JP2008241287A - 圧力センサ用の感圧素子、及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ダイヤフラムを効率よく形成でき、感度よく圧力を測定できる圧力センサ用感圧素子及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】振動腕34,35の両端に基部36,37を有する圧電振動片31と、両端の基部36,37の夫々が接合された台座部44,45を有すると共に、周縁部42が固定されるようにした薄板状のダイヤフラム40とを備えた圧力センサ用の感圧素子であって、ダイヤフラム40は、全体外形が略長方形又は略正方形に形成されており、台座部44,45は、ダイヤフラム40の中央部40bを挟んだ両側に配置され、中央部40bに向かうに従って、その向かう方向と直交する幅方向の寸法を小さくするように形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、ダイヤフラムに接合された圧電振動片を用いた感圧素子及びその製造方法に関する。
水晶振動片等の圧電振動片に応力を加えると周波数が変化することから、従来より、この圧電振動片の性質を利用した圧力センサが広く用いられている。
図11は従来の圧力センサに用いられる感圧素子1であり、図11(a)はその概略平面図、図11(b)はその概略断面図である(例えば、特許文献1参照)。なお、図11(a)は上面を透過して図示している。
この図に示されるように、感圧素子1は、外部からの圧力P1,P2を受けて撓む2枚の水晶ダイヤフラム2,4を有している。そして、この2枚の水晶ダイヤフラム2,4は、凹状の開口部どうしを対向させるようにして接合され、これにより圧電振動片6を収容する内部空間Sが形成されている。また、この水晶ダイヤフラム2,4は、理想的な撓み動作を得ることができるように、全体が円形に形成されている。
圧電振動片6は、双音叉振動片であり、この双音叉振動片の長手方向の両端の基部6a,6bと、水晶ダイヤフラム2の内部空間Sに面した台座部7a,7bとが、接合固定されている。そして、圧電振動片6は、水晶ダイヤフラム2が最も撓む中央をまたぐように配置されている。このような状態で、水晶ダイヤフラム2が外部から圧力P1を受けて撓むと、台座部7a,7bを介して、圧電振動片6が効果的に伸張してストレスを受け、これにより圧電振動片6の周波数が変化して、圧力を感知することができる。
また、図11の感圧素子1は、2枚の水晶ダイヤフラム2,4の中央部どうしを連結して、台座部7a,7bが設けられていない水晶ダイヤフラム4が受けた圧力P2を、水晶ダイヤフラム2に伝達するための力伝達用柱部8を有している。これにより、水晶ダイヤフラム4側で圧力P2を受けた場合、力伝達用柱部8、水晶ダイヤフラム2、及び台座部7a,7bを介して圧電振動片6が圧縮するようにストレスを受ける。このようにして、感圧素子1は正負の圧力を検出することができる。
特開2004−132913号公開特許公報
ところが、図11のような感圧素子1であると、水晶ダイヤフラム2,4の全体の外形が円形であるため、バッチ処理をしようとして、例えば図12に示すように、1枚のウエハ9から複数の水晶ダイヤフラム2を形成しようとすると、図12の平行斜線で示す部分が無駄になってしまう。即ち、水晶ウエハに複数の円形の水晶ダイヤフラム2,4を如何様に並べても切り代以外の破棄される部分が大量に発生してしまう。
また、水晶ウエハの状態から個別の水晶ダイヤフラム2,4に分離する方法としてカッタを使用した切断加工では円形に水晶ウエハを切断することが困難である。一方、エッチングにより円形に水晶ウエハを形成する方法もあるがエッチング加工は長い加工時間を必要とする。
このように、水晶ダイヤフラム2,4の円形状は、加工するうえでは非効率であり高い生産性を実現できるものではなかった。
この点、水晶ダイヤフラム2,4の全体外形を四角形状に形成すれば、このような無駄を省いて、1枚のウエハ9から複数の水晶ダイヤフラム2,4を効率よく形成することができる。しかし、水晶ダイヤフラム2,4の全体外形を四角形状にすると、全体外形が円形の場合に比べて、水晶ダイヤフラム2,4の外周から中心までの距離が単一の長さではないことで外部から受けた圧力に対して効果的に撓み難くなり、圧力を検出する感度が落ちてしまうという問題がある。
本発明は、以上の課題を解決するためになされたもので、ダイヤフラムを効率よく形成でき、かつ、感度よく圧力を測定できる圧力センサ用感圧素子、及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的は、第1の発明にあっては、振動腕の両端に基部を有する圧電振動片と、前記両端の基部の夫々が接合された台座部を有すると共に、周縁部が固定されるようにした薄板状のダイヤフラムとを備えた圧力センサ用の感圧素子であって、前記ダイヤフラムは、全体外形が略長方形又は略正方形に形成されており、前記台座部は、前記ダイヤフラムの中央部を挟んだ両側に配置され、前記中央部に向かうに従って、その向かう方向と直交する幅方向の寸法を小さくするように形成されている感圧素子により達成される。
第1の発明の構成によれば、感圧素子用のダイヤフラムは、圧電振動片の両端部にある基部の夫々が接合される台座部を有するため、このダイヤフラムが圧力を受けて撓むことで、台座部を介して圧電振動片が変形し、これにより周波数が変化して圧力を感知することができる。
また、このダイヤフラムは、その全体外形が略長方形又は略正方形に形成されているため、一枚のウエハから効率よく複数のダイヤフラムを形成することができる。
