JP2007304179A - カラーフィルタおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、液晶層と接着部とが接触しない構造を有する液晶表示装置を得ることができ、さらに液晶材料と接着材料とが接触し難いカラーフィルタを提供することを主目的とするものである。
【解決手段】本発明は、基材と、上記基材の画素領域上に形成された着色層と、上記画素領域の外側の領域上に、上記画素領域を囲むように形成された壁部と、上記壁部の外側側面に形成された接着部と、上記画素領域上に形成された柱状スペーサとを有し、上記壁部および上記柱状スペーサの少なくとも一方の上底面に撥液層が形成されていることを特徴とするカラーフィルタを提供することにより、上記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶表示装置の製造に用いられるカラーフィルタ、およびその製造方法に関するものである。
液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)表示装置および電子ペーパー等のフラットパネルディスプレイは、薄型省スペースの表示装置として広く用いられている。これらの表示装置のうち、特に液晶表示装置の分野においては、液晶表示装置のカラー化が顕著である。
液晶表示装置は、通常、カラーフィルタと、液晶駆動側基板(対向基板)と、両者の間に液晶材料が封入された薄い液晶層とを有し、液晶駆動側基板により液晶層内の液晶配列を電気的に制御して表示側基板の透過光または反射光の量を選択的に変化させることによって表示を行う。
また、液晶表示装置の液晶層は、通常、カラーフィルタと液晶駆動側基板との間に形成された接着部により封止されており、液晶層に含まれる液晶材料が直接接着部と接触する構造となっている。そのため、用いられる接着材料には、液晶材料の劣化を引き起こさない特性が要求され、使用可能な接着材料の種類が限定される、という問題があった。また同様に、液晶材料と接着材料との接触を防止するための工夫等が求められていた。
なお、近年、特に携帯電話等の携帯機器用の表示装置において、更なる薄型・軽量化のためにガラスに替えてプラスチックフィルムを基材に用いることが提案されている(特許文献1)。また、液晶表示装置の液晶層を形成する方法の一つとして、例えばODF(One Drop Fill)法が提案されている。
特開2000−284303公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、液晶層と接着部とが接触しない構造を有する液晶表示装置を得ることができ、さらに液晶材料と接着材料とが接触し難いカラーフィルタを提供することを主目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明においては、基材と、上記基材の画素領域上に形成された着色層と、上記画素領域の外側の領域上に、上記画素領域を囲むように形成された壁部と、上記壁部の外側側面に形成された接着部と、上記画素領域上に形成された柱状スペーサとを有し、上記壁部および上記柱状スペーサの少なくとも一方の上底面に撥液層が形成されていることを特徴とするカラーフィルタを提供する。
本発明によれば、上記壁部および上記柱状スペーサの少なくとも一方の上底面に撥液層が形成されていることから、壁部の上底面における液晶材料と接着材料との接触防止や、柱状スペーサの上底面における透明導電膜の堆積防止等を図ることができる。また、本発明によれば、画素領域を囲むように壁部が形成され、さらにその壁部の外側側面に接着部が形成されているため、本発明のカラーフィルタを用いることにより、接着部が液晶層等と直接接触しない構造の液晶表示装置を得ることができる。
また、上記発明においては、上記着色層上に、親液層が形成されていることが好ましい。例えば液体透明導電膜材料を用いて透明導電膜を形成する場合に、液体透明導電膜材料が親液層上で良く濡れ広がり、均一な透明導電膜を得ることができるからである。
また、上記発明においては、上記撥液層および上記親液層が、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により濡れ性が変化する濡れ性変化層から形成されることが好ましい。パターン状にエネルギー照射を行うことにより、露光する領域を親液層とし、露光しない領域を撥液層とすることができ、親液層および撥液層を容易に形成することができるからである。
また、上記発明においては、上記親液層上に、透明導電膜が形成されていることが好ましい。親液層上が形成されることで、均一な透明導電膜を得ることができるからである。
また、上記発明においては、上記柱状スペーサと上記壁部とが同一材料により形成されていることが好ましい。同一材料を用いて製造することで、製造効率の向上を図ることができるからである。
また、上記発明においては、上記接着部の外側側面に外側補助壁部が形成されていることが好ましい。外側補助壁部を設けることにより、カラーフィルタと対向基板とを密着する際に、接着部が型崩れすることを防止できるからである。
また、本発明においては、基材と、上記基材の画素領域上に形成された着色層と、上記画素領域の外側の領域上に、上記画素領域を囲むように形成された壁部と、上記画素領域上に形成された柱状スペーサとを有するカラーフィルタ形成用基板を用い、上記壁部の上底面、上記柱状スペーサの上底面、および上記着色層上に、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により撥液性から親液性に濡れ性が変化する濡れ性変化層を形成する濡れ性変化層形成工程と、上記着色層上に形成された濡れ性変化層にエネルギー照射をすることにより、親液層を形成する親液層形成工程と、を有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法を提供する。
本発明によれば、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により撥液性から親液性に濡れ性が変化する濡れ性変化層を形成することにより、撥液層と親液層とを所定の位置に容易に形成することができる。
本発明においては、壁部の上底面における液晶材料と接着材料との接触防止や、柱状スペーサの上底面における透明導電膜の堆積防止等を図ることができるカラーフィルタを提供することができるという効果を奏する。
以下、本発明のカラーフィルタおよびその製造方法について説明する。
A.カラーフィルタ
まず、本発明のカラーフィルタについて説明する。本発明のカラーフィルタは、基材と、上記基材の画素領域上に形成された着色層と、上記画素領域の外側の領域上に、上記画素領域を囲むように形成された壁部と、上記壁部の外側側面に形成された接着部と、上記画素領域上に形成された柱状スペーサとを有し、上記壁部および上記柱状スペーサの少なくとも一方の上底面に撥液層が形成されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、上記壁部および上記柱状スペーサの少なくとも一方の上底面に撥液層が形成されていることから、壁部の上底面における液晶材料と接着材料との接触防止や、柱状スペーサの上底面における透明導電膜の堆積防止等を図ることができる。すなわち、液晶表示装置を作製する際に、壁部を介して液晶層と接着部とが配置されるが、この場合に壁部の上底面に撥液層を設けることにより、液晶材料のはみ出しを防止でき、液晶材料と接着材料とを接触し難くすることができるのである。一方、例えば、液体透明導電膜材料を用いインクジェット法等により透明導電膜を形成する場合、柱状スペーサの上底面に撥液層を設けることにより、柱状スペーサの上底面に透明導電膜等が堆積し難くすることができる。
また、本発明によれば、画素領域を囲むように壁部が形成され、さらにその壁部の外側側面に接着部が形成されているため、本発明のカラーフィルタを用いることにより、接着部が液晶層等と直接接触しない構造の液晶表示装置を得ることができる。そのため、接着部が液晶材料を劣化させることを防止でき、耐久性に優れた液晶表示装置を得ることができる。さらに、接着部が液晶層等と直接接触しないため、幅広い種類の接着材料を使用することができる。また、本発明によれば、画素領域を囲むように壁部が形成されており、その壁部を土手として用いることにより、液体材料で透明導電膜や配向膜等を形成することができる。その結果、製造工程が簡略化され、製造効率の向上を図ることができる。
