JP2013024828A - 物理量検出器、物理量検出デバイス、電子機器及び物理量検出器の製造方法 - Google Patents

物理量検出器、物理量検出デバイス、電子機器及び物理量検出器の製造方法 Download PDF

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潤 渡辺
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和之 中仙道
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Abstract

【課題】検出感度、検出精度などの物理量検出特性を向上させることが可能な物理量検出器、この物理量検出器を備えた物理量検出デバイス及び電子機器、並びに物理量検出器の製造方法の提供。
【解決手段】加速度検出器1は、ベース部10と、ベース部10に継ぎ手部11を介して接続され、継ぎ手部11を支点にして変位可能な平板状の可動部12と、ベース部10と可動部12とに継ぎ手部11を跨いで架け渡された状態で固定され、可動部12の変位により物理量を検出する物理量検出素子13と、を備え、可動部12は、主面12aに質量部15が搭載され、質量部15は、肉厚部15aと肉厚部15aよりも薄い質量調整用の肉薄部15b,15cとを有し、肉薄部15b,15cは、主面12aとの間に空隙を有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、物理量検出器、この物理量検出器を備えた物理量検出デバイス及び電子機器、並びに物理量検出器の製造方法に関する。
従来、物理量検出器としては、固定側ベースにより支持された肉厚の固定端部と固定端部に一端が固定された肉薄の梁と梁の他端に固定された肉厚の自由端部とを有した支持部材と、応力感応部と応力感応部の両端部に一体化された固定端とを有し両固定端が支持部材の固定端部と自由端部とに固定された応力感応素子と、を備え、支持部材に加速度が印加されたときに、梁の自由端部が加速度検出軸方向へ変形可能な可撓性を有する構成であって、支持部材の重心位置を調整する重量バランス調整機構を設けた加速度検知ユニットが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、他の物理量検出器としては、上記支持部材が、肉薄の梁と肉厚の固定端部と肉厚の自由端部とが一体で形成されている構成に対して、薄い板部材の両端部に肉厚部及び肉薄部を有したブロック部材を接合して固定端部及び自由端部とし、上記支持部材に相当する片持ち梁を構成した加速度センサーが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2009−229361号公報 特開2008−39663号公報
特許文献1の加速度検知ユニットの重量バランス調整機構は、支持部材の重心位置のずれ量に応じて、例えば、バランスウエイトを付加したり、付加したバランスウエイトをねじを回転軸にして回転させたりすることにより、重心位置を調整するように構成されている。
これにより、特許文献1の加速度検知ユニットは、重心位置のずれ量に応じた大きさの異なる複数のバランスウエイトや、このバランスウエイトを固定する部材が必要になるなど、構成が複雑になるという問題がある。
また、特許文献1の加速度検知ユニットは、重心位置の調整作業において、例えば、微小なバランスウエイトを、接着剤で自由端部の側面に接着したり、ねじで固定したバランスウエイトを、一旦ねじを緩め、ねじを回転軸にして回転させて位置を変え、再びねじを締めたりしなければならず、作業が煩雑となり、生産性が低下する虞がある。
この対策としては、自由端部にバランスウエイトを付加するのではなく、逆に、自由端部を部分的に除去する方法が考えられる。具体的には、自由端部に、例えば、レーザービームや電子ビームを照射して照射部分を融解させることにより、自由端部の質量を減らして重心位置を調整する方法が考えられる。
しかしながら、特許文献1の加速度検知ユニットは、自由端部が肉厚であることから、熱容量が大きく、照射部分を融解させるためには、レーザービームや電子ビームを照射するパワーを肉薄の場合よりも高くしなければならない。
このパワーを抑制する対策としては、特許文献2の加速度センサーのように、薄い板部材の両端部に、肉厚部及び肉薄部を階段状に有したブロック部材を接合して固定端部及び自由端部とする構成が考えられる。
つまり、自由端部のブロック部材の熱容量が小さい肉薄部に、レーザービームや電子ビームを照射することにより、融解に要するパワーを抑制することができる。
しかしながら、特許文献2の加速度センサーは、ブロック部材の肉薄部が板部材に接合されていることから、レーザービームや電子ビームの照射により高まった肉薄部の熱エネルギーが、容易に板部材に伝達される。
これにより、特許文献2の加速度センサーは、ブロック部材と板部材とに熱応力(温度変化による膨張や収縮を外部的な拘束によって妨げられたときに、物体内部に生じる応力)が発生し、薄い板部材に歪みが生じる虞がある。
この結果、特許文献2の加速度センサーは、歪みが生じた板部材により検出感度、検出精度などの加速度検出特性が劣化する虞がある。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例にかかる物理量検出器は、ベース部と、前記ベース部に継ぎ手部を介して接続され、前記継ぎ手部を支点にして変位可能な平板状の可動部と、前記ベース部と前記可動部とに前記継ぎ手部を跨いで架け渡された状態で固定され、前記可動部の変位により物理量を検出する物理量検出素子と、を備え、前記可動部は、両主面の少なくとも一方に質量部が搭載され、前記質量部は、肉厚部と該肉厚部よりも薄い質量調整用の肉薄部とを有することを特徴とする。
これによれば、物理量検出器は、可動部の両主面の少なくとも一方に搭載された質量部が、肉厚部と肉厚部よりも薄い質量調整用の肉薄部とを有している。
このことから、物理量検出器は、例えば、物理量検出器の重心位置の調整を、質量調整用の肉薄部にレーザービームや電子ビームを照射して、肉薄部の質量を減らす方法により行う場合、例えば、肉薄部と可動部の主面との間に空隙があったり、平面視で肉薄部と可動部の主面とが重ならなかったりすれば、肉薄部の熱エネルギーが可動部に伝達されにくくなる(可動部への熱伝導の経路が肉厚部経由となり、その間に熱エネルギーが吸収され得る)。
