JP2008235012A - セラミックヒータ - Google Patents

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【課題】高温環境下で粒界相中の金属イオンの移動を防ぐことができ、かつ耐腐食性及び高温特性に優れているセラミックヒータを提供すること。
【解決手段】モリブデンの珪化物、窒化物及び炭化物、並びに、タングステンの珪化物、窒化物及び炭化物のうち、少なくとも1種を主成分とする発熱体と、窒化珪素を主成分とし、かつ希土類元素を酸化物換算で4〜25質量%含有し、かつアルミニウム成分を窒化アルミニウム換算で0.02〜1質量%含有し、かつ全酸素量に対する希土類元素の酸素量の比が0.3〜0.6であり、かつモリブデン、バナジウム、タングステン及びクロムから成る群より選ばれる少なくとも1種の珪化物を1〜8体積%含有する基体とを備え、前記基体の表面には、希土類元素のモノシリケート及び/又はダイシリケートが主結晶相であり、前記発熱体が前記基体に埋設されて成ることを特徴とするセラミックヒータ。
【選択図】図1

Description

この発明は、セラミックヒータに関し、特に詳しくは、高温環境下で粒界相中の金属イオンの移動を防ぐことができ、かつ耐腐食性及び高温特性に優れているセラミックヒータに関する。
特許文献1には、「窒化物系セラミックスより成る母材に、該母材より大なる熱膨張係数を有する金属の炭化物、珪化物、窒化物、硼化物のうちの一種以上を、体積比で1%以上、5%未満含有して成り、その体積固有抵抗が10Ω・cm以上であり、かつ常温での絶縁破壊強さが1kV/mm以上であることを特徴とするセラミック焼結体」が記載されている。
また、特許文献2には、「無機導電材から成る発熱抵抗体を希土類元素及び酸化珪素を含有して成る窒化珪素質焼結体中に埋設したセラミック発熱体において、前記窒化珪素質焼結体は希土類元素を酸化物換算した含有量と、酸素量から換算した酸化珪素(SiO)の含有量とのモル比が1.0〜2.5であることを特徴とするセラミック発熱体」が記載されている。
特許文献1及び2に記載されるような、セラミック焼結体と発熱体とを備えるヒータは、ディーゼルエンジン等に使用されている。ところで、例えばヒータが繰り返して高温状態及び常温状態に曝される場合に、セラミック焼結体と発熱体との熱膨張量及び熱収縮量の差から、セラミック焼結体に亀裂が生じる、又は、セラミック焼結体が高温環境下に曝されることにより、粒界相中の金属イオンが移動してセラミック焼結体の強度が低下する等のおそれがあった。更に、ヒータをディーゼルエンジンに使用すると、エンジンに潤滑剤として使用されるところのカルシウム成分等を含有するエンジンオイルが、ヒータを設置した箇所に侵入し、セラミックヒータにエンジンオイルが付着して、該エンジンオイル中のカルシウム成分等によって、セラミック焼結体が腐食してしまうこともあった。よって、高温特性及び耐腐食性に優れているヒータが望まれていた。
特開平10−25162号公報 特許第2735725号
この発明が解決しようとする課題は、強度を低下させ得る高温環境下での粒界相中の金属イオンの移動を防ぐことができ、かつ耐腐食性及び高温特性に優れているセラミックヒータを提供することである。
前記課題を解決するための手段として、
請求項1は、モリブデンの珪化物、窒化物及び炭化物、並びに、タングステンの珪化物、窒化物及び炭化物のうち、少なくとも1種を主成分とする発熱体と、
窒化珪素を主成分とし、かつ希土類元素を酸化物換算で4〜25質量%含有し、かつアルミニウム成分を窒化アルミニウム換算で0.02〜1質量%含有し、かつ全酸素量に対する希土類元素の酸素量の比が0.3〜0.6であり、かつモリブデン、バナジウム、タングステン及びクロムから成る群より選ばれる少なくとも1種の珪化物を1〜8体積%含有する基体とを備え、
前記基体の表面には、希土類元素のモノシリケート及び/又はダイシリケートが主結晶相であり、
前記発熱体が前記基体に埋設されて成ることを特徴とするセラミックヒータであり、
請求項2は、前記基体は、2〜10体積%の炭化珪素を含有することを特徴とする請求項1に記載のセラミックヒータであり、
請求項3は、前記基体の熱膨張係数が、3.3〜4.0×10−6/Kであることを特徴とする請求項1又は2に記載のセラミックヒータである。
この発明は、特に環境の変化に曝され易い基体が、強度低下の原因と成り得る高温環境下での粒界相中の金属イオンの移動を抑制することができ、かつカルシウム成分等によっては腐食しない耐腐食性と、連続して高温状態を保持しても強度が低下せず、温度の昇降によっても強度が低下しない等の優れた高温特性とを有するセラミッヒータを提供することができる。
この発明のセラミックヒータは、発熱体と基体とを備えて成る。
前記発熱体は、モリブデンの珪化物、窒化物及び炭化物、並びに、タングステンの珪化物、窒化物及び炭化物のうち、少なくとも1種を主成分とし、かつ後述の基体に埋設される。
