JP2008237195A - 微小繊維状セルロースを含有する加工食品 - Google Patents

微小繊維状セルロースを含有する加工食品 Download PDF

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Abstract

【課題】
微小繊維状セルロースを含有する加工食品であって、クリーミィさ、白さ、ボディ感、さらに、ショート感に優れた加工食品を提供することである。特に卵や油を用いないマヨネーズ様食品に適した微小繊維状セルロースを含有する加工食品を提供することである。
【解決手段】
10重量%濃度(セルロース固形分換算)で水に懸濁させた懸濁液の白色度(JIS P8148)が70〜100%であり、かつ5重量%濃度(セルロース固形分換算)で水に懸濁させた懸濁液の粘度が300〜800mPa・sである微小繊維状セルロースを含有する加工食品とすることにより、前記課題を達成する。
【選択図】なし

Description

本発明は、微小繊維状セルロースを含有する加工食品に関する。マーガリンやマヨネーズ、ヨーグルト、クリーム等のクリーミィかつ滑らかな食感が求められる食品や、さらには、卵や油脂を含まないマヨネーズ風加工食品などにおいて優れた外観(白色度)、ボディ感(硬さ)、ショート感(切れ感)等を有する加工食品に関する。
セルロースは、天然に大量に存在する生物資源であり、その物理的・化学的安定性、親水性、無味無臭性、無害性、カーボンニュートラルなどの点から、工業的に使用される機会が多くなってきている。
特に食品分野では、純粋な食物繊維であり、その生理効果を期待する風潮が浸透してきたこと、カロリー値がほとんどゼロであるためローカロリー食品ができること、耐熱特性を向上させた加工食品が製造できること、また保水性、安定性、分散性、乳化性などの利点を生かして、多くの加工食品に使用されている。
マヨネーズなどは、クリーミィな食感を得るために、粉末セルロースを添加することが知られている。例えば、特許第3208205号公報(特許文献1)では、微小繊維状セルロースのみでは、口の中で咀嚼する際にボソボソ感があるが、特定のサイズの微粒化セルロースを添加すると、ボソボソ感が改善されることが開示されている。しかしながら、特許文献1に記載の食品では、ボソボソ感の改善は見られるものの、粉末セルロースを多く添加しているために、高い白色度が得られず、食品としての重要な要素である、料理の見栄えが悪く食欲をそそらない、という問題点を有する。
一方、現代の健康ブームの流れにのり、最近では、卵や油を含まないマヨネーズの代替品、すなわちマヨネーズ様(タイプ)の加工食品が市場に出回っている。
特開2005−295821号公報(特許文献2)では、架橋でんぷんを使用したマヨネーズ様食品が開示されている。しかしながら、前記同様、白色度が不足している上に、ボディ感やショート感が不足しており、満足感の得られる食品とはいえない。
特許第3208205号公報 特開2005−295821号公報
従って、本発明の目的は、微小繊維状セルロースを含有する加工食品であって、クリーミィ感、白色度、ボディ感、さらには、ショート感を向上させた加工食品を提供することである。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、特定の粘度、特定の白色度を有する微小繊維状セルロース、さらに、特定の曳糸性を満たす微小繊維状セルロースを加工食品に含有させることにより、本発明の課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、
(1)10重量%濃度(セルロース固形分換算)で水に懸濁させた懸濁液の白色度(JIS P8148)が70〜100%であり、かつ5重量%濃度(セルロース固形分換算)で水に懸濁させた懸濁液の粘度が300〜800mPa・sである微小繊維状セルロースを含有する加工食品であって、さらに、
(2)微小繊維状セルロースの曳糸性が0.1〜10mmであることを特徴とする加工食品である。
(3)前記加工食品はさらに水溶性高分子を含有していてもよく、
(4)卵及び油を含有しない加工食品、
(5)特にマヨネーズ様食品が含まれる。また、
(6)加工食品に含有される微小繊維状セルロースの量が、0.02〜20重量%(セルロース固形分換算)であって、
(7)微小繊維状セルロースが、セルロース繊維を水または有機溶媒に分散し、高圧ホモジナイザーを用いて少なくとも3×10N/cmの圧力差で小径オリフィスを通過させ、器壁に衝突させて急速に減速させることにより得られたものである、加工食品を提供するものである。