さらに、このように、円形のダイヤフラムと比較して理想的に撓むことが不得意な四角形状のダイヤフラムにした場合であっても、台座部は、ダイヤフラムの中央部を挟んだ両側に配置され、中央部に向かうに従って、その向かう方向と直交する幅方向に沿った寸法を小さくするように形成されている。そうすると、ダイヤフラムは、中央部に向かうに従って撓み易くなるため、圧力を受けた場合、中央部に向かうほど変位量が大きくなる。したがって、中央部を挟んで両側に配置された台座部に基部が接合された圧電振動片は変形し易くなる。
かくして、本発明によれば、ダイヤフラムを効率よく形成でき、かつ、感度よく圧力を測定できる圧力センサ用感圧素子を提供することができる。
第2の発明は、第1の発明の構成において、前記両側の台座部は、互いに、前記中央部側の内側縁部が略平行であることを特徴とする。
この点、第1の発明では、中央部を挟んで両側に配置された台座部は、中央部に向かうに従って幅寸法が小さくなっている。このため、この所定の剛性を有する台座部の縁部がガイドとなって、ダイヤフラムは折り目をつけるかのように規制されながら撓むことになる。そして、第2の発明の構成では、両側の台座部は、互いに、中央部側の内側縁部が略平行であるため、ダイヤフラムが中央部を挟んで幅方向に捩れて撓まないように有効にガイドすることになる。したがって、圧電振動片は、幅方向に捩られることを有効に防止しながら、両側の台座部を結ぶ方向に沿ってストレスをかけられて、圧力の検出精度を高めることができる。
第3の発明は、第1または第2の発明の構成において、前記台座部の前記中央部側と反対側の外側縁部と、この外側縁部の近傍における前記ダイヤフラムの周縁部とは、略平行であることを特徴とする。
第3の発明の構成によれば、台座部の中央部側と反対側の外側縁部と、この外側縁部の近傍におけるダイヤフラムの周縁部とは略平行である。したがって、ダイヤフラムは、外側縁部と周縁部との間で、捩れを有効に防止しながら滑らかに撓むため、感度を高めることができる。
第4の発明は、第1ないし第3の発明のいずれかの構成において、前記台座部の前記内側縁部は、前記圧電振動片の基部の前記内側縁部と対向した部分に対応する幅方向の寸法と、同等以上の寸法であることを特徴とする。
第4の発明の構成によれば、台座部の内側縁部は、圧電振動片の基部の内側縁部と対向した部分に対応する幅方向の寸法と、同等以上の寸法である。なお、ここにいう幅方向の寸法とは、外側縁部から内側縁部に向かう方向と直交する方向を意味する。したがって、圧電振動片の基部の内側縁部に対応する部分が、台座部の内側縁部に接合されず浮いてしまうような状態がなくなり、ダイヤフラムが撓んだ際、圧電振動片の幅方向の捩れを防止して、圧力の検出精度を高めることができる。
第5の発明は、第1ないし第4の発明のいずれかの構成において、前記ダイヤフラムの周縁部は前記圧電振動片を囲む枠状部と接合され、前記枠状部と前記圧電振動片の基部とは接続部を介して一体的に形成されていることを特徴とする。
第5の発明の構成によれば、ダイヤフラムの周縁部は圧電振動片を囲む枠状部と接合され、枠状部と圧電振動片の基部とは接続部を介して一体的に形成されているため、圧電振動片をウエハから個片化せず、複数の圧電振動片の外形が形成されているウエハと、複数のダイヤフラムの外形が形成されているウエハとを積層して、圧電振動片をダイヤフラムの台座部に接合することができ、生産性を高めることができる。
第6の発明は、第5の発明の構成において、前記接続部は、前記圧電振動片の両端の基部どうしを結ぶ方向に、厚み方向に貫通した貫通孔が設けられていることを特徴とする。
第6の発明の構成によれば、接続部は、圧電振動片の両端の基部どうしを結ぶ方向に、厚み方向に貫通した貫通孔が設けられているため、圧電振動片の両端の基部どうしを結ぶ方向の撓みを接続部が阻害してしまう事態を防止して、圧力の検出感度を高めることができる。
第7の発明は、第1ないし第6の発明のいずれかの構成において、前記ダイヤフラムは、前記中央部であって、前記台座部が配置された面と反対側の面に、剛性を高める剛性部が形成されていることを特徴とする。
第7の発明の構成によれば、ダイヤフラムは、中央部に剛性を高める剛性部が形成されているため、この剛性部の領域では撓み難くなる。したがって、中央部と圧電振動片との接触を防止して、ストレスを受けて変化する圧電振動片の周波数をさらに変えてしまう恐れを有効に防止できる。また、この剛性部は台座部が配置された面と反対側の面に形成されているため、剛性部が凸部で形成されていた場合であっても、圧電振動片と剛性部とが接触してしまう恐れも防止できる。
第8の発明は、第1ないし第7の発明のいずれかの構成において、前記ダイヤフラムの周縁部は、可撓性を阻害する部分が配置されていない領域の厚みに比べて大きな厚みを有する枠状となっていることを特徴とする。
第8の発明の構成によれば、ダイヤフラムの周縁部は、可撓性を阻害する部分が配置されていない領域の厚みに比べて大きな厚みを有する枠状となっている。したがって、ダイヤフラムの周縁部の強度を向上させ、例えば、第6の発明のように圧電振動片を囲む枠状部とダイヤフラムの周縁部とが接合される場合、接合の際の応力でダイヤフラムが割れてしまう等の危険性を回避することができる。また、例えば、ダイヤフラムの周縁部と凹状の蓋体の開口端面とを接合して、該凹状の内側に圧電振動片を収容するような感圧素子を形成する場合は、蓋体の凹状を深く形成しなくても圧電振動片を収容することができ、蓋体の凹状を形成するエッチング時間を短縮して生産性を高めることができる。
