JP2005212593A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
ボールねじ機構を有する電動パワーステアリング装置において、ボールの遊動に起因して発生する振動および騒音を抑制した電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】
ボールねじ機構を有する電動パワーステアリング装置において、ハウジング1に対してナット15を回転自在に支承する四点接触玉軸受13が、内周に外側転走面21aが形成された外輪21と、外周に外側転走面21aに対向する内側転走面22aが形成された内輪22と、転走面21a、22a間に転動自在に収容された複数のボール24とを備え、各転走面21a、22aが、ボールとそれぞれ二点で接触するゴシックアーチの断面形状に形成され、外輪21および内輪22が、互いに突き合わされたそれぞれ一対のリング部材で構成されると共に、それぞれの転走面21a、22aに所定の表面粗さを有する超仕上面が形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、ボールねじ式ラックアシスト型の電動パワーステアリング装置に関し、特に、振動や騒音の発生を抑制した電動パワーステアリング装置の改良に関する。
自動車の電動パワーステアリング装置(以下、EPSと呼ぶ)は、ステアリングホイールの操舵力を電動モータでアシストするものであり、種々の形式のものがある。そのうちの一つとして、車輪の操舵機構に連結された進退自在な操舵軸に対して、ステアリングホイールからラックピニオン機構等の変換機構を介して軸方向移動力を与えると共に、電動モータの出力を、ボールねじを介して軸方向移動力として与えるようにしたものがある。
このステアリングホイールによる操舵力アシスト用のモータ回転を操舵軸の軸方向の移動に変換すべく用いられているボールねじ機構において、ボールの遊動に起因して発生する振動および騒音を、簡単な構成で抑制するEPSが知られている。このEPSは、図5に示すように、操舵力アシスト用モータ55は、操舵軸(ラック軸)51を包持するラックハウジングH1の中途部を適長に亘って拡径して構成された円筒形のモータハウジングH3の内部に、このモータハウジングH3の内側に設けられたステータ61と、このステータ61の内側に同軸的に設けられたロータ62とを備える3相ブラシレスモータとして構成されている。
ロータ62は、操舵軸51の外径より大きな内径を有する円筒体の外周に、ステータ61の内周に僅かな径方向すきまを介して対向する磁極63を保持して構成されており、左右一対の深溝玉軸受64、65により、モータハウジングH3の軸心回りに回転自在に支承されている。このロータ62は、ステータ61への通電に応じて正逆両方向に回転することができる。
操舵力アシスト用のモータ55は、ピニオン軸60を内装するピニオンハウジングH2の内部に配設されたトルクセンサ(図示せず)の検出信号に基き、ステアリングホイールに加えられる操舵トルクの方向に、この操舵トルクの大きさに対応する回転力を発すべく駆動制御されている。この駆動制御によりモータ55の一側に構成された運動変換用のボールねじ機構により、軸方向移動力に変換されて操舵軸51に加えられ、ラックハウジングH1内で操舵軸51の移動により生じる操舵がアシストされる。60aはピニオン、51aは操舵軸51に形成されたラック歯で、ピニオン60aに噛合する。
この運動変換用のボールねじ機構は、ロータ62の一側端部に同軸的に圧入固定され、筒形をなすナット部材52を、四点接触玉軸受66によりラックハウジングH1内に回動自在に支持している。そして、操舵力アシスト用のモータ55からの伝動によって軸回りに回転し、ナット部材52の内周に形成された雌ねじ溝56と、操舵軸51の外周に形成された雄ねじ溝54とを、これらに沿って転動する複数のボール53を介して螺合させて構成している。
このボールねじ機構により、操舵トルクに応じて駆動されるモータ55の回転を、操舵軸51の軸方向の移動に変換して操舵をアシストするEPSにおいて、エンジンからの振動、あるいは、走行中においては路面からの振動が車輪を介してEPSに伝播される。ハウジングH3に対してナット部材52を回転自在に支承する四点接触玉軸受66において、内輪および外輪の転走面と転動体との間にすきまを有しているため、これらの振動が発生すると、それに伴う転動音が生じ、さらに、この転動音に混じって高周波の振動も発生することがあった。
