JP2008233063A - 形状測定装置、露光装置およびコンピュータ - Google Patents

形状測定装置、露光装置およびコンピュータ Download PDF

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Abstract

【課題】高コントラストな干渉信号を信号処理により得る。
【解決手段】被測定面の形状を測定する形状測定装置200は、被測定面からの測定光と参照光とによって形成される干渉光を前記測定光または前記参照光の光路長を変更しながら光電変換素子で検知する干渉計10と、前記光電変換素子で検知された第1干渉信号をフーリエ変換して位相分布および振幅分布を求め、該振幅分布を整形した後、該位相分布および該整形された振幅分布を逆フーリエ変換して第2干渉信号を求め、該第2干渉信号に基づいて前記被測定面の形状を決定するコンピュータ100とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、被測定面の形状を測定する形状測定装置、該形状測定装置を含む露光装置、および、干渉計から提供される干渉信号を処理して被測定面の形状を決定するコンピュータに関する。
被測定面の三次元形状を計測する方法として、光の干渉を利用する方法が知られている。これらの方法の中で、白色干渉方式は、白色光の低コヒーレンス性を利用した方式であり、3次元形状を精密計測するために有効である。
白色干渉方式には、ミラウ型、マイケルソン型、リニーク型等のいくつかの種類がある。ミラウ型の白色干渉方式の装置として、Zygo社から「New View」という製品シリーズ名で三次元表面構造解析顕微鏡が市販されている。この三次元表面構造解析顕微鏡(干渉計)の測定原理を図6、7を参照して説明する。
図6に示されるように、対物レンズ610内には、参照光を形成するハーフミラー611と内部参照鏡612が配置されている。この顕微鏡では、参照光と被測定面620から反射した測定光とを干渉させる。図7に示すように、被測定面620と光学的に共役な面に配置されたイメージセンサ650の撮像面に干渉像が形成される。白色光源640としては、例えば、ハロゲンランプが使用される。対物レンズ610は、駆動部660によって垂直方向に駆動される。駆動部660は、対物レンズ610の位置を静電容量センサ等の位置センサによって検知し、その検知結果に基づいてピエゾ素子等の駆動素子によって対物レンズ610を駆動する。対物レンズ610の位置(結果として測定光の光路長)を変更しながら各位置でイメージセンサ650によって干渉像が撮像される。イメージセンサ650によって撮像された干渉像はコンピュータ内に取り込まれ、周波数領域解析処理を行うことにより垂直分解能0.1nmで高さデータが得られる。この周波数領域解析では、FDA(Frequency Domain Analysis)と呼ばれるFFT(高速フーリエ変換)が使用される。水平分解能の検出範囲は、被測定面620からイメージセンサ650までの結像倍率と、イメージセンサ650の画素ピッチで決定される。この技術に関しては、特許文献1に記載されている。
図8は、イメージセンサ650におけるある画素での白色干渉信号を例示している。この白色干渉信号は、インターフェログラムとも呼ばれており、横軸がピエゾ素子等の駆動素子による対物レンズの駆動後における静電容量センサによる計測値、縦軸がイメージセンサ650のある画素の出力である。白色干渉信号のピークの位置を計測し、それに対応した静電容量センサ等の位置センサによる計測値が当該画素での高さ計測値となる。イメージセンサ650の全画素で高さを計測することで三次元形状計測が可能となる。
前述のFDA法では、フーリエスペクトルの位相勾配を用いてコントラストのピーク位置を求めている。
白色干渉方式では、計測の分解能と精度を決める鍵は、光路差が0となる位置を如何に正確に求めるかにある。そこで、FDA法以外として、位相シフト法やフーリエ変換法により白色干渉縞の包絡線を求めて、縞コントラストの最大位置から光路差のゼロ点を求める方法や、位相クロス法等、いくつかの縞解析法が提案されている。
米国特許第5398113号明細書
以上のような白色干渉方式と呼ばれている方式は、現実には、「白色」とはかけ離れた光を使用している。具体的には、「白色」とは言い難い分光分布を有する光源を使用する装置が多い。図9は、白色LEDとして市販されている光源の分光分布の一例を示している。この白色LEDは、青色レーザーを元の光源としているため、440nm付近に大きなピークがあり、500nmから700nmにおいては580nm付近でピークとなる凸形状の部分光分布を示す。このような光源を使用した白色干渉方式では、図8に示す白色干渉信号のコヒーレンス長が長くなり、本来のコヒーレンス性の特性からずれてしまい、高コントラストな白色干渉信号とならない。したがって、高い精度を得る妨げとなりうる。
光源以外にも、理想的な白色干渉を妨げる要因がある。例えば、光学系の分光透過率特性、光電変換素子の光電変換素子の分光光電変換効率特性等は、使用する周波数領域において平坦ではないので、白色干渉信号のコヒーレンス長を長くする要因となり、高コントラストな白色干渉信号を得ることが難しい。
光源、光学系、光電変換素子を理想的な白色干渉を起こさせるように構成するためには多大なコストがかかる。
本発明は、上記の課題認識を基礎としてなされたものであり、例えば、高コントラストな干渉信号を信号処理により得ることを目的とする。
本発明の第1の側面は、被測定面の形状を測定する形状測定装置に係り、前記形状測定装置は、被測定面からの測定光と参照面からの参照光とによって形成される干渉光を光電変換素子で検知する干渉計と、前記光電変換素子で検知された第1信号をフーリエ変換して位相分布および振幅分布を求め、該振幅分布を整形した後、該位相分布および該整形された振幅分布を逆フーリエ変換して第2信号を求め、該第2信号に基づいて前記被測定面の形状を決定するコンピュータとを備える。
本発明の第2の側面は、基板に潜像パターンを形成する露光装置に係り、前記露光装置は、前記基板を保持する基板ステージと、前記基板に原版のパターンを投影する投影光学系とを備える他、前記基板の表面の形状を測定する形状測定装置として上記のような形状測定装置を備える。
本発明の第3の側面は、コンピュータに係り、前記コンピュータは、被測定面からの測定光と参照光とによって形成される干渉光を光電変換素子で検知する干渉計において前記光電変換素子で検知された第1干渉信号をフーリエ変換して位相分布および振幅分布を求めるフーリエ変換手段と、前記フーリエ変換手段によって求められた振幅分布を整形する整形手段と、前記フーリエ変換手段によって求められた位相分布および前記整形手段によって整形された振幅分布を逆フーリエ変換して第2干渉信号を求める逆フーリエ変換手段と、前記第2干渉信号に基づいて前記被測定面の形状を決定する形状決定手段とを備える。
