JP2008240523A - 筒内直接噴射型火花点火式内燃機関 - Google Patents

筒内直接噴射型火花点火式内燃機関 Download PDF

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Abstract

【課題】点火時期の設定の自由度を向上させるとともに、中心電極と接地電極との間の火花ギャップで発生する火花の吹き消えを抑制できる筒内直接噴射型火花点火式内燃機関を提供する。
【解決手段】エンジン20は、燃焼室30と、点火プラグ50と、燃料を噴射するインジェクタ40と、ガイド柱60とを備える。点火プラグ50は、燃焼室30に固定されるプラグ本体51と、プラグ本体51に設けられて燃焼室30内に露出する中心電極52と、中心電極52の周りに設けられて燃焼室30内に露出し、中心電極52との間の火花ギャップGで火花放電が行われる接地電極53とを備える。ガイド柱60は、燃焼室30内において点火プラグ50から外れた位置に配置されるとともに、インジェクタ40から噴射された燃料の少なくとも一部を火花ギャップGに導く。
【選択図】 図1

Description

本発明は、筒内直接噴射型火花点火式内燃機関に関する。
従来、自動車のガソリンエンジンに用いられる点火プラグの構造として、1つの中心電極と、中心電極の周囲に配置されるとともに中心電極との間で火花放電が行われる接地電極を1つ備える構造がある(例えば、特許文献1参照。)。
特開昭60―198077号公報
インジェクタを用いて燃焼室内に燃料を直接噴射する筒内直接噴射型火花点火式内燃機関において、インジェクタが点火プラグに向かって燃料を直接的に噴射するスプレーガイド式のエンジンでは、噴射された燃料の一部が点火プラグ周辺に到達して気化することによって混合気を形成する。
上記のように形成される混合気は、火花ギャップで行われる火花放電によって点火されて、燃焼する。これにより,点火プラグの周辺の空燃比が理論空燃比近傍に設定され、かつ、燃焼室全体では極めてリーンな空燃比での燃焼,所謂成層希薄燃焼がなされる。
特許文献1に開示されているように一つの接地電極を備える点火プラグの場合、接地電極が中心電極を挟んでインジェクタと反対側に配置されると、インジェクタから噴射された燃料の大部分は火花ギャップを通過した後に接地電極に接触する。
逆に、接地電極がインジェクタと同じ側に配置されると、インジェクタから噴射された燃料の大部分は接地電極に接触し直接火花ギャップに到達する燃料は激減する。
それゆえ、火花ギャップ周辺の空燃比を理論空燃比近傍に設定しにくくなり、また、理論空燃比に設定できたとしても接地電極が中心電極を挟んでインジェクタと反対側に配置した場合と比べ遅い時期となってしまう。
このように、インジェクタに対する接地電極の姿勢つまり点火プラグの姿勢によって、火花ギャップ周辺の混合気の状態が変化する。
一方、点火プラグの外周面には雄ねじが形成されており、この雄ねじがシリンダヘッドに形成される雌ねじに螺合することによって、点火プラグはシリンダヘッドに固定される。上記のような固定構造であるため、シリンダヘッドに対する点火プラグの姿勢は、雄ねじが雌ねじに最後まで螺合した時点での姿勢となる。それゆえ、インジェクタに対する接地電極の姿勢つまり点火プラグの姿勢を制御することは難しい。
上記の理由により、多気筒エンジンでは各シリンダ内の点火プラグのインジェクタに対する姿勢は各々異なることが考えられるので、各シリンダに共通な点火期間は、各点火プラグの姿勢に最適な点火期間のうち共通な範囲となる。それゆえ、各シリンダに対して良好な燃焼を得るための点火期間は、狭くなる傾向にある。この結果、各シリンダに対して良好な燃焼を得るための点火時期の設定の自由度は、小さくなる。