実際のEPSで発生している騒音を測定した場合、ある特定の周波数にピークを持った共振現象に起因する騒音ピークは余り認められなく、2〜4KHz以下の中、低周波域の騒音が実際には問題になることが多い。これは、転がり軸受あるいはボールねじのボールが転動することによって、ボールと軌道面が外部荷重を受けながら転動する時に生じる交番力が発生し、この交番力により構成部品が振動させられる結果と考えられる。
一般に、転がり軸受においては、摩擦トルク低減や摩耗防止、および寿命向上のため、内輪および外輪と転動体との接触面に、表面粗さに比べ充分な厚さの潤滑油膜を確保する必要がある。したがって、深溝玉軸受等の一般的な転がり軸受では、転走面を研削加工にて所定の形状に形成した後、さらに超仕上加工を施してその表面粗さを小さくし、振動の原因となる転動音を抑制することができるが、こうしたEPSにおいて、ナット部材52を回転自在に支承する4点接触玉軸受66のように、内輪および外輪がそれぞれ1つのリング部材から構成されている場合、内輪および外輪に形成された転走面がゴシックアーチ等の断面形状を有しているので、所定の断面形状に成形された研削砥石を用いて研削加工にて形成するのは容易であるが、さらにこの転走面に超仕上加工を効率良く行うことが難しい。
こうした課題を解決したものとして図6に示すような四点接触玉軸受が知られている。この四点接触玉軸受70は、内輪71と外輪72と、これら内外輪71、72間に保持器74により転動自在に保持されている複数のボール73を有している。内輪71は互いに合わされた一対のリング部材75、76から構成されている。各リング部材75、76には所定の曲率半径からなる円弧状の断面形状を有する転走面75a、76aがそれぞれ形成され、各転走面75a、76aは互いに協働してゴシックアーチの断面形状を有する転走面71aを形成している。
一方、外輪72は1つのリング部材から構成され、このリング部材にはゴシックアーチの断面形状を有する転走面72aが形成されている。この転走面72aの表面粗さは、バレル加工により調整されている。各ボール73は、内輪71の転走面71aに対し二点で接触するように、かつ外輪72の転走面72aに対し二点で接触するように内輪71と外輪72との間に保持されている。
このように、1つのリング部材から構成された外輪72において、ゴシックアーチからなる断面形状を有する転走面72aが形成されている時に、この外輪72の転走面72aに対して超仕上加工を効率的に行うことは難しいが、バレル加工を効率的に行うことは容易であると共に、このバレル加工によって外輪72の転走面72aの表面粗さを改善することができる。
特開平11−62990号公報
然しながら、この従来の四点接触玉軸受70において、1つのリング部材から構成された外輪72では、ゴシックアーチ形状の転走面72aに対して研削加工にて所定の形状に形成した後バレル加工を行い、その転走面72aの表面粗さを改善することができるものの、翻って検証した結果、バレル加工は製造工程がオフラインとなり、また相当の加工時間を要することになり工程管理面でいささか問題がある。また、品質面では、バレル加工によって転走面72aのゴシックアーチたる母線形状が崩れ、所定の接触角が得られないと言った問題がある。そして、この接触角のバラツキによってボール73の自転中心が定まらずに軸受の振動や昇温を誘発することがあった。また、高速回転の条件下では、軸受の異音や転走面の偏摩耗の要因となることもあった。したがって、根本的な騒音発生源を断ち、音響対策を図ることが望まれている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ボールねじ機構を有する電動パワーステアリング装置において、ボールの遊動に起因して発生する振動および騒音を抑制した電動パワーステアリング装置を提供することを目的としている。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、略円筒状をなすハウジングと、このハウジングに貫通し、車輪を操舵する操舵機構に連結された操舵軸と、ステアリングホイールからの回転力を、前記操舵軸を長手方向に移動させるための力に変換する変換機構と、前記操舵軸の一部がねじ軸となり、このねじ軸に複数のボールを介して外嵌されたナットとからなるボールねじと、このボールねじのナットに嵌合され、前記ハウジングに対して前記ナットを回転自在に支承する四点接触玉軸受と、前記ステアリングホイールで発生する操舵トルクに応じて補助トルクが発生するモータとを備えた電動パワーステアリング装置において、前記四点接触玉軸受が、内周に外側転走面が形成された外輪と、外周に前記外側転走面に対向する内側転走面が形成された内輪と、前記外側転走面と内側転走面間に転動自在に収容された複数のボールとを備え、前記各転走面が、前記ボールとそれぞれ二点で接触する断面形状に形成され、前記外輪および内輪が、互いに突き合わされたそれぞれ一対のリング部材で構成されると共に、それぞれの転走面に所定の表面粗さを有する超仕上面が形成されている構成を採用した。
