JPH10161425A - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

画像形成装置及び画像形成方法

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JPH10161425A
JPH10161425A JP32909996A JP32909996A JPH10161425A JP H10161425 A JPH10161425 A JP H10161425A JP 32909996 A JP32909996 A JP 32909996A JP 32909996 A JP32909996 A JP 32909996A JP H10161425 A JPH10161425 A JP H10161425A
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JP
Japan
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toner
image
fine particles
image carrier
transfer
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JP32909996A
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Inventor
Takeshi Saikawa
健 済川
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 像担持体上の潜像にトナーを選択的に付着し
て可視像とした後、記録材上に転写する画像形成装置に
おいて、転写効率を向上して廃棄トナーの発生量を少な
くすると共に、長期にわたり安定した画質を得る。 【解決手段】 像担持体1と対向して現像装置4を配設
し、この現像装置内に収容されるトナーに少なくとも2
種類以上の異なる微粒子を外添する。これらの微粒子
は、トナーより小粒径の粉状体であり、トナーに対して
帯電極性が逆極性側にある二種類の微粒子を含むものと
する。これにより、現像工程で複数の種類の微粒子がト
ナーと共に像担持体上の潜像に転移され、トナー像が形
成される。そして、転写帯電器5との対向位置でトナー
像に転写電界が作用すると、微粒子のうち少なくとも1
種類が像担持体に残留し、他の種類の微粒子がトナーと
ともに用紙上の転写される。このため、転写効率が著し
く向上し、クリーナレスが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、像担持体上に静電
潜像を形成し、これにトナーを選択的に付着して可視像
とした後、この像を記録シート等に転写する画像形成装
置および画像形成方法に係り、具体的には電子写真記録
装置、静電記録装置、イオノグラフィー、磁気潜像を利
用する画像形成装置およびこれらの装置における画像形
成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より知られている画像形成装置で
は、像担持体上に形成したトナー像を記録用紙等に転写
し、定着することによって記録画像を得る。そして、転
写後に像担持体上に残留するトナーは回収して廃棄する
のが一般的である。例えば電子写真式の画像形成装置に
おいては、表面に感光体層を有する像担持体を均一に帯
電する帯電工程、帯電された像担持体表面に像光を照射
することで静電潜像を形成する露光工程、該静電潜像に
トナーを付着させてトナー像を形成する現像工程、該ト
ナー像を記録材に転写する転写工程、該記録材上のトナ
ー像を定着する定着工程、及び前記転写工程後の像担持
体上に残留したトナーを除去するクリーニング工程によ
って画像が形成される。このクリーニング工程では、弾
性を有するゴムブレードもしくはブラシを像担持体表面
に押し当てて、残留したトナーを回収するようになって
おり、回収されたトナーは回収容器に蓄積され定期的に
廃棄される。
【0003】このような装置では、回収容器に蓄積され
る回収トナー量を常に検知または測定しておき、回収容
器が満杯になる前にトナーの廃棄または回収容器の交換
を行わなければならない。また、回収されたトナーは環
境保護や資源の利用削減等の観点から再利用が進められ
ているが、分別の問題、運搬・再生のためのエネルギー
の問題、回収方法・集積場所の問題等多くの問題を含ん
でいる。
【0004】このような問題点を解決するための手段と
しては次のようなものが考えられる。 (1)第1の手段は、トナー像を記録材へ転写する際の
転写効率を改善するものである。記録材への転写効率が
向上すればそれだけ像担持体上の残留トナーが減少し、
回収して処理しなければならないトナー量も低減され
る。 (2)第2の手段は、廃棄トナーを発生させないという
観点から、像担持体上に残留したトナーを清掃するため
のクリーニング装置を設けずに、残留トナーを現像と同
時に現像装置に回収して、現像に再利用するものであ
る。回収トナーのすべてを再利用することによって、ト
ナーを廃棄する必要はなくなる。
【0005】〈転写効率を改善する従来技術〉上記
(1)の転写効率を改善する手段としては次のようなも
のが開示されている。 (a)特開昭56−126872号公報に記載されてい
る技術は、転写を行うための電界が形成される領域を大
きくし、転写効率を改善しようとするものである。 (b)特開昭58−88770号公報、特開昭58−1
40769号公報に記載されている技術は、転写位置に
交番電界を形成するものである。この交番電界により像
担持体上のトナーに揺り動かすような力を付与し、像担
持体からの離脱を促進しようとするものである。 (c)特開平2−1870号公報、特開平2−8105
3号公報、特開平2−118671号公報、特開平2−
118672号公報、特開平2−157766号公報に
記載の技術は、現像剤中にシリカ等の剥離性微粒子を含
ませることで、これらの微粒子をトナーと像担持体との
間に介在させ、トナーと像担持体との付着力を低減して
トナーの転写効率を上げるものである。 (d)特開平1−134485号公報に記載されている
技術は、像担持体上に形成された潜像に無色透明のトナ
ーを付着させ、さらにその上から着色トナーを重ねて付
着させて現像を行うものである。このように形成された
トナー像では、着色トナーがほぼ100%転写される。
【0006】上記(a)(b)に示す手段はいずれも転
写効率を改善する効果を奏するものではあるが、転写後
の像担持体にはある程度のトナーが残留し、廃棄トナー
を低減するという目的のためには充分なものではない。
【0007】(c)に示す技術では、現像剤へ充分な量
の剥離性微粒子を添加し、剥離性微粒子で均一にトナー
を被覆することが要求される。しかしながら、すべての
