JP2008239575A - 炭酸エステル及び磁気記録媒体 - Google Patents
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Abstract
Description
近年の記録の大容量化、高記録密度化要求に応える磁気記録媒体は、その高度な電磁変換特性を達成するため極めて平滑な表面を有する。この平滑な表面を記録ヘッドが高速で摺動すると従来の技術では耐久性を確保することが極めて難しくなる。
磁気記録媒体における耐久性の改善のため、例えば、磁気記録媒体に潤滑剤としてカーボネート化合物を使用する磁気記録媒体が提案されている(特許文献1及び2参照)。
また、表面に特定の研磨剤突起密度を有し、酸加水分解速度を規定した磁気記録媒体が提案されている(特許文献3参照)。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、前記炭酸エステルを用い、低温環境下での耐久性及び保存安定性に優れた磁気記録媒体を提供することである。
<1> 式(1)で表され、融点が0℃以下であることを特徴とする炭酸エステル、
<3> R1が2−メチルプロピル基、2−メチルブチル基及び2−エチルヘキシル基よりなる群から選択された<1>又は<2>に記載の炭酸エステル、
<4> R2が炭素数12以上16以下の直鎖構造である<1>〜<3>いずれか1つに記載の炭酸エステル、
<5> 非磁性支持体上に、強磁性粉末を結合剤中に分散した少なくとも一層の磁性層を有し、該磁性層が<1>〜<4>いずれか1つに記載の炭酸エステルを含有することを特徴とする磁気記録媒体、
<6> 非磁性層を支持体上に、非磁性粉末を結合剤中に分散した非磁性層を有し、該非磁性層上に強磁性粉末を結合剤中に分散した少なくとも一層の磁性層を設けた磁気記録媒体であって、該非磁性層及び/又は該磁性層が<1>〜<4>いずれか1つに記載の炭酸エステルを含有することを特徴とする磁気記録媒体。
R1の炭素数は3以上12以下であることが好ましく、より好ましくは4以上10以下である。また、R1はβ位にて分岐した構造であることが好ましく、2−メチルプロピル基、2−メチルブチル基及び2−エチルヘキシル基よりなる群から選択された直鎖の構造を有することを有することが更に好ましい。
β位で分岐した構造であると、低い融点を有する炭酸エステルを得ることができるので好ましい。
直鎖の構造を有する飽和炭化水素基としては、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基が、オクタデシル基が例示できる。
これらの中でもR2は炭素数が8以上20以下であることが好ましく、R2は炭素数が10以上18以下であることがより好ましく、12以上16以下であることが更に好ましい。また、原料の入手の観点から、R2は炭素数が12、14及び16であることがより好ましい。
R2の炭素数が8以上であると、分子配向の点から高い潤滑効果を有するので好ましい。また、R2の炭素数が12以上であると、揮発性が低く、磁気記録媒体に使用した場合に安定した潤滑性を示すので好ましい。また、R2の炭素数が16以下であると、0℃以下の融点を得ることができるので好ましい。
かかる合成反応の出発原料であるクロロギ酸エステルの具体例としては、クロロギ酸メチル、クロロギ酸エチル、クロロギ酸ブチル、クロロギ酸sec−ブチル、クロロギ酸イソブチル、クロロギ酸プロピル、クロロギ酸イソプロピル、クロロギ酸2−エチルヘキシル、クロロギ酸2−メチルプロピル、クロロギ酸2−メチルブチル等が好適である。
かかる触媒の例としては、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、N−メチルモルホリン、ベンゾトリアゾール等の有機塩基、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸塩、及び炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等炭酸水素塩が挙げられるが、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、N−メチルイミダゾール、ベンゾトリアゾール等の中性時N−H結合の無い有機塩基もしくは水酸化リチウムが好ましく、これらの中でもピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジンのピリジン類及びその誘導体がより好ましい。
本発明の炭酸エステルは、飽和炭化水素溶媒への溶解性が高いことから、飽和炭化水素溶媒と相分離する溶媒(抽出溶媒)として、飽和炭化水素溶媒と無限に相溶しない有機溶媒を含む溶媒を用いることが好ましい。抽出方法としては前記抽出溶媒と、飽和炭化水素溶媒を用いて、液液抽出することが好ましい。また、抽出に使用する溶媒は不純物を溶解する必要があり、反応で用いた塩基等を除去するためには水と無限大に相溶しうる溶媒が好ましい。