本発明によれば、微小繊維状セルロースを含有する加工食品において、滑らかな食感(クリーミィ)でかつ白色度が向上し(見栄えがよく、食欲をそそる)、さらには、ボディ感、ショート感を向上させた加工食品を提供することができる。
本発明の微小繊維状セルロースを構成するセルロースとしては、β−1,4−グルカン構造を有する多糖類である限り、特に制限されず、例えば、高等植物由来のセルロース[例えば、木材繊維(針葉樹、広葉樹などの木材パルプなど)、種子毛繊維(コットンリンター、ボンバックス綿、カポックなど)、ジン皮繊維(例えば、麻、コウゾ、ミツマタなど)、葉繊維(例えば、マニラ麻、ニュージーランド麻など)などの天然セルロース繊維(パルプ繊維)など]、動物由来のセルロース(ホヤセルロースなど)、バクテリア由来のセルロース、化学的に合成されたセルロース(再生セルロース(レーヨン、セロファンなど)などのセルロース誘導体なども含む)などが挙げられる。なお、前記セルロースは、用途に応じて、α−セルロースの含有量の高い高純度セルロース、例えば、α−セルロース含有量70〜100重量%(例えば、95〜100重量%)、好ましくは98〜100重量%程度であってもよい。前記セルロースは、単独でまたは二種以上組み合わせて使用してもよい。
上記セルロースのうち、木材繊維(針葉樹、広葉樹などの木材パルプなど)、コットンリンターなどの種子毛繊維などが好ましい。
微小繊維状セルロースはセルロース繊維をミクロフィブリル化することにより製造することができる。原料のセルロース繊維としては、前記セルロースに対応するセルロース繊維が使用できる。なお、原料セルロース繊維として、パルプを用いる場合、パルプは機械的方法で得られたパルプ(砕木パルプ、リファイナ・グランド・パルプ、サーモメカニカルパルプ、セミケミカルパルプ、ケミグランドパルプなど)、または化学的方法で得られたパルプ(クラフトパルプ、亜硫酸パルプなど)などであってもよく、必要に応じて叩解(予備叩解)処理された叩解繊維(叩解パルプなど)であってもよい。原料のセルロース繊維は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用してもよい。なお、セルロース繊維は、慣用の精製処理、例えば、脱脂処理などが施された繊維(例えば、脱脂綿など)であってもよい。
セルロースのミクロフィブリル化は、セルロース繊維を慣用の方法、例えば、叩解処理、ホモジナイズ処理することなどにより行うことができる。叩解によりミクロフィブリル化する場合、慣用の叩解機、例えばビーター、ジョルダン、コニカルリファイナー、シングルディスクリファイナー、ダブルディスクリファイナーなどにより叩解することにより微小繊維状セルロースを得ることができる。
本発明では、通常、セルロース繊維をホモジナイズ処理することにより微小繊維状セルロースを製造する場合が多い。なお、必要により、セルロース繊維を上記のような方法により叩解処理(予備叩解処理)した後、ホモジナイズ処理してもよい。
より詳細には、セルロース繊維を、攪拌等により水などの媒体中に分散させ、この分散液(又は懸濁液)をホモジナイズ処理する。なお、繊維の切断が生じないような条件で、個々の繊維にほぐすように媒体に分散させるのが好ましい。
繊維を分散させる媒体としては、繊維に化学的又は物理的損傷を与えず、繊維が媒体中に分散できる限り特に制限されず、例えば、水、有機溶媒(アルコール類(メタノール、エタノール、2−プロパノールなどのC1−4アルカノールなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトンなどのC1−5アルキルケトン、シクロヘキサノンなど)、エーテル類(テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどの環状又は鎖状C4−6エーテルなど)、芳香族炭化水素系(トルエン、キシレンなど)、ハロゲン系炭化水素類など)などが使用できる。これらの媒体は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用してもよい。これらの媒体のうち、生産性、コストなどの点から水が好適であり、必要により、水と水性有機溶媒(C1−4アルカノール、アセトン)との混合溶媒を用いてもよい。
分散液中のセルロース繊維の濃度(固形分濃度)は、0.01〜50重量%、好ましくは0.05〜30重量%、さらに好ましくは0.1〜20重量%程度であってもよい。
尚、分散処理は、慣用の手段、例えば、機械的攪拌手段(攪拌棒、攪拌子など)、超音波分散機などで行ってもよい。
ホモジナイズ処理では、前記分散液を慣用の均質化装置(ホモジナイザー、特に高圧ホモジナイザー)に供することにより、繊維をミクロフィブリル化する。
