JP2008232178A - 自動車駆動モータ用玉軸受及び駆動モータ - Google Patents
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Abstract
【課題】モータ軸の高速回転時における軸受のラジアル剛性の低下を防ぎ、アンバランス振動や機械構造との共振が発生するのを防止することができる、簡単な構成の自動車駆動モータ用玉軸受及び駆動モータを提供すること。
【解決手段】軸受用鋼より成る内輪1と外輪2との間に、複数の玉3を転動自在に介在させた自動車駆動モータ用玉軸受8,9であって、玉3はセラミックスから成っており、予圧が負荷されていて、初期接触角αxは、5°以上25°以下で、モータ軸4の回転中における外輪2の接触角αoは初期接触角αxより小さく、内輪1の接触角αiは初期接触角αxより大きくする。
【選択図】図1
【解決手段】軸受用鋼より成る内輪1と外輪2との間に、複数の玉3を転動自在に介在させた自動車駆動モータ用玉軸受8,9であって、玉3はセラミックスから成っており、予圧が負荷されていて、初期接触角αxは、5°以上25°以下で、モータ軸4の回転中における外輪2の接触角αoは初期接触角αxより小さく、内輪1の接触角αiは初期接触角αxより大きくする。
【選択図】図1
Description
本発明は、ハイブリッド自動車や電気自動車等において、トランスミッション内部に配備され、駆動力を車輪に伝達する駆動モータ、及びこの駆動モータの軸を支持するための駆動モータ用玉軸受に関する。
ハイブリッド自動車のトランスミッション部に用いられる駆動モータは、例えば、特許文献1に示されるような構成を有している。
この駆動モータは、配置スペースが制約されることから、よりコンパクトであることが求められるが、モータの大きさは、発生するトルクに比例するので、要求に応じてコンパクト化されたモータでは大きなトルクを発生することができないという矛盾がある。
そこで、特許文献2に開示されているように、モータの回転速度を高くして、歯車等の減速機を用いることにより、トルクを増大させるという方法でモータの小型化が図られている。
しかし、モータが高速で回転すると、発生する音や振動が大きくなり、ロータ(回転体)のアンバランス等による加振周波数が高くなってくる。このため、これまで問題とならなかった、軸、軸受、歯車系等の機械構造との共振という新たな問題が生じてくる。
例えば、一般乗用車の場合、エンジンの回転速度は6,000rpm程度であるが、近年のモータは14,000rpm程度で回転する。このアンバランス振動に対して、モータ軸を支持する軸受のラジアル剛性も大きくする必要がある。機械構造の固有振動数F[Hz]は、1自由度系であれば、Kを剛性[N/m]、Mを質量[kg]とすると、一般に、以下のような式で表すことができる。
したがって、剛性Kを大きく設定することによって固有振動数Fを大きくすることができることから、高速回転するモータ軸を支持する駆動モータ用玉軸受には、剛性を確保するために予圧を与える等の工夫が必要になってくる。
また、ハイブリッド車の駆動モータにおいて、種々の回転速度制御を行うためにインバータからの交流で駆動させる場合、特に、インバータのキャリア周波数を高く設定して駆動させる場合、モータのロータ側に発生する電圧が大きくなって、ステータ側との間に大きな電位差が生じる。これに伴って、玉軸受の内輪と外輪との間にも大きな電位差が生じて、内輪と外輪の軌道面と玉とに電食と呼ばれる腐食が生じて、玉軸受の耐久性が低下するという問題点があった。
この問題の対策として、特許文献3では、軸受の玉にセラミックスを用いることにより、電食による摩耗を防止し、軸受の耐久性を向上させる技術が開示されている。
特開平11−240346号公報
特開2003−299317号公報
特開2003−329045号公報
しかしながら、従来の駆動モータ用玉軸受においては、図2に示すように、外輪2に矢印E方向の予圧を与えた状態で、モータ軸が高速回転する時には、玉3が公転による遠心力(矢印F方向)を受けて、内輪1側の接触角αiが、外輪2側の接触角αoより大きくなり、ラジアル方向の剛性が低下するという問題点があった。
そこで、本発明は、上述した従来の不具合を解消して、モータ軸の高速回転時における軸受のラジアル剛性の低下を防ぎ、アンバランス振動や機械構造との共振が発生するのを防止することができる、簡単な構成の自動車駆動モータ用玉軸受及び駆動モータを提供することを課題としている。
上記課題を達成するために、本発明では、自動車に用いられる駆動モータのモータ軸を支持するために、軸受用鋼より成る内輪と外輪との間に、複数の玉を転動自在に介在させた自動車駆動モータ用玉軸受において、前記玉はセラミックスから成っており、予圧が負荷されていて、初期接触角は、5°以上25°以下で、前記モータ軸の回転中における前記外輪の接触角は前記初期接触角より小さく、前記内輪の接触角は前記初期接触角より大きいことを特徴としている。
