JP2008225309A - 現像装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】現像剤はトナーと逆極性粒子とキャリアを含み、現像装置は、第1の搬送部材と、感光体に対向する第2の搬送部材を有し、電界形成手段は、第1の搬送部材と第2の搬送部材との間に第1の電界を形成し第1の搬送部材の現像剤中のトナーを第2の搬送部材に移動させると共に逆極性粒子の一部をトナーから分離させて現像剤中に回収させ、第2の搬送部材と感光体との間に第2の電界を形成して第2の搬送部材のトナーを感光体の静電潜像に移動させる。第1の搬送部材に内包された磁石の供給回収領域に対応する磁極から、現像剤搬送方向の下流側における現像剤放出領域に対応する磁極までの現像剤搬送経路に、搬送される現像剤を第1の搬送部材上で転動運動させるための複数の磁極が配置されている。
【選択図】図1
Description
相互の摩擦接触によって互いに異なる極性に帯電するトナー及びキャリアと、上記トナーの表面に離脱可能に保持された状態で供給され該トナーとは異なる極性に帯電する荷電粒子と、を含む現像剤を貯える現像剤貯留部と、
磁石を内包し、上記現像剤貯留部から上記現像剤を搬送する第1の搬送部材と、
第1の領域を介して上記第1の搬送部材に対向し、第2の領域を介して上記静電潜像担持体に対向する第2の搬送部材と、
上記第1の搬送部材と上記第2の搬送部材との間に第1の電界を形成して、上記第1の搬送部材が保持している現像剤中のトナーを上記第2の搬送部材に移動させると共に、上記トナーの表面の上記荷電粒子の一部をトナーから分離させて現像剤中に回収させる第1の電界形成手段と、
上記第2の搬送部材と上記静電潜像担持体との間に第2の電界を形成して、上記第2の搬送部材が保持している上記トナーを上記静電潜像担持体の静電潜像に移動させて上記静電潜像をトナー画像として可視像化する第2の電界形成手段と、を備え、
上記第1の搬送部材に内包された上記磁石の上記第1の領域に対応する磁極から、上記現像剤搬送方向の下流側において現像剤を第1の搬送部材から剥離させる磁極までの現像剤搬送経路に、搬送される現像剤を上記第1の搬送部材上で転動運動させるための複数の磁極を配置した、
ことを特徴としたものである。
図1は、本発明に係る電子写真式画像形成装置の画像形成に関連する部分を示す。画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、およびそれらの機能を複合的に備えた複合機のいずれであってもよい。画像形成装置1は、静電潜像坦持体である感光体12を有する。実施形態において、感光体12は円筒体で構成されているが、本発明はそのような形態に限定されるものでなく、代わりに無端ベルト式の感光体も使用可能である。感光体12は、図示しないモータに駆動連結されており、モータの駆動に基づいて矢印14方向に回転するようにしてある。感光体12の周囲には、感光体12の回転方向に沿って、帯電ステーション16、露光ステーション18、現像ステーション20、転写ステーション22、およびクリーニングステーション24が配置されている。
露光ステーション18は、感光体12の近傍又は感光体12から離れた場所に配置された露光装置28から出射された画像光30が、帯電された感光体12の外周面に向けて進行するための通路32を有する。露光ステーション18を通過した感光体12の外周面には、画像光が投射されて電位の減衰した部分とほぼ帯電電位を維持する部分からなる、静電潜像が形成される。実施形態では、電位の減衰した部分が静電潜像画像部、ほぼ帯電電位を維持する部分が静電潜像非画像部である。
現像ステーション20は、粉体現像剤を用いて静電潜像を可視像化する現像装置34を有する。現像装置34の詳細は後に説明する。転写ステーション22は、感光体12の外周面に形成された可視像を紙やフィルムなどのシート38に転写する転写装置36を有する。実施形態では、転写装置36は円筒形状のローラとして表されているが、他の形態の転写装置(例えば、ワイヤ放電式転写装置)も使用できる。
クリーニングステーション24は、転写ステーション22でシート38に転写されることなく感光体12の外周面に残留する未転写トナーを感光体12の外周面から回収するためにクリーニング装置40を有する。クリーニング装置40は、板状のブレードとして示されているが、代わりに他の形態のクリーニング装置(例えば、回転型又は固定型のブラシ式クリーニング装置)も使用できる。
