JP2000089548A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2000089548A
JP2000089548A JP27437498A JP27437498A JP2000089548A JP 2000089548 A JP2000089548 A JP 2000089548A JP 27437498 A JP27437498 A JP 27437498A JP 27437498 A JP27437498 A JP 27437498A JP 2000089548 A JP2000089548 A JP 2000089548A
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carrier
image carrier
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JP27437498A
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Takeshi Saikawa
健 済川
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Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 像担持体上の潜像にトナーを選択的に付着し
て可視像とした後、記録材に転写する画像形成装置にお
いて、転写効率を向上して廃棄トナーの発生量を少なく
するとともに、長期にわたり安定した画質を得る。 【解決手段】 像担持体1と対向して現像装置4を配設
し、該現像装置内に収容されるトナーに、これより小粒
径の微粒子を外添する。このとき、微粒子の外添被覆率
が100%以上のトナー粒子を、現像装置内のトナー中
に3wt% 以上、30wt% 以下含ませるように調整する。
また、像担持体1と現像装置4との間にはAC電界を作
用させる。これにより、トナーが像担持体1と現像装置
4との間で往復運動し、像担持体1と繰り返し接触する
ため、像担持体上で微粒子がならされほぼ均一に分散付
着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、像担持体上に潜像
を形成し、これにトナーを選択的に付着して可視像とし
た後、記録シート等に転写する画像形成装置に係り、具
体的には電子写真記録、静電記録、イオノグラフィー、
磁気潜像等を利用する画像形成装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、世界的な地球環境保護に対する意
識の高まりから、画像形成装置では廃棄トナーの発生が
問題視されており、そのため像担持体等に残留したトナ
ーを回収するクリーニング装置を設けない、いわゆるク
リーナレス化への要求が高まっている。
【0003】クリーナレスを実現するにはトナーの転写
効率を上げることが必要であり、そのためには、 特開昭
58−88770号公報、 特開昭58−140769号
公報で記載されているように、像担持体上のトナー像を
転写するときに交番電界を作用させる方法がある。 この
ような方法ではトナーの転写率は向上はするが、 像担持
体に直接付着しているトナー粒子を完全に転写すること
はできず、 転写効率を上げるという意味ではまだ不十分
である。
【0004】転写効率を上げるには、像担持体に直接付
着しているトナー粒子を完全に転写することが重要であ
り、 そのためには、 トナーと像担持体との間の付着力を
下げることが有効である。 そのような方法として、 例え
ば、 特開平2−1870号公報、 特開平2−81053
号公報、 特開平2−118671号公報、 特開平2−1
18672号公報、 特開平2−157766号公報に記
載されているように、現像剤中にシリカ等の剥離性微粒
子を含ませることで、 それらの微粒子をトナーと像担持
体との間に介在させ、トナーと像担持体との付着力を下
げてトナーの転写効率を上げる方法がある。
【0005】このように現像剤へ剥離性微粒子を添加し
てトナーの転写性を上げる方法では、 剥離性微粒子で均
一にトナーを被覆することが要求される。 しかしなが
ら、 すべてのトナーを剥離性微粒子で均一に被覆するこ
とは現実には難しく、 被覆不十分なトナーの存在を皆無
とするには、 被覆条件、 被覆材料に検討を加えることが
必要となる。 また、 すべてのトナーが剥離性微粒子で均
一に被覆されたとしても、 現像装置内で攪拌、 層厚規制
等の様々なストレスを受ける間に、 トナーからの剥離性
微粒子の遊離が生じることがある。 従って、剥離性微粒
子がトナーに均一に被覆されたままの状態を維持するた
めには、 ストレスのかからない現像装置を検討する必要
が生じる。
【0006】さらに、 転写以外の問題として、 トナーの
剥離性が高くなるために現像でトナークラウドが発生し
やすくなり、プリント画像のカブリや、機内汚れがでや
すくなる。 また、 長く使用するうちに剥離性微粒子がト
ナー表面やキャリア表面に付着して現像剤の帯電性が低
下したり、 遊離した剥離性微粒子同士が凝集して塊状と
なり、 それが原因で現像剤の流動性が低下して画像ムラ
を引き起こすことがある。 また、 現像剤から剥離性微粒
子が遊離して現像剤の帯電性が変化し、画像濃度が変動
することがある。 このような現象は、 剥離性微粒子の量
が多く、 また、剥離性微粒子の粒径が比較的大きい場合
に顕著に現れる。 現像剤中の剥離性微粒子の量、 または
粒径が大きい場合には、 トナー像中の剥離性微粒子が目
に見える状態となり、画質上の問題を引き起こすことも
ある。 さらに、 剥離性微粒子が多量に添加されたトナー
は流動性に富むために、 転写時にトナー像が転写材に接
触した際にトナー像が乱されやすくなり、 転写による画
像乱れといった現象も生じやすくなる。
【0007】このような問題に対し、特開平9−212
010号公報では、微粒子を像担持体上に予め付着して
おき、 その後現像あるいは転写によりトナー画像を形成
する方法が開示されている。
【0008】こうすることでトナーと像担持体との間に
微粒子が介在することになり、 前に述べたのと同じ理由
で、 トナーそのものの剥離性が低くてもこの微粒子の作
用でトナーと像担持体との間の付着力が下がり、トナー
像の転写性が上がる。 従って、 現像剤へ剥離性微粒子を
過剰に添加することに起因する、現像剤の帯電維持性の
