JP3728441B2 - 透明複合体組成物 - Google Patents
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Description
【発明の分野】
本発明は透明性に優れた複合体組成物に関する。本発明の複合体組成物は、例えば、透明板、光学レンズ、液晶表示素子用プラスチック基板、カラーフィルター用基板、有機EL表示素子用プラスチック基板、太陽電池基板、タッチパネル、光学素子、光導波路、LED封止材等に好適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
樹脂に対してガラス繊維や無機粒子などの各種フィラーを添加することにより、樹脂の剛性、強度、熱膨張率、寸法安定性、吸水率など種々の特性の改善が図られている。しかしながら、樹脂にガラス繊維や無機粒子などのフィラーを添加した複合体は、ほとんどの場合、透明性が損なわれる。樹脂の優れた透明性を保持した複合体を得ることができれば、光学分野など非常に広い範囲で利用が期待できる。
【0003】
透明な樹脂と透明なフィラーとの複合体において透明性が損なわれる原因は、フィラーの屈折率と樹脂の屈折率が異なるため、樹脂中を透過した光が乱屈折 することにあると考えられる。樹脂とフィラーとの屈折率を調整し、透明な複合体を得る試みがこれまでにいろいろ行われている。例えば、特開平6−256604号公報や特開平6−305077号公報には、シクロオレフィン樹脂とガラス繊維との屈折率差が特定の範囲内にある透明な複合体が例示されている。また、特開平4−236217号公報には、酸無水物で硬化したエポキシ樹脂と実質的に同じ屈折率の充填材からなる光透過性エポキシ樹脂組成物が例示されている。しかしながら、これらの文献に示されている複合体は、特定波長における屈折率が一致していることが示されているだけで、より短波長側における屈折率については言及されていない。屈折率の波長依存性は一般に樹脂とフィラーでは異り、例えば、ナトリウムD線(589nm)では屈折率が一致していたとしても、400nmでは屈折率がずれており、この波長での光線透過率は低くなっていることが多い。良好な透明性を示すためには、400nm〜800nmの広い波長範囲で屈折率が一致する必要がある。屈折率の波長依存性は、アッベ数で示されるので、樹脂と屈折率のアッベ数の近いものが選択できれば、広い波長範囲で屈折率を合わせることが可能と考えられる。特開2001−261367号公報には、樹脂のアッベ数と±5以内の透明樹脂用ガラスフィラーが例示されている。しかしながら、この文献では通常の樹脂に適合するアッベ数の低い特殊なガラスフィラーに関するものである。そこで汎用のガラスフィラーを用い、広い波長範囲で高い光線透過率を示す透明複合体が望まれている。
【0004】
【発明の目的及び概要】
本発明はかかる課題に鑑みてなされたもので、一般的な物性を有するガラスフィラーに対して所定以上のアッベ数を有する透明樹脂を用いて優れた透明性を有する複合体組成物を提供するものである。
【0005】
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、透明樹脂(a)とガラスフィラー(b)からなり、透明樹脂のアッベ数が45以上である透明複合体組成物が、広い波長範囲で高い光線透過率を示すことを見出した。本発明の透明複合体組成物は、透明板、光学レンズ、液晶表示素子用プラスチック基板、カラーフィルター用基板、有機EL表示素子用プラスチック基板、太陽電池基板、タッチパネル、光学素子、光導波路、LED封止材等に好適に用いられる。
【0006】
すなわち本発明は、透明樹脂(a)とガラスフィラー(b)からなり、透明樹脂のアッベ数が45以上である透明複合体組成物を提供するものである。
【0007】
本発明の透明複合体組成物は、透明樹脂(a)とガラスフィラー(b)との屈折率差が0.01以下であることが好ましい。また、透明複合体組成物は前記透明樹脂(a)が、ガラスフィラー(b)よりも屈折率の高い1種以上の成分とガラスフィラー(b)よりも屈折率の低い1種以上の成分からなるものが好ましい。さらに透明複合体組成物は、前記ガラスフィラー(b)の屈折率が1.45〜1.55であるのが好ましい。
【0008】
また、前記透明樹脂は、2つ以上の官能基を有する(メタ)アクリレート、特に脂環式構造を有する(メタ)アクリレートを主成分とする架橋したアクリレート樹脂、または、脂環式エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレートなどの2つ以上の官能基を有するエポキシ樹脂を主成分とする硬化したエポキシ樹脂であるのが好ましい。
【0009】