このように、ボールねじのナットを回転自在に支承する四点接触玉軸受において、外輪および内輪が、互いに突き合わされたそれぞれ一対のリング部材で構成されると共に、それぞれの転走面に所定の表面粗さを有する超仕上面が形成されているので、所定の母線形状を得ることができ、かつその表面粗さを小さくすることができる。したがって、摩擦トルク低減と偏摩耗防止および寿命を向上させることができると共に、所定の接触角が得られることで、左右接触角のバラツキによってボールの自転中心が定まらずに発生するボールの振動を抑制することができる。
また、請求項2に記載の発明は、前記外輪および内輪を構成するそれぞれ一対のリング部材が連結手段によって一体化されているので、軸受の取扱いが簡便になると共に、装置等に軸受を組み立てる際のミスアライメントを抑制することができる。
また、請求項3に記載の発明は、前記外輪および内輪にそれぞれ軸方向に延びる貫通孔が穿設され、この貫通孔に固定ボルトが嵌挿され、ナットで前記一対のリング部材が一体に固定されているので、簡単な構成で一対のリング部材を均等に、かつ確実に固定することができる。したがって、左右の接触角のバラツキを防止することができ、軸受の振動発生を抑制することができる。
好ましくは、請求項4に記載の発明のように、前記外輪および内輪の転走面が、ゴシックアーチの断面形状に形成されていれば、軸受の径方向すきまに対して軸方向すきまの範囲を抑制することができるので、組立後の装置のガタを最小限に抑えることができ、ボールねじにおけるボールの遊動をも抑え、それに起因して発生する振動および騒音を抑制した電動パワーステアリング装置を提供することができる。
また、請求項5に記載の発明は、前記各転走面における少なくとも転走方向のうねりの最大振幅幅が1μm以下に規制されているのでその騒音低減効果は顕著に現われる。
また、請求項6に記載の発明は、前記各転走面における少なくとも転走方向の表面粗さが0.1Ra以下に規制されているのでその騒音低減効果は顕著に現われる。
本発明に係る電動パワーステアリング装置は、略円筒状をなすハウジングと、このハウジングに貫通し、車輪を操舵する操舵機構に連結された操舵軸と、ステアリングホイールからの回転力を、前記操舵軸を長手方向に移動させるための力に変換する変換機構と、前記操舵軸の一部がねじ軸となり、このねじ軸に複数のボールを介して外嵌されたナットとからなるボールねじと、このボールねじのナットに嵌合され、前記ハウジングに対して前記ナットを回転自在に支承する四点接触玉軸受と、前記ステアリングホイールで発生する操舵トルクに応じて補助トルクが発生するモータとを備えた電動パワーステアリング装置において、前記四点接触玉軸受が、内周に外側転走面が形成された外輪と、外周に前記外側転走面に対向する内側転走面が形成された内輪と、前記外側転走面と内側転走面間に転動自在に収容された複数のボールとを備え、前記各転走面が、前記ボールとそれぞれ二点で接触する断面形状に形成され、前記外輪および内輪が、互いに突き合わされたそれぞれ一対のリング部材で構成されると共に、それぞれの転走面に所定の表面粗さを有する超仕上面が形成されているので、所定の母線形状を得ることができ、かつその表面粗さを小さくすることができる。したがって、摩擦トルク低減と偏摩耗防止および寿命を向上させることができると共に、所定の接触角が得られることで、左右接触角のバラツキによってボールの自転中心が定まらずに発生するボールの振動を抑制することができる。
