JP4774954B2 - スペーサ付表示装置用基板 - Google Patents

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本発明は、液晶表示装置や、有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELともいう。)素子、電子ペーパー等、種々の表示装置の形成に用いられるスペーサ付表示装置用基板、およびそのスペーサ付表示装置用基板を用いたカラーフィルタに関するものである。
近年、液晶表示装置や有機EL素子、電子ペーパーなどのフラットパネルディスプレイは、薄型省スペースの表示装置として広く用いられている。これらの表示装置のうち、カラー表示を行うものの多くは、ガラス基材上に形成されたRGB3原色の着色層等を有するカラーフィルタによってカラー化が行われており、例えばこのカラーフィルタとTFT(Thin Film Transistor)等の液晶を駆動するための駆動回路が形成された対向基板とを、所定のセルギャップを設けて対向させ、これらの間に液晶を挟むことにより液晶表示装置とすることができる。
また液晶表示装置以外の表示装置においても、所定のセルギャップをあけて2枚の基板を対向させて配置することが必要とされている。そこで、このような一定間隔のセルギャップを維持する方法として、例えば2枚の基板間にスペーサビーズを散布する方法や、パターンスペーサを基板上の所定位置に形成する方法が一般的に用いられている。なお、表示装置に外部からセルギャップが狭くなる方向に力が加えられた場合には、上記スペーサがセルギャップの狭まる方向に大きく収縮し、その後、力を除去した場合には、力が加えられる前のセルギャップに近い状態まで、スペーサの高さが元に戻ることが求められている。しかしながら、用いられる基材やスペーサの種類、またこれらの組み合わせによっては、力が加えられた際に、基材やスペーサが不可逆的に変形してしまい、力を除去した場合であってもスペーサの高さが元に戻らず(以下、この現象を不可逆変位ともいう。)、セルギャップが不安定になる、という問題があった。
また近年、特に携帯電話等の携帯機器用等の表示装置において、更なる薄型・軽量化や、フレキシブル化が求められている。なお、本発明に関する先行文献は発見されていない。
そこで、荷重に対して変位量が大きく、かつ不可逆変位量の少ない、フレキシブル性の高いスペーサ付表示装置用基板の提供が望まれている。
本発明は、樹脂製基材と、上記樹脂製基材上の所定の位置に形成されたパターンスペーサとを有するスペーサ付表示装置用基板であって、上記パターンスペーサの垂直方向から上記スペーサ付表示装置用基板に荷重をかけた際の上記スペーサ付表示装置用基板の変位量が、上記パターンスペーサのみに上記荷重をかけた際の変位量より大きく、かつ上記スペーサ付表示装置用基板に上記荷重をかけた際の上記スペーサ付表示装置用基板の不可逆変位量が、上記パターンスペーサのみに上記荷重をかけた際の不可逆変位量より小さいことを特徴とするスペーサ付表示装置基板を提供する。
本発明においては、樹脂製基材が用いられていることから、フレキシブル性の高いスペーサ付表示装置用基板とすることができる。また荷重をかけた際のスペーサ付表示装置用基板全体の変位量が、スペーサのみに荷重をかけた場合と比較して大きく、またスペーサ付表示装置用基板全体の不可逆変位量がスペーサのみに荷重をかけた場合と比較して小さいものとされている。したがって、フレキシブル性のない基材を用いたスペーサ付表示装置用基板を表示装置に用いた場合と比較して、本発明のスペーサ付表示装置用基板が用いられた表示装置は、外側から強い力が加えられた場合であっても、表示装置がその力に追従して変形することが可能であり、かつその荷重から解放された際に、荷重がかけられる前のセルギャップに近い状態に戻るものとすることができる。そのため、本発明によれば、種々のフレキシブル性の高い表示装置に用いることが可能であり、かつ対向基板とのセルギャップを安定して保持することが可能なスペーサ付表示装置用基板とすることができるのである。
上記発明においては、上記樹脂製基材の硬度を1としたときに、上記パターンスペーサの硬度が0.07〜20の範囲内であることが好ましい。パターンスペーサと上記樹脂製基材との硬度比を上記範囲内とすることにより、より荷重に対する変位量が大きく、かつ不可逆変位量の少ないものとすることができるからである。
また上記発明においては、上記樹脂製基材の硬度が50N/mm〜1000N/mmの範囲内であることが好ましい。樹脂製基材の硬度を上記範囲内とすることにより、樹脂製基材をよりフレキシブル性の高いものとすることができるからである。
またさらに、上記発明においては、(上記スペーサ付表示装置用基板の上記不可逆変位量/上記スペーサ付表示装置用基板の上記変位量)が0〜0.5の範囲内であることが好ましい。これにより、可逆変位量が大きく、かつ不可逆変位量の少ない、安定してセルギャップを保持することが可能なスペーサ付表示装置用基板とすることが可能となるからである。
また上記発明においては、上記パターンスペーサの上記樹脂製基材との接触面の面積が25μm〜10000μmの範囲内であることが好ましい。これにより、荷重がかけられた際に、パターンスペーサと樹脂製基材との間の応力によって、いずれかが不可逆的に変形してしまうことの少ないものとすることができ、より上記不可逆変位量が少ないものとすることができるからである。
また、上記発明においては、500μm×500μmのエリア内に形成されている上記パターンスペーサの上記樹脂製基材との接触面の面積の合計が、400μm〜22500μmの範囲内であることが好ましい。これにより、より安定してセルギャップを保持することが可能なスペーサ付表示装置用基板とすることができるからである。
