JP4017827B2 - 玉軸受 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、HDD用スピンドルモータ,各種ファンモータ,汎用モータ,自動車用電装補機などを代表とする、潤滑条件が厳しい条件で使用される玉軸受に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
モータの回転軸を支持する軸受や自助車電装補機のプーリに組み込まれる軸受には密封型深溝玉軸受が一般的に使用されており、回転トルクを低減している。密封型深溝玉軸受にはグリースが軸受内部に密封されており、軸受の寿命はボ−ルと軌道面でアキシアル荷重を受ける接触面内でのせん断の繰り返しによるグリースの寿命によって決定される。そのため、従来からグリースの性能向上が図られてきた。
【0003】
密封型深溝玉軸受を使用する機械装置では、寿命の延長が永遠の課題であり、軸受の寿命は前記のようにグリ−スの寿命に大きく依存する。比較的小さな荷重を支えるモータ等でアキシアル荷重が負荷された玉軸受でも、一般に、軌道面ならびにボールのlmm2 前後の範囲が弾性変形して1μm前後のグリースの膜で荷重を支えている。グリースはボールの自転に伴い、内外輪の軌道面間を移動する。その際、ボールを周方向に配置している保持器のエッジによりグリースが掻き取られるため、軸受の回転に伴いボールと軌道面間の接触部へのグリースの供給量が少なくなった状態で玉軸受は使用されている。グリ−スの供給量が少なくなると、荷重を支えるグリース膜が薄くなり、軌道面の粗さに比較してグリース膜が小さい場合にはボールは軌道面と接触し、ボールおよび軌道面の表面が摩耗して軸受の振動が大きくなる。そのため、静粛性が要求されるハードディスクドライブやエアコンファンモータなどでは早期に軸受寿命となる。また、回転速度が大きな自動車補機用軸受では、焼付きが発生して軸受寿命となる。
【0004】
保持器の外径面のエッジによりグリースが掻き取られることを防止することについては、ポケット開口縁に凹入部を設けて防止するものが提案されている(例えば特開平11−166540)。この提案例では、リング状の保持器の内周面および外周面におけるポケット開口縁の一部で、面取り状の凹入部を設け、保持器ポケット面へのグリースの流入性を向上させている。上記凹入部として、面取り状とする代わりに、保持器の内周面から外周面に達する凹溝状とし、この凹溝状部分の中間部を、ポケット内面と略同一平面にするものも提案されている。
しかし、ポケット内面において、ボールとポケット内面との接触部でグリースの掻き取りが生じ、ポケット内面を通過するグリース量を十分に増加させることができないという問題があった。
【0005】
また,ボケット内面を通過するグリース量を多くする方法として、ポケット内の縦断面形状を多角とするものや、ボールの自転軸に対する赤道部に対応するポケット部にボールと接触しない凹部を設けるものが提案されている(例えば、United States Patent4,225,199および実開昭57−124617)。しかし、ポケット面とボ−ルが接触する面積が小さくなると、保持器の剛性が低下すること、面圧が増加するために面荒れが発生するという問題があり、適正な非接触部の形状が不明確であった。
【0006】
この発明の目的は、軌道面へのグリ−スの供給量を増加させ、軸受の潤滑寿命を延長させることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明の玉軸受は、内輪と外輪の間に介在した複数のボールをリング状の保持器に設けられたポケット内に保持し、上記保持器が、各ポケット毎に一対の爪を対向して突設した樹脂製で冠形のものであり、上記ポケットの内面を球面状とした玉軸受において、上記保持器のポケットの内面に、保持器の内径面から外径面まで貫通する半径方向の溝を設け、この溝の溝底縦断面形状を球面状のポケット内面と同心の円弧状とし、この溝の横断面形状を円弧状とし、上記玉軸受に負荷されるアキシアル荷重の大きさとラジアル内部隙間の大きさから、位置と大きさが決定される内外輪のボールと接して荷重を支持する接触面の全体を、上記溝の幅内に含ませたものである。