この結果、物理量検出器は、重心位置の調整による可動部の歪みを抑制できることから、物理量検出素子へ及ぼす悪影響が低減され、検出感度、検出精度などの物理量検出特性を向上させることが可能となる。
[適用例2]上記適用例にかかる物理量検出器において、前記肉薄部は、前記肉厚部よりも前記可動部の前記継ぎ手部側に設けられていることが好ましい。
これによれば、物理量検出器は、質量調整用の肉薄部が肉厚部よりも可動部の継ぎ手部側に設けられている。
このことから、物理量検出器は、例えば、質量調整のために肉薄部の質量を減らす場合、肉薄部が肉厚部よりも可動部の自由端側に設けられている場合と比較して、質量調整に伴う可動部の曲げモーメントの変化が小さくなり、検出感度に及ぼす影響は小さくなる。
この結果、物理量検出器は、検出感度を維持しつつ、重心位置の調整を行うことができる。
[適用例3]上記適用例にかかる物理量検出器において、前記肉薄部は、一対であって、前記ベース部と前記可動部とを結んだ方向と交差する方向に並んで形成され、平面視において、一対の前記肉薄部の間に前記物理量検出素子の一部が配置されていることが好ましい。
これによれば、物理量検出器は、一対の肉薄部がベース部と可動部とを結んだ方向と交差する方向に並んで形成され、平面視において、一対の肉薄部の間に物理量検出素子の一部が配置されていることから、可動部のスペースを効率的に活用することができる。
[適用例4]上記適用例にかかる物理量検出器において、前記肉薄部と前記主面との間に空隙を有することが好ましい。
これによれば、物理量検出器は、肉薄部と可動部の主面との間に空隙を有することから、肉薄部の熱エネルギーが可動部に伝達されにくくなる(可動部への熱伝導の経路が肉厚部経由となり、その間に熱エネルギーが吸収され得る)。
この結果、上述したように、物理量検出器は、重心位置の調整による可動部の歪みを抑制できることから、物理量検出素子へ及ぼす悪影響が低減され、検出感度、検出精度などの物理量検出特性を向上させることが可能となる。
[適用例5]上記適用例にかかる物理量検出器において、前記肉薄部は、根元部に括れ部を有することが好ましい。
これによれば、物理量検出器は、肉薄部が根元部に括れ部を有することから、括れ部によって肉薄部から肉厚部への熱伝導を抑制する(遅延させる)ことができる。
[適用例6]本適用例にかかる物理量検出デバイスは、上記適用例のいずれか一例に記載の物理量検出器と、前記物理量検出器を収容するパッケージと、を備えたことを特徴とする。
これによれば、本構成の物理量検出デバイスは、上記適用例のいずれか一例に記載の物理量検出器と、物理量検出器を収容するパッケージと、を備えたことから、上記適用例のいずれか一例に記載の効果を奏する物理量検出デバイスを提供することができる。
[適用例7]本適用例にかかる電子機器は、上記適用例のいずれか一例に記載の物理量検出器を備えたことを特徴とする。
これによれば、本構成の電子機器は、上記適用例のいずれか一例に記載の物理量検出器を備えたことから、上記適用例のいずれか一例に記載の効果を奏する電子機器を提供することができる。
[適用例8]本適用例にかかる物理量検出器の製造方法は、ベース部と、前記ベース部に継ぎ手部を介して接続され、前記継ぎ手部を支点にして変位可能な平板状の可動部と、前記ベース部と前記可動部とに前記継ぎ手部を跨いで架け渡された状態で固定され、前記可動部の変位により物理量を検出する物理量検出素子と、を備え、前記可動部は、両主面の少なくとも一方に質量部が搭載され、前記質量部は、肉厚部と該肉厚部よりも薄い肉薄部とを有する物理量検出器の製造方法であって、前記可動部の両前記主面の少なくとも一方に前記質量部を搭載後、前記質量部の前記肉薄部の質量を減らすことにより、前記物理量検出器の重心位置を調整する工程を含むことを特徴とする。
これによれば、物理量検出器の製造方法は、可動部に質量部を搭載後、質量部の肉薄部の質量を減らすことにより、物理量検出器の重心位置を調整する工程を含むことから、上記適用例に記載の効果を奏する物理量検出器を製造することができる。
[適用例9]上記適用例にかかる物理量検出器の製造方法において、前記肉薄部の質量を、レーザービームまたは電子ビームの照射により減らすことが好ましい。
これによれば、物理量検出器の製造方法は、肉薄部の質量を、レーザービームまたは電子ビームの照射により減らすことから、バランスウエイトなどの質量を付加する従来の方法と比較して、物理量検出器の重心位置を調整する工程の生産性を向上せることができる。
この際、物理量検出器の製造方法は、肉薄部にレーザービームまたは電子ビームを照射しても、例えば、肉薄部と可動部の主面との間に空隙があれば、物理量検出器の重心位置を調整する工程を、可動部の熱応力を低減した状態で行うことができる。
この結果、物理量検出器の製造方法は、重心位置の調整作業による可動部の歪みを抑制できることから、物理量検出素子へ及ぼす悪影響が低減され、物理量検出器の検出感度、検出精度などの物理量検出特性を向上させることが可能となる。
[適用例10]上記適用例にかかる物理量検出器の製造方法において、前記可動部に前記質量部を搭載する前に、前記物理量検出素子を、前記ベース部と前記可動部とに架け渡して固定する工程と、前記質量部を搭載後、物理量を検出し、検出値のずれ量を確認した後、前記ずれ量に応じて前記質量部の前記肉薄部の質量を減らす工程と、を含むことが好ましい。
これによれば、物理量検出器の製造方法は、可動部に質量部を搭載する前に、物理量検出素子を、ベース部と可動部とに架け渡して固定し、質量部を搭載後、物理量を検出し、検出値のずれ量を確認した後、ずれ量に応じて質量部の肉薄部の質量を減らす。
このことから、物理量検出器の製造方法は、物理量検出素子をベース部と可動部とに架け渡して固定した状態で、物理量の検出値のずれ量に応じて、物理量検出器の重心位置の調整を確実に行うことができる。