現像装置34は、第1の成分粒子である非磁性トナーと第2の成分粒子である磁性キャリアを含む2成分現像剤と以下に説明する種々の部材を収容するハウジング42を備えている。図面を簡略化することで発明の理解を容易にするため、ハウジング42の一部は削除してある。ハウジング42は感光体12に向けて開放された開口部44を備えており、この開口部44の近傍に形成された空間46にトナー搬送部材(第2の搬送部材)である現像ローラ48が設けてある。現像ローラ48は、円筒状の部材(第2の回転円筒体)であり、感光体12と平行に且つ感光体12の外周面と所定の現像ギャップ50を介して、回転可能に配置されている。
更に、供給回収ギャップ56に対応する磁極N1から、現像剤搬送方向の下流側において現像剤を搬送ローラ54から(つまりスリーブ60から)剥離させる磁極S4とS5の対向領域までの現像剤搬送経路に、搬送される現像剤の搬送ローラ54上での挙動を活性化し転動運動させるための複数の磁極S2,N2,S3,N3が上流側から順に配置されている。このうち、磁極S3はスリーブ60の真下部内周面部分に対向する部位に位置している。
このように、供給回収領域88に対応する磁極N1から、現像剤搬送方向の下流側において現像剤を搬送ローラ54のスリーブ60から剥離させる磁極S4とS5の対向領域までの現像剤搬送経路に、隣り合う磁極の極性が異なる複数の磁極S2,N2,S3,N3を上流側から順に配置したことにより、搬送ローラ54上での現像剤の挙動を活性化して、現像剤磁気ブラシの転動運動を活発化し、キャリア4の表面に荷電粒子8を付着させ、長期にわたって荷電能力補助機能を実現することができるのである。
供給領域90でスリーブ60から現像ローラ48にトナー6を効率的に移動させるために、現像ローラ48とスリーブ60は電界形成装置110と電気的に接続されている。電源の具体例が図5A〜図9に示してある。
一般に、トナーとキャリアを主成分とする2成分現像剤は、キャリアの表面にトナーが付着してできる汚れ(スペント)が発生し、これがキャリアの寿命を低下させる。そこで、この問題を解消するために、本発明では、2成分現像剤に第3の成分として荷電粒子(インプラント粒子)が添加されている。
すなわち、この図13に示す現像装置34’’では、搬送ローラ54に内包される複数の磁極は、規制板62の近傍にあるスリーブ60の上部内周面部分に対向する磁極S1、供給回収ギャップ56の近傍にあるスリーブ60の左側内周面部分に対向する磁極N1、スリーブ60の下部内周面部分に対向する磁極S2、スリーブ60の右側内周面部分に対向する、2つの隣接する同極性の磁極N2,N3の5極である。
この点に関して、図13の現像装置34’’においては、供給回収領域88から現像剤放出領域94までの現像剤搬送経路については、磁極S2が1極のみ配置される構成であるので、現像剤2を搬送する上では十分であっても、荷電粒子8をキャリア4の表面により効率良く付着させることは難しい。このように、図13の現像装置34’’においては、供給回収領域88から現像剤放出領域94までの搬送経路にて荷電粒子8をキャリア4の表面により効率良く付着させることが難しいので、荷電粒子8による上記荷電補助機能をより高める為には、現像装置34’’として最も負荷の大きい規制上流部での現像剤混合に依存するところが大きくなる。しかしながら、この規制上流部においては、トナー6と荷電粒子8との間に分離力は働かずに現像剤全体にストレスが加わる為、トナー6上に付着したままの状態の荷電粒子8の多くがキャリア4よりもトナー6の方に対して固定化される傾向が強く、キャリア4に対して荷電粒子8が固定化される割合は比較的小さい。
このようにキャリア4ヘの荷電粒子8の固定化の効率が十分に高くない状態で、荷電補助機能をより高める為に逆極性荷電粒子8の付着量をより多く確保する為の対策手段としては、トナー6に外添する逆極性荷電粒子8の量を予め多く設定するという方法が考えられるが、トナー6に対する荷電粒子8の外添量が増えた場合には、磁気ローラ側に回収されずに現像ローラ上のトナーに付着して搬送される逆極性の荷電粒子も増えてしまい、その結果、現像ローラ上のトナーの帯電量が低くなり、現像領域で形成される電界への応答性が低下して、現像性の低下即ち濃度不足を招いたり、感光体12上の潜像に到達せずに現像装置34’’外へと漏出して画像形成装置内への汚染を引き起こすおそれもある。
