトユニット6上に残っている場合(S5:No)で撓み方向が下方向LDである場合には、検出レバー部19aは、図8(b)に示したように印刷媒体13の中程13dが下方向LDに撓むことにより押されてCCW方向に回動される。すると扇状突出部19bの複数の検出点19cもCCW方向に回動され、撓み量検出センサ7の検出部21から加算方向にA相のパルス信号φA及びB相のパルス信号φBのセンサ出力が制御部30に出力される。これにより、制御部30内のカウンタ32は、カウント値CNをカウントアップ(加算)して、そのカウント値CNが、印刷媒体13の下方向LDの撓み量が所定範囲内の最大(最高)のレベルLLの状態LBLLの場合である図7のカウント値k3を超えたか否かを判断する(S7)。
カウント値CNがカウント値k3を超えない場合(S7:No)には、定着器8の第2の搬送速度V2の標準速度モードV2Nが継続又はそれに切替られる(S10)が、カウント値CNがカウント値k3を超える場合(S7:Yes)には、制御部30は、定着器8の第2の搬送速度V2を、転写ベルトユニット6の第1の搬送速度V1よりもわずかに早い高速速度モードV2Hに切り替え制御し(S9)、その後、再びステップS5に戻って判断を繰り返す。
又、ステップS9で定着器8の第2の搬送速度V2が高速速度モードV2Hになった結果、カウント値CNが下方向LDに撓んでいると判断するカウント値k4以下まで減算された場合には、例えば、再度ステップS7でカウント値CNを判断する際に、印刷媒体13の下方向LDの撓み量が所定範囲内の最少(最低)のレベルLLの状態LBLLの場合である図7のカウント値k4未満になったか否かについても判断し、カウント値CNがカウント値k4未満ではない場合(S7:Yes)には、定着器8の第2の搬送速度V2の標準速度モードV2Nに切替られる(S10)ようにし、カウント値CNがカウント値k4未満の場合(S7:No)には、定着器8の第2の搬送速度V2の高速速度モードV2Hが維持される(S9)ようにすればよい。
カウンタ32が所定値に対してカウントダウン(S2:Down)したことから、撓み方向が上方向UDであると判断された場合(S4)には、制御部30は、カウンタ32によるカウント値CNが、例えば撓みが無い場合の所定のカウント値BCNに近づくか否かで、印刷媒体13の後端13bが搬送によって転写ベルトユニット6上から離れたか否かが判断される(S6)。印刷媒体13の後端13bが転写ベルトユニット6上から離れた場合(S6:Yes)には、印刷媒体13の上方向UDの撓みが解消されるため、撓み制御を終了する。
印刷媒体13の後端13bがまだ転写ベルトユニット6上に残っている場合(S6:No)で撓み方向が上方向UDである場合には、検出レバー部19aは、図8(a)に示したように印刷媒体13の中程13cが上側に逃げることでスプリング20の付勢力によりCW方向に回動されて戻される。すると扇状突出部19bの複数の検出点19cもCW方向に回動され、撓み量検出センサ7の検出部21から減算方向にA相のパルス信号φA及びB相のパルス信号φBのセンサ出力が制御部30に出力される。これにより、制御部30内のカウンタ32は、カウント値CNをカウントダウン(減算)して、そのカウント値CNが、印刷媒体13の上方向UDの撓み量が所定範囲内の最大(最高)のレベルULの状態UBULの場合である図7のカウント値k2を超えたか否かを判断する(S8)。
カウント値CNがカウント値k2を超えない場合(S8:No)には、定着器8の第2の搬送速度V2の標準速度モードV2Nが継続又はそれに切替られる(S12)が、カウント値CNがカウント値k2を超える場合(S8:Yes)には、制御部30は、定着器8の第2の搬送速度V2を、転写ベルトユニット6の第1の搬送速度V1よりもわずかに早い高速速度モードV2Hに切り替え制御し(S11)、その後、再びステップS6に戻って判断を繰り返す。