次に、本発明のカラーフィルタについて図面を用いて説明する。図1(a)は、本発明のカラーフィルタの一例を示す概略断面図である。図1(a)に示すカラーフィルタは、基材1と、基材1の画素領域2上に形成された着色層3および遮光部4と、画素領域2の外側の領域上に、画素領域2を囲むように形成された壁部5と、壁部5の外側側面に形成された接着部6と、遮光部4上に形成された柱状スペーサ7とを有し、壁部5および柱状スペーサ7の上底面に撥液層8が形成されている。さらに、図1(a)においては、壁部5の内側側面に、遮光部4と同一材料からなる内側補助壁部9が形成されている。なお、本発明においては、壁部5および柱状スペーサ7の少なくとも一方の上底面に撥液層8が形成されていればよい。また図1(b)は、図1(a)に示されるカラーフィルタの概略平面図である。
また、本発明において、画素領域とは、カラーフィルタが用いられて液晶表示装置が製造された際、液晶表示領域として用いられることとなる部分をいうこととする。また、基材上における画素領域の位置は特に限定されるものではなく、製造装置や基材の形状等に応じて適宜選択されることとなる。また通常、上記カラーフィルタの基材の画素領域上には柱状スペーサが設けられ、各着色層間には遮光部が形成されることとなる。
以下、本発明のカラーフィルタについて構成ごとに説明する。
1.撥液層
まず、本発明に用いられる撥液層について説明する。本発明においては、後述する壁部および柱状スペーサの少なくとも一方の上底面に撥液層が形成される。中でも、本発明においては、上記壁部および上記柱状スペーサの両方の上底面に撥液層が形成されていることが好ましい。壁部の上底面における液晶材料と接着材料との接触防止、および柱状スペーサの上底面における透明導電膜の堆積防止等を図ることができるからである。
上記撥液層においては、表面張力40mN/mの液体との接触角が10°以上、中でも表面張力30mN/mの液体との接触角が10°以上、特に表面張力20mN/mの液体との接触角が10°以上であることが好ましい。
なお、ここでいう液体との接触角は、種々の表面張力を有する液体との接触角を接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定(マイクロシリンジから液滴を滴下して30秒後)し、その結果から、もしくはその結果をグラフにして得たものである。また、この測定に際して、種々の表面張力を有する液体としては、純正化学株式会社製のぬれ指数標準液を用いた。
上記撥液層の厚みとしては、壁部の上底面における液晶材料と接着材料との接触防止、および柱状スペーサの上底面における透明導電膜の堆積防止等を図ることができれば特に限定されるものではないが、通常、0.001μm〜10μmの範囲内である。
また、上記撥液層の材料としては、液晶材料と接着材料との接触防止等を図ることができるものであれば特に限定されるものではなく、一般的な撥液性材料を用いることができる。上記撥液層は、例えば、それ自体が撥液性を有するフッ素樹脂等を含有する層であってもよく、上記壁部や上記柱状スペーサの上底面をフッ素系のプラズマ処理を行うことにより形成される層であってもよい。
また、本発明においては、上記撥液層が、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により、濡れ性が変化する濡れ性変化層から形成されることが好ましい。具体的には、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により、液体との接触角が低下する層から形成されることが好ましい。ここで、液体との接触角が低下するということは、より親液性が増すため、撥液層としては好ましくないようにも考えられるが、例えば、カラーフィルタ全面に濡れ性変化層を形成し、着色層上の領域だけエネルギー照射を行うことにより、着色層上に親液層を簡便に形成することができるという利点を有する。なお、壁部および柱状スペーサの上底面に形成された濡れ性変化層は、エネルギー照射が行なわれないため、撥液性が維持され、撥液層として機能する。
上記濡れ性変化層の構成としては、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により濡れ性が変化するものであれば特に限定されるものではない。例えば、光触媒と、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により濡れ性が変化する濡れ性変化材料とを有する濡れ性変化層;少なくとも光触媒を含有する光触媒含有層と、その光触媒含有層上に形成され上記濡れ性変化材料を含有する濡れ性可変層と、を有する濡れ性変化層;および濡れ性変化材料を含有するが、光触媒を含有しない濡れ性変化層であって、別途形成した光触媒を含有する光触媒含有層を、上記濡れ性変化層の近傍に対向させ、この光触媒含有層中の光触媒の作用により、濡れ性を変化させるもの等を挙げることができる。なお、このような光触媒および濡れ性変化材料等については、例えば、特開2001−074928公報、特開2003−209339公報および特開2003−222626公報等に示されるものを用いることができる。
中でも、本発明においては、上記濡れ性変化層が、濡れ性変化材料を含有するが、光触媒を含有しない濡れ性変化層であって、別途形成した光触媒を含有する光触媒含有層を、上記濡れ性変化層の近傍に対向させ、この光触媒含有層中の光触媒の作用により、濡れ性を変化させるものであることが好ましい。濡れ性変化層が光触媒を含まないため、液晶表示装置等を製造した後に、光触媒が液晶表示装置に悪影響を与える可能性がないからである。
2.親液層
次に、本発明に用いられる親液層について説明する。本発明においては、後述する着色層上に親液層が形成されていることが好ましい。例えば液体透明導電膜材料を用いて透明導電膜を形成する場合に、液体透明導電膜材料が親液層上で良く濡れ広がり、均一な透明導電膜を得ることができるからである。なお、本発明においては、上記着色層と上記親液層との間に、保護層が形成されていてもよい。また、本発明においては、着色層上に限らず、壁部で囲まれる任意の領域上に親液層が形成されていてもよい。
上記親液層においては、表面張力40mN/mの液体との接触角が9°未満、中でも表面張力50mN/mの液体との接触角が10°以下、特に表面張力60mN/mの液体との接触角が10°以下であることが好ましい。なお、液体との接触角は、上述した撥液層の場合と同様の方法により測定することができる。
上記親液層の厚みとしては、透明導電膜等を作成する際に充分な親液性を発揮することができれば特に限定されるものではないが、通常、0.001μm〜10μmの範囲内である。
また、上記親液層の材料としては、透明導電膜等を作成する際に充分な親液性を発揮することができれば特に限定されるものではなく、一般的な親液性材料を用いることができる。
特に、本発明においては、上記親液層が、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により濡れ性が変化する濡れ性変化層から形成されることが好ましい。具体的には、上述した「1.撥液層」に記載した濡れ性変化層にエネルギー照射して形成されたものであることが好ましい。エネルギー照射により容易に親液層を形成することができるからである。
また、本発明においては、上記撥液層および上記親液層が、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により濡れ性が変化する濡れ性変化層から形成されることが好ましい。パターン状にエネルギー照射を行うことにより、露光する領域を親液層とし、露光しない領域を撥液層とすることができ、親液層および撥液層を容易に形成することができるからである。