また、一方、インジェクタに対する接地電極の姿勢(点火プラグの姿勢)によっては、火花ギャップに直接導かれる燃料が多くなることが考えられる。この場合では、噴霧の勢いによって、火花ギャップに発生する火花が吹き消されてしまうことが考えられる。吹き消えが発生すると再放電を開始するために多くのエネルギを消費し、混合気の点火に十分なエネルギを供給できなくなるため、点火コイルのエネルギを高く設定する必要があり、好ましくない。
したがって、本発明の目的は、点火時期の設定の自由度を向上させるとともに、火花ギャップで発生する火花の吹き消えを抑制できる筒内直接噴射型火花点火式内燃機関を提供することにある。
本発明の筒内直接噴射型火花点火式内燃機関は、燃焼室と、点火プラグと、燃料を噴射するインジェクタと、ガイド部とを備える。前記点火プラグは、前記燃焼室に固定されるプラグ本体と、前記プラグ本体に設けられて前記燃焼室内に露出する中心電極と、前記中心電極の周りに設けられて前記燃焼室内に露出し、前記中心電極と火花ギャップを成し、火花放電が行われる接地電極とを備える。前記ガイド部は、前記燃焼室内において前記インジェクタ近傍に配置されるとともに、前記インジェクタから噴射された燃料の少なくとも一部を火花ギャップに導くガイド部とを備える。
この構造によれば、ガイド部が、燃料を火花ギャップに案内するため、混合気が安定して形成されるとともにこの混合気が安定して火花ギャップ周辺に導かれるようになる。さらに、燃料の一部は、ガイド部にぶつかることによって運動エネルギを失うので、混合気の火花ギャップ周辺での流速は低下するとともに混合気が火花ギャップ周辺に滞留する。
本発明の好ましい形態では、前記ガイド部は、前記インジェクタを挟んで前記点火プラグの反対側から同インジェクタの噴射口に対向する位置に延出している。
この構造によれば、簡単な構造で燃料を中央電極に案内することができる。
本発明の好ましい形態では、前記ガイド部は、前記燃焼室の壁部に設けられる。
本発明の好ましい形態では、前記ガイド部は、前記インジェクタに設けられる。
本発明の好ましい形態では、前記点火プラグは、前記中心電極と前記接地電極との間で前記中心電極の軸心線を横切る方向に火花が発生する沿面型である。
この構造によれば、ガイド部により案内される燃料が接地電極に阻害されることなく火花に接触することができる。
本発明によれば、点火時期の設定の自由度を向上させるとともに、火花ギャップで発生する火花の吹き消えを抑制できる。
本発明の第1の実施形態に係る筒内直接噴射型火花点火式内燃機関を、図1〜4を用いて説明する。エンジン20は、多気筒エンジンである。また、エンジン20は、筒内直接噴射型火花点火式内燃機関である。
図1は、エンジン20の1つの燃焼室30の近傍の断面図を示している。図1に示すように、エンジン20は、シリンダブロック21と、シリンダヘッド22となどを備えている。
シリンダブロック21には、複数のシリンダ23が形成されている。シリンダ23には、ピストン24が収容されている。ピストン24は、図示しないコンロッドを介してクランクシャフトに連結されている。ピストン24は、燃焼ガスの圧力エネルギを受けてシリンダ23内を往復動する。クランクシャフトは、ピストン24の往復動によって、回転する。シリンダブロック21において、シリンダ23の近傍には、ウォータージャケット25が形成されている。ウォータージャケット25内には、冷却水が流動している。
シリンダヘッド22は、シリンダブロック21の上端面21aに固定されている。シリンダヘッド22において、シリンダ23と重なる部位には、燃焼凹部22bが形成されている。燃焼凹部22bは、例えば屋根型である。燃焼凹部22bは、上端面21aに開口するシリンダ23の開口を覆っている。
燃焼凹部22bと、ピストン24の外面と、シリンダ23の内面とによって規定される空間は、燃焼室30となっている。
シリンダヘッド22には、吸気通路26と排気通路27とが形成されている。なお、吸気通路26と排気通路は、図1の奥側に形成されており、それゆえ、各々点線で示されている。