本発明に用いることができる飽和炭化水素溶媒としては、本発明の炭酸エステルを溶解するものであれば、特に制限はないが、溶媒の取り扱いや分離操作の容易性から、沸点が35〜85℃の飽和炭化水素溶媒であることが好ましく、ヘプタン、ヘキサン、又は、これらの混合溶媒であることがより好ましく、ヘキサンであることが更に好ましい。また、飽和炭化水素溶媒は、1種単独で用いてもよく、2種以上を任意の割合で混合して用いてもよい。
上記の溶媒を単独で用いる以外でも、飽和炭化水素溶媒の反応系から、副生成物、残存する不純物を除去することができる混合溶媒を使用することができる。具体的には、メタノールと水の混合溶媒、アセトニトリルと水の混合溶媒、プロピレングリコールと水の混合溶媒、又は、メタノールとエチレングリコールの混合溶媒が好ましい。
本発明の炭酸エステルは、磁気記録媒体の潤滑剤として好適に使用される。
本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上に、強磁性粉末を結合剤中に分散した少なくとも一層の磁性層を有し、該磁性層が本発明の炭酸エステルを含有することを特徴とする。
また、他の本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体と磁性層の間に、非磁性粉末を結合剤中に分散した非磁性層を有することが好ましく、該磁性層及び/又は非磁性層が本発明の炭酸エステルを含有することを特徴とする。
本発明において、磁気記録媒体は非磁性層を有することが好ましく、磁性層及び非磁性層が本発明の炭酸エステルを含有することが好ましい。
非磁性支持体上に形成された磁性層は、本発明の炭酸エステルを0.1重量%以上5.0重量%以下含有することが好ましく、0.5重量%以上5重量%以下含有することがより好ましく、1重量%以上3重量%以下含有することが更に好ましい。
また、非磁性層は、本発明の炭酸エステルを0.1重量%以上5重量%以下含有することが好ましく、0.5重量%以上5重量%以下含有することがより好ましく、1重量%以上3重量%以下含有することが更に好ましい。
磁性層及び/又は非磁性層における本発明の炭酸エステルの含有量が上記範囲内であると、潤滑効果が高く、低温環境下での耐久性及び保存安定性に優れた磁気記録媒体を得ることができるので好ましい。
脂肪酸は単独で使用した場合は、滑性を得るためには、多量に用いる必要があり、この場合には磁性層が軟らかくなり、機械的強度が低下し、テープ/ヘッド間の相対速度に相当する高速摺動耐久性が劣化する欠点があった。また、脂肪酸と脂肪酸エステル化合物との併用は、高速摺動耐久性が良好となり、かつテンションも比較的小さくなるが、しかし85%RH(相対湿度)というような高湿条件においては走行テンションが大きくなる欠点を有していた。
特開平7−138586号公報では、潤滑剤にカーボネートを用いた磁気記録媒体が開示されているが、融点が高いため、特に低温環境下での潤滑効果が十分ではなかった。本発明の炭酸エステルは、融点が0℃以下であるため、低温環境下においても、優れた潤滑効果を発揮することができる。
また、特開平8−77547号公報では不飽和アルキル炭酸エステルを使用した磁気記録媒体を開示しているが、この炭酸エステルは不飽和基を持つため酸化を受け、十分な保存安定性を確保することが困難である。不飽和結合を含まない本発明の飽和アルキル炭酸エステルは酸化を受けず、良好な保存安定性を発揮することができる。
また、特開2003−323711号公報には、脂肪酸エステルを使用した磁気記録媒体が記載されているが、脂肪酸エステルは加水分解を受け、保存安定性を確保することが困難である。本発明の炭酸エステルは耐加水分解性が高く、良好な保存安定性を得ることができる。
本発明の磁気記録媒体における磁性層は、本発明の炭酸エステルを含有し、強磁性粉末を結合剤中に分散した層であり、磁気記録及びその再生に寄与する層である。
本発明の磁気記録媒体に使用される強磁性粉末は、コバルト含有強磁性酸化鉄又は強磁性合金粉末でSBET比表面積が、好ましくは40〜80m2/g、より好ましくは50〜70m2/gである。結晶子サイズは、好ましくは12〜25nm、より好ましくは13〜22nmであり、特に好ましくは14〜20nmである。長軸長は、好ましくは0.05〜0.25μmであり、より好ましくは0.07〜0.2μmであり、特に好ましくは0.08〜0.15μmである。
六方晶フェライトとしてバリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、鉛フェライト、カルシウムフェライトの各置換体、Co置換体等がある。具体的にはマグネトプランバイト型のバリウムフェライト及びストロンチウムフェライト、スピネルで粒子表面を被覆したマグネトプランバイト型フェライト、更に一部スピネル相を含有したマグネトプランバイト型のバリウムフェライト及びストロンチウムフェライト等が挙げられ、その他所定の原子以外にAl、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、B、Ge、Nb、Zrなどの原子を含んでもかまわない。例えば、Co−Ti、Co−Ti−Zr、Co−Ti−Zn、Ni−Ti−Zn,Nb−Zn−Co、Sb−Zn−Co、Nb−Zn等の元素を添加したものを好ましく使用することができる。原料・製法によっては特有の不純物を含有するものもある。