また、本発明においては、上記親液層上に透明導電膜が形成されていることが好ましい。親液層上が形成されることで、均一な透明導電膜を得ることができるからである。
3.壁部
次に、本発明に用いられる壁部について説明する。本発明に用いられる壁部は、基材の画素領域の外側の領域上に、上記画素領域を囲むように形成されるものである。例えば、液体透明導電膜材料を用いて透明導電膜を形成する場合や、液体光配向材料を用いて配向膜を形成する場合等は、上記壁部が土手の役割を果たす。さらに液晶材料とシール剤とを分離するための土手の役割も果たす。
上記壁部の形状としては、特に限定されるものではなく、画素領域の形状や、後述する基材の種類等により適宜選択される。また、上記壁部が形成される位置としては、上記画素領域の外側であれば特に限定されるものではない。
上記壁部の幅としては、カラーフィルタの大きさ等により異なるものであるが、例えば5μm〜5000μmの範囲内、中でも20μm〜1000μmの範囲内であることが好ましい。上記壁部の幅が小さすぎると、土手としての機能を充分に発揮できない可能性があり、上記壁部の幅が大きすぎると、カラーフィルタが必要以上に巨大化し、液晶表示装置にした際に、未機能の表示面積が大きくなり、単位面積あたりの表示領域が低下するからである。
また、上記壁部の高さとしては、特に限定されるものではないが、画素領域上に柱状スペーサが形成された場合における、基材表面から柱状スペーサの上底面までの高さと、同等またはそれ以下であることが好ましい。上記壁部の高さとしては、具体的には0.5μm〜10μmの範囲内、中でも1μm〜8μmの範囲内であることが好ましい。
上記壁部の材料としては、例えば感光性樹脂と、光重合開始剤と、必要に応じて染料または顔料等とを含有する感光性樹脂組成物等を挙げることができる。これらは、一般的なカラーフィルタにおける樹脂ブラックマトリックスの形成や着色パターンの形成に用いられる材料と同様にすることができ、また染料または顔料等を含有しない感光性樹脂組成物等は柱状スペーサの形成に用いられる材料と同様とすることができ、例えば特開平11−174464号公報に記載されているような材料を用いることができる。なお、これら上記顔料を含有する感光性樹脂組成物は、顔料分散型着色感材と呼ばれるものである。
また、本発明に用いられる壁部は、一般的なカラーフィルタにおける柱状スペーサと同様の方法により形成することができる。例えばフォトリソグラフィー法や転写法等を挙げることができる。特に、本発明においては、上記壁部が転写法により形成されたものであることが好ましい。転写法を用いて形成されたものである場合には、後述する基材に凹凸がある場合等であっても、壁部の高さを一定のものとすることが可能となるからである。なお、上記転写法による壁部の形成については、後述する「B.カラーフィルタの製造方法」で説明するので、ここでの説明は省略する。
また、本発明においては、上記画素領域と上記壁部との間の基材表面上に、内側補助壁部が形成されていることが好ましい。内側補助壁部を設けることにより、例えば、液体透明導電膜材料を用いて透明導電膜を形成する場合に、内側補助壁部が土手として機能し、均一な透明導電膜を得ることができるからである。
上記内側補助壁部が形成される位置としては、上記画素領域と上記壁部との間の基材表面上であれば、特に限定されるものではない。具体的には、上記壁部の内側側面に接触するように形成される場合、上記壁部から所定の間隔を空けて形成される場合等を挙げることができる。
上記内側補助壁部の材料としては、上述した土手の機能を発揮することができるものであれば、特に限定されるものではない。中でも、本発明においては、上記内側補助壁部が、着色層、遮光部、または着色層や遮光部を保護する保護膜に用いられる材料と同一の材料により形成されていることが好ましい。同一材料を用いて製造することで、製造効率の向上を図ることができるからである。
また、上記内側補助壁部は、上記着色層、上記遮光部または上記保護膜と同時に形成されたものであってもよく、また別々に形成されたものであってもよい。本発明においては、特に上記内側補助壁部が、上記着色層、上記遮光部または上記保護膜と同一の材料を用いて同時に形成されたものであることが好ましい。これにより、内側補助壁部を形成する工程を別途行う必要がなく、製造効率等の面から好ましいからである。
また、上記内側補助壁部の幅としては、上述した土手の機能を発揮することができるものであれば、特に限定されるものではないが、通常5μm〜5000μmの範囲内である。なお、上記内側補助壁部が、上記着色層、上記遮光部または上記保護膜と同一の材料を用いて同時に形成されたものである場合、通常、上記内側補助壁部の高さは、上記着色層、上記遮光部または上記保護膜の高さと一致する。
また、本発明においては、上記基材と上記壁部との間に、台座部が形成されていることが好ましい。台座部を設けることにより、基材から壁部の上底面までの高さを任意に調節することができるからである。また、例えば、本発明のカラーフィルタが内側補助壁部を有しない場合には、上記台座部が、上記内側補助壁部の代わりに土手として機能する。
上記台座部の材料としては、上記壁部を支持することができるものであれば、特に限定されるものではない。中でも、本発明においては、上記台座部が、着色層、遮光部、または着色層や遮光部を保護する保護膜に用いられる材料と同一の材料により形成されていることが好ましい。同一材料を用いて製造することで、製造効率の向上を図ることができるからである。
また、上記台座部は、上記着色層、上記遮光部または上記保護膜と同時に形成されたものであってもよく、また別々に形成されたものであってもよい。本発明においては、特に上記台座部が、上記着色層、上記遮光部または上記保護膜と同一の材料を用いて同時に形成されたものであることが好ましい。これにより、台座部を形成する工程を別途行う必要がなく、製造効率等の面から好ましいからである。
また、上記台座部の幅は、通常、上記壁部の幅と同等またはそれ以上となるように設定される。なお、上記台座部が、上記着色層、上記遮光部または上記保護膜と同一の材料を用いて同時に形成されたものである場合、通常、上記台座部の高さは、上記着色層、上記遮光部または上記保護膜の高さと一致する。
また、本発明においては、後述する接着部の外側側面に外側補助壁部が形成されていることが好ましい。外側補助壁部を設けることにより、カラーフィルタと対向基板とを密着する際に、接着部が型崩れすることを防止できるからである。外側補助壁部を有するカラーフィルタとしては、例えば図2に示すように、基材1上に形成された壁部5および外側補助壁部10の間に、二液混合タイプの接着材料AおよびBを互いに接触しないように配置してなる接着部6を有するもの等を挙げることができる。このような場合は、密着時に互いの接着材料が良く混合するように、接着部6が、壁部5および外側補助壁部10よりも高いことが好ましい。なお、図2において、撥液層8は壁部5の上底面に形成されている。
また、上記外側補助壁部の材料としては、特に限定されるものではなく、上述した壁部の材料と同様の材料を用いることができる。中でも、本発明においては、上記外側補助壁部と、上記壁部とが同一材料により形成されていることが好ましい。同一材料を用いて製造することで、製造効率の向上を図ることができるからである。
また、上記外側補助壁部は、上記壁部および上記柱状スペーサの少なくとも一方と同時に形成されたものであってもよく、また別々に形成されたものであってもよい。本発明においては、特に上記外側補助壁部が、上記壁部および上記柱状スペーサと同一の材料を用いて同時に形成されたものであることが好ましい。これにより、外側補助壁部を形成する工程を別途行う必要がなく、製造効率等の面から好ましいからである。
また、上記外側補助壁部の幅としては、接着部の型崩れを防止することができれば特に限定されるものではないが、通常5μm〜5000μmの範囲内である。また、上記外側補助壁部の高さは、上記壁部の高さよりも低いことが好ましい。接着材料が液晶層等に流入し難くなるからである。また、上記壁部と上記外側補助壁部との距離としては、接着材料の種類等により異なるものであるが通常100μm〜10000μmの範囲内である。
4.柱状スペーサ
