JP4338017B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C19/00Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement
    • F16C19/02Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows
    • F16C19/14Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load
    • F16C19/16Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load with a single row of balls
    • F16C19/163Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load with a single row of balls with angular contact
    • F16C19/166Four-point-contact ball bearings

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボールねじ式ラックアシスト型の電動パワーステアリング装置に関し、特に、振動や騒音の発生を抑制した電動パワーステアリング装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の電動パワーステアリング装置(以下、EPSと呼ぶ)は、ステアリングホイールの操舵力を電動モータでアシストするものであり、種々の形式のものがある。そのうちの一つとして、車輪の操舵機構に連結された進退自在な操舵軸に対して、ステアリングホイールからラックピニオン機構等の変換機構を介して軸方向移動力を与えると共に、電動モータの出力を、ボールねじを介して軸方向移動力として与えるようにしたものがある。
【0003】
このステアリングホイールによる操舵力アシスト用のモータ回転を操舵軸の軸方向の移動に変換すべく用いられているボールねじ機構において、ボールの遊動に起因して発生する振動および騒音を、簡単な構成で抑制するEPSが知られている。
【0004】
このEPSは、図9に示すように、操舵力アシスト用モータ55は、操舵軸(ラック軸)51を包持するラックハウジングH1の中途部を適長に亘って拡径して構成された円筒形のモータハウジングH3の内部に、このモータハウジングH3の内側に設けられたステータ61と、このステータ61の内側に同軸的に設けられたロータ62とを備える3相ブラシレスモータとして構成されている。
【0005】
ロータ62は、操舵軸51の外径より大きな内径を有する円筒体の外周に、ステータ61の内周に僅かな径方向すきまを介して対向する磁極63を保持して構成されており、左右一対の玉軸受64、65により、モータハウジングH3の軸心回りに回転自在に支承されている。このロータ62は、ステータ61への通電に応じて正逆両方向に回転することができる。
【0006】
操舵力アシスト用のモータ55は、ピニオン軸60を内装するピニオンハウジングH2の内部に配設されたトルクセンサ(図示せず)の検出信号に基き、ステアリングホイールに加えられる操舵トルクの方向に、この操舵トルクの大きさに対応する回転力を発すべく駆動制御されている。この駆動制御によりモータ55の一側に構成された運動変換用のボールねじ機構により、軸方向移動力に変換されて操舵軸51に加えられ、ラックハウジングH1内で操舵軸51の移動により生じる操舵がアシストされる。60aはピニオン、51aは操舵軸51に形成されたラック歯で、ピニオン60aに噛合する。
【0007】
この運動変換用のボールねじ機構は、ロータ62の一側端部に同軸的に圧入固定され、筒形をなすナット部材52を、4点接触玉軸受66によりラックハウジングH1内に回動自在に支持している。そして、操舵力アシスト用のモータ55からの伝動によって軸回りに回転し、ナット部材52の内周に形成された雌ねじ溝56と、操舵軸51の外周に形成された雄ねじ溝54とを、これらに沿って転動する複数のボール53を介して螺合させて構成している。
【0008】
このボールねじ機構により、操舵トルクに応じて駆動されるモータ55の回転を、操舵軸51の軸方向の移動に変換して操舵をアシストするEPSにおいて、エンジンからの振動、あるいは、走行中においては路面からの振動が車輪を介してEPSに伝播される。ハウジングH3に対してナット部材52を回転自在に支承する転がり軸受65、66において、内輪および外輪の転走面と転動体(ボール)との間にすきまを有しているため、これらの振動が発生すると、それに伴う転動音が生じ、さらに、この転動音に混じって高周波の振動も発生することがあった。