高圧ホモジナイザーによるセルロース繊維のミクロフィブリル化は、前記分散液を0〜80℃、好ましくは1〜50℃(1〜30℃)、さらに好ましくは15〜25℃(常温)の温度で仕込み、3×10〜10×10N/cm、好ましくは3.5×10〜8×10N/cm、さらに好ましくは4×10〜7×10N/cmの圧力差で高速で小径オリフィスを通過させ、器壁に衝突させて急速に減速させることによりセルロース繊維にせん断力を与える操作を、3〜30回、好ましくは4〜20回、さらに好ましくは5〜10回の回数繰り返し行い、スラリー状懸濁液を得る。尚、このような高圧ホモジナイザーによるフィブリル化の詳細は、例えば特公昭60−19921号公報などを参照できる。また、前記スラリー状懸濁液を、さらに慣用の脱液方法、例えば、濾過、圧搾、遠心分離などにより脱液してもよい。以上のようにして本発明の微小繊維状セルロースを得ることができる。
尚、ミクロフィブリル化されるセルロースの形態として、繊維状のものについて上記説明したが、粉末状、顆粒状など繊維状以外の形態であってもよい。
次に前記のようにして得られた微小繊維状セルロースについて説明する。
本発明の微小繊維状セルロースの白色度は、10重量%濃度(セルロース固形分換算)で水に懸濁させた懸濁液を、白色度計(日本電色工業(株)製NW−1)で測定したbrightnessで表される値であって、70〜100%、好ましくは75〜98%、さらに好ましくは85〜98%である。白色度は、加工食品における見た目の美しさ(見栄え)から食欲を引き起こさせる重要な因子であり、白色度の値が大きいほど白さが強いことを示す。前記白色度は、JIS P8148に準拠して測定した値である。
また、微小繊維状セルロースの粘度は、5重量%濃度(セルロース固形分換算)で水に懸濁させた懸濁液を、B型粘度計(25℃、ローターNo.4、60rpm)での1分後の値であって、300〜800mPa・s、好ましくは350〜750mPa・s、さらに好ましくは400〜700mPa・sである。粘度は加工食品におけるボディ感・ボソボソ感に影響する。
また、微小繊維状セルロースの曳糸性は、曳糸性試験機(安田精機(株)製)にて、19mmφの球形アダプタを、微小繊維状セルロース固形分5重量%水懸濁液に浸漬させ、60mm/minのスピードで前記懸濁液中から引き上げた時の懸濁液の切れる距離を測定したものであって、0.1〜10mm、好ましくは0.5〜8mm、更に好ましくは1〜6mmである。曳糸性はショート感として官能評価を代表する数値の指標となり、曳糸性が高いと加工食品のショート感が不足し、まったりした舌触りとなる。尚、曳糸性もまた、加工食品中のボソボソ感に影響するものと思われる。
次に本発明の微小繊維状セルロースを含有する加工食品について説明する。
本発明の微小繊維状セルロースは、加工食品に添加されて使用されるが、加工食品中に含まれる微小繊維状セルロースは、セルロース固形分換算で0.02〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%、さらに好ましくは0.2〜5重量%である。また、水溶性高分子、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、キサンタンガム、タマリンドシードガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、グアガム、ローカストビーンガム、アラビアガム、プルラン、澱粉などを併用して加工食品に添加してもよい。前記水溶性高分子は各種食品に応じたボディ感、曳糸性などを調整することができ、なかでも、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、澱粉が好ましく用いられる。また前記水溶性高分子は、単独で又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。加工食品に含まれるその他の成分としては、特に規定するものではないが、通常食品に含まれる成分、例えば、水、たんぱく質、油脂類、添加物類などで構成される。
本発明における特定の微小繊維状セルロースを用いることによって、その他のセルロース、例えば、微粒化セルロース等を併用しなくても、クリーミィさ(ボソボソ感がない)に優れた加工食品を提供することができ、かつ白色度が向上し(見栄えがよく、食欲をそそる)、さらには、ボディ感、ショート感を向上させた加工食品を提供することができる。
本発明は、特定の微小繊維状セルロースを含有する加工食品であれば、マヨネーズ、ドレッシング、ヨーグルト、クリーム、ソース類、プリン、麺類など限定されるものではないが、最近の健康ブームに対応した、卵や油を使用しない食品、特にマヨネーズ様食品において非常に適した外観ならびに食感が示される。