劣化や、 トナーの高流動性による画像乱れといった画質
に関する問題を引き起こさずに、トナーを効率良く転写
することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
9−212010号公報に記載されるように、像担持体
上に微粒子を付着させる方法で多数のプリントを行う
と、トナーの転写むらにより、画像品質の低下が生じ
る。それは、頻繁にトナー画像が形成される部分はトナ
ーとともに微粒子がとられるために微粒子の付着量が減
少し、頻繁にトナー画像が形成されない部分は微粒子が
とられにくいために微粒子の付着量が増大し、その結果
像担持体上に微粒子の付着むらが生じ、それが転写むら
につながったためである。微粒子の付着むらをならすた
めにロール、ベルト、といった接触帯電方式を組み合わ
せて使うことも考えられるが、ロール、ベルト、といっ
た接触帯電方式では表面が平滑であるために微粒子の付
着むらを均一にならすことはできない。従って、新たに
微粒子の付着むらを均一にならすための手段を設けるこ
とが必要になるが、それは装置の大型化、コストアップ
を招くために好ましくはない。
【0010】このような問題に対して、磁気ブラシ現像
と組み合わせて微粒子の付着むらをならす策が考えられ
るが、微粒子を均一にならすにはきめの細かい磁気ブラ
シを形成する必要があるために小径のキャリアを用いる
ことになる。そのようなキャリアは磁極が弱いので、画
像濃度を上げるために現像電界を強く作用させると、像
担持体へのキャリア付着といった2次障害が生じやすく
なり、現像性と微粒子の均一付着性との両立が課題とな
る。
【0011】本発明は、上記の問題点に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、簡単な構成で、現像性に優
れ、かつ、長期にわたり安定してトナーの高転写率が得
られる画像形成装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載の発明は、 表面に静電潜像が形成
される像担持体と、該静電潜像をトナーの付着により可
視化する現像装置とを備え、 前記像担持体上に微粒子
を付着させ、その上に前記トナーを静電的に転移させて
トナー像を形成する画像形成装置において、 前記現
像装置内のトナーが前記微粒子と同じ微粒子を外添して
なり、 前記微粒子の外添被覆率が100%以上のトナ
ー粒子が、前記現像装置内のトナー中に3wt%以上、3
0wt%以下含まれており、 前記像担持体と前記現像装
置との間で前記トナーを往復運動させ、前記像担持体と
繰り返し接触させるようなAC電界を、前記像担持体と
前記現像装置との間に作用させるものとする。
【0013】像担持体上に付着している微粒子の付着状
態をほぼ均一に制御するために、筆者らは鋭意調査を行
い、現像時に現像領域におけるトナーの往復運動を利用
することに思い至った。以下、その作用を説明する。
【0014】像担持体上の微粒子の付着状態をほぼ均一
にならすためには、微粒子をならすための均一化部材
が、微粒子と接触する確率を高めることが重要である。
その意味では、トナー粒子は粒径が小さく、自由度も高
いことから、均一化部材に適しているといえる。しかも
AC電界下で現像を行うと、像担持体と現像装置との対
向部でトナーが往復運動する様子は目視でも観察され、
AC電界の強度が高いほどトナーの往復運動が活発にな
る。本発明では、トナーに予め微粒子を外添しておき、
現像時にトナーを往復運動させて像担持体に繰り返し接
触させることにより、トナー表面の微粒子を像担持体に
付着させるとともに、像担持体上の微粒子をほぼ均一に
ならすことが可能となる。
【0015】上記現像装置と像担持体との間隔は、通
常、0.2mm〜1.0mmに設定される。このとき、現像
装置と像担持体との間隔をd[m] 、AC電圧のVp-p
[V] の1/2値をVpとすると、Vp/d[V/m] が1.
0×106 [V/m] を超えるあたりからトナーの往復運動
が活発になる。しかし、Vp/d[V/m] が1.0×10
7[V/m] を超えるとリークが生じ易くなることから、請
求項2に記載したように、Vp/d[V/m] は1.0×1
6 [V/m] 以上、1.0×107 [V/m] 以下であること
が望ましい。
【0016】AC電圧の周波数については、低すぎると
トナーの往復運動の頻度が少なく、高すぎるとトナーの
運動がついていけなくなる。このようなことから、請求
項2に記載したように0.5kHz以上、10kHz以
下の周波数が用いられる。このようなAC電界条件下
で、像担持体と現像装置との対向部で生じるトナーの往
復運動を利用することにより、微粒子の付着むらをほぼ
均一にならすことができる。
【0017】さらに、AC電界下でのトナーの往復運動
の様子を詳細に観察すると、以下のことが判明した。す
なわち、現像装置内のトナーの中に、比較的往復運動し
やすいトナーを少量含ませることで、トナー全体の往復
運動が極めて効率よく行われることである。例えば、A
C電界が一定の条件下で、通常のトナーの中に、外添す
る微粒子の量が多くて付着性が低いトナーを混合させて
いくと、混合量がある量を超える当たりから、突然トナ
ー全体の往復運動が始めるポイントが見られる。筆者ら
が考えるに、AC電界内でトナーが往復し始めると、こ
れらトナーが現像剤中のトナーに衝突することでトナー
を叩き出す効果が生まれ、その後、雪崩式にトナーの往
復運動が起こるものと思われる。
【0018】このような観点から、本発明では現像装置
内のトナーの中に、外添微粒子の被覆率を高めた低付着
性のトナーを少量含有させている。外添微粒子の被覆率
を高めたトナーであるが、トナーの付着力を下げてAC
電界下での往復運動を効率的に行わせるためには、微粒
子の被覆率は100wt%以上であることが望ましい。
【0019】このときの被覆率は下記のように定義す
る。被覆率をf(%) 、トナーの平均粒径をdt(m) 、外
添する微粒子の平均粒径をda(m) 、トナーの比重をρ
t、外添する微粒子の重量をWa(kg)、トナーの重量を
Wt(kg)としたときに、 f(%)={ √3 ×dt×ρt ×Wa}/{2 π×da×ρa ×Wt}
×100 とする。
【0020】現像装置内のトナー中の微粒子の被覆率を
高めたトナーの含有量は、少ないとAC電界内での叩き
出し効果がでず、多いとトナーの流動性が高いことによ