吸気通路26の一端は、燃焼凹部22b内に開口している。吸気通路26において燃焼凹部22b側の開口端は、吸気口26aになっている。吸気口26aには、吸気バルブ28が設けられている。排気通路27の一端は、燃焼凹部22b内に開口している。排気通路27において燃焼凹部22b側の開口端は、排気口27aになっている。排気口27aには、排気バルブ29が設けられている。
シリンダヘッド22には、燃料を噴射するインジェクタ40と、点火プラグ50と、ガイド柱60とが設けられている。
インジェクタ40は、燃料を噴射する噴射口41を有している。インジェクタ40は、噴射口41が燃焼凹部22bの頂点部分22cの近傍から燃焼凹部22b内に臨むように、シリンダヘッド22の頂点部分22cの近傍に取り付けられている。また、インジェクタ40は、噴射口41が形成されるインジェクタ40の先端面42が燃焼凹部22bの頂点部分22cの壁面と例えば略面一になるように、設置されている。
シリンダヘッド22の頂点部分22cの近傍には、インジェクタ40が嵌合する取付孔100が形成されている。インジェクタ40は、取付孔100内に嵌合することによって、シリンダヘッド22に固定される。つまり、インジェクタ40は、取付孔100に挿入されるだけであるので、燃焼室30内でのインジェクタ40の姿勢は、取付孔100内に挿入される前のインジェクタ40の姿勢を調整することによって、容易に制御される。インジェクタ40は、燃料を例えばコーン状に噴射する。
点火プラグ50は、燃焼凹部22bの頂点部分22cの近傍において、インジェクタ40を避けた位置に取り付けられている。具体的には、点火プラグ50は、インジェクタ40に対して、図中右にずれた位置の傾斜部分22eから後述される中心電極52と接地電極53とが燃焼室30内に臨むように取り付けられている。
点火プラグ50は、プラグ本体51と、1つの中心電極52と、1つの接地電極53とを備えている。
プラグ本体51は、点火プラグ50において当該点火プラグ50が固定される相手部材例えばシリンダヘッド22などに支持つまり固定される部分の概念である。プラグ本体51は、略円柱状である。プラグ本体51は、例えば、プラグハウジング54や図示しない中軸や碍子55などを備えている。中軸は、プラグハウジング54内に収容される。中軸は、プラグハウジング54内に電流を導く。碍子55は、プラグハウジング54内に収容されるとともに、一部がプラグハウジング54の一端から出ている。
プラグ本体51の先端側の周面には、ねじ部56が形成されている。ねじ部56には、雄ねじが形成されている。シリンダヘッド22において点火プラグ50が固定される部位には、ねじ部56と螺合するように、雌ねじ部22dが形成されている。雌ねじ部22dには、雌ねじが形成されている。ねじ部56が雌ねじ部22dに螺合することによって、点火プラグ50は、シリンダヘッド22に固定される。
図2は、燃焼凹部22bにおいて点火プラグ50の周囲を拡大して示す断面図である。図2に示すように、中心電極52は、プラグ本体51内に収容されており、プラグ本体51の軸心線C上に同軸に配置されている。中心電極52は、碍子55によって囲まれている。
接地電極53は、プラグ本体51の先端において中心電極52の周囲に設置されている。接地電極53は、本体部57と延出部58とを有している。
本体部57の基部分57aは、プラグ本体51に固定される。本体部57は、例えばプラグ本体51の軸心線方向Dに沿って中心電極52の先端よりも進んだ位置まで延びている。本体部57は、例えば軸心線方向Dと略平行である。なお、軸心線方向Dは、軸心線Cが延びる方向である。
延出部58は、本体部57の先端57bから軸心線方向Dを横切る方向例えば軸心線方向Dを略垂直に横切る方向Eに沿って、軸心線方向Dに中心電極52と向かい合う位置を越える位置まで延びている。それゆえ、接地電極53は、側面から見ると略L字形状である。中心電極52と延出部58との間の火花ギャップGにおいて軸心線方向Dに火花放電が行われる。
