JP5119846B2 - エポキシ樹脂組成物及び透明複合シート - Google Patents
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Description
(1)下記化学式(1)で表される脂環式エポキシ化合物と硬化剤とを含むエポキシ樹脂組成物。
(2)前記硬化剤がカチオン系硬化触媒を含むものである(1)1記載のエポキシ樹脂組成物。
(3)前記エポキシ樹脂組成物はさらにカチオン重合可能な化合物を含有する(1)又は(2)記載のエポキシ樹脂組成物。
(4)前記カチオン重合可能な成分が、エポキシ基を有する化合物、オキセタニル基を有する化合物、及びビニルエーテル基を有する化合物より選ばれた1種または2種以上の化合物である(3)記載のエポキシ樹脂組成物。
(5)(1)〜(4)いずれか記載のエポキシ樹脂組成物と、ガラスフィラーとを含有してなる複合組成物を硬化させて得られる透明複合シート。
(6)前記ガラスフィラーの含有量が透明複合シートに対し1〜90重量%である(5)記載の透明複合シート。
(7)前記ガラスフィラーがガラス繊維布である(5)又は(6)記載の透明複合シート。
(8)波長400nmにおける光線透過率が80%以上である(5)〜(7)いずれか記載の透明複合シート
(9)30℃〜250℃における平均線膨張係数が20ppm以下である(5)〜(8)いずれか記載の透明複合シート。
(10)(5)〜(9)ずれか記載の透明複合シートから構成される表示素子用基板。
前記光カチオン系硬化触媒としては旭電化工業製のSP170等が上げられる。
本発明の透明複合シートにおいて、用いるガラスフィラーの直径が100nm以下の場合は界面での光の散乱が少ないが、100nmを超える場合、透明性を向上するにはガラスフィラーと樹脂との屈折率を制御し透明性を向上させることが必要である
温度計、攪拌機、窒素導入管および還流管を備えた4つ口の2Lフラスコに、水添ビスフェノールZ175.3g(0.625mol)、亜りん酸トリフェニル426.65g(1.375mol)、キノリン177.6g(1.375mol)およびN−メチルピロリドン750mlを仕込み、窒素雰囲気下、170℃で3時間加熱した。続いて、減圧蒸留を行い、蒸留物に酢酸エチル300mlを加え、有機層を1mol/L硫酸500mlで2回、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液500mlで3回、飽和食塩水500mlで1回洗浄した。炭酸カリウムを加えて乾燥させた後、エバポレーターで酢酸エチルを除去することにより、水添ビスフェノールZが脱水された環状オレフィン化合物108.45gを得た(収率71%)。1H NMR測定で、オレフィンに結合した4つの水素のピークが5.6−5.7ppm観察されたこと、およびGC−MSの測定で、最大分子量244を持つことから、得られた化合物が目的の環状オレフィン化合物であることが確認された。
次に温度計、攪拌機、窒素導入管および滴下漏斗を備えた4つ口の1Lフラスコに上記で得られた環状オレフィン化合物107.55g(440mmol)と酢酸エチル200mlを仕込み、窒素雰囲気下30℃に加熱し、30%過酢酸の酢酸エチル溶液265gを滴下した。滴下終了後、6時間攪拌を続けた。続いて、攪拌を続けながら反応液を20℃以下に冷却し、炭酸ナトリウム87.5gを加え半中和した後、さらに10%水酸化ナトリウム水溶液330gを加えた。静置して、2層に分離させ、有機層をイオン交換水500mlで3回洗浄した。炭酸カリウムで乾燥させ、減圧蒸留によりエポキシ化合物91.15gを得た(収率75%)。1H NMR測定で、エポキシ基と同じ炭素に結合した4つの水素のピークが3.12−3.21ppmに観察されたこと、およびGC−MSの測定で、最大分子量276を持つことから、得られた化合物が目的の化学式(1)で示されるエポキシ化合物であることが確認された。
(実施例1)
