JP2011220722A - 圧力センサー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】圧力センサー1は、パッケージ2にセンサーチップ3を搭載してなる。センサーチップ3は、平面視形状が矩形をなし、下面32には、互いに離間した第1の接合部321、第2の接合部322および第3の接合部323が設定されている。第1の接合部321は、下面32が有する4つの角部のうちの1つの角部に設定され、第2の接合部322は、第1の接合部321が設定された角部とY軸方向に隣り合う角部に設定され、第3の接合部323は、X軸方向の第1、第2の接合部321、322と反対側の端部でかつY軸方向の中央部に設定されている。また、下面32のX軸方向の長さをLxとし、Y軸方向の長さをLyとしたとき、Ly/Lxが、0.6以上1.0以下である。
【選択図】図6
Description
このような構成の圧力センサーでは、加わった圧力によりダイヤフラムが変形するとともに圧電振動片が変形し、圧電振動片の変形の度合いに対応して変化する圧電振動片の共振周波数を検知することにより、加わった圧力の大きさを検出する。
このようなおそれを無くすために、例えば、圧力センサーの前記2箇所を接着剤でパッケージに固定するとともに、前記2箇所を結ぶ線分上からなるべく離間した箇所をさらに接着剤で固定する方法が考えられる。このような方法によれば、圧力センサーが3点で支持されることとなり、前述の問題を解消することができるが、代わりに次の問題が発生する。
このように、3つ接着剤を用いる固定方法では、製造に求められる精度が高くなることによる製造の困難化と、歩留まりの低下とが問題となる。
[適用例1]
本発明の圧力センサーは、パッケージの内部にセンサーチップを搭載してなる圧力センサーであって、
前記センサーチップの平面視形状は、矩形であり、
前記センサーチップの一方の主面には、互いに離間した第1の接合部、第2の接合部および第3の接合部が設定されており、前記第1の接合部、前記第2の接合部および前記第3の接合部が、それぞれ、第1の接着剤、第2の接着剤および第3の接着剤によって前記パッケージに接合されることにより、前記センサーチップが前記パッケージに固定されており、
前記センサーチップの平面視にて、前記主面の1つの辺に平行な軸をX軸とし、前記X軸に直交する軸をY軸としたとき、前記第1の接合部は、前記主面が有する4つの角部のうちの1つの角部に設定され、前記第2の接合部は、前記主面が有する4つの角部のうちの前記第1の接合部が設定された角部と前記Y軸方向に隣り合う角部に設定され、前記第3の接合部は、前記X軸方向の前記第1の接合部および前記第2の接合部と反対側の端部でかつY軸方向の中央部に設定されており、
前記主面の前記X軸方向の長さをLxとし、前記Y軸方向の長さをLyとしたとき、Ly/Lxが、0.6以上1.0以下であることを特徴とする。
これにより、製造が簡単で歩留まりが高く、かつ機械的強度に優れた圧力センサーを提供することができる。さらには、熱膨張(熱撓み)により生じる圧電振動片の共振周波数のズレがほとんど生じない。
本発明の圧力センサーでは、前記第1の接合部、前記第2の接合部および前記第3の接合部は、それぞれ、円形状であることが好ましい。
これにより、圧力センサーの製造の容易化を図ることができる。
[適用例3]
本発明の圧力センサーでは、前記第1の接合部、前記第2の接合部および前記第3の接合部の直径は、それぞれ、200μm以上500μm以下であることが好ましい。
これにより、センサーチップの下面と第1、第2および第3の接着剤との接着面積を十分広くすることができ、センサーチップをパッケージにより確実に固定することができる。
本発明の圧力センサーでは、前記第1の接合部、前記第2の接合部および前記第3の接合部は、互いに直径が同じであることが好ましい。
これにより、センサーチップに局所的に応力が加わるのを防止することができ、圧力センサーは、より優れた機械的強度を得ることができる。