又、ステップS11で定着器8の第2の搬送速度V2が高速速度モードV2Hになった結果、カウント値CNが上方向UDに撓んでいると判断するカウント値k1以下まで減算された場合には、例えば、再度ステップS8でカウント値CNを判断する際に、印刷媒体13の上方向UDの撓み量が所定範囲内の最少(最低)のレベルLLの状態UBLLの場合である図7のカウント値k1未満になったか否かについても判断し、カウント値CNがカウント値k1未満ではない場合(S8:Yes)には、定着器8の第2の搬送速度V2の標準速度モードV2Nに切替られる(S12)ようにし、カウント値CNがカウント値k1未満の場合(S8:No)には、定着器8の第2の搬送速度V2の高速速度モードV2Hが維持される(S11)ようにすればよい。
上記制御は、印刷媒体13の後端13bが転写ベルトユニット6から離脱するまで継続される。尚、印刷媒体13の後端13bの位置は、上記したように媒体検出センサ12のOFF信号により検出でき、転写ベルトユニット6の第1の搬送速度V1が既知であれば容易に演算で求めることができる。
なお、上記した撓み量が下限で撓み量を増加させる場合のカウント値(k1、k3)と、撓み量が上限で撓み量を減少させる場合のカウント値(k2、k4)、撓み量検出センサ7の搬送センサ可動部19における扇状突出部19bのスリット状開口窓形状である複数の検出点19cの各スリット状開口窓の間隔、定着器8の搬送速度V2の標準速度モードV2Nと高速速度モードV2H等の値は、実験により得られた最適値を用いることとする。
上記したように本実施の形態の制御部30は、撓み方向が上方向UDで、上側撓み量UBLが所定の上側上限撓み量UBULを超えることが検出された場合(カウント値k2超過の場合)と、撓み方向が下方向LDで、下側撓み量LBLが所定の下方向LD下限撓み量LBLLを超えることが検出された場合(カウント値k3超過の場合)には、上側上限撓み量UBUL以下(カウント値k2以下)又は下方向LD下限撓み量LBLL以上(カウント値k3以上)の所定の撓み量の範囲内になるまで、定着器8の搬送速度V2を転写ベルトユニット6の搬送速度V1よりも早くして、第1の搬送速度V1と第2の搬送速度V2との速度差V1−V2を減少させるように制御する。又は、転写ベルトユニット6の搬送速度V1を定着器8の搬送速度V2よりも遅くして、第1の搬送速度V1と第2の搬送速度V2との速度差V1−V2を減少させるように制御してもよい。
又、本実施の形態の制御部30は、撓み方向が上方向UDで、上側撓み量UBLが所定の上側下限撓み量UBLL未満であることが検出された場合(カウント値k1未満の場合)と、撓み方向が下方向LDで、下側撓み量LBLが所定の下方向LD上限撓み量LBUL未満であることが検出された場合(カウント値k4未満の場合)には、上側下限撓み量UBLL以上(カウント値k1以上)又は下方向LD上限撓み量LBUL以下(カウント値k4以上)の所定の撓み量の範囲内になるまで、定着器8の搬送速度V2を転写ベルトユニット6の搬送速度V1よりも遅くして、第1の搬送速度V1と第2の搬送速度V2との速度差V1−V2を増加させるように制御する。又は、転写ベルトユニット6の搬送速度V1を定着器8の搬送速度V2よりも速くして、第1の搬送速度V1と第2の搬送速度V2との速度差V1−V2を増加させるように制御してもよい。
又、本実施の形態の制御部30は、図9の軌道Cと軌道Fとの比較から理解されるように、上側撓み量UBLの動作上好適な所定の許容範囲が、下側撓み量LBLの動作上好適な所定の許容範囲よりも小さくなるように制御する。