このように保持器の内面に半径方向に貫通した溝を設けたため、ボールに付着したグリース等の潤滑剤がポケット内面を通過する箇所に、空間が形成されることになる。そのため、ポケットの開口縁やポケットの内面で掻き取られることが防止され、十分な量の潤滑剤が他方の軌道面に移動できる。この半径方向の溝は、断面形状が円弧状であって、溝幅の中央が深く、両側縁が浅くなっているために、樹脂製射出成形保持器を製造する場合、ポケット面の入れ子の抜き取り時に無理な力が保持器の爪にかかることがない。
また、ポケット内で、上記溝から効果的に潤滑剤がボールへ供給される。そのため、軌道面へのグリースの供給量を増加させることができ、密封グリース封入軸受の潤滑寿命を延長させることができる。
この溝は、溝底の縦断面形状がポケット内面と同心の円弧状であるため、溝深さを適宜の深さに設計することで、ボールの表面に付着して移動するグリース量を、必要な量だけ確保することができる。
【0008】
また、上記溝の幅が、ボール直径の34%以上で最大が上記爪の開放側先端の手前までとされているため、接触角が発生しても、上記溝により、ボールに付着したグリースを効果的に潤滑必要箇所に導くことができ、また保持器の爪によるボールの案内性が確保される。
すなわち、上記溝により、ボールに付着したグリースを効果的に潤滑必要箇所に導くには、内外輪の軌道面のボールとの接触点が、上記溝の溝幅内に位置するように溝幅を設定することが必要である。玉軸受において、ラジアル内部隙間によりボールと軌道面には接触角が発生し、ボールの自転軸が傾くため、冠形の保持器を用いた一般的な設計の玉軸受において、上記のように径方向の溝を設けた場合に、接触点を溝幅内に含むためには、溝幅をボール直径の34%以上とする必要がある。溝幅の最大としては、冠形の保持器では、爪の開放側の先端でボールを案内するため、この案内が妨げられない最大の幅であり、その爪の先端の手前までである。
【0009】
この発明において、上記保持器の溝の軸方向位置は、ボ−ルの中心とすることが好ましい。
一般に、玉軸受では、内外輪の軌道面はボール径よりも僅かに大きな円孤状の断面形状とされていて、ボ−ルは軌道面の幅の一部に接する。また、軸受に作用する荷重の方向は、ラジアル方向とアキシアル方向があり、ラジアル荷重の場合は、ボールの中心と保持器ポケットの中心はずれないが、アキシアル荷重の場合は接触角が生じ、ボール配列のピッチ円の中心から軸方向にずれた位置で接触することになる。軸受の回転中には、軌道面におけるボ−ル接触楕円の両側の幅方向部分に潤滑剤の多い箇所が生じる。したがって、玉軸受の径方向溝を内外輪とボールが接触する楕円を含むようにすれば、ボールに付着したグリースを効果的に潤滑必要箇所に移動させることができる。このように、グリースを効果的に潤滑必要箇所に移動させるにつき、保持器の溝の軸方向中心位置を、ボールの中心とすることが、より一層好ましい。
【0010】
この発明の玉軸受は、グリ−スを封入してシールを組み込んだものであっても良い。
グリースを封入してシールを組み込んだ軸受の場合、従来の技術の欄で説明したように、一般に封入グリースの寿命が軸受自体の寿命となる。そのため、この発明のように、ポケット内で、上記溝から効果的に潤滑剤がボールへ供給されるようにすることにより、軸受自体の寿命が向上する。
【0011】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施形態を図面と共に説明する。この玉軸受は、内輪6と外輪7の軌道面6a,7a間に複数のボール5を介在させ、これらのボール5を、保持器1に設けられた各ポケット2で各々保持したものである。各軌道面6a,7aは、ボール径よりも若干大きな径の円弧状断面形状の円周溝で形成されている。外輪7には、内外輪6,7間の環状空間を密封するシール8を両側に取付け、この軸受を密封型の玉軸受としている。詳しくは、密封型深溝玉軸受としてある。シール8は、シールド板であっても良い。