本発明の圧力センサーでは、前記センサーチップは、ダイヤフラムと、該ダイヤフラムと対向配置された基台と、前記ダイヤフラムに固定され、前記X軸方向に延在する少なくとも1つの振動アームを備える圧電振動片とを有し、前記ダイヤフラム、前記基台および前記圧電振動片のうちの少なくとも前記基台が水晶で構成され、
前記パッケージは、前記第1の接着剤、前記第2の接着剤および前記第3の接着剤を介して前記センサーチップが接合された板状の基部を有し、前記基部がセラミックスで構成されていることが好ましい。
これにより、線膨張率の違いから生じる圧電振動片本体の不本意な反りや撓みを抑制することができ、圧力センサーの検知精度を向上させることができる。また、圧電振動片層を水晶で構成することにより、優れた温度特性および振動特性を有するセンサーチップを得ることができる。
本発明の圧力センサーでは、前記基台の厚さは、200μm以上であることが好ましい。
これにより、基台の厚みに依存したセンサーチップの熱歪みを防止することができる。
[適用例7]
本発明の圧力センサーでは、前記センサーチップの前記主面には、前記圧電振動片が有する一対の励振電極と電気的に接続された一対の端子が形成されており、
前記パッケージの前記基部には、前記パッケージの内外を電気的に接続し得る一対の導電部が形成されており、
前記第1の接着剤、前記第2の接着剤および前記第3の接着剤のうちの少なくとも前記第1の接着剤および前記第2の接着剤が導電性を有しており、
前記第1の接着剤によって前記一対の端子のうちの一方の前記端子と前記一対の導電部のうちの一方の前記導電部とを導通し、前記第2の接着剤によって、他方の前記端子と他方の前記導電部とを導通することが好ましい。
これにより、圧力センサーの部品点数の削減や製造の容易化を図ることができる。
本発明の圧力センサーでは、前記圧電振動片は、双音叉型をなしていることが好ましい。
これにより、優れた圧力検知能力を発揮することのできる圧電振動片が得られる。
[適用例9]
本発明の圧力センサーでは、前記主面の前記X軸方向の長さは、4.0mm以上6.5mm以下であることが好ましい。
これにより、センサーチップの分解能を高く維持しつつ、センサーチップの小型化を図ることができる。
本発明の圧力センサーでは、前記第1の接着剤、前記第2の接着剤および前記第3の接着剤の厚さは、それぞれ、40μm以上60μm以下であることが好ましい。
これにより、圧力センサーの信頼性を確保しつつ、圧力センサーの小型化を図ることができる。
<第1実施形態>
図1は、本発明の圧力センサーの第1実施形態を示す断面図、図2は、図1に示す圧力センサーが有するセンサーチップの平面図、図3は、図2に示すセンサーチップの断面図(図2中A−A線断面図)、図4は、図3に示すセンサーチップが有する圧電振動片層の平面図、図5は、図3に示すセンサーチップが有する双音叉型圧電振動片の斜視図、図6は、センサーチップの固定箇所を示す平面図、図7は、センサーチップの作動を説明する断面図である。
図1に示す圧力センサー1は、パッケージ2と、パッケージ2に収容されたセンサーチップ(センサー素子)3とを有している。以下、圧力センサー1が有する各構成について、順次詳細に説明する。
パッケージ2の平面視形状(XY平面における形状)は、矩形である。なお、以下では、説明の便宜上、パッケージの平面視にて、図1中横方向へ延びる一対の辺に平行な軸をX軸とし、図1中縦方向へ延びる一対の辺に平行な軸をY軸として説明する。
ただし、パッケージ2の平面視形状としては、これに限定されず、例えば円形、五角形以上の多角形、異形等であってもよい。
ベース21の構成材料としては特に限定されないが、例えば、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア等の酸化物セラミックス、窒化珪素、窒化アルミ、窒化チタン等の窒化物セラミックス等の各種セラミックスや、ポリエチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、アクリル系樹脂、ABS樹脂、エポキシ樹脂等の各種樹脂材料などの絶縁性材料であることが好ましい。これらの中でも、ベース21の構成材料としては各種セラミックスが好ましい。これにより、優れた機械的強度を有するパッケージ2を得ることができる。また、ベース21に設けられた一対の電極23、24を簡単に絶縁することができる。