【0009】
こうした問題を解決するために種々な対策が取られているが、その1つに図10に示すものがある。この転がり軸受70は、転走面71a、72aを有する内輪71および外輪72と、両転走面71a、72a間に、保持器75により転動自在に介装されている複数のボール73、74とから構成され、複数のボールの一部を小寸法化し、この小寸法化した小ボール74と、内輪71、72との間にすきまを形成したものである。さらに、小ボール74の鋼部74bの外周面をゴム等の緩衝部材74aで被覆している。
【0010】
これにより、小寸法化した小ボール74が錘として作用し、内輪71および外輪72の振動方向側の内面に衝突することにより、滑り摩擦および衝突に起因したエネルギー損失が生じ振動が減衰する。同時に、振動に伴う転動音を減少させることができる(例えば、特許文献1参照。)。
【0011】
【特許文献1】
特開2002−161921号公報(第3頁、第1図)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
こうしたEPSにおける転がり軸受70は、見かけ上すきまが大きくなっているボール74には荷重が負荷されず、転走面71a、72aで形成される環状の空間内を自由に運動することができる。その結果、小ボール14のランダムな動きがホワイトノイズ的なランダム波形を持った振動を発生させるため、共振ピークを持つ騒音を減衰させるダンパーとして働き、全体の音響レベルを低減させようとしている。
【0013】
しかしながら、実際のEPSで発生している騒音を測定した場合、ある特定の周波数にピークを持った共振現象に起因する騒音ピークは余り認められなく、2〜4KHz以下の中、低周波域の騒音が実際には問題になることが多い。これは、転がり軸受あるいはボールねじのボールが転動することによって、ボールと軌道面が外部荷重を受けながら転動する時に生じる交番力が発生し、この交番力により構成部品が振動させられる結果と考えられる。したがって、前述した従来の転がり軸受のように、副次的な対策で騒音の低減を図ることも有効な場合はあるも、あらゆるEPSにおける音響対策にこの手段が有効とは言いがたく、今、根本的な騒音発生源を断ち、音響対策を図ることが望まれている。
【0014】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、操舵力アシスト用のモータ回転を操舵軸の軸方向の移動に変換すべく用いられているボールねじ機構を有する電動パワーステアリング装置において、ボールの遊動に起因して発生する振動および騒音を、簡単な構成で抑制する電動パワーステアリング装置を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、略円筒状をなすハウジングと、このハウジングに貫通し、車輪を操舵する操舵機構に連結された操舵軸と、ステアリングホイールからの回転力を、前記操舵軸を長手方向に移動させるための力に変換する変換機構と、前記操舵軸の一部がねじ軸となり、このねじ軸に複数のボールを介して外嵌されたナットとからなるボールねじと、このボールねじのナットに嵌合され、前記ハウジングに対して前記ナットを回転自在に支承する転がり軸受と、前記ハウジングの内周面に固着されたステータと、このステータの内周面に所定の径方向すきまを介して対向し、前記ナットに嵌合されたロータとからなるモータと、を備えた電動パワーステアリング装置において、前記転がり軸受を、3点または4点接触の玉軸受とし、少なくとも内輪の転走面に超仕上げ加工を施すと共に、当該転走面における転走方向のうねりの最大振幅幅を1μm以下に規制した構成を採用した。
【0016】
このように、転がり軸受を、3点または4点接触の玉軸受とし、少なくとも内輪の転走面に超仕上げ加工を施すと共に、当該転走面における転走方向のうねりの最大振幅幅を1μm以下に規制ことにより、EPSの低速域から高速域に渡って、騒音を低減させることができる。
【0018】
ましくは、請求項に記載の発明のように、前記転走面における転走方向の表面粗さをRa0.1以下に規制すれば、その騒音低減効果は顕著に現われる。
【0019】
