JP2008239575A - 炭酸エステル及び磁気記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】潤滑剤として好適に使用可能な炭酸エステルを提供すること。また、前記炭酸エステルを用い、低温環境下での耐久性及び保存安定性に優れた磁気記録媒体を提供すること。
【解決手段】式(1)で表され、融点が0℃以下であることを特徴とする炭酸エステル。R1がβ位にて分岐した構造であることが好ましく、R2が炭素数12以上16以下の直鎖構造であることが好ましい。
Figure 2008239575

(式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立に飽和炭化水素基を表し、R1は分岐鎖、R2は直鎖又は分岐鎖である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、潤滑剤として好適に用いることができる炭酸エステル、及び、前記炭酸エステルを潤滑剤として用いた磁気記録媒体に関する。
磁気記録技術は、媒体の繰り返し使用が可能であること、信号の電子化が容易であり周辺機器との組み合わせによるシステムの構築が可能であること、信号の修正も簡単にできること等の他の記録方式にはない優れた特長を有することから、ビデオ、オーディオ、コンピューター用途等を始めとして様々な分野で幅広く利用されてきた。
近年の記録の大容量化、高記録密度化要求に応える磁気記録媒体は、その高度な電磁変換特性を達成するため極めて平滑な表面を有する。この平滑な表面を記録ヘッドが高速で摺動すると従来の技術では耐久性を確保することが極めて難しくなる。
磁気記録媒体における耐久性の改善のため、例えば、磁気記録媒体に潤滑剤としてカーボネート化合物を使用する磁気記録媒体が提案されている(特許文献1及び2参照)。
また、表面に特定の研磨剤突起密度を有し、酸加水分解速度を規定した磁気記録媒体が提案されている(特許文献3参照)。
特開平7−138586号公報 特開平8−77547号公報 特開2003−323711号公報
特許文献1に記載された潤滑剤は、低温環境下での潤滑効果を発揮することができず、十分な耐久性の改善を図ることができなかった。また、特許文献2及び3に記載された潤滑剤では、酸化壊裂反応が生じ、十分な保存安定性を得ることができなかった。
本発明が解決しようとする課題は、潤滑剤として好適に使用可能な炭酸エステルを提供することである。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、前記炭酸エステルを用い、低温環境下での耐久性及び保存安定性に優れた磁気記録媒体を提供することである。
本発明が解決しようとする課題は、下記<1>、<5>又は<6>に記載の手段によって解決された。好ましい実施態様である<2>〜<4>と共に以下に記載する。
<1> 式(1)で表され、融点が0℃以下であることを特徴とする炭酸エステル、
Figure 2008239575
(式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立に飽和炭化水素基を表し、R1は分岐鎖、R2は直鎖又は分岐鎖である。)
<2> R1がβ位にて分岐した構造である<1>に記載の炭酸エステル、
<3> R1が2−メチルプロピル基、2−メチルブチル基及び2−エチルヘキシル基よりなる群から選択された<1>又は<2>に記載の炭酸エステル、
<4> R2が炭素数12以上16以下の直鎖構造である<1>〜<3>いずれか1つに記載の炭酸エステル、
<5> 非磁性支持体上に、強磁性粉末を結合剤中に分散した少なくとも一層の磁性層を有し、該磁性層が<1>〜<4>いずれか1つに記載の炭酸エステルを含有することを特徴とする磁気記録媒体、
<6> 非磁性層を支持体上に、非磁性粉末を結合剤中に分散した非磁性層を有し、該非磁性層上に強磁性粉末を結合剤中に分散した少なくとも一層の磁性層を設けた磁気記録媒体であって、該非磁性層及び/又は該磁性層が<1>〜<4>いずれか1つに記載の炭酸エステルを含有することを特徴とする磁気記録媒体。
本発明によれば、潤滑剤として好適に使用可能な炭酸エステルを提供することができる。更に、本発明によれば、前記炭酸エステルを用い、低温環境下での耐久性及び保存安定性に優れた磁気記録媒体を提供することができる。
本発明の炭酸エステルは、式(1)で表され、融点が0℃以下であることを特徴とする。
Figure 2008239575
(式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立に飽和炭化水素基を表し、R1は分岐鎖、R2は直鎖又は分岐鎖である。)
本発明の炭酸エステルは、加水分解しにくいカーボネート骨格を有し、また、上記の式(1)で表される炭酸エステルは、分子量の割に粘度が低く、かつ融点が0℃以下である。このような炭酸エステルは、潤滑剤に好適に使用可能であり、低温環境下においても十分な潤滑効果を発揮することができる。特に、本発明の炭酸エステルは、表面性の媒体の潤滑剤に用いた場合であっても、耐加水分解能を有し、融点が低いことから、保存安定性に優れ、低温環境においても十分な界面活性効果を有する。本発明の炭酸エステルは、磁気記録媒体の磁性層に含有される潤滑剤として特に好適に使用可能であり、これにより、低温環境下においても良好な走行耐久性が得られると共に、保存安定性の向上を達成することができる。
式(1)において、R1及びR2の両炭素数の和が12以上50以下であることが好ましく、より好ましくは12以上40以下、更に好ましくは12以上30以下であり、特に好ましくは16以上24以下である。両炭素数の和が12以上であると、揮発性が低く、磁気記録媒体に潤滑剤として用いた場合、走行時における磁性層表面からの飛びが少なく、走行停止を引き起こすことがないので好ましい。また、両炭素数の和が50以下であると、分子のモビリティが高く、磁気記録媒体に潤滑剤として用いた場合、表面に必要量の潤滑剤が滲み出し可能であり、走行停止を引き起こすことがないので好ましい。
式(1)において、R1は分岐鎖を有する飽和炭化水素基を表す。R1及びR2が直鎖の構造を有すると、融点が上昇し、低温環境下での十分な潤滑効果を得ることができない。
1の炭素数は3以上12以下であることが好ましく、より好ましくは4以上10以下である。また、R1はβ位にて分岐した構造であることが好ましく、2−メチルプロピル基、2−メチルブチル基及び2−エチルヘキシル基よりなる群から選択された直鎖の構造を有することを有することが更に好ましい。
β位で分岐した構造であると、低い融点を有する炭酸エステルを得ることができるので好ましい。
式(1)において、R2は分岐鎖又は直鎖を有する飽和炭化水素基を表す。R2は直鎖であることが好ましい。
直鎖の構造を有する飽和炭化水素基としては、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基が、オクタデシル基が例示できる。
これらの中でもR2は炭素数が8以上20以下であることが好ましく、R2は炭素数が10以上18以下であることがより好ましく、12以上16以下であることが更に好ましい。また、原料の入手の観点から、R2は炭素数が12、14及び16であることがより好ましい。
2の炭素数が8以上であると、分子配向の点から高い潤滑効果を有するので好ましい。また、R2の炭素数が12以上であると、揮発性が低く、磁気記録媒体に使用した場合に安定した潤滑性を示すので好ましい。また、R2の炭素数が16以下であると、0℃以下の融点を得ることができるので好ましい。
本発明の式(1)で表される炭酸エステル(カーボネート)化合物の合成方法としては、特に制限はなく公知の炭酸エステル合成法を用いることができ、クロロギ酸エステルとアルコールとを反応させる方法や、低級炭化水素基を有する炭酸エステルとアルコールとを反応させる方法、ジアリール炭酸エステルとアルコールとを反応させる方法、金属触媒を用い一酸化炭素とアルコールとを反応させる方法、ホスゲン又はトリホスゲン等のホスゲン等価体とアルコールとを反応させる方法等が例示できる。これらの中でも、異なる2つの飽和炭化水素基を容易に導入することができ、かつ、単一種の炭酸エステルを合成できる点から、クロロギ酸エステルと前記飽和炭化水素基を有するアルコールとを反応させることにより行う方法が好ましい。なお、前記低級炭化水素基とは、反応に用いるアルコールの飽和炭化水素基よりも炭素数が少ない炭化水素基であることを示す。
かかる合成反応の出発原料であるクロロギ酸エステルの具体例としては、クロロギ酸メチル、クロロギ酸エチル、クロロギ酸ブチル、クロロギ酸sec−ブチル、クロロギ酸イソブチル、クロロギ酸プロピル、クロロギ酸イソプロピル、クロロギ酸2−エチルヘキシル、クロロギ酸2−メチルプロピル、クロロギ酸2−メチルブチル等が好適である。
合成反応における合成温度は、反応が進行する温度であれば特に制限はないが、0℃以上60℃以下(以下、「0℃以上60℃以下」を「0℃〜60℃」又は「0〜60℃」とも記載することとする。以下、同様。)の範囲で行うことが好ましく、より好ましくは0〜40℃、更に好ましくは0〜25℃である。圧力は減圧条件でも常圧条件でもよいが、コストの面を考慮すると常圧条件が好ましい。
合成反応には触媒を用いていてもよいが、触媒を用いる場合は、反応原料であるクロロギ酸エステル化合物や低級炭化水素基やアリール基を有する炭酸エステル、ホスゲン類等のカーボネート反応基質に対して0.001%〜1.0%の当量で用いることが好ましい。
かかる触媒の例としては、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、N−メチルモルホリン、ベンゾトリアゾール等の有機塩基、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸塩、及び炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等炭酸水素塩が挙げられるが、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、N−メチルイミダゾール、ベンゾトリアゾール等の中性時N−H結合の無い有機塩基もしくは水酸化リチウムが好ましく、これらの中でもピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジンのピリジン類及びその誘導体がより好ましい。
本発明の式(1)で表されるカーボネート化合物を反応液より取り出す方法としては、抽出、蒸留、結晶化等の分離方法が挙げられる。工業的生産性の観点から、取り逃がしの少ない抽出を用いる方法が好ましい。以下に抽出に使用する溶媒について述べる。
本発明の炭酸エステルは、飽和炭化水素溶媒への溶解性が高いことから、飽和炭化水素溶媒と相分離する溶媒(抽出溶媒)として、飽和炭化水素溶媒と無限に相溶しない有機溶媒を含む溶媒を用いることが好ましい。抽出方法としては前記抽出溶媒と、飽和炭化水素溶媒を用いて、液液抽出することが好ましい。また、抽出に使用する溶媒は不純物を溶解する必要があり、反応で用いた塩基等を除去するためには水と無限大に相溶しうる溶媒が好ましい。