る転写時のトナー像の乱れが発生する。このようなこと
から、現像装置内のトナー中の微粒子の被覆率を高めた
トナーの含有量は、請求項1に記載のように3wt%以上
で30wt%以下、より好ましくは5wt%から20wt%の
範囲に設定される。
【0021】微粒子の被覆率を高めたトナー以外のトナ
ーについては、トナーの流動性、及び転写時の像乱れを
考慮すると、微粒子の被覆率は40%〜90%、特に6
0%〜80%で使用されることが好ましい。40%未満
では、像担持体上に微粒子を付着させる機能が不十分で
あり、100%を超えると微粒子のクラウドにより、機
内が汚れやすくなるためである。
【0022】トナー粒子表面に外添する微粒子として
は、酸化チタン、 アルミナ、 シリカ、チタン酸ストロン
チウム、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム、酸化
亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリ
ウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化珪素、ベン
ガラ等の無機微粒子や、 ポリスチレン、ポリアクリレー
ト、 ポリメタクリレート、 ポリメチルメタクリレート、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデ
ン、ポリテトラフルオロエチレン等の有機微粒子が用い
られる。これら、 トナーに外添する微粒子は、 凝集防止
剤、 流動性向上剤、帯電制御剤としても働く。
【0023】これら微粒子の粒径は、20nm以上、1
00nm以下が好ましい。粒径が20nm未満では、長
期使用の間に微粒子がトナー中に埋没して機能を果たさ
なくなり、粒径が100nmを越えると、微粒子がトナ
ー表面から早期に剥がれ落ちてしまい、長期の使用にお
いて機能を果たさなくなるからである。
【0024】また、トナーにはこれら微粒子を像担持体
に付着させる作用を持たせることから、トナー自身の付
着力が小さいことが必要である。これは、AC電界下で
トナーの往復運動をしやすくさせるためにも重要であ
る。このため、請求項5に記載のようにトナーの形状が
球形であることが望ましく、球形化度が110以下のも
のがよい。
【0025】球形化度は以下のように定義する。トナー
をFE−SEMで無作為にサンプリングし、 その画像情
報を画像解析装置( ルーゼックス: ニコレ社製) で解析
し、以下の式より導出された数値を球形化度として用い
た。 S={π×(MXLNG)2 }/ {4×(AREA)}
×100 MXLNG:絶対最大長 AREA:トナー粒子の投影面積
【0026】また、トナー粒子の粒径は画質に大きな影
響を与え、 粒径が大きくなるほど画像は粗くなる。平均
粒径が20μm 程度のトナーでも実用上問題はないが、
細線の解像力の点からは、 平均粒径が10μm 以下のト
ナーであることが望ましい。しかしながら、 トナーの粒
径が小さくなるとトナーとキャリアとの間に作用するフ
ァンデルワールス力のような付着力が支配的となり、現
像性が低下する。また、 トナーの粒径が小さくなるとト
ナーの凝集も起こりやすくなり、取扱いの問題が生じ
る。このような点から、 トナーの平均粒径は5μm 以
上、10μm 以下が好ましい。
【0027】また、請求項3に記載のように、AC電界
を作用させない状態では、像担持体の表面にトナーが接
触しないように像担持体と現像装置との間隔が保持され
ていることが望ましい。すなわち、現像剤が像担持体に
直接接触する、いわゆる接触現像よりも、現像剤が像担
持体に直接接触せずトナーの自由度が高い非接触現像を
採用することで、AC電界下でトナーをより効率良く往
復運動させることができ、微粒子の付着むらをより均一
にならすことができる。
【0028】カラー化への要求が高まる中、カラー特性
に優れる非磁性トナーを均一に帯電させる上で、請求項
4に記載したようなトナーとキャリアとからなる二成分
現像剤は優れた性能を発揮する。二成分現像剤に上記の
ようなAC電界条件を適用する場合は、キャリアの抵抗
値に注意をする必要がある。キャリアの抵抗値が1012
Ω・cm 未満の場合は、電界リークが生じやすい。また、
このように抵抗の低いキャリアでは、キャリア粒子に電
荷が注入されて像担持体上へキャリアが付着しやすくな
り、転写での画像抜けが発生することもある。したがっ
て、請求項7に記載したように、キャリアの抵抗値は1
12Ω・cm 以上であることが望ましい。
【0029】キャリア抵抗値の測定は以下の方法によ
る。キャリア10gを直径40mmの円筒状の成型容器
に入れ、 電極に挟み込み、1トンの圧力をかけた状態で、
電圧を変化させて電流値を測定する。そして、 サンプル
の厚みから電界―体積抵抗値曲線をプロットし、100
0V/cmでの抵抗値を採用する。
【0030】本発明で用いられるキャリアの種類につい
ては、鉄、フェライト等の金属粒子を樹脂で被覆した金
属粒子キャリア、あるいは、磁性粉をポリマー樹脂中に
分散させたポリマーキャリアのいずれを用いることもで
きる。キャリアの形状は、 トナーの往復運動を促進させ
る意味からもトナーとの離型性が高いことが望ましい。
その意味では、請求項6に記載したように、金属粒子キ
ャリア、ポリマーキャリアにかかわらず球形であること
が好ましく、球形化度は110以下のものが望ましい。
【0031】球形化度はトナーの場合と同様に以下のよ
うに定義する。キャリアをFE−SEMで無作為にサン
プリングし、 その画像情報を画像解析装置( ルーゼック
ス: ニコレ社製) で解析し、以下の式より導出された数
値を球形化度として用いた。 S={π×(MXLNG)2 }/ {4×(AREA)}
×100 MXLNG:絶対最大長 AREA:キャリア粒子の投影面積 なお、この球形化度は数平均で表す。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本願に係る発明の実施の形
態を図に基づいて説明する。図1は、本願発明の一実施
形態である画像形成装置を示す概略構成図である。この
画像形成装置は、一様帯電後に像光を照射することによ
り表面に静電潜像が形成される像担持体1と、この像担
持体1の周囲に、像担持体の表面を一様に帯電する帯電
器2と、画像データに基づき像担持体に像光を照射して
静電潜像を形成する像書き込み装置3と、前記静電潜像