トナーを剥離性微粒子で均一に被覆することは現実には
難しく、被覆不十分なトナーの存在を皆無とすることが
できない。また、すべてのトナーが剥離性微粒子で均一
に被覆されたとしても、現像器内で攪拌、層厚規制等の
様々なストレスを受ける間に、トナーからの剥離性微粒
子の遊離が生じることがある。従ってトナーに剥離性微
粒子が均一に被覆されたままの状態を維持するために
は、ストレスのかからない現像器を実現する必要が生じ
る。さらに、転写以外の問題として、トナーの剥離性が
高くなるために現像でトナークラウドが発生しやすくな
りプリント画像のカブリや、機内汚れが出やすくなる。
また、長く使用するうちに剥離性微粒子がトナー表面や
キャリア表面に付着して現像剤の帯電性が低下したり、
遊離した剥離性微粒子同士が凝集して塊状となり、それ
が原因で現像剤の流動性が低下して現像ムラを引き起こ
すことがある。また、現像剤から剥離性微粒子が遊離し
て現像剤の帯電性が変化することで画像濃度が変動する
ことがある。このような現象は、剥離性微粒子の量が多
く、また剥離性微粒子の粒径が比較的大きい場合に顕著
に現れる。現像剤中の剥離性微粒子の量、または粒径が
大きい場合には、トナー像中の剥離性微粒子が目に見え
る状態となり、画質上の問題を引き起こすこともある。
さらに、剥離性微粒子が多量に添加されたトナーは流動
性に富むために、転写時にトナー像が転写材に接触した
際にトナー像が乱されやすくなり、転写による画像乱れ
といった現象も生じやすくなる。
【0008】また、(d)に記載の技術では、トナー像
の転写を行った後に無色透明のトナーが多量に残留する
ことになる。このような無色透明トナーは転写残留トナ
ーとしてクリーニング装置を用いて回収した後、廃棄さ
れることになり、廃棄トナーの低減という問題を解決す
ることにはならない。
【0009】〈回収トナーを再利用する技術〉上記
(2)の回収したトナーを再利用する技術として、クリ
ーニング装置を備えずに、像担持体上の残留トナーを現
像装置によって回収する技術が、例えば特開昭59−1
33573号公報、特開昭59−157661号公報等
に記載されている。これらの装置は、トナー像を転写し
た後、次の画像を現像する際に、背景部に残ったトナー
を現像領域の電界内で現像ロールに転移させて回収する
ものである。
【0010】しかし、このような方式では、残留トナー
を現像装置内に回収するときに、紙粉その他の異物を同
時に現像装置内に送り込んでしまい、現像剤の寿命に悪
影響を与えることがある。また、転写後の像担持体をク
リーニングしないと、残留トナーが次の画像形成工程で
プリントアウトされるポジゴーストや、残留トナーの遮
光効果によるネガゴーストの発生が問題となる。このよ
うなゴーストへの対策として、特開平3−114063
号公報では転写残りトナー量を0.35mg/cm2
下とすることでゴーストを回避でき、また特開平3−1
72880号公報では転写工程におけるトナーの転写効
率を80%以上とすることでゴーストを回避できること
が記載されており、このような装置においてもトナーの
転写効率を上げることが必要となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】画像形成装置では、像
担持体上に形成されたトナー像は、主としてトナーと像
担持体間に生じる静電的な力で付着しているが、像担持
体と接触しているトナーには、この他にファンデルワー
ルス力等の非静電的な付着力も加わっている。従って、
通常、静電転写を行っても、なかなか100%転写は達
成困難である。そこで、過去、トナーと担持体間の非静
電的付着力を軽減するために、種々のアプローチが検討
されてきたことは前に述べた。
【0012】しかし、上述のように、回収・廃棄される
トナーを極力低減し、またはトナーの廃棄・処理を不要
とするためには、いずれも2次障害が大きく実現化が難
しい。また、廃棄しなければならないトナーを皆無とす
るためには、転写後の残留トナーをクリーニングしなく
てもゴーストやかぶり等の画像欠陥が発生しない程度ま
で転写効率を改善しなければならない。
【0013】本発明は、上記のような事情に鑑みてなさ
れたものであり、その目的は、トナー像を記録材または
中間体へ転写する際の効率を改善し、回収・廃棄するト
ナーを低減すること、これに加えてクリーニング装置を
不要として装置を簡素化すること、さらに廃棄するトナ
ーの発生を無くすることである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、本願発明に係る画像形成装置及び画像形成方法で
は、トナーに少なくとも2種類以上の異なる微粒子が外
添されており、現像工程で像担持体上の静電潜像がトナ
ーの付着により可視化される際に、これらの微粒子がト
ナーとともに像担持体上に転移される。そして、像担持
体が転写手段と対向する位置で、複数の種類の微粒子の
少なくとも1種類は、電気的又は化学的な力によって像
担持体に付着され、像担持体表面に残る。これと共に、
複数の種類の微粒子の少なくとも1種類は、トナーの表
面に付着され、転写時にトナーとともに転写媒体に転移
される。すなわち、像担持体上のトナー像が転写される
際に、トナーと共に転写媒体に転写される微粒子と、ト
ナーから遊離して像担持体上に残留する微粒子とが存在
することになる。
【0015】一般にトナーは像担持体と静電的な力で付
着しているが、その他にファンデルワールス力等の非静
電的な付着力も作用している。しかし、上記のようにト
ナーと像担持体との間に微粒子が介在されるとともに、
トナーの表面に複数の種類の微粒子が付着しており、ト
ナーと像担持体との間に作用する非静電的な力が低減さ
れる。そして、上記複数種の微粒子のうちの少なくとも
一種は像担持体表面に付着し易いものであり、他の種類
の微粒子はトナーとともに転移し易いものであることに
よって、像担持体とトナーとの間により確実に微粒子が
介在することになる。つまり、ある部分では、像担持体
上に付着し易い微粒子とトナーとともに転移し易い微粒
子との双方が積層された上にトナーが担持され、また他
の部分では像担持体上に充分に微粒子が付着していない
部分があっても、トナーの表面に付着している微粒子に
よって、像担持体とトナーとの間に微粒子が介在するこ
とになる。また、トナーに微粒子が充分に付着していな
いものがあっても像担持体上に付着し易いトナーが充分
に存在していればトナーはこの上に担持されることにな
る。上記のように、トナーと像担持体との間に微粒子が
介在することにより、転写工程で電界が作用するとトナ
ー粒子は容易に像担持体から転移し、高い転写効率を達
成することが可能となる。
【0016】トナー像が形成された像担持体の表面が転
写手段との対向位置を通過し、上記転写工程が行われた
