JP2008226629A - 光学積層シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透明樹脂及び繊維状フィラーからなる透明基材の片面に少なくとも1層以上の有機物層、無機物層および低屈折率層を有する光学積層シートであって、前記透明基材の30〜150℃での平均線膨張係数が40ppm以下であり、前記低屈折率層の屈折率が前記透明基材の透明樹脂及び繊維状フィラーの屈折率より小さいことを特徴とする光学積層シートであり、好ましくは、各層が透明基材、有機物層、無機物層、低屈折率層の順から成る光学積層シート。
【選択図】なし
Description
(1)透明樹脂及び繊維状フィラーからなる透明基材の片面に少なくとも1層以上の有機物層、無機物層および低屈折率層を有する光学積層シートであって、前記透明基材の30〜150℃での平均線膨張係数が40ppm以下であり、前記低屈折率層の屈折率が前記透明基材の透明樹脂及び繊維状フィラーの屈折率より小さいことを特徴とする光学積層シート。
(2)前記各層が透明基材、有機物層、無機物層、低屈折率層の順から成る(1)記載の光学積層シート。
(3)前記低屈折率層の屈折率が1.0〜1.3である(1)又は(2)記載の光学積層シート。
(4)前記低屈折率層が、孔径が可視光の波長よりも小さい多孔質体を主成分とする(1)〜(3)何れか記載の光学積層シート。
(5)前記透明樹脂がカチオン重合可能な成分を含む樹脂組成物を硬化させて得られるものであり、前記カチオン重合可能な成分が1種又は2種以上のエポキシ基を有する化合物、オキセタニル基を有する化合物、又はビニルエーテル基を有する化合物を含む(1)〜(4)何れか記載の透明樹脂シート。
(6)前記透明樹脂が化学式(1)で示される脂環式エポキシ樹脂を主成分として含む樹脂組成物を硬化させて得られるものである(1)〜(5)何れか記載の光学積層シート。
(7)前記透明樹脂と前記繊維状フィラーとの屈折率差が0.01以下である(1)〜(6)何れか記載の光学積層シート。
(8)前記繊維状フィラーがガラス繊維布である(1)〜(7)何れか記載の光学積層シート。
(9)前記低屈折率層が、表示素子の透明電極層と接するように配置された(1)〜(8)何れか記載の光学積層シート。
(10)前記低屈折率層が、エレクトロルミネッセンス素子の透明電極層と接するように配置された(1)〜(8)何れか記載の光学積層シート。
本発明は、透明樹脂及び繊維状フィラーからなる透明基材の片面に少なくとも1層以上の有機物層、無機物層および低屈折率層を有する光学積層シートである。
発光した光は一旦、屈折率が1.0の層中に入射されると、屈折率が1.0よりもはるかに大きい透明層を通過しても、導波光を生じない。そのため、入射光の全量を空気中に取り出すことができる。例えば有機EL発光素子等の表示素子において、基板と透明電極層の間に屈折率が小さい層を設け、導波光を低減することにより、発光した光を外部に取り出す効率を高くすることができる。
本発明の光学積層シートに使用する透明基材に用いる透明樹脂としては、各種の樹脂を使用することが可能であり特に限定されるものではないが、カチオン重合可能な成分を含む樹脂組成物が硬化させて得られるものが好ましく、カチオン重合可能な成分としては、例えばエポキシ基を有する化合物、オキセタニル基を有する化合物、又はビニルエーテル基等が挙げられる。
具体的にはシリケート構造を有するシリカ微粒子、または酸化チタン微粒子、酸化ジルコニア微粒子、アルミナ微粒子等が挙げられる。これらの粒子は屈折率の調整のために適宜用いることができる。
また同じシリカ微粒子の中でも表面処理が施されているシリカ微粒子がより好ましい。なぜなら微粒子表面にはカチオン重合を促進する活性水素(シラノール基)が存在し、表面処理がない場合、硬化反応が進行し保存安定性が低いからである。
光カチオン系硬化触媒としては旭電化工業製のSP170等が挙げられる。