また、請求項に記載の発明は、前記転がり軸受を、弾性部材を介して前記ハウジングに嵌合したので、ボールねじにおけるボールの遊動に起因して発生する振動および騒音を、この弾性部材によって緩衝することができ、低コストで、かつ、簡単な構成で効率良く抑制することができる。さらに、組立によるミスアライメントをこの弾性部材で許容でき、トルクムラ等のないボールねじ式ラックアシスト型の電動パワーステアリング装置を提供することができる。
【0020】
また、請求項に記載の発明のように、前記転がり軸受を、弾性部材を介して前記ナットに嵌合しても同等の効果がある。
【0021】
また、請求項に記載の発明は、前記弾性部材が、合成樹脂またはゴムで構成されているので、生産性が良く軽量で低コスト化を図ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係る電動パワーステアリング装置の実施形態を示す一部破断側面図である。
【0023】
モータハウジング1は、図示しないブラケットを介して車体に固定される。このモータハウジング1内には操舵軸2が貫通している。操舵軸2の両端部にはタイロッド3、4が連設され、車輪を操舵する操舵機構(図示せず)に連結されている。モータハウジング1の一側から斜め上方に延びるようにピニオン軸5が設けられ、このピニオン軸5は上端でステアリングホイール(図示せず)に連結される。ピニオン軸5は、回転自在に支持されており、その回転は、下端の変換機構6を介して操舵軸2に軸方向の移動力として伝達される。変換機構6は、操舵軸2の長手方向の一部に形成されているラック歯7と、ピニオン軸5の下端に設けられ、ラック歯7と噛合するピニオン(図示せず)とからなる。ピニオン軸5の一部には、その操舵トルクを検出し、モータ制御装置(図示せず)にその検出信号を送信するトルク検出器(図示せず)が設けられている。
【0024】
モータハウジング1は略円筒状に形成され、中央の筒体1aの両端に支持部材1b、1cをそれぞれ結合して構成されている。モータハウジング1の内周中央部には、モータ8を構成するステータ9が圧入固定されている。ステータ9は、コアおよびステータコイルからなり、この内周には、モータ8のロータ10が所定の径方向すきまを介して対向配置されている。このロータ10は、磁性体により円筒状に形成され、スリーブ11の外周に一体固定されている。スリーブ11の内周には、操舵軸2が軸方向移動自在に挿通されている。こうしたモータ8は、図示しないモータ制御装置により、前述したトルク検出器の検出信号に従って制御される。
【0025】
スリーブ11の一端部(図中左側)は、転がり軸受(玉軸受)12によりモータハウジング1内に回転自在に支承されている。この転がり軸受12は、単列の軸受であっても、また複列の軸受であっても良く、ラジアル荷重およびスラスト荷重を負荷できるものなら良い。
【0026】
モータ8の回転は、ボールねじ20を介して、操舵軸2に対して軸方向の移動力として伝達される。また、ボールねじ20は、操舵軸2の軸方向の一部がボールねじ軸21として構成されている。図2に示すように、ボールねじ20を構成するナット22は、その外径部に嵌合した転がり軸受13を介してモータハウジング1内に回転自在に支承されている。さらに、このナット22の一端部には、前述したロータ10の一端部が嵌合している。
【0027】
転がり軸受13は、図3に示すように4点接触玉軸受からなり、内輪14と外輪15と、内外輪14、15間に介装される複数のボール16を備えている。内輪14の外周面に形成した転走面14a、および外輪15の内周面に形成した転走面15aは、軸受の軸方向中心に対して軸方向に等距離オフセットした一対の曲率中心を有する円弧面、所謂ゴシックアーチ形状に形成されている。したがって、この4点接触玉軸受は、単列軸受でありながら、ラジアル荷重および両方向のスラスト荷重を負荷することができる。また、径方向すきまに対して軸方向すきまの範囲を抑制することができ、ボールねじ20のEPSへの組立後のガタを抑えることができる。
【0028】
従来、4点接触玉軸受からなる転がり軸受は、低回転領域で使用されるため、また、転走面の形状がゴシックアーチ形状で加工が難しいため、転走面は研削加工のみで超仕上げ加工(以下SFという)は施していなかった。ここで、この転がり軸受13の転走面14a、15aは、研削加工後にSFを施し、特に、転走面14a、15aにおけるボール16の転動方向の粗さおよびうねり等の形状誤差成分が改善されている。
【0029】
図4(a)(b)は、転がり軸受13の内輪14の転走面14aにおいて、SF有無による軸方向の表面粗さを示したものである。サンプルは内径φ40、外径φ75、幅16mmの4点接触玉軸受である。これからも判るように、図4(a)に示す従来の転走面に比べ、本実施形態の(b)では、表面粗さが略1/2に改善されている。好ましくは、転走方向の表面粗さをRa0.1以下に規制することにより、この効果が顕著に現われる。