また、当該玉軸受は、前記モータ軸の回転速度が、10,000min-1以上の時に使用することが好ましい。
以上のように、玉をセラミックス製とし、玉軸受の初期接触角を5°以上25°以下の範囲に設定することにより、遠心力が低減することになるので、モータ軸の回転速度が、例えば10,000min-1以上の高速回転の領域でも、軸受のラジアル剛性の低下を防止することができ、モータのアンバランス振動や機械構造との共振、及びそれに伴う騒音や機械の破損を防止することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るハイブリッド自動車の駆動装置を示す軸方向断面図である。
図1は、本発明の実施形態に係るハイブリッド自動車の駆動装置を示す軸方向断面図である。
図3は、本発明の実施形態の駆動モータ用玉軸受における回転速度とラジアル剛性との関係を示す特性線図である。図4は、本発明の実施形態の駆動モータ用玉軸受における初期接触角とラジアル剛性との関係を示す特性線図である。
図1に示すように、駆動モータ10は、出力軸4に外嵌・固定されたロータ5、このロータ5の周囲に配設されたステータ6、このステータ6に巻装されたコイル7等から成っている。出力軸4の前端及び後端は、玉軸受8及び9によって、ケーシング11に各々回転自在に支持されている。コイル7は図示しない電源装置及びバッテリに接続されており、このバッテリから電流が供給されて出力軸4が回転するようになっている。
出力軸4の前端の近傍にギヤ12が固定され、このギヤ12と、カウントシャフト14に外嵌・固定された第2のギヤ13とが噛み合っている。したがって、モータ10によって発生した回転力は出力軸4、ギヤ12、第2のギヤ13を介してカウンタシャフト14に伝達される。このカウンタシャフト14の前端近傍には、当該シャフト14と一体的に第3のギヤ15が形成され、この第3のギヤ15にディファレンシャル装置16が固定されている。
本発明は、図1に示したような駆動モータ10に用いられる玉軸受8,9及び、当該駆動モータに関するものである。
駆動モータ用玉軸受の構成は図2に示したものと同様であり、内輪1の軌道面1aと外輪2の軌道面2aとの間に、複数の玉3を転動自在に介在させたものである。
この玉3はセラミックスから成っており、その材料としては、Si3N4、Al2O3、SiC、ZrO2等を使用することができる。強度と転動性能を考慮するとSi3N4が望ましい。
内輪1及び外輪2の材料には、軸受用鋼を用いる。この軸受用鋼として、高炭素クロム軸受鋼(SUJ2等)を焼入れ処理したもの、肌焼き鋼(SCr420、SCM420等)を浸炭焼入れ処理したもの、あるいは浸炭窒化処理した材料を使用することができる。又、高温における錆を防止し、耐食性を高めるために、マルテンサイトステンレス鋼(SUS440C、SUS420C等)、ステンレス鋼に表面窒化したもの、耐熱・耐食合金(M50、SKH4等)を使用することができる。
この構成のモータ駆動用玉軸受において、玉3の径4.762mm、内輪1の軌道面1aの曲率半径比52%、外輪2の軌道面2aの曲率半径比52%、PCD38.5mm、玉数18個、初期接触角25°(後述する)、予圧200Nという条件で、玉3の材料を軸受鋼(SUJ2)とした場合と、セラミックス(Si3N4)とした場合の、モータ軸の回転速度[min-1]に対するラジアル剛性[N/μm]の変化を図3に示している。同図において、実線は軸受鋼、破線はセラミックスをそれぞれ示している。
玉3が軸受鋼の場合は、回転速度が上がると共に、ラジアル剛性が低下していくが、セラミックスの場合はそれが抑えられていることが分かる。
玉3が軸受鋼の場合は、回転速度が上がると共に、ラジアル剛性が低下していくが、セラミックスの場合はそれが抑えられていることが分かる。
セラミックスを用いた場合、回転速度が矢印Aで示す10,000min-1以上の領域で、ラジアル剛性が軸受鋼の場合程は低下しないという効果が表れているが、特に、回転速度が矢印Bで示す15,000min-1以上の領域で効果的であることが分かる。
このような結果が得られたのは、内外輪軌道面1a,2aと玉3との接触において、内外輪1,2を形成している軸受用鋼とセラミックスでは、その弾性定数に差があることや、セラミックスの方が密度が小さいこと等から、遠心力が低減したことが原因と考えられる。
また、上記条件で、初期接触角[deg]の変化に対するラジアル剛性[N/μm]を算出したものを図4に示している。軸の回転速度は20,000min-1で実施した。