【0012】
保持器1は、図2,図3に示すように、冠形で樹脂製のものであり、リング状の保持器本体1aの片方の幅面に、各ポケット2毎に一対の爪3,3を対向して突設した形状とされている。各ポケット2は、上記一対の爪3,3と、保持器本体1aの凹部とで形成され、内面が球面状とされている。この保持器1は、射出成形等で形成される。
【0013】
保持器1のポケット2の内面には、内径面から外径面まで貫通する半径方向の溝4が設けてある。この溝4は、横断面形状、つまり保持器1の軸方向に沿う断面形状が円孤状とされている。円弧の程度は、半円状であっても、それよりも浅い形状であっても良い。保持器1の溝4の位置は、ボール5の中心Oを含む軸方向位置であり、ボール5の中心Oと溝4の溝幅の中心とを一致させる。
【0014】
図4に示すように、ポケット2の内面は、ボール5の直径dwよりも僅かに大きな径の球面状である。径方向の溝4の底面の縦断面形状、つまり径力向に沿う断面形状は、ポケット内面と同心の円弧状であって、ポケット内面よりも大きな径(直径dg)とされている。直径dgの値は、必要なグリ−スの移動量に応じて設計される。
径方向の溝4の幅(LC +LD )(図1)は、ボール直径dw(図4)の34%以上で、最大が爪3の開放側先端Eの手前までとする。
【0015】
この構成の玉軸受によると、保持器1の内面に半径方向に貫通した溝4を設けたため、ボール5に付着したグリースがポケット内面を通過する箇所に、空間が形成されることになる。そのため、ポケット2の開口縁やポケット2の内面で掻き取られることが防止され、十分な量のグリ−スが他方の軌道面に移動できる。すなわち、従来の保持器では、爪3の内径面および外径面のエッジ部でグリースを掻き取るいわゆるワイパー作用により、ボール5に付着したグリースを他方の軌道面まで移動させることができなかったが、この実施形態によると、このような問題が解消される。
【0016】
この半径方向の溝4は、横断面形状が円弧状であって、溝幅の中央が深く、両側縁が浅くなっているために、ポケット2内で溝4から効果的にグリ−スがボール5へ供給される。そのため、軌道面6a,7aへのグリ−スの供給量を増加させることができ、密封グリース封入玉軸受の潤滑寿命を延長させることができる。
また、半径方向の溝4は、縦断面形状がポケット内面と同心の円弧状とされているため、溝深さを適宜の深さに設計することで、ボール5の表面に付着して移動するグリース量を、必要な量だけ確保することができる。
【0017】
図1は、軸受にアキシアル方向予圧が外輪7の右側および内輪6の左側から負荷されている状態を示している。軸受はラジアル内部隙間が存在するため、アキシアル荷重を負荷した場合、接触角θが生じ、ボール5は外輪7とは点Aで、内輪6とは点Bで各々接触する。点Oはボール5の中心である。アキシアル荷重の大きさとラジアル内部隙間の大きさから、内外輪6,7のボール5と接して荷重を支持する接触面(接触点A,Bでの接触面)の大きさ、および位置が決定される。上記接触面はヘルツ接触面となる。軸受の回転中には接触面の回転方向と直交する両側にグリースの輪状の溜まりが形成される。すなわち潤滑量の多い箇所ができるわけである。したがって、ボール5に付着したグリースを効果的に移動させるためには、径方向溝4の溝方向中心を、ボール5の中心点Oと一致させれば良いことがわかる。加えて、径方向溝4の中心点(ボール5の中心点)Oからポケット開放側(爪3の開放側)への溝幅LC は、外輪7とボール5との接触面の幅における爪開放側端Cを含む必要がある。同様に、径方向溝4の中心点Oからポケット非開放側への溝幅LD は、内輪6とボール5との接触面の幅におけるポケット非開放側端Dを含む必要がある。