前記発熱体は、モリブデンの珪化物、窒化物及び炭化物、並びに、タングステンの珪化物、窒化物及び炭化物のうち、少なくとも1種を主成分としていることにより、例えば1200℃以上程度の高温環境下にも耐え得る耐熱性を有する。耐熱性を有する発熱体は、この発明のセラミックヒータをディーゼルエンジン等の高温に曝される環境で用いることができるので、好ましい。
前記基体は、窒化珪素を主成分とし、かつ希土類元素を酸化物換算で基体の全質量に対して4〜25質量%含有し、かつアルミニウム成分を窒化アルミニウム換算で基体の全質量に対して0.02〜1質量%含有し、かつ全酸素量に対する希土類元素の酸素量の比が0.3〜0.6であり、かつモリブデン、バナジウム、タングステン及びクロムから成る群より選ばれる少なくとも1種の珪化物を基体の全体積に対して1〜8体積%含有する基体とを備え、かつ基体の表面には希土類元素のモノシリケート及び/又はダイシリケートが主結晶相として存在している。
この発明のセラミックヒータに使用される希土類元素としては、「無機化学命名法 IUPAC 1990年勧告」(1993年3月26日発行 訳・著者 山崎一雄)に記載の周期律表第3族元素(ランタノイド元素を含む)を挙げることができる。
前記基体が、希土類元素を酸化物換算で4〜25質量%、好ましくは6〜15質量%含有することにより、基体の焼成時の焼結性が改善すると共に、基体の熱膨張係数を向上させることができる。これにより、発熱体と基体との熱膨張係数の差を小さくすることができ、熱膨張及び熱収縮に起因する熱応力で基体に亀裂が発生する状態を防止できる。希土類元素の含有量が酸化物換算で4質量%未満の場合には、焼成時にうまく焼結しないことがあり、また熱膨張係数が向上し難いので、基体に熱応力で亀裂が発生する等の状態を生じることがある。これに対して、希土類元素の含有量が酸化物換算で25質量%を超える場合には、熱膨張係数は向上することが期待できるが、希土類元素、珪素、窒素及び酸素から成る結晶相が生成し易く、該結晶相の存在により耐酸化性が低下してしまう。希土類元素、珪素、窒素及び酸素から成る結晶相としては、例えばJ相(一例としてEr4Siが挙げられる。)、H相(一例としてEr20Si1248が挙げられる。)、メリライト相(一例としてErSiが挙げられる。)等を挙げることができる。
基体の希土類元素の含有量を測定する方法としては、適宜の測定方法を採用することができるが、例えば波長分散型X線検出器により定量し、希土類酸化物に換算して算出する方法等を挙げることができる。
前記基体が、アルミニウム成分を窒化アルミニウム換算で0.02〜1質量%、好ましくは0.2〜0.8質量%含有することにより、基体に耐腐食性を付加することができ、特にエンジンオイル等に含まれるカルシウム成分等により基体が腐食される状態を抑制することができる。アルミニウム成分の含有量が窒化アルミニウム換算で0.02質量%未満の場合には、基体の十分な耐腐食性を得ることができず、またアルミニウム成分の含有量が窒化アルミニウム換算で1質量%を超える場合には、高温環境下での基体の強度が低下してしまうことがある。更に言うと、前記基体において、環境の変化に最も曝され易い基体の表面部が、アルミニウム成分を窒化アルミニウム換算で0.02〜1質量%含有していると、耐腐食性を発揮し易くなり好ましい。この発明のセラミックヒータの基体においては、基体を形成する際に、窒化アルミニウムを原料として所定割合で用いることにより、窒化アルミニウム換算の含有量でアルミニウム成分を含有することができる。ここで、窒化アルミニウム換算でアルミニウム成分の含有量を規定するのは、原料として、酸化アルミニウム単体ではなく、窒化アルミニウムを主として用いるからである。アルミニウム成分として、窒化アルミニウムを主として用いた方が、例えば1350〜1400℃付近の高温環境下で液相を生じ難くなり、基体自体の強度の低下を抑制することができる。好ましくは、アルミニウム成分として、窒化アルミニウムと酸化アルミニウムとを両方用いるのが良い。窒化アルミニウム単体を用いるのに比べて、酸化アルミニウムも用いることにより、基体の焼結性が向上し、基体と発熱材との焼結性及び焼結挙動を一致させ易くなり、結果として焼結過程でのセラミックヒータの歪みを抑制することができる。もっとも、アルミニウム成分として、酸化アルミニウムを単体で用いることも可能である。但し、その場合1350〜1400℃の高温環境下で液相が生じ易くなる。なお、エンジンオイルに含まれるカルシウム成分等による腐食に対しては、アルミニウム成分が含有していることにより基体に耐腐食性を付加することができ、窒化アルミニウム又は酸化アルミニウムの単体を用いたとしても、同様の耐腐食性を得ることができる。
基体の希土類元素の含有量を測定する方法としては、適宜の測定方法を採用することができるが、例えば上述の基体に含まれる希土類元素の量を測定する方法と同様に、波長分散型X線検出器により定量し、窒化アルミニウムに換算して算出する方法等を挙げることができる。
前記基体において、全酸素量に対する希土類元素の酸素量の比が0.3〜0.6、好ましくは、0.35〜0.50であることにより、この発明のセラミックヒータに通電した際に印加電圧で基体の粒界相中の金属イオン、例えばアルミニウム金属イオン又は希土類元素金属イオン等が移動する現象(以下、「マイグレーション」と称することがある。)を抑制することができ、該マイグレーションの抑制により、セラミックヒータ内でのクラック又は断線等の不具合の発生を抑制することができるので、好ましい。