本発明の第4の側面は、プログラムに係り、前記プログラムは、被測定面からの測定光と参照光とによって形成される干渉光を光電変換素子で検知する干渉計において前記光電変換素子で検知された第1干渉信号をフーリエ変換して位相分布および振幅分布を求めるフーリエ変換手段と、前記フーリエ変換手段によって求められた振幅分布を整形する整形手段と、前記フーリエ変換手段によって求められた位相分布および前記整形手段によって整形された振幅分布を逆フーリエ変換して第2干渉信号を求める逆フーリエ変換手段と、前記第2干渉信号に基づいて前記被測定面の形状を決定する形状決定手段とを備える装置としてコンピュータを機能させる。
本発明の第5の側面は、表面に膜を有する基板の表面形状を測定する形状測定装置であって、光源からの広帯域光を測定光と参照光とに分離し、前記基板の表面からの前記測定光と前記参照光とによって形成される干渉光を光電変換素子で検知する干渉計と、前記光電変換素子で検知された第1干渉信号をフーリエ変換して位相分布および振幅分布を求め、所定の周波数領域のその振幅分布を整形した後、その位相分布および該整形された振幅分布を逆フーリエ変換して第2干渉信号を求め、その第2干渉信号に基づいて前記基板の表面形状を決定するコンピュータとを備え、前記コンピュータは、前記第1干渉信号をフーリエ変換して求めた前記位相分布に基づいて前記所定の周波数領域の中の異常周波数領域を求め、その異常周波数領域の情報に基づいてその振幅分布を整形し、前記異常周波数領域は、前記所定の周波数領域の中の前記位相分布のうち、前記位相分布を示す曲線の傾きが該曲線の傾きの中央値に対して所定量以上異なる部分、の周波数領域である。
本発明の第6の側面は、表面に膜を有する基板の表面形状を測定する形状測定装置であって、光源からの広帯域光を測定光と参照光とに分離し、前記基板の表面からの前記測定光と前記参照光とによって形成される干渉光を光電変換素子で検知する干渉計と、前記光電変換素子で検知された第1干渉信号をフーリエ変換して位相分布および振幅分布を求め、所定の周波数領域のその振幅分布を整形した後、その位相分布および該整形された振幅分布を逆フーリエ変換して第2干渉信号を求め、その第2干渉信号に基づいて前記基板の表面形状を決定するコンピュータとを備え、前記コンピュータは、前記第1干渉信号をフーリエ変換して求めた前記位相分布に基づいて前記所定の周波数領域の中の異常周波数領域を求め、その異常周波数領域の情報に基づいてその振幅分布を整形し、前記異常周波数領域は、前記第1干渉信号をフーリエ変換して求めた前記所定の周波数領域の中の振幅分布のうち、基準となる振幅に対する前記振幅分布を構成する振幅の割合が定値以下である部分、の周波数領域である。
本発明の第7の側面は、表面に多層膜を有する基板の表面形状を測定する形状測定装置であって、光源からの広帯域光を測定光と参照光とに分離し、前記基板の表面からの前記測定光と前記参照光とによって形成される干渉光を光電変換素子で検知する干渉計と、前記光電変換素子で検知された第1干渉信号をフーリエ変換して位相分布および振幅分布を求め、所定の周波数領域の該振幅分布を整形した後、その位相分布および該整形された振幅分布を逆フーリエ変換して第2干渉信号を求め、該第2干渉信号に基づいて前記基板の表面形状を決定するコンピュータとを備え、前記コンピュータは、前記基板の表面の分光反射特性に基づいて前記第1干渉信号をフーリエ変換して求めた振幅分布を整形する。
本発明の第8の側面は、表面に多層膜を有する基板に潜像パターンを形成する露光装置に係り、前記露光装置は、前記基板を保持する基板ステージと、前記基板に原版のパターンを投影する投影光学系とを備える他、前記基板の表面の形状を測定する形状測定装置として上記のような形状測定装置を備える。
本発明によれば、例えば、高コントラストな干渉信号を信号処理により得ることができる。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施を説明する。
まず、白色干渉信号(=インターフェログラム)をフーリエ変換(厳密には複素フーリエ変換)して得られる情報が、使用した干渉計の分光分布特性を表すことについて説明する。
ミラウ干渉におけるピエゾ駆動等により干渉条件(=二つの光の光路長差)を変ることで検出される白色干渉信号は、白色光の各波長(周波数)における光干渉強度の総和である。そこで、白色干渉信号をフーリエ変換することで、各波長に対応した周波数において、振幅と位相の情報を得ることができる。
ここで、周波数を変数とする振幅分布(振幅の周波数依存性)は、干渉計の特性(測定条件)に依存する。具体的には、光源の分光分布、光学系の分光透過率、イメージセンサの光電変換素子の分光光電変換効率、非計測面の分光反射率等に依存する。
したがって、白色干渉信号(=インターフェログラム)をフーリエ変換して得られる情報は、干渉計の分光分布特性を示す情報を含む。これを図4、5の概念図を参照して更に具体的に説明する。図4の左側には、白色干渉信号が示されている。図4の右側には、該白色干渉信号をフーリエ変換した際の波長λ1、λ2、λ3の成分が示されている。振幅a1、a2、a3は、白色干渉信号をフーリエ変換して得られる結果の実部と虚部から算出される。即ち、振幅a1、a2、a3は、波長λ1、λ2、λ3に対応する周波数f1、f2、f3における振幅の大きさに比例する。
図5には、白色干渉信号をフーリエ変換して得られた結果の振幅分布が示されている。周波数f1、f2、f3は、図4の波長λ1、λ2、λ3にそれぞれ対応し、周波数f1、f2、f3における振幅は、図4の振幅a1、a2、a3に対応する。図4において、波長λ1、λ2、λ3の成分の位相は、白色干渉信号をフーリエ変換して得られる結果の実部と虚部から算出される。
白色干渉信号をフーリエ変換した振幅の分布が凸形状であることは、周波数に応じて振幅が異なること、即ち、白色からずれた分光分布特性を有する干渉計によって白色干渉信号が検出されたことを意味する。
図4の左側に示された白色干渉信号の位相は、該白色干渉信号をフーリエ変換した結果の位相に対応し、振幅とは無関係である。一方、白色干渉信号の包絡線の形状は、白色干渉信号をフーリエ変換した結果の振幅に対応し、位相とは無関係である。
そこで、この実施形態では、フーリエ変換した結果の位相はそのままとする一方で、振幅を周波数に対して一定の値となるように整形し、その後、逆フーリエ変換することで、高コントラストの白色干渉信号を得る。
以下では、より厳密に表現するために、「白色」という用語を使用せずに、「広帯域光」という用語を使用する。その理由は、例えば、青色を使用しない波長領域(例えば、500nm〜800nm)の広帯域光を使用しても本発明による効果が得られるからである。また、広帯域光は、コンピュータによる信号処理により分離可能な複数の波長(または周波数)を含む光であると定義することができる。
