JP4623559B2 - 表示装置用カラーフィルタ、カラーフィルタ部材および表示装置用カラーフィルタの製造方法 - Google Patents
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Description
第一に、現在、カラーフィルタを製造する際に着色レジストを使用する場合、フォトリソグラフィーによりパターニングし、200℃程度の熱処理工程を必要としている。この工程を赤,緑,青の着色部ごとに3回またはこれら着色部に加えて着色部の間に樹脂ブラックマトリックスを形成する場合には少なくとも4回の熱処理工程が必要となる。プラスチックフィルムを基板に用いる場合には上記の熱処理工程により複数回の熱履歴を受けることになる。例えば、熱可塑性樹脂の場合工程中で例えば搬送時にテンションなどの外力がかかった場合に変形が生じることがあり、特に延伸フィルムの場合には緩和による収縮が起こる。また架橋性樹脂の場合であっても熱履歴により硬化収縮が起こる。熱処理工程を繰り返すために、これらのような変形が原因による寸法変化が生じてしまい、ガラス基板を使用した時より寸法精度が設計値を逸脱してしまうという問題点がある。
また、この表示装置用カラーフィルタにおいて、プラスチックフィルムの光線透過率を、波長550nmにおいて80%以上とすることができる。このとき、プラスチックフィルム中の無機物の粒径を100nm以下としてもよい。また、プラスチックフィルム中の光硬化樹脂、熱硬化樹脂または架橋樹脂と無機物との屈折率の差を±0.005以内としてもよい。
この表示装置用カラーフィルタにおいて、水蒸気透過率が0.1g/(m2・24h)以下であってもよく、また酸素透過率が0.5ml/(m2・24h・atm)以下であってもよい。
図1は、本実施形態に係るカラーフィルタ部材に用いる表示装置用カラーフィルタの要部の拡大平面図である。図2(a)は、図1におけるA−A面での断面図であり、図2(b)は、図1におけるB−B面での断面図である。
図3は、着色パターンの1ピッチ分を示す図である。
図3では、青パターン22の端面から次の青パターン22の端面までのブラックマトリックスパターン16、赤色パターン18、ブラックマトリックスパターン16、緑色パターン20、ブラックマトリックスパターン16、青色パターン22で1ピッチが構成される例が示される。
この熱処理装置40では、ロール状のプラスチックフィルムが巻き出し可能にセットされたロール巻き出し装置42より巻き出されたプラスチックフィルム48が、ヒーター56を備えた加熱炉44に搬送され、前記の所定の温度以上の温度にて加熱処理された後、ロール巻き取り装置46にて巻き取られるようになっている。
かかるガスバリア層は、蒸着、イオンプレーティング、スパッタリングなどの物理蒸着(PVD)法、プラズマCVD(chemical vapor deposition)などの化学蒸着法またはゾルゲル法などで作製することができるが、中でもスパッタリングで作製することが緻密な膜即ちガスバリア性の良好な膜が得られやすいことから好ましい。
着色剤(A)とは、カラーフィルタへの透過光照射の際に各着色パターンを色表示するあるいはブラックマトリックスパターンを遮光するための材料であり、例えば、着色材料としては赤色有機顔料、緑色有機顔料、青色有機顔料、遮光材料としてはカーボンブラック顔料等が挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂(B)とは、現像の際に溶解して感光性樹脂組成物の層を除去するための材料であり例えば、ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体が挙げられる。
多官能性単量体(C)とは、露光の際に感光性樹脂組成物の層を重合して、現像時に非溶解性のパターンを形成するための材料であり、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが挙げられる。
光重合開始剤(D)とは、露光の際に多官能性単量体を重合させるための材料であり、例えば2−ベンジルー2−ジメチルアミノー1−(4−モノフォリオフェニル)ブタノンー1 が挙げられる。
このような感放射性組成物を用いることで、ロール・ツー・ロール上に高解像度の着色パターンおよびブラックマトリックスパターンを形成でき、なおかつプラスチックフィルムの屈曲性に追従する柔軟なパターンが形成できる。
図8(a),(b)によれば、ブラックマトリックスパターン16がプラスチックフィルム12のガスバリア層14上に格子状に形成されている。