本発明に用いることができる飽和炭化水素溶媒としては、本発明の炭酸エステルを溶解するものであれば、特に制限はないが、溶媒の取り扱いや分離操作の容易性から、沸点が35〜85℃の飽和炭化水素溶媒であることが好ましく、ヘプタン、ヘキサン、又は、これらの混合溶媒であることがより好ましく、ヘキサンであることが更に好ましい。また、飽和炭化水素溶媒は、1種単独で用いてもよく、2種以上を任意の割合で混合して用いてもよい。
また、本発明の炭酸エステルの原料のアルコールは、水に対する溶解度が極めて低いため、未反応成分として系内に残存する該アルコールを不純物として取り除く必要がある場合もある。このため、具体的な抽出溶媒としてはメタノール、エタノール、プロパノール、アセトニトリル、エチレングリコール及び/又はプロピレングリコールを含む溶媒が好ましく、メタノール及び/又はアセトニトリルが好ましい。
上記の溶媒を単独で用いる以外でも、飽和炭化水素溶媒の反応系から、副生成物、残存する不純物を除去することができる混合溶媒を使用することができる。具体的には、メタノールと水の混合溶媒、アセトニトリルと水の混合溶媒、プロピレングリコールと水の混合溶媒、又は、メタノールとエチレングリコールの混合溶媒が好ましい。
(磁気記録媒体)
本発明の炭酸エステルは、磁気記録媒体の潤滑剤として好適に使用される。
本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上に、強磁性粉末を結合剤中に分散した少なくとも一層の磁性層を有し、該磁性層が本発明の炭酸エステルを含有することを特徴とする。
また、他の本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体と磁性層の間に、非磁性粉末を結合剤中に分散した非磁性層を有することが好ましく、該磁性層及び/又は非磁性層が本発明の炭酸エステルを含有することを特徴とする。
本発明において、磁気記録媒体は非磁性層を有することが好ましく、磁性層及び非磁性層が本発明の炭酸エステルを含有することが好ましい。
非磁性支持体上に形成された磁性層は、本発明の炭酸エステルを0.1重量%以上5.0重量%以下含有することが好ましく、0.5重量%以上5重量%以下含有することがより好ましく、1重量%以上3重量%以下含有することが更に好ましい。
また、非磁性層は、本発明の炭酸エステルを0.1重量%以上5重量%以下含有することが好ましく、0.5重量%以上5重量%以下含有することがより好ましく、1重量%以上3重量%以下含有することが更に好ましい。
磁性層及び/又は非磁性層における本発明の炭酸エステルの含有量が上記範囲内であると、潤滑効果が高く、低温環境下での耐久性及び保存安定性に優れた磁気記録媒体を得ることができるので好ましい。
従来から磁性層表面に存在する潤滑剤の作用として、表面の潤滑剤量はヘッドとテープの摺動特性と密接な関係にあることが判っている。磁性層表面に潤滑剤が安定に存在することで、ヘッドとテープの摺動抵抗を小さくでき、走行耐久性を向上できる。近年の磁気記録媒体の高容量化の要求に伴って、磁性層は薄層化する必要があり、薄層化にともない磁性層に含浸できる潤滑剤の量は少なくなってしまう。このため、記録/再生ヘッドによる摺動で潤滑剤が次第に除去されてしまうと、潤滑剤が不足するために削れ、停止等を発生してしまうことがあった。また、磁気特性の向上のため磁性層表面はますます平滑化が必要であり、このため従来の潤滑剤では十分な走行性、繰り返し走行性、耐久性に効果を発揮し得なくなってきている。従来、潤滑剤が少ない場合にはその潤滑効果を高めるため潤滑剤の量を多くすることが行われているが、潤滑剤の量を多くすると、磁性塗膜の機械的強度は弱くなり、磁性層が削れ、削れ粉が走行経路を汚したり、あるいは十分な繰返し走行耐久性が得られなかったりした。
また、従来から、潤滑剤としてステアリン酸ブチルの如き脂肪酸エステルとミリスチン酸の如き脂肪酸を混合して用いることが知られている。しかしながら、脂肪酸エステル及び脂肪酸を用いると高湿状態で走行させたとき、摩擦が大きくなり磁気テープの走行テンションが大きくなるという問題が生じた。
脂肪酸は単独で使用した場合は、滑性を得るためには、多量に用いる必要があり、この場合には磁性層が軟らかくなり、機械的強度が低下し、テープ/ヘッド間の相対速度に相当する高速摺動耐久性が劣化する欠点があった。また、脂肪酸と脂肪酸エステル化合物との併用は、高速摺動耐久性が良好となり、かつテンションも比較的小さくなるが、しかし85%RH(相対湿度)というような高湿条件においては走行テンションが大きくなる欠点を有していた。
本発明者らは、本発明の製造方法により製造された前記式(1)で表される飽和アルキル基を有した炭酸エステル(カーボネート)を潤滑剤として使用することで良好な走行耐久性を確保できることを見出した。本発明の飽和アルキル炭酸エステルは分子量の割に粘度が低いため流体潤滑性が高く、且つ脂肪酸エステルで無くカーボネートであるから耐加水分解性に優れ、保存安定性が高い。
特開平7−138586号公報では、潤滑剤にカーボネートを用いた磁気記録媒体が開示されているが、融点が高いため、特に低温環境下での潤滑効果が十分ではなかった。本発明の炭酸エステルは、融点が0℃以下であるため、低温環境下においても、優れた潤滑効果を発揮することができる。
また、特開平8−77547号公報では不飽和アルキル炭酸エステルを使用した磁気記録媒体を開示しているが、この炭酸エステルは不飽和基を持つため酸化を受け、十分な保存安定性を確保することが困難である。不飽和結合を含まない本発明の飽和アルキル炭酸エステルは酸化を受けず、良好な保存安定性を発揮することができる。
また、特開2003−323711号公報には、脂肪酸エステルを使用した磁気記録媒体が記載されているが、脂肪酸エステルは加水分解を受け、保存安定性を確保することが困難である。本発明の炭酸エステルは耐加水分解性が高く、良好な保存安定性を得ることができる。
I.磁性層
本発明の磁気記録媒体における磁性層は、本発明の炭酸エステルを含有し、強磁性粉末を結合剤中に分散した層であり、磁気記録及びその再生に寄与する層である。
<強磁性粉末>
本発明の磁気記録媒体に使用される強磁性粉末は、コバルト含有強磁性酸化鉄又は強磁性合金粉末でSBET比表面積が、好ましくは40〜80m2/g、より好ましくは50〜70m2/gである。結晶子サイズは、好ましくは12〜25nm、より好ましくは13〜22nmであり、特に好ましくは14〜20nmである。長軸長は、好ましくは0.05〜0.25μmであり、より好ましくは0.07〜0.2μmであり、特に好ましくは0.08〜0.15μmである。
強磁性粉末としては、イットリウムを含むFe、Fe−Co、Fe−Ni、Co−Ni−Feが挙げられ、強磁性粉末中のイットリウム含有量は、鉄原子に対してイットリウム原子の比、Y/Feが0.5原子%〜20原子%であることが好ましく、更に好ましくは5原子%〜10原子%である。上記範囲であると、強磁性粉末の高σS化でき、また、鉄の含有量が適度であるため、磁気特性が良好であり、電磁変換特性に優れる。更に、鉄100原子%に対して20原子%以下の範囲内で、アルミニウム、ケイ素、硫黄、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、銅、亜鉛、モリブデン、ロジウム、パラジウム、錫、アンチモン、ホウ素、バリウム、タンタル、タングステン、レニウム、金、鉛、リン、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、テルル、ビスマス等を含むことができる。また、強磁性金属粉末が少量の水、水酸化物又は酸化物を含むものなどであってもよい。
本発明の磁気記録媒体において、コバルト、イットリウムを導入した強磁性粉末の製造方法の一例を示す。第一鉄塩とアルカリを混合した水性懸濁液に、酸化性気体を吹き込むことによって得られるオキシ水酸化鉄を出発原料とする例を挙げることができる。このオキシ水酸化鉄の種類としては、α−FeOOHが好ましく、その製法としては、第一鉄塩を水酸化アルカリで中和してFe(OH)2の水性懸濁液とし、この懸濁液に酸化性ガスを吹き込んで針状のα−FeOOHとする第一の製法がある。一方、第一鉄塩を炭酸アルカリで中和してFeCO3の水性懸濁液とし、この懸濁液に酸化性気体を吹き込んで紡錘状のα−FeOOHとする第この製法がある。このようなオキシ水酸化鉄は第一鉄塩水溶液とアルカリ水溶液とを反応させて水酸化第一鉄を含有する水溶液を得て、これを空気酸化等により酸化して得られたものであることが好ましい。この際、第一鉄塩水溶液にNi塩や、Ca塩、Ba塩、Sr塩等のアルカリ土類元素の塩、Cr塩、Zn塩などを共存させてもよく、このような塩を適宣選択して用いることによって粒子形状(軸比)などを調製することができる。
第一鉄塩としては、塩化第一鉄、硫酸第一鉄等が好ましい。またアルカリとしては水酸化ナトリウム、アンモニア水、炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム等が好ましい。また、共存させることができる塩としては、塩化ニッケル、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化ストロンチウム、塩化クロム、塩化亜鉛等の塩化物が好ましい。次いで、鉄にコバルトを導入する場合は、イットリウムを導入する前に、硫酸コバルト、塩化コバルト等のコバルト化合物の水溶液を前記のオキシ水酸化鉄のスラリーに撹拌混合し、コバルトを含有するオキシ水酸化鉄のスラリーを調製した後、このスラリーにイットリウムの化合物を含有する水溶液を添加し、撹拌混合することによって導入することができる。
本発明の強磁性粉末には、イットリウム以外にもネオジム、サマリウム、プラセオジウム、ランタン、ガドリニウム等を導入することができる。これらは、塩化イットリウム、塩化ネオジム、塩化サマリウム、塩化プラセオジウム、塩化ランタン等の塩化物、硝酸ネオジム、硝酸ガドリニウム等の硝酸塩などを用いて導入することができ、これらは、二種以上を併用してもよい。強磁性粉末の形状に特に制限はないが、通常は針状、粒状、サイコロ状、米粒状及び板状のものなどが使用される。とくに針状の強磁性粉末を使用することが好ましい。
本発明の磁性層に使用する強磁性粉末としては六方晶フェライト粉末も使用できる。
六方晶フェライトとしてバリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、鉛フェライト、カルシウムフェライトの各置換体、Co置換体等がある。具体的にはマグネトプランバイト型のバリウムフェライト及びストロンチウムフェライト、スピネルで粒子表面を被覆したマグネトプランバイト型フェライト、更に一部スピネル相を含有したマグネトプランバイト型のバリウムフェライト及びストロンチウムフェライト等が挙げられ、その他所定の原子以外にAl、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、B、Ge、Nb、Zrなどの原子を含んでもかまわない。例えば、Co−Ti、Co−Ti−Zr、Co−Ti−Zn、Ni−Ti−Zn,Nb−Zn−Co、Sb−Zn−Co、Nb−Zn等の元素を添加したものを好ましく使用することができる。原料・製法によっては特有の不純物を含有するものもある。