上記発明においては、上記樹脂製基材が長尺であることが好ましい。これにより、上記スペーサ付表示装置用基板がロール・ツー・ロール方式により形成されたものとすることができ、製造効率等の面で好ましいものとすることができるからである。
また、上記発明においては、上記樹脂製基材が、架橋性樹脂と無機材料とを含有することが好ましい。これにより、樹脂製基材が寸法安定性に優れたものとすることができるからである。
本発明は、上述したスペーサ付表示装置用基板の上記樹脂製基材上に着色層が形成されていることを特徴とするカラーフィルタを提供する。本発明によれば、上述したスペーサ付表示装置用基板が用いられることから、対向して配置される対向基板とのセルギャップを安定して保持することが可能であり、かつフレキシブル性の高いカラーフィルタとすることができる。
本発明は、種々のフレキシブル性の高い表示装置に用いることが可能であり、かつ対向基板とのセルギャップを安定して保持することが可能なスペーサ付表示装置用基板とすることができるという効果を奏するものである。
本発明は、液晶表示装置や、有機EL素子、電子ペーパー等、種々の表示装置の形成に用いられるスペーサ付表示装置用基板、およびそのスペーサ付表示装置用基板を用いたカラーフィルタに関するものである。以下、それぞれについて説明する。
A.スペーサ付表示装置用基板
まず、本発明のスペーサ付表示装置用基板について説明する。本発明のスペーサ付表示装置用基板は、樹脂製基材と、上記樹脂製基材上の所定の位置に形成されたパターンスペーサとを有するスペーサ付表示装置用基板であって、上記パターンスペーサの垂直方向から上記スペーサ付表示装置用基板に荷重をかけた際の上記スペーサ付表示装置用基板の変位量が、上記パターンスペーサのみに上記荷重をかけた際の変位量より大きく、かつ上記スペーサ付表示装置用基板に上記荷重をかけた際の上記スペーサ付表示装置用基板の不可逆変位量が、上記パターンスペーサのみに上記荷重をかけた際の不可逆変位量より小さいことを特徴とするものである。
本発明のスペーサ付表示装置用基板は、例えば図1に示すように、樹脂製基材1と、その樹脂製基材1上にパターン状に形成されたパターンスペーサ2とを有するものである。またこのスペーサ付表示装置用基板は、通常の状態のスペーサ付表示装置用基板11(図2(a))に、パターンスペーサ2の垂直方向から荷重Aをかけた際(図2(b))の変位量c(=荷重をかける前の樹脂製基材1底面からパターンスペーサ2の上面までの高さa−荷重をかけた後の樹脂製基材1底面からパターンスペーサ2の上面までの高さb)が、パターンスペーサ2にのみ荷重をかけた際のパターンスペーサ2の変位量と比較して大きなものとされる。またさらに、荷重を除去した際(図2(c))の不可逆変位量e(=荷重をかける前の樹脂製基材1底面からパターンスペーサ2の上面までの高さa−荷重を除去した後の樹脂製基材1底面からパターンスペーサ2の上面までの高さd)が、パターンスペーサ2のみに荷重をかけ、荷重を除去した際の不可逆変位量と比較して小さなものとされる。なお、本発明でいうパターンスペーサとは、例えば柱状や壁状等、所定の位置に、所定の形状に形成されたスペーサをいうこととする。
本発明においては、樹脂製基材が用いられていることから、スペーサ付表示装置用基板がフレキシブル性を有するものとすることができる。またさらに、上記パターンスペーサの垂直方向から上記スペーサ付表示装置用基板に荷重をかけた際の上記スペーサ付表示装置用基板の変位量が、上記パターンスペーサのみに上記荷重をかけた際の変位量より大きく、かつ上記スペーサ付表示装置用基板に上記荷重をかけた際の上記スペーサ付表示装置用基板の不可逆変位量が、上記パターンスペーサのみに上記荷重をかけた際の不可逆変位量より小さいものとされている。したがって、フレキシブル性のない基材を用いたスペーサ付表示装置用基板を表示装置に用いた場合と比較して、本発明のスペーサ付表示装置用基板が用いられた表示装置は、外側から強い力が加えられた場合であっても、表示装置がその力に追従して変形することが可能であり、かつその荷重から解放された際に、荷重がかけられる前のセルギャップに近い状態に戻るものとすることができるのである。そのため、本発明のスペーサ付表示装置用基板は、種々のフレキシブル性の高い表示装置に用いることが可能であり、かつ対向基板とのセルギャップを安定して保持することが可能なものとすることができるのである。
ここで、本発明においては、上記パターンスペーサの垂直方向から上記パターンスペーサのみに上記荷重をかけた際の変位量を1とした場合、上記スペーサ付表示装置用基板に同様に荷重をかけた際の上記スペーサ付表示装置用基板の変位量が、1.1〜10の範囲内、特に1.2〜6.0の範囲内とされていることが好ましい。また、上記パターンスペーサのみに上記荷重をかけた際の不可逆変位量を1とした場合、上記スペーサ付表示装置用基板に同様に上記荷重をかけた際の上記スペーサ付表示装置用基板の不可逆変位量が、
0〜0.9の範囲内、特に0〜0.7の範囲内とされていることが好ましい。これにより、フレキシブル性の高い表示装置に用いられた場合にも、セルギャップを安定して保つことが可能なスペーサ付表示装置用基板とすることができるからである。なお、上記変位量および不可逆変位量は、後述する樹脂製基材上に、後述するパターンスペーサを、断面積が144μm2(12μm×12μm)、高さが5.5μmとなるように形成し、このパターンスペーサ上面(樹脂製基材とパターンスペーサとが接している面と反対側の面)から、20mN/10secの押し込み圧をかけ、5秒間保持した場合の変位量、および上記荷重を除去した後の不可逆変位量を測定したものである。また上記値は、(株)フィッシャーインストルメンツ製フィッシャースコープH−100超微少硬度計を用いて測定される。またさらに、測定に用いられる針は、平面圧子タイプである。なお、上記断面積とは、樹脂製基材とパターンスペーサとの接触面積をいうこととする。
