JP2005003105A - 玉軸受及びモータ - Google Patents

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Abstract

【課題】潤滑剤としてグリースが使用され、しかも予圧が負荷されていない状態又は小さい予圧が負荷された状態で使用される場合であっても、低騒音,低振動であるとともに低トルクである玉軸受及びモータを提供する。
【解決手段】玉軸受に備えられた玉案内保持器4は複数のポケットを有しており、その複数のポケットのうち少なくとも一つは、該ポケットが保持する玉3の中心O’からラジアル方向に離れた位置に曲率中心Oが位置する凹面4aで形成されている。そして、玉3の中心O’と曲率中心Oとの間の距離δはピッチ円直径の0.2〜2%とされている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低騒音,低振動であるとともに低トルクである玉軸受及びモータに係り、特に、エアコンディショナ等の家電や自動車用電動パワーステアリング等に好適な玉軸受及びモータに関する。
【0002】
【従来の技術】
エアコンディショナ用ファン等の回転機械に使用される玉軸受においては、保持器音と呼ばれる騒音の抑制が求められており、また同時に低トルク化の要求も強い。このため、玉軸受には、保持器音を抑制する技術や低トルク化する技術が採用されている。
しかしながら、軸受が傾いた状態で組み込まれている場合や極低温下で使用される場合等のような特定の条件下で使用される場合には、玉の挙動が不安定となって玉と保持器との間の相互干渉力が大きくなるため、保持器音やトルクが大きくなってしまうという問題があった。
【0003】
すなわち、内外輪が相対的に傾いた状態で組みつけられた場合、ラジアル荷重とアキシアル荷重とが同時に加わる合成荷重が負荷された場合、予圧が負荷されていない状態又は小さい予圧が負荷された状態で使用される場合等には、玉が荷重を受けない無負荷圏が生じるため、玉の自転速度及び公転速度が変動することとなる。このような現象が生じると、玉と外輪との間で滑り摩擦が生じ、また、玉の運動が急激に変化するため、保持器のポケットと玉との間で衝突が生じ、保持器に大きさ力が作用する。その結果、玉とポケットとの間の摩擦力によって保持器が振れ回ったり、自励振動が発生したりするので、保持器音が大きくなり軸受の音響性能が低下することとなる。
【0004】
特に、エアコンディショナ用ファン,換気扇等の家電のモータや自動車用電装モータにおいては、予圧が負荷されていない状態で軸受が使用されることが多く、また、潤滑剤としてグリースが使用されることが多いので、前述のような保持器音及びトルクの問題が生じやすい傾向がある。
【0005】
保持器音を抑制する技術としては、ポケット隙間を小さくして保持器の径方向の動き量を抑制する方法や、保持器のポケットを形成する凹面の曲率中心(保持器のピッチ円中心)を玉のピッチ円上からラジアル方向に離れた位置に配する方法(実開昭58−195118号公報)が知られている。また、低トルク化の技術としては、保持器のポケットを形成する凹面と転動体との滑り接触部における摩擦係数を小さくする低粘度の潤滑剤を使用する方法や、ポケット隙間を大きくして保持器と玉との滑り摩擦を小さくする方法が知られている。
前述した保持器音を抑制する2つの技術は、保持器の動き量を抑制することによって保持器を安定に回転させることが狙いであり、これらの技術は軸受の用途によっては効果があった。
【0006】
【特許文献1】
実開昭58−195118号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
軸受には、保持器音の抑制とともに低トルク,音響寿命など種々の性能が要求され、これらの要求性能を同時に満たすことが求められる。しかしながら、保持器音の抑制と低トルク化とは二律背反の性質を有しており、保持器音を抑制するとトルクが大きくなる傾向があり、低トルク化すると保持器音が大きくなる傾向があるので、両性能を同時に満たすようにすることは容易ではなかった。