【発明の詳細な記述】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明では、アッベ数が45以上の透明樹脂(a)を用いることを特徴とし、アッベ数が50以上の透明樹脂がより好ましい。ここでいうアッベ数(υd)とは、屈折率の波長依存性、すなわち分散の度合いを示すもので、υd=(nD−1)/(nF−nC)で求めることができる。ここで、nC、nD、nFは、それぞれフラウンホーファーの線のC線(波長656nm)、D線(589nm)、F線(486nm)に対する屈折率である。アッベ数が小さい材料は、波長によって屈折率が大きく変化する。一般的なガラスフィラーはアッベ数が50以上であるため、アッベ数が45以下の透明樹脂と複合化すると、波長589nmで屈折率を合わせたとしても、例えば400nm以下の波長では屈折率が大きく異なり、400nm以下の光線透過率が低下する。アッベ数が45以上の透明樹脂の使用により、一般的なガラスフィラーと広い波長範囲で屈折率を一致させることができ、例えば400nm以下の波長においても優れた光線透過率を実現できた。
【0010】
アッベ数が45以上の透明樹脂の例としては、PMMAなどの熱可塑性のアクリル樹脂、2つ以上の官能基を有する特定の(メタ)アクリレートを主成分とする架橋したアクリレート樹脂、2つ以上のエポキシ基を有する特定の化合物を架橋させたエポキシ樹脂、ノルボルネン誘導体やシクロヘキサンジエン誘導体を重合したシクロオレフィン樹脂、オレフィン−マレイミド交互共重合体、ポリ−4−メチルペンテン−1などのオレフィン樹脂、CR−39などの光学レンズ用の熱硬化性樹脂、などをあげることができる。
透明樹脂(a)とガラスフィラー(b)との屈折率差は、優れた透明性を維持するため0.01以下であることが好ましく、0.005以下がより好ましい。屈折率差が0.01より大きい場合には、得られる透明複合体組成物の透明性が劣る。
【0011】
透明樹脂(a)とガラスフィラー(b)との屈折率差を0.01以下には、▲1▼透明樹脂の屈折率に合ったガラスフィラーを選択する、▲2▼ガラスフィラーの屈折率に合った透明樹脂を選択する、▲3▼ガラスフィラーよりも屈折率の高い1種以上の成分とガラスフィラーよりも屈折率の低い1種以上の成分を組み合わせて透明樹脂の屈折率をガラスフィラーに合わせる、などにより達成できる。しかし、単独の樹脂でガラスフィラーと屈折率が合う組み合わせは限られていることから、前記▲3▼の方法が好ましい。この方法によれば、樹脂の屈折率をEガラス、Sガラス、NEガラスなどの一般的なガラスフィラーの屈折率に合わすことが容易にできる。
【0012】
このように、ガラスフィラー(b)との屈折率を0.01以下にするために、ガラスフィラー(b)よりも屈折率の高い1種以上の成分とガラスフィラー(b)よりの屈折率の低い1種以上の成分からなる樹脂を用いることが好ましい。例えば、屈折率が1.53付近のSガラスからなるガラスフィラーを用いた場合には、屈折率が1.53以下の樹脂成分と屈折率が1.53を超える樹脂成分を組み合わせて用いることが好ましく、具体的な好ましい組み合わせとしては、屈折率が1.53以下の脂環式構造を有する(メタ)アクリレートと屈折率が1.55以上の(メタ)アクリレートである。また、屈折率が1.51付近のNEガラスからなるガラスフィラーを用いた場合には、屈折率が1.51を超える脂環式構造を有する(メタ)アクリレートと屈折率が1.51以下の(メタ)アクリレートの組み合わせが好ましい。
【0013】
(a)透明樹脂
本発明の透明樹脂(a)のガラス転移温度は、150℃以上であることが好ましく、より好ましくは180℃以上、さらに好ましくは200℃以上である。ガラス転移温度が150℃未満の樹脂を用いた場合、例えばアクティブマトリックス型の表示素子基板に適用しようとするとTFT素子形成工程で変形やうねりが生じる恐れがある。
本発明の透明樹脂(a)の好ましい例としては、耐熱性や耐薬品性に優れていることから架橋したアクリレート樹脂又は硬化したエポキシ樹脂を主成分として含むことが好ましい。ここで架橋したアクリレート樹脂とは、2つ以上の官能基を有する(メタ)アクリレートをUVや加熱等によって架橋したものである。また、硬化したエポキシ樹脂とは、2つ以上の官能基を有するエポキシ樹脂を硬化剤で硬化したものである。
【0014】
(i) (メタ)アクリレート樹脂
2つ以上の官能基を有する(メタ)アクリレートとしては、各種の(メタ)アクリレートを用いることができるが、架橋したアクリレートのアッベ数が45以上となり、耐熱性や透明性に優れることから脂環式構造を有する(メタ)アクリレートを構成成分として含むことが好ましい。
本発明で用いられる脂環式構造を有する(メタ)アクリレートとしては、脂環式構造を含む2つ以上の官能基を有する(メタ)アクリレートであれば特に制限されないが、耐熱性や透明性の点から式(1)及び(2)より選ばれた少なくとも1種以上の(メタ)アクリレートが好ましい。
【0015】
【化4】
(式(1)中、R1及びR2は、互いに異なっていても良く、水素原子又はメチル基を示す。aは1又は2を示し、bは0又は1を示す。)
【0016】
【化5】
(一般式(2)中、Xは、H、−CH3、−CH2OH、NH2、
【0017】
【化6】
R3及びR4は、Hまたは−CH3、pは0または1である。)
【0018】
【化7】