例えば、卵及び油を使用しないマヨネーズ様食品の場合、微小繊維状セルロース、水、でんぷん(例えば、馬鈴薯でんぷん、米でんぷん、とうもろこしでんぷん、タピオカでんぷん、小麦でんぷん、アマランサスでんぷん、さといもでんぷん、各種加工でんぷんなど)、有機酸(例えば、醸造酢、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、フマル酸、酢酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、柑橘果汁など)、塩、必要に応じてその他水溶性高分子(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、ローカストビーンガム、キサンタンガム、ジェランガム、ネイティブジェランガム、寒天、カラギナン、タマリンドガムなど)などで構成され、その他に本発明の効果を損なわない範囲で、各種添加剤(香辛料、着色剤、香料等)が使用されてもよい。
前記マヨネーズ様食品における、微小繊維状セルロースの配合量は、セルロース固形分換算で、0.1〜10重量%、好ましくは0.2〜5重量%、さらに好ましくは0.3〜3重量%、また、水の配合量は、50〜95重量%、好ましくは60〜90重量%、さらに好ましくは70〜85重量%である。でんぷんの配合量は、0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜25重量%、さらに好ましくは1〜20重量%である。有機酸の配合量は、0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量%、さらに好ましくは1〜15重量%である。その他の水溶性高分子の配合量は、0.05〜10重量%、好ましくは0.1〜7重量%、さらに好ましくは0.1〜5重量%程度である。
本発明の微小繊維状セルロースを含有する加工食品の白色度、粘度、曳糸性は、その他の配合成分、使用量等にも関係するため、限定されるものではないが、例えば、本発明の微小繊維状セルロース、酢、食塩、馬鈴薯でんぷん、水(カルボキシメチルセルロースナトリウム塩を含んでもよい)で構成されるマヨネーズ様食品の白色度は、10〜40%、好ましくは11〜30%、さらに好ましくは12〜20%であり、非常に白く、見栄えのするマヨネーズ様食品を提供することができる。尚、加工食品の白色度は、濃度調整することなしに加工食品そのものを用いたこと以外は、前記微小繊維状セルロースの時と同様にして測定した値を示す。
また、マヨネーズ様食品の粘度は、4000〜10000mPa・s、好ましくは4500〜9000mPa・s、さらに好ましくは5000〜8000mPa・s程度である。尚、加工食品の粘度は、濃度調製することなしに加工食品そのものを用いたこと以外は、前記微小繊維状セルロースの時と同様にして測定した値を示す。
また、マヨネーズ様食品の曳糸性は、1.0〜15.0mm、好ましくは3.0〜14.0mm、さらに好ましくは5.0〜13.0mm程度である。尚、加工食品の曳糸性についても、濃度調製することなしに加工食品そのものを用いたこと以外は、前記微小繊維状セルロースの時と同様にして測定した値を示す。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
尚、特に断りのない限り、配合比率%は重量基準である。また、微小繊維状セルロース(1)〜(3)の表1における比率は固形分の比率を示す。
微小繊維状セルロースの白色度、粘度、曳糸性は、以下の方法で測定した。
(白色度)
微小繊維状セルロースを10重量%濃度(セルロース固形分換算)で水に懸濁させた懸濁液の状態を、白色度計(日本電色工業(株)製NW−1)で測定した(brightnessで表される)。JIS P8148に準拠して測定した値である。
(粘度)
微小繊維状セルロースを5重量%濃度(セルロース固形分換算)で水に懸濁させた懸濁液の状態において、B型粘度計(25℃、ローターNo.4、60rpm)で1分後に測定した。
(曳糸性)
また、微小繊維状セルロースの曳糸性は、曳糸性試験機(安田精機(株)製)にて、19mmφの球形アダプタを、微小繊維状セルロース固形分5重量%水懸濁液に浸漬させ、60mm/minのスピードで前記懸濁液中から引き上げた時の懸濁液の切れる距離を測定した。
マヨネーズ様加工食品の白色度、粘度、曳糸性、繊維感は、以下の方法で測定した。
(白色度)
マヨネーズ様加工食品そのままの状態を、白色度計(日本電色工業(株)製NW−1)で測定した(brightnessで表される)。JIS P8148に準拠して測定した値である。
(粘度)
マヨネーズ様加工食品そのままの状態を、B型粘度計(25℃、ローターNo.4、60rpm)で1分後に測定した。