ただし、平均分散粒子系が100nmを超える場合であっても透明樹脂層の透明樹脂の屈折率を無機フィラーの屈折率に合わせれば使用することが可能である。この場合透明樹脂と無機フィラーとの屈折率差は、0.01以下が好ましい。
特に無機フィラーとしては、ナノシリカを用いることが好ましい。
(実施例1)
Tガラス系ガラスクロス(厚さ90μm、屈折率1.523、日東紡製)に化学式(1)の構造を有する水添ビフェニル型脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業性、E−BP)100重量部、芳香族スルホニウム系熱カチオン触媒(三新化学製SI−100L)1重量部を混合した樹脂組成物を含浸させ脱泡した。この樹脂含浸ガラスクロスを離型処理したガラス基板に挟み込んで80℃で2時間加熱後、250℃で更に2時間加熱し厚さ100μmの透明基材を得た。得られた透明基材の片面にE−BPを100重量部、光カチオン系重合触媒(旭電化性SP−170)3重量部、メチルエチルケトンを100重量部からなる均一な混合溶液をバーコーターで塗布し、60℃10分加熱乾燥後さらに500mJ/cm2のUV照射で硬化させた後、250℃の窒素雰囲気下でさらに加熱し、厚さ4μmの有機物層を形成した。
つぎに、スパッタ装置の真空槽内に前記有機物層を形成した透明基材をセットして、10−4Pa台まで真空引きし、放電ガスとしてアルゴンを分圧で0.04Pa導入、反応ガスとして酸素を分圧で0.04Pa導入した。雰囲気圧力が安定したところで放電を開始しSiターゲット上にプラズマを発生させ、スパッタリングプロセスを介しした。プロセスが安定したところでシャッターを開き積層体へのSiOx無機物層の形成を開始した。100nmの膜が堆積したところでシャッターを閉じて成膜を終了した。その後、真空槽内に大気を導入しSiOx無機物層の形成された積層体を取り出した。さらに、該積層体のSiOx無機膜堆積面に、E−BPを100重量部、光カチオン系重合触媒(旭電化性SP−170)3重量部、メチルエチルケトンを300重量部からなる均一な混合溶液をバーコーターで塗布し、60℃10分加熱乾燥後さらに500mJ/cm2のUV照射で硬化させ、厚さ2μmの有機物層を形成した。再び該積層体をスパッタ装置の真空槽内にセットし、10−4Pa台まで真空引きし、放電ガスとしてアルゴンを分圧で0.04Pa導入、反応ガスとして酸素を分圧で0.04Pa導入した。雰囲気圧力が安定したところで放電を開始しSiターゲット上にプラズマを発生させ、スパッタリングプロセスを開始した。プロセスが安定したところでシャッターを開き積層体へのSiOx無機膜の形成を開始した。100nmの膜が堆積したところでシャッターを閉じて成膜を終了した。その後、真空槽内に大気を導入しSiOx無機物層の形成されたバリア付透明基材を取り出した。
このバリア付透明基材に低屈折率層として、シリカエアロゲル膜(屈折率1.01、孔径約0.05μm、厚み2μm)をSiOx無機膜側に設けた。この積層シートの低屈折率層側に透明電極層(ITO)、発光層(TPD/Alq3)、陰極(Mg/Agの共蒸着)を設け、金属キャップで封止して、有機EL素子を作製し、輝度、水蒸気透過度を測定した。正面輝度は425cd/m2、水蒸気透過度は0.1g/m2/day未満(信頼限界未満)であった。
NEガラス系ガラスクロス(厚さ90μm、屈折率1.510、日東紡製)に水添ビフェニル型脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業性、E−BP)70重量部、オキセタニルシリケート(東亞合成製、OXT−101)30重量部、芳香族スルホニウム系熱カチオン触媒(三新化学製SI−100L)1重量部を混合した樹脂組成物を含浸脱泡した。この樹脂含浸ガラスクロスを離型処理したガラス基板に挟み込んで80℃で2時間加熱後、250℃で更に2時間加熱し厚さ100μmの透明基材を得た。得られた透明基材の片面に実施例1と同様な方法にて4μmの有機物層/100nmのSiOx膜/2μmの有機物層/100nmのSiOx膜を形成し、バリア付透明基材を作製した。