次に、本発明に用いられる柱状スペーサについて説明する。本発明に用いられる柱状スペーサは、上記画素領域上に形成されるものである。上記柱状スペーサが形成される位置としては、上記画素領域上であれば特に限定されるものではないが、通常、遮光部上に形成される。また、上記柱状スペーサの材料としては、一般的なカラーフィルタの柱状スペーサに用いられる材料と同様の材料を用いることができる。
本発明においては、上記柱状スペーサと上記壁部とが同一材料により形成されていることが好ましい。同一材料を用いて製造することで、製造効率の向上を図ることができるからである。
また、上記柱状スペーサは、上記壁部と同時に形成されたものであってもよく、また別々に形成されたものであってもよい。本発明においては、特に上記柱状スペーサが、上記壁部と同一の材料を用いて同時に形成されたものであることが好ましい。これにより、壁部を形成する工程を別途行う必要がなく、製造効率等の面から好ましいものとすることができるからである。
5.接着部
次に、本発明に用いられる接着部について説明する。本発明に用いられる接着部は、上記壁部の外側側面に形成されるものであり、カラーフィルタと対向基板とを密着する際に、接着性を発現するものである。
上記接着部を構成する接着材料としては、カラーフィルタと対向基板とを密着する際に、接着性を発現するものであれば特に限定されるものではない。例えば、二液混合タイプの接着材料および光硬化性接着材料等を挙げることができる。二液混合タイプの接着材料は、密着時に互いの接着材料が接触することで接着性を発現する。光硬化性接着材料は、密着時に光照射を受けることにより接着性を発現する。これらの接着材料の種類は特に限定されるものではなく、市販の接着材料等を用いることができる。
また、上記接着部を形成する方法としては、壁部の外側側面に接着部を形成することができる方法であれば特に限定されるものではなく、一般的な塗布方法を用いることができる。中でも、本発明においては、ディスペンサを用いる方法が好ましい。
また、本発明において、上記接着部は、通常、上記壁部の外側側面に形成されるものであるが、上記壁部の外側側面ではなく頂上面に接着部が形成されていても良い。この場合、上記壁部の頂上面に形成される撥液層は、接着部よりも液晶層側に形成される。このようなカラーフィルタとしては、例えば図3に示すように、基材1と、基材1の画素領域2上に形成された着色層3および遮光部4と、画素領域2の外側の領域上に、画素領域2を囲むように形成された壁部5と、壁部5の上底面に形成された撥液層8および接着部6と、遮光部4上に形成された柱状スペーサ7と、壁部5の内側側面に形成された内側補助壁部10とを有し、柱状スペーサ7の上底面に撥液層8が形成されているもの等を挙げることができる。ここで、図3に示されるように、撥液層8は、接着部6よりも液晶層側に形成される。上記接着部を形成する方法としては、壁部の上底面に接着部を形成することができる方法であれば特に限定されるものではなく、一般的な塗布方法を用いることができる。中でも、二液混合タイプの接着材料を用いる場合は、インクジェット法を用いることが好ましい。インクジェット法を用いることにより、接着材料の微小なスポットを、互いに接触しないように形成することが可能だからである。
6.基材
次に、本発明に用いられる基材について説明する。本発明に用いられる基材としては、一般的なカラーフィルタに用いられるガラス等からなる基材であってもよいが、本発明においては、特に可撓性を有するフレキシブル基材であることが好ましい。カラーフィルタをRoll to Rollで製造することができるからである。また、上記基材が、フレキシブル基材であれば、長尺状のカラーフィルタを得ることができる。
上記フレキシブル基材としては、樹脂のみからなるものであってもよく、また樹脂とガラス繊維等を組み合わせたもの等であってもよい。上記樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミド、ポリアミド、もしくは芳香族ポリアミド等の合成樹脂を挙げることができ、中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、もしくはポリエーテルスルホンが好適に用いられる。また、例えば金属箔やごく薄いシート状のガラスからなる基材等であってもよい。上記基材の膜厚としては、用途により適宜選択されるが、通常、5μm〜400μmとされることが好ましく、中でも、10μm〜200μm程度とされることがより好ましい。
7.着色層
次に、本発明に用いられる着色層について説明する。本発明に用いられる着色層は、上記基材の画素領域に形成されるものである。このような着色層としては、一般的なカラーフィルタに形成される着色層と同様とすることができる。なお、本発明においては、通常、着色層間に遮光部が形成されている。このような遮光部については、一般的なカラーフィルタに用いられるものと同様とすることができる。
上記着色層としては、通常、1画素中に、例えば赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の三色の画素が形成されたもの等とされ、それらは、ストライプ型、モザイク型、トライアングル型、4画素配置型等の公知の配列に形成されたもの等とすることができる。また、四色以上の画素が形成されたものであってもよい。またさらに、1画素の面積は求められる解像度によって任意に設定される。
上記着色層の形成方法や形成材料、形成面積、形成方法等としては、一般的なカラーフィルタの着色層に用いられるものと同様とすることができる。
8.カラーフィルタ
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。通常、本発明のカラーフィルタにおいては、上記着色層上に透明導電膜や保護層が形成され、その透明導電膜や保護層上に配向膜が形成されたものとされる。ここで、本発明に用いられる、透明導電膜、保護層、配向膜等については、一般的なカラーフィルタに用いられるものと同様とすることができるので、ここでの詳しい説明は省略する。また、本発明においては、通常、任意の方法により取り出し電極が設けられる。
また、本発明のカラーフィルタは、壁部の外側側面に接着部が形成されているものであるが、壁部の外側側面および上底面の両方に接着部が形成されているものであってもよい。また、本発明のカラーフィルタは、通常、液晶表示装置に用いられるものである。従って、本発明においては、上記カラーフィルタを用いたことを特徴とする液晶表示装置を提供できる。
また、本発明のカラーフィルタは、Roll to Rollで製造されたものであることが好ましい。可撓性に優れたカラーフィルタを得ることができ、製造効率等にも優れているからである。具体的には、上述したフレキシブル基材をRoll to Rollで巻き取る工程の中で、着色層、遮光部、壁部、および柱状スペーサ等を形成することが好ましい。さらに、本発明においては、Roll to Rollで上記透明導電膜や上記配向膜を形成することが好ましい。なお、Roll to Rollで本発明のカラーフィルタを製造することにより、長尺状カラーフィルタを得ることができる。また、本発明のカラーフィルタをRoll to Rollで製造し、そのままRoll to Rollで対向基板や液晶層を設けることにより、液晶表示装置を製造することもできる。
B.カラーフィルタの製造方法
次に、本発明のカラーフィルタの製造方法について説明する。本発明のカラーフィルタの製造方法は、基材と、上記基材の画素領域上に形成された着色層と、上記画素領域の外側の領域上に、上記画素領域を囲むように形成された壁部と、上記画素領域上に形成された柱状スペーサとを有するカラーフィルタ形成用基板を用い、上記壁部の上底面、上記柱状スペーサの上底面、および上記着色層上に、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により撥液性から親液性に濡れ性が変化する濡れ性変化層を形成する濡れ性変化層形成工程と、上記着色層上に形成された濡れ性変化層にエネルギー照射をすることにより、親液層を形成する親液層形成工程と、を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により撥液性から親液性に濡れ性が変化する濡れ性変化層を形成することにより、撥液層と親液層とを所定の位置に容易に形成することができる。
