JP2007091962A - ガラスクロス複合化シリコーン系樹脂シート - Google Patents

ガラスクロス複合化シリコーン系樹脂シート Download PDF

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弘治 小田
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Abstract

【課題】線膨張係数が小さく、広い波長領域で光線透過率の高い、ガラス基板を代替することが可能な透明樹脂シートの提供。
【解決手段】シリコーン樹脂(a−1)と硬化性樹脂(a−2)とを構成要素とするシリコーン系硬化性樹脂(a)とガラスクロス(b)とを複合化してなるガラスクロス複合化透明樹脂シート(c)において、シリコーン系硬化性樹脂(a)のアッベ数が40以上であり、かつシリコーン系硬化性樹脂(a)とガラスクロス(b)との屈折率差が0.02以下であることを特徴とする、ガラスクロス複合化透明樹脂シート。
【選択図】なし

Description

本発明は、線膨張係数が小さく、光学特性に優れ、ガラス基板を代替することが可能な光学シートに関するものであり、またそれを用いた表示素子用基板に関するものである。本発明の光学シートは、例えば液晶表示素子用基板、有機EL表示素子用基板、カラーフィルター用基板、タッチパネル用基板、太陽電池基板などに好適である。
一般に、液晶表示素子用や有機EL表示素子用の表示素子用基板、カラーフィルター基板、タッチパネル用基板、太陽電池基板には、ガラス基板が一般に用いられている。しかしながらガラス基板は、割れやすい、曲げられない、比重が大きく軽量化に不向きなどの理由から、近年、その代替物としてプラスチック基板が検討されている。
例えば、特許文献1や特許文献2には、エポキシ樹脂、酸無水物硬化剤および硬化触媒を含むエポキシ樹脂組成物を硬化して得られる硬化体からなる液晶表示素子用透明樹脂基板が記載されている。しかしながら、これらの樹脂単独材料は、ガラス板に比べ線膨張率が大きく、表示素子用基板の製造工程において反りやアルミ配線の断線などの問題が生じ、これらの用途への使用は困難である。したがって、表示素子用基板、特にアクティブマトリックス表示素子用基板に要求される、透明性、耐熱性等を満足しつつ線膨張率の小さなプラスチック素材が求められている。
線膨張率を低減するために、樹脂にガラス繊維等の無機フィラーを複合化することがよく行われているが、これらの樹脂と無機フィラーの複合化では、通常透明な複合材料は得られない。これは樹脂の屈折率と無機フィラーの屈折率が異なるため、樹脂と無機フィラーの界面で樹脂を透過した光が散乱することが主な原因である。このような問題を解決するため、樹脂の屈折率と無機フィラーの屈折率を一致させることで透明化することが種々検討されている。例えば、特許文献3や特許文献4には、環状オレフィン樹脂とガラス繊維との屈折率差を小さくすることにより、透明な複合材料が得られることが示されている。しかしながら、ここで用いられる環状オレフィン樹脂は熱可塑性樹脂であり、ガラス転移温度以上では弾性率が低下することは避けられない。
さらに、無機フィラーとしてガラスクロスを用いて、樹脂とガラスクロスを複合化し、樹脂とガラスクロスの屈折率を一致させて透明複合体組成物を得ることが行われている。
例えば、特許文献5や特許文献6には、ガラスクロスにエポキシ樹脂やアクリレート樹脂の硬化性樹脂を用い、屈折率及びアッベ数を一致させることによって、線膨張率が小さく透明性の高い複合材料が得られることが示されている。しかしながら、これらの樹脂と無機フィラー透明複合材料に用いられる樹脂は、汎用的な硬化性樹脂であるエポキシ樹脂やアクリレート樹脂であり、やはりガラス転移温度が存在するため、ガラス転移温度以上で弾性率が低下する。そのため加熱によるシートの膨張や変形が存在し、無機物層を積層する際に安定して均一な積層構造を製造が困難である。
そこで、ガラス転移温度の前後で弾性率の変化が小さく、加熱によるシートの膨張や変形の度合いが小さく、かつ広い波長領域で光線透過率の高い複合体シートが求められていた。
特開平6−337408号 特開平7−120740号 特開平6−256604号 特開平6−305077号 特開2004−231934号 特開2004−51960号
本発明は線膨張係数が小さい透明樹脂シートにおいて、特に広い波長領域で光線透過率の高い複合体シートを提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決するため、樹脂とガラスクロスを複合化することによって線膨張係数が小さく、樹脂として屈折率をガラスクロスと一致させたシリコーン系硬化性樹脂を用いることによって、耐熱性の高い透明樹脂シートが得られることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、以下に記載する通りの構成を有するガラスクロス複合化透明樹脂シートである。