粒子サイズは六角板径で好ましくは10nm〜200nm、より好ましくは20nm〜100nmである。また、磁気抵抗ヘッドで再生する場合は、低ノイズにする必要があり、板径は40nm以下が好ましい。上記範囲であると、熱揺らぎが生じにくく安定な磁化が得られ、また、ノイズを低く抑えることができる。
板状比(板径/板厚)は1〜15が好ましく、より好ましくは2〜7である。板状比が上記範囲であると、十分な配向性が得られ、また、粒子間のスタッキングが少なくノイズを低く抑えることができる。この粒子サイズ範囲のBET法による比表面積(SBET)は10m2/g〜200m2/gを示す。比表面積は概ね粒子板径と板厚からの算術計算値と符号する。
結晶子サイズは、好ましくは50Å〜450Å(5nm〜45nm)、より好ましくは100Å〜350Å(10nm〜35nm)である。粒子板径・板厚の分布は通常狭いほど好ましい。数値化は困難であるが粒子TEM写真より500粒子を無作為に測定する事で比較できる。分布は正規分布ではない場合が多いが、計算して平均サイズに対する標準偏差で表すとσ/平均サイズ=0.1〜2.0である。粒子サイズ分布をシャープにするには粒子生成反応系をできるだけ均一にすると共に、生成した粒子に分布改良処理を施すことも行われている。たとえば酸溶液中で超微細粒子を選別的に溶解する方法等も知られている。
磁性体で測定される抗磁力Hcは500 Oe〜5,000 Oe(39.8kA/m〜398kA/m)程度まで作成できる。Hcは高い方が高密度記録に有利であるが、記録ヘッドの能力で制限される。抗磁力Hcは、800 Oe〜4,000 Oe(63.7kA/m〜318.4kA/m)であることが好ましく、より好ましくは1,500 Oe〜3,500 Oe(119.4kA/m〜278.6kA/m)である。ヘッドの飽和磁化が1.4テスラーを越える場合は、2,000 Oe以上にすることが好ましい。Hcは粒子サイズ(板径・板厚)、含有元素の種類と量、元素の置換サイト、粒子生成反応条件等により制御できる。
飽和磁化σsは40emu/g〜80emu/g(40A・m2/kg〜80A・m2/kg)である。σsは高い方が好ましいが微粒子になるほど小さくなる傾向がある。σs改良のためマグネトプランバイトフェライトにスピネルフェライトを複合すること、含有元素の種類と添加量の選択等がよく知られている。またW型六方晶フェライトを用いることも可能である。
磁性体を分散する際に磁性体粒子表面を分散媒、ポリマー(結合剤)に合った物質で処理することも行われている。表面処理剤は無機化合物、有機化合物が使用される。主な化合物としてはSi、Al、P等の酸化物又は水酸化物、各種シランカップリング剤、各種チタンカップリング剤が代表例である。量は磁性体に対して好ましくは0.1%〜10%である。
磁性体のpHも分散に重要である。通常4〜12程度で分散媒、ポリマーにより最適値があるが、媒体の化学的安定性、保存性から6〜10程度が好ましく選択される。磁性体に含まれる水分も分散に影響する。分散媒、ポリマー(結合剤)により最適値があるが、好ましくは0.01%〜2.0%である。
六方晶フェライトの製法としては、(1)酸化バリウム・酸化鉄・鉄を置換する金属酸化物とガラス形成物質として酸化ホウ素等を所望のフェライト組成になるように混合した後溶融し、急冷して非晶質体とし、次いで再加熱処理した後、洗浄・粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得るガラス結晶化法、(2)バリウムフェライト組成金属塩溶液をアルカリで中和し、副生成物を除去した後100℃以上で液相加熱した後洗浄・乾燥・粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得る水熱反応法、(3)バリウムフェライト組成金属塩溶液をアルカリで中和し、副生成物を除去した後乾燥し1,100℃以下で処理し、粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得る共沈法等があるが、本発明は製法を選ばない。
また、本発明の磁気記録媒体における磁性層に使用することができる強磁性粉末としては、窒化鉄粒子も使用することができる。
本発明に用いることができる窒化鉄粒子は、Fe及びNを少なくとも構成元素とした球状又は回転楕円状の窒化鉄系磁性体であることが好ましい。ここで、「球状」とは粒子径の最大長/最小長の比が1以上2未満である粒子を意味し、「回転楕円体」とは粒子径の最大長/最小長の比が2以上4未満である粒子を意味する。
球状又は楕円状磁性体としては、Fe162を主相とする窒化鉄系の強磁性粉末が好ましい。Fe、N原子以外にAl、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、B、Ge、Nbなどの原子を含んでもかまわない。Feに対するNの含有量は1.0原子%〜20.0原子%が好ましい。
窒化鉄粒子は球状又は楕円状が好ましく、長軸径/短軸径の軸比は1〜2が好ましい。BET比表面積(SBET)が30m2/g〜100m2/gであることが好ましく、より好ましくは50m2/g〜70m2/gである。結晶子サイズは12nm〜25nmであることが好ましく、より好ましくは13nm〜22nmである。
飽和磁化σsは50A・m2/kg(50emu/g)〜200A・m2/kg(200emu/g)が好ましい。更に好ましくは70A・m2/kg(70emu/g)〜150A・m2/kg(150emu/g)である。
<結合剤(バインダー)>
本発明において、磁性層に用いることができる結合剤としては、従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物が使用される。
熱可塑性樹脂としては、ガラス転移温度が好ましくは−100℃〜150℃、数平均分子量が好ましくは1,000〜200,000、より好ましくは10,000〜100,000、重合度が好ましくは50〜1,000である。
このような例としては、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、アクルリ酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、スチレン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチラール、ビニルアセタール、ビニルエーテル、等を構成単位として含む重合体又は共重合体、ポリウレタン樹脂、各種ゴム系樹脂が挙げられる。
また、熱硬化性樹脂又は反応型樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂とイソシアネートプレポリマーの混合物、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートの混合物、ポリウレタンとポリイソシアネートの混合物等が挙げられる。
これらの樹脂については朝倉書店発行の「プラスチックハンドブック」に詳細に記載されている。また、公知の電子線硬化型樹脂を非磁性層(下層)、又は、磁性層(上層)に使用することも可能である。これらの例とその製造方法については特開昭62−256219号公報に詳細に記載されている。以上の樹脂は単独又は組み合わせて使用できるが、好ましいものとして塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、及び、ニトロセルロースよりなる群から選ばれる少なくとも1種とポリウレタン樹脂の組み合わせ、又はこれらにポリイソシアネートを組み合わせたものが挙げられる。
前記結合剤の具体的な例としては、ユニオンカーバイト社製VAGH、VYHH、VMCH、VAGF、VAGD、VROH、VYES、VYNC、VMCC、XYHL、XYSG、PKHH、PKHJ、PKHC、PKFE、日信化学工業社製MPR−TA、MPR−TA5、MPR−TAL、MPR−TSN、MPR−TMF、MPR−TS、MPR−TM、電気化学社製1000W、DX80、DX81、DX82、DX83、日本ゼオン社製MR110、MR100、400X110A、日本ポリウレタン社製ニッポランN2301、N2302、N2304、大日本インキ社製パンデックスT−5105、T−R3080、T−5201、バーノックD−400、D−210−80、クリスボン6109、7209、東洋紡社製UバイロンR8200、UR8300、RV530、RV280、大日精化社製ダイフェラミン4020、5020、5100、5300、9020、9022、7020、三菱化成社製MX5004、三洋化成社製サンプレンSP−150、旭化成社製サランF310、F210などが挙げられる。
磁性層に用いることができる結合剤としては、上記の中でも、塩化ビニル系バインダー、又は、ポリウレタン系バインダーが好ましく、特に好ましくは極性基を含有し骨格に芳香環を3.5mmol/g〜7mmol/g含むポリウレタンである。
前記ポリウレタン系バインダーとしては、ポリエステルウレタン、ポリエーテルウレタン、ポリカーボネートウレタン、ポリエーテルエステルウレタン、アクリル系ポリウレタン等を好適に用いることができる。前記のポリウレタン系バインダーは上記潤滑剤との親和性が高く表面潤滑剤量を最適な範囲に制御することができるため好ましい。
結合剤が有していてもよい極性基は、スルホン酸塩、スルファミン酸塩、スルホベタイン、リン酸塩、ホスホン酸塩などが好ましい。極性基の量は1×10-5eq/g〜2×10-4eq/gが好ましい。
磁性層のバインダー量は、硬化剤を含めて強磁性粉末100重量部に対し10重量部〜25重量部であることが好ましく、後述する非磁性層のバインダー量は、非磁性粉末100重量部に対し25重量部〜40重量部であることが好ましく、また、磁性層及び非磁性層のバインダー量は非磁性層の方にバインダー量を多くすることが好ましい。
非磁性層にも、磁性層と同様の結合剤を使用することができるが、特に非磁性層用の結合剤としては、SO3Naのような強い極性基と芳香環を多く含有する骨格を有することが好ましい。これにより潤滑剤と非磁性層の結合剤との親和性がより高まり、潤滑剤が非磁性層に多く且つ安定的に存在することができるので好ましい。
潤滑剤と結合剤との親和性が適度であると、結合剤と潤滑剤とが完全に分子レベルで相溶せず、潤滑剤は上層(磁性層)に移行することができるため好ましい。
<研磨剤>
本発明の磁気記録媒体における磁性層は、研磨剤を含有することが好ましい。