【0019】
式(1)、式(2)で示される(メタ)アクリレートの中でも、反応性、熱安定性の面から、式(1)、式(2)より選ばれた少なくとも1種のアクリレートが好ましく、さらに好ましくは、一般式(1)において、R1、R2が水素で、aが1、bが0である構造を持つジシクロペンタジエニルジアクリレート、一般式(2)において、Xが−CH2OCOCH=CH2、R3、R4が水素で、pが1である構造を持つパーヒドロ−1,4;5,8−ジメタノナフタレン−2,3,7−(オキシメチル)トリアクリレート、 X、R3、R4がすべて水素で、pが0または1である構造を持つアクリレートより選ばれた少なくとも1種以上のアクリレートであり、粘度等の点を考慮すると、最も好ましくは、ジシクロペンタジエニルジアクリレート及び式(2)において X、R3、R4がすべて水素で、pが0である構造を持つノルボルナンジメチロールジアクリレートである。式(2)で示される(メタ)アクリレートは、特開平5−70523で示される公知の方法で得ることができる。
【0020】
(i−a)高屈折率(メタ)アクリレート
屈折率1.55以上の(メタ)アクリレートとしては、イオウや芳香族環を含む各種の(メタ)アクリレートが利用でき、特に屈折率が高いことから含イオウ(メタ)アクリレートやフルオレン骨格を有する(メタ)アクリレートが好ましい。
含イオウ(メタ)アクリレートとしては、イオウを含む2つ以上の官能基を有する(メタ)アクリレートであれば特に制限されないが、耐熱性や透明性の点から式(3)に示す(メタ)アクリレートが好ましい。
【0021】
【化8】
(式(3)中、Xは、S又はSO2を示し、Yは、O又はSを示す。R5〜R10は、互いに異なっても良く、H又はCH3を示す。nおよびmは0〜2である。)
式(3)で示される(メタ)アクリレートの中でも、反応性、耐熱性や取り扱い安さからXがイオウ、Yが酸素、R5〜R10がすべて水素、nとmがともに1であるビス[4−(アクリロイロキシエトキシ)フェニル]スルフィドが最も好ましい。
【0022】
フルオレン骨格を有する(メタ)アクリレートとしては、フルオレン骨格を含む2つ以上の官能基を有する(メタ)アクリレートであれば特に制限されないが、耐熱性や透明性の点から式(4)および(5)より選ばれた少なくとも1種以上の(メタ)アクリレートが好ましい。
【0023】
【化9】
(一般式(4)中、R11〜R14は、互いに異なっても良く、H又はCH3を示す。rおよびsは0〜2である。)
【0024】
【化10】
(一般式(5)中、R15〜R17は、互いに異なっても良く、H又はCH3を示す。)
これらの中でも式(4)においてR11〜R14がすべて水素で、r及びsが1であるビス[4−(アクリロイロキシエトキシ)フェニル]フルオレンが最も好ましい。
【0025】
(i−b)低屈折率(メタ)アクリレート
屈折率が1.51以下の(メタ)アクリレートとしては、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバルアルデヒドとトリメチロールプロパンのアセタール化合物のジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどがあげられるが、耐熱性が高いことから式(6)で示されるヒドロキシピバルアルデヒドとトリメチロールプロパンのアセタール化合物のジ(メタ)アクリレートなどの環状エーテル型ジ(メタ)アクリレートが好ましい。
【0026】
【化11】
(一般式(6)中、R18及びR19は、H又はCH3を示す。)
本発明で用いられる2つ以上の官能基を有する(メタ)アクリレート中には、柔軟性を付与する等の目的で、要求される特性を極端に損なうことのない範囲で、単官能(メタ)アクリレートを含有させることができる。この場合、樹脂成分トータルとしての屈折率を用いるガラスフィラーの屈折率に合うように配合量を決める必要がある。
【0027】
[(メタ)アクリレートの架橋]
2つ以上の官能基を有する(メタ)アクリレートを架橋させる方法としては、活性エネルギー線により硬化させる方法、熱をかけて熱重合させる方法等があり、これらを併用することもできる。特に、反応の完結、リターデーション値を低くする、線膨張係数を低減する等の目的で、活性エネルギー線による硬化及び/又は熱をかけて熱重合させる工程の後に、さらに高温での熱処理を併用することが好ましい。使用する活性エネルギー線としては、紫外線が好ましい。紫外線を発生させるランプとしては、例えば、メタルハライドタイプ、高圧水銀灯ランプ等が挙げられる。
【0028】
複合体組成物を紫外線等の活性エネルギー線により硬化させる場合は、複合体組成物中にラジカルを発生する光重合開始剤を含有させることが好ましい。その際に用いる光重合開始剤としては、例えばベンゾフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドが挙げられる。これらの光重合開始剤は2種以上を併用しても良い。
【0029】