図1は、本発明の好適な実施形態の形状測定装置の概略構成を示す図である。本発明の好適な実施形態の形状測定装置200は、干渉計10と、干渉計10から出力される信号に基づいて非計測面の形状を示す情報を発生するコンピュータ100とを備える。干渉計10は、被測定面からの測定光と参照面からの参照光とによって形成される干渉光を該測定光または該参照光の光路長を変更しながら光電変換素子(典型的には、光電変換素子が二次元状に配列されたイメージセンサ)で検知する。ここで、測定光および参照光は、広帯域光から生成され、測定光は被測定面で反射された後に参照光と干渉して干渉光を形成する。なお、二次元状に配列されたイメージセンサを光電変換素子として使う場合には、被測定面を参照面に対して相対的に傾けて、測定光と参照光の波面に角度差を与えることで、傾けた方向に各光電変換素子に入射する測定光の光路長を互いに異ならせることができる。そのように構成すれば、測定光または参照光の光路長を変更しながらイメージセンサで干渉光を測定する必要がなくなる。干渉計10としては、例えば、図6、図7に例示されるようなミラウ干渉計が好適である。以下では、説明の具体化のために干渉計10が図6、7に例示された干渉計であるものとして記述するが、干渉計10として他の種々の干渉計を使用することができることに留意されたい。
コンピュータ100は、干渉信号取得工程110、フーリエ変換工程120、整形工程130、逆フーリエ変換工程140、形状決定工程150を実施することができるように構成されている。典型的には、コンピュータ100は、干渉信号取得工程110、フーリエ変換工程120、整形工程130、逆フーリエ変換工程140、形状決定工程150に対応するプログラム(ソフトウエア)がインストールされることによって特徴づけられうる。他の観点で表現すれば、コンピュータ100は、干渉信号取得手段、フーリエ変換手段、整形手段、逆フーリエ手段、形状決定手段を備える。干渉信号取得手段、フーリエ変換手段、整形手段、逆フーリエ手段、形状決定手段によって、それぞれ干渉信号取得工程110、フーリエ変換工程120、整形工程130、逆フーリエ変換工程140、形状決定工程150が実行される。
図10は、広帯域光を用いて得られる干渉信号の一例を示す。なお、この例は、シミュレーションによって求めたものである。ここでは、図6、7に示されるミラウ干渉計を干渉計10として用いることを想定し、対物レンズ610を駆動させることで、光路長を変更するモデルで求めた。
シミュレーションにおいて、使用する広帯域光の波長は、中心波長が550nmとし、光の強度分布は、ガウス分布(6σ=300nm)とした。また、広帯域光は、被測定面620に対してほぼ垂直に入射するものとした。また、波長のピッチを10nmとした。また、被測定面620および内部参照鏡612における反射率は、各波長で1.5とした。駆動素子(ピエゾ素子)による対物レンズ610の駆動のピッチを20nmとした。
このような広帯域光を用いて得られる図10に例示される干渉信号(第1干渉信号)をフーリエ変換した振幅の分布が図14に示されている。図14の右側には拡大図が示されている。図14において、分布の形状はガウス分布であり、光源の分光分布を反映していることが判る。干渉信号取得工程110では、コンピュータ100は、図10に例示されるような干渉信号(第1干渉信号)を干渉計10から取得する。フーリエ変換工程120では、コンピュータ100は、干渉信号取得工程110で取得した干渉信号をフーリエ変換して、位相分布と、図14に例示されるような振幅分布とを得る。
整形工程130では、コンピュータ100は、フーリエ変換工程120でフーリエ変換して得られた振幅分布を整形する。この整形は、図15に例示されるように、平坦部を有する振幅分布が形成されるように、または、平坦部が拡大された振幅分布が形成されるようになされうる。ここで、平坦部の両端において微分不連続にならないように整形がなされることが好ましい。
整形について、図2、3を参照しながら、より具体的に説明する。図2、図3は、整形後の振幅分布を例示している。図3は、図2における周波数fが正の部分を拡大したものである。
整形工程130では、振幅分布が例えば次のような分布関数Wに従うように整形される。これは、各周波数における振幅の値を分布関数Wにおける振幅の値に一致するように変更すること、或いは、各周波数における振幅の値を分布関数Wにおける振幅の値で置き換えることを意味する。なお、フーリエ変換工程120でフーリエ変換して得られた位相分布については、整形工程130では変更(操作)しない。
W(f)=EXP(−(f−fs)2/σ) : f<fs
W(f)=1 : fs≦f≦fe
W(f)=EXP(−(f−fe)2/σ) : f>fs
σは、ガウス関数の収束する速さを規定するものであり、ここでは、周波数のピッチの5倍の値とした。
分布関数Wの周波数fsと周波feの決定方法については後述する。
逆フーリエ変換工程140では、コンピュータ100は、整形工程130で整形された振幅分布における振幅およびフーリエ変換工程120で得られた位相分布における位相を逆フーリエ変換する。これにより、図11に例示するような干渉信号(第2干渉信号)が得られる。図10(処理前)と図11(処理後)とを比較すれば明らかなように、コンピュータ100による信号処理によって干渉信号が高コントラスト化されている。
形状決定工程150では、コンピュータ100は、逆フーリエ変換によって得られた干渉信号に基づいて被測定面620の3次元形状を決定する。
以下、コンピュータ100による高コントラスト化の効果を説明する。図12、図13は、図10(処理前)、図11(処理後)を信号の最大値が1となるようにに正規化した結果を示している。
ここで、「コヒーレンス長」として、図8に示したように最大強度の20%以上の振幅を有する部分の横軸(垂直方向位置)の長さと定義して、図12、13を計測すると、それぞれ約3.6μm、2.6μmとなる。つまり、約30%分(1−2.6/3.6)だけコヒーレンス長が短くなっている。
高コントラスト化した広帯域光を用いた干渉信号(第2干渉信号)に基づいて形状決定工程150で被測定面の形状を決定する方法としては、前述のFDA法、位相シフト法やフーリエ変換法を使用することができる。
次に、振幅を整形するための分布関数Wの平坦部の両端の周波数fs、feを決定する方法について説明する。
広帯域光を用いた干渉信号をフーリエ変換して得られる図5または図14に例示した振幅分布における凸形状部分の情報を十分に利用するように、分布関数Wの平坦部の両端の周波数fs、feを設定することが高コントラスト信号を得るために重要である。一方で、分布関数Wの平坦部を広く取り過ぎて測定精度を低下させることは避けるべきである。凸形状部分以外の信号を使用することは、位相情報がない部分の情報を追加することにより、測定精度を低下させる原因になる。
そこで、広帯域光を用いた干渉信号をフーリエ変換して得られる位相分布における位相変化の度合いに基づいて周波数fs、feを設定することが好ましい。白色干渉の原理から、各波長における位相は、理想的な場合には、波長が変化すると徐々に位相も変化する。前述のFDAはこの現象を使用したものである。そこで、情報として信頼性が高い周波数の位相は徐々に変化するものと考え、位相変化の線形性が高い周波数領域の両端の周波数を周波数fs、feと設定することが好ましい。つまり、位相分布を示す曲線の線形性が基準値より高い周波数領域において平坦化された振幅分布が形成されるように、振幅分布の整形がなされることが好ましい。
線形性が高い領域と低い領域との区別は、例えば、線形性が基準値以上であるか否かによって決定されうる。具体的には、位相を周波数で微分した値が基準値より低い領域は線形性が高い領域、該基準値より高い領域は線形性が低い領域と判断することができる。