研磨剤としては無機質非磁性粉末が使用できる。無機質非磁性粉末としては、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物等の無機質化合物から選択することができる。無機質化合物としては例えば、α化率90%〜100%のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、窒化珪素、チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化珪素、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、硫酸バリウム、二硫化モリブデンなどを単独又は組み合わせて使用することができる。特に好ましいのは、α−アルミナ、べんがら、酸化クロムである。
本発明に用いることができる研磨剤は、磁性層表面に存在している研磨剤の突出高さ分布であるH15/H10が、上記範囲になるように、種類、量、粒径、組み合わせ、形状等を種々変えて使用する。
研磨剤を1種のみ使用する場合、本発明で使用する研磨剤の平均粒径は、0.05μm〜0.4μmのものが好ましく、0.1μm〜0.3μmのものがより好ましい。また、平均粒径より0.1μm以上大きい粒径の粒子が1%以上40%以下存在していることが好ましく、5%以上30%以下であることがより好ましく、10%以上20%以下であることが最も好ましい。この研磨剤単体での粒子サイズは、実際の磁性層表面に存在している研磨剤粒子の粒子サイズに影響は与えるが等しくはない。磁性層表面に存在する研磨剤粒子の粒子サイズは研磨剤の分散条件等よっても変化するし、塗布乾燥工程でも磁性層表面に出やすい粒子と出にくい粒子がある。
平均粒径の異なる2種以上の研磨剤を組み合わせて使用することもできる。この場合は使用する2種以上の研磨剤の実際の使用比率に応じた加重平均値において、平均粒径と平均粒径より0.1μm以上大きい粒径の粒子が上記の範囲になるようにすることができる。
また、2種の研磨剤それぞれの分散条件を変えて、粒子サイズを制御することもできる。例えば研磨剤Aをあらかじめ結合剤と溶剤とともに分散しておき、これと、粉体のままの研磨剤Bを、別途結合剤と溶剤とともに混練処理した強磁性金属粉末の混練処理液に添加して、分散処理を行えば、研磨剤Aと研磨剤Bで分散処理条件を違えることができる。すなわち、Bに比べてAは強く分散される。研磨剤粉末のタップ密度は、好ましくは0.05g/ml〜2g/ml、より好ましくは0.2g/ml〜1.5g/mlである。
研磨剤粉末の含水率は、好ましくは0.05重量%〜5重量%、より好ましくは0.2重量%〜3重量%である。研磨剤の比表面積は、好ましくは1m2/g〜100m2/g、より好ましくは5m2/g〜50m2/gである。DBPを用いた吸油量は、好ましくは5ml/100g〜100ml/100g、より好ましくは10ml/100g〜80ml/100gである。比重は、好ましくは1〜12、より好ましくは3〜6である。形状は針状、球状、多面体状、板状のいずれでもよい。これらの研磨剤の表面は、当該研磨剤の主成分とは異なる化合物で、その少なくとも一部が被覆されていてもよい。この例として、Al23、SiO2、TiO2、ZrO2、SnO2、Sb23、ZnOを挙げることができる。特にAl23、SiO2、TiO2、ZrO2を用いると分散性が良好になる。これらは組み合わせて使用してもよいし、単独で用いてもよい。
磁性層に用いることができる研磨剤の粉末の具体例としては、昭和電工(株)製のナノタイト;住友化学工業(株)製のHit100、Hit82、Hit80、Hit70、Hit60A、Hit55、AKP20、AKP30、AKP50、ZA−G1;レイノルズ製のERC−DBM、HP−DBM、HPF−DBM、HPFX−DBM、HPS−DBM、HPSX−DBM;不二見研摩材製のWA8000、WA10000;上村工業(株)製のUB20、UB40B、メカノックスU4;昭和軽金属(株)製のUA2055、UA5155、UA5305;日本化学工業(株)製のG−5、クロメックスM、クロメックスS1、クロメックスU2、クロメックスU1、クロメックスX10、クロメックスKX10;日本電工(株)製のND803、ND802、ND801;東ソー(株)製のF−1、F−2、UF−500;戸田工業(株)製のDPN−250、DPN−250BX、DPN−245、DPN−270BXTF−100、TF−120、TF−140、DPN−550BX、TF−180;昭和鉱業(株)製のA−3、B−3;セントラル硝子(株)製のベータSiC、UF;イビデン(株)製のベータランダムスタンダード、ベータランダムウルトラファイン;帝国化工製のJR401、MT500B;石原産業(株)製のTY−50、TTO−51B、TTO−55A、TTO−55B、TTO−55C、TTO−55S、TTO−55D、SN−100、E270、E271;チタン工業(株)製のSTT−4D、STT−30D、STT−30、STT−65C;テイカ(株)製のMT−100S、MT−100T、MT−150W、MT−500B、MT−600B、MT−100F、MT−500HD;堺化学工業(株)製のFINEX−25、BF−1、BF−10、BF−20、ST−M;北開化学製のHZn、HZr3M、同和鉱業(株)製のDEFIC−Y、DEFIC−R、日本アエロジル(株)製のAS2BM、TiO2P25;宇部興産(株)製の100A、500A;チタン工業(株)製のY−LOP、及び、これらを焼成したものが挙げられる。
<添加剤>
本発明の磁気記録媒体における磁性層には、必要に応じて添加剤を加えることができる。添加剤としては、分散剤・分散助剤、防黴剤、帯電防止剤、酸化防止剤、溶剤、カーボンブラック、などを挙げることができる。また、添加剤として、前記炭酸エステル以外の潤滑剤を併用してもよい。
これら添加剤としては、例えば、二硫化タングステン、グラファイト、フッ化黒鉛、シリコーンオイル、極性基を持つシリコーン、脂肪酸変性シリコーン、フッ素含有シリコーン、フッ素含有アルコール、フッ素含有エステル、ポリオレフィン、ポリグリコール、ポリフェニルエーテル、フェニルホスホン酸、ベンジルホスホン酸基、フェネチルホスホン酸、α−メチルベンジルホスホン酸、1−メチル−1−フェネチルホスホン酸、ジフェニルメチルホスホン酸、ビフェニルホスホン酸、ベンジルフェニルホスホン酸、α−クミルホスホン酸、トルイルホスホン酸、キシリルホスホン酸、エチルフェニルホスホン酸、クメニルホスホン酸、プロピルフェニルホスホン酸、ブチルフェニルホスホン酸、ヘプチルフェニルホスホン酸、オクチルフェニルホスホン酸、ノニルフェニルホスホン酸等の芳香族環含有有機ホスホン酸及びそのアルカリ金属塩、オクチルホスホン酸、2−エチルヘキシルホスホン酸、イソオクチルホスホン酸、イソノニルホスホン酸、イソデシルホスホン酸、イソウンデシルホスホン酸、イソドデシルホスホン酸、イソヘキサデシルホスホン酸、イソオクタデシルホスホン酸、イソエイコシルホスホン酸等のアルキルホスホン酸及びそのアルカリ金属塩、リン酸フェニル、リン酸ベンジル、リン酸フェネチル、リン酸α−メチルベンジル、リン酸1−メチル−1−フェネチル、リン酸ジフェニルメチル、リン酸ビフェニル、リン酸ベンジルフェニル、リン酸α−クミル、リン酸トルイル、リン酸キシリル、リン酸エチルフェニル、リン酸クメニル、リン酸プロピルフェニル、リン酸ブチルフェニル、リン酸ヘプチルフェニル、リン酸オクチルフェニル、リン酸ノニルフェニル等の芳香族リン酸エステル及びそのアルカリ金属塩、リン酸オクチル、リン酸2−エチルヘキシル、リン酸イソオクチル、リン酸イソノニル、リン酸イソデシル、リン酸イソウンデシル、リン酸イソドデシル、リン酸イソヘキサデシル、リン酸イソオクタデシル、リン酸イソエイコシル等のリン酸アルキルエステル及びそのアルカリ金属塩、アルキルスルホン酸エステル及びそのアルカリ金属塩、フッ素含有アルキル硫酸エステル及びそのアルカリ金属塩、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ステアリン酸ブチル、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、エルカ酸等の炭素数10以上24以下の不飽和結合を含んでも分岐していてもよい一塩基性脂肪酸及びこれらの金属塩、又は、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸アミル、ステアリン酸イソオクチル、ミリスチン酸オクチル、ラウリル酸ブチル、ステアリン酸ブトキシエチル、アンヒドロソルビタンモノステアレート、アンヒドロソルビタンジステアレート、アンヒドロソルビタントリステアレート等の炭素数10以上24以下の不飽和結合を含んでも分岐していてもよい一塩基性脂肪酸と炭素数2以上22以下の不飽和結合を含んでも分岐していてもよい1価以上6価以下のアルコール、炭素数12以上22以下の不飽和結合を含んでも分岐していてもよいアルコキシアルコール又はアルキレンオキサイド重合物のモノアルキルエーテルのいずれか1つとからなるモノ脂肪酸エステル、ジ脂肪酸エステル又は多価脂肪酸エステル、炭素数2以上22以下の脂肪酸アミド、炭素数8以上22以下の脂肪族アミンなどが使用できる。また、上記炭化水素基以外にもニトロ基及びF、Cl、Br、CF3、CCl3、CBr3等の含ハロゲン炭化水素等炭化水素基以外の基が置換したアルキル基、アリール基、アラルキル基を持つものでもよい。
また、アルキレンオキサイド系、グリセリン系、グリシドール系、アルキルフエノールエチレンオキサイド付加体等のノニオン界面活性剤、環状アミン、エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ヒダントイン誘導体、複素環類、ホスホニウム又はスルホニウム類等のカチオン系界面活性剤、カルボン酸、スルホン酸、硫酸エステル基等の酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸又はリン酸エステル類、アルキルベタイン型等の両性界面活性剤等も使用できる。これらの界面活性剤については、「界面活性剤便覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に記載されている。
上記分散剤、併用してもよい潤滑剤等の添加剤は必ずしも純粋ではなく主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物等の不純分が含まれても構わない。これらの不純分は30重量%以下が好ましく、更に好ましくは10重量%以下である。
これらの添加物の具体例としては、例えば、日本油脂社製:NAA−102、ヒマシ油硬化脂肪酸、NAA−42、カチオンSA、ナイミーンL−201、ノニオンE−208、アノンBF、アノンLG、竹本油脂社製:FAL−205、FAL−123、新日本理化社製:エヌジェルブOL、信越化学社製:TA−3、ライオンアーマー社製:アーマイドP、ライオン社製:デュオミンTDO、日清製油社製:BA−41G、三洋化成社製:プロファン2012E、ニューポールPE61、イオネットMS−400等が挙げられる。