光重合開始剤の複合体組成物中における含有量は、適度に硬化させる量であればよく、2つ以上の官能基を有する(メタ)アクリレートの合計100重量部に対し、0.01〜2重量部が好ましく、さらに好ましくは、0.02〜1重量部であり、最も好ましくは、0.1〜0.5重量部である。光重合開始剤の添加量が多すぎると、重合が急激に進行し、複屈折の増大、着色、硬化時の割れ等の問題が発生する。また、少なすぎると組成物を十分に硬化させることができず、架橋後に型に付着して取れない等の問題が発生する。
【0030】
活性エネルギー線による硬化及び/又は熱重合による架橋後に高温で熱処理する場合は、その熱処理工程の中に、線膨張係数を低減する等の目的で、窒素雰囲気下又は真空状態で、250℃〜300℃、1〜24時間の熱処理工程を含ませることが好ましい。
【0031】
(ii)エポキシ樹脂
本発明に用いるエポキシ樹脂としては、硬化後のアッベ数が45以上となるものであれば特に制限されない。硬化後のアッベ数が45以上となるエポキシ樹脂は、用いる硬化剤によっても異なるが、例えば酸無水物系硬化剤の場合には、式(7)〜(12)で示される脂環式エポキシ樹脂や式(13)で示されるトリグリシジルイソシアヌレートなどが好ましいものとして例示できる。なかでも耐熱性が優れていることから式(10)で示される脂環式エポキシ樹脂及び式(13)式で示されるトリグリシジルイソシアヌレートを用いることがより好ましい。
【0032】
【化12】
【0033】
【化13】
【0034】
【化14】
【0035】
【化15】
(一般式(10)中、R20はアルキル基またはトリメチロールプロパン残基を示す。qは1〜20である。)
【0036】
【化16】
(式中、R21及びR22は互いに異なっても良く、HまたはCH3を示す。rは0〜2である。)
【0037】
【化17】
(式中、sは0〜2である。)
【0038】
【化18】
【0039】
これらエポキシ樹脂は、ガラスフィラーと屈折率を合わすことができれば単独で用いても2種以上を併用しても良い。また、屈折率を調整する目的で、他のエポキシ樹脂を併用しても良い。さらに、柔軟性を付与する等の目的で、要求される特性を極端に損なうことのない範囲で、単官能のエポキシ化合物を含有させることもできる。
本発明に用いるエポキシ樹脂は、硬化剤もしくは重合開始剤存在下、加熱もしくは活性エネルギー線を照射し、硬化して用いる。用いる硬化剤は、組み合わせるエポキシ樹脂と硬化した時のアッベ数が45以上になれば特に限定されないが、優れた透明性の硬化物が得られやすいことから、酸無水物系硬化剤やカチオン系触媒が好ましい。
【0040】
酸無水物硬化剤としては、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、無水グルタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチル水添無水ナジック酸、水添無水ナジック酸などがあげられ、なかでも透明性が優れることからメチルヘキサヒドロ無水フタル酸やメチル水添無水ナジック酸が好ましい。
【0041】
酸無水物系硬化剤を使用する場合は、硬化促進剤を併用することが好ましい。この硬化促進剤としては、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリエチレンジアミン等の三級アミン類、2−エチル−4−メチルイミダゾールや1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール類、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート等のリン化合物、四級アンモニウム塩、有機金属塩類、およびこれらの誘導体等があげられ、これらのなかでも透明性が優れることからリン化合物や1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール類が好ましい。これら硬化促進剤は、単独で用いても2種以上を併用して用いても良い。
【0042】
エポキシ樹脂と酸無水物系硬化剤との配合割合は、エポキシ樹脂中のエポキシ基1当量に対して、酸無水物系硬化剤における酸無水物基が0.5〜1.5当量に設定することが好ましく、0.7〜1.2当量がより好ましい。
カチオン系触媒としては、酢酸、安息香酸、サリチル酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸、三フッ化ホウ素アミン錯体、三フッ化ホウ素のアンモニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨウドニウム塩、アルミニウム錯体を含有するカチオン系触媒等をあげることができ、これらのなかでもアルミニウム錯体を含有するカチオン系触媒が好ましい。
【0043】
(b)ガラスフィラー
