JP4013030B2 - アンギュラ玉軸受 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば高速化や長寿命化が求められるモータや工作機械の主軸等に用いられる外輪にカウンターボアを有する非接触シール部材付きのアンギュラ玉軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
工作機械の主軸に用いられる軸受の潤滑は、コストやメンテナンスフリーの観点からグリース潤滑が多く用いられる。また、工作機械の主軸の回転数は、生産性向上の要求から高回転になり、軸受の高速化がますます要求されている。
特に、外輪にカウンターボアを有するアンギュラ玉軸受は、グリース潤滑の場合に高速回転になると、外輪のカウンターボアの存在によってグリースの基油(潤滑油)が排出されやすくなり、軌道溝における潤滑油の保油性が悪化して潤滑不良が発生し、軸受の耐久面で不利になる。
【0003】
また、外輪の軸線方向の両端部近傍に、単純に非接触シール部材を装着した場合も、高速回転になると軸受内のグリースは軸方向の端面側に移動してシール部分に付着することになるので、グリース自体が軸受内部から飛散することはないものの、シール部分に付着したグリースから基油が再び軌道溝に供給されることは少なく、グリース潤滑における潤滑不良を解消するには不十分である。
【0004】
そこで、特開平11−108068号公報に開示されたアンギュラ玉軸受では、非接触シール部材を装着しなくても外輪の軌道溝と玉との接触面(接触楕円)が確保されるように、外輪の内周面に機械加工によりグリース貯蔵溝を形成することにより、この貯蔵溝に溜まったグリースから基油(潤滑油)を再び軌道溝に供給し、これにより従来の軸受に比べて長寿命化を図れるとしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平11−108068号公報に開示されたアンギュラ玉軸受においては、例えばdmN(許容回転数)が100万以上の高速回転になると、外輪内周面に形成したグリース貯蔵溝だけでは、軸受内に充填したグリースの飛散を抑制できず、軸受内に充填したグリースを十分に活用して潤滑に寄与させることは難しい。
【0006】
また、個々の軸受毎に、機械加工によりグリース貯蔵溝を外輪内周面に形成する必要があるため、製作コストの低減を妨げる原因になるという問題もある。
従って、本発明の目的は上記課題を解消することに係り、高速回転時に軸受内に充填したグリースが飛散するのを抑制することができるようにして、グリース潤滑による高速回転時の長寿命化の達成を低コストで実現することができるアンギュラ玉軸受を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、カウンターボアが内周面に形成される外輪と、前記外輪と内輪との間に配置され、複数の玉を保持する複数のポケットを備えた保持器と、前記外輪の内周面の軸線方向両端部近傍に形成された一対のシール嵌合溝のそれぞれに嵌合される非接触シール部材とを備え、前記非接触シール部材が、前記シール嵌合溝内に嵌合される取付け嵌合部を外周部に有するアンギュラ玉軸受であって、前記カウンターボア側の非接触シール部材における取付け嵌合部の内径が、対応する前記シール嵌合溝の最小内径より小さく、且つ前記保持器の最大外径より大きくなるように設定されると共に、前記一対のシール嵌合溝の間隔が、前記保持器のポケット径以上、且つ前記保持器の幅寸法以下となるように設定され、さらに、反カウンターボア側の非接触シール部材における取付け嵌合部の内径が、前記外輪の反カウンターボア側の内径より大きくなるように設定されることを特徴とするアンギュラ玉軸受により達成される。
【0008】
上記構成によれば、非接触シール部材によって軸受内に充填したグリースの飛散を抑制することができると共に、該非接触シール部材における取付け嵌合部と外輪内周面とによって、グリース貯蔵溝を形成することができるため、該グリース貯蔵溝に溜まったグリースから基油(潤滑油)を再び外輪の軌道溝に供給することができる。