第1実施形態の加速度検出器の概略構成を示す部分展開模式斜視図。 第1実施形態の加速度検出器の概略構成を示す模式図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線での断面図。 加速度検出器の動作について説明する模式断面図であり、(a)は、可動部が紙面下方(−Z方向)に変位した状態を示す断面図、(b)は、可動部が紙面上方(+Z方向)に変位した状態を示す断面図。 加速度検出器の製造工程の一例を示すフローチャート。 素子支持体形成工程を説明する模式図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線での断面図。 加速度検出素子形成工程を説明する模式図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線での断面図。 加速度検出素子固定工程を説明する模式図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線での断面図。 質量部固定工程を説明する模式図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線での断面図。 重心位置調整工程を説明する模式図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線での断面図。 変形例の加速度検出器の概略構成を示す模式図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線での断面図。 第2実施形態の加速度検出デバイスの概略構成を示す模式図であり、(a)はリッド(蓋体)側から俯瞰した平面図、(b)は(a)のB−B線での断面図。 第3実施形態の傾斜計を示す模式斜視図。 傾斜計の内部に収容された傾斜センサーモジュールの概略構成を示す部分展開模式斜視図。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
最初に、物理量検出器としての加速度検出器の構成の一例について説明する。
図1は、第1実施形態の加速度検出器の概略構成を示す部分展開模式斜視図である。図2は、第1実施形態の加速度検出器の概略構成を示す模式図であり、図2(a)は、平面図、図2(b)は、図2(a)のA−A線での断面図である。なお、説明の便宜上、各配線は省略してあり、各構成要素の寸法比率は実際と異なる。
図1、図2に示すように、加速度検出器1は、矩形平板状のベース部10と、ベース部10に一方の端部(固定端)が継ぎ手部11を介して接続され、継ぎ手部11を支点にして変位可能な矩形平板状の可動部12と、ベース部10と可動部12とに継ぎ手部11を跨いで架け渡された状態で固定され、可動部12の変位により物理量を検出する物理量検出素子としての加速度検出素子13と、を備えている。
可動部12には、平板の表裏面に相当する主面12a,12bの内、主面12aの他方の端部(自由端)側に質量部15が搭載されている。質量部15は、接合材16を介して主面12aに接合(固定)されている。
ベース部10、継ぎ手部11、可動部12は、例えば、水晶の原石などから所定の角度で切り出された水晶基板を用いて一体で略平板状に形成されている。
ベース部10、継ぎ手部11、可動部12の外形形状は、フォトリソグラフィー、エッチングなどの技術を用いて精度よく形成されている。
継ぎ手部11は、可動部12の両主面12a,12b側(ベース部の両主面10a,10b側)からのハーフエッチングによって、ベース部10と可動部12とを区切るように、ベース部10と可動部12とを結んだ方向(Y軸方向)と直交する方向(X軸方向)に沿って有底の溝部11aが形成されている。
溝部11aにより、継ぎ手部11のY軸方向に沿った断面形状(図2(b)の形状)は、略H字状に形成されている。
この継ぎ手部11により、可動部12は、主面12a(12b)と交差する方向(Z軸方向)に加わる加速度に応じて、継ぎ手部11を支点(回転軸)にして主面12aと交差する方向(Z軸方向)に変位(回動)可能となっている。
なお、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向は、互いに直交する方向である。
質量部15は、肉厚部15aと、肉厚部15aから延設され、肉厚部15aよりも薄い一対の肉薄部15b,15cとを有している。
肉薄部15b,15cは、加速度検出器1の重心位置を調整する際の質量調整の機能を有している。
肉薄部15b,15cは、肉厚部15aよりも可動部12の継ぎ手部11側に設けられ、可動部12の主面12aとの間に空隙を有するように形成されている。
質量部15は、肉厚部15aに、可動部12の主面12a側に突出する円柱状(円板状)の凸部15dを有し、凸部15dの先端部が、可動部12の主面12aに接合材16を介して接合(固定)されている。
なお、凸部15dは、熱応力の抑制の観点から、可動部12への接合に必要な面積を確保しつつ、平面サイズを極力小さくすることが好ましい。また、質量部15は、接合時の傾き回避の観点から、平面視において、質量部15の重心が凸部15d内に収まることが好ましい。
質量部15は、加速度検出器1の感度向上を図るべく平面サイズを極力大きくするために、可動部12における継ぎ手部11側とは反対側の自由端側から、加速度検出素子13を避けて二股状で継ぎ手部11近傍まで延び、平面視において、略U字状に形成されている。
換言すれば、一対の肉薄部15b,15cは、ベース部10と可動部12とを結んだ方向(Y軸方向)と交差する(ここでは、直交する)方向(X軸方向)に並んで形成され、平面視において、一対の肉薄部15b,15cの間には、加速度検出素子13の一部が配置されていることになる。
質量部15には、例えば、Cu、Auなどの金属に代表される比較的比重の大きい材料が用いられている。
なお、質量部15の凸部15dは、接合材16の塗布範囲(接着範囲)を所定の範囲内に管理できれば、設けなくてもよい。
接合材16には、弾性に優れたシリコーン系樹脂(変成シリコーン樹脂など)を含む接着剤である、例えば、シリコーン系熱硬化型接着剤が用いられている。
加速度検出素子13は、Y軸方向に沿って延び、X軸方向に屈曲振動をする一対の振動梁13a,13bを有する加速度検出部13cと、加速度検出部13cの両端に接続された一対の基部13d,13eと、を備えている。
加速度検出素子13は、圧電材料を用いて一対の振動梁13a,13bと一対の基部13d,13eとで二組の音叉を構成することから、双音叉型圧電振動片(双音叉型圧電振動素子、双音叉素子)とも呼ばれている。
加速度検出素子13は、例えば、水晶の原石などから所定の角度で切り出された水晶基板を用いて、加速度検出部13cと基部13d,13eとが一体で略平板状に形成されている。また、加速度検出素子13の外形形状は、フォトリソグラフィー、エッチングなどの技術を用いて精度よく形成されている。