ベース21の底部211に形成された一対の電極(導電部)23、24は、パッケージ2の内外を電気的に接続する機能を有している。一対の電極23、24は、底部211の上面(パッケージ2の内面)に形成された内部電極231、241と、底部211の下面(パッケージ2の外面)に形成された外部電極232、242と、底部211に形成された貫通孔に導電性の部材を充填することにより形成された導電スルーホール233、243とを有しており、導電スルーホール233、243を介して、内部電極231、241と外部電極232、242とが電気的に接続されている。
以上、パッケージ2の構成について詳細に説明した。
図1に示すように、センサーチップ3は、パッケージ2内に搭載されている。具体的には、センサーチップ3は、パッケージ2の空間S1にパッケージ2の内壁と接触しないように収容されており、かつ、3つの接着剤すなわち第1の接着剤41、第2の接着剤42および第3の接着剤43によってパッケージ2の底部211に固定されている。
センサーチップ3の大きさ(XY平面でのサイズ)は、X軸方向の長さLxとY軸方向の長さLyの比(Ly/Lx)が0.6以上1.0以下となるように設計されている。このような形状(アスペクト比)とすれば、3つの接着剤41、42、43(すなわち3つの接合部321、322、323)を後述するような配置とすることにより、圧力センサー1は、製造が簡単で歩留まりが高く、機械的強度にも優れ、さらには後述する双音叉型圧電振動片8の熱歪みによる共振周波数変化を抑制することができる。
このようなセンサーチップ3は、図3に示すように、ダイヤフラム5と、圧電振動片層6と、基台7とを有しており、これらを図3中上側から順に積層することにより構成されている。また、センサーチップ3は、圧電振動片層6および基台7がダイヤフラム5からX軸方向に突出した突出部31を有している。
ダイヤフラム5は、外部からの圧力(図3では上方からの圧力)を受けることにより変形する薄肉部51と、この薄肉部51の周囲に形成された枠部52とを有している。すなわち、ダイヤフラム5は、その下面の縁部を除く中央部に開放する凹部を有し、底面が薄肉な箱状(枡状)をなしているとも言える。
このようなダイヤフラム5と対向して基台7が設けられている。基台7は、板状の基部71と、基部71の縁部から立設した枠部72とを有している。すなわち、基台7は、上面の縁部を除く中央部に開放する凹部を有する箱状(枡状)をなしているとも言える。そして、基台7に形成された前記凹部が、ダイヤフラム5に形成された前記凹部と対向することにより空間S2が形成され、この空間S2内に、双音叉型圧電振動片8が収容されている。
枠部62は、圧電振動片本体61の周囲を囲むように設けられており、その内形および外形ともに矩形をなしている。
以上、ダイヤフラム5、圧電振動片層6および基台7の構成(形状)について説明したが、これらの外形形状は、それぞれ、例えば、フォトリソグラフィ技法とドライエッチングやウエットエッチング等の各種エッチング法とを用いて一枚の水晶平板から形成することができる。
一対の励振電極91、92は、双音叉型圧電振動片8の振動モードが双音叉型圧電振動片8の中心軸に対して対称なモードで振動するように配置されている。
励振電極91、92、端子93、94、95、96および前記配線の構成材料としては、実質的に導電性を有していれば特に限定されず、例えば、前述した電極23、24と同様の構成材料を用いることができる。
以上、センサーチップ3の構成について詳細に説明した。
第1の接着剤41、第2の接着剤42および第3の接着剤43は、互いに同じものであり導電性を有している。そして、第1の接着剤41は、内部電極231および端子95に接触するように設けられており、第2の接着剤42は、内部電極241および端子96に接触するように設けられている。なお、第3の接着剤43は、端子95、96のいずれにも接触せずに設けられている。