現像ローラに用いる材料、現像剤、並びにトナー、キャリア、荷電粒子および現像剤に含まれる他の粒子の具体的な材料を説明する。
現像ローラ48に用いる好適な材料としては、例えば表面処理したアルミニウムが挙げられる。その他、アルミニウム等の導電性基体上に、例えば、ポリエステル樹脂,ポリカーボネート樹脂,アクリル樹脂,ポリエチレン樹脂,ポリプロピレン樹脂,ウレタン樹脂,ポリアミド樹脂,ポリイミド樹脂,ポリスルホン樹脂,ポリエーテルケトン樹脂,塩化ビニル樹脂,酢酸ビニル樹脂,シリコーン樹脂,フッ素樹脂等の樹脂コートや、シリコーンゴム,ウレタンゴム,ニトリルゴム,天然ゴム,イソプレンゴム等のゴムコーティングを施したものを用いても良い。コーティング材料としては、これらに限定されるものではない。
また、上記コーティングのバルク若しくは表面に導電剤が添加されていても良い。この導電剤としては、電子導電剤もしくはイオン導電剤が挙げられる。電子導電剤として、ケッチェンブラック,アセチレンブラック,ファーネスブラック等のカーボンブラックや、金属粉,金属酸化物の微粒子などが挙げられるが、これらに制約されることはない。イオン導電剤としては、四級アンモニウム塩等のカチオン性化合物や両性化合物,その他イオン性高分子材料が挙げられるが、これらに限定されるものではない。更に、アルミニウム等の金属材料からなる導電性ローラであっても良い。
本実施形態で用いる現像剤2は、トナー6と、該トナー6を帯電するためのキャリア4と、トナー6とは逆極性に荷電する荷電粒子8を含有するもので、この荷電粒子(逆極性粒子)8はトナー6に外添されている。例えば、トナー6がキャリア4によって負に帯電されているとき、荷電粒子8は現像剤2中で正に帯電されている正荷電性粒子である。また、例えば、トナー6がキャリア4によって正に帯電されているとき、荷電粒子8は現像剤2中で負に帯電されている負荷電性粒子である。このような荷電粒子8をトナー6に外添し、且つ現像装置34内の分離機構により、長期使用に伴ってキャリア4の表面に荷電粒子8を付着させることにより、トナー6や外添剤のキャリア4へのスペント等によりキャリア4の荷電性が低下しても、荷電粒子8もトナー6を正規の極性に荷電し得るため、キャリア4の荷電性低下を有効に補うことができ、その結果としてキャリア4の劣化を抑制できるのである。
好適に使用される荷電粒子は、トナーの帯電極性に応じて適宜選択される。荷電粒子の個数平均粒径は、例えば、100〜1000nmである。キャリアとの摩擦接触により負極性に帯電するトナーを用いる場合、荷電粒子は、トナーとの接触により正極性に帯電する微粒子が用いられる。そのような微粒子は、例えば、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、アルミナ等の無機微粒子や、アクリル樹脂、ベンゾグァナミン樹脂、ナイロン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂等の、熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂で構成できる。微粒子を構成する樹脂にトナーとの接触により正極性に帯電する正荷電制御剤を含有させてもよい。正荷電制御剤には、例えば、ニグロシン染料、四級アンモニウム塩等が使用できる。荷電粒子は含窒素モノマーで構成してもよい。含窒素モノマーを構成する材料には、例えば、アクリル酸2−ジメチルアミノエチル、アクリル酸2−ジエチルアミノエチル、メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸2−ジエチルアミノエチル、ビニールピリジン、N−ビニールカルバゾール、ビニールイミダゾールがある。
トナーには、画像形成装置で従来から一般に使用されている公知のトナーを使用できる。トナー粒径としては、これに限定されるものではないが、例えば約3〜15μm程度が好ましい。バインダー樹脂中に着色剤を含有させたトナー、荷電制御剤や離型剤を含有するトナー、表面に添加剤を保持するトナーも使用できる。
トナーは、例えば、粉砕法、乳化重合法、懸濁重合法等の公知の方法で製造できる。