後、像担持体上に付着している微粒子は、クリーニング
されることなく次の画像形成のためのプロセス装置との
対向位置を移動する。これにより、像担持体上に次の画
像の静電潜像が形成され、この静電潜像がトナーの付着
によって可視化されるが、このトナーは像担持体上に付
着している微粒子の上に転移され、該微粒子を介してト
ナー像が形成される。
【0017】上記トナーに外添される2種類以上の異な
る微粒子としては、例えば、トナーに対して帯電特性が
逆極性側にある2種類の微粒子とすることができる。こ
れにより転写工程でトナーに転写電界が作用すると、例
えばトナーと同極性に帯電している微粒子はトナーと同
方向に移動し、あるいはトナーに付着したまま転移して
記録媒体に付着する。一方、トナーと逆極性に帯電して
いる微粒子は、転写工程においてトナーとは逆方向の静
電気力を受け、微粒子はトナーと遊離して像担持体に残
留する。
【0018】このときの微粒子の帯電極性の規定の仕方
であるが、実際に微粒子単独での帯電極性の規定の仕方
は難しく、ここではトナー粒子に一定の被覆率で微粒子
を外添した場合にトナーの帯電量がもとの帯電量よりも
増加した場合にはトナーと同極性の微粒子、トナーの帯
電量がもとの帯電量よりも低下した場合にはトナーと逆
極性の微粒子と規定することができる。
【0019】また、上記微粒子はトナーよりも小粒径で
5μm以下のものが好ましい。すなわち、複数の微粒子
の少なくとも1種類はトナー像に混ざり込みトナー像と
ともに転写されるので、トナーよりも小粒径の微粒子を
用いることにより、トナー像を乱したり、定着後の画像
に色むらや抜け等が発生するのを防止することができ
る。
【0020】また、像担持体上に残留する微粒子を光透
過性の材料で形成することにより、像担持体上に微粒子
を付着したままその上から像担持体を一様に帯電し、像
光を照射しても正確な潜像を形成することができる。し
たがってトナーの付着によって可視化された像は鮮明な
ものとなる。微粒子の遮光効果については、要求される
画質をもとに、その付着量、付着状態から決まるもので
はあるが、微粒子そのものができるだけ遮光効果の低い
ものが好ましく、色合いとしては透明あるいは薄色がよ
い。また粒径はトナー粒径以下、望ましくは100nm
以下がよい。
【0021】上記微粒子の材料としては、具体的には、
酸化チタン、シリカ、アルミナ、チタン酸バリウム、チ
タン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜
鉛、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウ
ム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化
ケイ素、酸化クロム、ベンガラ等の無機微粉末や、ポリ
アクリレート、ポリメタクリレート、ポリメチルメタク
リレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化
ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等の有機微粉
末を用いることができる。環境安定性を考慮するとこれ
ら微粒子は吸湿性が少ないことが望ましく、特に、酸化
チタン、アルミナ、シリカ等の吸湿性を有する無機微粉
末の場合は、疎水化処理を施したものが用いられる。こ
れら無機微粉末の疎水化処理は、例えば、ジアルキルジ
ハロゲン化シラン、トリアルキルハロゲン化シラン、ア
ルキルトリハロゲン化シラン等のシランカップリング剤
やジメチルシリコンオイル等の疎水化処理剤と上記微粉
末とを高温度下で反応させて行うことができる。
【0022】これら微粒子の中で、使用するにあたっ
て、画質上特に前述の遮光効果を考慮する必要があるな
らば、有機微粉末では透明性に優れたポリアクリレー
ト、ポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレートの
等のアクリル系の微粉末が望ましい。また、無機微粉末
ではシリカが遮光効果の低い点で望ましい。
【0023】また、これら微粒子が、使用されるうちに
像担持体上にフィルム状となって付着してしまうよう
な、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシ
ウム等のフィルミングを起こしやすい材料は、当然トナ
ーに対してもフィルミングを起こしやすくトナーに対す
る付着力も強くなる。従って、このようなフィルミング
を起こしやすい材料の微粉末を像担持体上に付着させた
場合には、長期にわたり安定してトナーの転写効率を上
げる効果は得られない。したがって、これらを考慮して
微粒子の種類を選定することが望ましい。
【0024】また、像担持体上に微粒子を付着させる画
像形成装置及び画像形成方法としては、クリーナレスシ
ステムとすることで像担持体上に付着させた微粒子を長
期間像担持体上に留めておくことができ、微粒子の消費
量を少なくしてトナーの転写性向上効果を維持し続ける
ことができる。また、クリーナレスとすることで像担持
体上に付着させた微粒子がクリーナによって像担持体上
に強く押しつけられることがないために、微粒子の変形
による転写性の低下、微粒子の像担持体への融着による
像担持体の特性変化、微粒子による像担持体の磨耗、傷
といった心配もなくなる。
【0025】この場合、残留トナーのクリーニングを現
像装置で行う(兼用する)こともできるし、更に好まし
くは、残留トナーの回収を現像装置で行わずに、現像す
るトナーがほぼ一方向に転移する方式を採用すること
で、紙粉その他の異物混入の問題をも解決可能となる。
以上のような手段によって、ゴースト等の画像欠陥を有
効に防止することができるとともに、回収して廃棄すべ
きトナーの発生を皆無とすることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本願に係る発明の実施の形
態を図に基づいて説明する。図1は、請求項1、請求項
2又は請求項3に記載の発明の一実施形態である画像形
成装置を示す概略構成図である。この画像形成装置は、
一様に帯電した後像光を照射することにより表面に静電
潜像が形成される像担持体1と、この像担持体の周囲
に、像担持体の表面を一様に帯電する帯電器2と、画像
データに基づき像担持体に像光を照射し潜像を形成する
像書き込み装置3と、前記静電潜像にトナーを選択的に
転移して可視化する現像装置4と、ペーパーガイド8よ
り供給される用紙に像担持体表面のトナー像を転写する
転写帯電器5と、転写された用紙を像担持体から剥離す
る剥離用帯電器6と、剥離された用紙を搬送する搬送ベ
ルト9と、転写後の像担持体1を除電する除電露光装置
7とを有している。なお、本画像形成装置はクリーナレ
ス方式であり、クリーニング装置は設けられていない。