にトナーを選択的に転移して可視化する現像装置4と、
ぺーパーガイド8より供給された用紙に像担持体表面の
トナー像を転写する転写帯電器5と、転写された用紙を
像担持体から剥離する剥離用帯電器6と、剥離された用
紙を搬送する搬送ベルト9と、転写後の像担持体1を除
電する除電露光装置7とを有している。なお、本画像形
成装置はクリーナレス方式であり、クリーニング装置は
設けられていない。
【0033】上記像担持体1は、円筒状の導電性基体の
表面にOPC感光体が積層されたものであり、導電性基
体は電気的に接地されている。この像担持体1は、図1
中に示す矢印A方向に周回移動可能に支持されている。
【0034】上記像書き込み装置3は、形成される画像
の幅方向に配列された多数の発光素子(LED)を有
し、この発光素子が画像信号に基づいて点滅することに
よって回転駆動される像担持体1に像露光を行うように
なっている。
【0035】上記現像装置4は、図2に示すように、ハ
ウジング20内に、像担持体1と微小間隔をおいて配置
された現像ロール21と、現像ロール21上の現像剤量
を規制する現像剤規制部材22とを有している。上記現
像ロール21は、回転可能に支持された中空円筒状の現
像スリーブ21bと、該現像スリーブ21bの内部にこ
れと同軸に固設された32極のマグネットロール21a
とを備えており、現像スリーブ21bの外周面に現像剤
を磁気的に吸着して搬送することができるようになって
いる。上記現像スリーブ21bは導電性部材で構成され
ており、現像バイアスを印加するための電源28が接続
されている。現像ロール21と像担持体1との間には、
電源28から交流電圧を重畳した直流電圧が印加され、
これらが対向する現像領域に交番電界が形成される。こ
の現像領域では、現像スリーブ21b上の現像剤層が像
担持体1と非接触に保たれている。現像ロール21と像
担持体1との間に印加される電圧については後述する。
【0036】また、現像ロール21の後方には、現像剤
を現像ロール21に供給するパドル23が設けられ、さ
らにその後方は第1の撹拌室26および第2の撹拌室2
7となっている。この第1の撹拌室26および第2の撹
拌室27にはそれぞれ現像剤を撹拌しながら現像ロール
21の軸線方向に搬送する第1のオーガー24および第
2のオーガー25が備えられている。
【0037】上記現像装置で用いられる現像剤は磁性キ
ャリアとトナーとを混合した二成分現像剤であり、トナ
ーには微粒子が外添されている。この現像剤および微粒
子については後に詳述する。
【0038】このような現像装置では、現像剤はオーガ
ー24,25によりミキシングされて帯電されるととも
に、パドル23の回転により現像スリーブ21bの周面
に供給される。現像スリーブ21bに供給された現像剤
は現像剤規制部材22により穂切りされ、所定の厚みの
現像剤層が現像スリーブ21b上に形成される。上記現
像ロール21と像担持体1との間には、直流電圧に交流
電圧を重畳した電圧が印加されており、現像スリーブ2
1bからトナーが像担持体1に転移して潜像が可視化さ
れるようになっている。
【0039】上記のような画像形成装置の主要部材のデ
ータおよび設定は次のとおりである。 感光体 OPC(φ84) ROS LED(400dpi ) プロセス速度 160mm/s 潜像電位 背景部:−550V、画像部:−150V 現像ロール マグネット固定、スリーブ回転方式 マグネット磁束密度:500G(スリーブ上) マグネット着磁:32極対称着磁 スリーブ径:φ25 スリーブ回転速度:300mm/s 現像ロール上での現像剤穂立ち高さ 0.2mm 像担持体と現像ロールとの間隔 0.3mm〜1.2mm 現像バイアス DC成分:−500V AC成分:2.0kVp-p (Vp =1.0kV) 周波数:0.3kHz〜12kHz 転写条件 コロトロン転写(ワイヤ径=85μm) 転写電圧:+5.0kV
【0040】次に上記現像装置4で用いられる現像剤に
ついて説明する。 〈トナー〉トナーは、例えば次のようにして作成したも
のを用いることができる。ポリエステル(数平均分子
量:4,300、重量平均分子量:9,800、Tg=
58℃)94wt%、シアニンブルー4938(大日精
化)6wt%を混練粉砕し、高温熱風処理することで、
平均粒径7μmで球形化度108の着色粒子を得る。平
均粒径はコールターカウンタ(コールター社製)で測定
した値である。このトナーの帯電極性は負極性である。
次に、平均粒径50nm、疎水化度65の酸化チタン微
粒子を前述の着色粒子に外添してトナーとする。酸化チ
タン微粒子の着色粒子に対する被覆率は70%としてい
る。また、このトナーとは別に、酸化チタン微粒子の着
色粒子に対する被覆率を100%としたトナーを作製す
る。以下、この酸化チタン微粒子の着色粒子に対する被
覆率が高いトナーを母トナーと称す。
【0041】なお、被覆率f(%)は、着色粒子の平均
粒径をdt(m) 、微粒子の平均粒径をda(m) 、着色粒
子の比重をρt 、微粒子の比重をρa 、微粒子重量をW
a(kg)、着色粒子重量をWt(kg)とすると、次
式で与えられる。 f(%) ={√3×dt ×ρt ×Wa}/{2π×da ×
ρa ×Wt}×100 上記着色粒子の比重は1.2、酸化チタン微粒子の比重
は4.5である。
【0042】トナーの平均粒径は、 細線の解像力を高く
するため、10μm以下であることが望ましい。 但し、
トナー径が小さくなると、トナーとキャリアの間に作用
するファンデルワールス力のような付着力が支配的とな
り、現像性が低下する。 また、 トナーの凝集も起こりや
すくなり、取扱いの問題が生じる。 このような観点か
ら、 トナーの平均粒径は5μm以上、10μm以下が好
ましく、本実施形態では約7μmのトナーを用いてい
る。
【0043】トナー用の主バインダ樹脂としては、上記
例で使用されているポリエステル樹脂の他に、以下のも
のを使用することができる。例えば、ポリスチレン、 ス
チレンープロピレン共重合体、 スチレンーブタヂエン共
重合体、 スチレンー塩化ビニル共重合体、 スチレンー酢
酸ビニル共重合体、 スチレンーアクリル酸エステル共重
合体、 スチレンーメタクリル酸エステル共重合体、 ポリ
ウレタン樹脂等があり、 これらを単体で、または、必要
に応じて複数のバインダ樹脂を混合して用いられる。
【0044】カラートナーの場合、異色トナー同士を定
着時に良好に溶融定着させる必要があることから、 これ
らトナー用のバインダ樹脂は、 数平均分子量が10,000以