また、前記グリース貯蔵溝は、非接触シール部材における取付け嵌合部と外輪内周面とによって形成されるので、個々の軸受毎に機械加工によりグリース貯蔵溝を外輪内周面に形成する必要がない。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施形態に係るアンギュラ玉軸受を詳細に説明する。
本発明の第1実施形態に係るアンギュラ玉軸受1は、図1に示したように、外輪2の軌道溝2aと内輪3の軌道溝3aとの間に、転動体である複数の玉5が配置されている。これら玉5は、保持器6により周方向に所定間隔をもって転動自在に保持されている。
【0010】
前記外輪2の軸線方向一端側(図中、右端側)の外輪内周面には、カウンターボア7が形成されている。前記保持器6のカウンターボア側の外径は、反カウンターボアの外径より大きくなっており、カウンターボア側および反カウンターボア側において、前記保持器6の外周面と前記外輪2の外輪内周面とのクリアランスが、略同一間隔と成るように構成されている。
【0011】
また、前記外輪2の外輪内周面の軸線方向両端部近傍には、それぞれ非接触シール部材10が嵌合される一対のシール嵌合溝8が形成されている。このシール嵌合溝8は、図2に示したように、カウンターボア側および反カウンターボア側共に、外輪2の端面から軸線方向内方に向けて次第に拡径方向に傾斜するテーパ状内周面8aと、該テーパ状内周面8aに角部8cを介して半径方向内方に連続して延びる端面8bとを有しており、カウンターボア側の端面8bは、反カウンターボア側の端面8bより径方向の寸法が短くなっている。
【0012】
前記非接触シール部材10は、カウンターボア側および反カウンターボア側共に、同一形状とされており、図3に示したように、環状板11と該環状板11の外周縁から軸線方向に沿って突出する円筒部12とを備えた芯金13に、ゴム等の弾性材14が加硫成形等により一体に固着されている。前記芯金13の環状板11に固着された弾性材14の内周部は、前記内輪3の外周面に近接して配置されるが非接触とされる。
【0013】
前記芯金13の円筒部12に固着された弾性材14は、前記外輪2のシール嵌合溝8に嵌合される取付け嵌合部15とされており、該取付け嵌合部15の内周面は軸線と略平行な円筒状内周面とされ、外周面は円筒部12の突出方向に向けて次第に縮径方向に傾斜するテーパ状外周面16とされている。
【0014】
そして、前記取付け嵌合部15が前記シール嵌合溝8に嵌合される際、テーパ状外周面16はテーパ状内周面8aと逆方向に傾斜するようにして組付けられる。
そこで、前記シール嵌合溝8に軸方向から挿入して嵌合される前記非接触シール部材10は、前記取付け嵌合部15の挿入先端側(円筒部12の突出側)の外径が挿入後端側の外径より小さいために、シール嵌合溝8へ嵌合し易く、且つ抜け難くなる。
【0015】
尚、前記非接触シール部材10における芯金13の円筒部12の外径は、カウンターボア側のシール嵌合溝8の最小内径D1よりも大きくなっており、取付け嵌合部15がシール嵌合溝8に嵌合される際には、該取付け嵌合部15を軸方向へ必要以上に入り込まないようにする一種の軸線方向位置決め手段として機能する。
【0016】
また、前記シール嵌合溝8のテーパ状内周面8aのテーパ角α1は、カウンターボア側のシール嵌合溝8の溝深さが浅いことによる非接触シール部材10の抜けを防ぐために、1〜30度の角度範囲が好ましく、本実施形態では該テーパ角α1を10度としている。
前記テーパ角α1が30度を超えると、シール嵌合溝8の溝深さが深くなって外輪2の肉厚が減少し、外輪2の強度低下を招く虞れがあり、一方、1度未満ではシール嵌合溝8の加工精度によって、非接触シール部材10の嵌合力のばらつきが大きくなる。
【0017】