図9(a),(b)によれば、格子状に形成されたブラックマトリックスパターン16により囲まれるマス目の領域に所定間隔でREDの着色パターンである赤色パターン18が形成されている。
図10によれば、格子状に形成されたブラックマトリックスパターン16により囲まれるマス目の各領域に、赤色パターン18、緑色パターン20、青色パターン22の順に周期的に形成されている。
図11によれば、ブラックマトリックスパターン16および赤色パターン18、緑色パターン20、青色パターン22からなるRGB着色パターンの上に、透明電極層24が形成されている。
(プラスチックフィルムの製造)
脂環式エポキシ樹脂32部,平均粒径50nmのシリカフィラー18部,溶剤50部(部数はいずれも質量基準)を均一に分散した混合液をダイコーター,ステンレス製エンドレスベルト,乾燥炉を備えるフィルム成膜装置のステンレス製エンドレスベルト上にキャスティングし、乾燥炉中で150℃まで加熱して乾燥するとともに硬化させた後にエンドレスベルトから連続的に剥離した後更に連続乾燥炉で170℃まで加熱硬化して巻き取り、幅30cm,長さ100m,厚さ100μmのプラスチックフィルム(1)を得た。更に、図2に示した熱処理装置10の加熱炉14を窒素置換してセットされた連続乾燥炉を用いて220℃20分の加熱を行った。このプラスチックフィルム(1)の30℃から150℃における線膨張係数とガラス転移温度を測定したところ、それぞれ30ppm/℃と225℃であった。また、波長550nmにおける光線透過率は87%であった。
このプラスチックフィルム(1)を、スパッタロールコート装置に装填し、DCスパッタにより酸素を反応ガスに用いた反応性スパッタでSiをターゲットとして用いてアンダーコート上に膜厚50nmのSiOx(xは1.5〜1.9)の成膜を行って、これをガスバリア層とした。
以下に示したように、積層原反を作成して、これを用いてラミネート,露光処理,現像処理,ベーク処理をロール・ツー・ロールで行い、前述のように、ガスバリア層を成膜したプラスチックフィルム(1)上にブラックマトリックスを形成した。
(ドライフィルムの準備)
ブラックマトリックス塗料用のドライフィルムとして、厚み;25μmのPETベースフィルム上に、下記の組成のブラックマトリックス形成用塗料組成物を、ウェット状態で厚み;10μmになるようダイコーターを用いて塗布し、乾燥後、温度;90℃の条件で2分間プリベークして2μmの厚みとなった後、その上に厚み25μmのPETカバーフィルムをラミネートして得た。
以下に、ブラックマトリックス形成用塗料組成物の組成を示す。
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 150部
(モル比=73/27)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 80部
・カーボンブラック分散液 150部
・光重合開始剤(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1) 2.5部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 600部
※部数はいずれも質量基準
ガスバリア層を成膜したプラスチックフィルム(1)の上に、カバーフィルムを予め剥離したドライフィルムを塗料組成物層がプラスチックフィルム側と向かい合うように積層して、ブラックマトリックス形成用の感光性樹脂組成物からなる塗料組成物層を、ローラ圧;5kg/cm2、ローラ表面温度;120℃、および速度;800mm/minの条件にて、連続的に転写し、積層原反を作成した。この際、ベースフィルムは剥離せず、感光性樹脂組成物の層上に付いた状態で次の露光処理工程へと進めた。
上流側に巻き出し装置、下流側に巻き取り装置を備えた露光装置に、上記で得られた積層原反を通し、露光装置の入口側および出口側に設置されたニップローラ対を駆動して、連続状の積層原反を搬送した。この搬送状態において、積層原反にかかるテンションは、2kg/300mm幅であった。
露光装置の本体の温度は23℃±0.1℃になるよう、また、相対湿度は60%±1%になるよう、それぞれ調整した。
現像処理は、露光機の下流側に現像装置を設置し、この現像装置内で露光後の積層原反のベースフィルムを剥離しながら、400mm/minの一定速度で搬送しながら行って、ガスバリア層を成膜したプラスチックフィルム(1)上に所定のパターンのブラックマトリックスが積層された複合フィルムを得た。その後、ベーク炉にて200℃、30分のポストベーク処理を行って、ブラックマトリックスの樹脂パターンを熱キュアした。