本実施の形態の画像形成装置は、撓み量検出センサ7が印刷媒体13の撓みの上下両方向UD/LDとその撓み量をカウント値から検出して、制御部30で第1の搬送部6及び前記第2の搬送部8の間の速度差V1−V2を制御するので、搬送経路の上下両側に撓みが発生する可能性のある場所で撓みを検出することができ、2つの搬送部6、8の間の速度差V1−V2を印刷品質が低下しない範囲に制御することができる。すなわち、本実施の形態の画像形成装置は、印刷媒体13の上下両方向の撓み量をカウント値で検出できることで、安定した撓み量制御を実施でき、印刷品位の優れた画像形成装置を提供することができる。又、本実施の形態の画像形成装置は、レーザ変位計や超音波センサ等の高価な部材を使用しないで安価なカウンタで撓み量を検出できるので、撓み量検出部を低コストにすることができる。
(第2の実施の形態)
上記した第1の実施の形態の撓み量検出センサ7は、扇状突出部19bの円周辺の近傍に、円周方向に等間隔で複数のスリット状開口窓形状の検出点19cを設けたものと、各検出点19cと2組の発光部と受光部の組21a、21bは、A相とB相の2相の各パルス信号出力間が1/4周期分異なるように配置された検出部21を備え、その出力のパルス信号のカウント数をカウンタ32で計数して、そのパルス信号のカウント数から制御部30で印刷媒体13の上下の撓み方向と撓み量BLを検出していたが、撓み量検出センサ7に比較的高額の2相の光学センサが用いられると共に扇状突出部19bには精度が要求される等間隔で複数のスリット状開口窓形状の検出点19cが設けられることから、センサ部が高価になりがちであった。
図14は、本実施の形態の画像形成装置の撓み量検出センサにおける搬送センサ可動部の構成を周辺の構成と共に示した縦断面図である。
なお、本実施の形態の全体構成は第1の実施の形態の図1に示したものと同様であり、第1の実施の形態の図1〜図13と同じ構成については、同じ符号を付与して重複する説明を省略する。
図14に示されたように、転写ベルトユニット6及び定着器8の間に設置された撓み量検出センサ50は、搬送される印刷媒体13の前端13aにより押されて変位する2つの搬送センサ可動部51、52と、その各搬送センサ可動部51、52の変位(ON/OFF)を個別に検出する不図示のON/OFF検出部で構成される。搬送センサ可動部51は、印刷媒体13の搬送経路から下方向LDに外れた位置に設けられたシャフト形状の回転軸51zと、その回転軸51zから放射方向に印刷媒体13の搬送経路と交差する方向で、更にその搬送経路の先まで延伸されるレバー形状の検出レバー部51aを有する。搬送センサ可動部52は、印刷媒体13の搬送経路から下方向LDに外れた位置に設けられたシャフト形状の回転軸52zと、その回転軸52zから放射方向に印刷媒体13の搬送経路と交差する方向で、その搬送経路に届かない近傍まで延伸されるレバー形状の検出レバー部52aを有する。
回転軸51z、52zには、各々バネ性のスプリング20がはめ込まれ、検出レバー部51a、52aを印刷媒体13が検出される前の最初の位置(ホームポジション)に戻す方向に付勢している。搬送経路を搬送される印刷媒体13により検出レバー部51a、52aが搬送方向に押されることで、回転軸51z、52zに対する検出レバー部51a、52aの回転角度が変化する。又、撓み量検出センサ50の各搬送センサ可動部51、搬送センサ可動部52には、回転軸51z、52zから放射方向で先端がON/OFF検出部をON/OFFさせるように延伸される突出部51b、52bが設けられている。
本実施の形態のような形式の従来の画像形成装置では、定着器8における印刷媒体13の搬送速度V2が、転写ベルトユニット6における印刷媒体13の搬送速度V1よりも速い場合、印刷媒体13のテンション(引っ張り力)が強くなるために、形成される画像には色ずれが発生するが、その色ずれに対しては一般的に許容範囲が設けられている。本実施の形態では、許容範囲の上限値を搬送センサ可動部51の検出レバー部51a、下限値を搬送センサ可動部52の検出レバー部52aの2本のセンサーレバーで検出している。