また、上記目的は、第9の発明によれば、両端に基部を有する圧電振動片を枠状部で囲み、前記圧電振動片と前記枠状部とが接続されている枠付き振動子の形状を複数形成した振動子用ウエハと、前記圧電振動片の基部を接合する台座部を有し、周縁部を固定するようにした薄板状のダイヤフラムの形状を複数形成したダイヤフラム用ウエハとを、それぞれ別々に用意する準備工程と、前記台座部と前記基部、及び前記枠状部と前記周縁部を、それぞれ接合するようにして、前記ダイヤフラム用ウエハと前記振動子用ウエハとを接合する接合工程と、感圧素子毎となるように個片化するダイシング工程とを含んでおり、前記準備工程では、複数の前記枠付き振動子の形状を形成する際、前記枠付き振動子毎の全体外形を略長方形又は略正方形に形成し、複数の前記ダイヤフラムの形状を形成する際、各前記ダイヤフラムについて、その全体外形を略長方形又は略正方形に形成し、かつ、前記台座部を前記ダイヤフラムの中央部を挟んだ両側に形成すると共に、前記中央部に向かうに従って、その向かう方向と直交する幅方向の寸法を小さくするように形成する圧力センサ用感圧素子の製造方法により達成される。
第9の発明の構成によれば、感圧素子の製造方法は、両端に基部を有する圧電振動片を囲む枠状部を有する枠付き振動子の形状を複数形成した振動子用ウエハと、圧電振動片の基部を接合する台座部を有し、周縁部を固定するようにした薄板状のダイヤフラムの形状を複数形成したダイヤフラム用ウエハとを、それぞれ別々に用意する準備工程と、台座部と基部、及び枠状部と周縁部を、それぞれ接合するようにして、ダイヤフラム用ウエハと振動子用ウエハとを接合する接合工程とを含んでいる。したがって、個片化した圧電振動片を複数のダイヤフラムの台座部に接合するような製造方法ではなく、振動子用ウエハとダイヤフラム用ウエハとを積層して、圧電振動片をダイヤフラムの台座部に接合することができ、生産性を高めることができる。
また、準備工程では、各枠付き振動子や各ダイヤフラムの全体外形を略長方形又は略正方形に形成しているため、ウエハから無駄なく複数の枠付き振動子及びダイヤフラムを形成することができる。
さらに、このように、円形のダイヤフラムと比較して理想的に撓むことが不得意な四角形状のダイヤフラムにした場合であっても、準備工程では、各ダイヤフラムについて、台座部をダイヤフラムの中央部を挟んだ両側に形成すると共に、中央部に向かうに従って、その向かう方向と直交する幅方向の寸法を小さくするように形成する。したがって、ダイヤフラムは、第1の実施形態と同様に、中央部に向かうほど変位量が大きくなるため、中央部を挟んで両側に配置した台座部に基部を接合した圧電振動片は変形し易くなる。
かくして、本発明によれば、ダイヤフラムを効率よく形成でき、かつ、感度よく圧力を測定できる圧力センサ用感圧素子の製造方法を提供することができる。
図1ないし図5は、本発明の実施形態に係る圧力センサ用の感圧素子10であって、図1は感圧素子10の概略分解斜視図、図2は図1の各部品を積層してA−A線の位置で切断した場合の概略断面図、図3はダイヤフラムの概略底面図、図4は図3のダイヤフラムが圧力を受けた場合におけるB−B線切断断面図、図5は図3のダイヤフラムが圧力を受けた場合におけるC−C線切断断面図である。
これらの図における圧力センサ用の感圧素子10は、基台20と、枠付き振動子30と、ダイヤフラム40とを有しており、図2に示すように、枠付き振動子30の枠状部32を基台20とダイヤフラム40とで挟んで、接着剤25などの接合部材で接合する三層構造となっている。
基台20は、枠付き振動子30の圧電振動片31の部分を収容する内部空間Sを密封するためのパッケージ或いはリッドとしての役割を有する。具体的には、基台20は、図1及び図2に示すように、その内側に凹部22が形成されており、この凹部22の開口側の端面24に、枠付き振動子30の枠状部32を介して、ダイヤフラム40の周縁部42が接合されることで、凹部22の内側が密封された内部空間Sとなる。なお、この開口側の端面24の幅W1、枠状部32の幅W2、ダイヤフラム40の周縁部42の幅W3については、それぞれ対向する部分の幅が略同じとなっている。
このような基台20は、ガラス、セラミック板、硬質プラスチック等の非導電性材料により形成することができ、例えばセラミックを利用する場合、酸化アルミニウム質のセラミックグリーンシートを成形して、図示の形状とすることができる。本実施形態の場合、基台20は、熱膨張係数などを考慮して、圧電振動片30を囲む枠状部32と同様の材料で例えば水晶にて形成されている。
そして、基台20の主面外形は、水晶結晶軸のX軸方向に平行して延びる2本の辺と水晶結晶軸のY方向に平行して延びる2本の辺とからなる略四角形状(即ち、略長方形又は略正方形)である。
なお、図示されてはいないが、基台20の外部に露出した面には電極端子が設けられており、この電極端子は図示しない導電パターンを介して、圧電振動片31との間で信号の入出力を行うようになっている。
枠付き振動子30は、枠状部32、及びこの枠状部32と接続された圧電振動片31を有している。そして枠付き振動子30は、圧電材料として例えば水晶をエッチングして形成されており、水晶以外にタンタル酸リチウムやニオブ酸リチウム等を用いることができる。また、枠状部32の外形は、X軸方向に平行して延びる2本の辺とY軸方向に平行して延びる2本の辺とからなる略四角形状である。
圧電振動片31は、本実施形態の場合、加えられた力に対して周波数の変化が大きく、圧力を感度よく検出できる双音叉振動片とされている。すなわち、双音叉振動片は、屈曲
振動モードを有する振動片であって、図1に示すように、2つの音叉型振動片の自由端側の端面どうしを対向させて結合したような構造を有しており、互いに平行にY軸方向に長手方向が延びる二本の振動腕34,35と、この振動腕34,35の長手方向の両端に接続され、振動腕34,35と一列に並んだ2つの基部36,37とを有している。
振動腕34,35は、Y軸方向に細長く、その表面に設けられた励振電極(図示せず)
により駆動電圧を印加されて屈曲振動する部分であり、この部分にY軸方向に伸張及び/又は圧縮するようにストレス或いはテンションがかかると、周波数が変化する部分である。従って、この周波数変化を検知することで圧力変化を感知することができる。