本発明の磁気記録媒体における磁性層で用いられる有機溶剤は、公知のものが使用できる。有機溶剤は、任意の比率でアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルシクロヘキサノールなどのアルコール類、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸グリコール等のエステル類、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサンなどのグリコールエーテル系、ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾールなどの芳香族炭化水素類、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロロヒドリン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン、テトラヒドロフラン、等を使用することができる。
これら有機溶媒は必ずしも100%純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物、水分等の不純分が含まれてもかまわない。これらの不純分は30%以下が好ましく、更に好ましくは10%以下である。本発明で用いる有機溶媒は磁性層と非磁性層でその種類は同じであることが好ましい。その添加量は変えてもかまわない。非磁性層に表面張力の高い溶媒(シクロヘキサノン、ジオキサンなど)を用い塗布の安定性を上げる、具体的には上層溶剤組成の算術平均値が非磁性層溶剤組成の算術平均値を下回らないことが肝要である。分散性を向上させるためにはある程度極性が強い方が好ましく、溶剤組成の内、誘電率が15以上の溶剤が50%以上含まれることが好ましい。また、溶解パラメータは8〜11であることが好ましい。
本発明の磁気記録媒体における磁性層で用いられるこれらの分散剤、界面活性剤は磁性層及び後述する非磁性層でその種類、量を必要に応じ使い分けることができる。例えば、無論ここに示した例のみに限られるものではないが、分散剤は極性基で吸着もしくは結合する性質を有しており、磁性層においては主に強磁性粉末の表面に、また後述する非磁性層においては主に非磁性粉末の表面に前記の極性基で吸着もしくは結合し、一度吸着した有機リン化合物は金属あるいは金属化合物等の表面から脱着しがたいと推察される。従って、本発明の強磁性粉末表面あるいは後述する非磁性粉末表面は、アルキル基、芳香族基等で被覆されたような状態になるので、強磁性粉末あるいは非磁性粉末の結合剤樹脂成分に対する親和性が向上し、更に強磁性粉末あるいは非磁性粉末の分散安定性も改善される。また、界面活性剤量を調節することで塗布の安定性を向上させるなどが考えられる。また本発明で用いられる添加剤のすべて又はその一部は、磁性層あるいは非磁性層用塗布液の製造時のいずれの工程で添加してもよい。例えば、混練工程前に強磁性粉末と混合する場合、強磁性粉末と結合剤と溶剤による混練工程で添加する場合、分散工程で添加する場合、分散後に添加する場合、塗布直前に添加する場合などがある。
また、本発明の磁気記録媒体における磁性層には、必要に応じてカーボンブラックを添加することができる。
カーボンブラックの種類はゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を用いることができる。放射線硬化層のカーボンブラックは所望する効果によって、以下のような特性を最適化すべきであり、併用することでより効果が得られることがある。
カーボンブラックの比表面積は、好ましくは100m2/g〜500m2/g、より好ましくは150m2/g〜400m2/g、DBP吸油量は、好ましくは20ml/100g〜400ml/100g、より好ましくは30ml/100g〜200ml/100gである。カーボンブラックの粒子径は、好ましくは5nm〜80nm、より好ましく10nm〜50nm、更に好ましくは10nm〜40nmである。カーボンブラックのpHは2〜10、含水率は0.1%〜10%、タップ密度は0.1g/ml〜1g/mlが好ましい。
本発明に用いることができるカーボンブラックの具体的な例としては、キャボット社製BLACKPEARLS 2000,1300,1000,900,800,880,700、VULCAN XC−72、三菱化成工業社製#3050B,#3150B,#3250B,#3750B,#3950B,#950,#650B,#970B,#850B,MA−600,MA−230,#4000,#4010、コロンビアカーボン社製CONDUCTEX SC、RAVEN 8800,8000,7000,5750,5250,3500,2100,2000,1800,1500,1255,1250、アクゾー社製ケッチェンブラックEC、ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製ケッチェンブラックECなどが挙げられる。
カーボンブラックを分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用しても、表面の一部をグラファイト化したものを使用してもかまわない。また、カーボンブラックを塗料に添加する前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。本発明で使用できるカーボンブラックは例えば「カーボンブラック便覧」(カーボンブラック協会編)を参考にすることができる。
これらのカーボンブラックは単独又は組み合わせで使用することができる。カーボンブラックを使用する場合、磁性体の重量に対して0.1重量%〜30重量%で用いることが好ましい。カーボンブラックは磁性層の帯電防止、摩擦係数低減、遮光性付与、膜強度向上などの働きがあり、これらは用いるカーボンブラックにより異なる。従って、本発明で使用されるこれらのカーボンブラックは、磁性層でその種類、量、組み合わせを変え、粒子サイズ、吸油量、電導度、pHなどの先に示した諸特性を基に目的に応じて使い分けることはもちろん可能であり、むしろ各層で最適化すべきものである。
II.非磁性層
次に、非磁性層に関する詳細な内容について説明する。
本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体と磁性層との間に、非磁性粉末を結合剤に分散させた少なくとも1層の非磁性層を有していてもよい。
結合剤としては、上記の磁性層の結合剤と同じ樹脂であることが好ましい。
<非磁性粉末>
非磁性層に使用する非磁性粉末は、無機物質でも有機物質でもよい。また、非磁性層には非磁性粉末と共に、必要に応じてカーボンブラックを混合してもよい。
本発明における非磁性層に用いられる無機粉末は、非磁性粉末であり、例えば、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物等の無機質化合物から選択することができる。
無機化合物としては例えばα化率90%以上のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、θ−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、ゲータイト、コランダム、窒化珪素、チタンカ−バイト、酸化チタン、二酸化珪素、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二硫化モリブデンなどが単独又は組み合わせで使用される。特に好ましいのは、粒度分布の小ささ、機能付与の手段が多いこと等から、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、硫酸バリウムであり、更に好ましいのは二酸化チタン、α酸化鉄である。
これら非磁性粉末の粒子サイズは0.005μm〜2μmが好ましいが、必要に応じて粒子サイズの異なる非磁性粉末を組み合わせたり、単独の非磁性粉末でも粒径分布を広くして同様の効果をもたせることもできる。とりわけ好ましいのは非磁性粉末の粒子サイズは0.01μm〜0.2μmである。特に、非磁性粉末が粒状金属酸化物である場合は、平均粒子径0.08μm以下が好ましく、針状金属酸化物である場合は、長軸長が0.3μm以下であることが好ましい。タップ密度は、好ましくは0.05g/ml〜2g/ml、より好ましくは0.2g/ml〜1.5g/mlである。非磁性粉末の含水率は、好ましくは0.1重量%〜5重量%、より好ましくは0.2重量%〜3重量%、更に好ましくは0.3重量%〜1.5重量%である。非磁性粉末のpHは好ましくは2〜11であるが、pHは5.5〜10の間が特に好ましい。非磁性粉末の比表面積は、好ましくは1m2/g〜100m2/g、より好ましくは5m2/g〜80m2/g、更に好ましくは10m2/g〜70m2/gである。非磁性粉末の結晶子サイズは0.004μm〜1μmが好ましく、0.04μm〜0.1μmが更に好ましい。DBP(ジブチルフタレート)を用いた吸油量は、好ましくは5ml/100g〜100ml/100g、より好ましくは10ml/100g〜80ml/100g、更に好ましくは20ml/100g〜60ml/100gである。比重は、好ましくは1〜12、より好ましくは3〜6である。形状は針状、球状、多面体状、板状のいずれでもよい。
強熱減量は20重量%以下であることが好ましく、本来ないことが最も好ましいと考えられる。本発明に用いられる上記非磁性粉末のモース硬度は4〜10のものが好ましい。これらの粉体表面のラフネスファクターは0.8〜1.5が好ましく、更に好ましいラフネスファクターは0.9〜1.2である。非磁性粉末のSA(ステアリン酸)吸着量は、好ましくは1μmol/m2〜20μmol/m2、より好ましくは2μmol/m2〜15μmol/m2、更に好ましくは3μmol/m2〜8μmol/m2である。非磁性粉末の25℃での水への湿潤熱は200erg/cm2〜600erg/cm2(20μJ/cm2〜60μJ/cm2)の範囲にあることが好ましい。また、この湿潤熱の範囲にある溶媒を使用することができる。pHは3〜6の間にあることが好ましい。非磁性粉末の水溶性Naは0ppm〜150ppm、水溶性Caは0ppm〜50ppmであることが好ましい。
これらの非磁性粉末の表面にはAl23、SiO2、TiO2、ZrO2、SnO2、Sb23、ZnO、Y23で表面処理することが好ましい。特に分散性に好ましいのはAl23、SiO2、TiO2、ZrO2であるが、更に好ましいのはAl23、SiO2、ZrO2である。これらは組み合わせて使用してもよいし、単独で用いることもできる。また、目的に応じて共沈させた表面処理層を用いてもよいし、先ずアルミナで処理した後にその表層をシリカで処理する方法、又はその逆の方法を採ることもできる。また、表面処理層は目的に応じて多孔質層にしても構わないが、均質で密である方が一般には好ましい。