(1)シリコーン樹脂(a−1)と硬化性樹脂(a−2)とを構成要素とするシリコーン系硬化性樹脂(a)とガラスクロス(b)とを複合化してなるガラスクロス複合化透明樹脂シート(c)において、シリコーン系硬化性樹脂(a)のアッベ数が40以上であり、かつシリコーン系硬化性樹脂(a)とガラスクロス(b)との屈折率差が0.02以下であることを特徴とする、ガラスクロス複合化透明樹脂シート。
(2)シリコーン系硬化性樹脂(a)の硬化物の屈折率が1.45以上1.55未満であることを特徴とする、上記(1)に記載のガラスクロス複合化透明樹脂シート。
(3)硬化性樹脂(a−2)がその化学構造中に芳香族環を持たないことを特徴とする、請求項1または2に記載のガラスクロス複合化透明樹脂シート。
(4)シリコーン系硬化性樹脂(a)がその化学構造中に芳香族環を持たないことを特徴とする、上記(1)〜(3)に記載のガラスクロス複合化透明樹脂シート。
(5)硬化性樹脂(a−2)が水素添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂であることを特徴とする、上記(1)〜(4)に記載のガラスクロス複合化透明樹脂シート。
本発明のガラスクロス複合化透明樹脂シートは線膨張係数が小さく、かつ広い波長領域で光線透過率が高いという効果を有する。
本発明について、以下具体的に説明する。
本発明のガラスクロス複合化透明樹脂シートは、シリコーン樹脂(a−1)と硬化性樹脂(a−2)を原料とするシリコーン系硬化性樹脂(a)と、ガラスクロス(b)を複合化することによって製造することができる。
本発明に使用するシリコーン系硬化性樹脂(a)は、シリコーン樹脂(a−1)と硬化性樹脂(a−2)を混合した後、加熱あるいは光線を照射することによって硬化させることができる。また、シリコーン樹脂と硬化性樹脂を完全に硬化する前にガラスクロスに含浸させておくことによってガラスクロス複合化透明樹脂シートを得ることができる。
本発明のガラスクロス複合化透明樹脂シート(c)は、表示素子用基板に使用されるために透明である必要がある。そのためには、シリコーン系硬化性樹脂(a)とガラスクロス(b)の屈折率の差が小さいことが必要である。ここでいう屈折率とは、ナトリウムD線(波長589nm)を用いて測定した値を言う。シリコーン系硬化性樹脂(a)とガラスクロス(b)との屈折率の差は、0.02以下であることが好ましく、0.01以下であることがより好ましい。屈折率の差が0.02より大きい場合、シリコーン系硬化性樹脂(a)とガラスクロス(b)との界面において樹脂を透過した光の散乱により、ガラスクロス複合化透明樹脂シート(c)は不透明になり、平行光線透過率の値も低くなる。
本発明における透明とは、可視光線の波長領域での光線透過率が60%以上、好ましくは80%以上であることを言う。本発明における可視光線の波長領域とは400nm〜800nmとする。
本発明のシリコーン系硬化性樹脂(a)のアッベ数は、40以上であることが特徴である。さらに45以上であることが好ましい。一般的なガラスクロスはアッベ数が50以上であるため、シリコーン系硬化性樹脂(a)のアッベ数が40未満であると、波長589nmで屈折率を合わせたとしても、例えば400nmの波長では屈折率の差が大きくなり、400nm以下の短波長の領域での光線透過率が低下する。
アッベ数(ν)とは、屈折率の波長依存性、すなわち光の分散の度合いを示すもので、次式で求めることができる。
ν=(n−1)/(n−n
ここでn、n、nはそれぞれフラウンホーファー線のC線(656nm)、D線(589nm)、F線(486nm)に対する屈折率である。
本発明に使用するシリコーン系硬化性樹脂(a)は、屈折率が1.45以上1.55未満の範囲であることが好ましい。
ガラスクロスは屈折率の異なるものが知られている。ガラスクロスの屈折率の波長依存性は小さく、言い換えるとアッベ数は大きい。一方、シリコーン系硬化性樹脂(a)の屈折率に関しては、シリコーン樹脂(a−1)と硬化性樹脂(a−2)のそれぞれの屈折率の異なる化合物を選択し、またその量比を変化することで任意に屈折率を変えることができる。しかしながら、樹脂一般で知られている傾向と同様に、シリコーン系硬化性樹脂の屈折率を大きくするためには、芳香族環を多量に入れる必要があるため、屈折率の高いシリコーン系硬化性樹脂のアッベ数は小さくなる傾向にある。