図14の軌跡Jは、例えば初期設定の定着器8における印刷媒体13の搬送速度V2が、転写ベルトユニット6における印刷媒体13の搬送速度V1より速い場合に、印刷媒体13がテンションを受けながら通過する軌跡である。この印刷媒体13が軌跡Jで搬送される場合には、印刷品質を低下させる色ずれが発生する場合がある。
それを解決するために、印刷媒体13が軌跡Jで通過する時には、制御部30で、印刷媒体13のテンションを受けた部分を検出し、定着器8における印刷媒体13の搬送速度V2が初期設定値よりも遅くなるように駆動モータで速度制御することが考えられる。しかし、この駆動モータで速度制御する際には、一般的に定着器の駆動モータの制御回路等により発生する遅延時間と、慣性力により発生する速度調整時の遅延時間が発生することから、その遅延時間の期間分だけは印刷媒体13が初期設定値の軌跡Jで通過してしまい、色ずれが発生してしまう。
そのため、定着器8における印刷媒体13の搬送速度V2の初期設定値を、この駆動モータで速度調整する際の遅延時間分の印刷媒体13のテンションを緩和できるように設定する。つまり、印刷媒体13を撓ませておき、速度調整する際の遅延時間には、その撓みが解消される方向に変化することでテンションを緩和させる。その搬送速度V2が遅くなる印刷媒体13の上側と下方向LDの撓み量の領域境界を設定する。上方向UDの領域を領域境界Kとし、下方向LDの領域境界Lとする。
上方向UDの領域境界Kを検出するセンサーレバーが搬送センサ可動部51の検出レバー部51aであり、下方向LDの領域境界Lを検出するセンサーレバーが搬送センサ可動部52の検出レバー部52aであり、図14に配置が示されている。
定着器8と転写ベルトユニット6の間の撓み量検出センサ50の位置に印刷媒体13が達した場合には、搬送センサ可動部51の検出レバー部51aのみが倒されるか、又は、搬送センサ可動部51の検出レバー部51aと搬送センサ可動部52の検出レバー部52aが共に倒される。
例えば、印刷媒体13が、定着器8に搬送されて吸い込まれる時に、印刷媒体13が、図14の領域境界Lよりも下方向LDにふくらむ軌道で軌道を通った場合、搬送センサ可動部51の検出レバー部51a及び搬送センサ可動部52の検出レバー部52aがともに倒される。これにより、制御部30では、下側撓みをしていることと、印刷媒体13の下側撓み量が領域境界Lに対して大きいことが判断できる。従って、その場合には、制御部30は、定着器8における印刷媒体13の搬送速度V2を高速速度モードV2Hに切りかえる。
その後、印刷媒体13の搬送速度V2が高速速度モードV2Hになったことで印刷媒体13の撓み量が減少されて、印刷媒体13の軌道が領域境界Lよりも上側(軌道J側)になると、搬送センサ可動部52の検出レバー部52aが倒された状態から元のホームポジション側に変化する。すると、搬送センサ可動部52の検出レバー部52aからのON信号が無くなってOFFになるので、制御部30は、定着器8における印刷媒体13の搬送速度V2を標準速度モードV2Nに切り替える。
さらにその後、印刷媒体13の搬送速度V2が標準速度モードV2Nになったことで印刷媒体13の撓み量が増加されて、印刷媒体13の軌道が領域境界Lよりも下側になると、搬送センサ可動部52の検出レバー部52aが再び倒された状態側に変化する。すると、搬送センサ可動部52の検出レバー部52aからのON信号が再び発生するので、制御部30は、定着器8における印刷媒体13の搬送速度V2を高速速度モードV2Hに切り替える。