加速度検出素子13は、一方の基部13dが可動部12の主面12a側に、例えば、低融点ガラス、共晶接合可能なAu/Sn合金被膜、接着剤などの接合部材17を介して固定され、他方の基部13eがベース部10の主面10a側(可動部12の主面12aと同じ側)に接合部材17を介して固定されている。
なお、加速度検出素子13と、ベース部10の主面10a及び可動部12の主面12aとの間には、可動部12の変位時に加速度検出素子13とベース部10及び可動部12とが互いに接触しないように、所定の隙間が設けられている。この隙間は、本実施形態では、接合部材17の厚さで管理されている。
加速度検出素子13は、振動梁13a,13bの図示しない励振電極(駆動電極)から基部13eに引き出された引き出し電極13f,13gが、例えば、金属フィラーなどの導電性物質が混合された導電性接着剤(例えば、シリコーン系導電性接着剤)18によって、ベース部10の主面10aに設けられた接続端子10c,10dと接続されている。
詳述すると、引き出し電極13fは、接続端子10cと接続され、引き出し電極13gは、接続端子10dと接続されている。
ベース部10の接続端子10c,10dは、図示しない配線によって、ベース部10の主面10aとは反対側の主面10bに設けられた図示しない外部接続端子と接続されている。なお、励振電極、引き出し電極13f,13g、接続端子10c,10d、外部接続端子は、例えば、Crを下地層とし、その上にAuが積層された構成となっている。
ここで、加速度検出器1の動作について説明する。
図3は、加速度検出器の動作について説明する模式断面図である。図3(a)は、可動部が紙面下方(−Z方向)に変位した状態を示す断面図であり、図3(b)は、可動部が紙面上方(+Z方向)に変位した状態を示す断面図である。
図3(a)に示すように、加速度検出器1は、Z軸方向に加わる加速度+Gに応じた慣性力によって、可動部12が、継ぎ手部11を支点にして−Z方向に変位した場合、加速度検出素子13には、Y軸方向に基部13dと基部13eとが互いに離れる方向の引っ張り力が加わり、加速度検出部13cの振動梁13a,13bに引っ張り応力が生じる。
これにより、加速度検出器1は、例えば、巻き上げられた弦楽器の弦のように、加速度検出部13cの振動梁13a,13bの振動周波数(以下、共振周波数ともいう)が高くなる方に変化する。
一方、図3(b)に示すように、加速度検出器1は、Z軸方向に加わる加速度−Gに応じた慣性力によって、可動部12が、継ぎ手部11を支点にして+Z方向に変位した場合、加速度検出素子13には、Y軸方向に基部13dと基部13eとが互いに近づく方向の圧縮力が加わり、加速度検出部13cの振動梁13a,13bに圧縮応力が生じる。
これにより、加速度検出器1は、例えば、巻き戻された弦楽器の弦のように、加速度検出部13cの振動梁13a,13bの共振周波数が低くなる方に変化する。
加速度検出器1は、この共振周波数の変化を検出可能な構成となっている。Z軸方向に加わる加速度(+G、−G)は、この検出された共振周波数の変化の割合に応じて、ルックアップテーブルなどによって定められた数値に変換することで導出される。
ここで、加速度検出器1は、仮に、重心位置が本来の位置からずれている場合、可動部12の主面12aが、X軸とY軸とで規定される平面に対して傾斜し、Z軸方向に加わる加速度(+G、−G)に対して直交しなくなる。
これにより、加速度検出器1は、加速度(+G、−G)に応じた慣性力が、主面12aに直交する力と主面12aに平行な力とに分力されてしまうことから、可動部12の変位量が変化(減少)し、Z軸方向に加わる加速度(+G、−G)を正確に検出できなくなる。
このような不具合を回避するために、加速度検出器1は、質量部15の肉薄部15b,15cに、重心位置を調整する際の質量調整の機能を持たせている。
具体的には、重心位置のずれ量に応じて、肉薄部15b及び肉薄部15cの一方または両方に、例えば、レーザービームまたは電子ビームの照射を行い、部分的に融解させることにより肉薄部15b,15cの質量を部分的に減らし、重心位置が本来の位置になるように調整する。
これにより、加速度検出器1は、重心位置を本来の位置に合わせこむことができる。
なお、この場合には、調整前の重心位置が本来の位置よりも継ぎ手部11側になるようにしておくことが好ましい(例えば、質量部15の肉薄部15b,15cを厚めに形成することや、質量部15の接合位置を本来の位置よりも若干継ぎ手部11寄りにすることなど)。
次に、加速度検出器1の製造方法の一例について説明する。
図4は、加速度検出器の製造工程の一例を示すフローチャートであり、図5〜図9は、各主要製造工程を説明する模式平断面図である。
図4に示すように、加速度検出器1の製造方法は、素子支持体形成工程S1と、加速度検出素子形成工程S2と、加速度検出素子固定工程S3と、質量部固定工程S4と、重心位置調整工程S5と、を有している。
[素子支持体形成工程S1]
まず、図5に示すように、例えば、水晶の原石などから所定の角度で切り出された水晶基板を用いて、フォトリソグラフィー、ウエットエッチングなどの技術により、ベース部10と、継ぎ手部11と、可動部12と、を一体で形成する。説明の便宜上、ベース部10と、継ぎ手部11と、可動部12と、が一体で形成されたものを素子支持体101という。
なお、素子支持体101の各部分の厚さの一例としては、ベース部10及び可動部12が200μm〜400μm程度、継ぎ手部11が20μm程度である。なお、継ぎ手部11は、両主面12a,12b側(両主面10a,10b側)からのハーフエッチングによって形成する。
[加速度検出素子形成工程S2]
ついで、図6に示すように、例えば、水晶の原石などから所定の角度で切り出された水晶基板を用いて、フォトリソグラフィー、ウエットエッチングなどの技術により、加速度検出素子13を形成する。
なお、加速度検出素子13の厚さは、一例として100μm程度である。
[加速度検出素子固定工程S3]
ついで、図7に示すように、加速度検出素子13を、素子支持体101のベース部10と可動部12とに、継ぎ手部11を跨ぐように架け渡して固定する。
具体的には、加速度検出素子13の一方の基部13dを、可動部12の主面12aに、例えば、低融点ガラス、共晶接合可能なAu/Sn合金被膜、接着剤などの接合部材17を介して固定(接合)し、他方の基部13eを、ベース部10の主面10aに接合部材17を介して固定する。