図16は、図10に例示される干渉信号をフーリエ変換して得られる振幅および位相の分布を示している。図16から明らかなように、フーリエ変換後の振幅の値が小さい領域でもフーリエ変換後の位相がほぼ線形である。そこで、位相の値がほぼ線形に変化している領域の両端を周波数fs、feとする分布関数Wを設定することが好ましい。
なお、ここまでは干渉方式としてミラウ型に関して説明をしてきたが、本発明の適用はこれに限定されず、本発明は、例えば、マイケルソン型やリニーク型のような他の干渉方式にも適用することができる。
この実施形態によれば、例えば、光源、光学系、光電変換素子の分光特性の影響を受けることなく、広帯域光を用いて高コントラストな干渉信号を得ることができる。
[リソグラフィーへの応用例]
本発明は、複数の透明膜(多層膜)で構成される縦構造(積層構造)における特定の面を計測することにも適している。
図17は、半導体デバイスの製造におけるリソグラフィーで使用される構造体、具体的には、シリコンウエハの上にレジストが塗布された構造体を例示的に示している。このレジストの表面形状を計測するために500nm程度の波長の光を使用する場合を考える。現在のリソグラフィーで使用されているレジストは、例えば365nm、248nm、193nmの波長を有する露光光には感光するが、500nmの波長の測定用の光に対しては透明状態である。したがって、図17に模式的に示すように、光線1のごとくレジスト表面で反射する光だけでなく、光線2のごとくレジスト裏面とシリコン基板との境界面から反射する光も発生する。よって、図示しない参照光を含めて合計で3つの光によって干渉像が形成され、これが計測誤差を生じさせ、正しくレジストの表面形状を計測することができない。
この対応策として、Zygo社から”Top Slice”または”Tops Surface”と呼ぶ機能で製品に適用され効果が確認されている技術がある。この技術は、米国特許出願第2005/0078318号に開示されている。
本発明を”Top Slice”に適用することにより、レジスト表面の検出精度を更に向上させることができる。
まず、”Top Slice”の機能を説明する。図18Aは、広帯域光を用いた干渉信号を示している。図18Aの横軸の左側がシリコン基板方向、右側がレジスト表面方向である。干渉信号のピーク404はレジスト裏面とシリコン基板との境界面に対応し、干渉信号のピーク402は、レジスト表面に対応する。言い換えれば、図18Aの信号は、2つの干渉信号で構成されている。レジスト厚が薄くなり、レジスト裏面とシリコン基板との境界面に対応する干渉信号がレジスト表面に対応する干渉信号に影響を及ぼすと、検出精度が劣化させる可能性がある。
そこで、”Top Slice”では、図18Bに示されるように、テンプレートとして、干渉信号の右側のピーク402(レジスト表面に対応するピーク)に対応する波形315を使用する。そして、そのテンプレートと図18Aの信号に対してマッチング処理を行い、マッチ度(図18C)に基づいてレジスト表面(図18Cの最も右側のピークの位置)を検出する。
このように、この技術は、積層構造における最表面を検出するため、”Top Slice”または”Tops Surface”と呼ばれている。レジスト裏面とシリコン基板との境界面を検出したい場合には、設定を変更して、図18C最も左側のピークの位置を検出すればよい。
このように、”Top Slice”では、複数の面から反射した光による干渉信号に基づいて最表面を検出することを可能としている。
この”Top Slice”を使用しても、レジスト厚が更に薄くなり、レジスト裏面とシリコン基板との境界面に対応する干渉信号がレジスト表面に対応する干渉信号に影響を及ぼすと、検出精度が劣化する可能性がある。
そのような場合に、本発明を適用して信号を高コントラスト化することで、検出精度を向上させることができる。具体的には、コンピュータ100は、形状決定工程150において、逆フーリエ変換によって生成された干渉信号(第2干渉信号)の包絡線が有する複数のピークから1つのピークを選択し、その選択したピークに基づいて被測定面の形状を決定する。
実際のリソグラフィーにおいては、レジストの上に反射防止層やキャップ層と呼ばれる層が塗布され、それらの層の屈折率はほぼレジストと同じである。そこで、それらの層が塗布された積層構造においても、本発明を適用すると、その積層構造の表面を高精度で計測することができる。
[第1実施例]
本発明は、被測定面に対してほぼ垂直に広帯域光を入射させる構成に限定されず、図19に例示するように、被測定面に対して斜めに広帯域光を入射させる干渉系にも適用可能である。
図20は、図19に示される構成の下でシミュレーションにより求めた干渉信号を示している。このシミュレーションで使用した広帯域光の波長は400nm〜700nm(ピッチ10nm)、入射角度(θin)は75度である。計測対象物は、レジストとした。ここで、レジストの厚さを20ミクロン以上として、レジストの裏面からの反射を分離することができるようにした。参照面はSiOとした。ピエゾによる参照ミラーの駆動のピッチは77.2nmとした。
光源としては、図9に示される分光分布の白色LEDと呼ばれる光源を使用した。
この広帯域光を用いた干渉信号をフーリエ変換した振幅分布を図24に示す。図24の右側は左側の拡大図である。分布の形状は、図9の形状を反転した形状であり、光源の分光分布を反映していることが判る(反転しているのは、周波数の共役な方の分布を拡大したため)。
図25に例示するような分布関数Wを定義し、これを使用して逆フーリエ変換を行った結果を図21に示す。図20、21の信号をその最大値で正規化した信号を図22、図23にそれぞれ示す。コヒーレンス長を前述と同ように最大強度の20%の幅の信号の横軸の長さと定義して、図22、23を計測するとそれぞれ約13.9μm、5.8μmとなる。つまり、本発明の適用により、コヒーレンス長が約40%(5.8/13.9)になっている。
[第2実施例]
斜入射でかつ複数の反射面を有する場合(例えば、第1実施例における構成で得られる干渉信号を「リソグラフィーへの応用例」に示す方法で処理する場合)においても本発明を適用することで高精度な計測が可能となる。
上記のような方法で干渉信号をフーリエ変換して得られた振幅分布を図3に示す分布関数Wに従うように整形しても、複数の透明膜(多層膜)で構成される縦構造(積層構造)によっては、高精度な検出精度が得られない可能性がある。これは、積層構造によっては反射位相(反射光の位相)が異常になる周波数が存在することに起因する。以下に、反射位相が異常な周波数とは何かの説明をする。
図27は、240nm厚のレジスト厚、78nm厚のBARK、180nm厚のSiOをCu基板の上に積層した構造の一例を示す図である。屈折率は、レジストが1.54、BARKが1.53、SiOが1.46、Cu基板が実部0.38、虚部2.9である。そして、この積層構造のS偏光、P偏光の波長に対する反射強度を図28に、反射位相を図29に示した。図28の縦軸は反射強度(1が反射率100%)、横軸は波長(μm)である。図29の縦軸は位相(ラジアン)、横軸は波長(μm)である。波長領域が0.4μm(400nm)から0.8μm(800nm)の範囲であるのは、図9に示した波長領域(400nmから800nm)の白色LED光源で図19に示した干渉計を用いて取得した干渉信号の例を以下に示すためである。