【0027】上記帯電器2は、電極ワイヤとグリット電
極とからなるスコロトロン帯電器であり、電極ワイヤに
高電圧を印加することにより像担持体1との間でコロナ
放電を発生させ、像担持体1の表面を一様に帯電させる
ものである。
【0028】上記像書き込み装置3は、形成される画像
の幅方向に配列された多数の発光素子(LED)を有
し、この発光素子が画像信号に基づいて点滅することに
よって回転駆動される像担持体1に像露光を行なうよう
になっている。
【0029】上記現像装置4は、図2に示すようにハウ
ジング38内に、像担持体1と微小間隙をおいて配置さ
れた円筒状の現像ロール31と、現像ロール31上の現
像剤量を規制する現像剤規制部材32とを有している。
【0030】上記現像ロール31は、周方向に複数の磁
極を有する磁石ロール40と、この周囲で回転可能に支
持された非磁性の中空円筒状のスリーブ39からなるも
のであり、スリーブ39の外周面に現像剤を磁気的に吸
着して搬送することができるようになっている。また、
現像ロールの後方には、現像剤を該現像ロールに供給す
るパドル33が設けられ、さらにその後方は第1の攪拌
室36および第2の攪拌室37となっている。この第1
の攪拌室36および第2の攪拌室37にはそれぞれ現像
剤を攪拌しながら現像ロールの軸線方向に搬送する第1
のオーガー34および第2のオーガー35が備えられて
いる。
【0031】この現像装置4で用いられる現像剤は磁性
キャリアとトナーとを混合した二成分現像剤であり、ト
ナーには2種類の異なる微粒子が外添されている。この
現像剤と外添される微粒子の種類については後に詳述す
る。ハウジング38内の現像剤は、オーガー34,35
によりミキシングされて帯電されるとともに、パドル3
3の回転によりスリーブ39の周面に供給される。スリ
ーブ39上に供給された現像剤は現像剤規制部材32に
より均されて、所定の厚みの現像剤層がスリーブ39上
に形成され、これが現像に供されるようになっている。
【0032】上記のような画像形成装置の主要部材のデ
ータおよび設定は次のとおりである。 像担持体 OPC感光体(φ84) ROS LED(400dpi ) プロセス速度 160mm/s 潜像電位 背景部:−550V、画像部:−150V 現像ロール マグネット固定、スリーブ回転方式 マグネット磁束密度:500G(スリーブ上) マグネット着磁:32極対称着磁 スリーブ径:φ25 スリーブ回転速度:300mm/s 感光体と現像ロールとの間隔 0.5mm 現像剤規制部材と現像ロールとの間隔 0.5mm 現像バイアス DC成分:−500V AC成分:1.5kVp-p (8kHz) 転写条件 コロトロン転写(ワイヤ径=85μm)
【0033】次に図2に示す現像装置4で用いられる現
像剤について説明する。 〈トナーおよび外添剤〉トナーは、例えば次のようにし
て作成したものを用いることができる。ポリエステル
(数平均分子量:4,300、重量平均分子量:9,8
00、Tg=58℃)94wt%、シアニンブルー49
38(大日精化)6wt%を混練粉砕し、平均粒径7μ
mの着色粒子を得る。平均粒径はコールターカウンタ
(コールター社製)で測定した値である。この着色粒子
に対し、外添剤として平均粒径40nmの酸化チタン微
粒子と平均粒径40nmのシリカ微粒子とを、それぞれ
着色粒子表面積に対する被覆率20%の割合で外添した
ものをサイアントナーとして用いる。
【0034】なお、被覆率f(%)は、トナーの平均粒
径をdt( m) 、微粒子の平均粒径をda( m) 、トナーの
比重をρt 、微粒子の比重をρa 、微粒子重量をWa
(kg)トナー重量をWt(kg)とすると、次式で与
えられる。
【数1】 上記例の着色粒子の比重は1.0、外添剤として用いら
れる酸化チタン微粒子の比重は4.5、シリカ微粒子の
比重は2.2である。
【0035】一般に、トナー粒子の粒径は画質に大きな
影響を与え、粒径が大きくなるほど画像は粗くなる。平
均粒径が20μm程度のトナーでも実用上の問題はない
が、細線の解像力を高くするためには、平均粒径が10
μm以下のトナーを用いるのが望ましい。しかしなが
ら、トナー径が小さくなるとトナーとキャリアの間に作
用する物理的付着力が支配的となり現像性が低下する。
また、トナー径が小さくなるとトナーの凝集もおこりや
すく取扱いの問題が生じる。このような観点から本発明
で用いるトナーは、平均粒径5μm以上、10μm以下
のものが望ましい。
【0036】トナー用の主バインダ樹脂としては、上記
例で使用されているポリエステル樹脂の他に、以下のも
のを使用することができる。例えば、ポリスチレン、ス
チレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタヂエン共
重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢
酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重
合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、ポリ
ウレタン樹脂等があり、これらを単体で、または、必要
に応じて複数のバインダ樹脂を混合して用いられる。
【0037】ヒートロール定着時にロールとの離型性を
高めトナーオフセットを防止する意味から、エチレン、
プロピレン等のオレフィン系単独または共重合体、カル
ナバワックス等のワックス成分を加えてもよい。この
際、ワックス成分の添加量としてはトナーに対して0.
5wt%以上、10wt%以下が望ましい。添加量がこ
れより少ないとワックス成分の効果が出ない。また、添
加量がこれより多いと熱によりトナーが変形しやすくな
り現像剤の帯電性が変化して安定した画像濃度が得られ
なくなる。
【0038】また、トナーの力学的強度を強くしたり、
ヒートロール定着時にトナーの凝集力を高めトナーオフ
セットを防止する意味から、重量平均分子量が1000
00以上の高分子量ポリマや、架橋ポリマを含有させて
もよい。これら、高分子量ポリマや、架橋ポリマの含有
量については、トナーに対して60wt%以下が望まし
い。含有量がこれより多いと定着時にトナーが良好に溶
融定着せず定着不良が問題となるからである。
【0039】トナーの着色剤については、黒色系として
はカーボンブラック、ニグロシン、黒鉛等が用いられ
る。有彩色系としては、次のようなものを用いることが
できる。 (イエロー、または、オレンジ顔料)C.I.ピグメン
トオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、
C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメント
イエロー14、C.I.ピグメントイエロー17、C.