次に、本発明のカラーフィルタの製造方法について図面を用いて説明する。図4は、本発明のカラーフィルタの製造方法の一例を示す工程図である。図4に示すカラーフィルタの製造方法は、基材1と、基材1の画素領域2上に形成された着色層3および遮光部4と、画素領域2の外側の領域上に、画素領域2を囲むように形成された壁部5と、遮光部4上に形成された柱状スペーサ7とを有するカラーフィルタ形成用基板を用い(図4(a))、壁部5の上底面、柱状スペーサ7の上底面、着色層3上、および遮光部4上に、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により撥液性から親液性に濡れ性が変化する濡れ性変化層11を形成する濡れ性変化層形成工程(図4(b))と、着色層3および遮光部4上に形成された濡れ性変化層11に、フォトマスク12を用いてエネルギー13を照射し(図4(c))、親液層14を形成する親液層形成工程と(図4(d))、を有するものである。
以下、本発明のカラーフィルタの製造方法について詳しく説明する。
1.カラーフィルタ形成用基板
まず、本発明に用いられるカラーフィルタ形成用基板について説明する。本発明に用いられるカラーフィルタ形成用基板は、基材と、上記基材の画素領域上に形成された着色層と、上記画素領域の外側の領域上に、上記画素領域を囲むように形成された壁部と、上記画素領域上に形成された柱状スペーサとを有するものである。
上記カラーフィルタ形成用基板を構成する各部材については、上記「A.カラーフィルタ」に記載した内容と同様であるのでここでの説明は省略する。
本発明においては、上記カラーフィルタ形成用基板を製造する際に、壁部と柱状スペーサとを同時に形成する壁部−柱状スペーサ同時形成工程を行うことが好ましい。壁部および柱状スペーサを同時に形成することにより、壁部および柱状スペーサを形成する工程を別々に行う必要がなく、製造効率よくカラーフィルタを製造することができるからである。すなわち、本発明においては、画素領域上に着色層が形成された基材を用い、上記画素領域の外側の領域上に上記画素領域を囲むように壁部を形成し、かつ、上記画素領域に柱状スペーサを形成する壁部−柱状スペーサ同時形成工程を行うことが好ましい。
上記壁部−柱状スペーサ同時形成工程において、壁部および柱状スペーサを同時に形成する方法としては、例えば、転写法やフォトリソ法等を挙げることができ、中でも、転写法が好ましい。転写法は、カラーフィルタをRoll to Rollで製造する場合に適しているからである。以下、転写法について詳しく説明する。
転写法による壁部−柱状スペーサ同時形成工程としては、例えば図5に示すように、画素領域2上に、着色層3および遮光部4を有する基材1を用意し(図5(a))、樹脂製フィルム15および感光性樹脂層16を有する感光性フィルム17を、基材1上に密着させ(図5(b))、壁部および柱状スペーサのパターンに対応したフォトマスク18を用いてエネルギー19を照射し(図5(c))、樹脂製フィルム17を剥離し、感光性樹脂層16を現像することにより、画素領域2の外側の領域上に画素領域2を囲むように壁部5を形成し、かつ、遮光部4上に柱状スペーサ7を形成する工程である(図5(d))。また、画素領域とは、カラーフィルタが用いられて液晶表示装置が製造された際、液晶表示領域として用いられることとなる部分をいうこととする。
上記転写法においては、画素領域上に着色層を有する基材が用いられる。上記基材には、さらに、上述した内側補助壁部が形成されていてもよい。
また、上記転写法においては、上記基材上に感光性フィルムを密着させる。感光性フィルムとしては、例えば、樹脂製フィルム上に感光性樹脂を含有する感光性樹脂層が形成されたもの等を挙げることができる。上記感光性樹脂層としては、例えば感光性樹脂と、光重合開始剤と、必要に応じて染料または顔料等を含有する層とすることができる。このような材料としては、一般的なカラーフィルタにおける柱状スペーサの形成に用いられる材料と同様とすることができ、上述した「A.カラーフィルタ」で説明したものと同様とすることができる。
上記基材と上記感光性フィルムとを張り合わせる方法としては、例えば、一般にホットロールと呼ばれる加熱可能なロール又はヒートシューと呼ばれる加熱用ジャケットとラミネートロールと呼ばれるロールにより、感光性樹脂層を加熱し軟化しながら行う方法等を挙げることができる。この際、上記基材を必要に応じて加熱してもよい。
上記転写法においては、上記基材と上記感光性フィルムとを張り合わせた後、上記感光性樹脂層を目的とする壁部および柱状スペーサのパターンに露光し、上記樹脂製フィルムを剥離して、現像液で現像する。
また、上記露光は、上記樹脂製フィルムを剥離した状態で行ってもよい。さらに、必要に応じて上記現像後、加熱するポストベーク工程等を行ってもよい。上記露光方法や現像方法としては、一般的な感光性樹脂の露光方法や現像方法と同様とすることができる。
一方、上記フォトリソ法においては、上述した、樹脂製フィルムを有する感光性フィルムを用いず、一般的な塗布方法等により上記基材上に上記感光性樹脂層を形成し、フォトマスクを用いて露光し、現像することにより、壁部および柱状スペーサを同時に形成することができる。
また、上記壁部−柱状スペーサ同時形成工程においては、上記壁部および上記柱状スペーサを形成すると同時に、外側補助壁部を形成してもよい。外部補助壁部を形成する工程を別途行う必要がなく、製造効率等の面から好ましいものとすることができるからである。外側補助壁部については、上記「A.カラーフィルタ」に記載した内容と同様であるので、ここで説明は省略する。
2.濡れ性変化層形成工程
次に、本発明における濡れ性変化層形成工程について説明する。本発明における濡れ性変化層形成工程は、上述したカラーフィルタ形成用基板を用い、上記壁部の上底面、上記柱状スペーサの上底面、および上記着色層上に、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により撥液性から親液性に濡れ性が変化する濡れ性変化層を形成する工程である。
上記濡れ性変化層を形成する方法としては、例えば、上記「A.カラーフィルタ」で説明した光触媒および濡れ性変化材料等を含有する塗布液を調整し、この塗布液を基材上に塗布する方法が挙げられる。塗布液の塗布方法としては、グラビアコート、スプレーコート、ディップコート、ロールコート、ビードコート、ダイコート、マイクログラビアコート等の公知の塗布方法を挙げることができる。特に、壁部または柱状スペーサの上底面に濡れ性変化層を形成する場合は、グラビア印刷用ロールを用いてグラビアコートを行うことが好ましい。また、上記塗布液が、バインダとして紫外線硬化型の成分を含有している場合には、紫外線を照射する硬化処理を行うことにより濡れ性変化層を形成することができる。
また、本工程においては、通常、上記壁部の上底面、上記柱状スペーサの上底面、および上記着色層上に濡れ性変化層が形成されるが、壁部の内部であれば任意の領域に濡れ性変化層を形成することができる。
また、本工程により得られる濡れ性変化層については、上記「A.カラーフィルタ」に記載した内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。
3.親液層形成工程
次に、本発明における親液層形成工程について説明する。本発明における親液層形成工程は、上記着色層上に形成された濡れ性変化層にエネルギー照射をすることにより、親液層を形成する工程である。
また、本工程においては、上記壁部および上記柱状スペーサの上底面に形成された濡れ性変化層については、エネルギー照射が行なわれないため、撥液性が維持され、撥液層となる。着色層上に形成された濡れ性変化層に対して、選択的にエネルギー照射する方法としては、例えば、フォトマスクを用いる方法等を挙げることができる。