よって本発明に使用するシリコーン系硬化性樹脂(a)の屈折率が1.45以上1.55未満である場合は、シリコーン系硬化性樹脂のアッベ数とガラスクロスのアッベ数を近くすることができ、その結果広い波長領域で屈折率が一致し、広い波長の範囲で高い光線透過率を得ることができる。
シリコーン系硬化性樹脂(a)の屈折率が1.55以上の場合は、屈折率が大きくアッベ数の小さいシリコーン系硬化性樹脂を用いる必要があり、ガラスクロスとのアッベ数の差が大きくなる。この時、シリコーン系硬化性樹脂とガラスクロスの屈折率をある波長で合わせることは可能であるが、その波長から離れた波長領域では、屈折率の差が大きくなる結果、光が散乱し、光線透過率が低下し、散乱光により着色する現象が見られる。その結果、光学シートとして用いることは適切ではなくなる。
シリコーン系硬化性樹脂(a)の屈折率が1.45より小さい場合は、シリコーン系樹脂の屈折率も小さいものを用いることになり、シリコーン樹脂(a−1)あるいは硬化性樹脂(a−2)のいずれかが屈折率が1.45より小さい必要がある。この場合はフッ素含有化合物を大量に用いるなど特殊な化合物を用いる必要があり、合成することが著しく困難になる。
屈折率1.45以上1.55未満のシリコーン系硬化性樹脂(a)を得るには、硬化性樹脂(a−2)として芳香族環を持たない硬化性樹脂を用いることが有効である。芳香族環を有する硬化性樹脂を用いると屈折率は増加し、さらにアッベ数は低下してしまう。また、シリコーン樹脂(a−1)と硬化性樹脂(a−2)のいずれもが芳香族環を持たない化合物で構成された場合、シリコーン系硬化性樹脂(a)の屈折率を1.45以上1.55未満の範囲に容易に制御することができる。
本発明に使用するシリコーン樹脂(a−1)は、ケイ素、酸素、炭素、水素のいずれの元素も含む樹脂である。さらに、チタニウム、ジルコニウム、ゲルマニウム、アルミニウム、インジウムなどの金属を含むことも可能である。
本発明に使用するシリコーン樹脂(a−1)は例えば、アルコキシシランやクロロシランを主成分として水、触媒存在下で脱アルコール、脱水反応を行うゾルゲル反応によって合成することができる。
本発明に使用するシリコーン樹脂(a−1)を合成する際に使用する、アルコキシシランやクロロシランはアルキル基やアリル基を有する有機シランの単量体である。アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、グリシジロキシプロピル基、エポキシシクロヘキセニルエチル基、アクリレート基、メタアクリレート基などをあげることができる。
本発明のシリコーン系硬化性樹脂(a)は室温と高温時の弾性率の差が小さいことが好ましい。室温と高温時の弾性率の差が小さいことを達成するためには、シリコーン樹脂(a−1)は、硬化性樹脂(a−2)と硬化してシートを形成する際に、硬化性樹脂と化学結合を形成する官能基を有することが好ましい。例えば、エポキシ樹脂の場合は、グリシジロキシプロピル基、エポキシシクロヘキセニルエチル基、アミノ基を有することが好ましく、硬化性樹脂が(メタ)アクリレート樹脂の場合は、アクリレート基、メタアクリレート基、ビニル基を有することが好ましい。
ゾルゲル反応の触媒としては、塩酸、硝酸、ギ酸、酢酸などの酸類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、トリエチルアミンなどの塩基類、ジブチルスズラウリレートなどの金属触媒を単独であるいは組み合わせて用いることができる。
本発明に使用する硬化性樹脂(a−2)とは、常温では液状、半固形状または固形状であって常温下あるいは加熱下で流動性を示す比較的低分子量の物質を意味する。これらは硬化剤、触媒、熱あるいは光の作用によって硬化反応や架橋反応を起こして分子量を増大させながら網目状の三次元構造を形成してなる不溶不融性の樹脂となりうる。
本発明において用いられる硬化性樹脂としては、その硬化物が透明であり、かつシリコーン樹脂と混合しながら合成した硬化物が透明であればいずれも使用できる。例えば、透明性を有するエポキシ樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、熱硬化型ポリイミド樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などがあげられる。そのなかでも芳香族環を有さないことが可能な硬化性樹脂としてエポキシ樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、熱硬化型ポリイミド樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂が好ましく、エポキシ樹脂、(メタ)アクリレート樹脂が更に好ましい。