次に、以下のようにRGB転写用の積層原反を作成して、この積層原反を用いて、RGBの着色パターンをロール・ツー・ロールで形成し、カラーフィルタを得た。
(ドライフィルムの準備)
着色材塗料用のドライフィルムとして、厚み;25μmのPETベースフィルム上に、下記の組成の着色パターン形成用塗料組成物を、ウェット状態で厚み;10μmになるようダイコーターを用いて塗布し、乾燥後、温度;90℃の条件で2分間プリベークして2μmの厚みとなった後、その上に、厚み25μmのPETカバーフィルムをラミネートして得た。
以下に、赤色の塗料組成物であるREDの組成物の組成を示すが、赤色顔料を任意の青色顔料にするとBLUEの組成物が得られ、緑色顔料にするとGREENの組成物が得られる。
(モル比=73/27)
・トリメチロールプロパントリアクリレート 40部
・赤色顔料(C.I.Pigment Red 177) 90部
・光重合開始剤 (2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパノン−1) 1.5部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 600部
※部数はいずれも質量基準
上記で得られたブラックマトリックスパターン付きの複合フィルムの上に、カバーフィルムを予め剥離したREDドライフィルムを塗料組成物層がプラスチックフィルム側と向かい合うように積層して、REDパターン形成用の感光性樹脂組成物からなる塗料組成物層を、ローラ圧;5kg/cm2、ローラ表面温度;120℃、および速度;800mm/minの条件にて、連続的に転写し、積層原反を作成した。この際、ベースフィルムは剥離せずに、感光性樹脂組成物の層上に付いた状態で次の露光処理工程へと進めた。
上流側に巻き出し装置、下流側に巻き取り装置を備えた露光装置に、上記で得られた積層原反を通し、露光装置の入口側および出口側に設置されたニップローラ対を駆動して、連続状の積層原反を搬送した。この搬送状態において、積層原反にかかるテンションは、2kg/300mm幅であった。
露光装置の本体の温度は23℃±0.1℃になるよう、また、相対湿度は60%±1%になるよう、それぞれ調整した。
現像処理は、露光機の下流側に現像装置を設置し、この現像装置内で露光後の積層原反のベースフィルムを剥離しながら、400mm/minの一定速度で搬送しながら行って、前記ブラックマトリックスパターン付きの複合フィルム上のブラックマトリックスバターンの開口部の所定位置にREDパターンが積層された複合フィルムを得た。その後、ベーク炉にて200℃、30分のポストベーク処理を行って、REDの樹脂パターンを熱キュアした。
続いて、このカラーフィルタをスパッタロールコート装置に装填し、DCスパッタにより酸素を反応ガスに用いた反応性スパッタでITO(indium tin oxide)をターゲットとして用いて、ブラックマトリックスおよびRGBの着色パターンが形成されたカラーフィルタ上に膜厚150nmのITOの成膜を行い、これを透明導電膜とした。
(ドライフィルムの準備)
カラムスペーサ(CS)材塗料用のドライフィルムとして、厚み;25μmのPETベースフィルム上に、ネガ型感光性樹脂からなるCS材塗料組成物を、ウェット状態で厚み;20μmになるようダイコーターを用いて塗布し、乾燥後、温度;90℃の条件で2分間プリベークして5μmの厚みとなった後、その上に、厚み25μmのPETカバーフィルムをラミネートして得た。
上記で得られたブラックマトリックスおよびRGBの着色パターン、およびITO電極層を形成した複合フィルムの上に、カバーフィルムを予め剥離したCSドライフィルムを塗料組成物層がプラスチックフィルム側と向かい合うように積層して、CSパターン形成用の感光性樹脂組成物からなる塗料組成物層を、ローラ圧;5kg/cm2、ローラ表面温度;120℃、および速度;800mm/minの条件にて、連続的に転写し、積層原反を作成した。この際、ベースフィルムは剥離せず、感光性樹脂組成物の層上に付いた状態で次の露光工程へと進めた。
(露光処理工程)
上流側に巻き出し装置、下流側に巻き取り装置を備えた露光装置に、上記で得られた積層原反を通し、露光装置の入口側および出口側に設置されたニップローラ対を駆動して、連続状の積層原反を搬送した。この搬送状態において、積層原反にかかるテンションは、2kg/300mm幅であった。
露光装置の本体の温度は23℃±0.1℃になるよう、また、相対湿度は60%±1%になるよう、それぞれ調整した。