本発明の磁気記録媒体における非磁性層に用いられる非磁性粉末の具体的な例としては、昭和電工製ナノタイト、住友化学製HIT−100,ZA−G1、戸田工業社製αヘマタイトDPN−250,DPN−250BX,DPN−245,DPN−270BX,DBN−SA1,DBN−SA3、石原産業製酸化チタンTTO−51B,TTO−55A,TTO−55B,TTO−55C,TTO−55S,TTO−55D,SN−100、αヘマタイトE270,E271,E300,E303、チタン工業製酸化チタンSTT−4D,STT−30D,STT−30,STT−65C、αヘマタイトα−40、テイカ製MT−100S,MT−100T,MT−150W,MT−500B,MT−600B,MT−100F,MT−500HD、堺化学製FINEX−25,BF−1,BF−10,BF−20,ST−M、同和鉱業製DEFIC−Y,DEFIC−R、日本アエロジル製AS2BM,TiO2P25、宇部興産製100A,500A、及びそれを焼成したものが挙げられる。
特に好ましい非磁性粉末は二酸化チタンとα−酸化鉄である。
α−酸化鉄(ヘマタイト)は以下のような諸条件の基で実施される。即ち、本発明に用いることができるα−Fe23粒子粉末は、通常の(1)第一鉄水溶液に等量以上水酸化アルカリ水溶液を加えて得られる水酸化第一鉄コロイドを含む懸濁液をpH11以上にて80℃以下の温度で酸素含有ガスを通気して酸化反応を行うことにより針状ゲータイト粒子を生成させる方法、(2)第一鉄塩水溶液と炭酸アルカリ水溶液とを反応させて得られるFeCO3を含む懸濁液に酸素含有ガスを通気して酸化反応を行うことにより紡錘状を呈したゲータイト粒子を生成させる方法、(3)第一鉄塩水溶液に等量未満の水酸化アルカリ水溶液又は炭酸アルカリ水溶液を添加して得られる水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩水溶液に酸素含有ガスを通気して酸化反応を行うことにより針状ゲータイト核粒子を生成させ、次いで、該針状ゲータイト核粒子を含む第一鉄塩水溶液に、該第一鉄塩水溶液中のFe2+に対し等量以上の水酸化アルカリ水溶液を添加した後、酸素含有ガスを通気して前記針状ゲータイト核粒子を成長させる方法、及び(4)第一鉄水溶液と等量未満の水酸化アルカリ又は炭酸アルカリ水溶液を添加して得られる水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩水溶液に酸素含有ガスを通気して酸化反応を行うことにより針状ゲータイト核粒子を生成させ、次いで、酸性乃至中性領域で前記針状ゲータイト核粒子を成長させる方法等により得られた針状ゲータイト粒子を前駆体粒子とする。
なお、ゲータイト粒子の生成反応中に粒子粉末の特性向上等のために通常添加されているNi、Zn、P、Si等の異種元素が添加されていても支障はない。前駆体粒子である針状ゲータイト粒子を200℃〜500℃の温度範囲で脱水するか、必要に応じて、更に350℃〜800℃の温度範囲で加熱処理により焼き鈍しをして針状α−Fe23粒子を得る。なお、脱水又は焼き鈍しされる針状ゲータイト粒子の表面にP、Si、B、Zr、Sb等の焼結防止剤が付着していても支障はない。350℃〜800℃の温度範囲で加熱処理により焼き鈍しをするのは、脱水されて得られた針状α−Fe23粒子の粒子表面に生じている空孔を焼き鈍しにより、粒子の極表面を溶融させて空孔をふさいで平滑な表面形態とさせることが好ましいからである。
本発明において用いられるα−Fe23粒子粉末は前記脱水又は焼き鈍しをして得られた針状α−Fe23粒子を水溶液中に分散して懸濁液とし、Al化合物を添加しpH調整をして前記α−Fe23粒子の粒子表面に前記添加化合物を被覆した後、濾過、水洗、乾燥、粉砕、必要により更に脱気・圧密処理等を施すことにより得られる。
用いられるAl化合物は酢酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム等のアルミニウム塩やアルミン酸ソーダ等のアルミン酸アルカリ塩を使用することができる。
この場合のAl化合物添加量はα−Fe23粒子粉末に対してAl換算で0.01重量%〜50重量%である。上記範囲であると、結合剤樹脂中における分散が十分であり、粒子表面に浮遊するAl化合物同士が少なく、Al化合物同士が相互作用しにくいため好ましい。
本発明における非磁性層の非磁性粉末においては、Al化合物とともにSi化合物を始めとして、P、Ti、Mn、Ni、Zn、Zr、Sn、Sbから選ばれる化合物の1種又は2種以上を用いて被覆することもできる。Al化合物とともに用いるこれらの化合物の添加量はそれぞれα−Fe23粒子粉末に対して0.01重量%〜50重量%の範囲であることが好ましい。上記範囲であると、添加による分散性向上の効果が十分得られ、また、粒子表面以外に浮遊する化合物同士が少なく、前記化合物同士が相互作用しにくいため好ましい。
二酸化チタンの製法に関しては以下の通りである。これらの酸化チタンの製法は主に硫酸法と塩素法がある。硫酸法はイルミナイトの源鉱石を硫酸で蒸解し、Ti,Feなどを硫酸塩として抽出する。硫酸鉄を晶析分離して除き、残りの硫酸チタニル溶液を濾過精製後、熱加水分解を行って、含水酸化チタンを沈澱させる。これを濾過洗浄後、夾雑不純物を洗浄除去し、粒径調節剤などを添加した後、80℃〜1,000℃で焼成すれば粗酸化チタンとなる。ルチル型とアナターゼ型は加水分解の時に添加される核剤の種類によりわけられる。この粗酸化チタンを粉砕、整粒、表面処理などを施して作成する。塩素法の原鉱石は天然ルチルや合成ルチルが用いられる。鉱石は高温還元状態で塩素化され、TiはTiCl4に、FeはFeCl2となり、冷却により固体となった酸化鉄は液体のTiCl4と分離される。得られた粗TiCl4は精留により精製した後核生成剤を添加し、1,000℃以上の温度で酸素と瞬間的に反応させ、粗酸化チタンを得る。この酸化分解工程で生成した粗酸化チタンに顔料的性質を与えるための仕上げ方法は硫酸法と同じである。
表面処理は上記酸化チタン素材を乾式粉砕後、水と分散剤を加え、湿式粉砕、遠心分離により粗粒分級が行われる。その後、微粒スラリーは表面処理槽に移され、ここで金属水酸化物の表面被覆が行われる。まず、所定量のAl、Si、Ti、Zr、Sb、Sn、Znなどの塩類水溶液を加え、これを中和する酸、又はアルカリを加えて、生成する含水酸化物で酸化チタン粒子表面を被覆する。副生する水溶性塩類はデカンテーション、濾過、洗浄により除去し、最終的にスラリーpHを調節して濾過し、純水により洗浄する。洗浄済みケーキはスプレードライヤー又はバンドドライヤーで乾燥される。最後にこの乾燥物はジェットミルで粉砕され、製品になる。
また、水系ばかりでなく酸化チタン粉体にAlCl3、SiCl4の蒸気を通じその後水蒸気を流入してAl、Si表面処理を施すことも可能である。その他の顔料の製法については、G. D. Parfitt and K. S. W. Sing "Characterization of Powder Surfaces", Academic Press, 1976を参考にすることができる。
非磁性層にカ−ボンブラックを混合させて公知の効果である表面電気抵抗Rsを下げること、光透過率を小さくすることができるとともに、所望のマイクロビッカース硬度を得ることができる。また、非磁性層にカーボンブラックを含ませることで潤滑剤貯蔵の効果をもたらすことも可能である。カーボンブラックの種類はゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を用いることができる。非磁性層のカーボンブラックは所望する効果によって、以下のような特性を最適化すべきであり、併用することでより効果が得られることがある。
非磁性層のカーボンブラックの比表面積は、好ましくは100m2/g〜500m2/g、より好ましくは150m2/g〜400m2/g、DBP吸油量は、好ましくは20ml/100g〜400ml/100g、より好ましくは30ml/100g〜200ml/100gである。カーボンブラックの粒子径は、好ましくは5nm〜80nm、より好ましく10nm〜50nm、更に好ましくは10nm〜40nmである。カーボンブラックのpHは2〜10、含水率は0.1%〜10%、タップ密度は0.1g/ml〜1g/mlが好ましい。
本発明に用いられるカーボンブラックの具体的な例としては、キャボット社製BLACKPEARLS 2000,1300,1000,900,800,880,700、VULCAN XC−72、三菱化成工業社製#3050B,#3150B,#3250B,#3750B,#3950B,#950,#650B,#970B,#850B,MA−600,MA−230,#4000,#4010、コロンビアカーボン社製CONDUCTEX SC、RAVEN 8800,8000,7000,5750,5250,3500,2100,2000,1800,1500,1255,1250、アクゾー社製ケッチェンブラックEC、ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製ケッチェンブラックECなどが挙げられる。
カーボンブラックを分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用しても、表面の一部をグラファイト化したものを使用してもかまわない。また、カーボンブラックを塗料に添加する前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。これらのカーボンブラックは上記無機質粉末に対して50重量%を越えない範囲、非磁性層総重量の40%を越えない範囲で使用することが好ましい。これらのカーボンブラックは単独、又は組合せで使用することができる。本発明で使用できるカーボンブラックは例えば「カーボンブラック便覧」(カーボンブラック協会編)を参考にすることができる。
また非磁性層には有機質粉末を目的に応じて、添加することもできる。例えば、アクリルスチレン系樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、メラミン系樹脂粉末、フタロシアニン系顔料が挙げられるが、ポリオレフィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、ポリフッ化エチレン樹脂も使用することができる。その製法は特開昭62−18564号公報、特開昭60−255827号公報に記されているようなものが使用できる。
非磁性層の結合剤、潤滑剤、分散剤、添加剤、溶剤、分散方法その他は、磁性層のそれが適用できる。特に、結合剤量、種類、添加剤、分散剤の添加量、種類に関しては磁性層に関する公知技術が適用できる。
III.非磁性支持体
本発明に用いることのできる非磁性支持体としては、二軸延伸を行ったポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリアミド等の公知のものが挙げられる。これらの中でもポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミドが好ましい。
これらの支持体はあらかじめコロナ放電、プラズマ処理、易接着処理、熱処理などを行ってもよい。また、本発明に用いることのできる非磁性支持体の表面粗さはカットオフ値0.25mmにおいて中心平均粗さRa3nm〜10nmが好ましい。