本発明で用いるガラスフィラー(b)の屈折率は特に制限されないが、1.45〜1.55であることが好ましく、より好ましくは1.50〜1.54である。ガラスフィラーの屈折率が1.55を越える場合、同じ屈折率でアッベ数が45以上の樹脂を選択するのが困難である。また、ガラスフィラーの屈折率が1.45未満では特殊な組成のガラスフィラーであり、コスト的に不利である。屈折率1.50〜1.54のガラスフィラーは一般的なガラスフィラーであり、かつ同じ屈折率でアッベ数が45以上の樹脂の選択も容易である。
【0044】
本発明で用いるガラスフィラー(b)としては、ガラス繊維、ガラスクロス、ガラス不織布、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスパウダー、ミドルガラスなどがあげられ、中でも線膨張係数の低減効果が高いことから、ガラス繊維、ガラスクロス、ガラス不織布が好ましく、ガラスクロスが最も好ましい。
ガラスの種類としては、Eガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス、Dガラス、NEガラス、Tガラス、石英ガラスなどがあげられ、中でもアッベ数が45以上の樹脂で屈折率制御が容易で、かつ入手が容易なSガラス、Tガラス、NEガラスが好ましい。
ガラスフィラーの含有量は、1〜90重量%、好ましくは10〜80重量%、より好ましくは30〜70重量%である。ガラスフィラーの含有量が1重量%以下では、複合化による低線膨張化の効果が認められず、90重量%以上では成形が困難となる。
【0045】
本発明においては、ガラスフィラーと樹脂とが密着しているほど、本発明の複合体組成物の透明性は良くなるため、ガラスフィラー表面をシランカップリング剤などの公知の表面処理剤で処理することが好ましい。具体的には、エポキシ樹脂を用いた場合にはエポキシ基を有するシラン化合物で、(メタ)アクリレートを用いた場合には、アクリルシランで処理することが好ましい。
【0046】
本発明の複合体組成物中には、必要に応じて、透明性、耐溶剤性、耐熱性等の特性を損なわない範囲で、少量の酸化防止剤、紫外線吸収剤、染顔料、他の無機フィラー等の充填剤等を含んでいても良い。
【0047】
[複合体組成物の製造方法]
複合体組成物の製造方法には制限がなく、例えば、樹脂とガラスフィラーとを直接混合し、必要な型に注型したのち架橋させる方法、樹脂を溶剤に溶解し、ガラスフィラーを分散させ、キャストした後、架橋させる方法、樹脂をガラスクロスやガラス不織布に含浸させたのち架橋させる方法などが挙げられる。
本発明の透明複合体組成物を、透明板、光学レンズ、液晶表示素子用プラスチック基板、カラーフィルター用基板、有機EL表示素子用プラスチック基板、太陽電池基板、タッチパネル、光学素子、光導波路、LED封止材等として用いる場合は、30〜150℃の平均線膨張係数が40ppm以下であることが好ましく、より好ましくは30ppm以下、最も好ましくは20ppm以下である。例えば、この複合体組成物をアクティブマトリックス表示素子基板に用いた場合、この上限値を越えると、その製造工程において反りやアルミ配線の断線などの問題が生じる恐れがある。
【0048】
本発明の複合体組物を、透明板、光学レンズ、液晶表示素子用プラスチック基板、カラーフィルター用基板、有機EL表示素子用プラスチック基板、太陽電池基板、タッチパネル、光学素子、光導波路、LED封止材等として用いる場合は、波長400nmの光線透過率が80%以上であることが好ましく、さらに好ましくは、85%以上である。波長400nmの光線透過率が80%以下の場合は、光を利用する効率が低下するので、光効率が重要な用途には好ましくない。
【0049】
本発明の複合体組成物を、液晶表示素子用プラスチック基板、カラーフィルター用基板、有機EL表示素子用プラスチック基板、太陽電池基板、タッチパネル等として用いる場合は、基板の厚さが50〜2000μmであることが好ましい。基板の厚さがこの範囲内にあれば、平坦性に優れ、ガラス基板と比較して、基板の軽量化を図ることができる。
【0050】
【実施例】
以下、本発明の内容を実施例により詳細に説明するが、本発明は、その趣旨に反しない限り以下の例に限定されるものではない。
【0051】
(実施例1)
100μmのSガラス系ガラスクロス(ユニチカグラスファイバー製(#2117タイプ)屈折率1.530)を焼きだしして有機物を除去した後、アクリロイロキシプロピルトリエトキシシラン(アクリルシラン)で処理した。このクロスにジシクロペンタジエニルジアクリレート(東亞合成(株)製M−203、架橋後の屈折率1.527)92重量部とビス[4−(アクリロイロキシエトキシ)フェニル]スルフィド(東亞合成(株)試作品TO−2066、架橋後の屈折率1.606)8重量部、光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(チバスペシャリティケミカル製のイルガキュア184)を0.5重量部とからなる樹脂(架橋後の屈折率1.533)を含浸し、脱泡した。この樹脂を含浸したクロスを離型処理したガラス板に挟み込んで、両面から約10J/cm2のUV光を照射して硬化させた。さらに真空オーブン中250℃で3時間加熱し、0.1mmの透明シートを得た。