上記されたように、点火プラグ50は、ねじ部56が雌ねじ部22dに螺合することによって、シリンダヘッド22に固定される。それゆえ、点火プラグ50の姿勢は、ねじ部56が雌ねじ部22dに最後まで螺合した状態での姿勢となる。
図3は、燃焼室30を、図1に示されるF3の方向から見た状態を示す斜視図である。図3は、燃焼凹部22bの頂点部分22cの壁面周辺を示している。図4は、インジェクタ40と点火プラグ50との周囲を示す斜視図である。図3,4に示すように、本実施形態では、一例として、インジェクタ40に対する点火プラグ50の姿勢は、接地電極53が中心電極52を挟んでインジェクタ40の噴射口41と略反対側に位置する姿勢となっている。
図2に示すように、ガイド柱60は、燃焼凹部22bの頂点部分22c近傍において、インジェクタ40の先端面42(噴射口41が形成される)を挟んで点火プラグ50と略反対側に設けられている。ガイド柱60は、燃焼凹部22bの壁面に例えば鋳包みされるなどして、燃焼凹部22bに一体に形成されている。
ガイド柱60は、基部61と、延出部62とを有している。基部61は、燃焼凹部22bの壁面に固定されている。延出部62は、ガイド柱60において基部61よりも先の部分である。延出部62は、基部61と一体に形成されている。図3に示すように、延出部62は、インジェクタ40の軸心線方向に例えば噴射口41と重なるように、燃焼室30の内側に向かって延びている。延出部62の先端は、中心電極52に達しない。それゆえ、延出部62は、基部61に対して傾斜している。この結果、図2に示すように、ガイド柱60を側方から見た形状は、折れ曲がった形状になっている。
図2に示すように、延出部62においてインジェクタ40に面する面63は、例えば中心電極52の軸心線方向Dを横切る方向Eに沿って延びている。ガイド柱60は、インジェクタ40によって噴射された燃料の一部F1を火花ギャップGに導く。ガイド柱60は、本発明で言うガイド部の一例である。
つぎに、エンジン20の動作を説明する。図2に示すように、インジェクタ40の噴射口41から噴射された燃料のうち一部F1(ハッチングが記されている部分)は、ガイド柱60の延出部62にぶつかる。
燃料の一部F1は、延出部62にぶつかることによって、延出部62に沿って流れる。ガイド柱60は、燃焼によって高温になっている。それゆえ、延出部62にぶつかった燃料F1は、この際に気化して空気との混合が促進されて混合気Mとなる。また、燃料中の未気化の液滴は、ガイド柱60にぶつかった際にガイド柱60に付着するかもしくは周囲に拡散する。
上記されたように、延出部62の面63は中心電極52に向かって延びているので、混合気Mは、火花ギャップGまで導かれる。燃料の一部F1は、延出部62にぶつかることによって運動エネルギを失うので、混合気Mの火花ギャップG周辺での流速が低下するとともに混合気Mが火花ギャップG周辺に滞留する。
また、燃料の一部F1は、火花ギャップGに到達する前にガイド柱60にぶつかることによって混合気Mとなる。それゆえ、インジェクタ40に対する接地電極53の位置(姿勢)に関わらずに火花ギャップGに混合気Mが導かれるようになる。
つまり、燃料のうち一部が接地電極53にぶつかる場合、火花ギャップGへ到達する混合気の量はインジェクタ40に対する接地電極53の位置(姿勢)によって異なり、また、積極的に混合気を火花ギャップGに案内するものでないが、本実施形態では燃料の一部F1は延出部62にぶつかることによって混合気Mとなり、また積極的に混合気を火花ギャップGに案内するものであるため、インジェクタ40に対する接地電極53の位置に関わらずに、混合気Mが火花ギャップGまで導かれる。
ついで、中心電極52と接地電極53の延出部58との間の火花ギャップGで火花放電が行われることによって、混合気Mが燃焼される。