トナーに使用されるバインダー樹脂は、限定的ではないが、例えば、スチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)、ポリエステル樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、またはそれらの樹脂を任意に混ぜ合わせたものである。バインダー樹脂は、軟化温度が約80〜160℃の範囲、ガラス転移点が約50〜75℃の範囲であることが好ましい。
着色剤は、公知の材料、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、活性炭、マグネタイト、ベンジンイエロー、パーマネントイエロー、ナフトールイエロー、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、ウルトラマリンブルー、ローズベンガル、レーキーレッド等を用いることができる。着色剤の添加量は、一般に、バインダー樹脂100重量部に対して、2〜20重量部であることが好ましい。
荷電制御剤は、従来から荷電制御剤として知られている材料が使用できる。具体的に、正極性に帯電するトナーには、例えばニグロシン系染料、4級アンモニウム塩系化合物、トリフェニルメタン系化合物、イミダゾール系化合物、ポリアミン樹脂が荷電制御剤として使用できる。負極性に帯電するトナーには、Cr、Co、Al、Fe等の金属含有アゾ系染料、サリチル酸金属化合物、アルキルサリチル酸金属化合物、カーリックスアレーン化合物が荷電制御剤として使用できる。荷電制御剤は、バインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の割合で用いることが好ましい。
離型剤は、従来から離型剤として使用されている公知のものを使用できる。離型剤の材料には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、カルナバワックス、サゾールワックス、又はそれらを適宜組み合わせた混合物が用いられる。離型剤は、バインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の割合で用いることが好ましい。
その他、現像剤の流動化を促進する流動化剤を添加してもよい。流動化剤には、例えば、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム等が使用できる。特にシランカップリング剤、チタンカップリング剤、およびシリコンオイル等で撥水化した材料を用いることが好ましい。流動化剤は、トナー100重量部に対して、0.1〜5重量部の割合で添加させることが好ましい。これら添加剤の個数平均一次粒径は10〜100nmであることが好ましい。
キャリアは、従来から一般に使用されている公知のキャリアを使用できる。バインダー型キャリアやコート型キャリアのいずれを用いてもよい。キャリア粒径は、限定的ではないが、約15〜100μmが好ましい。
図1に示す本実施形態に係る現像装置34を備えた画像形成装置と、図13に示す比較例に係る現像装置34’’を備えた画像形成装置とを用いて、本発明の作用効果を調べる実験を行った。この実験では、以下のトナー(トナーAと称する)及びキャリアを用いた。
トナーAの製造方法は以下のとおりである。湿式造粒法で作成された体積平均粒径約6.5μmのトナー母材100重量部に、複数の添加剤−第1の疎水性シリカ0.2重量部、第2の疎水性シリカ0.5重量部、疎水性酸化チタン0.5重量部−を添加した。次に、三井鉱山社製のヘンシェルミキサを用い、添加剤が添加されたトナー母材を攪拌して添加剤をトナー母材の表面に付着させた(つまり外添処理した)。ミキサの回転速度は40m/秒、攪拌時間は3分間であった。その後、荷電粒子(逆極性粒子)として、個数平均粒径350nmのチタン酸ストロンチウムを添加した。荷電粒子の添加量は、トナーAに含まれるトナー母材粒子100重量部に対して、2重量部であった。次に、この荷電粒子が添加されたトナーを三井鉱山社製のヘンシェルミキサで攪拌し、トナーの表面に荷電粒子を付着させて、負極帯電性のトナーAを得た。ミキサの回転速度は40m/秒、攪拌時間は3分間であった。