上記エポキシ樹脂とは、少なくとも2個以上のエポキシ基を有する有機化合物をいう。エポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシメタン型エポキシ樹脂、テトラフェノールエタン型エポキシ樹脂、フルオレン含有エポキシ樹脂、ヘキサヒドロ無水フタル酸型エポキシ樹脂、テトラヒドロ無水フタル酸型エポキシ樹脂、ダイマー酸型エポキシ樹脂、テトラグリシジルジアミノ時フェニルメタン、トリグリシジルイソシアヌレート、アミノフェノール型エポキシ樹脂、アニリン型エポキシ樹脂、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロへキサンカルボキシレート、脂環式アセタール型エポキシ樹脂、脂環式アジペート型エポキシ樹脂、脂環式カルボキシレート型エポキシ樹脂、ビニルシクロヘキセン型エポキシ樹脂などがあげられる。
これらのエポキシ樹脂のうち芳香族環を持たないエポキシ樹脂として、水素添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ヘキサヒドロ無水フタル酸型エポキシ樹脂、テトラヒドロ無水フタル酸型エポキシ樹脂、ダイマー酸型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロへキサンカルボキシレート、脂環式アセタール型エポキシ樹脂、脂環式アジペート型エポキシ樹脂、脂環式カルボキシレート型エポキシ樹脂、ビニルシクロヘキセン型エポキシ樹脂が好ましい。エポキシ樹脂の分子量あるいはエポキシ当量は任意に選ぶことができる。これらのエポキシ樹脂は単独、あるいは2種類以上を混合して使用することができる。
芳香族環を持たないエポキシ樹脂は上記のように例示することができるが、入手の容易さや安定な構造という観点から、水素添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂が特に好ましい。水素添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の芳香族環を水素添加した構造である。
本発明に使用するエポキシ樹脂は、硬化剤もしくは重合開始剤の存在下、加熱もしくは光線照射によって硬化して用いることが一般的である。本発明における硬化性樹脂とは硬化剤や硬化触媒を含めたものとして考える。用いる硬化剤、硬化触媒は、エポキシ樹脂の硬化に用いられるものであれば、特に限定されない。硬化剤は多官能アミン、ポリアミド、酸無水物、フェノール樹脂があげられ、硬化触媒はイミダゾール、オニウム塩があげられる。硬化剤の具体例としては、トリエチレンテトラミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノシクロヘキシルメタン、メタキシレンジアミン、ジシアンジアミド、アジピン酸ジヒドラジド、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、フェノールノボラック、ポリサルファイド、トリオキサントリメチレンメルカプタン、2−ジメチルアミノフェノール、2,4,6−トリス(ジアミノメチル)フェノール、3フッ化ホウ素エチルアミン錯体などがあげられる。これらの硬化剤あるいは硬化触媒のうち芳香族環を持たない硬化剤あるいは硬化触媒が好ましい。
上記(メタ)アクリレート樹脂とは、少なくとも2個以上のアクリレート基および/またはメタアクリレート基を有する有機化合物をいう。これらの(メタ)アクリレート樹脂は単独、あるいは2種類以上を混合して使用することができる。本発明に使用する(メタ)アクリレート樹脂は、重合開始剤の存在下、加熱もしくは光線照射によって硬化して用いることが一般的である。アクリレート樹脂の具体例としては、ジシクロペンタジエニルジアクリレート、ノルボルナンジメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチル変性トリメチロールプロパンジアクリレートなどがあげられる。
本発明で使用するガラスクロスは、可視光領域に吸収の少ないガラス繊維が用いられる。ガラスの種類としてはEガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス、Dガラス、NEガラス、Tガラス、石英ガラスなどがあげられ、中でも屈折率の範囲が適当であり、また、入手が容易なSガラス、Tガラス、NEガラスが好ましい。また、好適なシランカップリング剤や各種界面活性剤、無機酸による洗浄等によって表面処理をガラスクロスに施すことで、ガラスクロスと樹脂の界面での濡れ性、親和性、密着性を高めることができる。
