JP2008221592A - 透明樹脂シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透明樹脂及び繊維状フィラーからなる透明基材の片面に高屈折率層を形成した透明樹脂シートであって、前記透明基材の30〜150℃での平均線膨張係数が40ppm以下であり、前記透明基材の表面の平均粗さ(Ra)が10nm以上であり、前記高屈折率層の屈折率が1.6以上であることを特徴とする透明樹脂シートであり、好ましくは、高屈折率層が有機物からなり、透明樹脂がカチオン重合可能な成分を含む樹脂組成物を硬化させて得られるものである透明樹脂シート。
【選択図】 なし
Description
また、発光装置の透明基板には、重くて割れやすいガラスに替わり、軽くて割れにくいプラスチックの適用が検討されているが、プラスチックを透明基板として表示素子に用いた場合、ガラス基板よりも熱線膨張係数が大きいため、表示画素を加工する寸法精度が確保できず、高精細な表示を得ることが難しい等の問題がある。
猪口敏夫、「エレクトロルミネッセントディスプレイ」、産業図書株式会社刊、平成3年7月25日初版発行
(1)透明樹脂及び繊維状フィラーからなる透明基材の片面に高屈折率層を形成した透明樹脂シートであって、前記透明基材の30〜150℃での平均線膨張係数が40ppm以下であり、前記透明基材の表面の平均粗さ(Ra)が10nm以上であり、前記高屈折率層の屈折率が1.6以上であることを特徴とする透明樹脂シート。
(2)前記高屈折率層が有機物からなる(1)記載の透明樹脂シート。
(3)前記透明樹脂がカチオン重合可能な成分を含む樹脂組成物を硬化させて得られるものであり、前記カチオン重合可能な成分が1種又は2種以上のエポキシ基を有する化合物、オキセタニル基を有する化合物、又はビニルエーテル基を有する化合物を含む(1)又は(2)記載の透明樹脂シート。
(4)前記透明樹脂が化学式(1)で示される脂環式エポキシ樹脂を主成分として含む樹脂組成物を硬化させて得られるものである(1)又は(2)記載の透明樹脂シート。
(6)前記繊維状フィラーがガラス繊維布である(1)〜(5)何れか記載の透明樹脂シート。
(7)前記高屈折率層を形成した面側に発光装置を配置した(1)〜(6)何れか記載の透明樹脂シート。
(8)前記高屈折率層を形成した面側に有機EL発光装置を配置した(1)〜(6)何れか記載の透明樹脂シート。
具体的にはシリケート構造を有するシリカ微粒子、または酸化チタン微粒子、酸化ジルコニア微粒子、アルミナ微粒子等が挙げられる。これらの粒子は屈折率の調整のために適宜用いることができる。
また同じシリカ微粒子の中でも表面処理が施されているシリカ微粒子がより好ましい。なぜなら微粒子表面にはカチオン重合を促進する活性水素(シラノール基)が存在し、表面処理がない場合、硬化反応が進行し保存安定性が低いからである。
Tガラス系ガラスクロス(厚さ90μm、屈折率1.523、日東紡製)に化学式(1)の構造を有する水添ビフェニル型脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業性、E−BP)100重量部、芳香族スルホニウム系熱カチオン触媒(三新化学製SI−100L)1重量部を混合した樹脂組成物を含浸させ脱泡した。この樹脂含浸ガラスクロスを離型処理した2枚の表面粗化ステンレス基板に挟み込んで80℃で2時間加熱後、250℃で更に2時間加熱し、表面粗さRa=100nm、厚さ100μmの透明基材を得た。得られた透明基材の片面に、高屈折率層としてビス(4−メタクリロイルチオ−3,5−フェニル)スルフィド(住友精化製:MPSMA) 13重量部、エポキシアクリレート(昭和高分子製:VR−60−LAV)6重量部、ジエチレングリコール54重量部、酢酸エチル26重量部、光開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製IRGACURE907)1重量部からなる均一な混合コート液をアプリケーターで塗布し、120℃10分の加熱乾燥後、500mJ/cm2のUV照射で硬化させ、厚さ4μmの高屈折率層を形成した。高屈折率層の屈折率は1.65、表面粗さはRa=1.2nmであった。
つぎに、高屈折率層を形成した面に、スパッタリング法により100nmのTa2O5無機層の形成を行なった(無機層の屈折率=2.10)。さらにその上に、透明電極層(ITO:100nm)、発光層(TPD:150nm/Alq3:100nm)、陰極(Mg/Agの共蒸着)を設け、金属キャップで封止して有機EL発光装置を作製し、積分球付き輝度計で直流電圧印加時の輝度を測定したところ400cd/m2であった。