このように構成されるエンジン20では、燃料の一部F1が接地電極53ではなくガイド柱60にぶつかることによって形成される混合気Mが火花ギャップG周辺に導かれるので、火花ギャップG周辺に滞留する混合気Mの状態は、インジェクタ40に対する接地電極53の位置つまり点火プラグ50の姿勢に関わらずに略同じとなる。
それゆえ、各シリンダ23での安定燃焼領域が略同じとなるので、各シリンダ23に共通して燃料を安定して燃焼できる点火時期・燃料噴射時期の設定自由度を高くすることができる。なお、安定燃焼領域とは、燃料が安定して成層希薄燃焼するための点火時期の範囲である。つまり、インジェクタ40の噴射時期に対する点火プラグ50の点火時期が、安定燃焼領域内であれば、燃料は安定して成層希薄燃焼される。
さらに、混合気Mの運動量は小さくなっており、それゆえ火花ギャップG周辺での混合気Mの流速は小さい。このため、混合気Mの勢いによって、中心電極52と接地電極53との間の火花ギャップGで発生される火花が消されることが抑制される。この結果、混合気の点火に十分なエネルギを供給できるため、点火コイルのエネルギを高く設定する必要がない。
上記のことより、本実施形態のエンジン20は、点火時期の設定の自由度を向上させるとともに、中心電極52と接地電極53との間の火花ギャップGで発生する火花の吹き消えを抑制できる。
また、ガイド柱60が燃焼室30の壁部に設けられるので、混合気Mの滞留範囲および流動範囲は、点火プラグ50の取付誤差に関わらずに略一定となる。つまり、混合気Mが接地電極53にぶつかることに起因して形成されるものではないので、混合気Mの滞留範囲および流動範囲は、点火プラグ50の姿勢に関わらない。この点について具体的に説明する。
燃料F1の一部が接地電極53にぶつかることによって形成される場合では、点火プラグ50の取付誤差によって、中心電極52と接地電極53との位置に誤差が生じるので火花の発生する位置に誤差が生じるとともに、混合気の滞留範囲および流動範囲に誤差が生じことになる。この結果、これら2つの誤差に起因して、混合気Mが燃焼しにくくなることが考えられる。
これに対し、混合気Mがガイド部60にぶつかることによって形成される場合、点火プラグ50の取付誤差に起因して火花が発生する位置に誤差が生じても、混合気Mの流動範囲および滞留範囲に誤差は生じない。それゆえ、点火プラグ50に取付誤差が生じても、この誤差に起因して火花の発生位置に誤差が生じるだけであり、当該火花が混合気Mに点火できる範囲内で発生すれば燃料が安定して燃焼される。つまり、点火プラグ50の取付誤差を比較的許容できる。
また、燃料F1中の液滴はガイド柱60に付着し、もしくはガイド柱60にぶつかることによって周囲に拡散する。それゆえ、混合気Mが濃くなりすぎることが抑制されるので、点火プラグ50がくすぶることが抑制される。
つぎに、本発明の第2の実施形態に係る筒内直接噴射型火花点火式内燃機関を、図5〜10を用いて説明する。なお、第1の実施形態と同様な機能を有する構成は、同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態では、点火プラグ50の構造が第1の実施形態と異なる。他の構造は、第1の実施形態と同様であってよい。上記異なる点について具体的に説明する。
図5は、本実施形態の燃焼室30において、点火プラグ50とインジェクタ40の近傍を拡大して示す断面図である。図5に示すように、本実施形態の点火プラグ50は、沿面型である。
図6は、点火プラグ50の先端部を拡大して示す斜視図である。沿面型の点火プラグ50の構造を具体的に説明する。図6に示すように、点火プラグ50は、プラグ本体51とシュラウド59と、1つの中心電極52と、4つの接地電極53とを備えている。
プラグ本体51および中心電極52の構造は、第1の実施形態と同様であってよいので、説明を省略する。
シュラウド59は、プラグ本体51の先端に設けられている。シュラウド59は、プラグ本体51から外部へ露出する碍子55の周囲を囲う形状である。シュラウド59は、碍子55の先端付近まで延びている。