本実施の形態では、制御部30は、上述したように搬送センサ可動部52の検出レバー部52aが倒れたことからON信号が検出されると、印刷媒体13の撓み量が領域境界Lに対して大きいので、定着器8における印刷媒体13の搬送速度V2を高速速度モードV2Hに切り替え、また、搬送センサ可動部52の検出レバー部52aのON信号が検出されなくなると、印刷媒体13の搬送速度V2を高速速度モードV2Hから標準速度モードV2Nに切り替えることにより、印刷媒体13の撓み量状態を保持したまま印刷媒体13を搬送する。制御部30は、この制御を、印刷媒体13の後端13bが転写ベルトユニット6上から無くなるまで続ける。
なお、印刷媒体13の後端13bの位置は、例えば、前述した検出センサー12のON出力及びOFF出力の発生時点と転写ベルトユニット6の搬送速度と搬送距離の関係から、演算によりその位置を認識することができる。
次に、例えば、印刷媒体13が、定着器8に搬送されて吸い込まれる時に、印刷媒体13が、図14の領域境界Kよりも上方向UDにふくらむ軌道で軌道を通った場合、搬送センサ可動部51の検出レバー部51a及び搬送センサ可動部52の検出レバー部52aはともに倒されないでホームポジションのままである。しかし、上記したように印刷媒体13の位置は演算により認識できるので、印刷媒体13の前端13aの位置が定着器8を通過して、後端13bの位置はまだ転写ベルトユニット6を離れていない場合は、制御部30は、印刷媒体13はまだ定着器8と転写ベルトユニット6との間にあると認識できる。これにより、制御部30では、上側撓みをしていることと、印刷媒体13の上側撓み量が領域境界Kに対して大きいことが判断できる。従って、その場合には、制御部30は、定着器8における印刷媒体13の搬送速度V2を高速速度モードV2Hに切りかえる。
その後、印刷媒体13の搬送速度V2が高速速度モードV2Hになったことで印刷媒体13の撓み量が減少されて、印刷媒体13の軌道が領域境界Kよりも下側(軌道J側)になると、搬送センサ可動部51の検出レバー部51aが倒された状態側に変化する。すると、搬送センサ可動部51の検出レバー部51aからのON信号が発生するので、制御部30は、定着器8における印刷媒体13の搬送速度V2を標準速度モードV2Nに切り替える。
さらにその後、印刷媒体13の搬送速度V2が標準速度モードV2Nになったことで印刷媒体13の撓み量が増加されて、印刷媒体13の軌道が領域境界Kよりも上側になると、搬送センサ可動部51の検出レバー部51aが再び倒された状態側からホームポジション側に変化する。すると、搬送センサ可動部51の検出レバー部51aからのON信号が無くなり再びOFF出力になるので、制御部30は、定着器8における印刷媒体13の搬送速度V2を高速速度モードV2Hに切り替える。
本実施の形態では、制御部30は、上述したように搬送センサ可動部51の検出レバー部51a及び搬送センサ可動部52の検出レバー部52aはともに倒されないでホームポジションのOFF出力状態であることが検出されると、印刷媒体13の撓み量が領域境界Kに対して大きいので、定着器8における印刷媒体13の搬送速度V2を高速速度モードV2Hに切り替え、また、搬送センサ可動部51の検出レバー部51aが倒れたことからON信号が検出されると、印刷媒体13の搬送速度V2を高速速度モードV2Hから標準速度モードV2Nに切り替えることにより、印刷媒体13の撓み量状態を保持したまま印刷媒体13を搬送する。制御部30は、この制御を、印刷媒体13の後端13bが転写ベルトユニット6上から無くなるまで続ける。
図15は、本実施の形態の画像形成装置の転写ベルトユニット6と定着器8の間において撓み量を制御する際の共通処理を示すフローチャートである。図16は、図15における上側撓み量を制御する際の処理を示すフローチャートである。図17は、図15における下側撓み量を制御する際の処理を示すフローチャートである。媒体検出センサ12の出力と搬送速度と距離の演算により印刷媒体13が搬送されてきたことが検出されると、制御部30は、定着器8の第2の搬送速度V2を、転写ベルトユニット6の第1の搬送速度V1よりもわずかに遅い標準速度モードV2Nに設定する(S21)。尚、この定着器8の第2の搬送速度V2の標準速度モードV2Nは、後述するステップS34で制御部30により、検出レバー部51a及び検出レバー部52aが共に倒されないでホームポジションのOFF出力状態であることが検出されるか、後述するステップS44で制御部30により、検出レバー部51a及び検出レバー部52aが共に倒されてON出力状態であることが検出されるまで継続される。