基体の全酸素量に対する希土類元素の酸素量の比を算出するには、先ず、基体の全酸素量と希土類元素の酸素量とを測定し、得られる2つの値の比を導出すればよい。基体の全酸素量は、適宜の測定方法を用いて測定することができるが、例えば基体を粉砕した粉末を加熱溶融することにより発生する酸素を、一酸化炭素として赤外線検出器で測定する等の測定方法を用いて測定することができる。また、希土類元素の酸素量は、上述のように希土類元素の含有量を算出する際に希土類酸化物として換算しているので、この希土類酸化物の酸素分を希土類元素の酸素量として算出することができる。
前記基体が、モリブデン、バナジウム、タングステン及びクロムから成る群より選ばれる少なくとも1種の珪化物を1〜8体積%、好ましくは、2〜7体積%含有することにより、基体の熱膨張係数を向上させることができる。これにより、発熱体と基体との熱膨張係数の差を小さくすることができ、熱応力で基体に亀裂が発生する状態を防止できる。モリブデン、バナジウム、タングステン及びクロムから成る群より選ばれる少なくとも1種の珪化物の含有量が1質量%未満の場合には、熱膨張係数が向上し難いので、基体に熱応力で亀裂が発生する等の状態を生じることがある。これに対して、モリブデン、バナジウム、タングステン及びクロムから成る群より選ばれる少なくとも1種の珪化物の含有量が8質量%を超える場合には、モリブデン、バナジウム、タングステン又はクロム成分の凝集を起こすことがあるので、部位によって熱膨張係数にムラが生じることとなり、強度の低下を起こすおそれがある。なお、珪化物の含有量を体積%で規定しているのは、基体を焼成する際に、珪化物は固溶体として含有していることが多いので、珪化物の正確な質量%を算出することが困難なことが多いからである。
基体のモリブデン、バナジウム、タングステン及びクロムから成る群より選ばれる少なくとも1種の珪化物の含有量を測定する方法としては、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)で珪化物を特定し、珪化物が占める面積の比率を定量化して体積%に換算する方法等を挙げることができる。
前記基体が、基体の表面には希土類元素のモノシリケート及び/又はダイシリケートが主結晶相として存在していることにより、基体の耐熱性を向上させることができる。この結晶相において、希土類元素のモノシリケートとしては、例えばErSiOを挙げることができ、更に希土類元素のダイシリケートとしては、例えばErSiを挙げることができる。
基体の表面の結晶相を同定する方法としては、例えばX線分析装置及びJCPDSカードチャートを用いて同定する方法等を挙げることができる。ここで、この発明のセラミックヒータの基体において、希土類元素のモノシリケート及び/又はダイシリケートが存在する基体の表面とは、基体の表面からX線分析装置で結晶相を同定できる程度の深さまでの部位を示し、少なくとも基体の表面に希土類元素のモノシリケート及び/又はダイシリケートが存在していればよいと判断することにする。
更に、この発明のセラミックヒータの基体が、上述の化合物を含有するだけでなく、これに加えて2〜10体積%の炭化珪素を含有することより、1350〜1400℃の高温環境下にも耐え得る基体の強度が得られると共に、基体の熱膨張係数を向上させることができる。これにより、発熱体と基体との熱膨張係数の差を小さくすることができ、熱応力で基体に亀裂が発生する状態を防止できる。炭化珪素の含有量が2体積%未満の場合には、熱膨張係数が向上し難いので、基体の高温特性が向上し難い。これに対して、炭化珪素の含有量が10体積%を超える場合には、基体の焼成時の焼結性が向上し難いことがあり、また、基体の絶縁性の低下を招くおともある。
基体の炭化珪素の含有量を測定する方法としては、適宜の測定方法を採用することができるが、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)で炭化珪素を特定し、炭化珪素が占める面積の比率を定量化して体積%に換算する方法する方法等を挙げることができる。
この発明のセラミックヒータの基体は、その熱膨張係数が3.3〜4.0×10−6/Kの範囲内であることが好ましい。基体の熱膨張率が3.3〜4.0×10−6/Kであると、基体と発熱体との熱膨張係数の差が小さくなるので、熱応力によって基体にクラック等の不具合が生じるのを防ぐことができる。基体の熱膨張率は、基体を形成する際に原料として用いる希土類元素、珪化物、炭化珪素及び基体に含まれる酸素量等により調整することができる。具体的には、例えば、希土類元素、珪化物及び炭化珪素の含有量の増加、並びに、基体に含まれる全酸素量の減少によって基体の熱膨張係数を大きくすることができる。
基体の熱膨張係数を測定する方法としては、例えば石英のような標準試料と測定する基体とを常温から1000℃に変化させた場合の標準試料及び基体の長さを、温度変化前の長さと比べて熱膨張率を算出する方法を挙げることができる。