基部36,37は、圧電振動片31をダイヤフラム40に固定するための両端部であり、さらに、本実施形態の場合、振動腕34,35と外部との間で信号の入出力を行なうための中継となる電極(図示せず)を有する部分でもある。
台座部44,45側の表面には、上述の中継となる電極と導通する為の引出電極(図示せず)を有しており、この図示しない引出電極は、上述した基台20に設けられた端子と電気的に接続されている。
また、基部36,37は、例えば2本の振動腕34,35の並び部分における長手方向(図1及び図3のY軸方向)と直交する幅方向(図1及び図3のX軸方向)の寸法に比べて、大きな幅方向の寸法を有しており、一方の基部36と他方の基部37は、振動腕34,35を間に挟んで、互いに略対称となっている。
枠状部32は、基台20の凹部22と共に、圧電振動片31を収容する内部空間Sを形成する部材であり、かつ、ダイヤフラム40の周縁部42と固定する部材である。
具体的には、枠状部32は、少なくとも振動腕34,35との間に空間を有しており、圧電振動片31の両端の基部36,37と、接続部38を介して一体的に形成されている。すなわち、本実施形態の場合、枠状部32と接続部38と圧電振動片31とは、1枚の水晶ウエハから、例えばフォトリソ加工技術を利用してエッチングにより形成されている。
そして、接続部38は基部36,37よりも細い形状である。即ち、接続部38は、基部36,37と台座部44,45とを接合した後は、振動腕34,35の撓みを阻害するものとなるので存在しない方が好ましく、このため本実施形態では、枠付き振動子30とダイヤフラム40とを接合する際に、基部36,37と台座部44,45とを位置合わせして接合できる程度に細く形成されている。
そして、接続部38は、基部36,37どうしを結ぶ方向(Y軸方向)、即ち、接続部38と基部36,37とからなる部分と、枠状部32のX軸方向に延びる枠辺との間には、厚み方向に貫通した貫通孔38aが設けられている。このように接続部38を細く構成し、且つ貫通孔38aを設けた構成は、図2に示すように、外部からダイヤフラム40に圧力Pが加わり、圧電振動片31の振動腕が基部36,37どうしを結ぶ方向(Y軸方向)へ接続部38を撓み易くし、そのY軸方向の撓みを接続部38が阻害してしまう事態を防止することができる。
尚、接続部38は、各基部36,37の幅方向(即ち、図1の基部36,37どうしを結ぶY軸方向と直交するX軸方向)の両端36a,37aから、それぞれ幅方向に沿って、互いに離間するように延びて形成された梁としている。
このような梁の構成により枠付き振動子30の構成(剛性)がY軸方向に沿った中心線を境に左右対称となる。そしてこのような左右対称の構成により、圧電振動子31の撓み量がY軸方向に沿った中心線を境に左右均等になるので圧電振動片31に伝達された応力を2本の振動腕34,35に等しく分配することができる。
さらに、この接続部38は、振動漏れを軽減するため、出来るだけ振動腕34,35から離れた位置に形成することが好ましく、図1に示すように、基部36,37の振動腕34,35側と反対側の端部36b,37bにおける幅方向の両端36a,37aに接続されている。
ダイヤフラム40は、外部と内部空間Sとを仕切って、外部からの受けた圧力Pを圧電振動片31に伝達する部材であり、微細な圧力Pを伝達できるように、全体的に薄板状あるいは膜状となっている。
このダイヤフラム40は、その周縁部42が、枠付き振動子30の枠状部32を介して、基台20の開口側の端面24と接合して固定されるようになっているため、枠状部32の熱膨張係数と同様の熱膨張係数を有する材料(本実施形態の場合は水晶)で形成されている。このようにして、ダイヤフラム40は薄板状あるいは膜状であっても、接合の際の応力による割れなどを有効に防止している。なお、ダイヤフラム40の周縁部42と枠状部32とを接合する接着剤25には、例えば低融点ガラスなどのロウ材を用いることもできるが、本実施形態の場合、後述する台座部44,45と圧電振動片31の基部36,37とを接合する際の接合材49と同様の融点を有する金属材料を用いている。
また、ダイヤフラム40の全体外形(主面外形)は、X軸方向に平行して延びる2本の辺とY軸方向に平行して延びる2本の辺とからなる略四角形状である。
さらに、ダイヤフラム40の周縁部42は、図2に示すように、可撓性を阻害する部分(後述する台座部44,45、及び剛性部50)が配置されていない領域(可動部)の厚みD1に比べて大きな厚みD2を有する枠状となっている。したがって、ダイヤフラム40の固定を目的とした周縁部42の強度を向上させ、圧電振動片31を囲む枠状部32と接合する際の応力でダイヤフラム40が割れてしまう等の危険性を、より効果的に回避できる。尚、例えば枠状部32が存在しない圧電振動片31を使用した場合では、周縁部42を厚みの大きい枠状とすると共に、台座部44,45の厚さを周縁部42の厚さより薄く構成することで、基台20の凹部22の深さを小さくしても、圧電振動片31が凹部22の底面に接触しないように収容することができ、例えば、基台20の凹部22を形成するエッチング時間を短縮して生産性を高めることもできる。
また、ダイヤフラム40は、図2に示すように、内部空間Sに露出した面40aに、圧電振動片31の両端の基部36,37の夫々が接合された台座部44,45を有している。この台座部44,45は、その表面に設けられた図示しない引出電極と、基部36,37の図示しない中継となる電極とを、半田等の導電性を発揮する接合材49で電気的且つ機械的に接続することで、圧電振動片31と接合されている。また、台座部44,45は、ダイヤフラム40の台座部44,45以外の箇所が圧電振動片31に接触しないような高さを有し、水晶ウエハを例えばフォトリソ加工技術を利用してエッチングにより形成されている。