各接地電極53は、シュラウド59の先端に設けられており、各々例えば等間隔離間してつまり中心電極52回りに略90度ずつ離間して配置されている。各接地電極53は、中心電極52に向かって近づくように湾曲する形状であて、中心電極52の軸心線方向Dを例えば略垂直に横切る方向Eに沿って中心電極52の先端と向かい合う位置まで延びている。接地電極53は、中心電極52とは接触していない。なお、図5中手前にある接地電極53は、2点鎖線で示されており、当該接地電極の奥にある碍子55および中心電極52が示されている。
上記のように構成される点火プラグ50は、各接地電極53が、中心電極52の軸心線方向Dを略垂直に横切る方向Eに中心電極52の先端部と対向しているので、中心電極52と接地電極53との間で発生する火花は、中心電極52の軸心線方向Dを垂直に横切る方向Eに沿って発生する。
点火プラグ50が4つの接地電極53を備える構造であるため、インジェクタ40に対する点火プラグ50の姿勢は、第1の姿勢P1と第2の姿勢P2と第3の姿勢P3とに分けられる。第1,2,3の姿勢P1,P2,P3について具体的に説明する。
図7は、点火プラグ50が第1の姿勢P1にある状態を概略的に示す平面図である。図7は、インジェクタ40と点火プラグ50とを、点火プラグ50の軸心線方向Dに沿って見た状態を概略的に示している。
第1の姿勢P1について説明する。図7に示すように、インジェクタ40の噴射口41と点火プラグ50の中心電極52の軸心線(本実施形態では、軸心線C)とを結ぶ線を第1の仮想線V1とする。4つの接地電極53のうち最もインジェクタ40側にある接地電極53の周方向中心と中心電極の軸心線とを結ぶ線を第2の仮想線V2(図7中では、仮想線V1と重なっている。)とする。第1の姿勢P1は、第1の仮想線V1と第2の仮想線V2とのなす角度αが0度である。
図8は、点火プラグ50が第2の姿勢P2にある状態を概略的に示す平面図である。図8は、インジェクタ40と点火プラグ50とを、点火プラグ50の軸心線方向Dに沿って見た状態を概略的に示している。第2の姿勢P2について説明する。第2の姿勢P2は、第1の仮想線V1と第2の仮想線V2とのなす角度αが45度である。
図9は、点火プラグ50が第3の姿勢P3にある状態を概略的に示す平面図である。図9は、インジェクタ40と点火プラグ50とを、点火プラグ50の軸心線方向Dに沿って見た状態を概略的に示している。第3の姿勢P3について説明する。第3の姿勢P3は、第1の仮想線V1と第2の仮想線V2とのなす角度αが0<α<45である姿勢である。
図10は、第1〜3の姿勢P1〜P3にある点火プラグの安定燃焼領域を示すグラフである。A1は、第1の姿勢P1の安定燃焼領域を示している。A2は、第2の姿勢P2の安定燃焼領域を示している。A3は、A1とA2との間の領域であって、第3の姿勢P3の安定燃焼領域である。
本実施形態では、点火プラグ50に沿面型を用いることによって、第1の実施形態の効果に加えて、第1〜3の姿勢P1〜P3において安定燃焼領域が大きく変化しない。これは、点火プラグ50の下方から侵入する混合気に対し、侵入を抑制する接地電極が存在せず、火花ギャップGに案内されやすいためである。また、接地電極53が4本存在することにより点火プラグ50の姿勢は実質角度αが0<α<45の範囲内に限定され姿勢変化による影響が極めて低くなる。また、飛火方向と噴霧により誘起される気流が直交しないので、放電の吹き消えが生じにくい。さらには電極が複数あることで飛火方向の自由度が高く、気流の向きと一致した安定した放電を実現できる。
それゆえ、点火時期の設定自由度が大きくなる。
つぎに、本発明の第3の実施形態に係る筒内直接噴射型火花点火式内燃機関を、図11を用いて説明する。第1の実施形態と同様な機能を有する構成は、同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態では、ガイド柱60が固定される場所が第1の実施形態と異なる。他の構造は、第1の実施形態と同様であってよい。上記異なる点について具体的に説明する。