Tガラス系ガラスクロス(厚み95μm、屈折率1.526、日東紡製)に水添ビフェニル型脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業製、E−BP)80重量部、合成例1で得られた脂環式エポキシ化合物を20重量部、芳香族スルホニウム系熱カチオン触媒(三新化学製SI−100L)1重量部を混合した樹脂組成物を含浸させ脱泡した。このガラスクロスを離型処理したガラス板に挟み込み、80℃で2時間加熱後、250℃で更に2時間加熱し、厚み97μmの透明複合シートを得た。
Tガラス系ガラスクロス(厚み95μm、屈折率1.526、日東紡製)に水添ビフェニル型脂環式エポキシ樹脂50重量部(ダイセル化学工業製、E−BP)、合成例1で得られた脂環式エポキシ化合物を50重量部、芳香族スルホニウム系熱カチオン触媒(三新化学製SI−100L)1重量部を混合した樹脂組成物を含浸させ脱泡した。このガラスクロスを離型処理したガラス板に挟み込み、80℃で2時間加熱後、250℃で更に2時間加熱し、厚み97μmの透明複合シートを得た。
Tガラス系ガラスクロス(厚み95μm、屈折率1.526、日東紡製)に合成例1で得られた脂環式エポキシ化合物100重量部、芳香族スルホニウム系熱カチオン触媒(三新化学製SI−100L)1重量部を混合した樹脂組成物を含浸させ脱泡した。このガラスクロスを離型処理したガラス板に挟み込み、80℃で2時間加熱後、250℃で更に2時間加熱し、厚み97μmの透明複合シートを得た。
Tガラス系ガラスクロス(厚み95μm、屈折率1.526、日東紡製)に水添ビフェニル型脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業製、E−BP)100重量部、芳香族スルホニウム系熱カチオン触媒(三新化学製SI−100L)1重量部を混合した樹脂組成物を含浸させ脱泡した。このガラスクロスを離型処理したガラス板に挟み込み、80℃で2時間加熱後、250℃で更に2時間加熱し、厚み97μmの透明複合シートを得た。
評価方法は以下の通りである。
SEIKO電子(株)製TMA/SS6000型熱応力歪み測定装置を用いて、窒素雰囲気下、1分間に5℃の割合で昇温させ、荷重を5gにして引っ張りモードで測定を行い、所定温度範囲における平均線膨張係数を算出した。
SEIKO電子(株)製DNS210型動的粘弾性測定装置を用いて、1Hzでのtanδの最大値をガラス転移温度(Tg)とした。
分光光度計U3200(島津製作所製)で400nmにおける全光線透過率を測定した。
光顕微鏡を用いクロスニコル状態にした後、透明複合シートをステージ上で回転させながら、最も光の透過度が強くなる位置で評価を行った。各符号は、以下の通りである。
◎:最良(光の透過がほとんどない)
○:良好(光の透過が若干観測される)
透明複合シートをオーブン中で140℃3時間加熱することにより乾燥させた後、および25℃の水に24時間浸漬した後の寸法を画像測定機SQVH606−PRO6G((株)ミツトヨ製)を用いて測定し、乾燥時の寸法を基準として吸水寸法変化率を算出した。
Claims (8)
- 前記硬化剤がカチオン系硬化触媒を含むものである請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記エポキシ樹脂組成物はさらにカチオン重合可能な化合物を含有する請求項1又は2記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記カチオン重合可能な成分が、エポキシ基を有する化合物、オキセタニル基を有する化合物、及びビニルエーテル基を有する化合物より選ばれた1種または2種以上の化合物である請求項3記載のエポキシ樹脂組成物。
- 請求項1〜4いずれか記載のエポキシ樹脂組成物と、ガラスフィラーとを含有してなる複合組成物を硬化させて得られる透明複合シート。
- 前記ガラスフィラーの含有量が透明複合シートに対し1〜90重量%である請求項5記載の透明複合シート。
- 前記ガラスフィラーがガラス繊維布である請求項5又は6記載の透明複合シート。
- 請求項5〜7いずれか記載の透明複合シートから構成される表示素子用基板。
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