ここで、本工程でいうエネルギー照射(露光)とは、濡れ性変化層表面の濡れ性を変化させることが可能ないかなるエネルギー線の照射をも含む概念であり、可視光の照射に限定されるものではない。エネルギー照射に用いる光の波長は、通常400nm以下の範囲、好ましくは380nm以下の範囲から設定される。これは、濡れ性変化層に用いられる好ましい光触媒が二酸化チタンであり、この二酸化チタンにより光触媒作用を活性化させるエネルギーとして、上述した波長の光が好ましいからである。このようなエネルギー照射に用いることができる光源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、エキシマランプ、その他種々の光源を挙げることができる。上述したような光源を用い、フォトマスクを介したパターン照射により行う方法の他、エキシマ、YAG等のレーザを用いてパターン状に描画照射する方法を用いることも可能である。
また、本工程により得られる親液層については、上記「A.カラーフィルタ」に記載した内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。
4.その他
本発明のカラーフィルタの製造方法においては、上述した工程以外に、例えば基材上に着色層を形成する着色層形成工程や、上記親液層上に透明導電膜を形成する透明導電膜形成工程、配向膜を形成する配向膜形成工程、接着部を形成する接着部形成工程等を有していてもよい。このような各工程は、一般的なカラーフィルタの製造方法における各工程と同様である。
また、本発明においては、Roll to Rollでカラーフィルタを製造することが好ましい。可撓性に優れたカラーフィルタを得ることができ、製造効率等にも優れているからである。
具体的には、上述したフレキシブル基材をRoll to Rollで巻き取る工程の中で、着色層、遮光部、壁部、および柱状スペーサ等を形成することにより、カラーフィルタ形成用基板を作製し、そのままRoll to Rollで、上述した濡れ性変化層形成工程および親液層形成工程を行うことが好ましい。また、カラーフィルタをRoll to Rollで製造し、そのままRoll to Rollで対向基板や液晶層を設けることにより、液晶表示装置を製造することもできる。
本発明においては、上記着色層形成工程の際に、同時に内側補助壁部を形成することが好ましい。内側補助壁部を設けることにより、例えば、液体透明導電膜材料を用いて透明導電膜を形成する場合の土手として機能し、均一な透明導電膜を得ることができるからである。なお、上記内側補助壁部については、上記「A.カラーフィルタ」に記載した内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。
また、本発明においては、上記透明導電膜形成工程の際に、液体透明導電膜材料を用いて透明導電膜を形成することが好ましい。本発明においては、通常、上記着色層上に親液層を有するため、液体透明導電膜材料が親液層上で良く濡れ広がり、均一な透明導電膜を得ることができるからである。液体透明導電膜材料としては、例えば、特開2005−44852公報に記載されたもの等を用いることができる。また、本発明においては、液体透明導電膜材料を用いインクジェット法により、透明導電膜を形成することが好ましい。
また、本発明においては、上記配向膜形成工程の際に、液体光配向材料を用いて配向膜を形成することが好ましい。上記壁部が土手として機能し、均一な配向膜を得ることができるからである。液体光配向材料としては、例えば特開2001−290155公報、特開2000−281724公報に記載の光配向材料等を挙げることができる。また、本発明においては、液体光配向材料を用いインクジェット法により、配向膜を形成することが好ましい。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、本発明について、実施例を通じてさらに詳述する。
[実施例]
本実施例においては、柱状スペーサおよび壁部の上底面のみに選択的に撥液層を有するカラーフィルタ、およびそれを用いたセルを作製した。
(プラスチックフィルムの形成)
多官能アクリレート樹脂をガラス繊維に含浸した後に紫外線硬化装置により連続的に硬化し、樹脂60重量%、ガラス繊維40重量%、幅30cm、長さ100m、厚さ100μmのプラスチックフィルム(1)を得た。このプラスチックフィルム(1)の30℃から150℃における線膨張係数は、18ppmであった。このプラスチックフィルム(1)のガラス転移温度は、tanδmaxで評価したところ300℃以上であった。このプラスチックフィルム(1)の全光線透過率は90%であった。
(第一のバリア層の形成)
このプラスチックフィルム(1)を、スパッタロールコート装置に装填し、DCマグネトロンスパッタにより、酸素を反応性ガスに用いた反応性スパッタでSiをターゲットとして用いて、プラスチックフィルム(1)上に膜厚60nmのSiOx(x=1.8,XPSによる)の成膜を行って、これを第一のバリア層とした。
(オーバーコート層の形成)
上記で形成した第一のバリア層に、ロール巻き出し装置、マイクログラビアコーター、乾燥炉、UV照射装置、ロール巻取り装置を備える連続塗工機にて、エポキシアクリレートプレポリマー100重量部、ジエチレングリコール200重量部、酢酸エチル100重量部、ベンゼンエチルエーテル2重量部、シランカップリング剤1重量部の均一混合溶液を、連続塗工機のマイクログラビアコーターで塗布し、120℃の乾燥ゾーンを通過させた後、紫外線を照射して、5μmの厚さのオーバーコート層を形成した。
(第二のバリア層の形成)
オーバーコート層を形成したプラスチックフィルム(1)を、リワインダーで巻き返し、つづいて、このオーバーコート層と反対面に第二のバリア層を成膜するために、スパッタロールコート装置に装填し、DCマグネトロンスパッタにより、酸素を反応性ガスに用いた反応性スパッタでSiをターゲットとして用いて、第一のバリア層の対面に膜厚60nmのSiOx(x=1.8,XPSによる)の成膜を行って、これを第二のバリア層とした。
上記のように第二のバリア層まで形成したプラスチックフィルム(1)をJIS K 7129Bに規定される測定法に基づき40℃90%RH時の水蒸気透過率を測定したところ、0.01g/(m2・24hr)以下であった。
(ブラックマトリックスおよび内側補助壁部の形成)
上記の第一および第二のバリア層を成膜したプラスチックフィルムの第二のバリア層上に、下記の組成のブラックマトリックス形成用塗料組成物を、ウェット状態で厚み;10μmになるようダイコーターを用いて塗布し、乾燥後、温度;90℃の条件で2分間プリベークして2μmの厚みのブラックマトリックス形成用塗料組成物の塗膜付き原反を得た。
(ブラックマトリックス形成用塗料組成物)
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体
(モル比=73/27) 150部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 80部
・カーボンブラック分散液 150部
・光重合開始剤(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1) 2.5部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 600部
※部数はいずれも質量基準
(露光処理工程)
上流側に巻き出し装置、下流側に巻き取り装置を備えた露光装置に、上記で得られた塗膜付き原反を通し、露光装置の入口側および出口側に設置されたニップローラ対を駆動して、連続状の原反を搬送した。この搬送状態において、原反にかかるテンションは、2kg/300mm幅であった。
露光装置の本体の温度は23℃±0.1℃になるよう、また、相対湿度は60%±1%になるよう、それぞれ調整した。
塗膜付き原反を露光台上に吸着固定した後、原反の塗膜表面とパターン(フォトマスク)との間隔(ギャップ)を100μmになるよう自動調整した。また原反の露光位置は、原反の端面からの距離を自動検出して、原反からフォトマスクパターン位置が一定距離になるよう自動調整後に露光を行った。光源としては、高圧水銀ランプを用いて、露光エリアを200mm×200mmとして、I線(波長;365nm)を用い、15mw/cmの照度で20秒間露光し、300mJ/cmの露光量とした。