また本発明においては、(上記スペーサ付表示装置用基板の上記不可逆変位量/上記スペーサ付表示装置用基板の上記変位量)が0〜0.5の範囲内、中でも0〜0.4の範囲内、特に0〜0.33の範囲内であることが好ましい。これにより、可逆変位量が大きく、かつ不可逆変位量の少ないものとすることができ、よりフレキシブル性の高い表示装置に用いられた場合にも、セルギャップを安定して保つことが可能なスペーサ付表示装置用基板とすることができるからである。以下、本発明のスペーサ付表示装置用基板について各構成ごとに詳しく説明する。
1.樹脂製基材
まず、本発明に用いられる樹脂製基材について説明する。本発明に用いられる樹脂製基材は、少なくとも樹脂を含有するものであり、かつ後述するパターンスペーサを形成可能なものであればその種類等は特に限定されるものではない。
本発明においては特に、硬度が50N/mm2〜1000N/mm2の範囲内、中でも50N/mm2〜700N/mm2の範囲内、特に70N/mm2〜500N/mm2の範囲内であるものが好ましい。これにより、スペーサ付表示装置用基板のフレキシブル性を高いものとすることができ、種々の表示装置の形成に用いることが可能となるからである。
またさらに、本発明においては、樹脂製基材の硬度と、後述するパターンスペーサの硬度との比が所定の範囲内とされていることが好ましい。具体的には、樹脂製基材の硬度を1としたときに、上記パターンスペーサの硬度が0.07〜20の範囲内、中でも0.1〜10の範囲内、特に0.2〜5.0の範囲内とされていることが好ましい。これにより、スペーサ付表示装置用基板に荷重がかけられた際に、パターンスペーサとともに樹脂性基材が変形して、上記変位量を大きいものとすることができる。またこの際、上記パターンスペーサにかかる荷重を樹脂製基材が緩和し、不可逆変位量を小さいものとすることができるからである。なお、上記範囲外である場合には、スペーサ付表示装置用基板に荷重がかけられた際に、樹脂製基材とパターンスペーサとの間での応力によって、樹脂製基材またはパターンスペーサのいずれかが、例えば潰れてしまう等、不可逆的に変化してしまい、不可逆変位量が大きくなってしまう恐れがある。上記樹脂製基材の硬度の測定は、ビッカース硬度試験機((株)フィッシャーインストルメンツ製 フィッシャースコープH−100 超微少硬度計)によって行うことができる。
ここで本発明においては、上記樹脂製基材は、例えば樹脂のみからなるものであってもよく、また例えば樹脂中に無機材料からなる粒子あるいは板状の無機材料が含有されているものや、樹脂中に無機材料からなる繊維が含有されているもの等であってもよい。また樹脂が薄い無機材料からなるシートによって覆われているものであってもよく、またさらに繊維状の無機材料が織り込まれたクロス状シートが樹脂によって覆われているもの等であってもよい。
上記樹脂製基材が樹脂のみからなる場合には、例えば熱可塑性樹脂、架橋性樹脂、およびそれらの多層フィルム等とすることができ、本発明においては特に寸法安定性等の面から架橋性樹脂が用いられることが好ましい。
上記架橋性樹脂としては、光架橋性樹脂および熱架橋性樹脂が挙げられる。本発明においては、上記光架橋性樹脂の中でも、多官能アクリレート樹脂やアクリル樹脂等が用いられることが好ましい。また、上記熱架橋性樹脂としてはエポキシ樹脂が用いられることが好ましい。これらの樹脂は、加工性や樹脂特性の面で優れているからである。
本発明においては特に、樹脂製基材中に無機材料が含有されていることが好ましい。これにより、樹脂製基板がより寸法安定性に優れたものとすることができ、スペーサ付表示装置用基板と対向基板とを貼りあわせる際に、例えば画素領域の位置ずれ等が生じてしまうこと等を防止することが可能となるからである。なお、樹脂製基材に無機材料が含有されている場合には、上記樹脂製基材の硬度とは、樹脂製基材中の樹脂の硬度のみを測定した際の値をいうこととする。
このような無機材料を含有する樹脂製基材に用いられる樹脂としては、所定の強度を有し、かつ層状に成型可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば熱可塑性樹脂や架橋性樹脂等を用いることができるが、本発明においては、特に架橋性樹脂を用いることが好ましい。これにより、樹脂製基材の寸法安定性をより良好なものとすることができるからである。なお、上記架橋性樹脂としては、上述した樹脂のみからなる樹脂製基材に好適に用いられるものと同様のものを用いることができる。
また上記樹脂製基材に用いられる無機材料としては、例えばシリカやガラス等の二酸化珪素を主成分とするものや、アルミナ、ジルコニア、チタニア等の金属酸化物などが挙げられる。本発明においては、特に二酸化珪素を主成分とするものが用いられることが好ましい。これにより、上記樹脂と無機材料との屈折率差を小さいものとすることができ、良好な透明性を有する樹脂製基材とすることが可能となるからである。なお、上記無機材料の表面は、アクリルシラン等によって処理されていてもよい。
本発明において、上記樹脂製基材中には、無機材料が5質量%〜95質量%程度、中でも20質量%〜70質量%程度、特に30質量%〜60質量%程度含有されていることが好ましい。これにより、樹脂製基材が寸法安定性に優れ、かつフレキシブル性を有するものとすることができるからである。
また上記樹脂製基材の形状や大きさは特に限定されるものではないが、本発明においては特に、上記樹脂製基材が長尺であることが好ましい。これにより、スペーサ付表示装置用基板がロール・ツー・ロール方式により形成されたものとすることが可能となり、製造効率等の面で好ましいものとすることができるからである。