図28に示した例において、S偏光の反射強度は波長500nm近傍で急激に低下し、P偏光の反射強度は波長650nm近傍で急激に低下している。一方、図29に示した例において、S偏光の反射位相は波長500nm近傍で急激に変化し、P偏光の反射位相は波長650nm近傍で急激に変化している。S偏光の600nm近傍の位相は、3ラジアンから−3ラジアンになっているので位相変化はない。このように、反射位相が急激に変化している波長近傍では、反射強度も急激に低下する。ここで、反射強度および反射位相が急激に変化する波長を反射位相が異常波長(異常周波数)と定義する。
前述のように、干渉信号は、白色干渉の原理から理解されるように、波長の変化に伴って位相が徐々に変化することが理想である。しかし、図27のような積層構造での干渉信号では、図28および図29に例示した反射位相が異常な異常波長(異常周波数)で反射位相が急激に変化し、理想的な干渉信号でなくなる。このことは、白色干渉信号が、複数の波長(周波数)の干渉信号の総和であることからも明らかである。
このように、積層構造によっては、反射位相が異常になる周波数が存在する干渉信号に対して図1を参照して説明した処理を行うことで、反射位相が異常になる周波数の成分が強調されうる。その結果、レジスト表面に対応する干渉信号に悪影響を及ぼしてしまい、高い検出精度が得られない可能性がある。
[第3実施例]
本発明の第3実施例について詳細に説明する。第3実施例の特徴は、図1を参照して説明した振幅分布の整形工程130にある。図3を参照して説明例では、位相分布の線形成の良い周波数領域を整形対象の周波数領域とし、その整形対象の周波数領域の振幅を平坦化する。
図30は、第3実施例における整形工程130の手順を示す図である。第3実施例における整形工程130では、まず、工程3010において、予め定められた値以上の振幅が存在する周波数領域を整形対象の周波数領域とする。次に、工程3020において、位相分布から位相変化を算出する。次いで、工程3030において、整形対象の周波数領域のうち位相変化が異常な異常周波数領域を判断する。次いで、工程3040において、位相変化が異常であると判断した異常周波数領域の振幅が他の周波数領域の振幅に比べて小さくなるように、当該整形対象の周波数領域における振幅分布を整形する。以下において、工程3010から工程3040のより具体的な例を説明する。
スペクトル情報が存在する領域の両端には、反射位相の異常な異常周波数が含まれる場合がある。よって、位相分布を用いると整形対象の周波数領域の決定を誤ってしまう可能性がある。そこで、工程3010では、振幅分布に基づいて整形対象の周波数領域を決定する。ここで、整形対象の周波数領域は、フーリエ変換した振幅分布の最大値に対する基準の割合以上の振幅を有する周波数領域とすることができる。或いは、整形対象の周波数領域は、フーリエ変換した振幅分布の全周波数領域におけるスペクトル強度の中央値より大きな強度の周波数領域としても良い。或いは、整形対象の周波数領域は、光源の波長領域に対応する周波数領域としても良い。
以下では、フーリエ変換した振幅分布の全周波数領域におけるスペクトル強度の中央値より大きな強度の周波数領域を整形対象の周波数領域とする例を示す。
図31は、図19に示した構成の下でシミュレーションにより求めた干渉信号である。計算条件として、光源は図9に示した白色LED光源(波長400nm〜800nm、ピッチ10nm)、入射角(θin)は75度とした。また、計測対象物は図27に示した積層構造の厚さ240nmのレジストとした。参照面はSiOとした。ピエゾによる参照面の駆動ピッチは77.2nmとし、計測対象物に近づける方向に該参照面を駆動した。図31の横軸はピエゾ駆動位置に相当し、各位置の間隔が77.2nmで、総数数は512点である。縦軸は干渉信号の強度である。参照面とレジスト表面でそれぞれ反射する光の光路長がそろう位置は312点としている。
図31に示す干渉信号をフーリエ変換した結果を図32、図33に示す。図32は、第1実施例において参照した図24の拡大図(フーリエ変換した振幅分布の拡大図)に相当する。ここでは、振幅分布における振幅の最大値で規格化した。縦軸は規格化後のスペクトル強度、横軸は周波数である。そして、全周波数領域の規格化後のスペクトル強度の中央値は0.1であったので、規格化後のスペクトル値が0.1以上の周波数領域を整形対象の周波数領域とした。この干渉信号では、460から488の周波数領域と、それに共役な周波数領域が整形対象の周波数領域である。
ここでの全周波数領域とは、光源の波長スペクトルに設定されるものではなく、図31に示す干渉信号から決まるカットオフ周波数以下の周波数領域(直流成分は除く)である。
次に、工程3020について具体的に説明する。図33に、工程3010で決定した整形対象の周波数領域(460から488)における、フーリエ変換した位相分布を示す。縦軸はラジアン、横軸は周波数である。その位相分布を用いて、整形対象の周波数領域(460から488)の前後の周波数に対する位相変化(位相分布の傾き)を求める。その結果を図34に例示する。
工程3030では、整形対象の周波数領域(460から488)において、工程3020で求めた位相変化(位相分布の傾き)の中央値を求める。この例では、中央値は2.7ラジアンである。そして、中央値からの差の絶対値が所定量以上の周波数を異常周波数とする。所定量は、図19に示した構成の干渉計に関して、予めシミュレーションの干渉信号から積層構造に最適な量を求めておく。
所定量は、例えば、標準偏差の0.1倍以上3.0倍以下の値とすることができる。
位相変化量の頻度分布は、図44Aに示すような一様分布、或いは、図44Bに示すような正規分布、或いは、図44Cに示すような二極化した分布となりうる。何れの図も横軸は位相変化量、縦軸はその頻度である。図44Aのような一様分布の場合、例えば、中央値より1.5倍のσ(σは、標準偏差)以上の差がある位相変化量を外れ値とみなすことができる。図44Aの例では、b1以下の位相変化量とb2以上の位相変化量が外れ値である。図44Bのような正規分布の場合、例えば、中央値より3.0倍のσ(σは、標準偏差)以上の差がある位相変化量を外れ値とみなすことができる。図44Bの例では、b1以下の位相変化量とb2以上の位相変化量が外れ値である。そして、外れ値とみなした位相変化量に対応する周波数を異常周波数とする。
図44Cは、b以上の位相変化量に対応する周波数が異常周波数の場合を示している。また、bは、中央値以上であり、しかも、中央値に1.5倍のσ(σは標準偏差)を加算したb2以下の値である。二極化した分布の場合、前述のような正規分布や一様分布のように中央値からの差がσ(σは、標準偏差)のn倍以上を外れ値と決めることはできない。それは、計測物体により干渉信号は異なり、位相変化量の外れ値bの値が変化するからである。このような分布の場合、中央値よりn倍のσ(σは、標準偏差)以上の差がある位相変化量を外れ値とみなす。具体的には、実験的に、nを0.1以上3.0以下とすることができる。最も計測精度が良いnの値は、実験的に0.3である。