略円筒状をなすハウジングと、このハウジングに貫通し、車輪を操舵する操舵機構に連結された操舵軸と、ステアリングホイールからの回転力を、前記操舵軸を長手方向に移動させるための力に変換する変換機構と、前記操舵軸の一部がねじ軸となり、このねじ軸に複数のボールを介して外嵌されたナットとからなるボールねじと、このボールねじのナットに嵌合され、前記ハウジングに対して前記ナットを回転自在に支承する四点接触玉軸受と、前記ステアリングホイールで発生する操舵トルクに応じて補助トルクが発生するモータとを備えた電動パワーステアリング装置において、前記四点接触玉軸受が、内周に外側転走面が形成された外輪と、外周に前記外側転走面に対向する内側転走面が形成された内輪と、前記外側転走面と内側転走面間に転動自在に収容された複数のボールとを備え、前記各転走面が、前記ボールとそれぞれ二点で接触するゴシックアーチの断面形状に形成され、前記外輪および内輪が、互いに突き合わされたそれぞれ一対のリング部材で構成されると共に、それぞれの転走面に所定の表面粗さを有する超仕上面が形成されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基いて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る電動パワーステアリング装置の第1の実施形態を示す一部破断側面図、図2は、同上一部を破断した要部拡大図、図3は四点接触玉軸受を示す縦断面図である。
モータハウジング1は、図示しないブラケットを介して車体に固定される。このモータハウジング1内には操舵軸2が貫通している。操舵軸2の両端部にはタイロッド3、4が連設され、車輪を操舵する操舵機構(図示せず)に連結されている。モータハウジング1の一側から斜め上方に延びるようにピニオン軸5が設けられ、このピニオン軸5は上端でステアリングホイール(図示せず)に連結される。ピニオン軸5は、回転自在に支持されており、その回転は下端の変換機構6を介して操舵軸2に軸方向の移動力として伝達される。変換機構6は、操舵軸2の長手方向の一部に形成されているラック歯7と、ピニオン軸5の下端に設けられ、ラック歯7と噛合するピニオン(図示せず)とからなる。ピニオン軸5の一部には、その操舵トルクを検出し、モータ制御装置(図示せず)にその検出信号を送信するトルク検出器(図示せず)が設けられている。
モータハウジング1は略円筒状に形成され、中央の筒体1aの両端に支持部材1b、1cをそれぞれ結合して構成されている。モータハウジング1の内周中央部には、モータ8を構成するステータ9が圧入固定されている。ステータ9は、コアおよびステータコイルからなり、この内周には、モータ8のロータ10が所定の径方向すきまを介して対向配置されている。このロータ10は磁性体により円筒状に形成され、スリーブ11の外周に一体固定されている。スリーブ11の内周には操舵軸2が軸方向移動自在に挿通されている。こうしたモータ8は、図示しないモータ制御装置により、前述したトルク検出器の検出信号に従って制御される。
スリーブ11の一端部(図中左側)は、転がり軸受(深溝玉軸受)12によりモータハウジング1内に回転自在に支承されている。この転がり軸受12は、単列の軸受であっても、また複列の軸受であっても良く、ラジアル荷重およびスラスト荷重を負荷できるものなら良い。
モータ8の回転は、ボールねじ13を介して操舵軸2に対して軸方向の移動力として伝達される。また、ボールねじ13は、操舵軸2の軸方向の一部として構成され、外周に螺旋状のねじ溝14aが形成されたボールねじ軸14と、内周にねじ溝14aに対向するねじ溝15aが形成されたナット15と、これらのねじ溝14a、15a間に転動自在に収容された多数のボール16とからなる。図2に示すように、ボールねじ13を構成するナット15は、その外径部に嵌合した四点接触玉軸受17を介してモータハウジング1内に回転自在に支承されている。この四点接触玉軸受17は、ナット15の外径部に突設された位置決め用のフランジ18と、環状の止め輪溝19に装着された止め輪20とで挟持された状態で軸方向に位置決め固定されている。さらに、このナット15の一端部には、前述したロータ10の一端部が嵌合している。
四点接触玉軸受17は、図3に示すように、内周に外側転走面21aが形成された外輪21と、外周に内側転走面22aが形成された内輪22と、両転走面21a、22a間に収容され、保持器23によって転動自在に保持されたボール24とからなる。
外輪21は、互いに突き合された一対の外リング部材25、26から構成されている。各外リング部材25、26の内周には所定の曲率半径を有する円弧状の断面形状からなる転走面25a、26aがそれぞれ形成され、各転走面25a、26aは互いに協働してゴシックアーチの断面形状、すなわち、軸受の幅中心に対して軸方向に等距離オフセットした一対の曲率中心を有する円弧面を有する外側転走面21aが形成されている。