そして、台座部44,45は、ダイヤフラム40の中央部40bを挟んだ両側に配置されている。すなわち、ダイヤフラム40の最も変位量が大きい領域となる中央部40bを間に挟んで2つの台座部44,45を配置し、この2つの台座部44,45の夫々に、圧電振動片31の2つの基部36,37の夫々が接合されている。これにより、圧電振動片31は、最も変位量が大きい中央部をまたぐように配置されることになるので、振動腕34,35に最も大きなストレスをかけて、圧力の検出感度を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る感圧素子10は以上のような様々な特徴を有しながら構成されており、さらに、感圧素子10は、以下のような特有な構成を有している。
まず、ダイヤフラム40は、図3に示すように、全体外形(主面形状)が略長方形又は略正方形に形成されている。すなわち、ダイヤフラム40は、上述のように中央部40bを最も変位量が大きい領域にし、かつ、圧力が加わった際、歪むことなく一定の曲率をもってきれいに撓むように、円形が理想とされているが、これを敢えて略四角形状にし、1枚のウエハから効率よく多数のダイヤフラム40を形成できるようにしている。
なお、ここでは、長方形又は正方形ではなく略長方形又は略正方形としたのは、次の理由による。すなわち、ダイヤフラム40は全体的に薄板状や膜状であるため、その厚みを外見上無視して、全体が略長方形又は略正方形であるとしている。また、本実施形態のダイヤフラムは水晶をウエットエッチングして形成することも可能であるため、水晶の異方性によりヒレが発生して、正確な長方形又は正方形に形成することが困難であるため、略長方形又は略正方形としている。したがって、例えば、厚みを有するものも、輪郭が複雑なものも、1枚のウエハから効率よく多数のダイヤフラム40を形成できるように全体的に略長方形又は略正方形であれば、そのダイヤフラムは本発明に含まれる。
本実施形態のダイヤフラム40は、細長い振動腕34,35を有する圧電振動片31の形状に合わせて、1枚のウエハから効率よく多数個取りができるように、略長方形に形成されている。
次に、中央部40bを挟んで両側に配置された2つの台座部44,45は、図1及び図3に示すように、夫々が中央部40bに向かうに従って、周縁部42からの距離X1,X2が大きくなっていく。即ち、台座部44,45の夫々は、中央部40bに向かう従って、その向かう方向(図1及び図3のY軸方向)と直交する幅方向(図1及び図3のX軸方向)に沿った寸法を小さくなるように形成されている(つまり、底面視が略台形状に形成されている)。換言すれば、台座部44,45のX軸方向の幅は、ダイヤフラム40(可動部)の中心側からY軸に沿ってダイヤフラム40の外側に向かうに従い幅広になる構成を有すると共に、Y軸方向に延びる周縁部42の内周辺はY軸方向に平行である。
以下、台座部44について詳細に説明するが、特段の言及がない限り、台座部44と台座部45とは同様の構成である。
台座部44は、幅方向(図1及び図3のX軸方向)の縁部44c,44dが、図3に示すように、外側(中央部40b側と反対側)の縁部(以下、「外側縁部」という)44aから、内側(中央部40b側)の縁部(以下「内側縁部」という)44bに向かうに従って、ダイヤフラム40の縁部44c,44dの近傍における周縁部42から除々に離れるように形成されている。
すなわち、台座部44は、その主面上に広がる形状が直線状の4本の縁部44a〜44dを辺とした所謂、等脚台形であり、外側縁部44aを長辺とした下底と、内側縁部44bを短辺とした上底とを有する構造であると共に、内側縁部44bがX軸方向(振動腕34,35の延長方向と直交する方向)と平行であり、且つ外側縁部44aよりもダイヤフラム40の中央よりに位置した構造である。
更に、内側縁部44bの長さW5は、圧電振動片31の2本の振動腕34,35の並び部分のX軸方向の幅寸法W4以上であることが望ましい。これは内側縁部44bの長さW5が圧電振動片31の振動腕34,35の並び部分の幅未満である場合、ダイヤフラム40の撓みにより台座部44が撓り易くなると共に、台座部44が支点となり2本の振動腕34,35を開脚させるような応力を発生させてしまう。これに対して内側縁部44bの長さW5を振動腕34,35の並び幅寸法W4以上とした場合では、少なくとも厚肉部である台座部44は高い剛性があるので2本の振動腕34,35を開脚させるような応力伝達が発生し難い。従って、本発明では、内側縁部44bを上述の長さW5とすることでダイヤフラム40からの応力を効率良く振動腕34,35へ伝達することができる。
また、内側縁部44bの延長方向を振動腕34,35の延長方向と直交させるのは、振動腕34と内側縁部44bまでの距離と、振動腕35と内側縁部44bまでの距離を等しくすることで振動腕34,35に等しく応力を伝達させる為である。これによってもダイヤフラム40からの応力を効率良く振動腕34,35へ伝達することができる。
そして、圧電振動片31の振動腕34,35のストレスを大きくするためには、図5に示すように、圧力Pが印加されたときに台座部44(台座部44の領域)のY軸方向の傾斜角度θ1を大きくする必要がある(圧力Pと内部空間Sの圧力差が0のときθ1=0°)。この点、台座部44はダイヤフラムの剛性を高めて一見してダイヤフラムの撓み動作を妨害するように見えるが、外側縁部44aに比べて内側縁部44bに向かうほど剛性を低くしている。このため、図4に示すように、圧力がかかっていない状態に対する圧力Pを印加した状態の際の幅方向(X軸方向)の傾斜角度θ2,θ3を、内側縁部44bに向かうほど大きくすることができ、この幅方向の角度θ2,θ3が加味されて、図5に示す長手方向(Y軸方向)の傾斜角度θ1も大きくなり(圧力Pと内部空間Sの圧力差が0のときθ2=θ3=0°)、この台座部44が設けられている領域でも変位量を大きくすることができる。また、台座部44,45の剛性がダイヤフラムの可動部よりも高いので、台座部44,45と可動部との境が折り代のように機能する。そして、これに加え台座部44,45の形状が等脚台形に例えられるようにダイヤフラムの中央からY軸に沿って外側へ向かってX軸方向の幅が広くなるような構成であるので、台座部44,45はダイヤフラムの撓み形状を理想的なものとなるよう制御する機能を有する。