現像処理は、露光機の下流側に現像装置を設置し、この現像装置内で露光後の積層原反のベースフィルムを剥離しながら、400mm/minの一定速度で搬送しながら行って、前記ブラックマトリックスパターンおよびRGBの着色パターン、およびITO電極層が形成された複合フィルム上でブラックマトリックスバターンの格子パターン部の所定位置にCSパターンが形成された複合フィルムを得た。その後、ベーク炉にて200℃、30分のポストベーク処理を行って、CSの樹脂パターンを熱キュアした。
(プラスチックフィルムの製造)
多官能アクリレート樹脂27部,平均粒径30nmのシリカフィラー23部,プロピレングリコールモノメチルエーテル50部(部数はいずれも質量基準)を均一に分散した液を、ダイコーター,ステンレス製エンドレスベルト,乾燥炉を備えるフィルム成膜装置のステンレス製エンドレスベルト上にキャスティングし、乾燥炉中で150℃まで加熱して乾燥するとともに硬化させた後にエンドレスベルトから連続的に剥離した後更に連続乾燥炉で170℃まで加熱硬化して巻き取り、幅30cm,長さ100m,厚さ100μmのプラスチックフィルムを得た。このフィルムの両面に、コーターヘッド,乾燥炉,紫外線照射装置を有する塗工機を用いて、多官能アクリレート樹脂,光開始剤,溶剤からなる液を塗布し、溶剤を乾燥した後紫外線を照射して硬化し、アンダーコート層を成膜したプラスチックフィルム(2)を得た。このプラスチックフィルム(2)の波長550nmにおける光線透過率は89%であった。
このプラスチックフィルム(2)を、ヒーターによる加熱処理が可能な前処理室を有するスパッタロールコート装置に装填し、真空中230℃10分の加熱とスパッタ成膜とを連続して行った。スパッタ成膜は、RFスパッタでTa2O5をターゲットとして用いてアンダーコート上に膜厚50nmのTaOx(xは1.5〜2.5)の成膜を行って、これをガスバリア層とした。また、30℃から150℃における線膨張係数とガラス転移温度を測定したところ、それぞれ27ppm/℃と240℃であった。
(ブラックマトリックス形成用塗料組成物塗布工程)
上記のガスバリア層を成膜したプラスチックフィルム(2)のガスバリア層上に、下記の組成のブラックマトリックス形成用塗料組成物を、ウェット状態で厚み;10μmになるようダイコーターを用いて塗布し、乾燥後、温度;90℃の条件で2分間プリベークして2μmの厚みのブラックマトリックス形成用塗料組成物の塗膜が形成された原反を得た。
以下に、ブラックマトリックス形成用塗料組成物の組成を示す。
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 150部
(モル比=73/27)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 80部
・カーボンブラック分散液 150部
・光重合開始剤(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1) 2.5部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 600部
※部数はいずれも質量基準
上流側に巻き出し装置、下流側に巻き取り装置を備えた露光装置に、上記で得られた塗膜が形成された原反を通し、露光装置の入口側および出口側に設置されたニップローラ対を駆動して、連続状の原反を搬送した。この搬送状態において、原反にかかるテンションは、2kg/300mm幅であった。
露光装置の本体の温度は23℃±0.1℃になるよう、また、相対湿度は60%±1%になるよう、それぞれ調整した。
現像処理は、露光機の下流側に現像装置を設置し、この現像装置内で露光後の原反を400mm/minの一定速度で搬送しながら行って、ガスバリア層を成膜したプラスチックフィルム(2)上に所定のパターンのブラックマトリックスが積層された複合フィルムを得た。その後、ベーク炉にて200℃、30分のポストベーク処理を行って、ブラックマトリックスの樹脂パターンを熱キュアした。
得られたブラックマトリックスを、温度;23℃±0.1℃、相対湿度;60%±1%の条件で測定したところ、設計寸法に対し、200mmあたり、±2μmの範囲に収まっていた。
上記で得られたブラックマトリックスパターンが形成された複合フィルムの上に、下記の組成の着色パターン形成用塗料組成物を、ウェット状態で厚み;10μmになるようダイコーターを用いて塗布し、乾燥後、温度;90℃の条件で2分間プリベークして2μmの厚みの塗膜が形成された原反を得た。
以下に、赤色の塗料組成物であるREDの組成物の組成を示すが、赤色顔料を任意の青色顔料にするとBLUEの組成物が得られ、緑色顔料にするとGREENの組成物が得られる。