ここで用いた第1の疎水性シリカは、個数平均一次粒径16nmのシリカ(#130:日本アエロジル社製)を疎水化剤のヘキサメチルジラザン(HMDS)で表面処理して得たものである。第2の疎水性シリカは、固体平均一次粒径20nmのシリカ(#90:日本アエロジル社製)をHMDSで表面処理して得たものである。疎水性酸化チタンは、個数平均一次粒径30nmのアナターゼ型酸化チタンを、水系湿式環境で、疎水化剤のイソブチルトリメトキシシランにより表面処理して得たものである。
実験に用いたキャリアは、コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製bizhub C350キャリアである。このキャリアは、磁性体からなるキャリアコア粒子にアクリル樹脂をコーティングしたコート型キャリアである。
現像装置は図1に示す本実施形態に係る現像装置を使用した。
現像剤は、上述のキャリアとトナーAを用いた。現像剤中のトナー比率を8%に調整した。トナー比率は、現像剤全体の重量に対する、トナーと荷電粒子を含む添加材との合計重量の割合である(この点は、以下においても同様である)。
電界形成装置は、図9に示す形態を採用し、搬送ローラに直流電圧VDC2:−500ボルトを印加し、現像ローラには、直流電圧VDC1:−300ボルトと交流電圧を印加した。交流電圧は、周波数:2kHz、振幅VP−P:1,600ボルト、マイナスデューティ比(トナー回収デューティ比):40%、プラスデューティ比(トナー供給デューティ比):60%の矩形波であった(図14参照)。したがって、負極性に帯電したトナーをスリーブから現像ローラにバイアスする供給電位差(トナー供給電圧)は1,000ボルト、現像ローラからスリーブにトナーをバイアスする回収電圧差(トナー回収電圧)は600ボルトである。
現像装置は、図13に示す現像装置34’’を使用した。
現像剤は、実施例1と同一のものを用いた。電界形成装置やその他の条件も、実施例1と同一である。
コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製複写機bizhub C350を改造した画像形成装置を用い、複数の条件で画像面積率5%のオリジナル画像を50,000枚印刷した。10,000枚の印刷ごとに現像装置内の現像剤をサンプリングし、トナー帯電量を測定した。測定結果を図21に示す。この図から明らかなように、実施例1では、印刷枚数の増加に拘わらず、トナーの帯電量の低下は僅かであり略一定に近い値が維持されており、参考例よりも、印刷枚数の増加に対しトナーの帯電量がより安定している。
図15に示す実験装置170を用いて荷電粒子の帯電極性を確認した。実験装置170は、固定円筒体172と、円筒体172の内部に回転可能に配置されたマグネットローラ174と、マグネットローラ174を囲む外筒176を有する。円筒体172と外筒176との間には、負極性のトナーを円筒体172から外筒176に向けて電気的に付勢しない電界、すなわち、トナーと逆極性の荷電粒子を円筒体172から外筒176に向けて付勢する電界を加えた。そして、荷電粒子を含むトナーBとキャリアからなる現像剤を攪拌した後、攪拌後の現像剤を円筒体172の外周面に保持させてマグネットローラ174を回転した。結果、円筒体172から外筒176に向かう電界付勢力を受けた荷電粒子のチタン酸ストロンチウムが現像剤から分離して離脱し、外筒176の内面上に確認された。これにより、チタン酸ストロンチウムがトナーとは逆の極性(正極性)に帯電していることが分かる。
以上より、実施例1の現像装置34を用いた場合には、トナーと逆極性に帯電するチタン酸ストロンチウムがキャリアの表面により多量に付着することで、参考例の現像装置34’’を用いた場合よりも、キャリア帯電能低下をより有効に補うことができ、より長期にわたって帯電量が維持できたものと考えられる。
実施例1と参考例の違いは、搬送ローラ54に内包される磁極数のみであり、実施例1の現像装置34では、供給回収領域88に対応する磁極N1から、現像剤搬送方向の下流側において現像剤を搬送ローラ54のスリーブ60から剥離させる磁極S4とS5の対向領域までの現像剤搬送経路に、隣り合う磁極の極性が異なる複数の磁極S2,N2,S3,N3を上流側から順に配置したことにより、磁界の切り替わりが増えることに伴い、搬送ローラ54上での現像剤の挙動を活性化し、現像剤磁気ブラシの転動運動を活発化したことが、キャリア4の表面に荷電粒子8をより多量に付着させ、長期にわたってより高い荷電能力補助機能を実現することができた要因であると考えられる。