さらに印刷媒体13が搬送されて定着器8と転写ベルトユニット6の間まで搬送されると、撓み量検出センサ50の搬送センサ可動部51における検出レバー部51a、及び/又は、搬送センサ可動部52における検出レバー部52aが印刷媒体13の前端13aにより押されてホ−ムポジションからCCW方向へ回転し、撓み量検出センサ50からは各検出レバー部51a/検出レバー部52aの両部に対応するON信号が出力されたか、又は、検出レバー部51aがON信号で検出レバー部52aに対応するOFF信号が出力されたか否か、それともその他の出力状態であるかが判断される(S22)。
ステップS22でその他の出力状態の場合(S22:その他)には、再び、ステップS22を繰り返して待ち受ける。印刷媒体13の前端13aが領域境界Lよりも下に撓んで、検出レバー部51aに加えて検出レバー部52aもCCW方向へ回転して撓み量検出センサ50からは両方のON信号が出力される場合(S22:51がON、52もON)には、図17の下側撓み制御のワークフローに進む。
印刷媒体13に撓みが無く搬送され、検出レバー部51aのみがCCW方向へ回転して撓み量検出センサ50からはON信号が出力され、検出レバー部52aはCCW方向へ回転しないでホームポジションなので撓み量検出センサ50からはOFF信号が出力される場合(S22:51がON、52がOFF)には、定着器8の第2の搬送速度V2を標準速度モードV2Nのままに維持し(S23)、印刷媒体13の前端13aが領域境界Lよりも下に撓んで、検出レバー部51aに加えて検出レバー部52aもCCW方向へ回転して撓み量検出センサ50からは両方のON信号が出力されるか、或いは、印刷媒体13が領域境界Kよりも上に撓んで、検出レバー部51aに加えて検出レバー部52aもCW方向へ回転してホームポジションに戻り撓み量検出センサ50からは両方のOFF信号が出力されるか、その他の状態であるかが判断される(S24)。
ステップS24でその他の出力状態の場合(S24:その他)には、再び、ステップS24を繰り返して待ち受ける。ステップS24で、検出レバー部51aと検出レバー部52aがCCW方向へ回転して撓み量検出センサ50からは両方のON信号が出力される場合(S24:51がON、52もON)には、図17の下側撓み制御のワークフローに進む。検出レバー部51aと検出レバー部52aが逆にCW方向へ回転して撓み量検出センサ50からは両方のOFF信号が出力される場合(S24:51がOFF、52もOFF)には、図16の上側撓み制御のワークフローに進む。
図16の上側撓み制御のワークフローでは、まず、印刷媒体13の後端13bが搬送によって転写ベルトユニット6上から離れたか否かが判断される(S31)。印刷媒体13の後端13bが転写ベルトユニット6上から離れた場合(S31:Yes)には、印刷媒体13の上方向UDの撓みが解消されるため、撓み制御を終了する。印刷媒体13の後端13bがまだ転写ベルトユニット6上に残っている場合(S31:No)には、印刷媒体13が領域境界Kを超えて上方向UDに撓むことにより検出レバー部51a及び検出レバー部52aがCW方向に回動されてホームポジション側に戻って、撓み量検出センサ50のON/OFF検出部21から検出レバー部51a及び検出レバー部52aの両方のOFF信号が制御部30に出力されるか、印刷媒体13が領域境界Kを超えないで上方向UDに撓むことにより検出レバー部51aは押されたままで、検出レバー部52aのみがCW方向に回動されてホームポジション側に戻って、撓み量検出センサ50のON/OFF検出部21から検出レバー部51aのON信号と検出レバー部52aのOFF信号が制御部30に出力されるか、その他の状態であるかが判断される(S32)。