IV.平滑化層
本発明の磁気記録媒体には、平滑化層を設けてもよい。平滑化層とは、非磁性支持体表面の突起を埋めるための層であり、非磁性支持体上に磁性層を設けた磁気記録媒体の場合は非磁性支持体と磁性層の間、非磁性支持体上に非磁性層及び磁性層をこの順に設けた磁気記録媒体の場合には非磁性支持体と非磁性層の間に設けられる。
平滑化層は、放射線硬化型化合物を放射線照射により硬化させて形成することができる。放射線硬化型化合物とは、紫外線又は電子線などの放射線を照射すると重合又は架橋を開始し、高分子化して硬化する性質を有する化合物をいう。
V.バックコート層
一般に、コンピュータデータ記録用の磁気テープは、ビデオテープ、オーディオテープに比較して繰り返し走行性が強く要求される。このような高い保存安定性を維持させるために、非磁性支持体の非磁性層及び磁性層が設けられた面とは反対の面にバックコート層を設けることもできる。バックコート層用塗料は、研磨剤、帯電防止剤などの粒子成分と結合剤とを有機溶媒に分散させる。粒状成分として各種の無機顔料やカーボンブラックを使用することができる。また、結合剤としては、例えば、ニトロセルロース、フェノキシ樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン等の樹脂を単独又はこれらを混合して使用することができる。
VI.層構成
本発明で用いられる磁気記録媒体の構成において、非磁性支持体の好ましい厚さは、3μm〜80μmである。また、非磁性支持体と非磁性層又は磁性層の間に平滑化層を設けた場合、平滑化層の厚さは0.01μm〜0.8μmであることが好ましく、0.02μm〜0.6μmであることがより好ましい。また、非磁性支持体の非磁性層及び磁性層が設けられた面とは反対側の面に設けられたバックコート層の厚さは、0.1μm〜1.0μmであることが好ましく、0.2μm〜0.8μmであることがより好ましい。
磁性層の厚さは、用いる磁気ヘッドの飽和磁化量やヘッドギャップ長、記録信号の帯域により最適化されるものであるが、0.01μm〜0.5μmであることが好ましく、0.02μm〜0.3μmであることがより好ましく、0.03μm〜0.2μmであることが更に好ましい。また、磁性層の厚さ変動率は±50%以内が好ましく、更に好ましくは±40%以内である。磁性層は少なくとも一層あればよく、磁性層を異なる磁気特性を有する2層以上に分離してもかまわず、公知の重層磁性層に関する構成が適用できる。
非磁性層の厚さは、0.2μm〜3.0μmであることが好ましく、0.3μm〜2.5μmであることがより好ましく、0.4μm〜2.0μmであることが更に好ましい。なお、本発明の磁気記録媒体における非磁性層は、実質的に非磁性であればその効果を発揮するものであり、例えば不純物として、あるいは意図的に少量の磁性体を含んでいても、本発明の効果を示すものであり、本発明の磁気記録媒体と実質的に同一の構成とみなすことができる。なお、実質的に同一とは、非磁性層の残留磁束密度が10mT(100G)以下又は抗磁力が7.96kA/m(100 Oe)以下であることを示し、好ましくは残留磁束密度と抗磁力を持たないことを意味する。
VII.製造方法
本発明で用いられる磁気記録媒体の磁性層塗布液を製造する工程は、少なくとも混練工程、分散工程、及び、これらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程からなる。個々の工程はそれぞれ2段階以上に分かれていてもかまわない。本発明で用いられる六方晶フェライト強磁性粉末又は強磁性金属粉末、非磁性粉末、結合剤、カーボンブラック、研磨材、帯電防止剤、潤滑剤、溶剤などすべての原料はどの工程の最初又は途中で添加してもかまわない。また、個々の原料を2つ以上の工程で分割して添加してもかまわない。例えば、ポリウレタンを混練工程、分散工程、分散後の粘度調整のための混合工程で分割して投入してもよい。本発明の目的を達成するためには、従来の公知の製造技術を一部の工程として用いることができる。混練工程ではオープンニーダ、連続ニーダ、加圧ニーダ、エクストルーダなど強い混練力をもつものを使用することが好ましい。ニーダを用いる場合は磁性粉末又は非磁性粉末と結合剤のすべて又はその一部(但し、全結合剤の30%以上が好ましい)及び磁性体100重量部に対し15重量部〜500重量部の範囲で混練処理されることが好ましい。これらの混練処理の詳細については特開平1−106338号公報、特開平1−79274号公報に記載されている。また、磁性層用液及び非磁性層用液を分散させるには、ガラスビーズを用いることができる。このようなガラスビーズは、高比重の分散メディアであるジルコニアビーズ、チタニアビーズ、スチールビーズが好適である。これら分散メディアの粒径と充填率は最適化して用いられる。分散機は公知のものを使用することができる。
本発明の磁気記録媒体の製造方法は、例えば、走行下にある非磁性支持体の表面に磁性層用塗布液を所定の膜厚となるように塗布する。ここで複数の磁性層用塗布液を逐次あるいは同時に重層塗布してもよく、下層の磁性層用塗布液と上層の磁性層用塗布液とを逐次あるいは同時に重層塗布してもよい。上記磁性層用塗布液もしくは下層の磁性層用塗布液を塗布する塗布機としては、エアードクターコート、ブレードコート、ロッドコート、押出しコート、エアナイフコート、スクイズコート、含浸コート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビヤコート、キスコート、キャストコート、スプレイコート、スピンコート等が利用できる。これらについては例えば(株)総合技術センター発行の「最新コーティング技術」(昭和58年5月31日)を参考にできる。
磁性層塗布液の塗布層は、磁気テープの場合、磁性層塗布液の塗布層中に含まれる強磁性粉末にコバルト磁石やソレノイドを用いて長手方向に磁場配向処理を施す。ディスクの場合、配向装置を用いず無配向でも十分に等方的な配向性が得られることもあるが、コバルト磁石を斜めに交互に配置すること、ソレノイドで交流磁場を印加するなど公知のランダム配向装置を用いることが好ましい。等方的な配向とは強磁性金属粉末の場合、一般的には面内2次元ランダムが好ましいが、垂直成分をもたせて3次元ランダムとすることもできる。六方晶フェライトの場合は一般的に面内及び垂直方向の3次元ランダムになりやすいが、面内2次元ランダムとすることも可能である。また異極対向磁石など公知の方法を用い、垂直配向とすることで円周方向に等方的な磁気特性を付与することもできる。特に高密度記録を行う場合は垂直配向が好ましい。また、スピンコートを用いて円周配向としてもよい。
乾燥風の温度、風量、塗布速度を制御することで塗膜の乾燥位置を制御できるようにすることが好ましく、塗布速度は20m/分〜1,000m/分、乾燥風の温度は60℃以上が好ましい。また磁石ゾーンに入る前に適度の予備乾燥を行うこともできる。
乾燥された後、塗布層に表面平滑化処理を施す。表面平滑化処理には、例えばスーパーカレンダーロールなどが利用される。表面平滑化処理を行うことにより、乾燥時の溶剤の除去によって生じた空孔が消滅し磁性層中の強磁性粉末の充填率が向上するので、電磁変換特性の高い磁気記録媒体を得ることができる。
カレンダ処理ロールとしてはエポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の耐熱性プラスチックロールを使用する。また金属ロールで処理することもできる。本発明の磁気記録媒体は、表面の中心面平均粗さが、カットオフ値0.25mmにおいて0.1nm〜4.0nmの範囲であることが好ましく、0.5nm〜3.0nmの範囲という極めて優れた平滑性を有する表面であることがより好ましい。その方法として、例えば上述したように特定の強磁性粉末と結合剤を選んで形成した磁性層を上記カレンダ処理を施すことにより行われる。カレンダ処理条件としては、カレンダーロールの温度を60℃〜100℃の範囲とすることが好ましく、より好ましくは70℃〜100℃の範囲、特に好ましくは80℃〜100℃の範囲であり、圧力は100kg/cm〜500kg/cmの範囲とすることが好ましく、より好ましくは200kg/cm〜450kg/cmの範囲であり、特に好ましくは300kg/cm〜400kg/cmの範囲である。
熱収縮率低減手段として、低テンションでハンドリングしながらウエッブ状で熱処理する方法と、バルク又はカセットに組み込んだ状態などテープが積層した形態で熱処理する方法(サーモ処理)があり、両者が利用できる。前者は、バックコート層表面の突起写りの影響が少ないが、熱収縮率を大きく下げることができない。一方、後者のサーモ処理は、熱収縮率を大幅に改善できるが、バックコート層表面の突起写りの影響を強く受けるため、磁性層が面荒れし、出力低下及びノイズ増加を引き起こす。特に、サーモ処理を伴う磁気記録媒体で、高出力、低ノイズの磁気記録媒体を供給することができる。得られた磁気記録媒体は、裁断機、打抜機などを使用して所望の大きさに裁断して使用することができる。
VIII.物理特性
本発明の磁気記録媒体における磁性層の飽和磁束密度は、好ましくは100mT〜300mT(1,000G〜3,000G)である。また磁性層の抗磁力(Hr)は、好ましくは143.3kA/m〜318.4kA/m(1,800 Oe〜4,000 Oe)であるが、より好ましくは159.2kA/m〜278.6kA/m(2,000 Oe〜3,500 Oe)である。抗磁力の分布は狭い方が好ましく、SFD及びSFDrは0.6以下、更に好ましくは0.2以下である。
本発明の磁気記録媒体に使用するヘッドに対する摩擦係数は、温度−10℃〜40℃、湿度0%〜95%の範囲において好ましくは0.5以下であり、より好ましくは0.3以下である。また、帯電位は−500V乃至+500V以内が好ましい。磁性層の0.5%伸びでの弾性率は、面内各方向で好ましくは0.98Gpa〜19.6GPa(100kg/mm2〜2,000kg/mm2)、破断強度は、好ましくは98MPa〜686MPa(10kg/mm2〜70kg/mm2)、磁気記録媒体の弾性率は、面内各方向で好ましくは0.98GPa〜14.7GPa(100kg/mm2〜1,500kg/mm2)、残留のびは、好ましくは0.5%以下、100℃以下のあらゆる温度での熱収縮率は、好ましくは1%以下、更に好ましくは0.5%以下、最も好ましくは0.1%以下である。
磁性層のガラス転移温度(110Hzで測定した動的粘弾性測定の損失弾性率の極大点)は50℃〜180℃が好ましく、非磁性層のそれは0℃〜180℃が好ましい。損失弾性率は1×107Pa〜8×108Pa(1×108dyne/cm2〜8×109dyne/cm2)の範囲にあることが好ましく、損失正接は0.2以下であることが好ましい。損失正接が大きすぎると粘着故障が発生しやすい。これらの熱特性や機械特性は媒体の面内各方向において10%以内でほぼ等しいことが好ましい。