また本発明に用いられる樹脂製基材は、30℃から150℃における線膨張係数が0ppm/℃〜40ppm/℃の範囲内であることが好ましい。これにより、スペーサ付表示装置用基板のパターニングプロセス時の温度バラツキによる寸法ズレを小さく抑えることができるからである。なお、上記線膨張係数は、TMA(Thermal Mechanical Analyzer)を用いて30〜150℃の範囲を測定することにより得られる値である。
また、上記樹脂製基材の透明性は、スペーサ付表示装置用基板の種類等に応じて適宜選択されるものであるが、本発明においては上記樹脂製基材が可視光に対して透明性を有するものが好ましく、具体的には全光線透過率が80%以上であることが好ましい。これにより、上記スペーサ付表示装置用基板を、種々の表示装置に用いることが可能となるからである。なお、上記樹脂製基材中に上記無機材料が含有されている場合に、樹脂製基材を可視光に対して透明性を有するものとする方法としては、樹脂製基材に含有される上記無機材料の粒径を100nm以下とする方法や、上記無機材料と樹脂との屈折率の差を±0.005以内とする方法等が挙げられる。なお、上記全光線透過率は、JIS K7361−1(プラスチックー透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
また、上記樹脂製基材は、ガラス転移温度が200℃以上であることが好ましい。これにより、本発明のスペーサ付表示装置用基板上に例えば着色層等を形成する際、熱によって樹脂製基材が変形してしまうこと等のないものとすることができるからである。
なお、本発明においては、上記樹脂製基材表面にアンダーコート層等が形成されていてもよい。これにより、上記樹脂製基材とパターンスペーサとの密着性を良好なものとすることができるからである。このようなアンダーコート層としては、例えばアクリル系架橋性樹脂やエポキシ系架橋性樹脂等を含有する層が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
2.パターンスペーサ
次に、本発明に用いられるパターンスペーサについて説明する。本発明に用いられるパターンスペーサは、上記樹脂製基材上にパターン状に複数形成されるものである。
本発明においては、上述したように、上記パターンスペーサの硬度が、上記樹脂製基材の硬度に対して所定の範囲内とされることが好ましい。これにより、スペーサ付表示装置用基板が表示装置に用いられ、外部から荷重がかけられた際、スペーサ付表示装置用基板の変位量が大きく、かつ不可逆変位量が小さいものとすることが可能となるからである。
本発明に用いられる上記パターンスペーサは、中でも50N/mm〜1000N/mmの範囲内、特に50N/mm〜700N/mmの範囲内、さらに50N/mm〜500N/mmの範囲内とされていることが好ましい。これにより、スペーサ付表示装置用基板と対向基板とを貼りあわせる際、パターンスペーサと接触したり擦り合わせられた対向基板のダメージを低いものとすることができるからである。なお、上記硬度の測定方法は、上述した樹脂製基材の硬度の測定方法と同様とすることができる。
また、上記パターンスペーサの形成されているパターンとしては、特に限定されるものではなく、スペーサ付表示装置用基板の種類や用途に合わせて適宜選択される。また、上記パターンスペーサの形状としても、スペーサ付表示装置用基板が表示装置に用いられた際、対向基板とスペーサ付表示装置用基板とのセルギャップを一定に保つことが可能な形状であれば特に限定されるものではなく、例えば円柱状や角柱状のもの、頂部が切断された円錐状や角錐状のもの、あるいは土手形状、各画素の表示部周辺を連続的なスペーサが覆っている格子形状、円柱状あるいは角柱状の中心がくり貫かれている様なカルデラ形状、土手形状の中心がくり貫かれている様な2重土手形状、あるいは円柱状や角柱状、円錐状、角錐状、土手形状等が複数集合して形成される複合形状等とすることができる。
本発明においては、特にパターンスペーサと樹脂製基材とが接触する面の面積が25μm〜10000μmの範囲内、中でも25μm〜5000μmの範囲内、特に25μm〜3000μmの範囲内となるようにパターンスペーサが形成されていることが好ましい。これにより、スペーサ付表示装置用基板に荷重がかけられた際、パターンスペーサと樹脂製基材との間にかかる単位面積あたりの応力を少ないものとすることができ、パターンスペーサまたは樹脂製基材が不可逆的に変形してしまうことの少ないものとすることができるからである。
また本発明において、パターンスペーサが複数形成されている場合、隣接するパターンスペーサどうしの間隔は、スペーサ付表示装置用基板の種類や用途等により適宜選択されるものであるが、20μm〜500μmの範囲内、中でも20μm〜400μmの範囲内、特に20μm〜300μmの範囲内とされていることが好ましい。これにより、スペーサ付表示装置用基板と対向基板とのギャップをより良好に保持することが可能となるからである。
また、上記パターンスペーサの形成される密度は、スペーサ付表示装置用基板の種類や用途、各パターンスペーサの形状等によって適宜選択されるものであるが、通常、500μm×500μmのエリア内に形成されるパターンスペーサの上記樹脂製基材との接触面の面積の合計が25μm〜60000μm程度、中でも400μm〜7500μm程度となるように、個数が調整されていることが好ましい。
また上記パターンスペーサの形成方法としては、一般的な表示装置のパターンスペーサの形成方法と同様とすることができる。例えばアクリル樹脂等のネガ型の感光性樹脂層を形成し、この感光性樹脂層をパターニングすることにより、形成することができる。この感光性樹脂層の形成は、公知のネガ型の感光性樹脂組成物を、粘度の最適化を行った上で、スピンコータ、ロールコータ、ダイコーター、インキジェット等の公知の手段により上記樹脂製基材を覆うように塗布、乾燥して形成することができる。この際、感光性樹脂層の厚みは、パターンスペーサに要求される高さに応じて適宜設定することができる。また、感光性樹脂層のパターニングは、パターンスペーサ形成用のフォトマスクを介して露光することにより行うことができる。使用されるフォトマスクとしては、パターンスペーサ形成のため、所定の位置に開口部を備えているもの等とすることができる。その後、現像液により感光性樹脂層の現像を行うことによって、パターンスペーサを形成する領域の感光性樹脂層は溶解されずにパターンスペーサが形成されることとなる。また本発明においては、例えばノボラック樹脂等のポジ型感光性樹脂を用いて同様にパターンスペーサの形成を行ってもよい。