なお、加速度検出素子13は、平面視において、加速度検出素子13における可動部12とベース部10とを結んだ方向に沿った中心線が、可動部12の同方向の中心線と重なるように固定する。
この際、前述したように、加速度検出素子13と、ベース部10の主面10a及び可動部12の主面12aとの間に、可動部12の変位時に加速度検出素子13とベース部10及び可動部12とが互いに接触しないように、所定の隙間を設ける。この隙間は、本実施形態では、接合部材17の厚さで管理する。
管理方法の一例を挙げると、まず、ベース部10及び可動部12(素子支持体101)と加速度検出素子13との間に、所定の隙間に相当する厚さに形成されたスペーサーを挟んだ状態で、素子支持体101と加速度検出素子13とを接合部材17によって固定する。ついで、接合部材17の硬化後にスペーサーを除去する。
これにより、接合部材17の厚さが管理され、ベース部10及び可動部12と加速度検出素子13との間には、所定の隙間が設けられることになる。
ついで、加速度検出素子13の引き出し電極13f,13gを、例えば、金属フィラーなどの導電性物質が混合された導電性接着剤(例えば、シリコーン系導電性接着剤)18を介して、ベース部10の主面10aに設けられた接続端子10c,10dと接続する。
詳述すると、まず、引き出し電極13fと接続端子10cとに跨るように導電性接着剤18を塗布し、引き出し電極13gと接続端子10dとに跨るように導電性接着剤18を塗布する。
ついで、導電性接着剤18を加熱して硬化させ、引き出し電極13fと接続端子10cとを電気的に接続し、引き出し電極13gと接続端子10dとを電気的に接続する。
なお、この工程では、導電性接着剤18に代えて金属ワイヤーを用いて、ワイヤーボンディングによって引き出し電極13f,13gと接続端子10c,10dとを電気的に接続してもよい。
なお、加速度検出素子固定工程S3における加速度検出素子13の固定位置ずれは、後述する重心位置調整工程S5で補正する。
[質量部固定工程S4]
ついで、図8に示すように、質量部15を、可動部12の主面12aの継ぎ手部11側とは反対側の自由端側のスペースに、接合材16を介して固定(接合)する。
具体的には、まず、質量部15の凸部15dの先端部平面に、弾性に優れたシリコーン系樹脂(変成シリコーン樹脂など)を含む、例えば、シリコーン系熱硬化型接着剤が用いられた接合材16を、ディスペンサーなどの塗布装置で所定量塗布する。
ついで、質量部15を、凸部15dが可動部12の主面12a側になるようにして位置合わせし、可動部12に搭載(載置)する。
ついで、接合材16を加熱して硬化させ、質量部15を可動部12の主面12aに固定する。
ここで、前述したように、固定時における質量部15の傾き回避の観点から、平面視において、質量部15の重心が凸部15d内に収まっていることが好ましい。
なお、質量部固定工程S4における質量部15の固定位置ずれは、後述する重心位置調整工程S5で補正する。
[重心位置調整工程S5]
ついで、図9に示すように、質量部15を固定後、重心位置の調整前の加速度検出器(1)(説明の便宜上、符号を括弧付き表記で区別する)に印加されている重力加速度を検出し、本来の値に対する検出値のずれ量を確認した後、ずれ量に応じて質量部15の肉薄部15b,15cの質量を減らすことにより、加速度検出器(1)の重心位置の調整を行う。
具体的には、まず、ベース部10を保持した状態で、Y軸方向を回転中心として加速度検出器(1)を所定の範囲で徐々に回転させ、その都度重力加速度を検出し、姿勢変化に伴う検出値の推移を調べる。
ついで、X軸方向を回転中心として加速度検出器(1)を所定の範囲で徐々に回転させ、その都度重力加速度を検出し、姿勢変化に伴う検出値の推移を調べる。
ついで、これらの結果から、本来の値に対する検出値のずれ量(例えば、ピーク値のずれ量、ピーク値発生時の角度(姿勢)のずれ量など)を確認する。
ついで、確認されたずれ量に応じて、質量部15の肉薄部15b,15cの一方または両方の設定された位置に、例えば、ビーム照射装置30によりレーザービーム(例えば、YAGレーザービーム)または電子ビームの照射を行い、肉薄部15b,15cを部分的に融解させて気化させる。
これにより、質量部15の肉薄部15b,15cの質量を部分的に減らし、加速度検出器(1)の重心位置が本来の位置になるように調整する。
なお、質量部15の肉薄部15b,15cの融解による質量削減量は、レーザービームまたは電子ビームの照射強度、照射時間、照射回数などにより適宜調整される。
上記各工程などを経て、図1、図2に示すような、加速度検出器1を得る。
なお、上記各工程は、支障のない範囲で順番を適宜入れ換えてもよい。例えば、素子支持体形成工程S1と、加速度検出素子形成工程S2とは、互いに入れ換えてもよく、別々のラインで同時進行させてもよい。
また、準備工程、検査工程など上記以外の工程は、上記各工程の前後などに適宜行うものとする。
上述したように、第1実施形態における加速度検出器1は、可動部12の主面12aに搭載された質量部15が、肉厚部15aと肉厚部15aよりも薄い質量調整用の肉薄部15b,15cとを有し、肉薄部15b,15cと主面12aとの間に空隙を有している。
このことから、加速度検出器1は、加速度検出器1の重心位置の調整を、例えば、肉薄部15b,15cの一方または両方に、レーザービームや電子ビームを照射して、肉薄部15b,15cの質量を減らす方法により行う場合、肉薄部15b,15cと主面12aとの間に空隙を有していることから、肉薄部15b,15cの熱エネルギーが可動部12に伝達されにくくなる(可動部12への熱伝導の経路が肉厚部15a経由となり、その間に熱エネルギーが吸収される)。
この結果、加速度検出器1は、重心位置の調整による可動部12の歪みを抑制できることから、加速度検出素子13へ及ぼす悪影響が低減され、検出感度、検出精度などの加速度検出特性を向上させることが可能となる。
また、加速度検出器1は、質量部15の質量調整用の肉薄部15b,15cが、肉厚部15aよりも可動部12の継ぎ手部11側に設けられている。
このことから、加速度検出器1は、例えば、重心位置の調整のために肉薄部15b,15cの質量を減らす場合、肉薄部15b,15cが肉厚部15aよりも可動部12の自由端側に設けられている場合と比較して、質量調整に伴う可動部12の曲げモーメントの変化が小さくなり、検出感度に及ぼす影響は小さくなる。