外輪軌道面2aの曲率半径をRe、内輪軌道面1aの曲率半径をRi、玉径をDw、ラジアル隙間をCrとすると、初期接触角αx[deg]は、次の式で表される。
αx=cos−1((Re+Ri−Dw−0.5Cr)/(Re+Ri−Dw))
αx=cos−1((Re+Ri−Dw−0.5Cr)/(Re+Ri−Dw))
図4に示されているように、初期接触角αxが大きくなるにしたがってラジアル剛性が低下していくので、ラジアル剛性を確保するためには初期接触角αxを小さく設定する必要がある。
図2において、軸の回転速度が10,000min-1以上の高速回転になると、矢印Fで示す遠心力により、外輪2の接触角αoが初期接触角αxより小さくなる(αo<αx)と共に、内輪1の接触角αiは初期接触角αxより大きくなる(αi>αx)。
この場合、内輪1の接触角αiが大きくなることにより軸受のラジアル剛性が低下するので、(αi>αx)の関係において、αi−αx=Co、で表されるCoが略定数として維持されるとすると、上記の如く、初期接触角αxを小さくすることが、内輪1の接触角αiを小さく抑えることにつながってくることが分かる。
したがって、図4に示されるように、必要なラジアル剛性を確保するためには、初期接触角αxを、矢印Cで示すように、5°以上、25°以下に設定する(5°<αx<25°)ことが好ましい。ここで、5°以上としたのは、5°以下にすると予圧E(図2参照)が小さくなり過ぎて回転に影響を及ぼすためである。さらに、より望ましくは、矢印Dで示すように、10°以上、20°以下(10°<αx<20°)に設定する。
以上のように、玉3をセラミックス製とすることにより、玉3の質量が低減し、遠心力が低減することになるので、モータ軸の回転速度が10,000min-1以上の高速回転の領域でも軸受のラジアル剛性の低下を防止することができる。
また、高速回転において、玉軸受8,9の初期接触角αxを予め上記のように設定しておくことによって、ラジアル剛性の低下を防止することができるので、全体的な効果として、モータのアンバランス振動や機械構造との共振や、それに伴う騒音や機械の破損を防止することができる。
1 内輪
1a 内輪軌道面
2 外輪
2a 外輪軌道面
3 玉
8,9 玉軸受
10 駆動モータ
αo 外輪の接触角
αi 内輪の接触角
αx 初期接触角
1a 内輪軌道面
2 外輪
2a 外輪軌道面
3 玉
8,9 玉軸受
10 駆動モータ
αo 外輪の接触角
αi 内輪の接触角
αx 初期接触角
Claims (3)
- 自動車に用いられる駆動モータのモータ軸を支持するために、軸受用鋼より成る内輪と外輪との間に、複数の玉を転動自在に介在させた構成の自動車駆動モータ用玉軸受において、
前記玉はセラミックスから成っており、予圧が負荷されていて、初期接触角は、5°以上25°以下で、前記モータ軸の回転中における前記外輪の接触角は前記初期接触角より小さく、前記内輪の接触角は前記初期接触角より大きくなることを特徴とする自動車駆動モータ用玉軸受。 - 前記モータ軸の回転速度が、10,000min-1以上の時に使用することを特徴とする自動車駆動モータ用玉軸受。
- 請求項1又は2記載の自動車駆動モータ用玉軸受が、前記モータ軸の両端部を支持する形で組み込まれたことを特徴とする駆動モータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007068921A JP2008232178A (ja) | 2007-03-16 | 2007-03-16 | 自動車駆動モータ用玉軸受及び駆動モータ |
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Family Applications (1)
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JP (1) | JP2008232178A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2014054236A1 (ja) * | 2012-10-05 | 2016-08-25 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | モータ |
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2007
- 2007-03-16 JP JP2007068921A patent/JP2008232178A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
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