板状比(板径/板厚)は1〜15が好ましく、より好ましくは2〜7である。板状比が上記範囲であると、十分な配向性が得られ、また、粒子間のスタッキングが少なくノイズを低く抑えることができる。この粒子サイズ範囲のBET法による比表面積(SBET)は10m2/g〜200m2/gを示す。比表面積は概ね粒子板径と板厚からの算術計算値と符号する。
結晶子サイズは、好ましくは50Å〜450Å(5nm〜45nm)、より好ましくは100Å〜350Å(10nm〜35nm)である。粒子板径・板厚の分布は通常狭いほど好ましい。数値化は困難であるが粒子TEM写真より500粒子を無作為に測定する事で比較できる。分布は正規分布ではない場合が多いが、計算して平均サイズに対する標準偏差で表すとσ/平均サイズ=0.1〜2.0である。粒子サイズ分布をシャープにするには粒子生成反応系をできるだけ均一にすると共に、生成した粒子に分布改良処理を施すことも行われている。たとえば酸溶液中で超微細粒子を選別的に溶解する方法等も知られている。
飽和磁化σsは40emu/g〜80emu/g(40A・m2/kg〜80A・m2/kg)である。σsは高い方が好ましいが微粒子になるほど小さくなる傾向がある。σs改良のためマグネトプランバイトフェライトにスピネルフェライトを複合すること、含有元素の種類と添加量の選択等がよく知られている。またW型六方晶フェライトを用いることも可能である。
磁性体のpHも分散に重要である。通常4〜12程度で分散媒、ポリマーにより最適値があるが、媒体の化学的安定性、保存性から6〜10程度が好ましく選択される。磁性体に含まれる水分も分散に影響する。分散媒、ポリマー(結合剤)により最適値があるが、好ましくは0.01%〜2.0%である。
本発明に用いることができる窒化鉄粒子は、Fe及びNを少なくとも構成元素とした球状又は回転楕円状の窒化鉄系磁性体であることが好ましい。ここで、「球状」とは粒子径の最大長/最小長の比が1以上2未満である粒子を意味し、「回転楕円体」とは粒子径の最大長/最小長の比が2以上4未満である粒子を意味する。
球状又は楕円状磁性体としては、Fe16N2を主相とする窒化鉄系の強磁性粉末が好ましい。Fe、N原子以外にAl、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、B、Ge、Nbなどの原子を含んでもかまわない。Feに対するNの含有量は1.0原子%〜20.0原子%が好ましい。
窒化鉄粒子は球状又は楕円状が好ましく、長軸径/短軸径の軸比は1〜2が好ましい。BET比表面積(SBET)が30m2/g〜100m2/gであることが好ましく、より好ましくは50m2/g〜70m2/gである。結晶子サイズは12nm〜25nmであることが好ましく、より好ましくは13nm〜22nmである。
飽和磁化σsは50A・m2/kg(50emu/g)〜200A・m2/kg(200emu/g)が好ましい。更に好ましくは70A・m2/kg(70emu/g)〜150A・m2/kg(150emu/g)である。
本発明において、磁性層に用いることができる結合剤としては、従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物が使用される。
熱可塑性樹脂としては、ガラス転移温度が好ましくは−100℃〜150℃、数平均分子量が好ましくは1,000〜200,000、より好ましくは10,000〜100,000、重合度が好ましくは50〜1,000である。
このような例としては、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、アクルリ酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、スチレン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチラール、ビニルアセタール、ビニルエーテル、等を構成単位として含む重合体又は共重合体、ポリウレタン樹脂、各種ゴム系樹脂が挙げられる。
前記ポリウレタン系バインダーとしては、ポリエステルウレタン、ポリエーテルウレタン、ポリカーボネートウレタン、ポリエーテルエステルウレタン、アクリル系ポリウレタン等を好適に用いることができる。前記のポリウレタン系バインダーは上記潤滑剤との親和性が高く表面潤滑剤量を最適な範囲に制御することができるため好ましい。
結合剤が有していてもよい極性基は、スルホン酸塩、スルファミン酸塩、スルホベタイン、リン酸塩、ホスホン酸塩などが好ましい。極性基の量は1×10-5eq/g〜2×10-4eq/gが好ましい。
潤滑剤と結合剤との親和性が適度であると、結合剤と潤滑剤とが完全に分子レベルで相溶せず、潤滑剤は上層(磁性層)に移行することができるため好ましい。
本発明の磁気記録媒体における磁性層は、研磨剤を含有することが好ましい。