また本発明においては、例えばPET等のプラスチックフィルム上に上記ネガ型の感光性樹脂層やポジ型の感光性樹脂層を全面に形成し、プリベーク処理した後、上記感光性樹脂層と上記樹脂製基材とを対向させた状態で積層して加圧加熱し、目的とする部分のみ露光することにより、パターンスペーサを転写する方法等としてもよい。
上述したようなパターンスペーサの高さとしては、スペーサ付表示装置用基板の用途や種類等によって適宜選択されるものであるが、通常、0.5μm〜100μm程度、中でも1μm〜10μm程度とされる。
3.スペーサ付表示装置用基板
次に、本発明のスペーサ付表示装置用基板について説明する。本発明のスペーサ付表示装置用基板は、上記樹脂製基材およびパターンスペーサを有するものであれば特に限定されるものではなく、必要に応じて、例えば上記樹脂製基材とパターンスペーサとの間にガスバリア層やオーバーコート層等が形成されているものであってもよい。また、例えば上記樹脂製基材上にブラックマトリクス層等が形成されているものであってもよい。なお、このようなガスバリア層やオーバーコート層、ブラックマトリクス層等については、一般的な表示装置に用いられるものと同様とすることができるので、ここでの詳しい説明は省略する。
また、本発明のスペーサ付表示装置用基板は、上記樹脂製基材上に、例えば着色層や有機EL層等、各種の機能層が形成されて、例えば液晶表示装置や、有機EL素子、電子ペーパー等の表示装置に用いられることとなる。
また、本発明のスペーサ付表示装置用基板を用いて表示装置とする際、上記スペーサ付表示装置用基板と対向して配置される対向基板としては、例えば基板上に対向電極が形成されたもの等とすることができる。なお、上記対向基板に用いられる基板としては、上記スペーサ付表示装置用基板と所定のセルギャップで対向可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば樹脂製基板であってもよいが、ガラス基板や、金属基板、セラミックス基板等も用いることが可能である。
B.カラーフィルタ
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。本発明のカラーフィルタは、上述したスペーサ付表示装置用基板の樹脂製基材上に着色層が形成されているものである。本発明のカラーフィルタは、例えば図3に示すように、樹脂製基材1と、その樹脂製基材1上に形成された着色層3と、上記樹脂製基材1上に形成されたパターンスペーサ2とを有するものである。なお、上記樹脂製基材1とパターンスペーサ2との間にブラックマトリクス4等が形成されていてもよい。また、例えば上記着色層を覆うように透明電極層が形成されており、上記パターンスペーサが上記透明電極層上に形成されているもの等であってもよい。
本発明によれば、上述したスペーサ付表示装置用基板が用いられていることから、カラーフィルタを用いて液晶表示装置とした際に、外部から荷重が加えられた場合であっても、セルギャップの変位量が大きいものとすることができ、フレキシブル性の高いものとすることができる。また荷重による不可逆変位量が小さいことから、荷重が除去された場合には、荷重が加えられる前のセルギャップに近い状態に容易に戻ることが可能となり、セルギャップが安定した、高品質な表示装置を形成可能なカラーフィルタとすることができるのである。
なお、上記着色層は例えば赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の三色の着色層が、ストライプ型、モザイク型、トライアングル型、4画素配置型等の公知の配列に形成されたもの等とすることができ、着色面積は任意に設定することができる。ここで上記着色層の形成に用いられる材料や、上記着色層の形成方法としては、一般的なカラーフィルタの形成に用いられるものと同様とすることができる。例えば上記着色層は感光性樹脂組成物を用いてフォトリソグラフィー法や印刷法等により形成されたもの等であってもよく、また例えば予め着色層形成用組成物を、プラスチックフィルム上に形成しておき、このプラスチックフィルムと上記樹脂製基材とを積層させた状態で、加圧加熱後、露光し、目的部分のみ形成されたもの等であってもよい。
なお、本発明のカラーフィルタに用いることが可能なブラックマトリクスや透明電極層等についても、一般的なカラーフィルタに用いられるものと同様とすることができるので、ここでの詳しい説明は省略する。
また、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
<実施例>
[樹脂製基材の形成]
多官能アクリレート樹脂をガラス繊維に含浸した後に紫外線硬化装置により連続的に硬化し、樹脂60重量%、ガラス繊維40重量%、幅30cm、長さ100m、厚さ100μmの樹脂製基材(1)を得た。この樹脂製基材(1)の30℃から150℃における線膨張係数は、18ppmであった。この樹脂製基材(1)のガラス転移温度をtanδmaxで評価したところ300℃以上であった。またこの樹脂製基材(1)の全光線透過率は90%であった。なお、線膨張係数はTMA(Thermal Mechanical Analyzer)を用いて30〜150℃の範囲を測定することにより得られた値である。ガラス転移温度はDMA(Dynamic Mechanical Analyzer)を用いて測定した。また全光線透過率はJIS K7361−1(プラスチックー透明材料の全光透過率の試験方法)に従って測定した。