この発明のセラミックヒータに用いられる発熱体は、種々の形成方法によって形成することができるが、例えば上述の材料を主成分として焼結助剤等の添加物を添加した混合物を粉末状態にし、粉末状態の混合物とバインダ等とを混練した後に、射出成形によって形成する方法等を挙げることができる。
この発明のセラミックヒータに用いられる基体も、種々の形成方法によって形成することができるが、例えば加圧成形等の方法を用いて形成することができる。また、前記発熱体を基体中に埋設するには、次のような方法を用いることができる。例えば、先ず基体の半径方向における断面の面積が半分程度になるように設計された金型により、所定の基体を軸線に沿って半割状態にした成形体を加圧成形で成形し、該半割状態の基体に発熱体を設置した後に、発熱体を設置した基体の残りの半分を金型に充填して成形することにより、基体に発熱体を埋設する方法を挙げることができる。更に別の方法としては、予め形成しておいた発熱体を、基体を成形する金型中に配置し、該金型中の発熱体の周囲に基体の材料を充填して加圧成形する方法も採用することができる。
以下に、この発明のセラミックヒータの一実施例を、図面を用いて説明する。
図1に示されるように、この発明の一実施例であるセラミックヒータ1は、発熱体2及び基体3を備えている。また、セラミックヒータ1には外筒4、電極取出部5a及び5b、電極円筒体6、導線7及び金具8が付設されている。基体3は絶縁性を有しており、発熱体2は、その形状がU字状を有すると共に、長手方向の部位が略平行に前記基体3に埋設されている。また、図1に示される発熱体2には、一対の電極取出部5a及び5bが外周方向に突設され、かつ電極取出部5a及び5bは基体3の外周面に露出している。一方の電極取出部5aは、基体3の一端部に該基体3を囲繞するように設けられた電極円筒体6に接触しており、他方の電極取出部5bは、基体3の中央周側面を囲繞するように設けられた外筒4に接触している。更に、電極円筒体6からは電極円筒体6に接触する導線7が延在し、外筒4からは外筒4に接触する金具8が延在している。これにより発熱体2と外筒4と電極円筒体6と導線7と金具8とは、電気的に導通している。発熱体2の電極取出部5a及び5bは、セラミックヒータ1の軸線方向における位置が相違しているが、発熱体2に導電することができる限り、電極取出部5a及び5bの位置に特に制限はない。図1には図示しないが、導線7及び金具8は、互いに絶縁されかつ電源に接続され、陽極及び陰極として作用することとなる。この発明のセラミックヒータに用いる発熱体においては、その形状が図1のようなU字状以外に、線状又は板状等を有する態様が採用でき、基体においては、その半径方向の断面が図1のような円形以外に楕円形又は矩形等、種々の形状を有する態様を採用することができる。
次に、セラミックヒータをグロープラグとして用いる実施態様を図2に示す。
図2に示されるグロープラグ9は、セラミックヒータ1、外筒4、電極取出部5a及び5b、電極円筒体6、導線7、金具8、中軸10、絶縁部材11、絶縁係止部材12及びかしめ部材13を備えている。略円筒状の金具8は、中央周側面にグロープラグ9をエンジンのシリンダヘッド(図示せず。)に取り付けることができるように雄ねじ部14が形成されている。また、金具8の外筒4に接合されていない側には六角形状をなす鍔状の工具係合部15が形成されており、前記シリンダヘッドにグロープラグ9を螺合する際に、使用される工具が係合できるようになっている。
金具8の内側には、セラミックヒータ1の電極円筒体6から延在している導線7に接続され、かつ棒形状で金属製の中軸10の一端が収容されている。また、中軸10の外周と金具8の内周との間には円筒形状の絶縁部材11が設けられており、中軸10の中心軸と金具8の中心軸とが一致するように中軸10が固定されている。更に、図2に示されるように、金具8及び中軸10は前記絶縁部材11と絶縁係止部材12とで、金具8及び中軸10を固定すると共に絶縁状態も実現している。筒体として設けられる絶縁係止部材12は、筒体の一端が外側に張り出して成るフランジを有しており、中軸10の金具近傍に取り付けられるかしめ部材13と金具8の工具係合部15とが該フランジで係止されている。かしめ部材13は、外周から押圧されてかしめられている。これにより、中軸10と金具8との間でフランジが係止された絶縁係止部材12が固定されるので、中軸10からの抜出が防止されるようになっている。
図3は、この発明のセラミックヒータの製造工程の一例を示すフローチャートである。また、図3の製造工程を説明する際に、発熱体を基体に埋設する前の状態を示す図4を用いることがある。