実施例1では、搬送ローラ54に内包する磁極数を増やすことで、供給回収領域88に対応する磁極N1から、現像剤搬送方向の下流側において現像剤を搬送ローラ54のスリーブ60から剥離させる現像剤放出領域94に対応する磁極S4とS5の対向領域までの現像剤搬送経路において、搬送ローラ54上での現像剤磁気ブラシの転動運動を活発化し、キャリア4の表面に荷電粒子8を多量に付着させるようにしたものであったが、搬送ローラ54の内部磁極ではなく、外部に磁極を配置しても同様の作用が得られるものと考えられる。
そこで、参考例の現像装置34’’を改造し、図16に示す実施例2に係る現像装置34Bの構成にて実験を行った。現像装置34Bは、供給回収領域88から現像剤放出領域94までの現像剤搬送経路において、搬送ローラ54に対向するハウジング部分42Bに、現像装置長手方向(搬送ローラ54の長手軸方向)に均一で、搬送ローラ54の(つまり円筒スリーブ60の)回転方向に極性の切り替わる複数の磁極をJ1,J2,J3を、外部磁極として固定したものである。
このように外部磁極J1,J2,J3を配置することで、供給回収領域88から現像剤放出領域94までの現像剤搬送経路に対応する搬送ローラ54内の搬送磁極が1極であっても、その両側への磁力線を引き出すと共に、対向部を同極とすることで現像剤磁気ブラシの激しい運動を生じさせ、この領域における荷電粒子8とキャリア4との混合を活発化させることが可能である。
この図より、搬送ローラ54に対向したハウジング部分42Bに複数の磁極J1,J2,J3を配設することで、搬送ローラ54上での現像剤磁気ブラシの転動を活発化することによっても、実施例1と同様にキャリア4の表面により多量の逆極性荷電粒子8を付着させ、長期にわたってより高い荷電能力補助機能を実現できることが判る。
上記実施例1と実施例2とを組み合わせて、供給回収領域88から現像剤放出領域94までの現像剤搬送経路において、該搬送経路に対応する複数の磁極を内包した搬送ローラ54を用いた上で、現像装置長手方向(搬送ローラ54の長手軸方向)に均一で且つ搬送ローラ54の(つまり円筒スリーブ60の)回転方向に極性の切り替わる複数の磁極を有する例えばマグネットシートを現像装置34Bの上記ハウジング部分42Bに貼り付けることで、キャリア表面への荷電粒子の付着を促進させることも考えられる。かかる構成の具体例を図18,19及び20に示す。
図18に示す具体例(実施例3)では、搬送ローラ54の内部磁極(N極,S極,N極)と、これらにそれぞれ対向するマグネットシートM1による外部磁極とが同極となるように両者の極性が設定されている。そして、上記マグネットシートM1では、搬送ローラ54の回転方向において、搬送ローラ54の内部磁極に対向する外部磁極の間に、1組のS極およびN極の磁極が設けられている。従って、搬送ローラ54の回転方向において、搬送ローラ54の内部磁極に対向する外部磁極の間で、1サイクルの極性の切替が行われることになる。
実施例1の現像装置34を用い、実施例3のマグネットシートM1を搬送ローラ54に対向するハウジング部分42Bに貼り付けた装置を構成し、実験Iにおける場合と同様に50,000枚の耐久試験を行った。耐久評価の各ポイントでサンプリングした現像剤のトナー帯電量を測定した結果を、実施例1及び実施例2での測定結果と共に図23に示す。
この図より、実施例3では、搬送ローラ54の内部磁極(N極,S極,N極)と、これらにそれぞれ対向するマグネットシートM1による外部磁極とが同極となるように両者の極性が設定し、しかも、上記マグネットシートM1に、搬送ローラ54の回転方向において、搬送ローラ54の内部磁極に対向する外部磁極の間に、1組のS極およびN極の磁極が設けて、搬送ローラ54の回転方向において、搬送ローラ54の内部磁極に対向する外部磁極の間で、1サイクルの極性の切替が行われるようにしたことで、搬送ローラ54上での現像剤磁気ブラシの転動を非常に効果的に活発化して、実施例1及び実施例2よりも荷電能力補助機能を更に高めることが可能であることが判る。
比較例1の搬送ローラ54とマグネットシートM2の構成を図19に示す。この比較例1は、マグネットシートM2の磁極配置が異なる以外は、実施例3と同様である。比較例1では、搬送ローラ54の内部磁極(N極,S極,N極)と、これらにそれぞれ対向するマグネットシートM2による外部磁極とで、同極ではなく極性が異なるように両者の極性が設定されている。この点だけが、実施例3と相違している。