研磨剤としては無機質非磁性粉末が使用できる。無機質非磁性粉末としては、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物等の無機質化合物から選択することができる。無機質化合物としては例えば、α化率90%〜100%のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、窒化珪素、チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化珪素、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、硫酸バリウム、二硫化モリブデンなどを単独又は組み合わせて使用することができる。特に好ましいのは、α−アルミナ、べんがら、酸化クロムである。
本発明に用いることができる研磨剤は、磁性層表面に存在している研磨剤の突出高さ分布であるH15/H10が、上記範囲になるように、種類、量、粒径、組み合わせ、形状等を種々変えて使用する。
研磨剤を1種のみ使用する場合、本発明で使用する研磨剤の平均粒径は、0.05μm〜0.4μmのものが好ましく、0.1μm〜0.3μmのものがより好ましい。また、平均粒径より0.1μm以上大きい粒径の粒子が1%以上40%以下存在していることが好ましく、5%以上30%以下であることがより好ましく、10%以上20%以下であることが最も好ましい。この研磨剤単体での粒子サイズは、実際の磁性層表面に存在している研磨剤粒子の粒子サイズに影響は与えるが等しくはない。磁性層表面に存在する研磨剤粒子の粒子サイズは研磨剤の分散条件等よっても変化するし、塗布乾燥工程でも磁性層表面に出やすい粒子と出にくい粒子がある。
また、2種の研磨剤それぞれの分散条件を変えて、粒子サイズを制御することもできる。例えば研磨剤Aをあらかじめ結合剤と溶剤とともに分散しておき、これと、粉体のままの研磨剤Bを、別途結合剤と溶剤とともに混練処理した強磁性金属粉末の混練処理液に添加して、分散処理を行えば、研磨剤Aと研磨剤Bで分散処理条件を違えることができる。すなわち、Bに比べてAは強く分散される。研磨剤粉末のタップ密度は、好ましくは0.05g/ml〜2g/ml、より好ましくは0.2g/ml〜1.5g/mlである。
研磨剤粉末の含水率は、好ましくは0.05重量%〜5重量%、より好ましくは0.2重量%〜3重量%である。研磨剤の比表面積は、好ましくは1m2/g〜100m2/g、より好ましくは5m2/g〜50m2/gである。DBPを用いた吸油量は、好ましくは5ml/100g〜100ml/100g、より好ましくは10ml/100g〜80ml/100gである。比重は、好ましくは1〜12、より好ましくは3〜6である。形状は針状、球状、多面体状、板状のいずれでもよい。これらの研磨剤の表面は、当該研磨剤の主成分とは異なる化合物で、その少なくとも一部が被覆されていてもよい。この例として、Al2O3、SiO2、TiO2、ZrO2、SnO2、Sb2O3、ZnOを挙げることができる。特にAl2O3、SiO2、TiO2、ZrO2を用いると分散性が良好になる。これらは組み合わせて使用してもよいし、単独で用いてもよい。
本発明の磁気記録媒体における磁性層には、必要に応じて添加剤を加えることができる。添加剤としては、分散剤・分散助剤、防黴剤、帯電防止剤、酸化防止剤、溶剤、カーボンブラック、などを挙げることができる。また、添加剤として、前記炭酸エステル以外の潤滑剤を併用してもよい。
これら添加剤としては、例えば、二硫化タングステン、グラファイト、フッ化黒鉛、シリコーンオイル、極性基を持つシリコーン、脂肪酸変性シリコーン、フッ素含有シリコーン、フッ素含有アルコール、フッ素含有エステル、ポリオレフィン、ポリグリコール、ポリフェニルエーテル、フェニルホスホン酸、ベンジルホスホン酸基、フェネチルホスホン酸、α−メチルベンジルホスホン酸、1−メチル−1−フェネチルホスホン酸、ジフェニルメチルホスホン酸、ビフェニルホスホン酸、ベンジルフェニルホスホン酸、α−クミルホスホン酸、トルイルホスホン酸、キシリルホスホン酸、エチルフェニルホスホン酸、クメニルホスホン酸、プロピルフェニルホスホン酸、ブチルフェニルホスホン酸、ヘプチルフェニルホスホン酸、オクチルフェニルホスホン酸、ノニルフェニルホスホン酸等の芳香族環含有有機ホスホン酸及びそのアルカリ金属塩、オクチルホスホン酸、2−エチルヘキシルホスホン酸、イソオクチルホスホン酸、イソノニルホスホン酸、イソデシルホスホン酸、イソウンデシルホスホン酸、イソドデシルホスホン酸、イソヘキサデシルホスホン酸、イソオクタデシルホスホン酸、イソエイコシルホスホン酸等のアルキルホスホン酸及びそのアルカリ金属塩、リン酸フェニル、リン酸ベンジル、リン酸フェネチル、リン酸α−メチルベンジル、リン酸1−メチル−1−フェネチル、リン酸ジフェニルメチル、リン酸ビフェニル、リン酸ベンジルフェニル、リン酸α−クミル、リン酸トルイル、リン酸キシリル、リン酸エチルフェニル、リン酸クメニル、リン酸プロピルフェニル、リン酸ブチルフェニル、リン酸ヘプチルフェニル、リン酸オクチルフェニル、リン酸ノニルフェニル等の芳香族リン酸エステル及びそのアルカリ金属塩、リン酸オクチル、リン酸2−エチルヘキシル、リン酸イソオクチル、リン酸