図3に示されるセラミックヒータの製造工程においては、先ず第1工程として発熱体の成形が行われる。図3の第1工程で成形される発熱体は、図4に示される発熱体2であり、図1及び2に示される発熱体がU字状であったのに対し、図4の発熱体2は連結部16を備えているので、略楕円形状である。この発熱体の成形については、先ずモリブデンの珪化物、窒化物及び炭化物、並びに、タングステンの珪化物、窒化物及び炭化物のうち、少なくとも1種を主成分として、焼結助剤等の添加物と水中で混入し、スラリー状とした後にスプレードライを施すことで、粉末状態とする。該粉末とバインダとしての樹脂チップとを混練した後、射出成形を行ってからバインダの一部を除去する予備的な加熱乾燥を行うことで、連結部を備えた発熱体が得られる。装置の小型化という観点から発熱体を細く形成し、該発熱体を埋設して成る基体も細径に形成する実施態様を採用することがあり、そのような場合には、発熱体の機械的強度が低くなるので、発熱体を機械的に基体に埋設する際に、発熱体に破損又は折損等が生じる場合がある。発熱体が連結部を備えていることによって、発熱体の機械的強度の向上を図ることができる。また、この第1工程の時点では、発熱体は未焼成である。なお、連絡部は後述の第7工程で除去されるので、細く形成するのが好ましい。
次いで、図3に示されるように基体を成形する。この第2工程では、基体の軸線に沿って半割状態にした基体が成形され、該半割状態の基体の平坦面に発熱体を埋設できるような溝部が設けられる。具体的には、図4に示されるように発熱体2の形状を有した溝部17が基体3の平坦面に設けられている。この基体の成形については、例えば、先ず半割状態の基体を形成する材料であるところの、主成分として窒化珪素、希土類酸化物、酸化クロム及び/又は珪化クロム等のクロム化合物粉末、酸化タングステン及び/又は珪化タングステン等のタングステン化合物粉末、炭化珪素粉末、酸化アルミニウム及び/又は窒化アルミニウム等を混合し、更に、バインダを添加した後、窒化珪素製の球石を用いて水中で湿式混合する。この湿式混合で得られるスラリー状の混合物に、スプレードライを施すことによって粉末状態とする。該粉末を所定の金型装置(図示せず。)に充填して成形する。金型装置としては、例えば枠形状をなす、つまり平面視矩形状を成す開口部を有する外枠と、当該外枠に対し上下動することのできる上型及び発熱体と同様の形状に隆起した山部を有する下型を備えている。そして、外枠の開口部に下型の山部を内側に配置した状態とし、開口部内に前述の絶縁性セラミック粉末を所定量充填し、この状態から上型を下動させ、所定圧力でプレス加圧する。これにより、基体に発熱体を設置することのできる溝が形成されることとなり、具体的には図4に示すような、溝部16を有する半割状態の基体3が得られる。ここで、図3の第1工程と第2工程とは順序が入れ替わっても、又は同時に行われても良い。
次に、第3工程の発熱体を基体に埋設する工程に移る。この第3工程に所定の金型装置(図示せず。)が使用される。金型装置としては、例えば第2工程で用いた金型と同様に枠形状であるところの平面視矩形状の開口部を有する外枠と、該外枠に対し上下動することのできる上型及び下型を備えている。そして、外枠の開口部に下型を挿通させた状態とし、その上に半割状態の基体をセットして、セットされた基体の溝部に、発熱体を設置する。次に、前記開口部内に、前述の絶縁性セラミック粉末を充填し、上型の凸部を外枠の開口部に挿通させて上型を下動させ、所定圧力でプレス加圧する。これにより、発熱体を内装して成る基体を得ることができる。
続く第4工程としては、発熱体が埋設されて成る基体に脱脂が施される。この工程で基体に存在しているバインダを除去できる。この脱脂の条件としては、例えば窒素ガス雰囲気下800℃で1時間の脱バインダ処理を行う等の条件を採用することができる。
その後、第5工程として基体の外表面全体に離型剤が塗布される。続いて、離型剤を塗布された基体は第6工程の焼成工程に供される。第6工程では、ホットプレス法による焼成が行われる。このホットプレス法の条件として、例えば図示しないホットプレス加工機を用いて、非酸化雰囲気下で、1800℃、1.5時間、ホットプレス圧力25MPaで基体を加圧しかつ加熱することによって、焼成された基体を得る。なお、ホットプレス焼成炉では、焼成後の基体が略円柱状となるように、カーボン治具が用いて基体の形状を矯正しながらホットプレス焼成を行うのが好ましい。
最後に第7工程の切断及び研磨工程を行う。図4に示される発熱体2は連結部16を有しているので、このセラミックヒータとして電気的に短絡しないように連結部16を切断する。焼成後の基体がダイヤモンドカッタ等で切断される。これにより、連結部が除去され、発熱体が図1及び2に示されるようなU字状を有することになると共に、その切断面から発熱体の端面が露出した焼成体が得られる。その後、前記基体に対して種々の研磨加工を施すことで、セラミックヒータを得ることができる。研磨加工としては、例えば公知のセンタレス研磨機を用いて基体の外周を研磨し、電極取出部を基体の外周面から露出させるセンタレス研磨、又は基体先端部の曲面加工を施し、外側面と発熱部との距離の均一化を図るためのR研磨等を用いることができる。
もっとも、この発明のセラミックヒータを実施する際には、発熱体に連結部を設けることなく、発熱体を基体に埋設した時点で図1に示される形状と成るようにセラミックヒータを製造して、発熱体及び基体に切断及び研磨を施す必要の無い実施態様を採用していてもよい。