[第一のバリア層の形成]
この樹脂製基材(1)を、スパッタロールコート装置に装填し、DCマグネトロンスパッタにより、酸素を反応性ガスに用いた反応性スパッタでSiをターゲットとして用いて、樹脂製基材(1)上に膜厚60nmのSiOx(x=1.8,XPSによる)の成膜を行って、これを第一のバリア層とした。
[オーバーコート層の形成]
上記で形成した第一のバリア層に、ロール巻き出し装置、マイクログラビアコーター、乾燥炉、UV照射装置、ロール巻取り装置を備える連続塗工機にて、エポキシアクリレートプレポリマー100重量部、ジエチレングリコール200重量部、酢酸エチル100重量部、ベンゼンエチルエーテル2重量部、およびシランカップリング剤1重量部の均一混合溶液を、連続塗工機のマイクログラビアコーターで塗布し、120℃の乾燥ゾーンを通過させた後、紫外線を照射して、5μmの厚さのオーバーコート層を形成した。
[第二のバリア層の形成]
オーバーコート層を形成した樹脂製基材(1)を、リワインダーで巻き返し、つづいて、このオーバーコート層と反対面に第二のバリア層を成膜するために、スパッタロールコート装置に装填し、DCマグネトロンスパッタにより、酸素を反応性ガスに用いた反応性スパッタでSiをターゲットとして用いて、第一のバリア層の対面に膜厚60nmのSiOx(x=1.8,XPSによる)の成膜を行って、これを第二のバリア層とした。
上記のように第二のバリア層まで形成した樹脂製基材(1)をJIS K 7129Bに規定される測定法に基づき40℃90%RH時の水蒸気透過率を測定したところ、0.01g/(m2・24hr)以下であった。
[ブラックマトリックスの形成]
上記の第一および第二のバリア層を成膜した樹脂製基材の第二のバリア層上に、下記の組成のブラックマトリックス形成用組成物を、ウェット状態で厚み;10μmになるようダイコーターを用いて塗布し、乾燥後、温度;90℃の条件で2分間プリベークして2μmの厚みのブラックマトリックス層を形成した。
(ブラックマトリックス形成用塗料組成物)
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(モル比=73/27) 150部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 80部
・カーボンブラック分散液 150部
・光重合開始剤(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1) 2.5部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 600部
※部数はいずれも質量基準
その後、上流側に巻き出し装置、下流側に巻き取り装置を備えた露光装置に、上記で得られたブラックマトリックス層付き樹脂製基材を通し、露光装置の入口側および出口側に設置されたニップローラ対を駆動して、連続状の樹脂製基材を搬送した。この搬送状態において、樹脂製基材にかかるテンションは、2kg/300mm幅であった。
露光装置の本体の温度は23℃±0.1℃になるよう、また、相対湿度は60%±1%になるよう、それぞれ調整した。
上記樹脂製基材を露光台上に吸着固定した後、樹脂製基材の塗膜表面とパターン(フォトマスク)との間隔(ギャップ)が100μmになるよう自動調整した。また樹脂製基材の露光位置は、樹脂製基材の端面からの距離を自動検出して、樹脂製基材からフォトマスクパターン位置が一定距離になるよう自動調整後に露光を行った。光源としては、高圧水銀ランプを用いて、露光エリアを200mm×200mmとして、I線(波長;365nm)を用い、15mw/cmの照度で20秒間露光し、300mJ/cmの露光量とした。
現像処理は、露光機の下流側に現像装置を設置して行った。露光処理後の樹脂製基材を400mm/minの一定速度で搬送し、第二のバリア層を成膜した樹脂製基材上に所定のパターンのブラックマトリックスが積層されたブラックマトリクス付き樹脂製基材を得た。
ブラックマトリックスで形成されたアライメントマークを寸法測定機(ニコン製NEXIV VMR−6555)で温度;23℃±0.1℃、相対湿度;60%±1%の条件で搬送方向(MD)、搬送方向に垂直な方向(TD)での寸法変化を測定した結果、フォトマスクの寸法値MD:100.000mm、TD:100.000mmに対して、実際に樹脂製基材上に形成されたパターンの寸法は、MD:99.998mm、TD:100.001mm であった。
その後、ベーク炉にて200℃、30分のポストベークを行いブラックマトリックスを熱キュアした。得られたブラックマトリックスを、前記同条件(温度;23℃±0.1℃、相対湿度;60%±1%)で測定したところ、樹脂製基材上に形成されたパターンの寸法は、MD:99.998mm、TD:100.001mmであった。
[RGB着色層の形成]
前記ブラックマトリックスが形成された樹脂製基材の上に、下記の組成の着色パターン形成用組成物を、ウェット状態で厚み;10μmになるようダイコーターを用いて塗布し、乾燥後、温度;90℃の条件で2分間プリベークして2μmの厚みの着色パターン形成用組成物付き樹脂製基材を得た。
以下に、赤色の着色パターン形成用組成物の組成を示すが、赤色顔料を任意の緑色顔料にするとGREENの着色パターン形成用組成物が得られ、青色顔料にするとBLUEの着色パターン形成用組成物が得られる。
(着色パターン形成用組成物)
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(モル比=73/27) 50部
・トリメチロールプロパントリアクリレート 40部
・赤色顔料(C.I.Pigment Red 177) 90部