この結果、加速度検出器1は、検出感度を維持しつつ、重心位置の調整を行うことができる。
また、加速度検出器1は、一対の肉薄部15b,15cがベース部10と可動部12とを結んだ方向(Y軸方向)と交差する方向(X軸方向)に並んで形成され、平面視において、一対の肉薄部15b,15cの間に加速度検出素子13の一部が配置されていることから、可動部12の主面12aのスペースを効率的に活用することができる。
また、加速度検出器1の製造方法は、可動部12に質量部15を搭載後、質量部15の肉薄部15b,15cの質量を減らすことにより、加速度検出器1の重心位置を調整する重心位置調整工程S5を含むことから、上述の効果を奏する加速度検出器1を製造することができる。
また、加速度検出器1の製造方法は、肉薄部15b,15cの質量を、レーザービームまたは電子ビームの照射により減らすことから、バランスウエイトなどの質量を付加する従来の方法と比較して、重心位置調整工程S5の生産性を向上せることができる。
この際、加速度検出器1の製造方法は、肉薄部15b,15cにレーザービームまたは電子ビームを照射しても、肉薄部15b,15cと可動部12の主面12aとの間に空隙があることから、重心位置調整工程S5を、可動部12の熱応力を低減した状態で行うことができる。
この結果、加速度検出器1の製造方法は、重心位置の調整作業による可動部12の歪みを抑制できることから、加速度検出素子13へ及ぼす悪影響が低減され、加速度検出器1の検出感度、検出精度などの加速度検出特性を向上させることが可能となる。
また、加速度検出器1の製造方法は、可動部12に質量部15を搭載する前に、加速度検出素子13を、ベース部10と可動部12とに架け渡して固定し、質量部15を搭載後、重力加速度を検出し、検出値のずれ量を確認した後、ずれ量に応じて質量部15の肉薄部15b,15cの質量を減らしている。
このことから、加速度検出器1の製造方法は、加速度検出素子13をベース部10と可動部12とに架け渡して固定した状態で、重力加速度の検出値のずれ量に応じて、加速度検出器1の重心位置の調整を確実に行うことができる。
なお、肉薄部15b,15cの質量を減らしすぎた場合には、蒸着やスパッタリングなどの方法を用いて、Cu、Au、Cr、Niなどの金属を質量部15に付加することにより再調整することができる。
なお、肉薄部15b,15cは、可動部12からはみ出すように、X軸方向に延設されていてもよい。この際、肉薄部15b,15cは、Z軸方向において肉厚部15aの可動部12寄り(−Z側)の部分から延設されていてもよい。この付帯事項は、以下の変形例にも適用可能である。
(変形例)
次に、上記第1実施形態の変形例について説明する。
図10は、変形例の加速度検出器の概略構成を示す模式図であり、図10(a)は、平面図、図10(b)は、図10(a)のA−A線での断面図である。なお、上記第1実施形態との共通部分には、同一符号を付して詳細な説明を省略し、上記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図10に示すように、変形例の加速度検出器2は、質量部115の肉薄部115b,115cが根元部(肉厚部15aとの境界部分)に、X軸方向に括れた括れ部115e,115fを有するように形成されている。
これによれば、加速度検出器2は、肉薄部115b,115cの根元部が括れていることから、肉薄部115b,115cから肉厚部15aへの熱伝導を抑制する(遅延させる)ことができる。
この結果、加速度検出器2は、例えば、レーザービームまたは電子ビームの照射による重心位置の調整作業に伴う可動部12の歪みを更に抑制できることから、加速度検出素子13へ及ぼす悪影響が低減され、検出感度、検出精度などの加速度検出特性を更に向上させることが可能となる。
なお、上記変形例では、肉薄部115b,115cの括れ方向をX軸方向としたが、これに限定するものではなく、強度などに支障がなければ、括れ方向をZ軸方向(厚さ方向)としてもよく、X軸方向及びZ軸方向の両方向としてもよい。
(第2実施形態)
次に、上記第1実施形態及び変形例で述べた加速度検出器を備えた物理量検出デバイスとしての加速度検出デバイスについて説明する。
図11は、第2実施形態の加速度検出デバイスの概略構成を示す模式図であり、図11(a)は、リッド(蓋体)側から俯瞰した平面図、図11(b)は、図11(a)のB−B線での断面図である。なお、平面図では、説明の便宜上、リッドを省略してある。また、各配線は省略してある。
なお、上記第1実施形態との共通部分には、同一符号を付して詳細な説明を省略し、上記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図11に示すように、加速度検出デバイス3は、上記第1実施形態で述べた加速度検出器1と、加速度検出器1を収容するパッケージ20と、を備えている。
パッケージ20は、平面形状が略矩形で凹部を有したパッケージベース21と、パッケージベース21の凹部を覆う平面形状が略矩形で平板状のリッド22と、を有し、略直方体形状に形成されている。
パッケージベース21には、セラミックグリーンシートを成形して積層し焼成した酸化アルミニウム質焼結体、水晶、ガラス、シリコンなどが用いられている。
リッド22には、パッケージベース21と同材料、または、コバール、42アロイ、ステンレス鋼などの金属が用いられている。
パッケージベース21には、内底面(凹部の内側の底面)23からリッド22側に突出した段差部23aに、内部端子24,25が設けられている。
内部端子24,25は、加速度検出器1のベース部10の主面10bに設けられた図示しない外部接続端子と対向する位置(平面視において重なる位置)に設けられている。なお、外部接続端子は、それぞれベース部10の接続端子10c,10dと接続されている。
パッケージベース21の外底面(内底面23の反対側の面、外側の底面)26には、電子機器などの外部部材に実装される際に用いられる一対の外部端子27,28が形成されている。
外部端子27,28は、図示しない内部配線によって内部端子24,25と接続されている。例えば、外部端子27は、内部端子24と接続され、外部端子28は、内部端子25と接続されている。
内部端子24,25及び外部端子27,28は、W、Moなどのメタライズ層にNi、Auなどの各被膜をメッキなどの方法により積層した金属膜からなる。