以下に、この発明のセラミックヒータの実施例及び比較例を示す。
以下に示す実施例及び比較例では、基体の腐食試験、高温連続耐久試験及びON/OFF耐久試験を行った。試験方法については後述する。なお、腐食試験については、発熱体を埋設することなく作製した基体(以下、「基体焼結体」と称することがある。)を用いた。
(実施例1)
平均粒径0.7μmの窒化珪素粉末、希土類酸化物として酸化エルビウム(以下、「Er」と称することがある。)、アルミニウム化合物粉末(窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al))、全酸素量を制御するための炭素粉末、平均粒径1.0μmのクロム化合物粉末(酸化クロム・珪化クロム(Cr・CrSi))、タングステン化合物粉末(酸化タングステン・珪化タングステン(WO・WSi))、結晶構造が六方晶系であるα型又は立方晶系であるβ型の平均粒径1.0μmの炭化珪素粉末、及び二酸化珪素粉末を、バインダを添加し、窒化珪素から成る球石を用いて水中で40時間湿式混合し、次いでスプレードライを施して粉末状態とした。その後、窒素ガス雰囲気下800℃で1時間の脱バインダ処理を行った後、酸化雰囲気下300℃で10時間の酸化処理を行った。得られた粉末を炭素から成る型に充填し、窒素雰囲気下の25MPa、1800℃で1.5時間かけてホットプレスして焼成した。これにより、45mm×45mm×10mmの板状焼結体を得た。この焼結体の評価及び試験を行うことができるような形状に加工した。この加工した基体を以下に試料と称することがある。
実施例1においては、希土類元素の含有量を変化させ、かつ希土類元素以外の材料の含有量は大きく変化させないように基体を作製した。希土類元素の含有量を変化させた基体を7種類作製し、それぞれの評価及び試験を行った(試料番号1〜7)。実施例1の評価及び試験の結果を表1に示す。
以下に試料の評価及び試験を行う際に用いた装置及び条件等を示す。
作製した基体焼結体の希土類元素(質量%)の定量分析は次のようにして行った。分析装置は日本電子株式会社製の電子線プローブマイクロアナライザ(JXA−8800)を使用して、分析する試料は最高発熱部である基体の端部近傍において、半径方向の断面を鏡面研磨し、鏡面研磨した試料の表面から100μm内部の位置を分析することとした。分析条件は、波長分散型X線検出器(WDS)に加速電圧20kVを加え、スポット径100μmで希土類元素を定量した。定量した希土類元素は希土類酸化物に換算して含有量を算出した。
作製した基体焼結体のアルミニウム成分(質量%)の定量分析は次のようにして行った。分析装置は日本電子株式会社製の電子線プローブマイクロアナライザ(JXA−8800)を使用して、分析する試料は最高発熱部である基体の端部近傍において、半径方向の断面を鏡面研磨し、鏡面研磨した試料の表面から100μm内部の位置を分析することとした。分析条件は、波長分散型X線検出器(WDS)に加速電圧20kVを加え、スポット径100μmでアルミニウム成分を定量した。定量したアルミニウム成分は窒化アルミニウムに換算して含有量を算出した。
作製した基体焼結体の金属珪化物の含有量(体積%)分析は次のようにして行った。分析装置は日本電子株式会社製の走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して、分析する試料は最高発熱部である基体の端部近傍において、半径方向の断面を鏡面研磨し、その表面から100μmまでの深さの範囲を分析することとした。
作製した基体焼結体に含まれる希土類元素の酸素量(質量%)の測定は、上述の操作で希土類元素の含有量を定量する際に、希土類酸化物として換算した酸素分を希土類元素の酸素量として算出した。
作製した基体焼結体に含まれる全酸素量(質量%)の測定は、次のようにして行った。分析装置は株式会社堀場製作所製の高感度型非分散赤外線検出器(EMGA−650)を使用して、分析する試料は基体を窒化珪素の乳鉢で粉砕して得られる粉体を使用した。分析条件は、不活性ガス(ヘリウム)−インパルス加熱溶融法により粉体から酸素を抽出し、酸素を一酸化炭素とし、キャリアガスにヘリウムを用いて、高感度型非分散赤外線検出器で測定した。
作製した基体焼結体の結晶相の同定は、次のようにして行った。分析装置は、株式会社リガク製のX線分析装置(ROTAFLEX)を使用して、分析条件は、X線源としてCuKα1を用い、印加電圧を40kV及び電流を100mAに設定し、発散スリットを1゜、散乱スリットを1゜、受光スリットを0.3mmとし、湾曲結晶モノクロメータを使用した。また、X線入射方向は、基体の軸線を水平状態した場合の、該軸線と平行になるように設定した。更に、スキャンモードが2θ/θで、2θが20゜から80゜までの範囲で6゜/分の速さで0.01゜間隔で、基体表面に照射して反射強度を測定し、JCPDSカードチャートと測定結果とを照合することにより、粒界相を同定した。以下に示す表においては、MSはモノシリケートを示し、かつDSはダイシリケートを示す。