【0018】
モータのスピンドル用軸受では、モータの振動を防止するため、図1のように純アキシアル荷重をばね(図示せず)等で与えており、この予圧荷重は一般に軸受の基本動定格荷重Crの0.02以下である。したがって、軌道面とボールとのヘルツ接触楕円は非常に小さい。しかし、前記のようにラジアル内部隙間によりボールと軌道面には接触角が発生し、ボールの自転軸が傾くため、接触面を溝4内に含むためには、溝4の幅をボール直径の34%以上とする必要がある。溝幅の最大としては、爪3の開放側の先端E(図3)でボールを案内するため、その先端Eの手前までである。つまり、最大幅は、溝4が形成されても、爪3の先端Eにボール3を案内する部分が残される範囲までである。
【0019】
また,ラジアル荷重のみが負荷される自動車の電装補機用軸受の荷重は軽荷重(F/Crが0,06以下、JIS B 1566)であり、ヘルツ接触楕円を含む溝4の幅は、ボール直径の34%以上あればよい。
【0020】
なお、上記実施形態では、保持器1を冠形の樹脂製保持器としたが、保持器1が波形プレス保持器である場合にも、上記溝4を設けたことによる効果は、この発明と同様に得られる。その場合も、溝4の幅は、ボール直径の34%以上とすることが好ましい。ただし、溝4の最大幅は、保持器の形状に応じて適宜の幅とされる。
【0021】
【実施例】
(油膜形成試験1)
この発明の上記実施形態における保持器1と、径方向溝4の無い従来の保狩器および溝幅の狭い保持器との性能を実験的に確認した。試験軸受には深溝玉軸受608(内径8mm×外径22mm×幅7mm)を使用した。ボール5は鋼球であり、直径寸法は4mmである。グリースは、増ちょう剤がウレアであり、基油はエステル系合成油である。基油の動粘度は40℃で33mm2 /sである。雰囲気温度は60℃、アキシアル予圧は50Nとした。試験回転速度は1050rpmであり、内輪回転とした。保持器1は射出成形したナイロン製冠形保持器である。運転中の静止輪(外輪)と回転輪(内輪)間に接触抵抗を測定するる直流回路を構成し、抵抗値から軸受の油膜形成率を評価した。ここで、油膜形成率とは、軸受の印加電圧1Vに対して、試験中の静止輪と回転輪間の電圧降下Vから下式のように定義した。
油膜形成率=100×V
である。
なお、回転輪と測定回路との結線には回転軸端に取り付けた水銀スリップリングを用いた。
【0022】
図5に結果を整理して示す。試験は、それぞれの保持器で9回実施し、図5には溝幅/ボール直径の比と、溝の無い保持器を使用した軸受の3個の試験の油膜形成率の最小値を分母とした油膜形成比との関係を示した。同図より、溝幅をボール直径の35%以上とすることで、油膜の形成状態が改善できることが確認できた。
【0023】
(潤滑寿命試験)
この発明の上記実施形態における保持器1と、径方向溝4の無い従来の保持器との性能を実験的に確認した。試験軸受には深溝玉軸受6204(内径20mm×外径47mm×幅14mm)を使用した。ボール5は鋼球であり、直径寸法は7.973mmである。グリ−スは、増ちょう剤がリチウムであり、基油はエステル系合成油である。基油の動粘度は40℃で15mm2 /sである。雰囲気温度は120℃、アキシアル荷重およびラジアル荷重をそれぞれ67N負荷した。試験回転速度は10000rpmであり、内輪回転とした。保持器1は、射出成形したナイロン製冠形保持器である。潤滑寿命は、試験中の軸受の温度上昇、駆動モータの負荷電流の増加,試験機の振動の増加により判定した。
【0024】
図6に結果を示す。図中の潤滑寿命比は、試験軸受の寿命時間に対する溝無し保持器を使用した軸受の最短寿命との比である。同図より、溝幅をボール直径の35%以上とすることで、軸受の長寿命化が達成できることが確認できた。
【0025】
(油膜形成試験2)