I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエ
ロー94、C.I.ピグメントイエロー138、C.
I.ピグメントイエロー174 (マジェンタ、または、レッド顔料)C.I.ピグメン
トレッド5、C.I.ピグメントレッド48:1、C.
I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレ
ッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.
I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッ
ド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.
ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド1
66、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグ
メントレッド178、C.I.ピグメントレッド222 (サイアン、または、グリーン顔料)C.I.ピグメン
トグリーン7、C.I.ピグメントブルー15、C.
I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブ
ルー15:3、C.I.ピグメントブルー60
【0040】また、これらトナー着色剤の含有量は、ト
ナーに対し0.5wt%以上、20wt%以下であるこ
とが望ましい。0.5wt%未満では、発色性が十分で
なく鮮明な画質が得られなくなり、20wt%を越える
とトナー中での着色剤の分散不良による画質の濃度むら
が生じるからである。さらに、トナーに磁性を持たせる
ために磁性体微粉末を含ませてもよい。
【0041】このようなトナーは、上記材料を混練、粉
砕、分級してなる混練粉砕型トナーや、あるいは、ビニ
ル基を有する反応性モノマーを用いて懸濁重合や乳化重
合によって得られる重合トナーや、あるいは、上記バイ
ンダー樹脂と着色剤を有機溶剤中に溶解させ、それを水
中に分散させて造粒する溶解懸濁トナーを用いることが
できる。転写性から見てこれらトナーの形状は球形であ
る方がより優れた転写性が期待でき、その意味では重合
トナーや溶解懸濁トナー、あるいは、混練粉砕型トナー
を熱風処理してなる球形化トナーが望ましい。
【0042】一方、上記微粒子については次のようなも
のが用いられる。微粒子はトナー像に付着したり、もし
くはトナー像に混ざり込みトナー像とともに転写される
ことがあり、トナー像を乱したり定着後のトナー画像の
色ムラや抜け等を起こさないことが重要である。このた
め、少なくともトナー粒径以下の粒径の微粒子が使用さ
れる。また、細線や網点の再現性を考慮すると微粒子の
粒径はより小さい方が好ましく、5μm以下の粒径の微
粒子を使用することが望まれる。
【0043】さらに、像担持体に微粒子を付着させた状
態で潜像形成を行うことから、これら微粒子が遮光効果
を有することは望ましくない。微粒子の遮光効果につい
ては、要求される画質をもとに、その付着量、付着状態
から決まるものではあるが、微粒子そのものが出来るだ
け遮光効果の低いものが好ましく、色合いとしては透
明、あるいは薄色がよい。また粒径はトナー粒径以下、
望ましくは100nm以下の粒径の微粒子が使用され
る。
【0044】〈キャリア〉図2に示す現像装置4で用い
られるキャリアは、例えば次のようなものである。スチ
レン−アクリル共重合体(数平均分子量:23,00
0、重量平均分子量:98,000、Tg=78°C)
30wt%、カーボンブラック(塩基性カーボンブラッ
ク:pH=8.5)3wt%、粒状マグネタイト(最大
磁化80emu/g、粒径0.5μm )67wt%を
混練、粉砕、分級して平均粒径を45μmとしたもので
ある。このキャリアの帯電極性は正極性で、電気抵抗値
は1012Ωcmであり、比重は2.2である。なお、平
均粒径はマイクロトラック(日機装社製)で測定した値
である。
【0045】上記キャリアは磁性体微粉末をポリマーに
混合してなる、いわゆるポリマーキャリアであるが、鉄
・フェライト・マグネタイト等の金属粒子よりなる磁性
体粒子キャリアを用いることもできる。ポリマーキャリ
アは磁性体粒子キャリアに比べて一般に磁化が低いため
に、柔らかく密度の高い磁気ブラシを形成することがで
き高画質画像を得ることができる。また、像担持体上に
付着した場合に、像担持体表面を傷つけるおそれも少な
いという利点がある。さらに、比重も小さいためにキャ
リアの質量も小さく、現像装置内で現像剤がミキシング
される際にトナーに対するストレスが小さくなり、寿命
の長い現像剤を提供できるという長所がある。一方、磁
性体粒子キャリアはキャリアの比重が大きいためにキャ
リアの質量も大きく、現像装置内で現像剤がミキシング
される際にトナーに対するストレスが大きくなるが、現
像剤の帯電の立ち上がりが早いという利点があり、要求
される性能によってキャリアを使い分ければよい。
【0046】キャリアの粒子径については、粒子径が小
さいほど磁気ブラシは密になる。平均粒径が60μm以
下になるとその効果が現れ始める。しかし、平均粒径が
35μm未満となるような粒子径が小さいキャリアにな
ると、キャリアの磁気的拘束力が弱まるために潜像担持
体上へのキャリア付着が発生する。これらのことから、
キャリア粒子径は平均粒径が35μm以上、60μm以
下が望ましい。