作製した基体焼結体の熱膨張係数(10−6/℃)の測定は、次のようにして行った。分析装置は株式会社リガク製(TMA−8310)を使用して、測定する試料は基体を3mm×3mm×15mmに切り出して使用した。測定条件は窒素ガスを200mil/minで流通させ、10℃/minで室温(30℃)から1000まで昇温させて、昇温前後の試料の長さを測定した。測定した値を用いて熱膨張係数を算出するには、次式により算出した。
なお、上記式において、「1000℃における標準試料長さ」は、標準試料として1000℃における熱膨張係数が4.3×10−1(10−6/℃)である石英を使用した場合の、この石英の1000℃における長さを示す。この熱膨張係数測定において、標準試料の30℃における長さと、測定試料の30℃における長さとは等しい長さであるとする。
作製した基体焼結体の腐食試験は、次のようにして行った。酸化アルミニウム製のるつぼに硫酸カルシウム粉末及び3mm×4mm×15mmに切り出した基体を投入した後、大気雰囲気下、1100℃又は1150℃で20時間保持した。その後、取り出してから基体の表面の付着物を除去して、試験前後の重量から重量減少の割合を算出した。以下に示す表においては、重量減少率によって評価を付し、◎は重量変化が5%未満を示し、○は重量変化が5%以上10%未満を示し、△は重量変化が10%以上20%未満を示し、×は重量変化が20%以上を示す。
作製した基体焼結体をセラミックヒータとして構成し、高温連続耐久試験及びON/OFF耐久試験を行った。
高温連続耐久試験は、基体の表面温度を1350℃又は1400℃になるようにヒータを昇温させて、その昇温状態を1000時間保持した後、基体の抵抗値を測定した。試験前後の抵抗変化を算出して変化の割合を評価した。また、抵抗を測定した後に、基体を軸方向に半割して鏡面研磨し、上述の電子線プローブマイクロアナライザで発熱体近傍の希土類元素及びアルミニウム成分の移動、すなわちマイグレーションの有無を観察した。以下に示す表においては、抵抗値の変化の割合及びマイグレーションの有無によって評価を付し、○は抵抗値変化がなく、かつマイグレーションも生じていないことを示し、△は抵抗値変化はないが、マイグレーションが生じていることを示し、×は抵抗値変化の割合が10%以上上昇したことを示す。
ON/OFF耐久試験は、セラミックヒータに電気導通後、1秒で1000℃まで昇温させ、最高温度1400℃まで昇温させた後、電気を非導通状態にして送風機で30秒間冷却するという一連の操作を1000回行った後、抵抗値を測定した。試験前後における抵抗値の変化の割合を算出して評価した。以下に示す表においては、抵抗値の変化の割合及びマイグレーションの有無によって評価を付し、○は抵抗値変化がないことを示し、△は抵抗値変化があることを示し、×は1000回の一連の操作を繰り返す途中で発熱体が断線したことを示す。
表1中、試料1及び試料7の希土類元素の含有量が酸化物換算で4〜25質量%の範囲外である。すなわち、試料1及び試料7は比較例である。
(実施例2)
実施例2においては、アルミニウム成分の含有量を変化させ、かつアルミニウム成分以外の材料の含有量は大きく変化させないようにしたことが、実施例1と相違する点であり、その他の作製方法、評価及び試験等は実施例1と同様に行った。アルミニウム成分の含有量を変化させた基体を9種類作製し、それぞれの評価及び試験を行った(試料番号8〜16)。実施例2の評価及び試験の結果を表2に示す。
表2中、試料8、9及び16のアルミニウム成分の含有量が窒化物換算で0.02〜1質量%の範囲外である。すなわち、試料8、9及び16は比較例である。
(実施例3)
実施例3においては、全酸素量に対する希土類元素の酸素量の比を変化させ、かつ全酸素量に対する希土類元素の酸素量の比以外の材料の含有量は大きく変化させないようにしたことが、実施例1と相違する点であり、その他の作製方法、評価及び試験等は実施例1と同様に行った。全酸素量に対する希土類元素の酸素量の比を変化させた基体を7種類作製し、それぞれの評価及び試験を行った(試料番号17〜23)。なお、試料17および18については、全酸素量を少なくするために、酸化処理を行わなかった。実施例3の評価及び試験の結果を表3に示す。
表3中、試料17及び23の全酸素量に対する希土類元素の酸素量の比が0.3〜0.6
の範囲外である。すなわち、試料17及び23は比較例である。
(実施例4)
実施例4においては、モリブデン、バナジウム、タングステン及びクロムから成る群より選ばれる少なくとも1種の珪化物の含有量を変化させ、かつ該珪化物以外の材料の含有量は大きく変化させないようにしたことが、実施例1と相違する点であり、その他の作製方法、評価及び試験等は実施例1と同様に行った。該珪化物の含有量を変化させた基体を6種類作製し、それぞれの評価及び試験を行った(試料番号24〜29)。実施例4の評価及び試験の結果を表4に示す。
表4中、試料24及び29のモリブデン、バナジウム、タングステン及びクロムから成る群より選ばれる少なくとも1種の珪化物の含有量が1〜8体積%の範囲外である。すなわち、試料24及び29は比較例である。
(実施例5)
