JP2008238129A - 汚泥の炭化処理設備 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】脱水汚泥を乾燥処理後、炭化炉10にて炭化処理する汚泥の炭化処理設備において、炭化炉10からの排ガスを乾燥用の熱源として乾燥機54に供給するようになす。また乾燥機54として、脱水汚泥の一部と予め生成させた脱水汚泥の乾燥粉との混合物を破砕して破砕物に熱風を吹き付け、熱風の気流により破砕物を搬送するとともに乾燥して乾燥粉となす気流式乾燥機を用い、サイクロン分離機72で乾燥粉を分離して取り出す。そして乾燥粉の一部に脱水汚泥の残りの一部を加えて混合し、炭化処理に適した乾燥汚泥としてこれを炭化炉10に供給する。
【選択図】 図1
Description
この排水処理に伴って余剰の有機物含有の下水汚泥が発生するが、排水処理量の増加とともに下水汚泥の発生量も年々増加し、その処理処分が大きな問題となっている。
下水汚泥を処分するに際し、その下水汚泥には多量の水が含有されていてそのままでは処分できず、そこで減量化のために濃縮及び脱水処理したり、或いは更に焼却したり、溶融したりするなど様々な処理が現在施されている。
そこでエネルギー消費の少ない下水汚泥の処理の方法の一つとして、下水汚泥を乾留処理により炭化することが提案されている。
この炭化処理は、下水汚泥が基質中に炭素分を45質量%程度含んでいることから、焼却,溶融処理のように汚泥中の炭素分を消費してしまうのでなく、汚泥を無酸素或いは低酸素状態で熱分解(炭化)することにより炭素分を残留させ、新しい組成を持つ炭化物(炭化製品)として生成させるものである。
その後この脱水汚泥を乾燥機内部に投入して、そこで含水率25〜45%程度(通常は40%程度)まで乾燥する。
この乾燥処理では、汚泥の乾燥を行うとともに、これをその後の炭化処理に適した適正粒度、例えば10mm程度の大きさの団子状の粒とする造粒を併せて行う。
そしてこのようにして得た乾燥汚泥を炭化炉内に投入し、これを炭化炉内で乾留処理して汚泥を炭化製品とし、炭化炉から排出する。
図中200は熱風発生炉で、脱水汚泥を乾燥するための熱源となる熱風がここで発生せしめられる。
201は受入ホッパであり、含水率80%程度まで脱水された脱水汚泥が、この受入ホッパ200に先ず受け入れられる。
ここに受け入れられた脱水汚泥は、中継ホッパ202を経て定量供給装置204,搬送装置205により造粒機を兼ねた乾燥機206へと送られ、ここで所定の含水率、具体的には40%程度の含水率まで乾燥処理されるとともに、粒径10mm程度の団子状の粒に造粒される。
この撹拌軸210からは複数の撹拌羽根212が放射状に延び出している。
一方、回転ドラム208の内周面には、周方向に所定間隔で複数の板状のリフター214が回転ドラム208と一体回転する状態で設けられている。
その結果として、回転ドラム208内部の汚泥(脱水汚泥)は回転ドラム208の回転に伴って、リフター214により底部から上方に持ち上げられ、そしてその頂部近くで自重により落下する。
落下した汚泥は、その下側に位置する撹拌羽根212の高速回転により細かく砕かれ、回転ドラム208の底部側へと落下する。
そしてこの回転ドラム208の傾斜勾配により、更には撹拌羽根212による破砕及びその際の飛散作用によって、汚泥が回転ドラム208内部を適正な粒度に造粒されながら軸方向に漸次送られて行く。
このようにして乾燥機206で乾燥及び造粒処理された後の乾燥汚泥は、続いて搬送装置216,220により中継ホッパ218を経て炭化炉222へと搬送され、そこで10mm程度の適正な粒度に造粒された含水率40%程度の団子状の乾燥汚泥が乾留処理により炭化される。
すると乾燥汚泥中に含まれていた可燃ガスが、レトルト226に設けられた吹出パイプ232を通じて外熱室230の雰囲気中に抜け出し、そしてこの可燃ガスが着火して以後はその可燃ガスの燃焼によりレトルト226内部の汚泥の加熱が行われる。
この段階で助燃バーナ228は燃焼停止される。
この排ガス処理室234には排ガス処理室用バーナ236が設けられており、排ガス処理室234内に導かれた排ガス中の未燃ガスが、この排ガス処理室用バーナ236にて2次燃焼される。