図11は、本実施形態の燃焼室30において、点火プラグ50とインジェクタ40の近傍を拡大して示す断面図である。図11に示すように、本実施形態では、ガイド柱60は、燃焼凹部22bの壁部に固定されるのではなく、インジェクタ40の先端面42に固定されている。具体的には、先端面42において、噴射口41を挟んで点火プラグ50と反対側に配置されている。
第1の実施形態でも説明されているとおり、インジェクタ40は、取付孔100に嵌合することによって固定されるので、点火プラグ50に対する姿勢の制御は容易である。それゆえ、ガイド柱60を上記の姿勢に制御することができる。本実施形態では、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。
以上で実施形態の説明を終えるが,本発明の形態はこの実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では燃料をコーン状に噴射しているが,コーン状でなくても良い。
本発明の第1の実施形態に係るエンジンの燃焼室の近傍を示す断面図。 図1に示された燃焼凹部において点火プラグの周囲を拡大して示す断面図。 図1に示されるF3の方向から燃焼室内を見た状態を示す斜視図。 図2に示されるインジェクタと点火プラグとの周囲を示す斜視図。 本発明の第2の実施形態に係るエンジンの燃焼室において、点火プラグとインジェクタの近傍を拡大して示す断面図。 図5に示された点火プラグの先端部を拡大して示す斜視図。 図5に示された点火プラグが第1の姿勢にある状態を概略的に示す平面図。 図5に示された点火プラグが第2の姿勢にある状態を概略的に示す平面図。 図5に示された点火プラグが第3の姿勢にある状態を概略的に示す平面図。 図5に示した点火プラグの、第1〜3の姿勢での安定燃焼領域を示すグラフ。 本発明の第3の実施形態に係るエンジンの燃焼室において、点火プラグとインジェクタとの近傍を拡大して示す断面図。
符号の説明
20…エンジン(筒内直接噴射型火花点火式内燃機関)、30…燃焼室、40…インジェクタ、50…点火プラグ、51…点火プラグ本体、52…中心電極、53…接地電極、60…ガイド柱(ガイド部)、F1…一部、G…火花ギャップ。

Claims (5)

  1. 燃焼室と、
    前記燃焼室に固定されるプラグ本体と、前記プラグ本体に設けられて前記燃焼室内に露出する中心電極と、前記中心電極の周りに設けられて前記燃焼室内に露出し、前記中心電極との間の火花ギャップで火花放電が行われる接地電極とを備える点火プラグと、
    燃料を噴射するインジェクタと、
    前記燃焼室内において前記インジェクタ近傍に配置されるとともに、前記インジェクタから噴射された燃料の少なくとも一部を前記火花ギャップに導くガイド部と
    を備えることを特徴とする筒内直接噴射型火花点火式内燃機関。
  2. 前記ガイド部は、前記インジェクタを挟んで前記点火プラグの反対側から同インジェクタの噴射口に対向する位置に延出していることを特徴とする請求項1に記載の筒内直接噴射型火花点火式内燃機関。
  3. 前記ガイド部は、前記燃焼室の壁部に設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の筒内直接噴射型火花点火式内燃機関。
  4. 前記ガイド部は、前記インジェクタに設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の筒内直接噴射型火花点火式内燃機関。
  5. 前記点火プラグは、前記中心電極と前記接地電極との間で前記中心電極の軸心線を横切る方向に火花放電が行われる沿面型であることを特徴とする請求項1または2に記載の筒内直接噴射型火花点火式内燃機関。
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