【0008】
特に、潤滑剤としてグリースが使用されている場合は、例えばポケット隙間を小さくすると、玉とポケットとの間にグリースが流入しにくくなるという不都合が生じる。また、玉とポケットとの摩擦が大きくなるため、トルクが大きくなるという不都合も生じる。
従来は、グリースの動粘度や混和ちょう度を最適値に設定することによって、上記のような不都合の緩和が図られていたが、予圧が負荷されていない状態又は小さい予圧が負荷された状態で軸受が使用される場合には、低トルクや安定した回転精度を実現するためにグリースの40℃における動粘度が26〜53mm/sに限定され、混和ちょう度が220〜260に限定される場合があるので、このような場合には、軸受仕様の設計によって前記不都合の緩和を図る必要があった。
【0009】
そこで、本発明は上記のような従来技術が有する問題点を解決し、潤滑剤としてグリースが使用され、しかも予圧が負荷されていない状態又は小さい予圧が負荷された状態で使用される場合であっても、低騒音,低振動であるとともに低トルクである玉軸受及びモータを提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明は次のような構成からなる。すなわち、本発明に係る請求項1の玉軸受は、内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に転動自在に配設された複数の玉と、前記玉を保持する複数のポケットを有する保持器と、前記内輪と前記外輪との間に形成され前記玉が配設された空隙部内に充填された潤滑グリースと、を備えるとともに、予圧が負荷されていない状態で使用される玉軸受であって、前記複数のポケットのうち少なくとも一つは、該ポケットが保持する玉の中心からラジアル方向に離れた位置に曲率中心が位置する凹面で形成されており、前記玉の中心と前記曲率中心との間の距離はピッチ円直径の0.2〜2%であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る請求項2の玉軸受は、請求項1に記載の玉軸受において、前記潤滑グリースの40℃における動粘度が26〜53mm/sで、混和ちょう度が220〜260であることを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項3の玉軸受は、内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に転動自在に配設された複数の玉と、前記玉を保持する複数のポケットを有する保持器と、前記内輪と前記外輪との間に形成され前記玉が配設された空隙部内に充填された潤滑グリースと、を備えるとともに、基本動定格荷重の0%超過且つ0.8%未満の予圧が負荷された状態で使用される玉軸受であって、前記複数のポケットのうち少なくとも一つは、該ポケットが保持する玉の中心からラジアル方向に離れた位置に曲率中心が位置する凹面で形成されており、前記玉の中心と前記曲率中心との間の距離はピッチ円直径の0.2〜2%であることを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明に係る請求項4の玉軸受は、請求項3に記載の玉軸受において、前記潤滑グリースの40℃における動粘度が26〜53mm/sで、混和ちょう度が220〜260であることを特徴とする。
このような構成の玉軸受は、潤滑剤としてグリースが使用され、しかも予圧が負荷されていない状態又は基本動定格荷重の0%超過且つ0.8%未満という小さい予圧が負荷された状態で使用される場合であっても、低騒音,低振動であるとともに低トルクである。
【0013】
すなわち、保持器は前述のような凹面で形成されているポケットを備えているので、保持器が玉を過度に拘束することがなく、保持器の適度な動き量を確保することができる。また、玉とポケットとの間の隙間が確保されるため、玉とポケットとの間に潤滑グリースが十分に流入して滑り摩擦が低減し、保持器の摩耗が防止される。このようなことから、トルクを上昇させることなく保持器の動き量を適度なレベルに抑制することができるので、振れ回りや自励振動による保持器音を抑制することができる。