このような第1の接着剤41、第2の接着剤42および第3の接着剤43としては、それぞれ、特に限定されないが、例えば、金属フィラー(銀粉、銅粉等の金属微粒子)やカーボンファイバー等の導電性粒子を混合したシリコーン系、エポキシ系、ポリイミド系等の接着剤を用いることができる。
図6に示すように、第1の接合部321は、下面32が有する4つの角部のうちの同図中右上に位置する角部に設定されている。また、第2の接合部322は、同図中右下に位置する角部に設定されている。すなわち、第2の接合部322は、下面32が有する4つの角部のうちの第1の接合部321が設定された角部とY軸方向に隣り合う角部に設定されている。なお、第1の接合部321と第2の接合部322の中心同士を結ぶ線分は、Y軸と平行となっている。また、第3の接合部323は、X軸方向の第1、第2の接合部321、322と反対側の端部(縁部)でかつY軸方向の中央に設定されている。
以上のような構成の圧力センサー1は、次のようにして圧力を検知する。
また、下面32内において、第1の接合部321と第2の接合部とがY軸方向に大きく離間しているとともに、第1、第2の接合部321、322の中心同士を結んだ線分に対して、第3の接合部323がX軸方向に大きく離間しているため、センサーチップ3を安定してパッケージ2に固定することができる。そのため、機械的強度に優れた圧力センサー1を得ることができる。
次に、本発明の圧力センサーの第2実施形態について説明する。
図8および図9は、それぞれ、本発明の第2実施形態に係る圧力センサーが有するセンサーチップの断面図である。
以下、第2実施形態の圧力センサーについて、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図8および図9に示すように、本実施形態の圧力センサー1Aが有するセンサーチップ3Aは、ダイヤフラム5に対して圧電振動片層6および基台7が突出して形成された突出部31を有している。この突出部31の上面には、励振電極91、92から引き出された端子93、94が形成されている。また、端子93は、導電性を有するワイヤ991によって内部電極231と電気的に接続されている。同様に、端子94は、導電性を有するワイヤ992によって内部電極241と電気的に接続されている。これにより、励振電極91、92および外部電極232、242が電気的に接続され、励振電極91、92が圧力センサー1の外部へ引き出される。
このような実施形態では、3つの接合部321〜323の設定は、センサーチップ3Aに下面32の突出部31に含まれる部分を除いて設定される。すなわち、下面32のうちダイヤフラム5と重なり合っている領域内にて、3つの接合部321〜323を設定する。
以上、本発明の圧力センサーを、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や、工程が付加されていてもよい。
1.圧力センサーの製造
以下のようにして圧力センサーを製造した。
<実施例1>
(A)センサーチップの作製
(A−1)ダイヤフラムの作成
まず、Xカットで切り出された水晶基板(熱膨張係数:13.5ppm/℃)を容易した。次いで、この水晶基板の一方の面に、真空蒸着によってSiO2膜を形成した。次いで、SiO2膜を枠部および一対の支持部の形状に対応するようにパターニングした。次いで、SiO2膜を介して水晶基板をエッチングし、その後SiO2膜を削除した。これによりダイヤフラムを得た。得られたダイヤフラムの長さ(X軸方向の長さ)×幅(Y軸方向の長さ)×厚さ(Z軸方向の長さ)は、4.2mm×3.4mm×0.9mmであった。また、薄肉部の厚さは、0.05mmであった。また、枠部の幅(X軸方向に延在する部分のY軸方向の長さ、Y軸方向に延在する部分のX軸方向の長さ)は、0.3mmであった。