イソノニル、リン酸イソデシル、リン酸イソウンデシル、リン酸イソドデシル、リン酸イソヘキサデシル、リン酸イソオクタデシル、リン酸イソエイコシル等のリン酸アルキルエステル及びそのアルカリ金属塩、アルキルスルホン酸エステル及びそのアルカリ金属塩、フッ素含有アルキル硫酸エステル及びそのアルカリ金属塩、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ステアリン酸ブチル、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、エルカ酸等の炭素数10以上24以下の不飽和結合を含んでも分岐していてもよい一塩基性脂肪酸及びこれらの金属塩、又は、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸アミル、ステアリン酸イソオクチル、ミリスチン酸オクチル、ラウリル酸ブチル、ステアリン酸ブトキシエチル、アンヒドロソルビタンモノステアレート、アンヒドロソルビタンジステアレート、アンヒドロソルビタントリステアレート等の炭素数10以上24以下の不飽和結合を含んでも分岐していてもよい一塩基性脂肪酸と炭素数2以上22以下の不飽和結合を含んでも分岐していてもよい1価以上6価以下のアルコール、炭素数12以上22以下の不飽和結合を含んでも分岐していてもよいアルコキシアルコール又はアルキレンオキサイド重合物のモノアルキルエーテルのいずれか1つとからなるモノ脂肪酸エステル、ジ脂肪酸エステル又は多価脂肪酸エステル、炭素数2以上22以下の脂肪酸アミド、炭素数8以上22以下の脂肪族アミンなどが使用できる。また、上記炭化水素基以外にもニトロ基及びF、Cl、Br、CF3、CCl3、CBr3等の含ハロゲン炭化水素等炭化水素基以外の基が置換したアルキル基、アリール基、アラルキル基を持つものでもよい。
これらの添加物の具体例としては、例えば、日本油脂社製:NAA−102、ヒマシ油硬化脂肪酸、NAA−42、カチオンSA、ナイミーンL−201、ノニオンE−208、アノンBF、アノンLG、竹本油脂社製:FAL−205、FAL−123、新日本理化社製:エヌジェルブOL、信越化学社製:TA−3、ライオンアーマー社製:アーマイドP、ライオン社製:デュオミンTDO、日清製油社製:BA−41G、三洋化成社製:プロファン2012E、ニューポールPE61、イオネットMS−400等が挙げられる。
カーボンブラックの種類はゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を用いることができる。放射線硬化層のカーボンブラックは所望する効果によって、以下のような特性を最適化すべきであり、併用することでより効果が得られることがある。
次に、非磁性層に関する詳細な内容について説明する。
本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体と磁性層との間に、非磁性粉末を結合剤に分散させた少なくとも1層の非磁性層を有していてもよい。
結合剤としては、上記の磁性層の結合剤と同じ樹脂であることが好ましい。
非磁性層に使用する非磁性粉末は、無機物質でも有機物質でもよい。また、非磁性層には非磁性粉末と共に、必要に応じてカーボンブラックを混合してもよい。
本発明における非磁性層に用いられる無機粉末は、非磁性粉末であり、例えば、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物等の無機質化合物から選択することができる。
α−酸化鉄(ヘマタイト)は以下のような諸条件の基で実施される。即ち、本発明に用いることができるα−Fe2O3粒子粉末は、通常の(1)第一鉄水溶液に等量以上水酸化アルカリ水溶液を加えて得られる水酸化第一鉄コロイドを含む懸濁液をpH11以上にて80℃以下の温度で酸素含有ガスを通気して酸化反応を行うことにより針状ゲータイト粒子を生成させる方法、(2)第一鉄塩水溶液と炭酸アルカリ水溶液とを反応させて得られるFeCO3を含む懸濁液に酸素含有ガスを通気して酸化反応を行うことにより紡錘状を呈したゲータイト粒子を生成させる方法、(3)第一鉄塩水溶液に等量未満の水酸化アルカリ水溶液又は炭酸アルカリ水溶液を添加して得られる水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩水溶液に酸素含有ガスを通気して酸化反応を行うことにより針状ゲータイト核粒子を生成させ、次いで、該針状ゲータイト核粒子を含む第一鉄塩水溶液に、該第一鉄塩水溶液中のFe2+に対し等量以上の水酸化アルカリ水溶液を添加した後、酸素含有ガスを通気して前記針状ゲータイト核粒子を成長させる方法、及び(4)第一鉄水溶液と等量未満の水酸化アルカリ又は炭酸アルカリ水溶液を添加して得られる水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩水溶液に酸素含有ガスを通気して酸化反応を行うことにより針状ゲータイト核粒子を生成させ、次いで、酸性乃至中性領域で前記針状ゲータイト核粒子を成長させる方法等により得られた針状ゲータイト粒子を前駆体粒子とする。