(モル比=73/27)
・トリメチロールプロパントリアクリレート 40部
・赤色顔料(C.I.Pigment Red 177) 90部
・光重合開始剤(2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパノン−1) 1.5部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 600部
※部数はいずれも質量基準
上流側に巻き出し装置、下流側に巻き取り装置を備えた露光装置に、上記で得られた原反を通し、露光装置の入口側および出口側に設置されたニップローラ対を駆動して、連続状の原反を搬送した。この搬送状態において、原反にかかるテンションは、2kg/300mm幅であった。
露光装置の本体の温度は23℃±0.1℃になるよう、また、相対湿度は60%±1%になるよう、それぞれ調整した。
現像処理は、露光機の下流側に現像装置を設置し、この現像装置内で露光後の原反を400mm/minの一定速度で搬送しながら行って、複合フィルム上のブラックマトリックスバターンの開口部の所定位置にREDパターンが積層された複合フィルムを得た。その後、ベーク炉にて200℃、30分のポストベーク処理を行って、REDの樹脂パターンを熱キュアした。
続いて、このカラーフィルタをスパッタロールコート装置に装填し、DCスパッタにより酸素を反応ガスに用いた反応性スパッタでITO(indium tin oxide)をターゲットとして用いて、ブラックマトリックスおよびRGBの着色パターンが形成されたカラーフィルタ上に膜厚150nmのITOの成膜を行い、これを透明導電膜とした。
(カラムスペーサ形成用塗料塗布工程)
上記で得られたブラックマトリックスパターンおよびRGBの着色パターン、およびITO電極層が形成された複合フィルムの上に、ネガ型感光性樹脂からなるカラムスペーサ(CS)形成用塗料組成物を、ウェット状態で厚み;20μmになるようダイコーターを用いて塗布し、乾燥後、温度;90℃の条件で2分間プリベークして5μmの厚みのCS膜が形成された複合フィルムを得た。
上流側に巻き出し装置、下流側に巻き取り装置を備えた露光装置に、上記で得られた原反を通し、露光装置の入口側および出口側に設置されたニップローラ対を駆動して、連続状の原反を搬送した。この搬送状態において、原反にかかるテンションは、2kg/300mm幅であった。
露光装置の本体の温度は23℃±0.1℃になるよう、また、相対湿度は60%±1%になるよう、それぞれ調整した。
現像処理は、露光機の下流側に現像装置を設置し、この現像装置内で露光後の原反を400mm/minの一定速度で搬送しながら行って、前記ブラックマトリックスパターンおよびRGBの着色パターン、およびITO電極層が形成された複合フィルム上でブラックマトリックスパターンの格子パターン部の所定位置にCSパターンが形成された複合フィルムを得た。その後、ベーク炉にて200℃、30分のポストベーク処理を行って、CSの樹脂パターンを熱キュアした。
(プラスチックフィルムの製造)
平均粒径1.0μmのガラス(屈折率1.510)のパウダーをアクリルシランで表面処理した。このガラスパウダー150部を、ノルボルナンジメチロールジアクリレート80部、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジアクリレート20重量部、光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン0.5重量部(部数はいずれも質量基準)とからなる樹脂(架橋後の屈折率1.510)に分散し、脱泡した。この液を、ダイコーター,ステンレス製エンドレスベルト,紫外線照射装置,連続乾燥炉を備えるフィルム成膜装置のステンレス製エンドレスベルト上にキャスティングし、紫外線を照射して硬化させた後にエンドレスベルトから連続的に剥離し、更に連続乾燥炉で160℃まで加熱硬化して巻き取り、幅30cm,長さ100m,厚さ100μmのプラスチックフィルムを得た。更に、窒素置換した連続乾燥炉を用いて220℃20分の加熱を行った。このフィルムの両面に、コーターヘッド,乾燥炉,紫外線照射装置を有する塗工機を用いて、多官能アクリレート樹脂,光開始剤,溶剤からなる液を塗布し、溶剤を乾燥した後紫外線を照射して硬化し、アンダーコート層を成膜したプラスチックフィルム(3)を得た。このプラスチックフィルム(3)の波長550nmにおける光線透過率は87%であった。またこのプラスチックフィルム(3)の30℃から150℃における線膨張係数とガラス転移温度を測定したところ、それぞれ26ppm/℃と220℃であった。