パッケージベース21には、凹部の底部にパッケージ20の内部を封止する封止部29が設けられている。
封止部29は、パッケージベース21に形成された、外底面26側の孔径が内底面23側の孔径より大きい段付きの貫通孔29aに、Au/Ge合金、ハンダなどからなる封止材29bを投入し、加熱融解後、固化させることでパッケージ20の内部を気密に封止する構成となっている。
加速度検出デバイス3は、加速度検出器1のベース部10の主面10bの外部接続端子が、導電性接着剤(例えば、シリコーン系導電性接着剤)40を介して、パッケージベース21の段差部23aの内部端子24,25に固定されている。
加速度検出デバイス3は、加速度検出器1がパッケージベース21の内部端子24,25と接続された状態で、パッケージベース21の凹部がリッド22により覆われ、パッケージベース21とリッド22とが、シームリング、低融点ガラス、接着剤などの接合部材22aで接合される。
加速度検出デバイス3は、リッド22の接合後、パッケージ20の内部が減圧された状態(真空度の高い状態)で、封止部29の貫通孔29aに封止材29bが投入され、加熱融解後、固化されることにより、パッケージ20の内部が気密に封止される。
なお、パッケージ20の内部は、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスが充填されていてもよい。
なお、パッケージは、パッケージベース及びリッドの両方に凹部を有していてもよい。
加速度検出デバイス3は、外部端子27,28、内部端子24,25、接続端子10c,10dなどを経由して加速度検出器1の励振電極に印加される駆動信号によって、加速度検出器1の振動梁13a,13bが所定の周波数で発振(共振)する。
そして、加速度検出デバイス3は、加わる加速度に応じて変化する加速度検出器1の共振周波数を出力信号として出力する。
上述したように、第2実施形態の加速度検出デバイス3は、加速度検出器1を備えたことから、上記第1実施形態に記載された効果を奏する加速度検出デバイス(例えば、検出感度や検出精度などの加速度検出特性を向上させることが可能な加速度検出デバイス)を提供することができる。
なお、加速度検出デバイス3は、加速度検出器1に代えて加速度検出器2を備えた場合においても、上記と同様の効果及び加速度検出器2の特有の効果を奏する加速度検出デバイスを提供することができる。
(第3実施形態)
次に、上記第1実施形態及び変形例で述べた加速度検出器を備えた電子機器としての傾斜計について説明する。
図12は、第3実施形態の傾斜計を示す模式斜視図である。図13は、傾斜計の内部に収容された傾斜センサーモジュールの概略構成を示す部分展開模式斜視図である。
図12、図13に示すように、傾斜計4は、上記第1実施形態で述べた加速度検出器1を、傾斜センサーモジュール5の傾斜センサーとして備えている。
図13に示すように、傾斜センサーモジュール5は、ベース基板201と、断熱基板202と、基台203と、加速度検出器1を備えた加速度検出デバイス3と、発振器204と、キャップ205と、を備え、傾斜計4の内部に収容されている。
矩形平板状のベース基板201には、例えば、FR−4(ガラス布入りエポキシ樹脂基板)が用いられ、搭載された回路素子201aによって、加速度検出デバイス3や発振器204に関わる周辺回路が構成されている。また、ベース基板201には、外部(傾斜計本体)との入出力のための端子201bや、傾斜計本体への取り付け孔201cが形成されている。
矩形平板状の断熱基板202は、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、LCP(液晶ポリマー)などの低熱伝導率で耐熱性、電気特性、寸法安定性などに優れた樹脂が用いられ、厚み方向に貫通して固定されている細いピン状(棒状)の複数の接続ピン202aによって、ベース基板201に空隙を有して接続されている。
基台203は、Al、Al合金、Cu、Cu合金などの金属を用いて、削り出しまたは板金加工により略直方体形状に形成され、断熱基板202に、例えば、接着剤などで固定されている。なお、基台203には、上記の樹脂や酸化アルミニウム質焼結体(セラミック類)などを用いてもよい。
加速度検出デバイス3及び発振器204は、基台203の側面(断熱基板202に対して直立する面)に、例えば、導電性接着剤などによって固定されている。2つの加速度検出デバイス3は、基台203における隣り合う直角に接続された側面にそれぞれ固定されている。これにより、傾斜センサーモジュール5は、互いに直交する2軸に対する傾斜を検出することができる。
発振器204は、基台203における一方の加速度検出デバイス3が固定された側面と対向する側面(換言すれば、他方の加速度検出デバイス3が固定された側面と隣り合う側面)に固定されている。
加速度検出デバイス3及び発振器204は、リード線206によって断熱基板202の接続ピン202aに接続され、接続ピン202aを経由してベース基板201に接続されている。
なお、一方の加速度検出デバイス3の外側には、周辺の温度を検知するサーミスター3a(温度センサー)が備えられている。サーミスター3aは、周辺の温度を検知して、加速度検出デバイス3及び発振器204の周波数特性の温度補償(温度補正)をする際の、温度検知手段として設けられている。
サーミスター3aは、上記加速度検出デバイス3及び発振器204と同様に、リード線206によって断熱基板202の接続ピン202aに接続され、接続ピン202aを経由してベース基板201に接続されている。
発振器204は、加速度検出時における加速度検出デバイス3(加速度検出器1)の共振周波数と比較する比較回路の基準周波数(基準共振周波数)発振源として備えられている。
ベース基板201側に開口部を備えた箱状のキャップ205には、断熱基板202と同様に低熱伝導率の樹脂(PBT、ABS、PCなど)が用いられ、ベース基板201上の断熱基板202、基台203、加速度検出デバイス3、サーミスター3a、発振器204、回路素子201aなどを覆うようにベース基板201に固定されている。
これらの構成により、傾斜センサーモジュール5は、周囲の温度変化の加速度検出デバイス3への到達を遅延させることができる。詳述すると、ベース基板201からの接触による熱伝導は、細いピン状の接続ピン202aや低熱伝導率の樹脂が用いられた断熱基板202により遅延され、加速度検出デバイス3の周辺の大気の対流や、外部部材の放射熱(輻射熱)による熱伝導は、低熱伝導率の樹脂が用いられたキャップ205による外気及び放射熱源からの遮断によって遅延される。