従って、感圧素子10は略四角形状であっても、ダイヤフラム40は理想的な撓み動作を実現できるのである。
具体的には、台座部44は、図3に示すように、略長方形のダイヤフラム40の幅方向(X軸方向)の中央部に配置され、幅方向の中心線CL2を中心に略対称とされて、幅方向の一方の縁部44cとその近傍の周縁部42との距離X1、及び幅方向の他方の縁部44dとその近傍の周縁部42との距離X2の関係が同様となっている。これにより、台座部44は、図4に示すように、幅方向Xについて、圧力がかかっていない状態に対する圧力がかかった状態の一方の縁部44c側の傾斜角度θ3と、圧力がかかっていない状態に対する圧力がかかった状態の他方の縁部44d側の傾斜角度θ2とが略等しくなるように規制するガイドとなる。
また、図3に示すように、中央部40bを挟んだ両側の台座部44,45は、互いに、中央部40bを挟んで略対称となっており、かつ、中央部40b側の内側縁部44b,45bが互いに平行となっている。このため、台座部44,45は、ダイヤフラム40が中央部40bを挟んで幅方向Xに捩れて撓まないようにガイドすることになる。したがって、圧電振動片31は、振動腕34,35の長手方向Yに沿って、幅方向Xに捩れずにきれいにストレスがかかって、圧力の検出精度を高めることができる。
さらに、台座部44は、図3に示すように、中央部40b側と反対側の外側縁部44aと、この外側縁部44aの近傍におけるダイヤフラム40の周縁部(図では長手方向Yの周縁部)42とは、略平行である。したがって、長手方向Yにおける周縁部42と外側縁部44aとの間におけるダイヤフラム40の領域についても、圧力が加わった場合、捩れを有効に防止しながら滑らかに撓ませて、感度を高めることができる。
なお、本実施形態では、図3に示すように、外側縁部44aとその近傍の周縁部42との距離Y2に比べて、幅方向Xにおける縁部44cとその近傍の周縁部42との距離X1のうち、最も幅方向Xの寸法が小さい距離X1’が大きくなるように設定されている。
また、台座部44の内側縁部44bは、圧電振動片31の基部36の内側縁部44bと対向した部分に対応する幅方向の寸法W5と、同等以上の寸法となっている。これにより、圧電振動片31の基部36の内側縁部44bに対応する部分が、台座部44の内側縁部44bに接合されず浮いてしまうような状態がなくなり、ダイヤフラム40が撓んだ際、圧電振動片31の幅方向Xの捩れを防止して、圧力の検出精度を高めることができる。なお、台座部44の内側縁部44bは、図示する幅方向の寸法W5と同等であることがより好ましく、これにより、ダイヤフラム40の撓みをより向上させることができる。
また、ダイヤフラム40は、図1及び図2に示すように、中央部40bであって、台座部44,45が配置された面40aと反対側の面(即ち、外部に露出した面)40cに、剛性を高める剛性部50が形成されている。したがって、ダイヤフラム40は、剛性部50の領域では撓み難くなるため、中央部40bと振動腕34,35とが接触する恐れを有効に防止できる。
具体的には、剛性部50は、少なくともダイヤフラム40の台座部44が設けられていない可撓性を有する領域の剛性よりも高ければよいが、本実施形態の場合、圧力を受けた中央部40bの変位量が台座部44の変位量より大きいと、振動腕34,35とダイヤフラム40の中央部40bとが接触する恐れが高まるため、剛性部50は、中央部40bの変位量を台座部44における変位量に比べて小さくするように剛性を高めている。また、この剛性部50は、ダイヤフラム40の中央部40bの一部を外部側に突出させるように厚みを大きくした凸部であるため、振動腕34,35と接触する恐れをさらに軽減している。
本発明の実施形態は以上のように構成されており、次にこの感圧素子10を利用した圧力センサの製造方法について簡単に説明する。
図6は、圧力センサの製造方法の一例を示す工程図、図7及び図8は図6の圧力センサの製造工程うち感圧素子の製造工程を説明するための図である。なお、これらの図で示した符号が、図1ないし図5で示した符号と同じ場合は同様の構成である。
この製造方法では、3枚のウエハを積層して接合した後に個片化して、複数の感圧素子を同時に形成するバッチ処理を行なっている。
すなわち、先ず、図7(a)乃至図8(c)に示すように、3枚のウエハを重ね合わせる前に、水晶ウエハ60,62,64をそれぞれ別々に用意しておく(図6の準備工程)。
具体的には、図7(a)に示すように、水晶ウエハに複数のダイヤフラム40の外形を周縁部42同士が連結した状態であり、複数のダイヤフラム40を縦横(X軸方向、Y軸方向)の行列の状態で並べて形成したダイヤフラム用ウエハ60を形成する(図6のST0−1)。このダイヤフラム40は、図1ないし図5で既に説明したように、圧電振動片の基部を接合する台座部を有し、周縁部を固定するようにした薄板であり、このような形状をフォトリソグラフィー技術を用いてウエットエッチングで形成することで一括して複数のダイヤフラム40の主要部を形成することができる。この際、各ダイヤフラム40について、その全体外形を略長方形又は略正方形に形成し、かつ、図3に示すように、台座部44,45を各ダイヤフラム40の中央部を挟んだ両側に形成すると共に、中央部に向かうに従って、その向かう方向と直交する幅方向の寸法を除々に小さくするように形成する。また、図示していないが、このダイヤフラム用ウエハ60の台座部44,45の表面等に電極をスパッタなどで形成しておく。