図27に示すような積層構造を有する計測対象物の場合、所定量は、整形対象の周波数領域(460から488)の位相変化量の標準偏差の0.3倍である0.5ラジアンとすることができる。この所定量によると、2.2から3.2ラジアンの位相変化量は正常とみなし、それ以外は異常と判断される。その結果、整形対象の周波数領域(460から488)では、460〜462、468〜469、480〜481、486〜488の周波数が異常異常周波数とされる。
最後に、工程3040では、整形対象の周波数領域(460から488)において、工程3030で判断した異常周波数領域の振幅を他の周波数領域(正常周波数領域)の振幅よりも小さくする。それに共役な周波数領域も同様に振幅を整形する。例えば、前述のように平坦部の両端において微分不連続にならないように、図35に示す分布関数Wに従うように振幅分布を整形する。或いは、異常周波数領域の振幅をゼロにし他の周波数の振幅を平坦にし、その振幅分布に平滑化処理を行っても良い。本実施例では、まず、460〜462、468〜469、480〜481、486〜488の周波数領域を異常周波数領域として、当該異常周波数領域の振幅をゼロにし、他の周波数領域を1とした。図36は整形後の振幅分布である。更に、この振幅分布に幅3の移動平均を行って最終的な整形後の振幅分布を得ることができる。図37は、最終的な整形後の振幅分布である。同様の操作を共役な周波数領域に行う。
ここまでは、レジスト厚が240nmを例に説明した。図38は、レジスト厚を100nmから300nmまで20nmピッチで変化させてシミュレーションにより求めた干渉信号に対して、第1、第3実施例に従って求められるレジストの表面位置の平均誤差量(nm)を示している。縦軸は平均誤差量(nm)である。第1実施例における平均誤差量が14nmであるのに対して、第3実施例における平均誤差量は8nm弱であり、45%の改善が認められる。
以上のように、第3実施例によれば、異常周波数領域の振幅を正常周波数領域の振幅に比べ抑制することで、検出精度を向上させることができる。
[第4実施例]
本発明の第4実施例について詳細に説明する。第3実施例では異常周波数領域の判断に位相分布を用いる。一方、第4実施例では、振幅分布に基づいて異常周波数領域を判断する。図28と図29を参照して説明したように、反射位相の変化が急激な周波数領域と反射強度の急激な低下とは相関を有するので、第4実施例では、位相分布を用いる代わりに振幅分布を用いる。
図39は、第4実施例の手順を示している。第4実施例では、図39に示す手順を実行する前に計測対象物の干渉信号を取得し(図1の工程110)、その干渉信号のフーリエ変換を行う(図1の工程120)。その後、図39に示す手順を実行する。まず、工程3910では、透明膜で構成されていない基準プレート(例えば、オプティカルフラット、SiOプレートなど)の干渉信号を図1の工程110と同じ干渉計で取得する。次に、工程3920では、基準プレートの干渉信号をフーリエ変換して振幅分布を算出し、その振幅分布を示すデータを保存する。その後、工程3930では、その振幅分布において、予め定められた値以上の振幅が存在する周波数領域を整形対象の周波数領域とする。
工程3940では、計測対象物の振幅分布、および、基準プレートの振幅分布を規格化する。工程3950では、複数の周波数のそれぞれについて、基準プレートの干渉信号をフーリエ変換して得られる振幅に対する計測対象物の干渉信号をフーリエ変換して得られる振幅の割合を算出する。工程3960では、整形対象の周波数領域において、振幅の割合が所定値以下の周波数領域を異常周波数領域と判断する。最後に、工程3970では、異常周波数領域の振幅が整形対象の周波数領域の中の他の周波数領域の振幅に比べて小さくなるように整形対象の周波数器の周波数分布を整形する。
工程3910で使用する基準プレートとしては、反射強度の周波数特性が平坦であり、しかも、反射位相の急激な変化がないものを採用すべきである。
以下に各工程のより具体的な例を説明する。工程3910では、基準プレートをSiOプレートとする。図1の工程110におけるものと同様の干渉計でシミュレーションにより求めた干渉信号を図40に示した。SiOプレートの厚さは裏面からの反射光が干渉しないように十分に厚い(例えば、数mm)ものを使用し、屈折率は1.46とした。総点数は512点である。
工程3920では、工程3910で取得した干渉信号をフーリエ変換して振幅分布を算出し、その振幅分布を示すデータを保存する。図41は、図40のSiO基準プレートの干渉信号をフーリエ変換して得られる振幅分布を規格化した結果を示す図である。
工程3930では、第3実施例の計測対象物の干渉信号(図31)において、460から488の周波数領域とそれに共役な周波数領域を整形対象の周波数領域として決定する。
工程3940では、第3実施例の計測対象物の干渉信号(図31)のフーリエ変換の振幅分布、および、工程3930で算出した基準プレートの干渉信号(図40)のフーリエ変換の振幅分布をそれぞれ規格化した。図32に、計測対象物の干渉信号をフーリエ変換して得られる振幅分布を規格化した分布(以下、規格化後の計測対象物の振幅分布とする)を示した。図42に、基準プレートの干渉信号をフーリエ変換して得られる振幅分布を規格化した分布(以下、規格化後の基準プレートの振幅分布とする)を示した。図42に示した周波数範囲は、図32と同様に整形対象の周波数領域(460から488)である。図42には、整形対象の周波数領域(460から488)で、規格化後の計測対象物についての振幅分布と規格化後の基準プレートについての振幅分布を示した。
工程3950では、工程3940で算出した規格化後の計測対象物の振幅分布と規格化後の基準プレートの振幅分布とに基づいて、周波数毎に、規格化後の基準プレートについての振幅に対する規格化後の計測対象物についての振幅割合を算出する。図43にその結果を示した。縦軸が割合、横軸が周波数である。
工程3960で使用する所定値は、計測対象物のシミュレーションの干渉信号の振幅分布と基準プレートのシミュレーションの干渉信号の振幅分布とに基づいて予め最適な値を求めておく。実験上、最適な値は、例えば、0以上1.0未満の値である。更に、実験的に、最適な値は、0.8が最も精度が良い。
第4実施例では、所定値を0.8とした。その結果、整形対象の周波数領域(460から488)では、460から462、468から469、480から481、486から488の周波数領域が異常周波数領域となった。
工程3970は、第3実施例の工程3040と同様の操作を行った。なお、工程3910と工程3920は、光源の波長分布やセンサの分光感度が不変であれば一度だけ行い、その後は保存された基準プレートの振幅データを用いることができる。また、これら手順は、光源やセンサを変更した場合に行うようにする。
更に、計測対象物の干渉信号の取得と基準プレートの干渉信号の取得の順序は、逆であってもよい。また、図39の工程3920において、基準プレートの干渉信号をフーリエ変換し振幅分布を算出し保存する例を示したが、工程3940で規格化後の基準プレートの振幅分布を保存し用いてもよい。