【0014】
前記玉の中心と前記曲率中心との間の距離は、ピッチ円直径の0.2〜2%である必要がある。0.2%未満であると保持器音の抑制が不十分となり、2%超過であるとトルクが大きくなるおそれがある。
また、潤滑グリースの40℃における動粘度は26〜53mm/sで、混和ちょう度は220〜260であることが好ましい。それぞれの値がこの範囲から外れると、玉軸受の低トルク化や安定した回転精度の実現に不利となるおそれがある。
【0015】
さらに、本発明に係る請求項5のモータは、回転軸と、該回転軸を回転自在に支持する転がり軸受とを備えるとともに、エアコンディショナ用ファン又は電動パワーステアリングに使用されるモータにおいて、前記転がり軸受を請求項1〜4のいずれかに記載の玉軸受としたことを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項6のモータは、予圧が負荷されていない状態で組み込まれた第一転がり軸受と、予圧が負荷された状態で組み込まれた第二転がり軸受と、前記両転がり軸受により回転自在に支持された回転軸と、を備えるモータにおいて、前記両転がり軸受のうち少なくとも前記第一転がり軸受を請求項1又は請求項2に記載の玉軸受としたことを特徴とする。
【0016】
さらに、本発明に係る請求項7のモータは、請求項6に記載のモータにおいて、エアコンディショナ用ファン又は電動パワーステアリングに使用されることを特徴とする。
このような構成のモータは、低騒音,低振動であるとともに低トルクな玉軸受を備えているので、低騒音,低振動且つ低トルクである。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る玉軸受の一実施形態を示す部分縦断面図である。
図1の玉軸受は、予圧が負荷されていない状態、又は、基本動定格荷重の0%超過且つ0.8%未満という小さい予圧が負荷された状態で使用されるものであり、内輪1と、外輪2と、内輪1と外輪2との間に転動自在に配設された複数の玉3と、玉3を保持する複数のポケットを有する玉案内保持器4と、で構成されている。そして、内輪1と外輪2との間に形成され玉3が配設された空隙部5内には、40℃における動粘度が26〜53mm/sで混和ちょう度が220〜260である潤滑グリース(図示せず)が充填されている。
【0018】
玉案内保持器4は波形プレス保持器であり、複数のポケットのうち少なくとも一つは、以下のような凹面4aで形成されている。すなわち、一般的な玉軸受の場合(図10を参照)は、ポケットは、該ポケットが保持する玉の中心に曲率中心が位置するような凹面で形成されているが、図1の玉軸受の場合は、ポケットが保持する玉3の中心O’からラジアル方向内径側に離れた位置に曲率中心Oが位置するような凹面4aで形成されている。そして、玉3の中心O’と曲率中心Oとの間の距離δは、玉3のピッチ円直径の0.2〜2%とされている。
【0019】
ただし、図2に示すように、ポケットが保持する玉3の中心O’からラジアル方向外径側に離れた位置に曲率中心Oが位置するような凹面4aで形成されているポケットとしても、何ら差し支えない。また、図3(ラジアル方向内径側に曲率中心Oが位置する場合)及び図4(ラジアル方向外径側に曲率中心Oが位置する場合)に示すように、玉案内保持器4をプラスチック製の冠形保持器としても何ら問題ない。なお、図2〜4においては、図1と同一又は相当する部分には、図1と同一の符号を付してある。
【0020】
図1及び図3の玉軸受においては、ポケットの外径側部分によって保持器4が玉3に拘束されるため(図2及び図4の玉軸受においては内径側部分によって拘束される)、保持器4の動き量が抑制される。一方、ポケットの内径側部分(反拘束側)においては、玉3とポケットとの間の隙間が確保されるため(図2及び図4の玉軸受においては外径側部分に隙間が確保される)、玉3とポケットとの間に潤滑グリースが十分に流入して滑り摩擦が低減され、保持器4の摩耗が防止される。