【0047】〈現像剤〉上記トナーとキャリアとを混合
した現像剤としては、例えば、トナー濃度(TC:To
ner Concentration)を10wt%と
したものを用いることができる。ここでTCは次式で示
される。
【数2】
【0048】上記トナーとキャリアとを混合して現像剤
としたときのトナーの電荷量は、高すぎるとトナーのキ
ャリアに対する付着力が高くなりすぎて、トナーが現像
されないといった現象が発生する。一方、電荷量が低す
ぎると今度はトナーのキャリアに対する付着力が弱くな
りすぎて遊離トナーによるトナークラウドが発生し、プ
リントにおけるカブリが問題となる。トナーを現像させ
るという観点から現像剤中のトナーの電荷量を規定する
ならば、絶対値で5〜50μC/g、好ましくは、10
〜40μC/gの範囲にあることが望ましい。
【0049】また、微粒子の帯電極性であるが、実際に
微粒子単独で帯電極性を規定することは難しく、ここで
はトナー粒子に一定の被覆率で該微粒子を外添した場合
にトナーの帯電量がもとの帯電量よりも増加した場合に
はトナーと同極性の微粒子、トナーの帯電量がもとの帯
電量よりも低下した場合にはトナーと逆極性の微粒子と
規定する。このときのトナー粒子に対する微粒子の被覆
率は20%〜80%の面積率で規定する。帯電量は、ト
ナーと組み合せて現像剤とするキャリアを用い、トナー
濃度5〜15wt%のときの値を採用する。
【0050】ここで、微粒子の帯電極性の規定の仕方に
ついて具体的に説明する。着色粒子に対し、平均粒径4
0nmの酸化チタン微粒子を着色粒子表面積に対する被
覆率30%の割合で外添したものをサイアントナー
(A)とする。一方、この着色粒子に対し、平均粒径4
0nmのシリカ微粒子を着色粒子表面積に対する被覆率
30%の割合で外添したものをサイアントナー(B)と
する。これらをそれぞれキャリアと混合してトナー濃度
10wt%に調整した現像剤3gを、底面積3cm2
高さ3.5cmの円筒状のガラス瓶に入れ、振幅30c
m、一分間に30往復のペースで3分間ミキシングして
そのときのトナーの帯電量をブローオフ法で測定した。
その結果、サイアントナー(A)では−10μC/g、
サイアントナー(B)では−20μC/g、微粒子外添
前の着色粒子のまま同様にして測定すると、着色粒子の
ままでは−15μC/gとなった。この場合、トナーと
同極性に帯電する微粒子はシリカであり、逆極性に帯電
する微粒子は酸化チタンとなる。本例では、シリカ微粒
子と酸化チタン微粒子の両方がトナーに外添されてお
り、上記のようにトナーに対して帯電極性が逆極性側に
ある二種類の微粒子が用いられている。
【0051】次に上記のような構成の画像形成装置の動
作であって、請求項4に記載の発明の一実施形態である
画像形成方法について説明する。ドラム状の像担持体1
は回転駆動され、帯電器2によってほぼ一様に帯電され
た後、像書き込み装置3によって像光が照射される。像
担持体1の感光体層の電荷は露光によって低減され、表
面に静電電位の差による潜像が形成される。その後、像
担持体1に形成された潜像は現像装置4との対向位置に
移動する。この現像装置4が有する現像ロール31の表
面には、磁石ロール40の磁力によってキャリアの磁気
ブラシが形成されており、このキャリアの表面にトナー
が付着している。また、このトナーには外添剤として酸
化チタンおよびシリカの2種類の微粒子が付着してい
る。像担持体1と現像装置4との対向位置では、現像ロ
ール31から2種類の微粒子が付着したトナーが転移
し、潜像が可視化される。
【0052】このようにして形成されたトナー像は転写
帯電器5との対向位置に移動し、転写電界の作用により
トナー像が用紙上に転写される。このとき、トナーと同
極性に帯電しているシリカ微粒子は、トナーに転写電界
が作用するとトナーと同方向に移動、あるいはトナーに
付着したまま移動して用紙上に付着する。一方、トナー
と逆極性に帯電している酸化チタン微粒子は、転写電界
によりトナーとは逆極性の静電気力を受けるため、転写
されるトナーと引き離され、像担持体1の表面に残る。
したがって像担持体1上のトナー像が用紙上に転写され
るときに、トナーと一緒に用紙上に転写される微粒子
と、トナーから遊離して像担持体上に残る微粒子とが存
在することとなる。
【0053】その後、用紙上に転写されたトナー像は剥
離用帯電器7により剥離され、用紙搬送ベルト9により
図示しない定着装置に送られ、トナー像が用紙上に定着
される。このとき、転写されたトナーにはシリカ微粒子
が付着しているが、微粒子はトナーより小粒径であるた
め、画質劣化などの問題はない。
【0054】一方、用紙上にトナー像が転写された後、
像担持体上には酸化チタン微粒子が残っており、この微
粒子は像担持体1の回転により移動する。この画像形成
装置ではクリーニング装置は設けられておらず、酸化チ
タン微粒子が像担持体上に維持されたまま次の画像形成
工程に入り、像担持体1の表面が帯電器2でほぼ一様に
帯電され、像書き込み装置3から像光が照射される。こ
のとき、像光は微粒子の上から照射されるが、使用して
いる微粒子は光を透過するものであり、像担持体の感光
体層の電荷は露光によって低減され、表面に潜像が形成
される。この潜像は現像装置4により2種類の微粒子を
付着したトナーで現像され、像担持体1上の酸化チタン
微粒子の上に重ねてトナー像が形成される。このトナー
像は転写帯電器5によって用紙上に転写されるが、その
際、シリカ微粒子がトナー像とともに用紙上に転写さ