更に、本実施形態では、前記非接触シール部材10の取付け嵌合部15の内径D2が、対応するカウンターボア側のシール嵌合溝8の最小内径D1より小さく、且つ前記保持器6の最大外径D3より大きくされると共に、前記一対のシール嵌合溝8,8の間隔B2が、前記保持器6のポケット径B1以上、且つ前記保持器6の幅寸法B3以下にされる。
【0018】
即ち、前記非接触シール部材10における取付け嵌合部15の内径D2をカウンターボア側のシール嵌合溝8の最小内径D1より小さくすることにより、該取付け嵌合部15の軸線方向内方の先端面とカウンターボア7とによって、外輪2の内周面にグリース貯蔵溝17が形成される。また、前記取付け嵌合部15の内径D2を保持器6の最大外径D3より大きくすることにより、保持器6と該取付け嵌合部15との干渉による異常発熱や損傷を防止するようにしている。
【0019】
また、一対のシール嵌合溝8,8の間隔B2を保持器6のポケット径B1以上にすることにより、前記グリース貯蔵溝17の軸線方向の側面(取付け嵌合部15の軸線方向愛方の先端面)が前記ポケット18の内周面より軸方向外側に位置することになるので、回転中の玉5にかき上げられたグリースがポケット18を通過して外輪2の内周面に到達した際に、該グリースをグリース貯蔵溝17に確実に貯蔵することができる。
【0020】
更に、一対のシール嵌合溝8,8の間隔B2を保持器6の幅寸法B3以下にする理由は次の通りである。
上述したように、取付け嵌合部15の軸線方向内方の先端面とカウンターボア7とによって外輪2の内周面に形成されるグリース貯蔵溝17は、該グリース貯蔵溝17に溜まったグリースから滲み出す基油により外輪2の軌道溝2aを潤滑するため、軌道溝2aに近いほどその効果が発揮される。
また、前記グリース貯蔵溝17の軸線方向の幅が大きすぎると、軸受内のグリース封入量が多くなってトルクが上昇するため、グリース貯蔵溝17の軸線方向の幅を保持器6のポケット径B1に近づけるように狭くして、極力グリース封入量を下げることが好ましいからである。
【0021】
上述した如き本実施形態のアンギュラ玉軸受1によれば、一対の非接触シール部材10,10によって軸受内に充填したグリースの飛散を抑制することができると共に、該非接触シール部材10における取付け嵌合部15と外輪2の外輪内周面とによって、グリース貯蔵溝17を形成することができるので、前記グリース貯蔵溝17に溜まったグリースから基油(潤滑油)を再び外輪2の軌道溝2aに供給することができる。
そこで、例えばdmN(許容回転数)が100万以上の高速回転でも、軸受内に充填したグリースを十分に潤滑に寄与させることができ、高速回転時の軸受の長寿命化を達成することができる。
【0022】
また、前記グリース貯蔵溝17は、非接触シール部材10における取付け嵌合部15と外輪2の外輪内周面とによって形成されるので、個々の軸受毎に機械加工によりグリース貯蔵溝を外輪内周面に形成する必要がなく、軸受の製作コストの上昇を招くことがない。
【0023】
尚、上記実施形態では、シール嵌合溝8の形状および非接触シール部材10の形状をカウンターボア側および反カウンターボア側で同一とした場合を例に説明したが、本発明のアンギュラ玉軸受はこれに限定されない。例えば、シール嵌合溝および非接触シール部材の形状をカウンターボア側と反カウンターボアで異ならせてもよく、また、識別の為にカウンターボア側と反カウンターボアで非接触シール部材の色が異なっていてもよい。
【0024】
次に、図4乃至図6を参照して、本発明の第2実施形態に係るアンギュラ玉軸受を説明する。尚、本第2実施形態に係るアンギュラ玉軸受21は、上記第1実施形態に係るアンギュラ玉軸受1に対して、反カウンターボア側のシール嵌合溝28および該シール嵌合溝28に嵌合される非接触シール部材30の形状が相違するだけであるため、上記第1実施形態と重複する部分については各図に同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0025】