NEガラス系ガラスクロス(厚さ90μm、屈折率1.510、日東紡製)に水添ビフェニル型脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業性、E−BP)70重量部、オキセタニルシリケート(東亞合成製、OXT−191)30重量部、芳香族スルホニウム系熱カチオン触媒(三新化学製SI−100L)1重量部を混合した樹脂組成物を含浸脱泡した。この樹脂含浸ガラスクロスを離型処理した2枚の表面粗化ステンレス基板に挟み込んで80℃で2時間加熱後、250℃で更に2時間加熱し、表面粗さRa=105nm、厚さ100μmの透明基材を得た。得られた透明基材の片面に実施例1と同様な方法にて4μmの高屈折率層/100nmのTa2O5膜を形成し、バリア付透明基材を作製した。さらにその上に、透明電極層(ITO:100nm)、発光層(TPD:150nm/Alq3:100nm)、陰極(Mg/Agの共蒸着)を設け、金属キャップで封止して有機EL発光装置を作製し、積分球付き輝度計で直流電圧印加時の輝度を測定したところ380cd/m2であった。
Tガラス系ガラスクロス(厚さ90μm、屈折率1.523、日東紡製)に水添ビフェニル型脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業性、E−BP)100重量部、芳香族スルホニウム系熱カチオン触媒(三新化学製SI−100L)1重量部を混合した樹脂組成物を含浸させ脱泡した。この樹脂含浸ガラスクロスを離型処理したガラス基板に挟み込んで80℃で2時間加熱後、250℃で更に2時間加熱し、表面粗さRa=1.5nm、厚さ100μmの透明基材を得た。得られた透明基材の片面に、高屈折率層としてビス(4−メタクリロイルチオ−3,5−フェニル)スルフィド(住友精化製:MPSMA) 13重量部、エポキシアクリレート(昭和高分子製:VR−60−LAV)6重量部、ジエチレングリコール54重量部、酢酸エチル26重量部、光開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製IRGACURE907)1重量部からなる均一な混合コート液をアプリケーターで塗布し、120℃10分の加熱乾燥後、500mJ/cm2のUV照射で硬化させ、厚さ4μmの高屈折率層を形成した。高屈折率層の屈折率は1.65、表面粗さはRa=1.0nmであった。つぎに、実施例1と同様な方法にて、高屈折率層の上に100nmのTa2O5膜を形成し、らにその上に、透明電極層(ITO:100nm)、発光層(TPD:150nm/Alq3:100nm)、陰極(Mg/Agの共蒸着)を設け、金属キャップで封止して有機EL発光装置を作製し、積分球付き輝度計で直流電圧印加時の輝度を測定したところ315cd/m2であった。
(a)平均線膨張係数
SEIKO電子(株)製TMA/SS6000型熱応力歪み測定装置を用いて、窒素雰囲気下、1分間に5℃の割合で昇温させて測定した。荷重を5gにし引っ張りモードで測定を行い、30℃から150℃における平均線膨張係数を算出した。
(b)屈折率
透明基材に用いた樹脂組成物のみを、透明基材と同様の硬化条件で硬化させ、アッベ屈折率計で波長598nmにおける屈折率を測定した。
(c)輝度
積分球付き輝度計で直流電圧印加時の輝度を暗所で測定した。
Claims (8)
- 透明樹脂及び繊維状フィラーからなる透明基材の片面に高屈折率層を形成した透明樹脂シートであって、前記透明基材の30〜150℃での平均線膨張係数が40ppm以下であり、前記透明基材の表面の平均粗さ(Ra)が10nm以上であり、前記高屈折率層の屈折率が1.6以上であることを特徴とする透明樹脂シート。
- 前記高屈折率層が有機物からなる請求項1記載の透明樹脂シート。
- 前記透明樹脂がカチオン重合可能な成分を含む樹脂組成物を硬化させて得られるものであり、前記カチオン重合可能な成分が1種又は2種以上のエポキシ基を有する化合物、オキセタニル基を有する化合物、又はビニルエーテル基を有する化合物を含む請求項1又は2記載の透明樹脂シート。
- 前記透明樹脂と前記繊維状フィラーとの屈折率差が0.01以下である請求項1〜4何れか記載の透明樹脂シート。
- 前記繊維状フィラーがガラス繊維布である請求項1〜5何れか記載の透明樹脂シート。
- 前記高屈折率層を形成した面側に発光装置を配置した請求項1〜6何れか記載の透明樹脂シート。
- 前記高屈折率層を形成した面側に有機EL発光装置を配置した請求項1〜6何れか記載の透明樹脂シート。
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