このように、傾斜センサーモジュール5は、周囲の温度変化の加速度検出デバイス3への到達を遅延させることで、加速度検出デバイス3の温度変化をなだらかにすることが可能となることから、加速度検出デバイス3(加速度検出器1)の、例えば、加速度検出精度などの加速度検出特性を良好な状態に維持することができる。
図12に戻って、傾斜計4は、例えば、山の斜面、道路の法面、盛土の擁壁面などの被計測場所に設置される。傾斜計4は、外部からケーブル50を介して電源が供給され、または電源を内蔵し、図示しない駆動回路によって傾斜センサーモジュール5(加速度検出器1)に駆動信号が送られている。
そして、傾斜計4は、図示しない検出回路によって、傾斜センサーモジュール5(加速度検出器1)に加わる重力加速度に応じて変化する共振周波数から、傾斜計4の姿勢の変化(傾斜計4に対する重力加速度が加わる方向の変化)を検出し、それを角度に換算して、例えば、無線またはケーブル50などで基地局にデータ転送する。これにより、傾斜計4は、日常の管理や異常の早期発見に貢献することができる。
なお、傾斜計4は、加速度検出器1に代えて加速度検出器2を傾斜センサーとして備えていてもよい。
上述した加速度検出器1,2は、上記傾斜計に限らず、地震計、ナビゲーション装置、姿勢制御装置、ゲームコントローラー、携帯電話などの加速度センサー、傾斜センサーなどとして好適に用いることができ、いずれの場合にも上記第1実施形態及び変形例で説明した効果を奏する電子機器を提供することができる。
なお、上記各実施形態及び変形例において、ベース部10、継ぎ手部11、可動部12の材料は、水晶に限定するものではなく、ガラス、またはシリコンなどの半導体材料であってもよい。
また、加速度検出素子の基材は、水晶に限定するものではなく、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、四ホウ酸リチウム(Li247)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、酸化亜鉛(ZnO)、窒化アルミニウム(AlN)などの圧電材料、または酸化亜鉛(ZnO)、窒化アルミニウム(AlN)などの圧電材料を被膜として備えたシリコンなどの半導体材料であってもよい。
1…物理量検出器としての加速度検出器、10…ベース部、10a,10b…主面、10c,10d…接続端子、11…継ぎ手部、11a…溝部、12…可動部、12a,12b…主面、13…物理量検出素子としての加速度検出素子、13a,13b…振動梁、13c…加速度検出部、13d,13e…基部、13f,13g…引き出し電極、15…質量部、15a…肉厚部、15b,15c…肉薄部、15d…凸部、16…接合材、17…接合部材、18…導電性接着剤。

Claims (10)

  1. ベース部と、
    前記ベース部に継ぎ手部を介して接続され、前記継ぎ手部を支点にして変位可能な平板状の可動部と、
    前記ベース部と前記可動部とに前記継ぎ手部を跨いで架け渡された状態で固定され、前記可動部の変位により物理量を検出する物理量検出素子と、を備え、
    前記可動部は、両主面の少なくとも一方に質量部が搭載され、
    前記質量部は、肉厚部と該肉厚部よりも薄い質量調整用の肉薄部とを有することを特徴とする物理量検出器。
  2. 請求項1に記載の物理量検出器において、
    前記肉薄部は、前記肉厚部よりも前記可動部の前記継ぎ手部側に設けられていることを特徴とする物理量検出器。
  3. 請求項1または請求項2に記載の物理量検出器において、
    前記肉薄部は、一対であって、前記ベース部と前記可動部とを結んだ方向と交差する方向に並んで形成され、
    平面視において、一対の前記肉薄部の間に前記物理量検出素子の一部が配置されていることを特徴とする物理量検出器。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の物理量検出器において、
    前記肉薄部と前記主面との間に空隙を有することを特徴とする物理量検出器。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の物理量検出器において、
    前記肉薄部は、根元部に括れ部を有することを特徴とする物理量検出器。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の物理量検出器と、
    前記物理量検出器を収容するパッケージと、を備えたことを特徴とする物理量検出デバイス。
  7. 請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の物理量検出器を備えたことを特徴とする電子機器。
  8. ベース部と、前記ベース部に継ぎ手部を介して接続され、前記継ぎ手部を支点にして変位可能な平板状の可動部と、前記ベース部と前記可動部とに前記継ぎ手部を跨いで架け渡された状態で固定され、前記可動部の変位により物理量を検出する物理量検出素子と、を備え、前記可動部は、両主面の少なくとも一方に質量部が搭載され、前記質量部は、肉厚部と該肉厚部よりも薄い肉薄部とを有する物理量検出器の製造方法であって、
    前記可動部の両前記主面の少なくとも一方に前記質量部を搭載後、前記質量部の前記肉薄部の質量を減らすことにより、前記物理量検出器の重心位置を調整する工程を含むことを特徴とする物理量検出器の製造方法。
  9. 請求項8に記載の物理量検出器の製造方法において、
    前記肉薄部の質量を、レーザービームまたは電子ビームの照射により減らすことを特徴とする物理量検出器の製造方法。
  10. 請求項8または請求項9に記載の物理量検出器の製造方法において、
    前記可動部に前記質量部を搭載する前に、前記物理量検出素子を、前記ベース部と前記可動部とに架け渡して固定する工程と、
    前記質量部を搭載後、物理量を検出し、検出値のずれ量を確認した後、前記ずれ量に応じて前記質量部の前記肉薄部の質量を減らす工程と、を含むことを特徴とする物理量検出器の製造方法。
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