れ、酸化チタン微粒子が像担持体1の表面に残る。これ
により酸化チタン微粒子が像担持体1の表面に補充され
る。
【0055】このようにトナー像は酸化チタン微粒子を
介して像担持体1上に付着しており、ファンデルワール
ス力などの非静電的な付着力が小さくなる。またトナー
の表面にはトナーと共に転写されるシリカ微粒子が付着
しており、トナーと像担持体1と間には、より確実に微
粒子が介在することになり、トナーは転写電界で容易に
離脱し、用紙上に転写される。
【0056】なお、トナーは転写率が100%であると
残留トナーが生じないが、実際には僅かのトナーが像担
持体上に残ることがある。これらの残留トナーは次の画
像形成工程で、一部は現像装置に回収されたり、あるい
は一部は像担持体上に維持されたまま転写位置に達し、
次の画像とともに記録用紙に転写される。
【0057】次に、上記画像形成装置を用いてプリント
テストを行い、ゴーストなどの発生状況を調べた結果に
ついて説明する。また比較のため、トナーに外添する微
粒子の種類とその被覆率とを変えて同様のプリントテス
トを行った。トナーの外添剤としては、前述のシリカ及
び酸化チタンの他に、平均粒径40nmのポリメタクリ
ル酸メチル(PMMA)微粒子、平均粒径40nmのア
ルミナ微粒子を用い、これら微粒子の組み合わせを変え
て実験を行った。ここで、ポリメタクリル酸メチル(P
MMA)、アルミナを外添した場合について、トナーの
帯電量を前述のブローオフ法で測定したところ、トナー
と同極性に帯電する微粒子はポリメタクリル酸メチル微
粒子であり、逆極性に帯電する微粒子はアルミナ微粒子
であることが分かった。上記結果をもとに着色粒子に対
して微粒子とその被覆率を変更して、表1に示すトナー
を試作した。 (以下余白)
【0058】
【表1】 表1に示す現像剤をそれぞれ図1に示す現像装置4に装
填し、上記画像形成装置を用いてプリントテストを行
い、ゴーストの発生状況を調べた。その結果は表1の右
欄に示す。
【0059】表1に示すように、同極性の帯電微粒子単
独、又は逆極性の帯電微粒子単独を外添したトナーに比
べ、同極性の帯電微粒子と逆極性の帯電微粒子との両方
を外添したトナーではゴーストが発生しにくいことが分
かる。ゴーストは転写残留トナーによって発生するもの
であるから、この差はトナーの転写性及び高転写率の維
持性によるものと考えることができる。
【0060】この時の像担持体表面を観察すると、逆極
性の帯電微粒子を外添していないトナーを用いたケース
(b,e,h)では像担持体表面が清浄な状態であった
が、逆極性の帯電微粒子を外添したトナーを用いたケー
ス(a,c,d,f,g,i)では像担持体表面に逆極
性帯電微粒子が存在することが確認された。この事実よ
り、逆極性帯電微粒子を外添したトナーを用いたことに
より、転写工程で逆極性帯電微粒子がトナーから分離し
て像担持体上に残り、結果的に像担持体に微粒子を塗布
した状態になったといえる。一方、同極性帯電微粒子の
作用であるが、同極性帯電微粒子は転写工程においてト
ナーから分離しにくいためトナー表面に付着したままの
状態で転写の作用を受ける。従って、トナー表面に微粒
子が付着したそのままの状態で転写が行われるために微
粒子によるトナーの付着力を下げる効果も十分に得ら
れ、前述の像担持体に微粒子を塗布した状態による効果
と相まって転写性が向上したものと考えられる。
【0061】次に、各微粒子の粒径を10nm、40n
m、100nm、500nm、5μm、7μmと異なる
ものを用いて同様にプリントテストを行った結果につい
て説明する。その結果、ゴーストの出方は同様であった
が、プリントサンプルを評価すると、トナーに外添させ
た微粒子の粒径が5μmまでは画質上特に差は見られな
かったが、7μmになると実用上問題はないレベルでは
あるが細線に微小なムラが見られた。おそらく微粒子が
大きいために、転写の際にトナー像が乱されたためと考
えられる。このため、画質上からは微粒子の粒径は5μ
m以下が良いことが分かる。
【0062】次に、上記実験で用いた混練粉砕型の着色
粒子に変え、溶解懸濁法による球形の着色粒子を用いて
プリントテストを行った結果について説明する。球形の
着色粒子は、以下に示す溶解懸濁法により製造したもの
である。 (顔料分散液の調整)ビスフェノールAプロピレンオキ
サイド付加物、ビスフェノールAエチレンオキサイド付
加物およびコハク酸誘導体からなるポリエステル樹脂
(Tg=66°C、Tm=105°C)20部、フタロ
シアニン顔料20部、及び酢酸エチル200部をサンド
ミルに入れ3時間分散後ビーズを取り除き顔料分散液を
得た。
【0063】(WAX分散物の調整)融点89°C、1
00°Cにおける粘度15.0mPa・s、酸価0.5
mg/gのパラフィンワックス(日本精蝋社製HNPO
190)15部を85部の酢酸エチル中に添加して攪拌
装置付き耐圧容器に充填し、100°Cに加温し高剪断
攪拌後、冷却してWAX分散物を得た。
【0064】(着色粒子の調整)顔料分散液15部、W
AX分散物10部、酢酸エチル10部さらに顔料分散液
調整時に使用したポリエステルを28部を混合攪拌し、
油性相を調整した。カルボキシメチルセルロースナトリ
ウム(セロゲンBS−H第一工業製薬(株))2%水溶
液を水性相とした。分散安定剤として炭酸カルシウム
(ルミナス:丸尾カルシュウム(株))を水性相に5%
となるように加えた。油性相を水性相に入れ攪拌し、微
粒子化しその後加温により油性相中の溶媒を除去した。
さらに炉過、乾燥を行った。これにより平均粒子径7.