この発明の上記実施形態における保持器1の溝深さが油膜形成に及ぼす影響を実験的に確認した。試験軸受には深溝玉軸受608(内径8mm×外径22mm×幅7mm)を使用した。ボール5は鋼球であり、直径寸法は4mmである。グリースは増ちょう剤がウレアであり、基油はエステル系合成油である。基油の動粘度は40℃で33mm2 /sである。雰囲気温度は100℃、アキシアル予圧は30Nとした。油膜形成率の定義ならびに測定方法は、前記の油膜形成試験1と同じである。試験は、内輪の回転速度を直線的に増加し、回転数と油膜形成率の関係を求めた。保持器1は射出成形したナイロン形冠形保持器である。
【0026】
図7に結果を示す。図中の縦軸は、溝の無い保持器を使用した軸受の油膜形成率が100%に到達した回転数と溝付き保持器を使用した軸受の油膜形成率が100%に到達した回転数との比である。一般に、ボールと軌道輪間に発生する油膜の厚さは速度の約0.7乗に比例する。したがって、低い回転数でも油膜が形成される軸受が、機械装置にとっては望ましい。同図より、溝幅は、この発明の場合は、溝深さを深くすると比例的に油膜を形成する回転速度が小さくなることが確認された。したがって、溝深さは油膜形成の向上に有効であるが、保持器の剛性などを考慮して最大の深さを個々の軸受の使用条件で決定することが望ましい。
【0027】
【発明の効果】
この発明の玉軸受は、内輪と外輪の間に介在した複数のボールをリング状の保持器に設けられたポケット内に保持し、上記保持器が、各ポケット毎に一対の爪を対向して突設した樹脂製で冠形のものであり、上記ポケットの内面を球面状とした玉軸受において、上記保持器のポケットの内面に、保持器の内径面から外径面まで貫通する半径方向の溝を設け、この溝の溝底縦断面形状を球面状のポケット内面と同心の円弧状とし、この溝の横断面形状を円弧状としたため、ボールと軌道面間の潤滑膜の形成状態を良好にすることができて、軸受の潤滑寿命の長寿命化が実現できる。特に、上記玉軸受に負荷されるアキシアル荷重の大きさとラジアル内部隙間の大きさから、位置と大きさが決定される内外輪のボールと接して荷重を支持する接触面の全体を、上記溝の幅内に含ませたため、接触角が発生しても、上記溝により、ボールに付着したグリースを効果的に潤滑必要箇所に導くことができ、また保持器の爪によるボールの案内性が確保される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形様にかかる玉軸受の断面図である。
【図2】その保持器の一部にボールを保持した状態を示す外観斜視図である。
【図3】同玉軸受のPCD位置での軸方向に沿う部分断面図である。
【図4】同保持器を軸方向から見た玉中心位置での部分断面図である。
【図5】この発明の軸受の油膜形成を示した実験結果である。
【図6】この発明の軸受の潤滑寿命を示した実験結果である。
【図7】この発明の軸受の溝深さと油膜の関係を示した実験結果である。
【符号の説明】
1:保持器
2:ポケット
3:爪
4:径方向の溝
5:ボール
6:内輪
7:外輪
8:シール

Claims (3)

  1. 内輪と外輪の間に介在した複数のボールをリング状の保持器に設けられたポケット内に保持し、上記保持器が、各ポケット毎に一対の爪を対向して突設した樹脂製で冠形のものであり、上記ポケットの内面を球面状とした玉軸受において、上記保持器のポケットの内面に、保持器の内径面から外径面まで貫通する半径方向の溝を設け、この溝の溝底縦断面形状を球面状のポケット内面と同心の円弧状とし、この溝の横断面形状を円弧状とし、上記玉軸受に負荷されるアキシアル荷重の大きさとラジアル内部隙間の大きさから、位置と大きさが決定される内外輪のボールと接して荷重を支持する接触面の全体を、上記溝の幅内に含ませた玉軸受。
  2. 上記保持器の溝の軸方向中心位置を、ボールの中心とした請求項1に記載の玉軸受。
  3. グリ−スを封入してシールを組み込んだ請求項1または請求項2に記載の玉軸受。
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