【0030】
図5(a)(b)は、転がり軸受13の内輪14の転走面14aにおいて、SF有無による真円度を示したものである。図5(a)に示す従来の転走面に比べ、本実施形態の(b)では、真円度の傾向自体は変わっていないが、狭い範囲でのうねり成分が改善されていることが判る。好ましくは、転走方向うねりの最大振幅幅を1μm以下に規制することにより、この効果が顕著に現われる。
【0031】
さらに、本出願人は、こうした内輪14を有する転がり軸受13をEPSに組込み、300mm離れた位置で音響測定を行ない、従来のものとの比較を行なった。その結果を図6に示す。騒音レベルは、従来の転がり軸受に比べ、低速域から高速域に渡って、2.3〜3.5dB−Aの低減効果が確認された。本実施形態では、転がり軸受13における内輪14の転走面14aについてのみSFを施したものを例示したが、外輪15の転走面15aにもSFを施すことで、内輪14並の効果はないものの、さらに略50%程度の効果が認められた。
【0032】
通常、転がり軸受あるいはボールねじのボールが転動することによって、ボールと軌道面が外部荷重を受けながら転動する時に生じる交番力が発生し、この交番力により構成部品が振動させられるが、本実施形態では、回転側の内輪14の転走面14aにSFを施し、転走方向の表面粗さおよび真円度を所定値に規制することにより、EPSの低速域から高速域に渡って、騒音を低減させることができた。
【0033】
また、本実施形態では、転がり軸受13の外輪15の外周面に、一対の環状溝15bが並設されている。この環状溝15bには、リング状のPA(ポリアミド)11等からなる弾性部材17が装着されている。ここでは、弾性部材17の材質として、耐熱温度が比較的高く、かつ、電気的に絶縁性の高いPA11に、へたり等に有利なグラファイトを適量添加したものを使用している。なお、弾性部材17の材質はこれに限らず、鋼より充分ヤング率の小さい材料であれば良い。したがって、他の合成樹脂やゴム、例えば、ウレタンゴム、天然ゴム、クロロピレンゴム、ニトリルゴム等を例示することができる。また、外輪15の外周面に形成する環状溝15bは一対に限らず、単一であっても、また3本以上であっても良い。18は、外輪15に装着され、外輪15と内輪14との環状空間を密封するシールで、転がり軸受13内に封入され、内部の潤滑を行なうグリースの流出と、外部からのダスト等の侵入を防止している。
【0034】
このように、ナット22を支承する転がり軸受13を、弾性部材17を介してモータハウジング1を構成する支持部材1bに嵌合したので、ボールねじ20におけるボールの遊動に起因して発生する振動および騒音を、この弾性部材17によって緩衝することができ、低コストで、かつ、簡単な構成で効率良く抑制することができる。さらに、組立によるミスアライメントをこの弾性部材17で許容することもでき、また、モータ8のリーク電流による転がり軸受13の電食も防止することができる。従って、各部品の精度を上げることなく、また、組立の作業性を低下させることもないため、量産に好適である。
【0035】
本出願人が実施した騒音レベルの検証結果では、図3に例示した4点接触玉軸受13において、弾性部材17としてウレタンゴムを用いた場合、ナットの回転数がある程度上昇すれば、弾性部材による騒音抑制効果が顕著に現れ、内輪14の転走面14aにSFを施さなくとも最大で2dB−A低減した。したがって、さらにこの転走面14aに前述したSFを施すことにより、4dB−A以上騒音を低減できると考えられる。
【0036】
これ以外にも、外輪15の外周面に、この外周面を覆うように弾性部材が射出成形あるいは接着等により一体固着しても良いし、外輪15の外周面に、一対の環状溝15bが並設され、この環状溝15bを含む外周面、および端面を覆うように弾性部材を一体に射出成形しても良い。
【0037】
図7は、本発明に係るEPSの他の実施形態を示す一部を破断した要部拡大図である。なお、前述した実施形態と同一部品同一部位には同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0038】