【0021】
したがって、潤滑剤としてグリースが使用され、しかも予圧が負荷されていない状態又は基本動定格荷重の0%超過且つ0.8%未満という小さい予圧が負荷された状態で使用される場合であっても、トルクを上昇させることなく保持器4の動き量を適度なレベルに抑制することができるので、振れ回りや自励振動による保持器音を抑制することができる。その結果、玉軸受は低騒音,低振動であるとともに低トルクとなる。この効果は、保持器が玉案内保持器である場合に顕著である。
【0022】
ここで、予圧が負荷されていない状態、又は、基本動定格荷重の0%超過且つ0.8%未満という小さい予圧が負荷された状態で使用される場合には、一般的な玉軸受は回転時に保持器の振動が大きく、保持器音が発生しやすいことを説明する。
図10に示すような一般的なポケットを有する保持器(ただし、波形プレス保持器ではなく、プラスチック製の冠形保持器である)を備える小径玉軸受(内径8mm,外径22mm,幅7mm,玉の数7個)を用意して、種々の大きさの予圧を負荷した状態で回転試験を行った。そして、回転時の保持器の振動を、レーザドップラ振動計により非接触で測定した。
【0023】
なお、回転速度は1800min−1(内輪回転)であり、使用した潤滑グリースは、40℃における動粘度が29mm/sで混和ちょう度が230であるリチウム石けん系グリースである。
予圧の大きさを、基本動定格荷重の0%から1%まで(0Nから32.8Nまで)変化させて回転試験を行ったところ、図5のグラフから分かるように、0.8%以上であると保持器の振動が小さかった。この結果から、予圧の大きさが基本動定格荷重の0.8%未満である場合には、一般的なポケットを有する保持器を備える玉軸受は振動が大きく、保持器音が発生しやすいことが分かった。そして、0.6%以下である場合に振動が特に大きく、保持器音がより発生しやすいことが分かった。
【0024】
次に、図3の玉軸受において、ポケットが保持する玉3の中心O’と曲率中心Oとの間の距離δを種々変更したものを用意して、回転試験を行った。この玉軸受は、内径8mm、外径22mm、幅7mm、玉の数7個、軸受内部隙間8〜13μmの小径玉軸受であり、40℃における動粘度が29mm/sで混和ちょう度が230であるリチウム石けん系グリースを備えている。
【0025】
そして、基本動定格荷重の0.2%(6.86N)の予圧が負荷された状態で、内輪を回転速度1800min−1で回転させて、回転時の保持器の振動と玉軸受の動トルクとを測定した。保持器の振動は、前述と同様の方法で測定した。保持器の振動の測定結果を図6に示し、玉軸受の動トルクの測定結果を図7に示す。なお、図7のグラフに示した動トルクの数値は、一般的なポケットを有する保持器を備える玉軸受、すなわち、ポケットが保持する玉の中心O’と曲率中心Oとの間の距離δが0である玉軸受の動トルクを1とした場合の相対値で示してある。
【0026】
図6のグラフから、距離δが0.2%以上であると、保持器の振動が小さく、保持器音がほとんど発生しないことが分かる。また、距離δが2.6%までは、保持器の振動が小さいことが分かる。
さらに、図7のグラフから、距離δが2%までは動トルクの変化がほとんど無いが、2%を超えると玉の拘束力が強くなるため、動トルクが上昇することが分かる。
【0027】
これらの結果から、距離δが0.2〜2%の範囲であれば、トルクを上昇させることなく保持器音を抑制することができることが分かった。
次に、本発明に係るモータの実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図8は、エアコンディショナ用ファンに使用されるモータ(竪型)の断面図である。
【0028】
このモータは、ハウジング11と、該ハウジング11に挿通されたロータ軸(回転軸)12と、ハウジング11とロータ軸12との間に介装されロータ軸12を回転自在に支持する2個の玉軸受13A,13Bと、を備えている。そして、ロータ軸12の外周面に取り付けられたロータ15と、ロータ15にギャップを介して周面対向するようにハウジング11の内周面に取り付けられたステータ16と、によって、ロータ軸12が回転駆動されるようになっている。