5μmの球状の着色粒子を得た。
【0065】この着色粒子に対して上記と同じ条件で微
粒子を外添し、プリントテストにおける転写性の違い、
即ち、ゴーストの出方の違いを調べた。その結果、ゴー
ストの発生もなく、トナーの転写性が良好に維持される
ことが確認された。
【0066】なお、上記画像形成装置では、トナー像を
転写することによって微粒子を像担持体に付着すること
ができるので、微粒子を付着させるための手段を不要と
することができるが、微粒子の付着量をより安定化する
ため、簡単な構成の微粒子の付着手段を設けてもよい。
【0067】像担持体上へ微粒子を付着させる手段とし
ては、機械的に付着させる方法、電気的に付着させる方
法、両者を併用した方法等が考えられる。機械的に付着
させる方法としては摺擦によるものが挙げられ、そのよ
うなものとしては例えばロール状、ブラシ状、フェルト
状、ウエブ状、刷毛状のもので摺擦する方法が挙げられ
る。ロール状のものとしては、金属あるいは硬質プラス
ティックのような剛体で形成された剛体ロールと、ゴム
のような弾性を有する材料を用いた弾性ロールが挙げら
れるが、摺擦ニップでの圧力、ニップ幅の調整のしやす
さからは弾性ロールの方が使いやすい。ブラシ状のもの
としては具体的には、磁気を利用した磁気ブラシや、フ
ァーブラシがある。このような機械的に付着させる方法
に加えて電界をかけることで微粒子の付着状態をより安
定化させることができる。
【0068】電気的に付着させる方法としては、微粒子
をクラウド状に分散させて電界の力で像担持体へ微粒子
を付着させる方法が挙げられる。微粒子をクラウド状に
分散させて付着させる手段としては、例えば、機械的振
動、エアー、超音波、交番電界を用いる方法や、例えば
ロール状、ブラシ状、ウエブ状、刷毛状のものに微粒子
を付着させておいて、それらを回転、振動、移動させる
方法が挙げられる。
【0069】なお、上記画像形成装置においては、複数
の微粒子の少なくとも1種類が転写工程で像担持体の表
面に残留するものであったが、トナー像が一旦転写され
るベルト状中間体を用いる画像形成装置では微粒子が中
間体上に残留するように設定してもよい。すなわち、転
写工程が像担持体から中間体へ、中間体から記録紙へあ
るいは中間体から別の中間体であっても、転写前のトナ
ー像が保持された部材を像担持体と読替え、転写後のト
ナー像が保持された部材を記録紙と読み替えれば同様に
適用可能である。これにより、像担持体から中間体、中
間体から記録紙または他の中間体へトナー像を転写する
際の効率を改善することができる。
【0070】また、1つの像担持体に対し、色の異なる
複数の現像器を備え、これを1色づつ作動させ、順次記
録紙上に転写して色を重ねるカラーのシステム、記録紙
の代わりに中間体に転写する方式でも適用可能である。
更に、色毎に複数の像担持体を設け、順次転写するいわ
ゆるタンデム方式でも同様であるし、現像によって複数
色のトナー像を像担持体上で重ね、これを記録紙上に一
括して転写するカラー方式においても、現像装置に実質
的にクリーニング即ちトナーの回収機構を設けない構成
であれば、適用可能である。
【0071】以上は、カールソンプロセスに基づく電子
写真記録方式において説明を行ったが、チャージレス方
式、背面露光方式等、記録紙に転写を行う間接記録方式
であれば適用可能である。一方、いわゆる静電記録方式
やイオノグラフィ方式等、感光体の代わりに誘電体を使
用して、静電潜像を直接書き込み、これを現像して転写
する場合にも有効である。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、本願発明に係る画
像形成装置及び画像形成方法では、トナーに外添された
複数の微粒子の少なくとも1種類を転写工程で像担持体
上に残留させ、他の微粒子の少なくとも1種類をトナー
と共に転写媒体に転移させるので、現像工程でトナー像
は像担持体上に微粒子を介して付着し、トナー像と像担
持体との付着力を低減することができる。このため、ト
ナー像の転写効率を著しく向上することができ、クリー
ナレス方式においてもゴーストやかぶりなどの無い画像
を得ることができる。また微粒子はトナーより小粒径の
ものが用いられているので、微粒子がトナーと共に転写
媒体に転移しても、画質劣化の発生を防止することがで
きる。このため、長期にわたり安定した画質が得られる
と共に、帯電器や現像剤の寿命が長く、エネルギー効率
の良い画像形成装置を達成することができる。さらに、
像担持体上に微粒子を付着させるための専用の装置を設
ける必要がなく、小型化及び低コスト化を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施形態である画像形成装置を示
す概略構成図である。
【図2】上記画像形成装置で用いられる現像装置を示す
概略構成図である。
【符号の説明】
1 像担持体(OPC感光体) 2 帯電器 3 像書き込み装置 4 現像装置 5 転写帯電器 6 剥離用帯電器 7 除電露光装置 8 ペーパーガイド 9 搬送ベルト 31 現像ロール 32 現像剤規制部材 33 パドル 34、35 オーガー 36、37 現像剤撹拌室 38 ハウジング 39 スリーブ 40 磁石ロール

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周面に静電潜像が形成される像担持体
    と、 前記像担持体上に形成された静電潜像に、トナーを選択
    的に転移してトナー像を形成する現像装置と、 前記トナー像を転写媒体に静電的に転写する転写装置と
    を有するクリーナレスの画像形成装置において、 前記トナーに少なくとも2種類以上の異なる微粒子が外
    添されており、 該複数の種類の微粒子の少なくとも1種類は、トナーと
    ともに前記像担持体上に転移され、該像担持体上に付着
    して前記転写装置との対向位置を通過するものであり、 前記複数の種類の微粒子の少なくとも1種類は、トナー
    とともに前記像担持体上に転移されるとともに、前記転
    写装置との対向位置でトナーとともに転写媒体に転移す
    るものであることを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 周面に静電潜像が形成される像担持体
    と、 前記像担持体上に形成された静電潜像に、トナーを選択
    的に転移してトナー像を形成する現像装置と、 前記トナー像を転写媒体に静電的に転写する転写装置と
    を有するクリーナレスの画像形成装置において、 前記トナーに少なくとも2種類以上の異なる微粒子が外
    添されており、 該複数の種類の微粒子は、トナーに対して帯電特性が逆
    極性側にある二種類の微粒子を含むことを特徴とする画
    像形成装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の画像形成装置におい
    て、 前記複数の種類の微粒子は、トナーより小粒径で、好ま
    しくは5μm以下であることを特徴とする画像形成装
    置。
  4. 【請求項4】 像担持体上に形成された静電潜像にト
    ナーを選択的に転移させて可視化し、該像担持体上に形
    成されたトナー像を転写手段により転写媒体に静電的に
    転写する画像形成方法において、 前記トナーに少なくとの2種類以上の異なる微粒子を外
    添しておき、 これらの微粒子をトナーとともに像担持体上の静電潜像
    に転移して静電潜像の現像を行ない、 前記像担持体が前記転写手段と対向する位置で、前記微
    粒子のうちの少なくとも1種類の微粒子を、電気的又は
    化学的な力によって前記像担持体に付着させて該像担持
    体上に残留させるとともに、他の微粒子の少なくとも1
    種類の微粒子は、トナーとともに前記転写媒体に転移さ
    せることを特徴とする画像形成方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008225389A (ja) * 2007-03-15 2008-09-25 Konica Minolta Business Technologies Inc 現像装置および画像形成装置
JP2008225309A (ja) * 2007-03-15 2008-09-25 Konica Minolta Business Technologies Inc 現像装置および画像形成装置

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JP2008225389A (ja) * 2007-03-15 2008-09-25 Konica Minolta Business Technologies Inc 現像装置および画像形成装置
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