【0052】
(実施例2)
100μmのSガラス系ガラスクロス(ユニチカグラスファイバー製(#2117タイプ)屈折率1.530)を焼きだしして有機物を除去した後、アクリロイロキシプロピルトリエトキシシラン(アクリルシラン)で処理した。このクロスにジシクロペンタジエニルジアクリレート(東亞合成(株)製M−203、架橋後の屈折率1.527)96重量部とビス[4−(アクリロイロキシエトキシ)フェニル]フルオレン(東亞合成(株)試作品TO−2065、架橋後の屈折率1.624)4重量部、光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(チバスペシャリティケミカル製のイルガキュア184)を0.5重量部とからなる樹脂(架橋後の屈折率1.531)を含浸し、脱泡した。この樹脂を含浸したクロスを離型処理したガラス板に挟み込んで、両面から約10J/cm2のUV光を照射して硬化させた。さらに真空オーブン中、250℃で3時間加熱し、0.1mmの透明シートを得た。
【0053】
(実施例3)
100μmのNEガラス系ガラスクロス(日東紡製、屈折率1.510)を焼きだしして有機物を除去した後、アクリロイロキシプロピルトリエトキシシラン(アクリルシラン)で処理した。このクロスにノルボルナンジメチロールジアクリレート(東亞合成(株)試作品 TO−2111、架橋後の屈折率1.520)90重量部とヒドロキシピバルアルデシヒドとトリメチロールプロパンのアセタール化合物のジアクリレート(日本化薬(株)製KAYARAD R−604、架橋後の屈折率1.496)10重量部、光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(チバスペシャリティケミカル製のイルガキュア184)を0.5重量部とからなる樹脂(架橋後の屈折率1.512)を含浸し、脱泡した。この樹脂を含浸したクロスを離型処理したガラス板に挟み込んで、両面から約10J/cm2のUV光を照射して硬化させた。さらに真空オーブン中、250℃で3時間加熱し、0.1mmの透明シートを得た。
【0054】
(実施例4)
50μmのNEガラス系ガラスクロス(日東紡製、屈折率1.510)を焼きだしして有機物を除去した後、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(エポキシシラン)で処理した。このクロスにトリグリシジルイソシアヌレート(日産化学工業製TEPIC)100重量部、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(新日本理化製リカシッドMH−700)147重量部、テトラフェニルホスホニウムブロマイド(北興化学工業製TPP−PB)2重量部を110℃で溶融混合した樹脂を含浸し、脱泡した。この樹脂を含浸したクロス2枚を積層して離型処理したガラス板に挟み込み、オーブン中で(100℃×2時間)+(120℃×2時間)+(150℃×2時間)+(175℃×2時間)加熱して、0.1mmの透明シートを得た。
【0055】
(実施例5)
実施例4と同様の処理を行ったNEガラス系ガラスクロスに式(10)で示される脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業製EHPE3150)80重量部、ビスフェノールS型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業製エピクロンEXA1514)20重量部、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(新日本理化製リカシッドMH−700)77重量部、1-ベンジル−2−フェニルイミダゾール(1B2PZ)1重量部を100℃で溶融混合した樹脂を含浸し、脱泡した。この樹脂を含浸したクロス2枚を積層して離型処理したガラス板に挟み込み、オーブン中で(100℃×2時間)+(120℃×2時間)+(150℃×2時間)+(200℃×2時間)加熱して、0.1mmの透明シートを得た。
【0056】
(実施例6)
100μmのSガラス系ガラスクロス(ユニチカグラスファイバー製(#2117タイプ)屈折率1.530)を焼きだしして有機物を除去した後、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(エポキシシラン)で処理した。このクロスにトリグリシジルイソシアヌレート(日産化学工業製TEPIC)90重量部、ビスフェノールS型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業製エピクロンEXA1514)10重量部、メチル水添無水ナジック酸(新日本理化製リカシッドHNA−100)153重量部、テトラフェニルホスホニウムブロマイド(北興化学工業製TPP−PB)2重量部を110℃で溶融混合した樹脂を含浸し、脱泡した。この樹脂を含浸したクロスを離型処理したガラス板に挟み込んで、オーブン中で(100℃×2時間)+(120℃×2時間)+(150℃×2時間)+(175℃×2時間)加熱して、0.1mmの透明シートを得た。