下のポリマーが用いられ、 好ましくは、 数平均分子量が
5,000 以下のポリマーであることが望ましい。 しかし、
数平均分子量が2,000 未満になると、連続プリント時の
現像装置内の温度上昇により、トナーそのものが熱によ
り変形してしまうことに起因する現像剤の熱凝集が生じ
たり、トナー表面が熱変形することでトナーの帯電性や
現像性が低下するといった問題が生じる。このため、 ト
ナー用のバインダ樹脂の数平均分子量は2,000 以上であ
ることが望ましい。
【0045】また、 ヒートロール定着時にロールとの離
型性を高め、トナーオフセットを防止する意味から、 エ
チレン、 プロピレン等のオレフィン系単独または共重合
体をワックス成分として加えてもよい。 その際、 ワック
ス成分の添加量としては、トナーに対して0.5wt%
以上、10wt%以下が望ましい。 添加量がこれより少
ないとワックス成分の効果が出ない。 また、 添加量がこ
れより多いと熱によりトナーが変形しやすくなり、 現像
剤の凝集が発生しやすくなる。
【0046】また、 トナーの力学的強度を強くしたり、
ヒートロール定着時にトナーの凝集力を高めトナーオフ
セットを防止する意味から、 重量平均分子量が100,000
以上の高分子量ポリマーや、 架橋ポリマーを含有させて
もよい。 これら、 高分子量ポリマーや、 架橋ポリマーの
含有量については、 トナーに対して20wt%以下が望
ましい。 含有量がこれより多いと定着時に異色トナー同
士が良好に溶融定着せず、色再現性に問題を生じるから
である。
【0047】トナーの着色剤については、 黒色系として
はカーボンブラック、 ニグロシン、黒鉛等が用いられる。 有彩色系としては、 次のようなものを用いることができ
る。 (イエロー、または、オレンジ顔料)C.I.ピグメン
トオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、
C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメント
イエロー14、C.I.ピグメントイエロー17、C.
I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエ
ロー94、C.I.ピグメントイエロー138、C.
I.ピグメントイエロー174 (マジェンタ、または、レッド顔料)C.I.ピグメン
トレッド5、C.I.ピグメントレッド48:1、C.
I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレ
ッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.
I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッ
ド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.
ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド1
66、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグ
メントレッド178、C.I.ピグメントレッド222 (サイアン、または、グリーン顔料)C.I.ピグメン
トグリーン7、C.I.ピグメントブルー15、C.
I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブ
ルー15:3、C.I.ピグメントブルー60
【0048】また、 これらトナー着色剤の含有量は、 ト
ナーに対し0.5wt%以上、20wt%以下であるこ
とが望ましい。0.5wt%未満では、 発色性が十分で
なく鮮明な画質が得られなくなり、また20wt%を越
えると、トナー中での着色剤の分散不良による画質の濃
度むらが生じるからである。
【0049】トナーに外添する微粒子として、本発明で
は酸化チタン微粒子が用いられているが、この他、アル
ミナ、 シリカ等の無機微粒子や、 ポリアクリレート、 ポ
リメタクリレート、 ポリメチルメタクリレート等のアク
リル系の有機微粒子を用いることもできる。 これらの微
粒子は、 凝集防止剤、 流動性向上剤、 帯電制御剤として
働く。環境安定性を考慮すると、 これらの微粒子には疎
水性をもたせることが望ましく、そのために疎水化度が
60以上の疎水性の高い微粒子を使用することが好まし
い。
【0050】ここで、疎水化度の定義について述べる。
水50ccに微粒子を0.2g加え、スターラーで撹拌
後、メタノールで滴定し、微粒子が全て溶媒に懸濁した
ときのメタノール滴定量をTccとする。このときの疎水
化度(M)は、以下の式で表される。 疎水化度(M)= {T/(50+T)} ×100(vo
l.%)
【0051】特に、 酸化チタン、 アルミナ、 シリカ等の
吸湿性を有する無機微粒子の場合は、 疎水化処理を施し
たものが用いられる。 これら無機微粒子の疎水化処理
は、 例えば、 ジアルキルジハロゲン化シラン、 トリアル
キルハロゲン化シラン、 アルキルトリハロゲン化シラン
等のシランカップリング剤やジメチルシリコーンオイル
等の疎水化処理剤と上記微粒子とを高温度下で反応させ
て行うことができる。
【0052】なお、酸化チタン微粒子の被覆率を100
%とした母トナー以外のトナーについては、酸化チタン
微粒子のトナーに対する被覆率を40%〜90%、特に
60%〜80%で使用することが望ましく、本実施形態
では前述したように70%としている。被覆率が40%
未満では、 像担持体上に微粒子を付着させる機能が不十
分であり、被覆率が多くなると微粒子のクラウドが生
じ、機内を汚しやすくなるためである。 ここで、 トナー
粒子表面に対する被覆率は走査電子顕微鏡写真より求め
ている。 倍率としては、10nmオーダーの微粒子の存
在状態を明確に把握するために10万倍の倍率で、無作
為に15枚の写真をとり、そのうち平均的な写真10枚
を選択して、被覆面積を求めて被覆率を求めている。こ
れら微粒子はトナーとして所望の流動性、 帯電性を持た
せるために、 単独、あるいは、 複数組み合せて用いても
良い。また、吸湿による問題を引き起こさない程度であ
るならば、疎水化度の低い微粒子と組み合わせて用いる
こともできる。
【0053】なお、トナーには、これら微粒子を像担持
体に付着させる作用を持たせるとともに、AC電界下で