本第2実施形態に係るアンギュラ玉軸受21は、図4及び図5に示したように、反カウンターボア側のシール嵌合溝28が、外輪22の端面から軸線方向内方に向けて軸線と略平行に延びる円筒面28dと、該円筒面28dに連続して次第に拡径方向に傾斜するテーパ状内周面28aと、該テーパ状内周面28aに角部28cを介して半径方向内方に連続して延びる端面28bとを有しており、カウンターボア側の端面8bは、反カウンターボア側の端面28bより径方向の寸法が短くなっている。
【0026】
前記非接触シール部材30は、図6に示したように、環状板31と該環状板31の外周縁から軸線方向に沿って突出する円筒部32とを備えた芯金33に、ゴム等の弾性材34が加硫成形等により一体に固着されている。前記芯金33の環状板31に固着された弾性材34の内周部は、前記内輪3の外周面に近接して配置されるが非接触とされる。
【0027】
前記芯金33の円筒部32に固着された弾性材34は、前記外輪22のシール嵌合溝28に嵌合される取付け嵌合部35とされており、該取付け嵌合部35の内周面は軸線と略平行な円筒状内周面とされ、外周面は円筒部32の突出方向に向けて次第に縮径する断面1/4円弧状の曲面状外周面とされている。
これにより、前記非接触シール部材30をシール嵌合溝28に軸方向から挿入して嵌合する際には、前記取付け嵌合部35の挿入先端側(円筒部32の突出側)の外径が挿入後端側の外径より小さいために、シール嵌合溝28へ嵌合し易く、且つ抜け難くなる。
【0028】
図5に示したように、本第2実施形態では、カウンターボア側のシール嵌合溝8の溝深さK1を反カウンターボア側のシール嵌合溝28の溝深さK2よりも浅くして(K1<K2)、外輪22のカウンターボア側の肉厚を確保し、これにより、外輪22の強度が低下するのを防止している。
【0029】
また、カウンターボア側のシール嵌合溝8は、テーパ状にして溝深さが浅くされているので、図3に示した前記非接触シール部材10の芯金11とシール嵌合溝8の端面8bとで非接触シール部材10の軸線方向の位置決めを確実に行えるように、シール嵌合溝8の軸線方向の長さLL1を反カウンターボア側のシール嵌合溝28の軸線方向の長さLL2より長くしている(LL1≧LL2)。
【0030】
その結果、図3及び図6に示したように、カウンターボア側の非接触シール部材10における芯金13の円筒部12に固着された弾性材14の最大肉厚KK1が、反カウンターボア側の非接触シール部材30における芯金33の円筒部32に固着された弾性材34の最大肉厚KK2より薄くされると共に(KK1<KK2)、前記非接触シール部材10における芯金11の円筒部12の軸方向長さL1が、前記非接触シール部材30における芯金31の円筒部32の軸方向長さL2)より長くされる(L1≧L2)。
これにより、カウンターボア側の非接触シール部材10の取付け嵌合部15の緊迫力が、反カウンターボア側の非接触シール部材30の取付け嵌合部35の緊迫力より大きくされ、該非接触シール部材10は軸方向に抜け難くされている。
【0031】
更に、図5に示したように、反カウンターボア側のシール嵌合溝28におけるテーパ状内周面28aの傾斜角α2は、カウンターボア側のシール嵌合溝8のテーパ状内周面8aのテーパ角α1に比べて大きくしている(α1<α2)。
このように、反カウンターボア側のシール嵌合溝28の傾斜角α2が大きいのは、外輪22の肉厚が十分確保できるので、シール嵌合溝28の溝深さK2が十分に得られるためである。
尚、本第2実施形態に係るアンギュラ玉軸受21におけるその他の構成および作用効果は、上記第1実施形態に係るアンギュラ玉軸受1と同様であるので説明を省略する。
【0032】
次に、図7乃至図9を参照して、本発明の第3実施形態に係るアンギュラ玉軸受を説明する。尚、本第3実施形態に係るアンギュラ玉軸受23は、上記第2実施形態に係るアンギュラ玉軸受21に対して、カウンターボア側のシール嵌合溝38および該シール嵌合溝38に嵌合される非接触シール部材40の形状が相違するだけであるため、第2実施形態と重複する部分については各図に同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0033】