(曳糸性)
また、マヨネーズ様加工食品の曳糸性は、曳糸性試験機(安田精機(株)製)にて、19mmφの球形アダプタを、マヨネーズ様加工食品中に浸漬させ、60mm/minのスピードで前記食品中から引き上げた時の液の切れる距離を測定した。
(繊維感(ボソボソ感))
マヨネーズ様加工食品5gを口に入れ、1分間咀嚼した時にヨレを感じるかどうかを官能評価した。官能評価は、不特定の10人を選抜して行い、以下の5段階の基準で数値化を行い、平均を算出した。
1・・・全くヨレを感じない
2・・・1と3の間の感じ
3・・・若干ヨレを感じる
4・・・3と5の間の感じ
5・・・ざらつきを感じる
微小繊維状セルロース(1)を以下の方法で調製し、白色度、粘度、曳糸性を測定した。尚、微小繊維状セルロース(2)及び(3)については市販品の前記各物性値を測定した。
<微小繊維状セルロース(1)>
市販のパルプに水を加え湿式粉砕機で粉砕処理した後、高圧ホモジナイザーで4.1×10N/cmの圧力をかけて小径オリフィスを通過させ、装置内壁に被処理液を衝突させた。オリフィスと内壁への衝突を8回繰り返し、スラリー状懸濁液を得た。次いで脱水を行った。
上記のようにして得られた微小繊維状セルロース(1)は固形分20重量%、10重量%濃度白色度84.4%、5重量%粘度500mPa・s、曳糸性4.0mmであった。
<微小繊維状セルロース(2)>
ダイセル化学工業(株)製、セリッシュFD−100E(固形分20重量%)を用いて各物性値を測定したところ、10重量%濃度白色度78.0%、5重量%粘度1000mPa・s、曳糸性3.6mmであった。
<微小繊維状セルロース(3)>
ダイセル化学工業(株)製、セリッシュFD−100G(固形分10重量%)を用いて各物性値を測定したところ、10重量%濃度白色度は82.0%であった。5重量%粘度及び曳糸性は、ケーキ状になるため、測定不能であった。
[実施例1]
総量400gとなるように、表1に示す配合比%で原料を秤量し混合した。ホモディスパー(特殊機化工業社製 TKホモディスパーFモデル)にて5000rpmで3分間攪拌し、その後約80〜84℃に加温し10分間攪拌した。攪拌終了後、20℃に調温し、3時間後に各物性値を測定した。結果を表2に示す。
[実施例2、比較例1〜4]
表1に示す配合比%で原料を用いた以外は、実施例1と同様に行った。各物性値を表2に示す。尚、カルボキメチルセルロースナトリウム塩はあらかじめ水に溶解したものを混合した。表1に示すカルボキシメチルセルロースナトリウム塩の配合比の値は水に溶解する前の値を示し、前記溶解水は水の配合比の値に含まれる。
[比較例5]
微小繊維状セルロース(1)の代わりに粒径30μmの粉末セルロース(日本製紙社製、KCフロックW300G)を表1に示す配合比%で用いた以外は実施例1と同様に行った。
Figure 2008237195
Figure 2008237195
表2から明らかなように、実施例は、比較例1、2に比べて大幅に繊維感が改善され、白色度も向上している。比較例3は曳糸性、白色度に問題があり、比較例4は繊維感があり、白色度も劣る。また、比較例5は粘度が低く、ボディ感がなく、白色度においても劣る。
本発明は、クリーミィさ、白さ、ボディ感、さらに、ショート感に優れた微小繊維状セルロースを含有する加工食品に関する。

Claims (7)

  1. 10重量%濃度(セルロース固形分換算)で水に懸濁させた懸濁液の白色度(JIS P8148)が70〜100%であり、かつ5重量%濃度(セルロース固形分換算)で水に懸濁させた懸濁液の粘度が300〜800mPa・sである微小繊維状セルロースを含有することを特徴とする加工食品。
  2. 微小繊維状セルロースの曳糸性が0.1〜10mmであることを特徴とする請求項1記載の加工食品。
  3. さらに水溶性高分子を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の加工食品。
  4. 卵及び油を含有しないことを特徴とする請求項1〜3何れか1項に記載の加工食品。
  5. 加工食品がマヨネーズ様食品であることを特徴とする請求項4記載の加工食品。
  6. 加工食品に含有される微小繊維状セルロースの量が0.02〜20重量%(セルロース固形分換算)である請求項1〜5何れか1項に記載の加工食品。
  7. 微小繊維状セルロースが、セルロース繊維を水または有機溶媒に分散し、高圧ホモジナイザーを用いて少なくとも3×10N/cmの圧力差で小径オリフィスを通過させ、器壁に衝突させて急速に減速させることにより得られたものであることを特徴とする請求項1記載の加工食品。
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