まず、Xカットで切り出された水晶基板(熱膨張係数:13.5ppm/℃)を容易した。次いで、この水晶基板の一方の面に、真空蒸着によってSiO2膜を形成した。次いで、SiO2膜を圧電振動片本体、枠部および各連結部の形状に対応するようにパターニングした。次いで、SiO2膜を介して水晶基板をエッチングし、その後SiO2膜を削除した。これにより圧電振動片層を得た。得られた圧電振動片層の長さ(X軸方向の長さ)×幅(Y軸方向の長さ)×厚さ(Z軸方向の長さ)は、4.2mm×3.4mm×0.1mmであった。
まず、Xカットで切り出された水晶基板(熱膨張係数:13.5ppm/℃)を容易した。次いで、この水晶基板の一方の面に、真空蒸着によってSiO2膜を形成した。次いで、SiO2膜を枠部の形状に対応するようにパターニングした。次いで、SiO2膜を介して水晶基板をエッチングし、その後SiO2膜を削除した。これにより、基台を得た。得られた基台の長さ(X軸方向の長さ)×幅(Y軸方向の長さ)×厚さ(Z軸方向の長さ)は、4.2mm×3.4mm×0.4mmであった。また、基台の基部の厚さは、0.3mmであった。
ダイヤフラムの枠部および支持部と、基台の枠部とに、スクリーン印刷法により、焼成温度が400℃の低融点ガラスを形成した(この際、圧電振動片層の導電スルーホールと、基台の導電性スルーホールとの電気的接続が阻害されないように低融点ガラスを形成する)。次いで、ダイヤフラム、圧電振動片層および基台を突き合わせて圧力を加えた状態で上記温度で焼成することにより、これら3つの部材を接着封止した。これにより、センサーチップを得た。なお、得られたセンサーチップの低融点ガラスで構成された一対の接着層の厚さは、それぞれ、30μmであった。
(B−1)ベースの作製
複数のセラミックシート(セラミックグリーンシート)を用意し、これらを積層した状態で焼成することにより箱状のベースを得た。得られたベースの長さ(X軸方向の長さ)×幅(Y軸方向の長さ)×厚さ(Z軸方向の長さ)は、10mm×10mm×1.5mmであった。また、得られたベースの底部の厚さは、0.3mmであった。また、得られたベースの熱膨張係数は、7.5ppm/℃であった。
次いで、ベースの基部に設けられた各スルーホールにペースト状の銀(Ag)を充填し固化し連通部を得た。次いで、連通部に接触するようにアルミニウム(Al)からなる金属薄膜を形成し、内部電極および外部電極を得た。これによりベースにパッケージの内外を導通する一対の電極が形成された。
前述のベースの作製で用いたセラミックシートを複数用意し、これらを積層した状態で焼成した。次いで、焼成物に貫通孔を形成し、板状のリッドを得た。得られたリッドの長さ(X軸方向の長さ)×幅(Y軸方向の長さ)×厚さ(Z軸方向の長さ)は、10mm×10mm×0.1mmであった。また、得られたリッドの熱膨張係数は、7.5ppm/℃であった。
(C−1)
まず、ベースの底部の内面の3箇所に導電性のポリイミド系接着剤を塗布した。各接着剤の熱膨張係数は、20ppm/℃であった。次いで、これら3つの接着剤上にセンサーチップを基台の底部が接触するように搭載した後、各接着剤を硬化することにより、センサーチップをベースに搭載した。硬化した状態での各接着剤の厚さは、50μmであった。
また、3つの接合部のうちの1つの接合部(第1の接合部)は、センサーチップの下面の図8中右上に位置する角部に設けられており、当該角部を形成する2つの辺と第1の接合部の中心との離間距離L1、L2は、それぞれ300μmであった。
また、残り1つの接合部(第3の接合部)は、下面のX軸方向の左側(第1、第2の接合部と反対側の)端部でかつY軸方向の中央に中心が位置するように設けられており、その中心と右側端部を形成する辺との離間距離L5は、300μmであった。
次いで、エポキシ系の接着剤を介してベースとリッドとを接合した。
以上のようにして、圧力センサーを得た。
ダイヤフラムの長さ×幅を、4.2mm×3.6mmとし、圧電振動片層の長さ×幅を、4.2mm×3.6mmとし、基台の長さ×幅を4.2mm×3.6mmとした以外は、前記実施例1と同様にして、実施例2の圧力センサーを得た。