本第3実施形態に係るアンギュラ玉軸受23は、図7及び図8に示したように、カウンターボア側のシール嵌合溝38が、外輪24の端面から軸線方向内方に向けて軸線と略平行に延びる円筒面38aと、該円筒面38aに連続して半径方向内方に延びる端面38bと、前記円筒面38aに凹設された周溝39とを有しており、カウンターボア側の端面38bは、反カウンターボア側の端面28bより径方向の寸法が短くなっている。
【0034】
また、前記周溝39の内側の溝側面は、図8に示したように、外輪24の内方に向けて次第に縮径方向に所定の角度γで傾斜するテーパ状溝側面39aとされている。
前記非接触シール部材40は、図9に示したように、環状板41と該環状板41の外周縁から軸線方向に沿って突出する円筒部42とを備えた芯金43に、ゴム等の弾性材44が加硫成形等により一体に固着されている。前記芯金43の環状板41に固着された弾性材44の内周部は、前記内輪3の外周面に近接して配置されるが非接触とされる。
【0035】
前記芯金43の円筒部42に固着された弾性材44は、前記外輪24のシール嵌合溝38に嵌合される取付け嵌合部45とされており、該取付け嵌合部45の内周面は軸線と略平行な円筒状内周面とされ、外周面は軸線と略平行な円筒状外周面46と円筒部42の突出方向に向けて次第に縮径方向に傾斜するテーパ状外周面47とで形成されている。
【0036】
これにより、前記非接触シール部材40をシール嵌合溝38に軸方向から挿入して嵌合する際には、前記取付け嵌合部45の挿入先端側(円筒部42の突出側)の外径が挿入後端側の外径より小さいために、シール嵌合溝38へ嵌合し易く、且つ抜け難くなる。
【0037】
また、前記取付け嵌合部45の円筒状外周面46の外径は、前記シール嵌合溝38の円筒面38aの内径より大きいため、弾性変形した円筒状外周面46の一部が前記周溝39内に入り込んだ状態で該シール嵌合溝38の円筒面38aに圧着されて、更に抜け難くなる。
尚、本第3実施形態に係るアンギュラ玉軸受23におけるその他の構成および作用効果は、上記第2実施形態に係るアンギュラ玉軸受21と同様であるので説明を省略する。
【0038】
次に、図10を参照して、本発明の第4実施形態に係るアンギュラ玉軸受を説明する。尚、本第4実施形態に係るアンギュラ玉軸受25は、上記第2実施形態に係るアンギュラ玉軸受21に対して、反カウンターボア側のシール嵌合溝58および該シール嵌合溝58に嵌合される非接触シール部材60の形状が相違すると共に、保持器70の外径がカウンターボア側及び反カウンターボア側で同径である点を除いてその基本的構成が同一であるため、上記第2実施形態と重複する部分については各図に同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0039】
本第4実施形態に係るアンギュラ玉軸受25は、図10に示したように、反カウンターボア側のシール嵌合溝58の最小内径D4が、上記第2実施形態におけるシール嵌合溝28の最小内径より大きくされると共に、該シール嵌合溝58に嵌合される非接触シール部材60の外径が上記第2実施形態の非接触シール部材30の外径より小さく、且つ取付け嵌合部65が上記第2実施形態の取付け嵌合部35と同一形状とされている。
【0040】
更に、前記非接触シール部材60の取付け嵌合部65の内径D5が、反カウンターボア側のシール嵌合溝58の最小内径D4より小さく、且つ前記保持器70の最大外径D6より大きくされると共に、前記一対のシール嵌合溝58,8の間隔B2が、前記保持器70のポケット径B1以上、且つ前記保持器70の幅寸法B3以下にされる。
【0041】
即ち、前記非接触シール部材60における取付け嵌合部65の内径D5を反カウンターボア側のシール嵌合溝58の最小内径D4より小さくすることにより、該取付け嵌合部65の軸線方向内方の先端面と外輪26の内周面とによって反カウンターボア側の外輪内周面にもグリース貯蔵溝77が形成される。そこで、使用環境に応じて、カウンターボア側のグリース貯蔵溝17と反カウンターボア側のグリース貯蔵溝77とを合わせた多量のグリースを、軸受内に封入することもできる。