実施例5においては、基体材料の希土類酸化物を酸化エルビウム(Er)に替えて酸化イットリウム(Y)、酸化イッテルビウム(Yb)又は酸化エルビウム及び酸化イッテルビウムの混合物(Er・Yb)を使用し、かつ希土類酸化物以外の材料の含有量は大きく変化させないようにしたことが、実施例1と相違する点であり、その他の作製方法、評価及び試験等は実施例1と同様に行った。この実施例5では、基体の試験として、1150℃における腐食試験及び1350℃における高温連続耐久試験を行った。希土類酸化物の種類を様々に変えた基体を4種類作製し、それぞれの評価及び試験を行った(試料番号30〜33)。実施例5の評価及び試験の結果を表5に示す。
(実施例6)
実施例6においては、基体焼結体が含有するクロム及びタングステンの固溶体の珪化物(Cr、W固溶体)に替えて、クロム珪化物(CrSi)、モリブデン珪化物(MoSi)、バナジウム及びタングステンの固溶体の珪化物(V、W固溶体)、又はクロム及びバナジウムの固溶体の珪化物(Cr、V固溶体)を使用し、かつ該珪化物以外の材料の含有量は大きく変化させないようにしたことが、実施例1と相違する点であり、その他の作製方法、評価及び試験等は実施例1と同様に行った。この実施例6では、基体の試験として、1150℃における腐食試験及び1350℃における高温連続耐久試験を行った。珪化物の種類を様々に変えた基体を5種類作製し、それぞれの評価及び試験を行った(試料番号34〜38)。実施例6の評価及び試験の結果を表6に示す。
(実施例7)
実施例7においては、炭化珪素の含有量を変化させ、かつ炭化珪素以外の材料の含有量は大きく変化させないようにしたことが、実施例1と相違する点であり、その他の作製方法、評価及び試験等は実施例1と同様に行った。この実施例7では、基体の評価として、基体の熱膨張係数及び絶縁抵抗値の測定を行った。実施例7で測定する基体の絶縁抵抗値は、次のように測定した。先ず、基体焼結体を3mm×4mm×17mmに切り出し、東亜電波工業株式会社製の超絶縁計(SM−8205)を用いて、切り出した基体焼結体をワニロクリップ端子で把持した後に1000Vの電圧で1分間チャージしてから室温で絶縁抵抗値を測定した。炭化珪素の含有量を変化させた基体を5種類作製し、それぞれの評価及び試験を行った(試料番号39〜43)。実施例7の評価及び試験の結果を表7に示す。
表7中、試料39及び43の炭化珪素の含有量が2〜10体積%の範囲外である。すなわち、試料39及び43は比較例である。
以上の実施例1〜6の評価及び試験の結果は、この発明のセラミックヒータにおける、窒化珪素を主成分とする基体が、希土類元素を酸化物換算で4〜25質量%含有し、かつアルミニウム成分を窒化アルミニウム換算で0.02〜1質量%含有し、かつ全酸素量に対する希土類元素の酸素量の比が0.3〜0.6であり、かつモリブデン、バナジウム、タングステン及びクロムから成る群より選ばれる少なくとも1種の珪化物を1〜8体積%含有することにより、高温特性及び耐腐食性に優れ、更にマイグレーションを抑制することができると示している。
更に、実施例7の評価及び試験の結果は、この発明のセラミックヒータの基体が2〜10体積%の炭化珪素を含有することにより、セラミックヒータの熱膨張係数及び絶縁抵抗値を向上させることができると示している。
図1は、この発明のセラミックヒータの一実施例を示す断面図である。 図2は、この発明のセラミックヒータを備えたグロープラグの一実施例を示す断面図である。 図3は、この発明のセラミックヒータを製造する工程の一例を示すフローチャートである。 図4は、この発明のセラミックヒータの発熱体及び基体の一実施例を示す斜視図である。
符号の説明
1 セラミックヒータ
2 発熱体
3 基体
4 外筒
5a、5b 電極取出部
6 電極円筒体
7 導線
8 金具
9 グロープラグ
10 中軸
11 絶縁部材
12 絶縁係止部材
13 かしめ部材
14 雄ねじ部
15 工具係合連結部
16 連結部
17 溝部

Claims (3)

  1. モリブデンの珪化物、窒化物及び炭化物、並びに、タングステンの珪化物、窒化物及び炭化物のうち、少なくとも1種を主成分とする発熱体と、
    窒化珪素を主成分とし、かつ希土類元素を酸化物換算で4〜25質量%含有し、かつアルミニウム成分を窒化アルミニウム換算で0.02〜1質量%含有し、かつ全酸素量に対する希土類元素の酸素量の比が0.3〜0.6であり、かつモリブデン、バナジウム、タングステン及びクロムから成る群より選ばれる少なくとも1種の珪化物を1〜8体積%含有する基体とを備え、
    前記基体の表面には、希土類元素のモノシリケート及び/又はダイシリケートが主結晶相であり、
    前記発熱体が前記基体に埋設されて成ることを特徴とするセラミックヒータ。
  2. 前記基体は、2〜10体積%の炭化珪素を含有することを特徴とする請求項1に記載のセラミックヒータ。
  3. 前記基体の熱膨張係数が、3.3〜4.0×10−6/Kであることを特徴とする請求項1又は2に記載のセラミックヒータ。
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