また、これとは別に、図7(b)に示すように、水晶ウエハに複数の枠付き振動子30の外形を枠状部32同士が連結した状態であり、複数の枠付き振動子30を縦横(X軸方向、Y軸方向)に行列の状態で並べて形成した後(図6のST0−2)、上述した図示しない励振電極や中継となる電極をスパッタなどで形成して(図6のST0−3)、振動子用ウエハ62を完成させる。なお、この枠付き振動子30は、図1ないし図5で既に説明したように、両端に基部を有する圧電振動片を枠状部で囲み、圧電振動片と枠状部とが接続されており、全体外形が略長方形又は略正方形である。このような形状はウエットエッチングで形成しており、複数の枠付き振動子30の枠状部32と上述した複数のダイヤフラム40の周縁部42、及び複数の基部36,37と複数のダイヤフラムの台座部44,45とが、それぞれ精密に一括して位置合わせできるようにフォトリソグラフィー技術を用いて形成する。
また、これらとは別に、図8(c)に示すように、水晶ウエハに複数の基台20の外形を周側面同士が連結した状態であり、複数の基台20を縦横(X軸方向、Y軸方向)に行列の状態で並べて形成した基台用ウエハ64を形成する(図のST0−4)。この基台20は、図1および図2で既に説明したように、圧電振動片を収容する凹部を有している。このような形状はウエットエッチングで形成することで一括して複数の基台20の凹部を形成することができる。そして、上述した複数の開口部側の端面24と複数の枠付き振動子の枠状部32とが精密に一括して位置合わせできるように、フォトリソグラフィー技術を用いて形成する。
そして、このような準備工程を経た後、図8(d)に示すように、振動子用ウエハ62をダイヤフラム用ウエハ60と基台用ウエハ64とで挟むように積層して、これらを接合する(図6のST1:接合工程)。この際、ダイヤフラム用ウエハ60の各台座部44,45(図1参照)と振動子用ウエハ62の各基部36,37(図1参照)とを半田等の接合材49(図2参照)で接合する。また、振動子用ウエハ62の各枠状部32(図1参照)とダイヤフラム用ウエハ60の各周縁部42(図1参照)と基台20の開口側の端面24(図1参照)とを接合材49(図2参照)と同様の融点を有する金属材料で接合する。
次いで、図8(d)に示すように、感圧素子毎となるように、切断線UTに沿って切断して個片化し(図6のST2:ダイシング工程)、圧電振動片の振動特性などを測定しておく(図6のST3:第1の測定)。この場合、複数の感圧素子が縦列にそれぞれ一列の状態で並んでいるのでダイシング工程で切断する際はカッタを直線的に移動させればよい。従って、このような製造方法は、切断工程が単純であるので生産性に優れる。
次いで、この感圧素子を、例えば圧力をダイヤフラムまで導く孔を有するケース内に、発振回路を備えた集積回路素子等のモジュール部品と共に組み込んで、圧力センサを組立てる(図6のST4:組立て)。
次いで、図6のST3で測定した結果などに基づいて、集積回路素子にデータを書き込んで(図6のST5:書き込み)、製品として仕様範囲内にあるか否かのチェックをして(図6のST6:第2の測定)、圧力センサを完成させる。
本発明の実施形態に係る感圧素子10は以上のように構成されており、ダイヤフラム40は、その全体外形が略長方形又は略正方形に形成されているため、一枚のウエハから効率よく複数のダイヤフラム40を形成することができる。さらに、このように略長方形又は略正方形のダイヤフラム40にした場合であっても、台座部44,45は、ダイヤフラム40の中央部40bを挟んだ両側に配置され、その夫々が中央部40bに向かうに従って、その向かう方向と直交する幅方向の寸法を除々に小さくするように形成されている。したがって、ダイヤフラム40は、中央部40bに向かうに従って撓み易くなるため、中央部40bを挟んで両側に配置された台座部44,45に基部36,37が接合された圧電振動片31は変形し易くなり、感度よく圧力を測定できる。
なお、本発明は上述した実施形態に限られるものではなく、例えば、台座部を底面側から見た形状の変形例である図9(a)(b)に示すように、台座部44は台形状に限られず、例えば、幅方向Xの縁部44c,44dが曲面になっていてもよく、また、幅方向Xの寸法が途中から小さくなっていてもよい。
図10は、本発明の上述した実施形態の変形例に係る圧力センサ用の感圧素子12の概略分解斜視図である。
この図において、図1ないし図9の感圧素子10と同一の構成には、共通する符号を付して重複する説明は省略し、相違点を中心に説明する。
この感圧素子12が、図1ないし図9の感圧素子10と主に異なるのは、枠付き振動子を利用していない点である。
すなわち、圧電振動片31の周囲には図1に示すような枠状部32がなく、この個片化された圧電振動片31の両端部の基部36,37が台座部44,45に接合されている。
また、台座部44,45を有するダイヤフラム40については、その周縁部42が他の領域よりも厚くなるような形状とはなっておらず、台座部44,45が設けられた領域以外の領域は平面状となっている。
また、基台20については、ダイヤフラム40が圧力を受けて撓んだ際、伸張した圧電振動片31が接触しないような深さを有する凹部22が設けられている。そして、この凹部22の開口側の端面24をダイヤフラム40の周縁部42に接合して、圧電振動片31を収容する内部空間を形成しており、基台20は蓋体としての機能を果たしている。