【0057】
(実施例7)
実施例5と同様の処理を行ったNEガラス系ガラスクロスに、式(7)で示される脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業製セロキサイド2021P)80重量部、カプロラクトン鎖を含む脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業製セロキサイド2083)20重量部、カチオン系硬化触媒(ダイセル化学工業製DAICAT EX−1 A剤/B剤=1/3)2重量部を100℃で溶融混合した樹脂を含浸し、脱泡した。この樹脂を含浸したクロス2枚を積層して離型処理したガラス板に挟み込み、オーブン中で(100℃×2時間)+(150℃×2時間)+(230℃×2時間)加熱して、0.1mmの透明シートを得た。
【0058】
(実施例8)
平均粒径3.2μmのNEガラスパウダー(日東紡製、屈折率1.510)を焼きだしして有機物を除去した後、アクリロイロキシプロピルトリエトキシシラン(アクリルシラン)で処理した。このガラスパウダー100重量部を、ノルボルナンジメチロールジアクリレート(東亞合成製 TO−2111、架橋後の屈折率1.520)90重量部とヒドロキシピバルアルデシヒドとトリメチロールプロパンのアセタール化合物のジアクリレート(日本化薬(株)製KAYARAD R−604、架橋後の屈折率1.496)10重量部、光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(チバスペシャリティケミカル製のイルガキュア184)を0.5重量部とからなる樹脂(架橋後の屈折率1.512)に分散し、脱泡した。これを厚さ80μmのアルミ箔をスペーサーとしてガラス板に挟み込んで、両面から約10J/cm2のUV光を照射して硬化させた。さらに真空オーブン中、250℃で3時間加熱し、0.1mmの透明シートを得た。
【0059】
(実施例9)
平均粒径3.1μmのTガラスパウダー(日東紡製、屈折率1.530)を焼きだしして有機物を除去した後、アクリロイロキシプロピルトリエトキシシラン(アクリルシラン)で処理した。このガラスパウダー100重量部をジシクロペンタジエニルジアクリレート(東亞合成(株)製M−203、架橋後の屈折率1.527)96重量部とビス[4−(アクリロイロキシエトキシ)フェニル]フルオレン(東亞合成(株)試作品TO−2065、架橋後の屈折率1.624)4重量部、光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(チバスペシャリティケミカル製のイルガキュア184)を0.5重量部とからなる樹脂(架橋後の屈折率1.532)に分散し、脱泡した。これを厚さ80μmのアルミ箔をスペーサーとしてガラス板に挟み込んで、両面から約10J/cm2のUV光を照射して硬化させた。さらに真空オーブン中、250℃で3時間加熱し、0.1mmの透明シートを得た。
【0060】
(比較例1)
100μmのEガラス系ガラスクロス(ユニチカグラスファイバー製E10A(#2117)屈折率1.560)を焼きだしして有機物を除去した後、アクリロイロキシプロピルトリエトキシシラン(アクリルシラン)で処理した。このクロスにジシクロペンタジエニルジアクリレート(東亞合成(株)製M−203、架橋後の屈折率1.527)58重量部とビス[4−(アクリロイロキシエトキシ)フェニル]スルフィド(東亞合成(株)試作品TO−2066、架橋後の屈折率1.606)42重量部、光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(チバスペシャリティケミカル製のイルガキュア184)を0.5重量部とからなる樹脂(架橋後の屈折率1.560)を含浸し、脱泡した。この樹脂を含浸したクロスを離型処理したガラス板に挟み込んで、両面から約500mJ/cm2のUV光を照射して硬化させた。さらに真空オーブン中で、約100℃で3時間加熱後、さらに約250℃で3時間加熱し、0.1mmの透明シートを得た。
【0061】
(比較例2)
100μmのEガラス系ガラスクロス(ユニチカグラスファイバー製(#2117タイプ)屈折率1.560)を焼きだしして有機物を除去した後、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(エポキシシラン)で処理した。このクロスにトリグリシジルイソシアヌレート(日産化学工業製TEPIC)20重量部、ビスフェノールS型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業製エピクロンEXA1514)80重量部、メチル水添無水ナジック酸(新日本理化製リカシッドHMA−100)75重量部、テトラフェニルホスホニウムブロマイド(北興化学工業製TPP−PB)1重量部を100℃で溶融混合した樹脂を含浸し、脱泡した。この樹脂を含浸したクロスを離型処理したガラス板に挟み込んで、オーブン中で(100℃×2時間)+(120℃×2時間)+(150℃×2時間)+(175℃×2時間)加熱して、0.1mmの透明シートを得た。