【0029】
2個の玉軸受13A,13Bは軸方向に間隔をあけて配設されており、そのうちブラケット18の近傍側(以降は、ブラケット18の近傍側を「ブラケット側」と記し、その反対側を「反ブラケット側」と記す)に配設された玉軸受13Aは、予圧ばね19によって予圧が負荷されている。反ブラケット側に配設された玉軸受13Bには、予圧は負荷されていない。そして、反ブラケット側に配設された玉軸受13Bには、前述した本実施形態の玉軸受(図1〜4の玉軸受)が使用されている。よって、このモータは低騒音,低振動であるとともに低トルクである。
【0030】
なお、モータが竪型で使用される場合であって、しかもロータ軸12の反ブラケット側にファンが設けられ、予圧ばね19が皿ばねである場合には、ブラケット側に配設された玉軸受13Aは予圧抜けが生じやすい傾向がある。よって、予圧抜けが生じた後の予圧の大きさが基本動定格荷重の0.8%未満となるような場合には、ブラケット側に配設された玉軸受13Aにも前述した本実施形態の玉軸受(図1〜4の玉軸受)を使用することが好ましい。
【0031】
また、ブラケット側に配設された玉軸受13Aの予圧抜けに対応して、反ブラケット側に配設された玉軸受13Bに基本動定格荷重の0.8%以上の予圧が負荷される場合には、玉軸受13Aにのみ前述した本実施形態の玉軸受(図1〜4の玉軸受)を使用し、玉軸受13Bには図10のような一般的な玉軸受を使用することもできる。
【0032】
さらに、反ブラケット側に配設された玉軸受13Bには予圧が負荷されており、ブラケット側に配設された玉軸受13Aには予圧が負荷されていないモータもあるが、このような場合には、ブラケット側に配設された玉軸受13Aに前述した本実施形態の玉軸受(図1〜4の玉軸受)を使用するとよい。
次に、電動パワーステアリングに使用されるモータの実施の形態を、図9の電動パワーステアリングの構成図(一部を破断して示してある)を参照しながら説明する。
【0033】
図9における符号21はモータであり、22はウォームギア、23はウォームホイールギア、24はトルクセンサ、25はポテンショメータ、26はモータハーネス、27はトルクセンサハーネス、28はコンボリュートチューブ、29はキーロックハウジング、30はスイッチブラケット、31はロアーブラケット、32はゴムダンパである。
【0034】
このような電動パワーステアリングに使用されるモータ21に組み込まれた玉軸受のうちブラケット側に配設された玉軸受40は、予圧が負荷されていないので、前述した本実施形態の玉軸受(図1〜4の玉軸受)が使用されている。よって、このモータ21は低騒音,低振動であるとともに低トルクである。
なお、本実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
【0035】
例えば、保持器のポケットを形成する凹面は、該ポケットが保持する玉の曲率半径よりも僅かに大きな曲率半径を有する球状凹面であるが、その外縁部分については、前記球状凹面と滑らかに連続する円筒面としてもよい。あるいは、前記球状凹面よりも大きな曲率半径を有し、前記球状凹面と滑らかに連続する球状凹面としてもよい。
【0036】
そうすれば、玉がポケットの外縁部のエッジに接触しにくくなるので、滑り接触摩擦が小さくなる。また、玉に付着した潤滑グリースが掻き取られにくいので、潤滑性能の低下が生じにくい。
また、本実施形態においては玉軸受の例として深溝玉軸受を示して説明したが、玉軸受の種類は深溝玉軸受に限定されるものではなく、本発明は様々な種類の玉軸受に対して適用することができる。例えば、アンギュラ玉軸受,自動調心玉軸受等のラジアル形の玉軸受や、スラスト形の玉軸受である。
【0037】
【発明の効果】