本実施形態に係る感圧素子12は以上のように構成されており、個片化された圧電振動片31を台座部44,45に接合する必要性から、図1ないし図9で説明した感圧素子10のように製造を容易にすることができない一方、図1に示す圧電振動片31と枠状部32とをつなぐ接続部38がないため、圧電振動片31にかけるテンションを大きくして、圧力測定の感度を高めることができる。
本発明は上述の実施形態に限定されない。実施形態や変形例の各構成はこれらを適宜組み合わせ、省略し、図示しない他の構成と組み合わせることができる。
例えば、従来図として説明した図11の感圧素子1の特徴を利用してもよい。すなわち、図11のダイヤフラム2,4の夫々の全体外形を略四角形状にし、かつ、中央部を挟んで両側に配置された台座部7a,7bの夫々が、中央部に向かうに従って、その向かう方向と直交する幅方向の寸法を小さくするように形成してもよい。これにより、2枚の水晶ダイヤフラム2,4の中央部どうしを連結する力伝達用柱部8を設けて、正負の圧力を検出できる感圧素子1についても、生産性を高めると共に、感度よく圧力を測定できる。
本発明の実施形態に係る圧力センサ用の感圧素子の概略分解斜視図。 図1の各部品を組み合わせてA−A線の位置で切断した場合の概略断面図。 本発明の実施形態に係る感圧素子に用いられるダイヤフラムの概略底面図。 図3のダイヤフラムが圧力を受けた場合におけるB−B線切断断面図。 図3のダイヤフラムが圧力を受けた場合におけるC−C線切断断面図。 本発明の実施形態に係る圧力センサの製造方法の一例を示す工程図。 図6の圧力センサの製造工程のうち感圧素子の製造工程の説明図。 図6の圧力センサの製造工程のうち感圧素子の製造工程の説明図。 本発明の実施形態に係る台座部を底面側から見た形状の変形例。 本発明の実施形態の変形例に係る圧力センサ用の感圧素子の概略分解斜視図。 従来の圧力センサに用いられる感圧素子であり、図11(a)は概略平面図、図11(b)は概略断面図。 従来のダイヤフラムをウエハに形成した概略平面図。
符号の説明
30・・・枠付き振動子、31・・・圧電振動片、34,35・・・振動腕、36,37・・・基部、40・・・ダイヤフラム、40b・・・中央部、42・・・周縁部、44,45・・・台座部

Claims (9)

  1. 振動腕の両端に基部を有する圧電振動片と、前記両端の基部の夫々が接合された台座部を有すると共に、周縁部が固定されるようにした薄板状のダイヤフラムとを備えた圧力センサ用の感圧素子であって、
    前記ダイヤフラムは、全体外形が略長方形又は略正方形に形成されており、
    前記台座部は、前記ダイヤフラムの中央部を挟んだ両側に配置され、前記中央部に向かうに従って、その向かう方向と直交する幅方向の寸法を小さくするように形成されている
    ことを特徴とする感圧素子。
  2. 前記両側の台座部は、互いに、前記中央部側の内側縁部が略平行であることを特徴とする請求項1に記載の感圧素子。
  3. 前記台座部の前記中央部側と反対側の外側縁部と、この外側縁部の近傍における前記ダイヤフラムの周縁部とは、略平行であることを特徴とする請求項1または2に記載の感圧素子。
  4. 前記台座部の前記内側縁部は、前記圧電振動片の基部の前記内側縁部と対向した部分に対応する幅方向の寸法と、同等以上の寸法であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の感圧素子。
  5. 前記ダイヤフラムの周縁部は前記圧電振動片を囲む枠状部と接合され、前記枠状部と前記圧電振動片の基部とは接続部を介して一体的に形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の感圧素子。
  6. 前記接続部は、前記圧電振動片の両端の基部どうしを結ぶ方向に、厚み方向に貫通した貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の感圧素子。
  7. 前記ダイヤフラムは、前記中央部であって、前記台座部が配置された面と反対側の面に、剛性を高める剛性部が形成されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の感圧素子。
  8. 前記ダイヤフラムの周縁部は、可撓性を阻害する部分が配置されていない領域の厚みに比べて大きな厚みを有する枠状となっていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の感圧素子。
  9. 両端に基部を有する圧電振動片を枠状部で囲み、前記圧電振動片と前記枠状部とが接続されている枠付き振動子の形状を複数形成した振動子用ウエハと、前記圧電振動片の基部を接合する台座部を有し、周縁部を固定するようにした薄板状のダイヤフラムの形状を複数形成したダイヤフラム用ウエハとを、それぞれ別々に用意する準備工程と、
    前記台座部と前記基部、及び前記枠状部と前記周縁部を、それぞれ接合するようにして、前記ダイヤフラム用ウエハと前記振動子用ウエハとを接合する接合工程と、
    感圧素子毎となるように個片化するダイシング工程と
    を含んでおり、
    前記準備工程では、
    複数の前記枠付き振動子の形状を形成する際、前記枠付き振動子毎の全体外形を略長方形又は略正方形に形成し、
    複数の前記ダイヤフラムの形状を形成する際、各前記ダイヤフラムについて、その全体外形を略長方形又は略正方形に形成し、かつ、前記台座部を前記ダイヤフラムの中央部を挟んだ両側に形成すると共に、前記中央部に向かうに従って、その向かう方向と直交する幅方向の寸法を小さくするように形成する
    ことを特徴とする圧力センサ用感圧素子の製造方法。
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