【0062】
以上のようにして作製した光学シートについて、下記に示す評価方法により、各種特性を測定した。
a)平均線膨張係数
セイコーインスツルメンツ(株)製TMA/SS120C型熱応力歪測定装置を用いて、窒素の存在下、1分間に5℃の割合で温度を30℃から400℃まで上昇させて20分間保持し、30℃〜150℃の時の値を測定して求めた。荷重を5gにし、引張モードで測定を行った。
測定は、独自に設計した石英引張チャック(材質:石英,線膨張係数0.5ppm)を用いた。一般に使われているインコネル製のチャックは、それ自体の線膨張が高いことやサンプルの支持形態に不具合があり、100μmを超える厚いシートに適用すると線膨張係数が圧縮モードで測定した結果よりも大きめに出たり、測定ばらつきが大きくなる問題があった。したがって、石英引張チャックを独自に設計し、それを用いて線膨張係数を測定することにした。この引張チャックを用いることにより、圧縮モードで測定した場合とほぼ同様の値で測定できることを確認している。
【0063】
b)耐熱性(Tg)
セイコーインスツルメンツ(株)製DMS―210型粘弾性測定装置で測定し、1Hzでのtanδの最大値をガラス転移温度(Tg)とした。
c)光線透過率
分光光度計U3200(日立製作所製)で400nm及び550nmの光線透過率を測定した。
d)屈折率、アッベ数
アタゴ社製アッベ屈折率計DR−M2を用いて、25℃で波長589nmの屈折率を測定した。また、波長656nm及び486nmの屈折率を測定してアッベ数を求めた。
評価結果を表1〜3に示す。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
【表3】
【0067】
【発明の効果】
以上のように、本発明の透明複合体組成物は、汎用ガラスからなるフィラーを用いても、広い波長範囲で高い光線透過率を示し、例えば、透明板、光学レンズ、液晶表示素子用プラスチック基板、カラーフィルター用基板、有機EL表示素子用プラスチック基板、太陽電池基板、タッチパネル、光学素子、光導波路、LED封止材等に好適に利用できる。
Claims (18)
- 透明樹脂(a)とガラスフィラー(b)からなり、透明樹脂(a)のアッベ数が45以上である透明複合体組成物であって、前記ガラスフィラー(b)がガラスクロス、ガラス繊維、又はガラス不織布であり含有量が1重量%を超え90重量%未満である透明複合体組成物。
- 透明樹脂(a)とガラスフィラー(b)からなり、透明樹脂(a)のアッベ数が45以上であり、ガラスフィラー含有量が1重量%を超え90重量%未満の表示素子用プラスチック基板、又はアクティブマトリックス表示素子用基板である透明複合体組成物。
- 前記ガラスフィラー(b)がガラスクロス、ガラス繊維、又はガラス不織布である請求項2の透明複合体組成物。
- 透明樹脂(a)とガラスフィラー(b)との屈折率差が0.01以下である請求項1〜3いずれかの透明複合体組成物。
- 前記透明樹脂(a)が、ガラスフィラー(b)よりも屈折率の高い1種以上の成分とガラスフィラー(b)よりも屈折率の低い1種以上の成分からなる請求項1〜4いずれかの透明複合体組成物。
- 前記ガラスフィラー(b)の屈折率が1.45〜1.55である請求項1〜5いずれかの透明複合体組成物。
- 前記透明樹脂(a)のガラス転移温度が150℃以上である請求項1〜6いずれかの透明複合体組成物。
- 透明樹脂 ( a ) とガラスフィラー ( b ) からなり、透明樹脂 ( a ) がアッベ数45以上であって2つ以上の官能基を有する(メタ)アクリレートを主成分とする架橋したアクリレート樹脂である透明複合体組成物。
- 前記架橋したアクリレート樹脂が、脂環式構造を有する(メタ)アクリレートを構成成分として含む請求項8の透明複合体組成物。
- 前記透明樹脂(a)が、2つ以上の官能基を有するエポキシ樹脂を主成分とする硬化したエポキシ樹脂である請求項1〜7いずれかの透明複合体組成物。
- 前記エポキシ樹脂が、トリグリシジルイソシアヌレートを構成成分とする請求項11の透明複合体組成物。
- 前記エポキシ樹脂が、脂環式エポキシ樹脂を構成成分として含む請求項11の透明複合体組成物。
- 前記エポキシ樹脂が、酸無水物系硬化剤で硬化した架橋体である請求項11〜13いずれかの透明複合体組成物。
- 前記エポキシ樹脂が、カチオン系硬化触媒で硬化した架橋体である請求項11〜13いずれかの透明複合体組成物。
- 厚み50〜2000μmのシート状に成形されてなる請求項1、2又は8の透明複合体組成物。
- 30〜150℃の平均線膨張係数が40ppm以下である請求項1〜16いずれかの透明複合体組成物。
- 波長400nmにおける光線透過率が80%以上である請求項1〜17いずれかの透明複合体組成物。
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