この時使用したフォトマスクは、ブラックマトリックスパターン以外にその外周部に内側補助壁部パターンも形成した。この内側補助壁部は、ブラックマトリックスの外周枠(BM額縁)から2mm外側に位置し、線幅は50μmであった。
(現像処理・ポストベーク処理工程)
現像処理は、露光機の下流側に現像装置を設置して行った。露光処理後の原反を400mm/minの一定速度で搬送し、第二のバリア層を成膜したプラスチックフィルム上に所定のパターンのブラックマトリックスが積層された複合フィルムを得た。
この時同時に、BM額縁の外側には内側補助壁部が形成された。この内側補助壁部は、線幅が50μm、高さが2μm、BM額縁と内側補助壁部との間隔は2mmであった。
ブラックマトリックスで形成されたアライメントマークを寸法測定機(ニコン製NEXIV VMR−6555)で温度;23℃±0.1℃、相対湿度;60%±1%の条件で搬送方向(MD)、搬送方向に垂直な方向(TD)での寸法変化を測定した結果、フォトマスクの寸法値MD:100.000mm、TD:100.000mmに対して、実際にプラスチックフィルム上に形成されたパターンの寸法は、MD:99.998mm、TD:100.001mmであった。
その後、ベーク炉にて200℃、30分のポストベークを行いブラックマトリックスの樹脂パターンを熱キュアした。
得られたブラックマトリックスを、前記同条件(温度;23℃±0.1℃、相対湿度;60%±1%)で測定したところ、プラスチックフィルム上に形成されたパターンの寸法は、MD:99.998mm、TD:100.001mmであった。
(RGB着色パターンの形成)
前記ブラックマトリックスパターンが形成された複合フィルムの上に、下記の組成の着色パターン形成用塗料組成物を、ウェット状態で厚み;10μmになるようダイコーターを用いて塗布し、乾燥後、温度;90℃の条件で2分間プリベークして2μmの厚みの塗膜付き原反を得た。
以下に、赤色の塗料組成物であるREDの組成物の組成を示すが、赤色顔料を任意の緑色顔料にするとGREENの組成物が得られ、青色顔料にするとBLUEの組成物が得られる。
(着色パターン形成用塗料組成物)
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体
(モル比=73/27) 50部
・トリメチロールプロパントリアクリレート 40部
・赤色顔料(C.I.Pigment Red 177) 90部
・光重合開始剤(2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパノン−1) 1.5部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 600部
※部数はいずれも質量基準
(露光処理工程)
上流側に巻き出し装置、下流側に巻き取り装置を備えた露光装置に、上記で得られた積層原反を通し、露光装置の入口側および出口側に設置されたニップローラ対を駆動して、連続状の積層原反を搬送した。この搬送状態において、積層原反にかかるテンションは、2kg/300mm幅であった。
露光装置の本体の温度は23℃±0.1℃になるよう、また、相対湿度は60%±1%になるよう、それぞれ調整した。
積層原反を露光台上に吸着固定した後、原反の塗膜表面とパターン(フォトマスク)との間隔(ギャップ)を100μmになるよう自動調整した。また積層原反の露光位置は、積層原反の端面からの距離を自動検出して、積層原反からフォトマスクパターン位置が一定距離になるよう自動調整後、前記ブラックマトリックス形成時に同時形成したアライメントマークを用いてRED用フォトマスクとアライメントを行った後、露光を行った。光源としては、高圧水銀ランプを用いて、露光エリアを200mm×200mmとして、I線(波長;365nm)を用い、15mw/cmの照度で20秒間露光し、100mJ/cmの露光量とした。
(現像処理・ポストベーク処理工程)
現像は、露光機の下流側に現像装置を設置して行った。露光処理後の原反を400mm/minの一定速度で搬送し、複合フィルム上のブラックマトリックスバターンの開口部の所定位置にREDパターンが積層された複合フィルムを得た。その後、ベーク炉にて200℃、30分のポストベークを行いREDの樹脂パターンを熱キュアした。
上記REDと同様な方法で繰り返しGREEN、BLUEのパターン形成を行い、第二のバリア層を成膜したプラスチックフィルム上にブラックマトリックスおよびRGBの着色パターンが形成されたカラーフィルタが得られた。
なお、BLUEパターンのポストベーク処理後に、ブラックマトリックスを、前記と同じ条件(温度;23℃±0.1℃、相対湿度;60%±1%)で測定したところ、プラスチックフィルム上に形成されたパターンの寸法は、MD:99.999mm、TD:100.002mmであった。
ブラックマトリックスパターンの寸法変化は1層目(ブラックマトリックス層)の現像後から4層目(BLUE層)のポストベーク後までの製造工程において10ppmであり、これによりプラスチックフィルム上に4インチサイズで解像度が200ppi(BM線幅7μm、ピッチ42μm)にて、画素ズレを生じさせずにカラーフィルタが形成された。
(柱状スペーサおよび壁部の同時形成)
(ドライフィルムの準備)
柱状スペーサ(CS)材塗料用のドライフィルムとして、厚み;25μmのPETベースフィルム上に、ネガ型感光性樹脂からなるCS材塗料組成物を、ウェット状態で厚み;20μmになるようダイコーターを用いて塗布し、乾燥後、温度;90℃の条件で2分間プリベークして5μmの厚みとなった後、その上に、厚み25μmのPETカバーフィルムをラミネートして得た。
(積層原反の作成)
上記で得られたブラックマトリックスおよびRGBの着色パターンを形成した複合フィルムの上に、カバーフィルムを予め剥離したCSドライフィルムを塗料組成物層がプラスチックフィルム側と向かい合うように積層して、CSパターン形成用の感光性樹脂組成物からなる塗料組成物層を、ローラ圧;5kg/cm、ローラ表面温度;120℃、および速度;800mm/minの条件にて、連続的に転写し、積層原反を作成した。この際、ベースフィルムは剥離せず、感光性樹脂組成物の層上に付いた状態で次の露光工程へと進めた。
(露光処理工程)
上流側に巻き出し装置、下流側に巻き取り装置を備えた露光装置に、上記で得られた積層原反を通し、露光装置の入口側および出口側に設置されたニップローラ対を駆動して、連続状の積層原反を搬送した。この搬送状態において、積層原反にかかるテンションは、2kg/300mm幅であった。
露光装置の本体の温度は23℃±0.1℃になるよう、また、相対湿度は60%±1%になるよう、それぞれ調整した。
積層原反を露光台上に吸着固定した後、積層原反のベースフィルムとパターン(フォトマスク)との間隔(ギャップ)を30μmになるよう自動調整した。また積層原反のパターンの露光位置は、積層原反の端面からの距離を自動検出して、この検出結果にしたがって積層原反からフォトマスクパターン位置が一定距離になるよう自動調整後、前記ブラックマトリックス形成時に同時形成したアライメントマークを用いてCSおよび壁部形成用フォトマスクとアライメントを行った後、露光を行った。光源としては、高圧水銀ランプを用いて、露光エリアを200mm×200mmとして、I線(波長;365nm)を用い、15mW/cmの照度で20秒間露光し、300mJ/cmの露光量とした。
この時使用したフォトマスクは、CSパターン以外にその外周部に壁部パターンも形成した。この壁部パターンは、ブラックマトリックスからなる内側補助壁部の外周と接する位置に形成され、線幅は50μmであった。更に壁部の外側には、所定の間隔を設けて外側補助壁部が形成された。壁部と外側補助壁部との間隔は3mmであり、外側補助壁部の線幅は50μmであった。
(現像処理・ポストベーク処理工程)