以上のように、保持器が有する複数のポケットのうち少なくとも一つは、該ポケットが保持する玉の中心からラジアル方向に離れた位置に曲率中心が位置する凹面で形成されており、前記玉の中心と前記曲率中心との間の距離はピッチ円直径の0.2〜2%であるので、本発明の玉軸受及びモータは、潤滑剤としてグリースが使用され、しかも予圧が負荷されていない状態又は小さい予圧が負荷された状態で使用される場合であっても、低騒音,低振動であるとともに低トルクである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る玉軸受の一実施形態を示す部分縦断面図である。
【図2】本実施形態の玉軸受の変形例を示す部分縦断面図である。
【図3】本実施形態の玉軸受の変形例を示す部分縦断面図である。
【図4】本実施形態の玉軸受の変形例を示す部分縦断面図である。
【図5】予圧の大きさと保持器の振動との相関を示すグラフである。
【図6】玉の中心と曲率中心との間の距離と保持器の振動との相関を示すグラフである。
【図7】玉の中心と曲率中心との間の距離と動トルクとの相関を示すグラフである。
【図8】本発明に係るモータの一実施形態であるエアコンディショナ用ファンに使用されるモータの断面図である。
【図9】電動パワーステアリングの構成図である。
【図10】一般的な玉軸受の部分縦断面図である。
【符号の説明】
1 内輪
2 外輪
3 玉
4 玉案内保持器
4a 凹面
5 空隙部
12 ロータ軸
13A,13B 玉軸受
21 モータ
40 玉軸受
O 凹面の曲率中心
O’ ポケットが保持する玉の中心
δ ポケットが保持する玉の中心と凹面の曲率中心との間の距離

Claims (7)

  1. 内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に転動自在に配設された複数の玉と、前記玉を保持する複数のポケットを有する保持器と、前記内輪と前記外輪との間に形成され前記玉が配設された空隙部内に充填された潤滑グリースと、を備えるとともに、予圧が負荷されていない状態で使用される玉軸受であって、
    前記複数のポケットのうち少なくとも一つは、該ポケットが保持する玉の中心からラジアル方向に離れた位置に曲率中心が位置する凹面で形成されており、前記玉の中心と前記曲率中心との間の距離はピッチ円直径の0.2〜2%であることを特徴とする玉軸受。
  2. 前記潤滑グリースの40℃における動粘度が26〜53mm/sで、混和ちょう度が220〜260であることを特徴とする請求項1に記載の玉軸受。
  3. 内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に転動自在に配設された複数の玉と、前記玉を保持する複数のポケットを有する保持器と、前記内輪と前記外輪との間に形成され前記玉が配設された空隙部内に充填された潤滑グリースと、を備えるとともに、基本動定格荷重の0%超過且つ0.8%未満の予圧が負荷された状態で使用される玉軸受であって、
    前記複数のポケットのうち少なくとも一つは、該ポケットが保持する玉の中心からラジアル方向に離れた位置に曲率中心が位置する凹面で形成されており、前記玉の中心と前記曲率中心との間の距離はピッチ円直径の0.2〜2%であることを特徴とする玉軸受。
  4. 前記潤滑グリースの40℃における動粘度が26〜53mm/sで、混和ちょう度が220〜260であることを特徴とする請求項3に記載の玉軸受。
  5. 回転軸と、該回転軸を回転自在に支持する転がり軸受とを備えるとともに、エアコンディショナ用ファン又は電動パワーステアリングに使用されるモータにおいて、前記転がり軸受を請求項1〜4のいずれかに記載の玉軸受としたことを特徴とするモータ。
  6. 予圧が負荷されていない状態で組み込まれた第一転がり軸受と、予圧が負荷された状態で組み込まれた第二転がり軸受と、前記両転がり軸受により回転自在に支持された回転軸と、を備えるモータにおいて、前記両転がり軸受のうち少なくとも前記第一転がり軸受を請求項1又は請求項2に記載の玉軸受としたことを特徴とするモータ。
  7. エアコンディショナ用ファン又は電動パワーステアリングに使用されることを特徴とする請求項6に記載のモータ。
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