この基材に低屈折率層として、ポリイミド空孔体(屈折率1.20、孔径約0.01μm、厚み2μm)をSiOx無機膜側に設けた積層シートを作製した。この積層シートの低屈折率層側に透明電極層(ITO)、発光層(TPD/Alq3)、陰極(Mg/Agの共蒸着)を設け、金属キャップで封止して、有機EL素子を作製し、実施例1と同様の測定を行った。輝度は370cd/m2、水蒸気透過度は0.1g/m2/day未満(信頼限界未満)であった。
実施例1において、低屈折率層を設けていない有機EL素子を作成し、実施例1と同様の測定を行った。輝度は268cd/m2、水蒸気透過度は0.1g/m2/day未満(信頼限界未満)であった。
(a)平均線膨張係数
SEIKO電子(株)製TMA/SS6000型熱応力歪み測定装置を用いて、窒素雰囲気下、1分間に5℃の割合で昇温させて測定した。荷重を5gにし引っ張りモードで測定を行い、30℃から150℃における平均線膨張係数を算出した。
(b)屈折率
透明基材に用いた樹脂組成物のみを、透明基材と同様の硬化条件で硬化させ、アッベ屈折率計で波長598nmにおける屈折率を測定した。
(c)輝度
積分球付き輝度計で直流電圧印加時の輝度を暗所で測定した。
(d)水蒸気バリア性
各フィルムの水蒸気透過度をJISK7129B法にて測定した。
Claims (10)
- 透明樹脂及び繊維状フィラーからなる透明基材の片面に少なくとも1層以上の有機物層、無機物層および低屈折率層を有する光学積層シートであって、前記透明基材の30〜150℃での平均線膨張係数が40ppm以下であり、前記低屈折率層の屈折率が前記透明基材の透明樹脂及び繊維状フィラーの屈折率より小さいことを特徴とする光学積層シート。
- 前記各層が透明基材、有機物層、無機物層、低屈折率層の順から成る請求項1記載の光学積層シート。
- 前記低屈折率層の屈折率が1.0〜1.3である請求項1又は2記載の光学積層シート。
- 前記低屈折率層が、孔径が可視光の波長よりも小さい多孔質体を主成分とする請求項1〜3何れか記載の光学積層シート。
- 前記透明樹脂がカチオン重合可能な成分を含む樹脂組成物を硬化させて得られるものであり、前記カチオン重合可能な成分が1種又は2種以上のエポキシ基を有する化合物、オキセタニル基を有する化合物、又はビニルエーテル基を有する化合物を含む請求項1〜4何れか記載の光学積層シート。
- 前記透明樹脂と前記繊維状フィラーとの屈折率差が0.01以下である請求項1〜6何れか記載の光学積層シート。
- 前記繊維状フィラーがガラス繊維布である請求項1〜7何れか記載の光学積層シート。
- 前記低屈折率層が、表示素子の透明電極層と接するように配置された請求項1〜8何れか記載の光学積層シート。
- 前記低屈折率層が、エレクトロルミネッセンス素子の透明電極層と接するように配置された請求項1〜8何れか記載の光学積層シート。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2014042056A1 (ja) * | 2012-09-11 | 2014-03-20 | コニカミノルタ株式会社 | 有機エレクトロルミネッセンス素子及び有機エレクトロルミネッセンス素子用光取り出しシート |
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2007
- 2007-03-13 JP JP2007062786A patent/JP2008226629A/ja active Pending
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