用いられるAl化合物は酢酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム等のアルミニウム塩やアルミン酸ソーダ等のアルミン酸アルカリ塩を使用することができる。
この場合のAl化合物添加量はα−Fe2O3粒子粉末に対してAl換算で0.01重量%〜50重量%である。上記範囲であると、結合剤樹脂中における分散が十分であり、粒子表面に浮遊するAl化合物同士が少なく、Al化合物同士が相互作用しにくいため好ましい。
また、水系ばかりでなく酸化チタン粉体にAlCl3、SiCl4の蒸気を通じその後水蒸気を流入してAl、Si表面処理を施すことも可能である。その他の顔料の製法については、G. D. Parfitt and K. S. W. Sing "Characterization of Powder Surfaces", Academic Press, 1976を参考にすることができる。
非磁性層の結合剤、潤滑剤、分散剤、添加剤、溶剤、分散方法その他は、磁性層のそれが適用できる。特に、結合剤量、種類、添加剤、分散剤の添加量、種類に関しては磁性層に関する公知技術が適用できる。
本発明に用いることのできる非磁性支持体としては、二軸延伸を行ったポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリアミド等の公知のものが挙げられる。これらの中でもポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミドが好ましい。
これらの支持体はあらかじめコロナ放電、プラズマ処理、易接着処理、熱処理などを行ってもよい。また、本発明に用いることのできる非磁性支持体の表面粗さはカットオフ値0.25mmにおいて中心平均粗さRa3nm〜10nmが好ましい。
本発明の磁気記録媒体には、平滑化層を設けてもよい。平滑化層とは、非磁性支持体表面の突起を埋めるための層であり、非磁性支持体上に磁性層を設けた磁気記録媒体の場合は非磁性支持体と磁性層の間、非磁性支持体上に非磁性層及び磁性層をこの順に設けた磁気記録媒体の場合には非磁性支持体と非磁性層の間に設けられる。
平滑化層は、放射線硬化型化合物を放射線照射により硬化させて形成することができる。放射線硬化型化合物とは、紫外線又は電子線などの放射線を照射すると重合又は架橋を開始し、高分子化して硬化する性質を有する化合物をいう。
一般に、コンピュータデータ記録用の磁気テープは、ビデオテープ、オーディオテープに比較して繰り返し走行性が強く要求される。このような高い保存安定性を維持させるために、非磁性支持体の非磁性層及び磁性層が設けられた面とは反対の面にバックコート層を設けることもできる。バックコート層用塗料は、研磨剤、帯電防止剤などの粒子成分と結合剤とを有機溶媒に分散させる。粒状成分として各種の無機顔料やカーボンブラックを使用することができる。また、結合剤としては、例えば、ニトロセルロース、フェノキシ樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン等の樹脂を単独又はこれらを混合して使用することができる。
本発明で用いられる磁気記録媒体の構成において、非磁性支持体の好ましい厚さは、3μm〜80μmである。また、非磁性支持体と非磁性層又は磁性層の間に平滑化層を設けた場合、平滑化層の厚さは0.01μm〜0.8μmであることが好ましく、0.02μm〜0.6μmであることがより好ましい。また、非磁性支持体の非磁性層及び磁性層が設けられた面とは反対側の面に設けられたバックコート層の厚さは、0.1μm〜1.0μmであることが好ましく、0.2μm〜0.8μmであることがより好ましい。
本発明で用いられる磁気記録媒体の磁性層塗布液を製造する工程は、少なくとも混練工程、分散工程、及び、これらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程からなる。個々の工程はそれぞれ2段階以上に分かれていてもかまわない。本発明で用いられる六方晶フェライト強磁性粉末又は強磁性金属粉末、非磁性粉末、結合剤、カーボンブラック、研磨材、帯電防止剤、潤滑剤、溶剤などすべての原料はどの工程の最初又は途中で添加してもかまわない。また、個々の原料を2つ以上の工程で分割して添加してもかまわない。例えば、ポリウレタンを混練工程、分散工程、分散後の粘度調整のための混合工程で分割して投入してもよい。本発明の目的を達成するためには、従来の公知の製造技術を一部の工程として用いることができる。混練工程ではオープンニーダ、連続ニーダ、加圧ニーダ、エクストルーダなど強い混練力をもつものを使用することが好ましい。ニーダを用いる場合は磁性粉末又は非磁性粉末と結合剤のすべて又はその一部(但し、全結合剤の30%以上が好ましい)及び磁性体100重量部に対し15重量部〜500重量部の範囲で混練処理されることが好ましい。これらの混練処理の詳細については特開平1−106338号公報、特開平1−79274号公報に記載されている。また、磁性層用液及び非磁性層用液を分散させるには、ガラスビーズを用いることができる。このようなガラスビーズは、高比重の分散メディアであるジルコニアビーズ、チタニアビーズ、スチールビーズが好適である。これら分散メディアの粒径と充填率は最適化して用いられる。分散機は公知のものを使用することができる。