一方、内輪22もこの外輪21と同様、互いに突き合された一対の内リング部材27、28から構成され、これら内リング部材27、28の外周には所定の曲率半径を有する円弧状の断面形状からなる転走面27a、28aがそれぞれ形成され、各転走面27a、28aは互いに協働してゴシックアーチの断面形状を有する内側転走面22aが形成されている。
このように、外側転走面21aおよび内側転走面22aの断面形状をゴシックアーチとすることにより、軸受の径方向すきまに対して軸方向すきまの範囲を抑制することができるので、組立後の装置のガタを最小限に抑えることができ、ボールねじ13におけるボール16の遊動に起因して発生する振動および騒音をも抑制した電動パワーステアリング装置を提供することができる。
外輪21および内輪22にはそれぞれ軸方向に延びる貫通孔29、29が穿設され、この貫通孔29、29に固定ボルト30、30が嵌挿され、固定ナット31、31で外リング部材25、26および内リング部材27、28がそれぞれ一体に締結されている。これにより、外輪21を構成する一対の外リング部材25、26および内輪22を構成する一対の内リング部材27、28が連結手段によって一体化されているので、簡単な構成で一対のリング部材を均等に、かつ確実に固定することができ、左右の接触角のバラツキを防止することができ、軸受の振動発生を抑制することができる。また、軸受の取扱いが簡便になると共に、装置等に軸受を組み立てる際のミスアライメントを抑制することができる。
外輪21を構成する一対の外リング部材25、26は、予め連結治具等で互いに突き合わされた状態で、内周面を研削加工にて所定の円弧状の断面形状に形成した後、超仕上加工を施して表面粗さを小さくする。その後、一対の外リング部材25、26に分離し、各外リング部材25、26のそれぞれの突合せ面25b、26bが研削加工にて所定量カットされる。この幅研削加工後に、一対の外リング部材25、26が再度一体的に組み合わされ、ゴシックアーチの断面形状を有する外側転走面21a、すなわち、ボール24と二点接触する外側転走面21aが形成されることになる。
一方、内輪22も同様、一対の内リング部材27、28は、予め連結治具等で互いに突き合わされた状態で、外周面を研削加工にて所定の円弧状の断面形状に形成した後、超仕上加工を施して表面粗さを小さくする。その後、一対の内リング部材27、28に分離し、各内リング部材27、28のそれぞれの突合せ面27b、28bが研削加工にて所定量カットされる。この幅研削加工後に、一対の内リング部材27、28が再度一体的に組み合わされ、ゴシックアーチの断面形状を有する内側転走面22a、すなわち、ボール24と二点接触する内側転走面3aが形成されることになる。
これにより、研削加工によって形成された所定の母線形状を崩すことなく、各転走面21a、22aの表面粗さを効率良く小さくすることができる。具体的には、深溝玉軸受等の一般的な玉軸受と同じ水準、すなわち、各転走面21a、22aの少なくとも転走方向の表面粗さは、研削加工後の0.2〜0.4Raに対して、超仕上加工後で0.05〜0.1Raの範囲に規制することが可能となる。また、各転走面21a、22aの真円度において、少なくとも転走方向のうねり成分が改善され、うねりの最大振幅幅を1μm以下に規制することが可能となる。したがって、軸受の摩擦トルク低減と偏摩耗防止および寿命を向上させると共に、所定の接触角が得られることで、左右接触角のバラツキによってボール24の自転中心が定まらずに振動の発生を抑制することができる。また、従来の製造工程を一部修正するだけで大幅な工程変更が不要となり、従来のようなオンラインで所望の四点接触玉軸受を製造することができる。なお、ここでは、各転走面21a、22aをゴシックアーチの断面形状としたものを例示したが、無論これに限らず、例えば、楕円やV字形の断面形状であっても良い。
超仕上加工としてはこれ以外にも、例えば外輪21の場合、外輪21を構成する一対の外リング部材25、26を、予め連結治具等で互いに突き合わされた状態で、内周面を研削加工にて所定の円弧状の断面形状に形成した後、一対の外リング部材25、26に分離し、一対の外リング部材25、26を別々に超仕上加工を施した後に、各外リング部材25、26のそれぞれの突合せ面25b、26bを研削加工にて所定量カットしても良い。
また、一対の外リング部材25、26の突合せ面25b、26b間に予め所定の厚みを有するスペーサを介在させ、連結治具等で一体にした状態で、内周面を研削加工にて所定の円弧状の断面形状に形成し、さらに一対の外リング部材25、26を一体に超仕上加工を施し、その後スペーサを取り外すようにしても良い。こうした製造方法では、従来のように一対のリング部材を前工程で所定の幅寸法に研削加工するだけで良く、一対のリング部材の突合せ面を転走面の超仕上加工後に研削加工しなくても良い。したがって、厳密な取扱いをしなくても幅研削工程で転走面に打ち傷等が発生するのを防止することができる。