ボールねじ26を構成するナット27は、その外径部に嵌合した転がり軸受28を介してモータハウジング1内に回転自在に支承されている。さらに、このナット27の一端部には、前述したロータ10の一端部が嵌合している。転がり軸受28は、ナット27の端部に形成された鍔27aと、ナット27の外周面に装着された止め輪31によって軸方向に位置決め固定されている。転がり軸受28の内輪29の内周面には、一対の環状溝29aが並設されている。この環状溝29aには、リング状のPA(ポリアミド)11等の合成樹脂からなる弾性部材30が装着されている。なお、内輪29の外周面に形成する環状溝29aは一対に限らず、単一であっても、また3本以上であっても良く、また、内輪29の端面、あるいは内周面双方に形成し、弾性部材30を装着しても良い。
【0039】
図8は、本発明に係るEPSの他の実施形態を示す一部を破断した要部拡大図である。なお、前述した実施形態と同一部品同一部位には同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0040】
ボールねじ26’を構成するナット32は、その外径部に嵌合した転がり軸受33を介してモータハウジング1内に回転自在に支承されている。ナット32の外周面には、一対の環状溝32aが並設され、この環状溝32aに、リング状のPA(ポリアミド)11等の合成樹脂からなる弾性部材34が装着されている。なお、ナット32の外周面に形成する環状溝32aは一対に限らず、単一であっても、また3本以上であっても良い。
【0041】
このように、ナット27、32を支承する転がり軸受28、33を、弾性部材30、34を介してナット27、32に嵌合すると共に、少なくとも内輪29、14の転走面にSFを施したので、前述した実施形態と同様、ボールねじ26、26’におけるボールの遊動に起因して発生する転動音を低減することができ、簡単な構成で効率良く抑制することができる。さらに、組立によるミスアライメントをこの弾性部材30、34で許容することもでき、また、モータ8のリーク電流による転がり軸受28、33の電食も防止することができる。
【0042】
以上、転がり軸受として4点接触玉軸受を例示したが、こうした転がり軸受は、これに限らず、例えば、外輪が2点、内輪が1点、あるいはその逆の外輪が1点、内輪が2点でそれぞれボールと接触する、所謂3点接触玉軸受であっても良い。また、SFは少なくとも回転輪である内輪の転走面に施すことが効果的である。また、SFは、SF用砥石を揺動(オシレート)させるものであっても、揺動なしのトラバース方式であっても良い。さらに、砥石によるSFに限らず、ペーパ等のラッピングによるSFでも良い。
【0043】
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
【0044】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明に係る電動パワーステアリング装置は、略円筒状をなすハウジングと、このハウジングに貫通し、車輪を操舵する操舵機構に連結された操舵軸と、ステアリングホイールからの回転力を、前記操舵軸を長手方向に移動させるための力に変換する変換機構と、前記操舵軸の一部がねじ軸となり、このねじ軸に複数のボールを介して外嵌されたナットとからなるボールねじと、このボールねじのナットに嵌合され、前記ハウジングに対して前記ナットを回転自在に支承する転がり軸受と、前記ハウジングの内周面に固着されたステータと、このステータの内周面に所定の径方向すきまを介して対向し、前記ナットに嵌合されたロータとからなるモータと、を備えた電動パワーステアリング装置において、前記転がり軸受を、3点または4点接触の玉軸受とし、少なくとも内輪の転走面に超仕上げ加工を施すと共に、当該転走面における転走方向のうねりの最大振幅幅を1μm以下に規制したので、簡単な構成でEPSの低速域から高速域に渡って、騒音を効果的に低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電動パワーステアリング装置の実施形態を示す一部破断側面図である。
【図2】同上、一部を破断した要部拡大図である。
【図3】本発明に係る転がり軸受の実施形態を示す断面図である。
【図4】転がり軸受の内輪の転走面において、SF有無による軸方向の表面粗さを示したもので、(a)は従来、(b)は、本発明に係る内輪の転走面を示している。
【図5】転がり軸受の内輪の転走面において、SF有無による真円度を示したもので、(a)は従来、(b)は、本発明に係る内輪の転走面を示している。
【図6】内輪の転走面におけるSF有無による騒音レベルを検証したグラフである
【図7】本発明に係る電動パワーステアリング装置の他の実施形態を示す一部を破断した要部拡大図である。
【図8】本発明に係る電動パワーステアリング装置のさらに他の実施形態を示す一部を破断した要部拡大図である。
【図9】従来の電動パワーステアリング装置を示す一部破断側面図である。