このプラスチックフィルム(3)を、スパッタロールコート装置に装填し、RFスパッタによりSiAlONをターゲットとして用いてアンダーコート上に膜厚50nmのSiAlONの成膜を行い、これをガスバリア層とした。
実施例1において、プラスチックフィルムを形成後に、窒素置換した連続乾燥炉を用いて220℃20分の加熱を行わなかった以外は実施例1と同様にしてカラーフィルタを得た。
12 プラスチックフィルム
14 ガスバリア層
16 ブラックマトリックスパターン
18 赤色パターン
20 緑色パターン
22 青色パターン
24 透明電極層
26 カラムスペーサ
62 ベースフィルム
64 塗料組成物層
66 カバーフィルム
Claims (18)
- プラスチックフィルム上に熱処理してなるカラーフィルタ層を有し、
前記カラーフィルタ層の形成よりも先にカラーフィルタ層形成時の熱処理温度以上の温度で、前記プラスチックフィルムが加熱されてなる表示装置用カラーフィルタを含むカラーフィルタ部材であり、
前記プラスチックフィルム上に前記カラーフィルタ層が連続的に面付けされ、
前記連続的に面付けされているカラーフィルタ層の表面に、透明導電膜およびカラムスペーサが形成されていることを特徴とするカラーフィルタ部材。 - 前記プラスチックフィルムを前記カラーフィルタ層の形成より先に加熱するに際して、
前記加熱を酸素を除外した雰囲気下で行うことを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ部材。 - 前記プラスチックフィルムが、光硬化性樹脂に光照射を行って硬化させた光硬化樹脂からなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカラーフィルタ部材。
- 前記光硬化樹脂がアクリル樹脂であることを特徴とする請求項2に記載のカラーフィルタ部材。
- 前記プラスチックフィルムが、熱硬化性樹脂を加熱して硬化させた熱硬化樹脂からなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカラーフィルタ部材。
- 前記熱硬化樹脂がエポキシ樹脂であることを特徴とする請求項5に記載のカラーフィルタ部材。
- 前記プラスチックフィルムが、架橋樹脂からなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカラーフィルタ部材。
- 前記プラスチックフィルムの30℃から150℃における線膨張係数が0ppm/℃以上40ppm/℃以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のカラーフィルタ部材。
- 前記プラスチックフィルムが、光硬化樹脂、熱硬化樹脂または架橋樹脂と、無機物とを含むことを特徴とする請求項3乃至請求項8のいずれか1項に記載のカラーフィルタ部材。
- 前記無機物が二酸化珪素を主成分としてなることを特徴とする請求項9に記載のカラーフィルタ部材。
- 前記プラスチックフィルムの光線透過率が、波長550nmにおいて80%以上であることを特徴とする請求項9又は請求項10に記載のカラーフィルタ部材。
- 前記プラスチックフィルム中の無機物の粒径が100nm以下であることを特徴とする請求項9乃至請求項11のいずれか1項に記載のカラーフィルタ部材。
- 前記プラスチックフィルム中の光硬化樹脂、熱硬化樹脂または架橋樹脂と無機物との屈折率の差が±0.005以内であることを特徴とする請求項9乃至請求項12のいずれか1項に記載のカラーフィルタ部材。
- 前記プラスチックフィルムのガラス転移温度が200℃以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれか1項に記載のカラーフィルタ部材。
- 無機薄膜からなるガスバリア層をさらに有することを特徴とする請求項1乃至請求項14のいずれか1項に記載のカラーフィルタ部材。
- 前記ガスバリア層がSi,Ta,及びAlから選ばれる1種以上の元素を含む酸化物または窒化物または酸化窒素化物を含有することを特徴とする請求項15に記載のカラーフィルタ部材。
- 水蒸気透過率が0.1g/(m2・24h)以下であることを特徴とする請求項15又は請求項16に記載のカラーフィルタ部材。
- 酸素透過率が0.5ml/(m2・24h・atm)以下であることを特徴とする請求項15乃至請求項17のいずれか1項に記載のカラーフィルタ部材。
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