ガラスクロスの厚み、織り密度、織り組織は、目的とするシリコーン系硬化シートに応じて選択される。また樹脂含浸性や表面凹凸を改良するために、ガラスクロスの糸束を物理的に開繊することは有効な手法である。
本発明のガラスクロス複合化透明樹脂シートの製造方法は特に限定されない。例えば、シリコーン樹脂と硬化性樹脂、硬化剤を室温で混合し、ガラスクロスに含浸させて必要な型枠に注型した後、加熱および/あるいは光線照射して硬化する方法、シリコーン樹脂と硬化性樹脂、硬化剤を溶剤で希釈して粘度調整したのちガラスクロスに含浸させ、溶剤を除去した後、加熱および/あるいは光線照射によって硬化させる方法などがあげられる。その際の加熱には、プレス成形機、真空プレス成形機などを用いることが硬化反応とシート成形反応を同時に行うことが可能であるので好ましい。
以下に、本発明を製造例、実施例、比較例を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。なお、樹脂およびガラスクロス複合化透明樹脂シートの各種物性の測定方法は次のとおりである。
[屈折率とアッベ数の測定]
アタゴ社製アッベ屈折率計DR−M2を用いて測定をした。23℃で波長589nmの屈折率を測定した。アッベ数は23℃の波長656nm、589nm、486nmにおける屈折率を測定することによって求めた。
[光線透過率の測定]
日本分光社製紫外可視分光光度計V−550を用いて、波長400〜800nmの光線透過率を測定した。
[線膨張係数の測定]
セイコーインスツルメンツ社製TMA/SS120を用いて、1分間に5℃の割合で30℃から330℃まで温度を上昇させ、線膨張係数を測定した。チャック間の距離は10mm、サンプル幅2mm、荷重10gにし引張りモードで測定した。下記式に従い50℃と300℃との間での平均のサンプル長さの変化率ΔLを線膨張係数とした。
ΔL=(L300−L50)/L50/(300−50)
但し、50℃でのサンプル長をL50、300℃でのサンプル長をL300とする。
[製造例1](シリコーン樹脂の製造例1)
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン50.0gと水11.44gとジブチル錫ジラウリレート0.535gとテトラヒドロフラン25.0gを200mlの2つ口フラスコに仕込み、80℃にて5時間反応させた。反応終了後、80℃1時間、減圧下で溶媒を除去することによりシリコーン樹脂(以下、SR−1とする)37.9gを得た。得られた化合物の重量平均分子量は1300で、エポキシ当量は188であった。
[製造例2](シリコーン樹脂の製造例2)
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン30.0gとフェニルトリメトキシシラン25.2gと水13.7gとギ酸2.34gとトルエン27.6gを200mlの2つ口フラスコに仕込み、80℃にて3時間反応させた。反応終了後、80℃1時間、減圧下で溶媒を除去することによりシリコーン樹脂(以下、SR−2とする)41.5gを得た。得られた化合物の重量平均分子量は3000で、エポキシ当量は408であった。
[製造例3](シリコーン系硬化性樹脂の製造例1)
製造例1で合成したシリコーン樹脂(SR−1)1.20gと水素添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製エピクロンEXA−7015)0.69gを室温で混合し、さらに4、4’―ジアミノジシクロヘキシルメタン(和光純薬工業株式会社製)0.51gを室温で素早く混合することによって得られた混合溶液(以下、RW−1)を、厚さ200μmのスペーサー内に挟み、プレス機内で圧力5MPaに維持しながら温度150℃1時間、さらに温度200℃1時間かけて熱硬化することによってシリコーン系硬化性樹脂を得た。得られたシリコーン系硬化性樹脂は、厚さ200μmで、屈折率は1.513であり、透明であった。アッベ数を測定したところ、51であった。
[実施例1]
製造例3で製造したシリコーン樹脂とエポキシ樹脂と硬化剤の混合溶液RW−1を、厚さ100μmのNEガラス系ガラスクロス(日東紡製、屈折率1.513)に含浸し、プレス機内で圧力5MPaに維持しながら温度150℃1時間、さらに温度200℃1時間かけて熱硬化することによってガラスクロス複合化樹脂シートを得た。得られたガラスクロス複合化シリコーン系硬化性樹脂シートは、厚さ110μmで、屈折率は1.513であり、透明であった。分光光度計のスペクトルデータを図1に示す。光線透過率は波長400〜800nmにおいて85%以上の値であり、透明性が高い。またこのシートの線膨張係数は18ppm/Kであった。
[製造例4](シリコーン系硬化性樹脂の製造例2)