【図10】従来の転がり軸受を示す一部を破断した斜視図である。
【符号の説明】
1・・・・・・・・・・・・・・・・・モータハウジング
1a・・・・・・・・・・・・・・・・筒体
1b、1c・・・・・・・・・・・・・支持部材
2・・・・・・・・・・・・・・・・・操舵軸
3、4・・・・・・・・・・・・・・・タイロッド
5・・・・・・・・・・・・・・・・・ピニオン軸
6・・・・・・・・・・・・・・・・・変換機構
7・・・・・・・・・・・・・・・・・ラック歯
8・・・・・・・・・・・・・・・・・モータ
9・・・・・・・・・・・・・・・・・ステータ
10・・・・・・・・・・・・・・・・ロータ
11・・・・・・・・・・・・・・・・スリーブ
12、13、28、33・・・・・・・転がり軸受
14、29・・・・・・・・・・・・・内輪
14a、15a・・・・・・・・・・・転走面
15・・・・・・・・・・・・・・・・外輪
15b、29a、32a・・・・・・・環状溝
16・・・・・・・・・・・・・・・・ボール
17、30、34・・・・・・・・・・弾性部材
18・・・・・・・・・・・・・・・・シール
20、26、26’・・・・・・・・・ボールねじ
21・・・・・・・・・・・・・・・・ねじ軸
22、27、32・・・・・・・・・・ナット
27a・・・・・・・・・・・・・・・鍔
31・・・・・・・・・・・・・・・・止め輪
51・・・・・・・・・・・・・・・・操舵軸
51a・・・・・・・・・・・・・・・ラック歯
52・・・・・・・・・・・・・・・・ナット部材
53・・・・・・・・・・・・・・・・ボール
54・・・・・・・・・・・・・・・・雄ねじ溝
55・・・・・・・・・・・・・・・・モータ
56・・・・・・・・・・・・・・・・雌ねじ溝
60・・・・・・・・・・・・・・・・ピニオン軸
60a・・・・・・・・・・・・・・・ピニオン
61・・・・・・・・・・・・・・・・ステータ
62・・・・・・・・・・・・・・・・ロータ
63・・・・・・・・・・・・・・・・磁極
64、65・・・・・・・・・・・・・玉軸受
66・・・・・・・・・・・・・・・・4点接触玉軸受
70・・・・・・・・・・・・・・・・転がり軸受
71・・・・・・・・・・・・・・・・内輪
71a、72a・・・・・・・・・・・転走面
72・・・・・・・・・・・・・・・・外輪
73・・・・・・・・・・・・・・・・ボール
74・・・・・・・・・・・・・・・・小ボール
74a・・・・・・・・・・・・・・・緩衝部材
74b・・・・・・・・・・・・・・・鋼部
75・・・・・・・・・・・・・・・・保持器
H1・・・・・・・・・・・・・・・・ラックハウジング
H2・・・・・・・・・・・・・・・・ピニオンハウジング
H3・・・・・・・・・・・・・・・・モータハウジング

Claims (5)

  1. 略円筒状をなすハウジングと、このハウジングに貫通し、車輪を操舵する操舵機構に連結された操舵軸と、ステアリングホイールからの回転力を、前記操舵軸を長手方向に移動させるための力に変換する変換機構と、前記操舵軸の一部がねじ軸となり、このねじ軸に複数のボールを介して外嵌されたナットとからなるボールねじと、このボールねじのナットに嵌合され、前記ハウジングに対して前記ナットを回転自在に支承する転がり軸受と、前記ハウジングの内周面に固着されたステータと、このステータの内周面に所定の径方向すきまを介して対向し、前記ナットに嵌合されたロータとからなるモータと、を備えた電動パワーステアリング装置において、
    前記転がり軸受を、3点または4点接触の玉軸受とし、少なくとも内輪の転走面に超仕上げ加工を施すと共に、当該転走面における転走方向のうねりの最大振幅幅を1μm以下に規制したことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記転走面における転走方向の表面粗さをRa0.1以下に規制した請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記転がり軸受を、弾性部材を介して前記ハウジングに嵌合した請求項1または2に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記転がり軸受を、弾性部材を介して前記ナットに嵌合した請求項1または2に記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 前記弾性部材が、合成樹脂またはゴムで構成されている請求項3または4に記載の電動パワーステアリング装置。
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