往復運動をしやすくさせるために、トナー自身の付着力
が小さなことが必要である。このため、球形化度が11
0以下の球形トナーを用いることが好ましい。
【0054】〈キャリア〉キャリアは、例えば次のよう
なものである。スチレン−アクリル共重合体(数平均分
子量:23,000、重量平均分子量:98,000、
Tg=78°C)30wt%、カーボンブラック(塩基
性カーボンブラック:pH=8.5)3wt%、粒状マ
グネタイト(最大磁化80emu/g、粒径0.5μ
m)67wt%を混練、粉砕、分級して平均粒径を45
μm、球形化度を115としたものである。このキャリ
アの帯電極性は正極性で、電気抵抗値は1012Ω・cm
であり、比重は2.2である。なお、平均粒径はマイク
ロトラック(日機装社製)で測定した値である。
【0055】上記キャリアは磁性体微粉末をポリマー樹
脂中に混合してなる、いわゆるポリマーキャリアである
が、鉄、フェライト等の金属粒子を樹脂で被覆した金属
粒子キャリアを用いることもできる。金属粒子を樹脂で
被覆した金属粒子キャリアは、キャリアの磁力が比較的
高く、キャリア付着が起こりにくいという利点がある。
一方、磁性体微粒子をポリマーに混合してなるポリマー
キャリアは、従来の磁性体単体からなるキャリアに比べ
て磁化が低いために、 キャリア付着は発生しやすくなる
が、柔らかく密度の高い磁気ブラシを形成することがで
きるため、細かい高画質画像を得ることができるという
利点がある。また、 像担持体上に付着した場合に、 像担
持体表面や接触帯電器表面を傷つけるおそれも少ないと
いう利点がある。 従って、両者の特長を生かしてキャリ
アを選択すればよい。
【0056】また、環境によるキャリアの抵抗変動を考
慮すると、キャリア表面が疎水性をもつことが望まし
く、キャリア表面にフッ素樹脂やシリコーン樹脂等の樹
脂コート、あるいは、疎水性の粒子を付着させることも
効果がある。キャリアの形状は、 トナーの往復運動を促
進させる意味からもトナーとの離型性が高いことが望ま
しく、その意味では金属粒子キャリア、ポリマーキャリ
アにかかわらず球形であることが好ましく、球形化度が
110以下のものが望ましい。
【0057】キャリアの磁気特性は、 キャリアの種類に
かかわらず、磁気ブラシの形状と像担持体上へのキャリ
ア付着の観点から、1000エルステッドの印加磁場に
おける磁化が20emu/g以上、60emu/g以下
が望ましい。20emu/g未満では磁気によるキャリ
アの拘束力が弱まり、像担持体へのキャリア付着が発生
する。60emu/gを越えると磁気ブラシの穂立ちが
粗くなり、像担持体上の微粒子の付着むらをなくすこと
が難しい上に、プリント画像にブラシマークが見られる
ようになる。
【0058】キャリアの粒径としては、 柔らかく密度の
高い磁気ブラシを形成するために粒径は小さい方が望ま
しいが、 粒径が小さすぎると磁気によるキャリアの拘束
力が弱まり、像担持体へのキャリア付着が発生する。 こ
うしたことから、 キャリアの粒径は、 平均粒径として3
5〜60μm程度が適している。 この範囲より平均粒径
が大きい場合は、磁気ブラシの穂立ちが粗くなりトナー
の微粒子付着むらを十分にならすことができず、長期プ
リントの間に部分的な転写むらが見られるようになる。
また、 上記範囲より平均粒径が小さい場合は、像担持体
へのキャリア付着が顕著に発生する。
【0059】〈現像剤〉上記トナーとキャリアとを混合
した現像剤としては、トナー濃度(TC:Toner
Concentration)を10wt%としたもの
を用いている。ここでTCは次式で示される。 TC(wt%) =(トナー重量)/{(トナー重量) +(キ
ャリア重量)}×100
【0060】また、現像装置内のトナー中の酸化チタン
微粒子の被覆率を100%とした母トナーの含有量は、
少ないとAC電界中でのトナーの叩き出し効果がでず、
多いとトナーの流動性が高いことによる転写時のトナー
像の乱れが発生する。このことから、トナー中における
母トナーの含有量は3wt%以上、30wt%以下が望
ましく、本実施形態では約10wt%に設定している。
こうして調製した現像剤3gを、底面積3cm2 、高さ
3.5cmの円筒状のガラス瓶に入れ、振幅30cm、
一分間に30往復のペースで3分間ミキシングし、その
ときのトナーの帯電量をブローオフ法で測定すると−1
5μC/gであった。
【0061】また、上記画像形成装置では、現像剤に外
添した微粒子と同じ酸化チタン微粒子が、予め像担持体
1の表面にほぼ一様に付与されている。また、装置の供
用初期に複数回の白色画像の形成を行い、現像装置4か
ら像担持体1の表面に微粒子を転移させてもよい。
【0062】次に上記のような構成の画像形成装置の動
作について説明する。ドラム状の像担持体1は回転駆動
され、帯電器2によってほぼ一様に帯電された後、像書
き込み装置3によって像光が照射される。像担持体1の
感光体層の電荷は露光によって低減され、表面に静電電
位の差による潜像が形成される。その後、像担持体1に
形成された潜像は現像装置4との対向位置に移動する。
この現像装置4が有する現像ロール21の表面には、マ
グネットロール21aの磁力によってキャリアの磁気ブ
ラシが形成されており、このキャリアの表面にトナーが
付着している。さらにトナーの表面には、外添剤として
酸化チタン微粒子が付着している。
【0063】像担持体1と現像装置4との対向位置で
は、現像電界の作用により現像ロール21上のトナーが
像担持体1上の微粒子の上に重ねて転写され、潜像が可
視化される。このとき、現像領域ではAC電界が作用し
ており、トナーはこの電界に応じて往復運動を生じ、像
担持体1と繰り返し接触する。トナーが繰り返し接触す
ることにより像担持体表面の微粒子がならされるととも
に、トナー表面の微粒子が像担持体1に転移して補充さ
れる。このとき現像剤には、酸化チタン微粒子の被覆率
が約70%のトナー中に、被覆率が100%以上の母ト
ナーが適量混合されており、AC電界内でトナーが往復
し始めると、これらトナーが現像剤中のトナーに衝突
し、被覆率が高い低付着性のトナーが現像剤中から叩き
出される。このようなトナーの叩き出し効果により、雪
崩式にトナーの往復運動が発生する。このため、像担持
体1と現像装置4との間でトナーの往復運動が極めて効
率よく行われ、像担持体表面に微粒子がほぼ均一に分散
付着した状態となる。
【0064】上記のようにして像担持体1上に形成され