実施例1の現像装置34を用い、実施例2のマグネットシートM2を搬送ローラ54に対向するハウジング部分42Bに貼り付けた装置を構成し、実験Iにおける場合と同様に50,000枚の耐久試験を行った。耐久評価の各ポイントでサンプリングした現像剤のトナー帯電量を測定した結果を、実施例3での測定結果と共に図24に示す。
この図より、比較例1では、実施例3に比べると荷電維持作用が小さいことが判る。これは、比較例1の磁極配置では、対向する磁極間で現像剤磁気ブラシが伸びるだけで、実施例1に示した内部磁極による現像剤の転動状態から余り大きく(実施例3に比して)状態を変えることはできなかったことによるものと考えられる。
比較例2の搬送ローラ54とマグネットシートM3の構成を図19に示す。この比較例1は、搬送ローラ54の内部磁極(N極,S極,N極)と、これらにそれぞれ対向するマグネットシートM3による外部磁極とが同極となるように両者の極性が設定されているが、搬送ローラ54の回転方向において、搬送ローラ54の内部磁極に対向する外部磁極の間に何らの磁極も設けられていないものである。
この比較例2の構成では、内部磁極と外部磁極とが全て反発磁界の関係にあるため、現像剤を現像槽内に搬送する作用が弱く、現像装置を駆動するにつれて現像剤の溢れが生じてしまった。
以上より、搬送ローラ54の内部磁極とマグネットシートによる外部磁極の配置については、実施例3に示すものが最適であると結論できる。
Claims (5)
- 少なくともトナーとキャリアを含む現像剤を用いて、静電潜像担持体上の静電潜像を可視像化する現像装置であって、
相互の摩擦接触によって互いに異なる極性に帯電するトナー及びキャリアと、上記トナーの表面に離脱可能に保持された状態で供給され該トナーとは異なる極性に帯電する荷電粒子と、を含む現像剤を貯える現像剤貯留部と、
磁石を内包し、上記現像剤貯留部から上記現像剤を搬送する第1の搬送部材と、
第1の領域を介して上記第1の搬送部材に対向し、第2の領域を介して上記静電潜像担持体に対向する第2の搬送部材と、
上記第1の搬送部材と上記第2の搬送部材との間に第1の電界を形成して、上記第1の搬送部材が保持している現像剤中のトナーを上記第2の搬送部材に移動させると共に、上記トナーの表面の上記荷電粒子の一部をトナーから分離させて現像剤中に回収させる第1の電界形成手段と、
上記第2の搬送部材と上記静電潜像担持体との間に第2の電界を形成して、上記第2の搬送部材が保持している上記トナーを上記静電潜像担持体の静電潜像に移動させて上記静電潜像をトナー画像として可視像化する第2の電界形成手段と、を備え、
上記第1の搬送部材に内包された上記磁石の上記第1の領域に対応する磁極から、上記現像剤搬送方向の下流側において現像剤を第1の搬送部材から剥離させる磁極までの現像剤搬送経路に、搬送される現像剤を上記第1の搬送部材上で転動運動させるための複数の磁極を配置した、
ことを特徴とする現像装置。 - 上記複数の磁極を、上記第1の搬送部材に内包された上記磁石の磁極として設けたことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
- 上記複数の磁極として、上記第1の搬送部材の長手方向に均一で該第1の搬送部材の回転方向に極性が切り替わる複数の外部磁極を、上記第1の搬送部材の外周部に対向して配置したことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
- 上記複数の磁極を上記第1の搬送部材に内包された上記磁石の磁極として設けると共に、上記第1の搬送部材の長手方向に均一で該第1の搬送部材の回転方向に極性が切り替わる複数の外部磁極を上記第1の搬送部材の外周部に対向して配置し、
互いに対向する上記磁石の磁極と上記外部磁極とが同極となるように両者の極性を設定すると共に、上記第1の搬送部材の回転方向において上記互いに対向する磁極の組の間にて1サイクルの極性の切替が行われるように上記外部磁極を設定した、
ことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。 - 請求項1〜4の何れかの現像装置を含む画像形成装置。
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