製造例2で合成したシリコーン樹脂(SR−2)1.20gと水素添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製エピクロンEXA−7015)0.84gを室温で混合し、さらに4、4’―ジアミノジシクロヘキシルメタン(和光純薬工業株式会社製)0.37gを室温で素早く混合することによって得られた混合溶液(以下、RW−2)を、厚さ200μmのスペーサー内に挟み、プレス機内で圧力5MPaに維持しながら温度150℃1時間、さらに温度200℃1時間かけて熱硬化することによってシリコーン系硬化性樹脂を得た。得られたシリコーン系硬化性樹脂は、厚さ200μmで、屈折率は1.522であり、透明であった。また、アッベ数は45であった。
[実施例2]
製造例4で製造したシリコーン樹脂とエポキシ樹脂と硬化剤の混合溶液RW−2を、厚さ100μmのTガラス系ガラスクロス(日東紡製、屈折率1.52)に含浸し、プレス機内で圧力5MPaに維持しながら温度150℃1時間、さらに温度200℃1時間かけて熱硬化することによってガラスクロス複合化樹脂シートを得た。得られたガラスクロス複合化樹脂シートは、厚さ110μmで、屈折率は1.522であり、透明であった。光線透過率は波長400〜800nmにおいて80%以上の値であり、透明性が高い。またこのシートの線膨張係数は21ppm/Kであった。
[製造例5](シリコーン系硬化性樹脂の製造例3)
製造例2で合成したシリコーン樹脂(SR−2)0.96gとビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製エピコート828)1.05gを室温で混合し、さらに4、4’―ジアミノジフェニルメタン(和光純薬工業株式会社製)0.39gを室温で素早く混合することによって得られた混合溶液(以下、RW−3)を、厚さ200μmのスペーサー内に挟み、プレス機内で圧力5MPaに維持しながら温度150℃1時間、さらに温度200℃1時間かけて熱硬化することによってシリコーン系硬化性樹脂を得た。得られたシリコーン系硬化性樹脂は、厚さ200μmで、屈折率は1.563であり、透明であった。また、アッベ数は35であった。この樹脂はシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、硬化剤ともに芳香族環を有する。
[比較例1]
製造例5で製造したシリコーン樹脂とエポキシ樹脂と硬化剤の混合溶液(RW−3)を、厚さ100μmのEガラス系ガラスクロス(日東紡製、屈折率1.56)に含浸し、プレス機内で圧力5MPaに維持しながら温度150℃1時間、さらに温度200℃1時間かけて熱硬化することによってガラスクロス複合化樹脂シートを得た。得られたガラスクロス複合化樹脂シートは、厚さ110μmで、屈折率は1.563であった。分光光度計のスペクトルデータを図2に示す。光線透過率は波長400において70%と低い。またこのシートの線膨張係数は23ppm/Kであった。
以上の評価結果を表1に示す。
Figure 2007091962
本発明のガラスクロス複合化透明樹脂シートは、液晶表示素子用基板、有機EL表示素子用基板、カラーフィルター用基板、タッチパネル用基板、太陽電池基板の分野で好適に利用できる。
実施例1に係わる分光光度計による光線透過率のチャートである。 比較例1に係わる分光光度計による光線透過率のチャートである。

Claims (5)

  1. シリコーン樹脂(a−1)と硬化性樹脂(a−2)とを構成要素とするシリコーン系硬化性樹脂(a)とガラスクロス(b)とを複合化してなるガラスクロス複合化透明樹脂シート(c)において、シリコーン系硬化性樹脂(a)のアッベ数が40以上であり、かつシリコーン系硬化性樹脂(a)とガラスクロス(b)との屈折率差が0.02以下であることを特徴とする、ガラスクロス複合化透明樹脂シート。
  2. シリコーン系硬化性樹脂(a)の硬化物の屈折率が1.45以上1.55未満であることを特徴とする、請求項1に記載のガラスクロス複合化透明樹脂シート。
  3. 硬化性樹脂(a−2)がその化学構造中に芳香族環を持たないことを特徴とする、請求項1または2に記載のガラスクロス複合化透明樹脂シート。
  4. シリコーン系硬化性樹脂(a)がその化学構造中に芳香族環を持たないことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のガラスクロス複合化透明樹脂シート。
  5. 硬化性樹脂(a−2)が水素添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のガラスクロス複合化透明樹脂シート。
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