たトナー像は、転写帯電器6との対向位置に移動し、転
写電界の作用によりトナー像が用紙上に転写される。こ
のとき、トナーは微粒子を介して像担持体1上に付着し
ており、トナーと像担持体との間ではファンデルワール
ス力等の非電気的な付着力が小さくなっている。このた
め、トナーは転写帯電器6による電界で容易に離脱し、
用紙上に転写される。トナー像が転写された用紙は剥離
用帯電器7により剥離され、さらに用紙搬送ベルト9に
より図示しない定着装置に送られ、トナー像が用紙上に
定着される。一方、トナー像が転写された後、像担持体
1の表面には微粒子が残る。像担持体1の表面は除電露
光装置7により除電され、微粒子が維持されたまま次の
画像形成工程にそなえる。
【0065】〈1.トナー全体に占める母トナー濃度の
違いによる転写性・現像性を調査する実験〉上記画像形
成装置に用いられる現像剤として、トナー全体に占める
母トナーの濃度(TCm)を、それぞれ0、2、3、
5、10、20、30wt%に設定したサンプルを用意
する。ここで、トナー全体に占める母トナーの濃度(T
Cm)は次式で与えられる。 TCm(wt%) =(母トナー重量)/ (現像剤中のトナー
の全重量)×100
【0066】上記現像剤を収容した画像形成装置を用
い、像担持体と現像ロールとの間隔(d)を変え、上記
条件で、温度10℃/相対湿度10%と、温度30℃/
相対湿度90%とで2万5千枚ずつ交互に環境条件を変
えて10万枚の連続プリントテストを行い、転写むらの
発生状況および現像性を調査した。表1にその結果を示
す。ここで、AC電圧のVp-p は2.0kVであるの
で、その1/2値であるVp は1.0kVである。表1
では、全く問題のないレベルを○、実用上問題のないレ
ベルを△、実用上問題があり使用できないレベルを×と
した。 以下余白
【0067】
【表1】
【0068】この実験において、プリントテスト終了時
の感光体表面をSEM観察したところ、転写むらに問題
がなかった条件では、感光体表面に微粒子が均一に分散
付着していることが確認できた。また、現像領域でのト
ナーの挙動を目視観察すると、TCmが3wt%以上に
なると、Vp /dすなわち現像電界が低いところからト
ナーの往復運動が始まることが観察された。しかし、T
Cmが20wt%を超える辺りから転写後のトナー像の
乱れが発生し始め、30wt%になると実用上問題のな
いレベルぎりぎりにまで悪化した。
【0069】ただし、Vp /dが2.5×106 [V/m]
を超える辺りから現像時に電流リークが発生し始め、そ
れが原因と思われる微粒子の付着むら、現像むらが観察
された。一方、Vp /dが0.83×106 [V/m] で
は、画像部と非画像部でトナーの付着状態にむらが見ら
れ、現像トナーによる微粒子の付着制御効果が不十分で
あることが分った。このことより、Vp /dを1.0×
106 [V/m] 以上、2.5×106 [V/m] 以下とし、T
Cmを3wt%以上、30wt%以下にすることで、現
像も十分に行え、且つ、現像時に微粒子がほぼ均一に分
散付着し、安定して高転写性が得られることが明らかに
なった。
【0070】〈2.AC電圧の周波数の違いによる転写
性を調査する実験〉次に、上記実験1と同じ条件で、現
像時のAC印加電圧の周波数のみを変えて同様のテスト
を行った。周波数(f) は0.3kHzから12kHzま
で、0.1kHzごとに変化させてみた。その結果、周
波数(f) が0.5kHz未満では周期的な転写むらが発
生した。また周波数(f) が10kHzを超えると、トナ
ー画像部の転写性が低下し、転写による濃度むらが発生
した。このときの像担持体表面をSEM観察すると、周
波数(f) が0.5kHz未満では周波数(f) に対応した
周期的な微粒子の付着むらが見られ、周波数(f) が10
kHzを超えた場合には画像部と非画像部でトナーの付
着状態にむらが見られた。
【0071】これは、周波数(f) が0.5kHz未満の
場合には、人間の視覚感度に敏感な周期で微粒子の付着
むらが発生し、それに対応した転写不良が発生したこと
で濃度むらが検出されたと考えられる。また、周波数
(f) が10kHzを超えた場合には、トナーの往復運動
がAC印加電圧の周期についていくことができず、トナ
ーに往復運動させることができず、微粒子が均一に分散
付着できなかったと考えられる。このことより、AC印
加電圧の周波数(f) を0.5kHz以上、10kHz未
満とすることで、現像時に微粒子がほぼ均一に分散付着
することが明らかになった。
【0072】〈3.接触・非接触現像による転写性を調
査する実験〉上記実験1において、d=0.2mm (像担持
体と現像ロールとの間隔と現像剤穂立ち高さが同等の場
合)と、d>0.2mm (像担持体と現像ロールとの間隔が
現像剤穂立ち高さよりも大きい場合)の条件で、像担持
体上の微粒子の付着状態を比較する実験を行った。その
結果、わずかではあるがd=0.2mm の場合に筋状の微粒
子の付着むらがあり、転写画像を注意深く観察すると、
かすかに筋状の転写むらが見られた。これは、現像剤が
接触したことにより、像担持体上の微粒子が一部かきと
られ、筋状の付着むらを生じたと見られる。このことよ
り、現像剤が像担持体に接触しないようにすることで、
より均一に微粒子を分散付着させることができる。
【0073】〈4.トナーの球形化度の違いによる転写
性を調査する実験〉上記実験1では、球形化度が108
のトナーを使用しているが、本実験では、、球形化度が
112、125のトナーを用いて同様のテストを行っ
た。結果は実験1とほぼ同様であったが、転写むらのレ
ベル、像担持体上の微粒子の付着状態の均一性は実験1
に比べて若干劣るものであった。これは、トナーの球形
化度が高いと、トナーの付着力が大きいために往復運動
しにくくなり、微粒子の均一分散性が低下したことが原
因と見られる。
【0074】〈5.キャリアの球形化度の違いによる転
写性を調査する実験〉上記実験1では、球形化度が11
5のキャリアを使用しているが、本実験では、キャリア
を熱風処理して球形化度108の球形キャリアとして同
様のテストを行った。その結果、実験1とほぼ同様の結
果が得られたが、転写むらのレベル、像担持体上の微粒
子の付着状態の均一性は実験1に比べて若干優れるもの
であった。これは、キャリアがより球形になり、トナー
との付着力が下がったために、トナーがAC電界の作用
で往復運動しやすくなり、微粒子の均一分散性が向上し