一方炭化炉222から排出された排ガスは、図3に示しているように熱交換器を経て煙突から大気に放出される。
この種の汚泥の炭化処理設備は、例えば下記特許文献1,特許文献2に開示されている。
この特許文献3に開示のものによれば、熱風発生炉200の設置を不要化でき、従って熱風発生炉200に要する設備コストを削減することができるとともに、熱風発生炉200の省略によって設備全体を小型化でき、併せて熱風発生炉200での熱風発生によるランニングコストを低減することが可能となる。
ここで脱水汚泥の含水率は前述したように80%程度である。一方乾燥粉はその含水率が10%〜20%程度(通常15%以下程度)である。
このときの脱水汚泥と乾燥粉との混合の比率は、混合物の含水率が乾燥機による乾燥に適した含水率となるように調節する。
乾燥のための所要時間は秒単位であり、ほぼ一瞬の極めて短時間で混合物を乾燥処理することが可能である。
即ちこの発明では、脱水汚泥の乾燥粉が乾燥機と分離機とを通る循環路を循環移動せしめられる。この循環移動は、上記のように乾燥機に投入される脱水汚泥の含水率を、乾燥に適した含水率とするための含水率調整の意味を有している。
但し脱水汚泥を乾燥粉とした状態のまま、これを炭化炉に供給すると、炭化炉での炭化処理を良好に行うことができない。
そこで本発明では、炭化炉への供給用の乾燥粉に対し脱水汚泥の残りの一部を混合することによって、炭化炉での炭化処理に適した40%程度の含水率に水分調整し、且つ炭化炉での処理に適した、大きさが10mm程度の団子状の粒となして乾燥汚泥とする。
そしてその上でこれを炭化炉に通してそこで炭化処理し、最終的に炭化製品となすものである。
この効果は、炭化炉での処理に適した大きさの粒に造粒する造粒機としての働きを乾燥機に持たせず、純粋に乾燥のための機能だけを持たせるようにし、これに応じて乾燥機では脱水汚泥よりも含水率を少なくした混合物を細かく破砕し、熱風吹付けと熱風による気流搬送で微細な乾燥粉となるまで乾燥するようになしたことによりもたらされる効果である。
従って脱水汚泥を一旦乾燥粉としているにも拘わらず、後の炭化工程で良好にこれを炭化処理することができる。
また乾燥機での乾燥のための所要熱エネルギーを少なくでき、ランニングコストを従来に増して低減することができる。
図1において、10は外熱式ロータリキルン型の炭化炉で、その構造及び働きは図5に示したものと同様である。
即ちこの炭化炉10は、炉体12の内部に乾留容器としての円筒形状のレトルト14を有しており、このレトルト14の図中左端側の内部に、含水率が40%程度に調節された乾燥汚泥が投入される。
投入された乾燥汚泥は、先ず炉体12内部に配設された助燃バーナ16による外熱室18内部の雰囲気加熱によって加熱される。
すると乾燥汚泥中に含まれていた可燃ガスが、レトルト14に設けられた吹出パイプ20を通じて外熱室18の雰囲気中に抜け出し、そしてこの可燃ガスが着火して以後はその可燃ガスの燃焼によりレトルト14内部の汚泥の加熱が行われる。
この段階で助燃バーナ16は燃焼停止される。
排ガス処理室24には排ガス処理室用バーナ26が設けられており、排ガス処理室24内に導かれた排ガス中の未燃ガスが、この排ガス処理室用バーナ26にて2次燃焼される。
この実施形態では、排気口28から排出された炭化炉10からの排ガスが排ガス供給路30を通じて後述の乾燥機54に、乾燥用の熱源(熱風)として供給される。
ここに受け入れられた脱水汚泥は、その一部(ここでは全体の85%程度)が中継ホッパ34を経て定量供給装置36,搬送装置38により混合機(第1混合機)40に送られる。
そして混合機40に供給された脱水汚泥の一部と、サイクロン分離機72から供給された乾燥粉の一部とがこの混合機40で互いに混合される。
そして軸方向端部の出口から、十分に混合した脱水汚泥と乾燥粉との混合物を排出する。排出された混合物はフィーダ52にて乾燥機54内部に供給される。
このケーシング56の内部且つ下部には、図2(A)に示しているように破砕部58が設けられている。