さらに、他の超仕上加工として、例えば外輪21の場合、1つのリング部材からなる外輪素材の外周面(幅中央部)に予め断面V字形の環状溝を形成すると共に、内周面を研削加工にて所定の円弧状の断面形状に形成し、さらに超仕上加工を施した後、環状溝に楔治具を入れて一対のリング部材に分離し、これら一対のリング部材の突合せ面を研削加工にて所定量カットしても良い。この方法により、少なくとも前工程の加工工数が削減できると共に、一対のリング部材を連結する工程を省くことができ、またその時の位置ずれを防止することができるので、一層寸法精度の向上を図ることができる。
なお、本実施形態では、モータハウジング1内に操舵軸2が貫通し、この操舵軸2と同軸にボールねじ13を構成するボールねじ軸14が軸方向の一部として一体形成されると共に、操舵軸2上に中空状のモータ8が配設された、所謂同軸タイプの伝導構造を例示したが、本発明はこのような構造に限らず、ハウジングにモータが並設され、ベルトを介してモータの回転を、ボールねじを構成するナットに伝達する、所謂ベルトタイプの伝導構造であっても良い。
図2は、本発明に係る電動パワーステアリング装置の第2の実施形態を示し、一部を破断した要部拡大図である。この第2の実施形態は、前述した第1の実施形態(図2)と主として四点接触玉軸受を固定する構造が異なるだけで、その他同一部品同一部位には同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
四点接触玉軸受32は、前述した四点接触玉軸受17と内外輪を構成する各リング部材を一体に固定する連結手段がないこと以外は基本的には同様で、内周に外側転走面21aが形成された外輪33と、外周に内側転走面22aが形成された内輪34と、両転走面21a、22a間に収容され、保持器23によって転動自在に保持されたボール24とからなる。
ナット35の外径部には位置決め用のフランジ18と雄ねじ部36が形成され、四点接触玉軸受32は、雄ねじ部36に螺合される固定ナット37によって軸方向に固定されている。なお、軸受固定構造はこれ以外にも、例えば、円筒状のカラー(図示せず)をナット35の外径部に圧入し、フランジ18とで四点接触玉軸受32を挟持した状態で軸方向に固定しても良い。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る電動パワーステアリング装置は、ボールねじ機構を有し、ハウジングに対してナットを回転自在に支承する転がり軸受に四点接触玉軸受を使用した電動パワーステアリング装置に適用できる。
本発明に係る電動パワーステアリング装置の第1の実施形態を示す一部破断側面図である。 同上、一部を破断した要部拡大図である。 本発明に係る四点接触玉軸受を示す縦断面図である。 本発明に係る電動パワーステアリング装置の第2の実施形態を示す一部を破断した要部拡大図である。 従来の電動パワーステアリング装置を示す一部破断側面図である。 従来の四点接触玉軸受を示す縦断面図である。
符号の説明
1・・・・・・・・・・・・・・・・モータハウジング
1a・・・・・・・・・・・・・・・筒体
1b、1c・・・・・・・・・・・・支持部材
2・・・・・・・・・・・・・・・・・操舵軸
3、4・・・・・・・・・・・・・・タイロッド
5・・・・・・・・・・・・・・・・ピニオン軸
6・・・・・・・・・・・・・・・・変換機構
7・・・・・・・・・・・・・・・・ラック歯
8・・・・・・・・・・・・・・・・モータ
9・・・・・・・・・・・・・・・・ステータ
10・・・・・・・・・・・・・・・ロータ
11・・・・・・・・・・・・・・・スリーブ
12・・・・・・・・・・・・・・・転がり軸受
13・・・・・・・・・・・・・・・ボールねじ
14・・・・・・・・・・・・・・・ボールねじ軸
14a、15a・・・・・・・・・・ねじ溝
15、35・・・・・・・・・・・・ナット
16・・・・・・・・・・・・・・・ボール
17、32・・・・・・・・・・・・四点接触玉軸受
18・・・・・・・・・・・・・・・フランジ
19・・・・・・・・・・・・・・・止め輪溝
20・・・・・・・・・・・・・・・止め輪
21、33・・・・・・・・・・・・外輪
21a・・・・・・・・・・・・・・外側転走面
22、34・・・・・・・・・・・・内輪