・光重合開始剤(2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパノン−1) 1.5部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 600部
※部数はいずれも質量基準
上流側に巻き出し装置、下流側に巻き取り装置を備えた露光装置に、上記で得られた着色パターン形成用組成物付き樹脂製基材を通し、露光装置の入口側および出口側に設置されたニップローラ対を駆動して、連続状の着色パターン形成用組成物付き樹脂製基材を搬送した。この搬送状態において、着色パターン形成用組成物付き樹脂製基材にかかるテンションは、2kg/300mm幅であった。
露光装置の本体の温度は23℃±0.1℃になるよう、また、相対湿度は60%±1%になるよう、それぞれ調整した。
着色パターン形成用組成物付き樹脂製基材を露光台上に吸着固定した後、着色パターン形成用組成物付き樹脂製基材の塗膜表面とパターン(フォトマスク)との間隔(ギャップ)が100μmになるよう自動調整した。また着色パターン形成用組成物付き樹脂製基材の露光位置は、着色パターン形成用組成物付き樹脂製基材の端面からの距離を自動検出して、着色パターン形成用組成物付き樹脂製基材からフォトマスクパターン位置が一定距離になるよう自動調整後、前記ブラックマトリックス形成時に同時形成したアライメントマークを用いてRED用フォトマスクとアライメントを行った後、露光を行った。光源としては、高圧水銀ランプを用いて、露光エリアを200mm×200mmとして、I線(波長;365nm)を用い、15mw/cmの照度で20秒間露光し、100mJ/cmの露光量とした。
現像は、露光機の下流側に現像装置を設置して行った。露光処理後の樹脂製基材を400mm/minの一定速度で搬送し、樹脂製基材上のブラックマトリックスの開口部の所定位置にRED着色層が積層された樹脂製基材を得た。その後、ベーク炉にて200℃、30分のポストベークを行いRED着色層を熱キュアした。
上記REDと同様の方法で繰り返しGREEN、BLUEの着色層形成を行い、第二のバリア層を成膜した樹脂製基材上にブラックマトリックスおよびRGBの着色層が形成されたカラーフィルタが得られた。
なお、BLUE着色層のポストベーク処理後に、ブラックマトリックスを、前記と同じ条件(温度;23℃±0.1℃、相対湿度;60%±1%)で測定したところ、プラスチックフィルム上に形成されたパターンの寸法は、MD:99.999mm、TD:100.002mmであった。
ブラックマトリックスの寸法変化は1層目(ブラックマトリックス層)の現像後から4層目(BLUE層)のポストベーク後までの製造工程において10ppmであり、これにより樹脂製基材上に4インチサイズで解像度が200ppi(BM線幅7μm、ピッチ42μm)にて、画素ズレを生じさせずにカラーフィルタを形成することができた。
[ITO電極層の形成]
続いて、このカラーフィルタをスパッタロールコート装置に装填し、DCスパッタにより酸素を反応ガスに用いた反応性スパッタでITO(indium tin oxide)をターゲットとして用い、ブラックマトリックスおよびRGBの着色層上に膜厚150nmのITOの成膜を行い、これをITO電極層とした。
[パターンスペーサの形成]
(ドライフィルムの準備)
パターンスペーサ形成用のドライフィルムとして、厚み;25μmのPETベースフィルム上に、ネガ型感光性樹脂からなるパターンスペーサ形成用組成物を、ウェット状態で厚み;20μmになるようダイコーターを用いて塗布し、乾燥後、温度;90℃の条件で2分間プリベークして5μmの厚みとした。その後、その上に、厚み25μmのPETカバーフィルムをラミネートし、パターンスペーサ形成用ドライフィルムとした。
(積層原反の作成)
上記で得られたブラックマトリックス、RGB着色層、およびITO電極層が形成された樹脂製基材の上に、カバーフィルムを予め剥離したパターンスペーサ形成用ドライフィルムをパターンスペーサ形成用組成物がITO電極層と向かい合うように積層して、パターンスペーサ形成用組成物層を、ローラ圧;5kg/cm、ローラ表面温度;120℃、および速度;800mm/minの条件にて、連続的に転写した。この際、ベースフィルムは剥離せず、パターンスペーサ形成用組成物上に付いた状態で次の露光工程へと進めた。
(露光処理工程)
上流側に巻き出し装置、下流側に巻き取り装置を備えた露光装置に、上記で得られた積層原反を通し、露光装置の入口側および出口側に設置されたニップローラ対を駆動して、連続状の積層原反を搬送した。この搬送状態において、積層原反にかかるテンションは、2kg/300mm幅であった。
露光装置の本体の温度は23℃±0.1℃になるよう、また、相対湿度は60%±1%になるよう、それぞれ調整した。
積層原反を露光台上に吸着固定した後、積層原反のベースフィルムとパターン(フォトマスク)との間隔(ギャップ)を30μmになるよう自動調整した。また積層原反のパターンの露光位置は、積層原反の端面からの距離を自動検出して、この検出結果にしたがって積層原反からフォトマスクパターン位置が一定距離になるよう自動調整後、前記ブラックマトリックス形成時に同時形成したアライメントマークを用いてパターンスペーサ用フォトマスクとアライメントを行った後、露光を行った。光源としては、高圧水銀ランプを用いて、露光エリアを200mm×200mmとして、I線(波長;365nm)を用い、15mW/cmの照度で20秒間露光し、300mJ/cmの露光量とした。
(現像処理・ポストベーク処理工程)
現像処理は、露光機の下流側に現像装置を設置し、この現像装置内で露光後の積層原反のベースフィルムを剥離しながら、400mm/minの一定速度で搬送しながら行って、前記ブラックマトリックス、RGB着色層、およびITO電極層が形成された樹脂製基材のブラックマトリックスの格子パターン部の所定位置にパターンスペーサが形成されたカラーフィルタを得た。その後、ベーク炉にて200℃、30分のポストベーク処理を行って、パターンスペーサを熱キュアした。