破砕部58は一対の回転軸60,62と、それぞれ放射状に固設された破砕羽根64,66を有しており、それらが高速回転することによって、フィーダ52にて乾燥機54のケーシング56内部に供給された上記の混合物、即ち脱水汚泥と乾燥粉との混合物を細かく破砕する。
吹き込まれた熱風は、脱水汚泥と乾燥粉との混合物の破砕物に対し勢い良く吹き付けられ、かかる破砕物が熱風の上向きの気流によりケーシング56内部を上方に搬送され、そしてその過程で混合物に対する乾燥が行われる。
尚このとき排出される気流(排ガス)の温度は、ここでは約100℃程度である。
また乾燥粉の粒度は75〜590μmの範囲で、その平均粒度は350μmである。但しこれは篩にかけた後の粒度であって、その篩の目開きは最小75μm,最大590μmである。
そして分離された乾燥粉が図中下向きに落下せしめられて、その一部が再び混合機40へと供給される。
このときの混合物における含水率の調節は、脱水汚泥と乾燥粉との混合の比率によって簡単に調節することができる。
即ちサイクロン分離機72からの乾燥粉が乾燥機54側と炭化炉10側とに分配される。
従ってここでは分配ダンパ75が、サイクロン分離機72からの乾燥粉を乾燥機54側と炭化炉10側とに分配する分配手段を構成している。
この混合機78もまたパドルミキサーから成るものであって、その構造は基本的に混合機40と同様であり、一対の回転軸44,46と、それらに固設されたミキシング羽根48,50を有しており、それらの回転によって乾燥粉と搬送装置79にて搬送されてきた脱水汚泥とを混合する。
即ち乾燥機54で乾燥された後の乾燥粉は、そのままでは炭化炉10における炭化処理用として適したものではなく、直接にこれを炭化炉10へと供給することはできない。
その後の乾燥汚泥の炭化処理については先に述べた通りである。
尚、触媒脱臭による脱臭を効率的に行うためには排ガスを加熱する必要がある。サイクロン分離機72から排出された排ガスの温度は300℃に満たない低い温度であり、そこでこれを加熱し、300℃程度の温度まで昇温させた上で触媒脱臭による脱臭を行う。
尚この灯油タンク92の灯油は炭化炉10での燃焼用としても供給される。
また乾燥機54での乾燥のための所要熱エネルギーを少なくでき、ランニングコストを従来に増して低減することができる。
更に本実施形態では、乾燥粉と脱水汚泥とを混合して炭化炉10への供給用の乾燥汚泥となす際、それらの混合の比率を単に変えるだけで簡単に乾燥汚泥の含水率を適正な含水率に調節することができる。
40 混合機(第1混合手段)
54 乾燥機
72 サイクロン分離機
74,76 ロータリバルブ
78 混合機(第2混合手段)
Claims (2)
- 有機物含有汚泥を脱水処理した後の脱水汚泥を乾燥機に通して乾燥処理し、乾燥汚泥を炭化炉に通して炭化処理し、炭化製品とする汚泥の炭化処理設備において
前記炭化炉からの排ガスを乾燥用の熱源とし、該排ガスを前記乾燥機に熱風として供給するようになすとともに
該乾燥機として、前記脱水汚泥の一部に該脱水汚泥の乾燥粉を加えた混合物を破砕して破砕物に前記熱風を吹き付け、該熱風の気流により該破砕物を搬送するとともに乾燥して前記乾燥粉となし、気流とともに排出する気流式乾燥機を用い
更に
(イ)前記脱水汚泥の一部と前記乾燥粉とを混合し、前記乾燥機への供給用の前記混合物を生成する第1混合手段と
(ロ)該乾燥機から排出された前記乾燥粉を前記気流から分離する分離機と
(ハ)該分離機からの前記乾燥粉の一部を前記乾燥機への供給用に、残りの一部を前記炭化炉への供給用に分ける分配手段と
(ニ)該炭化炉への供給用に分けられた前記乾燥粉の残りの一部に前記脱水汚泥の残りの一部を加えて混合し、前記炭化炉への供給用の乾燥汚泥となす第2混合手段と
を設け、該第2混合手段による混合後の前記乾燥汚泥を前記炭化炉に通して炭化処理するようになしたことを特徴とする汚泥の炭化処理設備。 - 請求項1において、前記分離機がサイクロン分離機であることを特徴とする汚泥の炭化処理設備。
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