ステップS32でその他の出力状態の場合(S32:その他)には、再び、ステップS32を繰り返して待ち受ける。撓み量検出センサ50のON/OFF検出部21から検出レバー部51a及び検出レバー部52aの両方のOFF信号が制御部30に出力される場合(S32:51がON、52がOFF)には、定着器8の第2の搬送速度V2の標準速度モードV2Nが継続又はそれに切替られる(S33)が、撓み量検出センサ50のON/OFF検出部21から検出レバー部51aのON信号と検出レバー部52aのOFF信号が制御部30に出力される場合(S32:51がOFF、52もOFF)には、制御部30は、定着器8の第2の搬送速度V2を、転写ベルトユニット6の第1の搬送速度V1よりもわずかに早い高速速度モードV2Hに切り替え制御し(S34)、その後、再びステップS31に戻って判断を繰り返す。
図17の下側撓み制御のワークフローでは、まず、印刷媒体13の後端13bが搬送によって転写ベルトユニット6上から離れたか否かが判断される(S41)。印刷媒体13の後端13bが転写ベルトユニット6上から離れた場合(S41:Yes)には、印刷媒体13の下方向LDの撓みが解消されるため、撓み制御を終了する。印刷媒体13の後端13bがまだ転写ベルトユニット6上に残っている場合(S41:No)には、印刷媒体13が領域境界Lを超えて下方向LDに撓むことにより検出レバー部51a及び検出レバー部52aがCCW方向に回動されて、撓み量検出センサ50のON/OFF検出部21から検出レバー部51a及び検出レバー部52aの両方のON信号が制御部30に出力されるか、印刷媒体13が領域境界Lを超えないで下方向LDに撓むことにより検出レバー部51aは押されたままで、検出レバー部52aのみがCW方向に回動されてホームポジション側に戻って、撓み量検出センサ50のON/OFF検出部21から検出レバー部51aのON信号と検出レバー部52aのOFF信号が制御部30に出力されるか、その他の状態であるかが判断される(S42)。
ステップS42でその他の出力状態の場合(S42:その他)には、再び、ステップS42を繰り返して待ち受ける。撓み量検出センサ50のON/OFF検出部21から検出レバー部51a及び検出レバー部52aの両方のON信号が制御部30に出力される場合(S42:51がON、52もON)には、制御部30は、定着器8の第2の搬送速度V2を、転写ベルトユニット6の第1の搬送速度V1よりもわずかに早い高速速度モードV2Hに切り替え制御し(S34)、撓み量検出センサ50のON/OFF検出部21から検出レバー部51aのON信号と検出レバー部52aのOFF信号が制御部30に出力される場合(S42:51がON、52がOFF)には、定着器8の第2の搬送速度V2の標準速度モードV2Nが継続又はそれに切替られ(S43)、その後、再びステップS41に戻って判断を繰り返す。
上記制御は、印刷媒体13の後端13bが転写ベルトユニット6から離脱するまで継続される。尚、印刷媒体13の後端13bの位置は、上記したように媒体検出センサ12のON出力及びOFF出力の発生時点と転写ベルトユニット6の第1の搬送速度V1と搬送距離が既知であればその関係から、演算によりその位置を認識することができる。
このように本実施の形態では、第1実施の形態の効果に加えて、さらにコストを低減させることができる。
尚、上記した実施の形態では、本発明の画像形成装置がプリンタである場合について説明したが、本発明は、複写機、印刷機、MFP、FAX等の他の画像形成装置にも適用することができる。