たことが原因と見られる。
【0075】〈6.キャリアの抵抗値の違いによる転写
性を調査する実験〉上記実験1では、抵抗値が1012Ω
・cmのキャリアを使用しているが、本実験では、キャリ
アに導電性のカーボンブラックを添加して、抵抗値が1
11Ω・cm以下のものを試作し、同様のテストを行っ
た。その結果、像担持体上へのキャリア付着が起こり、
転写むらが発生することが確認された。一方、1012Ω
・cm以上のキャリアでは、電界リークが発生せず、転写
むらの発生も改善された。特に1013Ω・cm〜1014Ω
・cmの抵抗値のときに、転写むらのレベルが極めて良好
であり、像担持体上の微粒子の付着状態もほぼ均一であ
った。
【0076】〈7.母トナーの外添剤被覆率の違いによ
る転写性・現像性を調査する実験〉上記実験1におい
て、母トナーの外添剤被覆率を90%〜99%として同
様のテストを行ったところ、現像性、転写性ともに使用
できる性能が得られなかった。このときの現像部位での
トナーの挙動を目視観察したが、実験1に比べるとトナ
ーの往復運動が極端に少ないことが確認された。これに
より、母トナーの外添剤被覆率は100%以上が好まし
いことがわかる。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る画像
形成装置では、現像時にAC電界を作用させて、トナー
を現像装置と像担持体との間で往復運動させるので、ト
ナーから像担持体表面に微粒子が補充されるとともに、
像担持体表面に付着した微粒子を均すことができる。こ
のとき、トナー中に外添剤被覆率の高いトナーが含まれ
ているので、トナーの往復運動が極めて効率よく行わ
れ、像担持体表面の微粒子の付着状態をほぼ均一にする
ことができる。これにより、トナー像と像担持体との付
着力を低減してトナーの転写性を向上することが可能と
なり、長期にわたり安定して高い転写効率を得ることが
できる。また、残留トナーを回収せずに、次に形成され
た画像とともに転写するクリーナレスを採用することに
より、回収して廃棄すべきトナーが発生しない画像形成
装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願に係る発明の一実施形態である画像形成装
置を示す概略構成図である。
【図2】図1に示す画像形成装置に用いられる現像装置
を示す概略構成図である。
【符号の説明】 1・・・・・像担持体、 2・・・・・帯電器、 3・・・・・像書き込み装置、 4・・・・・現像装置、 5・・・・・転写帯電器、 6・・・・・剥離用帯電器、 7・・・・・除電露光装置、 8・・・・・ペーパーガイド、 9・・・・・搬送ベルト、 20・・・・・ハウジング、 21・・・・・現像ロール、 21a・・・・・マグネットロール、 21b・・・・・現像スリーブ、 22・・・・・現像剤規制部材、 23・・・・・パドル、 24、25・・・・・オーガー、 26、27・・・・・撹拌室、 28・・・・・電源

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に静電潜像が形成される像担持体
    と、該静電潜像をトナーの付着により可視化する現像装
    置とを備え、 前記像担持体上に微粒子を付着させ、その上に前記トナ
    ーを静電的に転移させてトナー像を形成する画像形成装
    置において、 前記現像装置内のトナーが前記微粒子と同じ微粒子を外
    添してなり、 前記微粒子の外添被覆率が100%以上のトナー粒子
    が、前記現像装置内のトナー中に3wt%以上、30w
    t%以下含まれており、 前記像担持体と前記現像装置との間で前記トナーを往復
    運動させ、前記像担持体と繰り返し接触させるようなA
    C電界を、前記像担持体と前記現像装置との間に作用さ
    せることを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記像担持体と前記現像装置との間隔
    をd[m] 、前記現像装置に印加されるAC電圧のVp-p
    [V] の1/2値をVp [V] 、周波数をf [kHz]とし
    たとき、 1×106 V/m ≦Vp /d≦2.5×106 V/m 5kHz≦f≦10kHz の関係を充たすことを特徴とする請求項1に記載の画像
    形成装置。
  3. 【請求項3】 前記AC電界を作用させない状態で
    は、前記像担持体の表面に前記トナーが接触しないよう
    に該像担持体と前記現像装置との間隔が保持されている
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形
    成装置。
  4. 【請求項4】 前記現像装置内に収容される現像剤と
    して、トナーとキャリアを含む二成分現像剤を用いるこ
    とを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載
    の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記トナーの形状が球形であることを
    特徴とする請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4
    に記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記キャリアの形状が球形であること
    を特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記キャリアの抵抗値が1012Ω・cm
    以上であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成
    装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009031811A (ja) * 2008-09-30 2009-02-12 Seiko Epson Corp 現像方法およびこれを用いた画像形成装置
US7979012B2 (en) 2008-12-10 2011-07-12 Seiko Epson Corporation Image forming apparatus and image forming method

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