<実施例3>
ダイヤフラムの長さ×幅を、4.2mm×3.8mmとし、圧電振動片層の長さ×幅を、4.2mm×3.8mmとし、基台の長さ×幅を4.2mm×3.8mmとした以外は、前記実施例1と同様にして、実施例3の圧力センサーを得た。
ダイヤフラムの長さ×幅を、4.2mm×4.0mmとし、圧電振動片層の長さ×幅を、4.2mm×4.0mmとし、基台の長さ×幅を4.2mm×4.0mmとした以外は、前記実施例1と同様にして、実施例4の圧力センサーを得た。
<実施例5>
ダイヤフラムの長さ×幅を、4.2mm×4.2mmとし、圧電振動片層の長さ×幅を、4.2mm×4.2mmとし、基台の長さ×幅を4.2mm×4.2mmとした以外は、前記実施例1と同様にして、実施例5の圧力センサーを得た。
ダイヤフラムの長さ×幅を、6.3mm×4.0mmとし、圧電振動片層の長さ×幅を、6.3mm×4.0mmとし、基台の長さ×幅を6.3mm×4.0mmとした以外は、前記実施例1と同様にして、実施例6の圧力センサーを得た。
<実施例7>
ダイヤフラムの長さ×幅を、6.3mm×4.5mmとし、圧電振動片層の長さ×幅を、6.3mm×4.5mmとし、基台の長さ×幅を6.3mm×4.5mmとした以外は、前記実施例1と同様にして、実施例7の圧力センサーを得た。
ダイヤフラムの長さ×幅を、6.3mm×5.0mmとし、圧電振動片層の長さ×幅を、6.3mm×5.0mmとし、基台の長さ×幅を6.3mm×5.0mmとした以外は、前記実施例1と同様にして、実施例8の圧力センサーを得た。
<実施例9>
ダイヤフラムの長さ×幅を、6.3mm×5.5mmとし、圧電振動片層の長さ×幅を、6.3mm×5.5mmとし、基台の長さ×幅を6.3mm×5.5mmとした以外は、前記実施例1と同様にして、実施例9の圧力センサーを得た。
ダイヤフラムの長さ×幅を、6.3mm×6.0mmとし、圧電振動片層の長さ×幅を、6.3mm×6.0mmとし、基台の長さ×幅を6.3mm×6.0mmとした以外は、前記実施例1と同様にして、実施例10の圧力センサーを得た。
<実施例11>
ダイヤフラムの長さ×幅を、6.3mm×6.3mmとし、圧電振動片層の長さ×幅を、6.3mm×6.3mmとし、基台の長さ×幅を6.3mm×6.3mmとした以外は、前記実施例1と同様にして、実施例11の圧力センサーを得た。
ダイヤフラムの長さ×幅を、4.2mm×2.5mmとし、圧電振動片層の長さ×幅を、4.2mm×2.5mmとし、基台の長さ×幅を4.2mm×2.5mmとした以外は、前記実施例1と同様にして、比較例1の圧力センサーを得た。
<比較例2>
ダイヤフラムの長さ×幅を、4.2mm×2.3mmとし、圧電振動片層の長さ×幅を、4.2mm×2.3mmとし、基台の長さ×幅を4.2mm×2.3mmとした以外は、前記実施例1と同様にして、比較例2の圧力センサーを得た。
ダイヤフラムの長さ×幅を、6.3mm×3.8mmとし、圧電振動片層の長さ×幅を、6.3mm×3.8mmとし、基台の長さ×幅を6.3mm×3.8mmとした以外は、前記実施例1と同様にして、比較例3の圧力センサーを得た。
<比較例4>
ダイヤフラムの長さ×幅を、6.3mm×3.3mmとし、圧電振動片層の長さ×幅を、6.3mm×3.3mmとし、基台の長さ×幅を6.3mm×3.3mmとした以外は、前記実施例1と同様にして、比較例4の圧力センサーを得た。
<比較例5>
ダイヤフラムの長さ×幅を、6.3mm×2.8mmとし、圧電振動片層の長さ×幅を、6.3mm×2.8mmとし、基台の長さ×幅を6.3mm×2.8mmとした以外は、前記実施例1と同様にして、比較例5の圧力センサーを得た。
各実施例および各比較例について、それぞれ、環境温度の変化によって生じる双音叉型圧電振動片の熱歪みによる共振周波数の変化を測定した。具体的には、まず、圧力が1気圧に維持されたキャビティ内に、各実施例および各比較例の圧力センサーを配置した。次いで、圧力センサーを駆動し、双音叉型圧電振動片の共振周波数の検知を開始した。次いで、キャビティ内の温度を変化させ、23℃での双音叉型圧電振動片の共振周波数と、43℃での双音叉型圧電振動片の共振周波数とを測定した。そして、23℃での双音叉型圧電振動片の共振周波数と、43℃での双音叉型圧電振動片の共振周波数との差異から1℃当たりの双音叉型圧電振動片の共振周波数の変化を算出した。これらの測定結果を、以下の表1に示す。