22a・・・・・・・・・・・・・・内側転走面
23・・・・・・・・・・・・・・・保持器
24・・・・・・・・・・・・・・・ボール
25、26・・・・・・・・・・・・外リング部材
25a、26a、27a、28a・・転走面
25b、26b、27b、28b・・突合せ面
27、28・・・・・・・・・・・・内リング部材
29・・・・・・・・・・・・・・・貫通孔
30・・・・・・・・・・・・・・・固定ボルト
31、37・・・・・・・・・・・・固定ナット
36・・・・・・・・・・・・・・・雄ねじ部
51・・・・・・・・・・・・・・・操舵軸
51a・・・・・・・・・・・・・・ラック歯
52・・・・・・・・・・・・・・・ナット部材
53・・・・・・・・・・・・・・・ボール
54・・・・・・・・・・・・・・・雄ねじ溝
55・・・・・・・・・・・・・・・モータ
56・・・・・・・・・・・・・・・雌ねじ溝
60・・・・・・・・・・・・・・・ピニオン軸
60a・・・・・・・・・・・・・・ピニオン
61・・・・・・・・・・・・・・・ステータ
62・・・・・・・・・・・・・・・ロータ
63・・・・・・・・・・・・・・・磁極
64、65・・・・・・・・・・・・深溝玉軸受
66、70・・・・・・・・・・・・四点接触玉軸受
71・・・・・・・・・・・・・・・内輪
71a、72a・・・・・・・・・・転走面
72・・・・・・・・・・・・・・・外輪
73・・・・・・・・・・・・・・・ボール
74・・・・・・・・・・・・・・・保持器
75、76・・・・・・・・・・・・リング部材
75a、76a・・・・・・・・・・転走面
H1・・・・・・・・・・・・・・・ラックハウジング
H2・・・・・・・・・・・・・・・ピニオンハウジング
H3・・・・・・・・・・・・・・・モータハウジング

Claims (6)

  1. 略円筒状をなすハウジングと、このハウジングに貫通し、車輪を操舵する操舵機構に連結された操舵軸と、ステアリングホイールからの回転力を、前記操舵軸を長手方向に移動させるための力に変換する変換機構と、前記操舵軸の一部がねじ軸となり、このねじ軸に複数のボールを介して外嵌されたナットとからなるボールねじと、このボールねじのナットに嵌合され、前記ハウジングに対して前記ナットを回転自在に支承する四点接触玉軸受と、前記ステアリングホイールで発生する操舵トルクに応じて補助トルクが発生するモータとを備えた電動パワーステアリング装置において、
    前記四点接触玉軸受が、内周に外側転走面が形成された外輪と、外周に前記外側転走面に対向する内側転走面が形成された内輪と、前記外側転走面と内側転走面間に転動自在に収容された複数のボールとを備え、前記各転走面が、前記ボールとそれぞれ二点で接触する断面形状に形成され、前記外輪および内輪が、互いに突き合わされたそれぞれ一対のリング部材で構成されると共に、それぞれの転走面に所定の表面粗さを有する超仕上面が形成されていることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記外輪および内輪を構成するそれぞれ一対のリング部材が連結手段によって一体化されている請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記外輪および内輪にそれぞれ軸方向に延びる貫通孔が穿設され、この貫通孔に固定ボルトが嵌挿され、ナットで前記一対のリング部材が一体に固定されている請求項2に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記外輪および内輪の転走面が、ゴシックアーチの断面形状に形成されている請求項1乃至3いずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 前記各転走面における少なくとも転走方向のうねりの最大振幅幅が1μm以下に規制されている請求項1乃至4いずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
  6. 前記各転走面における少なくとも転走方向の表面粗さが0.1Ra以下に規制されている請求項1乃至5いずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008215422A (ja) * 2007-03-01 2008-09-18 Ntn Corp アクチュエータ用ボールねじおよびそのねじ溝加工方法
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