乾燥風の温度、風量、塗布速度を制御することで塗膜の乾燥位置を制御できるようにすることが好ましく、塗布速度は20m/分〜1,000m/分、乾燥風の温度は60℃以上が好ましい。また磁石ゾーンに入る前に適度の予備乾燥を行うこともできる。
カレンダ処理ロールとしてはエポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の耐熱性プラスチックロールを使用する。また金属ロールで処理することもできる。本発明の磁気記録媒体は、表面の中心面平均粗さが、カットオフ値0.25mmにおいて0.1nm〜4.0nmの範囲であることが好ましく、0.5nm〜3.0nmの範囲という極めて優れた平滑性を有する表面であることがより好ましい。その方法として、例えば上述したように特定の強磁性粉末と結合剤を選んで形成した磁性層を上記カレンダ処理を施すことにより行われる。カレンダ処理条件としては、カレンダーロールの温度を60℃〜100℃の範囲とすることが好ましく、より好ましくは70℃〜100℃の範囲、特に好ましくは80℃〜100℃の範囲であり、圧力は100kg/cm〜500kg/cmの範囲とすることが好ましく、より好ましくは200kg/cm〜450kg/cmの範囲であり、特に好ましくは300kg/cm〜400kg/cmの範囲である。
本発明の磁気記録媒体における磁性層の飽和磁束密度は、好ましくは100mT〜300mT(1,000G〜3,000G)である。また磁性層の抗磁力(Hr)は、好ましくは143.3kA/m〜318.4kA/m(1,800 Oe〜4,000 Oe)であるが、より好ましくは159.2kA/m〜278.6kA/m(2,000 Oe〜3,500 Oe)である。抗磁力の分布は狭い方が好ましく、SFD及びSFDrは0.6以下、更に好ましくは0.2以下である。
磁性層中に含まれる残留溶媒は好ましくは100mg/m2以下、更に好ましくは10mg/m2以下である。塗布層が有する空隙率は非磁性層、磁性層とも好ましくは30容量%以下、更に好ましくは20容量%以下である。空隙率は高出力を果たすためには小さい方が好ましいが、目的によってはある値を確保した方がよい場合がある。例えば、繰り返し用途が重視されるディスク媒体では空隙率が大きい方が保存安定性は好ましいことが多い。
本発明の磁気記録媒体は、磁気記録媒体に磁気記録された信号を再生するヘッドについては特に制限はないが、MRヘッドのために用いることが好ましい。本発明の磁気記録媒体の再生にMRヘッドを用いる場合、MRヘッドには特に制限はなく、例えばGMRヘッドやTMRヘッドを用いることもできる。また、磁気記録に用いるヘッドは特に制限されないが、飽和磁化量が1.0T以上であることが好ましく、1.5T以上であることがより好ましい。
(実施例1)
〔潤滑剤Aの合成例〕
フラスコに、1−テトラデカノール86部、ヘキサン264部及びピリジン35部を入れ、撹拌しながら冷却した。このフラスコに更に冷却と撹拌を続けながらクロロギ酸2−エチルヘキシル42部を2時間かけて滴下した。更にこのフラスコ内部を撹拌しながら、室温に出して6時間経過させた。この反応液に水を加えて撹拌し、静置して分液漏斗を用いて水層を廃棄し、メタノールを加えて撹拌、静置、メタノール相を分離する操作を3回繰り返した。残ったヘキサン溶液を減圧濃縮し、135部の無色透明液体である潤滑剤Aの粗製物が得られた。
この液体をヘキサンで2倍希釈して、カラムクロマトグラフィーで精製し、ヘキサン溶液を減圧濃縮することで、77部の潤滑剤Aが得られた。
〔潤滑剤B及びCの合成例〕
実施例1の1−テトラデカノールを1−ヘキサデカノール、1−ドデカノールに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、潤滑剤B及びCを得た。
〔潤滑剤D及びEの合成例〕
実施例1のクロロギ酸2−エチルヘキシルをクロロギ酸2−メチルプロピル、クロロギ酸2−メチルブチルに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、潤滑剤D及びEを得た。
〔潤滑剤F及びGの合成例〕
実施例1の1−テトラデカノールを1−ドデカノールに、クロロギ酸2−エチルヘキシルをクロロギ酸2−メチルプロピル、クロロギ酸2−メチルブチルに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、潤滑剤F及びGを得た。
〔潤滑剤H及びIの合成例〕
実施例1の1−テトラデカノールを1−オクタデカノールに、クロロギ酸2−エチルヘキシルをクロロギ酸ブチル、クロロギ酸メチルに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、潤滑剤H及びIを得た。
〔潤滑剤Jの合成例〕