なお、各実施例の圧力センサーについて、ダイヤフラムの厚さ、圧電振動片層の厚さ、圧電振動片本体の形状(振動ビームの長さ等)、接着剤の種類を変えても各実施例と同様の効果が得られた。
Claims (10)
- パッケージの内部にセンサーチップを搭載してなる圧力センサーであって、
前記センサーチップの平面視形状は、矩形であり、
前記センサーチップの一方の主面には、互いに離間した第1の接合部、第2の接合部および第3の接合部が設定されており、前記第1の接合部、前記第2の接合部および前記第3の接合部が、それぞれ、第1の接着剤、第2の接着剤および第3の接着剤によって前記パッケージに接合されることにより、前記センサーチップが前記パッケージに固定されており、
前記センサーチップの平面視にて、前記主面の1つの辺に平行な軸をX軸とし、前記X軸に直交する軸をY軸としたとき、前記第1の接合部は、前記主面が有する4つの角部のうちの1つの角部に設定され、前記第2の接合部は、前記主面が有する4つの角部のうちの前記第1の接合部が設定された角部と前記Y軸方向に隣り合う角部に設定され、前記第3の接合部は、前記X軸方向の前記第1の接合部および前記第2の接合部と反対側の端部でかつY軸方向の中央部に設定されており、
前記主面の前記X軸方向の長さをLxとし、前記Y軸方向の長さをLyとしたとき、Ly/Lxが、0.6以上1.0以下であることを特徴とする圧力センサー。 - 前記第1の接合部、前記第2の接合部および前記第3の接合部は、それぞれ、円形状である請求項1に記載の圧力センサー。
- 前記第1の接合部、前記第2の接合部および前記第3の接合部の直径は、それぞれ、200μm以上500μm以下である請求項2に記載の圧力センサー。
- 前記第1の接合部、前記第2の接合部および前記第3の接合部は、互いに直径が同じである請求項2または3に記載の圧力センサー。
- 前記センサーチップは、ダイヤフラムと、該ダイヤフラムと対向配置された基台と、前記ダイヤフラムに固定され、前記X軸方向に延在する少なくとも1つの振動アームを備える圧電振動片とを有し、前記ダイヤフラム、前記基台および前記圧電振動片のうちの少なくとも前記基台が水晶で構成され、
前記パッケージは、前記第1の接着剤、前記第2の接着剤および前記第3の接着剤を介して前記センサーチップが接合された板状の基部を有し、前記基部がセラミックスで構成されている請求項1ないし4のいずれかに記載の圧力センサー。 - 前記基台の厚さは、200μm以上である請求項5に記載の圧力センサー。
- 前記センサーチップの前記主面には、前記圧電振動片が有する一対の励振電極と電気的に接続された一対の端子が形成されており、
前記パッケージの前記基部には、前記パッケージの内外を電気的に接続し得る一対の導電部が形成されており、
前記第1の接着剤、前記第2の接着剤および前記第3の接着剤のうちの少なくとも前記第1の接着剤および前記第2の接着剤が導電性を有しており、
前記第1の接着剤によって前記一対の端子のうちの一方の前記端子と前記一対の導電部のうちの一方の前記導電部とを導通し、前記第2の接着剤によって、他方の前記端子と他方の前記導電部とを導通する請求項5または6に記載の圧力センサー。 - 前記圧電振動片は、双音叉型をなしている請求項5ないし7のいずれかに記載の圧力センサー。
- 前記主面の前記X軸方向の長さは、4.0mm以上6.5mm以下である請求項1ないし8のいずれかに記載の圧力センサー。
- 前記第1の接着剤、前記第2の接着剤および前記第3の接着剤の厚さは、それぞれ、40μm以上60μm以下である請求項1ないし9のいずれかに記載の圧力センサー。
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