尚、本第4実施形態に係るアンギュラ玉軸受25におけるその他の構成および作用効果は、上記第2実施形態に係るアンギュラ玉軸受21と同様であるので説明を省略する。
【0042】
尚、本発明のアンギュラ玉軸受における非接触シール部材の芯金、取付け嵌合部、シール嵌合溝及び保持器等の構成は、上記各実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の形態を採りうることは言うまでもない。
【0043】
【発明の効果】
上述の説明から明らかなように、本発明のアンギュラ玉軸受によれば、非接触シール部材によって軸受内に充填したグリースの飛散を抑制することができると共に、該非接触シール部材における取付け嵌合部と外輪内周面とによって、グリース貯蔵溝を形成することができるため、該グリース貯蔵溝に溜まったグリースから基油(潤滑油)を再び外輪の軌道溝に供給することができる。
また、前記グリース貯蔵溝は、非接触シール部材における取付け嵌合部と外輪内周面とによって形成されるので、個々の軸受毎に機械加工によりグリース貯蔵溝を外輪内周面に形成する必要がない。
従って、高速回転時に軸受内に充填したグリースが飛散するのを抑制することができるようにして、グリース潤滑による高速回転時の長寿命化の達成を低コストで実現することができるアンギュラ玉軸受を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るアンギュラ玉軸受を説明するための要部断面図である。
【図2】図1に示した外輪の拡大断面図である。
【図3】図1に示した非接触シール部材の要部拡大断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係るアンギュラ玉軸受を説明するための要部断面図である。
【図5】図4に示した外輪の拡大断面図である。
【図6】図4に示した反カウンターボア側の非接触シール部材の要部拡大断面図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係るアンギュラ玉軸受を説明するための要部断面図である。
【図8】図7に示した外輪の拡大断面図である。
【図9】図7に示したカウンターボア側の非接触シール部材の要部拡大断面図である。
【図10】本発明の第4実施形態に係るアンギュラ玉軸受を説明するための要部断面図である。
【符号の説明】
1 アンギュラ玉軸受
2 外輪
3 内輪
5 玉
6 保持器
7 カウンターボア
8 シール嵌合溝
10 非接触シール部材
15 取付け嵌合部
D1 シール嵌合溝の最小内径
D2 取付け嵌合部の内径
D3 保持器の最大外径
B1 保持器のポケット径
B2 一対のシール嵌合溝の間隔
B3 保持器の幅寸法
Claims (1)
- カウンターボアが内周面に形成される外輪と、前記外輪と内輪との間に配置され、複数の玉を保持する複数のポケットを備えた保持器と、前記外輪の内周面の軸線方向両端部近傍に形成された一対のシール嵌合溝のそれぞれに嵌合される非接触シール部材とを備え、前記非接触シール部材が、前記シール嵌合溝内に嵌合される取付け嵌合部を外周部に有するアンギュラ玉軸受であって、
前記カウンターボア側の非接触シール部材における取付け嵌合部の内径が、対応する前記シール嵌合溝の最小内径より小さく、且つ前記保持器の最大外径より大きくなるように設定されると共に、
前記一対のシール嵌合溝の間隔が、前記保持器のポケット径以上、且つ前記保持器の幅寸法以下となるように設定され、
さらに、反カウンターボア側の非接触シール部材における取付け嵌合部の内径が、前記外輪の反カウンターボア側の内径より大きくなるように設定されることを特徴とするアンギュラ玉軸受。
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