実施例1の1−テトラデカノールを1−オクタデカノールに、クロロギ酸2−エチルヘキシルをクロロギ酸2−エチルヘキシルに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、潤滑剤Jを得た。
〔潤滑剤Kの合成例〕
実施例1の1−テトラデカノールを1−オクタデカノールに、クロロギ酸2−エチルヘキシルを2−エチルヘキシルカルボン酸塩化物に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、潤滑剤Kを得た。
潤滑剤A及びB、潤滑剤H乃至KについてはDSC(変温速度−5℃/min)により、融点測定を行った。潤滑剤Aは−23℃、潤滑剤Bは−3℃であった。
潤滑剤E乃至Gについては−5℃に設定した恒温槽中に24時間放置後、恒温槽内にて5分間振とうし、液体状態を保持していることを確認した。
<上層用磁性液の調製>
強磁性金属粉末(Co/Fe=30原子%、Hc:2,350エルステッド(187kA/m)、SBET:55m2/g、表面処理層:Al2O3,SiO2、Y2O3、平均長軸長:50nm、平均針状比:7、σs:120A・m2/kg)100部をオープンニーダーで10分間粉砕し、次いで、
カーボンブラック(平均粒径80nm) 2部
塩化ビニル樹脂(MR−110;日本ゼオン(株)製) 10部
ポリエステルポリウレタン(UR8300;東洋紡績(株)製) 6部(固形分)
メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=1/1 60部
を加えて60分間混練した。この混練物にオープンニーダーを運転しながら、
メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=1/1 200部
を6時間かけて添加した。次いで、
α−Al2O3分散液(固形分40%) 20部
を加えてサンドグラインダーで120分間分散した。更に、
ポリイソシアネート 4部(固形分)
(コロネート3041;日本ポリウレタン工業(株)製)
ステアリン酸 1部
表中の潤滑剤 2部
ステアリン酸アミド 0.2部
トルエン 50部
を加えて20分間撹拌混合した。その後、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、磁性塗料を調製した。
<下層用非磁性液の調製>
酸化チタン(平均粒径0.035μm、結晶型ルチル、TiO2含有量90%以上、表面処理層;アルミナ、SBET35m2/g乃至42m2/g、真比重4.1、pH6.5乃至8.0)85部、及びカーボンブラック(ケッチェンブラックEC;日本EC製)15部をオープンニーダーで10分間粉砕し、次いで
塩化ビニル系共重合体(MR110;日本ゼオン(株)製) 17部
スルホン酸含有ポリウレタン樹脂 10部(固形分)
(UR8200;東洋紡績(株)製)
シクロヘキサノン 60部
を添加して60分間混練し、次いで
メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=6/4 200部
を加えてサンドミルで120分間分散した。これに表1の潤滑剤と
ポリイソシアネート 5部(固形分)
(コロネート3041;日本ポリウレタン工業(株)製)
ステアリン酸 1部
表中の潤滑剤 2部
オレイン酸 1部
メチルエチルケトン 50部
を加え、更に20分間撹拌混合したあと、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、非磁性塗料を調製した。
1.耐久性、保存安定性
テープの摺動耐久性を5℃、湿度80%環境下で磁性層面をAlTiC製の円柱棒に接触させて荷重100g(T1)をかけ、2m/secの摺動速度で繰り返し10,000パスまで摺動を行ったあとのテープダメージで評価した。なお、評価は以下のランクで行った。
また、LTO−G3カートリッジ用のリールにテ−プを600m巻いた状態で60℃、湿度90%で6ヶ月保存した。保存後のテ−プも同様に評価した。
優秀:ややキズが見られるが、キズのない部分の方が多い。
良好:キズがない部分よりもキズがある部分の方が多い。
不良:磁性層が完全に剥離している。
Claims (6)
- R1がβ位にて分岐した構造である請求項1に記載の炭酸エステル。
- R1が2−メチルプロピル基、2−メチルブチル基及び2−エチルヘキシル基よりなる群から選択された請求項1又は2に記載の炭酸エステル。
- R2が炭素数12以上16以下の直鎖構造である請求項1〜3いずれか1つに記載の炭酸エステル。
- 非磁性支持体上に、
強磁性粉末を結合剤中に分散した少なくとも一層の磁性層を有し、
該磁性層が請求項1〜4いずれか1つに記載の炭酸エステルを含有することを特徴とする
磁気記録媒体。 - 非磁性層を支持体上に、
非磁性粉末を結合剤中に分散した非磁性層を有し、
該非磁性層上に強磁性粉末を結合剤中に分散した少なくとも一層の磁性層を設けた磁気記録媒体であって、
該非磁性層及び/又は該磁性層が請求項1〜4いずれか1つに記載の炭酸エステルを含有することを特徴とする
磁気記録媒体。
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