[第5実施例]
第3実施例と第4実施例では、位相分布から判断した異常周波数領域と振幅分布から判断した異常周波数領域が同じになる例を示したが、両者の間で異常周波数領域が異なる場合もある。
その場合、まず、第3実施例で位相分布から判断した異常周波数領域(以下、周波数領域Pとする)と第4実施例で振幅分布から判断した異常周波数領域(以下、波数域Aとする)を求める。次に、周波数領域Pと周波数領域Aに共通な周波数領域を求め、この共通な周波数領域を異常周波数領域として振幅分布を整形する。整形の仕方は、第3実施例の工程3040に従いうる。
或いは、まず、周波数領域Pと周波数領域Aを求め、周波数領域Pおよび周波数領域Aの少なくとも一方を含む周波数領域を求め、この周波数領域を異常周波数領域として振幅分布を整形してもよい。整形の仕方は、第3実施例の工程3040に従いうる。
[第6実施例]
第3実施例、第4実施例、第5実施例では、異常周波数を干渉信号から求めた。第6実施例では、計測対象物の構造に基づいた基板表面の分光反射特性(例えば、分光反射率分布)から異常周波数領域を求める。
まず、計測対象物の構造に基づいて、S偏光、P偏光の分光反射位相を計算する。次に、S偏光とP偏光の分光反射位相のそれぞれに基づいて異常周波数領域を第3実施例に従って求める。具体的には、異常周波数領域は、分光反射位相分布のうち位相変化(分光反射位相分布の傾き)の値が該分光反射位相分布の傾きの中央値と所定量以上異なる部分の波長領域に対応する周波数領域であることを
或いは、まず、計測対象物の構造に基づいてS偏光、P偏光の分光反射率を計算し、次に、S偏光とP偏光の分光反射率のそれぞれに基づいて反射率が極小値となる波長近傍を異常周波数領域としてもよい。
最後に、干渉信号をフーリエ変換し、位相分布はそのままにする一方で、振幅分布を整形する。
整形の仕方は、第3実施例の工程3040に従いうる。
[第7の実施例]
図26は、本発明の第7の実施例に係る露光装置の概略構成を示す図である。本発明の第7の実施例に係る露光装置500は、レジストが塗布された基板550の該レジストに潜像パターンを形成するように構成されている。露光装置500は、基板550を保持する基板ステージ560と、原版530を保持する原版ステージ520と、基板550に原版530のパターンを投影する投影光学系540とを備える。露光装置500は、更に、基板550の表面形状(典型的には、レジストの表面形状)を測定するように構成された前述の形状測定装置200とを備える。
本発明の好適な実施形態の形状測定装置の概略構成を示す図である。 フーリエ変換して得られる振幅分布を整形するために使用される分布関数Wを例示する図である。 図2の一部を拡大した図である。 干渉信号をフーリエ変換した際の波長λ1、λ2、λ3の成分を例示する図である。 干渉信号をフーリエ変換して得られた結果の振幅分布を例示する図である。 ミラウ干渉型の原理を示す図である。 ミラウ干渉系の概略構成を示す図である。 干渉信号、包絡線、および、コヒーレンス長を例示する図である。 白色LEDの分光分布を例示する図である。 広帯域光を用いて得られる干渉信号の一例を示す図である。 本発明を適用して得られる高コントラスト化した干渉信号を例示する図である。 図10の信号を正規化した信号を示す図である。 図11の信号を正規化した信号を示す図である。 広帯域光による干渉信号をフーリエ変換して得られる振幅分布を示す図である。 分布関数Wを例示する図である。 フーリエ変換して得られる振幅分布、分布関数W、位相分布の関係を例示する図である。 複数の面で測定光が反射される様子を模式的に示す図である。 Top Sliceの原理を示す図である。 Top Sliceの原理を示す図である。 Top Sliceの原理を示す図である。 斜入射による干渉計測の光学系を例示する図である。 斜入射条件の下でシミュレーションにより得られた干渉信号を示す図である。 図20の干渉信号を高コントラスト化した干渉信号を示す図である。 図20の信号を正規化した信号を示す図である。 図21の信号を正規化した信号を示す図である。 図20の干渉信号をフーリエ変換して得られる振幅分布を示す図である。 分布関数Wを例示する図である。 本発明の応用例に係る露光装置の概略構成を示す図である。 積層構造の例を示す図である。 図27の積層構造のS偏光、P偏光の反射強度を示す図である。 図27の積層構造のS偏光、P偏光の反射位相を示す図である。 第3実施例の振幅分布を整形の手順を示す図である。 図19の構成においてシミュレーションにより求めた干渉信号を示す図である。 図31の干渉信号をフーリエ変換して得られる振幅分布を規格化した結果を示す図である。 図31の干渉信号をフーリエ変換して得られる位相分布を示す図である。 図33の位相の変化を示す図である。 第3実施例の分布関数Wを示す図である。 第3実施例において以上周波数領域の振幅をゼロにし、その他の周波数領域の振幅を1にするように整形対象の周波数領域における振幅分布を整形した結果を示す図である。 第3実施例において図36の振幅分布の移動平均を計算した結果を示す図である。 図27の積層構造において、レジスト厚を100nmから300nmまで20nmピッチで変えたときの第1実施例の平均誤差量(nm)と第3実施例の平均誤差量(nm)を示す図である。 第4実施例の振幅分布を整形の手順を示す図である。 図19の構成においてシミュレーションにより求めたSiO基準プレートの干渉信号を示す図である。 図40のSiO基準プレートの干渉信号をフーリエ変換して得られる振幅分布を規格化した結果を示す図である。 図32、図41の振幅分布を同時に示した図である。 図41の振幅に対する図42の振幅の各周波数での割合を示す図である。 位相変化量の頻度分布を例示する図である。 位相変化量の頻度分布を例示する図である。 位相変化量の頻度分布を例示する図である。
符号の説明
10 干渉計
100 コンピュータ
200 形状測定装置

Claims (17)

  1. 被測定面の形状を測定する形状測定装置であって、
    被測定面からの測定光と参照面からの参照光とによって形成される干渉光を光電変換素子で検知する干渉計と、
    前記光電変換素子で検知された第1干渉信号をフーリエ変換して位相分布および振幅分布を求め、該振幅分布を整形した後、該位相分布および該整形された振幅分布を逆フーリエ変換して第2干渉信号を求め、該第2干渉信号に基づいて前記被測定面の形状を決定するコンピュータと、
    を備えることを特徴とする形状測定装置。
  2. 前記干渉計は、前記測定光または前記参照光の光路長を変更しながら、または、前記被測定面を前記参照面に対して相対的に傾けて、前記干渉光を前記光電変換素子で検知することを特徴とする請求項1に記載の形状測定装置。
  3. 前記測定光および前記参照光は、広帯域光から生成されることを特徴とする請求項1に記載の形状測定装置。
  4. 前記測定光および前記参照光は、前記コンピュータによる信号処理により分離可能な複数の波長を含む光から生成されることを特徴とする請求項1に記載の形状測定装置。