磁性層中に含まれる残留溶媒は好ましくは100mg/m2以下、更に好ましくは10mg/m2以下である。塗布層が有する空隙率は非磁性層、磁性層とも好ましくは30容量%以下、更に好ましくは20容量%以下である。空隙率は高出力を果たすためには小さい方が好ましいが、目的によってはある値を確保した方がよい場合がある。例えば、繰り返し用途が重視されるディスク媒体では空隙率が大きい方が保存安定性は好ましいことが多い。
デジタルオプチカルプロフィメーター(WYKO製TOPO−3D)を用いて測定した磁性層の中心面表面粗さRaは、好ましくは4.0nm以下であり、より好ましくは3.0nm以下であり、更に好ましくは2.0nm以下である。磁性層の最大高さSRmaxは、0.5μm以下、十点平均粗さSRzは0.3μm以下、中心面山高さSRpは0.3μm以下、中心面谷深さSRvは0.3μm以下、中心面面積率SSrは20%〜80%、平均波長Sλaは5μm〜300μmが好ましい。磁性層の表面突起は0.01μm〜1μmの大きさのものを0個〜2,000個の範囲で任意に設定することが可能であり、これにより電磁変換特性、摩擦係数を最適化することが好ましい。これらは支持体のフィラーによる表面性のコントロールや磁性層に添加する粉末の粒径と量、カレンダ処理のロール表面形状などで容易にコントロールすることができる。カールは±3mm以内とすることが好ましい。
本発明の磁気記録媒体における非磁性層と磁性層との間では、目的に応じ非磁性層と磁性層でこれらの物理特性を変えることができるのは容易に推定されることである。例えば、磁性層の弾性率を高くし保存安定性を向上させると同時に非磁性層の弾性率を磁性層より低くして磁気記録媒体のヘッドへの当りをよくするなどである。
本発明の磁気記録媒体は、磁気記録媒体に磁気記録された信号を再生するヘッドについては特に制限はないが、MRヘッドのために用いることが好ましい。本発明の磁気記録媒体の再生にMRヘッドを用いる場合、MRヘッドには特に制限はなく、例えばGMRヘッドやTMRヘッドを用いることもできる。また、磁気記録に用いるヘッドは特に制限されないが、飽和磁化量が1.0T以上であることが好ましく、1.5T以上であることがより好ましい。
以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は、断らない限り「重量部」の意味である。
(実施例1)
〔潤滑剤Aの合成例〕
フラスコに、1−テトラデカノール86部、ヘキサン264部及びピリジン35部を入れ、撹拌しながら冷却した。このフラスコに更に冷却と撹拌を続けながらクロロギ酸2−エチルヘキシル42部を2時間かけて滴下した。更にこのフラスコ内部を撹拌しながら、室温に出して6時間経過させた。この反応液に水を加えて撹拌し、静置して分液漏斗を用いて水層を廃棄し、メタノールを加えて撹拌、静置、メタノール相を分離する操作を3回繰り返した。残ったヘキサン溶液を減圧濃縮し、135部の無色透明液体である潤滑剤Aの粗製物が得られた。
この液体をヘキサンで2倍希釈して、カラムクロマトグラフィーで精製し、ヘキサン溶液を減圧濃縮することで、77部の潤滑剤Aが得られた。
Figure 2008239575
(実施例2及び3)
〔潤滑剤B及びCの合成例〕
実施例1の1−テトラデカノールを1−ヘキサデカノール、1−ドデカノールに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、潤滑剤B及びCを得た。
Figure 2008239575
(実施例4及び5)
〔潤滑剤D及びEの合成例〕
実施例1のクロロギ酸2−エチルヘキシルをクロロギ酸2−メチルプロピル、クロロギ酸2−メチルブチルに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、潤滑剤D及びEを得た。
Figure 2008239575
(実施例6及び7)
〔潤滑剤F及びGの合成例〕
実施例1の1−テトラデカノールを1−ドデカノールに、クロロギ酸2−エチルヘキシルをクロロギ酸2−メチルプロピル、クロロギ酸2−メチルブチルに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、潤滑剤F及びGを得た。
Figure 2008239575
(比較例1及び2)
〔潤滑剤H及びIの合成例〕
実施例1の1−テトラデカノールを1−オクタデカノールに、クロロギ酸2−エチルヘキシルをクロロギ酸ブチル、クロロギ酸メチルに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、潤滑剤H及びIを得た。
Figure 2008239575
(比較例3)
〔潤滑剤Jの合成例〕
実施例1の1−テトラデカノールを1−オクタデカノールに、クロロギ酸2−エチルヘキシルをクロロギ酸2−エチルヘキシルに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、潤滑剤Jを得た。
Figure 2008239575
(比較例4)
〔潤滑剤Kの合成例〕
実施例1の1−テトラデカノールを1−オクタデカノールに、クロロギ酸2−エチルヘキシルを2−エチルヘキシルカルボン酸塩化物に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、潤滑剤Kを得た。
Figure 2008239575
<測定方法>
潤滑剤A及びB、潤滑剤H乃至KについてはDSC(変温速度−5℃/min)により、融点測定を行った。潤滑剤Aは−23℃、潤滑剤Bは−3℃であった。
潤滑剤E乃至Gについては−5℃に設定した恒温槽中に24時間放置後、恒温槽内にて5分間振とうし、液体状態を保持していることを確認した。
(実施例8乃至14、比較例5乃至8)
<上層用磁性液の調製>
強磁性金属粉末(Co/Fe=30原子%、Hc:2,350エルステッド(187kA/m)、SBET:55m2/g、表面処理層:Al23,SiO2、Y23、平均長軸長:50nm、平均針状比:7、σs:120A・m2/kg)100部をオープンニーダーで10分間粉砕し、次いで、
カーボンブラック(平均粒径80nm) 2部
塩化ビニル樹脂(MR−110;日本ゼオン(株)製) 10部
ポリエステルポリウレタン(UR8300;東洋紡績(株)製) 6部(固形分)
メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=1/1 60部
を加えて60分間混練した。この混練物にオープンニーダーを運転しながら、
メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=1/1 200部
を6時間かけて添加した。次いで、
α−Al23分散液(固形分40%) 20部
を加えてサンドグラインダーで120分間分散した。更に、
ポリイソシアネート 4部(固形分)
(コロネート3041;日本ポリウレタン工業(株)製)
ステアリン酸 1部
表中の潤滑剤 2部
ステアリン酸アミド 0.2部
トルエン 50部
を加えて20分間撹拌混合した。その後、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、磁性塗料を調製した。
<下層用非磁性液の調製>
酸化チタン(平均粒径0.035μm、結晶型ルチル、TiO2含有量90%以上、表面処理層;アルミナ、SBET35m2/g乃至42m2/g、真比重4.1、pH6.5乃至8.0)85部、及びカーボンブラック(ケッチェンブラックEC;日本EC製)15部をオープンニーダーで10分間粉砕し、次いで
塩化ビニル系共重合体(MR110;日本ゼオン(株)製) 17部
スルホン酸含有ポリウレタン樹脂 10部(固形分)
(UR8200;東洋紡績(株)製)
シクロヘキサノン 60部
を添加して60分間混練し、次いで
メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=6/4 200部
を加えてサンドミルで120分間分散した。これに表1の潤滑剤と
ポリイソシアネート 5部(固形分)
(コロネート3041;日本ポリウレタン工業(株)製)
ステアリン酸 1部
表中の潤滑剤 2部
オレイン酸 1部
メチルエチルケトン 50部
を加え、更に20分間撹拌混合したあと、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、非磁性塗料を調製した。
得られた非磁性塗料を1.5μmに、更にその直後に磁性塗料を乾燥後の厚さが0.2μmになるように、厚さ62μmのポリエチレンテレフタレ−ト支持体の表面に同時重層塗布した。磁性塗料が未乾燥の状態で5,000ガウスのCo磁石と4,000ガウスのソレノイド磁石で磁場配向を行ない、溶剤を乾燥したものを金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロールの組み合せによるカレンダー処理を(速度100m/min、線圧300kg/cm、温度90℃)で行なった後1/2インチ幅にスリットした。
<測定方法>
1.耐久性、保存安定性
テープの摺動耐久性を5℃、湿度80%環境下で磁性層面をAlTiC製の円柱棒に接触させて荷重100g(T1)をかけ、2m/secの摺動速度で繰り返し10,000パスまで摺動を行ったあとのテープダメージで評価した。なお、評価は以下のランクで行った。
また、LTO−G3カートリッジ用のリールにテ−プを600m巻いた状態で60℃、湿度90%で6ヶ月保存した。保存後のテ−プも同様に評価した。
優秀:ややキズが見られるが、キズのない部分の方が多い。
良好:キズがない部分よりもキズがある部分の方が多い。
不良:磁性層が完全に剥離している。
下記表1に、実施例8乃至14及び比較例5乃至8における評価結果を示す。
Figure 2008239575

Claims (6)

  1. 式(1)で表され、融点が0℃以下であることを特徴とする炭酸エステル。
    Figure 2008239575
    (式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立に飽和炭化水素基を表し、R1は分岐鎖、R2は直鎖又は分岐鎖である。)
  2. 1がβ位にて分岐した構造である請求項1に記載の炭酸エステル。
  3. 1が2−メチルプロピル基、2−メチルブチル基及び2−エチルヘキシル基よりなる群から選択された請求項1又は2に記載の炭酸エステル。
  4. 2が炭素数12以上16以下の直鎖構造である請求項1〜3いずれか1つに記載の炭酸エステル。
  5. 非磁性支持体上に、
    強磁性粉末を結合剤中に分散した少なくとも一層の磁性層を有し、
    該磁性層が請求項1〜4いずれか1つに記載の炭酸エステルを含有することを特徴とする
    磁気記録媒体。
  6. 非磁性層を支持体上に、
    非磁性粉末を結合剤中に分散した非磁性層を有し、
    該非磁性層上に強磁性粉末を結合剤中に分散した少なくとも一層の磁性層を設けた磁気記録媒体であって、
    該非磁性層及び/又は該磁性層が請求項1〜4いずれか1つに記載の炭酸エステルを含有することを特徴とする
    磁気記録媒体。
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