現像処理は、露光機の下流側に現像装置を設置し、この現像装置内で露光後の積層原反のベースフィルムを剥離しながら、400mm/minの一定速度で搬送しながら行って、前記ブラックマトリックスパターンおよびRGBの着色パターンが形成された複合フィルム上でブラックマトリックスバターンの格子パターン部の所定位置にCSパターンが形成された複合フィルムを得た。また同時に、カラーフィルタの有効画素領域の外側に、内側補助壁部、壁部および外側補助壁部が形成された。これらは、基材上に直接形成された。壁部および外側補助壁部の線幅は共に50μm、高さはCSと同じ5μm、壁部と外側補助壁部との間隔は3mmであった。その後、ベーク炉にて200℃、30分のポストベーク処理を行って、CSの樹脂パターンを熱キュアした。
このようにして、ガスバリア層が成膜されたプラスチックフィルム(1)上にブラックマトリックスおよびRGBの着色パターン、およびブラックマトリックスおよびRGB着色パターンからなる画素部の上にCSが形成されたカラーフィルタ部材が得られた。また内側補助壁部の外側には壁部および外側補助壁部が形成された。
(柱状スペーサおよび壁部の撥液性処理)
イソプロピルアルコール30gと、フルオロアルキルシランが主成分であるMF−160E(トーケムプロダクツ(株)製)0.4gと、トリメトキシメチルシラン(東芝シリコーン(株)製、TSL8113)3gと、光触媒である酸化チタン水分散体であるST−K01(石原産業(株)製)20gとを混合し、100℃で20分間撹拌した。これをイソプロピルアルコールにより3倍に希釈し濡れ性変化層用組成物とした。
上記組成物を600線−10μm深度のグラビア印刷用ロールを用いてグラビアコーティングにより塗布した。グラビアロール表面の回転位置精度は2μmであり、前記柱状スペーサおよび壁部のみに接触するように位置合わせをして塗布することにより、柱状スペーサおよび壁部の上底面のみに選択的に濡れ性変化層を塗布することができた。その後150℃で10分間の乾燥処理を行うことにより、透明な濡れ性変化層(厚み0.2μm)を形成した。この濡れ性変化層は撥液層として機能する。
撥液層においては、表面張力30mN/mの液体(純正化学株式会社製、エチレングリコールモノエチルエーテル)との接触角を接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定(マイクロシリンジから液滴を滴下して30秒後)した結果、30度であった。なお、上記の撥液層を、水銀灯(波長365nm)により70mW/cm2の照度で50秒間パターン露光を行い親液層とした場合、表面張力50mN/mの液体(純正化学株式会社製、ぬれ指数標準液No.50)との接触角を同様にして測定した結果、7度であった。
(ITO電極層の形成)
続いて、このカラーフィルタをインクジェット塗布装置にセットし、前記記載のBM額縁の外側に形成された内側補助壁部の内側に液体透明導電膜材料を塗布し、レベリングにより内側補助壁部内に均一に液を満たした後乾燥させることにより、シート抵抗50Ω/□、透過率80%の透明導電膜を内側補助壁部内に均一な膜厚で形成することが出来た。
(光配向膜形成工程)
壁部の内部にインクジェット装置により、液体の光配向材料を塗布し一定時間放置し配向材料をレベリングさせることにより壁部の内部に均一に配向材料を満たし、その後乾燥させて、均一な光配向膜を得た。その後この配向膜上に偏光UVを照射して光配向させた。
(接着部形成工程)
次に、前記配向済みのカラーフィルタの壁部および外側補助壁部の隙間にディスペンサ装置により、2液タイプの硬化剤を混合しないように接近させて塗布した。この時、接着材料は壁部よりはみ出さないように塗布した。
(液晶塗布工程およびセル作製)
前記カラーフィルタの光配向膜上にインクジェット装置により、液晶を塗布した。その後減圧ラミネート装置を用いて、前記カラーフィルタ基材を下側の真空吸着ステージにフリーテンション状態で膜面を上向きにして吸着させた。同様にTFT基材を上側の真空吸着ステージにフリーテンション状態で膜面を下向きにして吸着させた。その後、上側のTFT基材表面と下側のカラーフィルタ表面の間隔を200μmまで接近させて、TFT基材のアライメントマークとカラーフィルタ基材アライメントマークをCCDカメラと上下ステージ微動により自動位置検出および位置合わせをした。その後、上下ステージが接近し減圧下で上下基板を張り合わせた。上下基板の貼り合わせ時に、前記2液タイプのシール剤が混合され上下の基板は接着された。
[比較例]
本発明の比較例として、壁部、内側補助壁部および外側補助壁部を設けないこと以外は、実施例と同様にしてセル作製を行った。すなわち、従来と同様に、シール剤だけで液晶材料等の封止を行った。その結果、ITO電極層、配向膜共に、内側補助壁部がないため、電極層パターンのエッジの切れが悪くエッジ直線性が劣化した。さらに、壁部がないため、TFT基材との貼り合せの際に、シール剤および液晶領域の境界面の直線性が悪く両者が混合してしまう箇所が発生した。
本発明のカラーフィルタを説明する説明図である。 本発明に用いられる外側補助壁部を説明する説明図である。 本発明のカラーフィルタを説明する説明図である。 本発明のカラーフィルタの製造方法の一例を示す説明図である。 本発明における壁部−柱状スペーサ同時形成工程を説明する工程図である。
符号の説明
1 … 基材
2 … 画素領域
3 … 着色層
4 … 遮光部
5 … 壁部
6 … 接着部
7 … 柱状スペーサ
8 … 撥液層
9 … 内側補助壁部
10 … 外側補助壁部
11 … 濡れ性変化層
12、18 … フォトマスク
13、19 … エネルギー
14 … 親液層
15 … 感光性樹脂層
16 … 樹脂製フィルム
17 … 感光性フィルム

Claims (7)

  1. 基材と、前記基材の画素領域上に形成された着色層と、前記画素領域の外側の領域上に、前記画素領域を囲むように形成された壁部と、前記壁部の外側側面に形成された接着部と、前記画素領域上に形成された柱状スペーサとを有し、
    前記壁部および前記柱状スペーサの少なくとも一方の上底面に撥液層が形成されていることを特徴とするカラーフィルタ。
  2. 前記着色層上に、親液層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ。
  3. 前記撥液層および前記親液層が、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により濡れ性が変化する濡れ性変化層から形成されることを特徴とする請求項2に記載のカラーフィルタ。
  4. 前記親液層上に、透明導電膜が形成されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のカラーフィルタ。
  5. 前記柱状スペーサと前記壁部とが同一材料により形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタ。
  6. 前記接着部の外側側面に外側補助壁部が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタ。
  7. 基材と、前記基材の画素領域上に形成された着色層と、前記画素領域の外側の領域上に、前記画素領域を囲むように形成された壁部と、前記画素領域上に形成された柱状スペーサとを有するカラーフィルタ形成用基板を用い、
    前記壁部の上底面、前記柱状スペーサの上底面、および前記着色層上に、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により撥液性から親液性に濡れ性が変化する濡れ性変化層を形成する濡れ性変化層形成工程と、
    前記着色層上に形成された濡れ性変化層にエネルギー照射をすることにより、親液層を形成する親液層形成工程と、
    を有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011081177A (ja) * 2009-10-07 2011-04-21 Dainippon Printing Co Ltd カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法およびそれを備える液晶表示装置

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