このようにして、樹脂製基材(1)上にブラックマトリックス、RGB着色層、ITO電極層、およびパターンスペーサが形成されたスペーサ付表示装置用基板が得られた。
[評価]
微小硬度計を用いて前記スペーサ付表示装置用基板の変位量および不可逆変位量を測定した結果、パターンスペーサ面積144μm(12μm×12μm)、高さ5.5μm、押し込み圧20mN/10sec、保持時間(クリープ時間)5秒において、変位量は1.8μmであり、不可逆変位量は、0.3μm、可逆変位量は1.5μmであった。
なお上記パターンスペーサを同条件によりガラス基板上(NHテクノグラス社製 NA35 0.7mm厚)に作製し、可逆変位量および不可逆変位量を求めた場合には、変位量は1.3μmであり、不可逆変位量は0.7μm、可逆変位量は0.6μμmであった。
したがって、上記スペーサ付液晶表示装置用基板の変位量は、パターンスペーサのみの変位量より大きく、また不可逆変位量は、パターンスペーサのみの不可逆変位量より小さいものであった。
また上記樹脂製基材(1)の100μ厚の硬度は樹脂のビッカース硬度が147N/mmであり、無機材料のビッカース硬度が3773N/mmであった。またパターンスペーサのビッカース硬度は254N/mmであった。
本発明の樹脂製基材の熱膨張係数は、樹脂および無機材料の特性により熱膨張係数(CTE)が12ppmと非常に小さく、パターンスペーサの位置精度も良好であった。また、対向基板との貼り合せも、位置ズレを発生することなく表示装置を形成することができた。
<比較例>
ガラス基板(NHテクノグラス社製 NA35 0.7mm厚)を用いた以外は、実施例と同様に、スペーサ付表示装置用基板を作製した。微小硬度計を用いて上記スペーサ付表示装置用基板の変位量および不可逆変位量を測定した結果、パターンスペーサ面積144μm(12μm×12μm)、高さ5.5μm、押し込み圧20mN/10sec、保持時間(クリープ時間)5秒において、変位量は1.3μmであり、不可逆変位量は、0.7μm、可逆変位量は0.6μmであった。
なお上記パターンスペーサを同条件によりガラス基板上(NHテクノグラス社製 NA35 0.7mm厚)に作製し、可逆変位量および不可逆変位量を求めた場合には、変位量は1.3μmであり、不可逆変位量は0.7μm、可逆変位量は0.6μmであった。
また上記ガラス基板の100μ厚のビッカース硬度は3790N/mmであった。またパターンスペーサのビッカース硬度は254N/mmであった。
本発明のスペーサ付表示装置用基板の一例を示す概略断面図である。 本発明のスペーサ付表示装置用基板のパターンスペーサ部を説明するための説明図である。 本発明のカラーフィルタの一例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 …樹脂製基材
2 …パターンスペーサ
3 …着色層

Claims (9)

  1. 樹脂製基材と、前記樹脂製基材上の所定の位置に形成されたパターンスペーサとを有するスペーサ付表示装置用基板であって、
    前記パターンスペーサの垂直方向から前記スペーサ付表示装置用基板に荷重をかけた際の前記スペーサ付表示装置用基板の変位量が、前記パターンスペーサのみに前記荷重をかけた際の変位量より大きく、かつ前記スペーサ付表示装置用基板に前記荷重をかけた際の前記スペーサ付表示装置用基板の不可逆変位量が、前記パターンスペーサのみに前記荷重をかけた際の不可逆変位量より小さいことを特徴とするスペーサ付表示装置基板。
  2. 前記樹脂製基材の硬度を1としたときに、前記パターンスペーサの硬度が0.07〜20の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のスペーサ付表示装置用基板。
  3. 前記樹脂製基材の硬度が50N/mm2〜1000N/mmの範囲内であることを特徴とする請求項2に記載のスペーサ付表示装置用基板。
  4. (前記スペーサ付表示装置用基板の前記不可逆変位量/前記スペーサ付表示装置用基板の前記変位量)が0〜0.5の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載のスペーサ付表示装置用基板。
  5. 前記パターンスペーサの前記樹脂製基材との接触面の面積が25μm〜10000μmの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載のスペーサ付表示装置用基板。
  6. 500μm×500μmのエリア内に形成されている前記パターンスペーサの前記樹脂製基材との接触面の面積の合計が、25μm〜60000μmの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載のスペーサ付表示装置用基板。
  7. 前記樹脂製基材が長尺であることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかの請求項に記載のスペーサ付表示装置用基板。
  8. 前記樹脂製基材が、架橋性樹脂と無機材料とを含有することを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかの請求項に記載のスペーサ付表示装置用基板。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれかの請求項に記載のスペーサ付表示装置用基板の前記樹脂製基材上に着色層が形成されていることを特徴とするカラーフィルタ。
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