  5. 振幅分布の前記整形は、平坦部を有する振幅分布が形成されるように、または、平坦部が拡大された振幅分布が形成されるように、実施されることを特徴とする請求項1に記載の形状測定装置。
  6. 振幅分布の前記整形は、位相分布を示す曲線の線形性が基準値より高い周波数領域において平坦化された振幅分布が形成されるように実施されることを特徴とする請求項1に記載の形状測定装置。
  7. 前記コンピュータは、前記第2干渉信号の包絡線が有する複数のピークから1つのピークを選択し、その選択したピークに基づいて前記被測定面の形状を決定することを特徴とする請求項1に記載の形状測定装置。
  8. 基板に潜像パターンを形成する露光装置であって、
    前記基板を保持する基板ステージと、
    前記基板に原版のパターンを投影する投影光学系と、
    前記基板の表面の形状を測定する形状測定装置とを備え、
    前記形状測定装置が請求項1乃至7のいずれか1項に記載の形状測定装置であることを特徴とする露光装置。
  9. 被測定面からの測定光と参照光とによって形成される干渉光を光電変換素子で検知する干渉計において前記光電変換素子で検知された第1干渉信号をフーリエ変換して位相分布および振幅分布を求めるフーリエ変換手段と、
    前記フーリエ変換手段によって求められた振幅分布を整形する整形手段と、
    前記フーリエ変換手段によって求められた位相分布および前記整形手段によって整形された振幅分布を逆フーリエ変換して第2干渉信号を求める逆フーリエ変換手段と、
    前記第2干渉信号に基づいて前記被測定面の形状を決定する形状決定手段と、
    を備えることを特徴とするコンピュータ。
  10. 被測定面からの測定光と参照光とによって形成される干渉光を光電変換素子で検知する干渉計において前記光電変換素子で検知された第1干渉信号をフーリエ変換して位相分布および振幅分布を求めるフーリエ変換手段と、
    前記フーリエ変換手段によって求められた振幅分布を整形する整形手段と、
    前記フーリエ変換手段によって求められた位相分布および前記整形手段によって整形された振幅分布を逆フーリエ変換して第2干渉信号を求める逆フーリエ変換手段と、
    前記第2干渉信号に基づいて前記被測定面の形状を決定する形状決定手段と、
    を備える装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
  11. 表面に膜を有する基板の表面形状を測定する形状測定装置であって、
    光源からの広帯域光を測定光と参照光とに分離し、前記基板の表面からの前記測定光と前記参照光とによって形成される干渉光を光電変換素子で検知する干渉計と、
    前記光電変換素子で検知された第1干渉信号をフーリエ変換して位相分布および振幅分布を求め、所定の周波数領域のその振幅分布を整形した後、その位相分布および該整形された振幅分布を逆フーリエ変換して第2干渉信号を求め、その第2干渉信号に基づいて前記基板の表面形状を決定するコンピュータとを備え、
    前記コンピュータは、前記第1干渉信号をフーリエ変換して求めた前記位相分布に基づいて前記所定の周波数領域の中の異常周波数領域を求め、その異常周波数領域の情報に基づいてその振幅分布を整形し、
    前記異常周波数領域は、前記所定の周波数領域の中の前記位相分布のうち、前記位相分布を示す曲線の傾きが該曲線の傾きの中央値に対して所定量以上異なる部分、の周波数領域であることを特徴とする形状測定装置。
  12. 表面に膜を有する基板の表面形状を測定する形状測定装置であって、
    光源からの広帯域光を測定光と参照光とに分離し、前記基板の表面からの前記測定光と前記参照光とによって形成される干渉光を光電変換素子で検知する干渉計と、
    前記光電変換素子で検知された第1干渉信号をフーリエ変換して位相分布および振幅分布を求め、所定の周波数領域のその振幅分布を整形した後、その位相分布および該整形された振幅分布を逆フーリエ変換して第2干渉信号を求め、その第2干渉信号に基づいて前記基板の表面形状を決定するコンピュータとを備え、
    前記コンピュータは、前記第1干渉信号をフーリエ変換して求めた前記位相分布に基づいて前記所定の周波数領域の中の異常周波数領域を求め、その異常周波数領域の情報に基づいてその振幅分布を整形し、
    前記異常周波数領域は、前記第1干渉信号をフーリエ変換して求めた前記所定の周波数領域の中の振幅分布のうち、基準となる振幅に対する前記振幅分布を構成する振幅の割合が所定値以下である部分、の周波数領域であることを特徴とする形状測定装置。
  13. 表面に膜を有する基板の表面形状を測定する形状測定装置であって、
    光源からの広帯域光を測定光と参照光とに分離し、前記基板の表面からの前記測定光と前記参照光とによって形成される干渉光を光電変換素子で検知する干渉計と、
    前記光電変換素子で検知された第1干渉信号をフーリエ変換して位相分布および振幅分布を求め、所定の周波数領域の該振幅分布を整形した後、その位相分布および該整形された振幅分布を逆フーリエ変換して第2干渉信号を求め、該第2干渉信号に基づいて前記基板の表面形状を決定するコンピュータとを備え、
    前記コンピュータは、前記基板の表面の分光反射特性に基づいて前記第1干渉信号をフーリエ変換して求めた振幅分布を整形することを特徴とする形状測定装置。
  14. 前記コンピュータは、前記基板の表面の分光反射特性に基づいて異常周波数領域を求め、その異常周波数領域の情報に基づいて前記第1干渉信号をフーリエ変換して求めた振幅分布を整形し、
    前記分光反射特性は、分光反射位相分布を含み、
    前記異常周波数領域は、前記分光反射位相分布のうち、前記分光反射位相分布を示す曲線の傾きの値が該曲線の傾きの中央値と所定量以上異なる部分の周波数領域であることを特徴とする請求項11記載の形状測定装置。
  15. 前記コンピュータは、前記基板の表面の分光反射特性に基づいて異常周波数領域を求め、その異常周波数領域の情報に基づいて前記第1干渉信号をフーリエ変換して求めた振幅分布を整形し、
    前記分光反射特性は、分光反射率分布を含み、
    前記異常周波数領域は、前記分光反射率分布のうち、極小値となる波長を含む波長領域に対応する周波数領域であることを特徴とする請求項11記載の形状測定装置。
  16. 前記コンピュータは、前記所定の周波数領域のうち前記異常周波数領域とは異なる正常周波数領域における振幅の値が前記異常周波数領域における振幅の値より大きくなるように、かつ前記正常周波数領域における振幅分布が平坦になるように、前記第1干渉信号をフーリエ変換して求めた振幅分布を整形することを特徴とする請求項11または12に記載の形状測定装置。
  17. 表面に多層膜を有する基板に潜像パターンを形成する露光装置であって、
    前記基板を保持する基板ステージと、
    前記基板に原版のパターンを投影する投影光学系と、
    前記基板の表面の形状を測定する形状測定装置とを備え、
    前記形状測定装置が請求項11乃至16のいずれか1項に記載の形状測定装置であることを特徴とする露光装置。
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