JP3697028B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体或いは静電記録誘電体等の像担持体に潜像を形成し、該潜像を顕像化した後、被転写媒体に転写することで画像を形成する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータ等の外部装置の出力手段や、複写機としては、従来より図6に示したような電子写真法を用いた画像形成装置が提案されている。先ず、潜像担持体としての通常、ドラム状とされる電子写真感光体100は、一次帯電器117にて一様に帯電される。次に、この感光体100上に、外部装置より入力された画像情報に対応して、露光装置123より光照射を行って潜像が形成される。このようにして感光ドラム100上に形成された静電潜像は、次に、現像装置140において、1次帯電器117と同極性の現像剤Tによって反転現像され、可視像、即ち、トナー像とされる。そして、形成されたトナー像は、転写帯電器114にて被転写材P上に転写される。被転写材Pは、感光体100より分離され、続いて定着装置126に搬送されて定着後、永久像となる。一方、転写帯電器114で転写されずに残った感光体ドラム100上の現像剤Tは、クリーニング装置116にて除去される。このようにして残余の現像剤が除去された感光ドラム100は、再度、次の画像形成プロセスに供される。
【0003】
ここで図6中に140で示した現像装置について、図7を参照して詳しく説明する。近年、簡易なカラー現像方法として、非磁性一成分現像法が実用化されてきている。上記現像装置は、絶縁性一成分現像剤であるトナーTを収容した現像容器140aを有する。この例ではトナーTは負帯電性であり、且つイエロー・マゼンタ、シアン、ブラック各色いずれかの顔料を含有した負帯電性非磁性トナーである。
現像容器140a中にはトナー撹拌部材106が設けられており、図中矢印の方向に回転して、トナーTを現像スリーブ102並びに現像剤供給ローラ105に向けて搬送している。
【0004】
又、現像装置140は、アルミニウム、ステンレス等の金属からなる外径16mm程度の導電性円柱スリーブ102を有し、図示されていない間隙規制部材により、対向する感光ドラム100と一定間隔を保って配置されている。
更に、この現像スリーブ102にはウレタンスポンジ製の現像剤供給ローラ105が当接されている。現像剤供給ローラ105は、現像スリーブ102と逆方向に回転することで現像スリーブ102上のトナー履歴(いわゆるゴースト)を除去すると同時に、トナーTを現像スリーブ102上に供給する。
【0005】
現像スリーブ102には、トナー量規制部材として現像ブレード103が当接されており、現像スリーブ102上のトナー層厚を規制してトナー薄層107を形成し、現像領域(ドラム対向位置)に搬送されるトナー量を規定している。現像領域に搬送されるトナー量は、現像スリーブ102上に接触する現像ブレード103の当接圧や当接長さ等により決定される。現像ブレード103は、厚さ数百μmのリン青銅やステンレス等の金属薄板104上に接着もしくは溶着され、この金属薄板104の弾性によって均一に現像スリーブ102に当接されているチップブレードである。従って、金属薄板104の材質、厚さ、侵入量、設定角によって、現像スリーブ102上への現像ブレード103の当接条件が決定される。このようにして決定される搬送トナー量は、通常、現像スリーブ102の表面単位面積当たりで0.3〜1.0mg/cm2程度に規定される。
【0006】
現像スリーブ102によって現像領域に搬送されたトナーは、現像時、現像スリーブ102と感光ドラム100との間に印加された現像電源によって生じる現像電界により、現像スリーブ102から矢印方向に回転する感光ドラム100上に飛翔し、感光ドラム100上の潜像に付着して、潜像をトナー像として可視化する。
【0007】
ここで、上記のような非磁性一成分系現像法を用いた現像装置に好適に用いられるトナーTについて説明する。
従来よりトナーを製造する方法としては、樹脂、低軟化点物質からなる離型剤、着色剤、荷電制御剤等を、加圧ニーダーやエクストルーダー又はメディア分散機を用いて均一に分散せしめた後、機械的又はジェット気流下でターゲットに衝突させ、所望のトナー粒径に微粉砕化せしめた後、更に、分級工程を経て粒度分布をシャープ化せしめトナー化する、所謂、粉砕方法によるトナーの製造方法がある。又、この他に、特公昭56−13945号公報等に記載の、ディスク又は多流体ノズルを用いて溶融混合物を空気中に霧化し球状トナーを得る方法や、特公昭36−10231号公報、特開昭59−53856号公報、特開昭59−61842号公報に述べられている懸濁重合方法を用いて直接トナーを生成する方法や、単量体には可溶で、得られる重合体が不溶な水系有機溶剤を用いて直接トナーを生成する分散重合方法、又は、水溶性極性重合開始剤の存在下で直接重合させてトナーを生成するソープフリー重合方法に代表される乳化重合方法等を用いるトナー製造方法がある。
【0008】
そして近年、トナー形状が球形であるトナーを用いると、トナーの流動性並びにトナー転写時における転写効率を向上できることが判ってきた。これに対し、球形トナーを製造する方法としては、主に以下の2つがある。
▲1▼ 従来の粉砕トナーの表面を、熱的ストレスや機械的ストレスにより塑性球形化処理する。
▲2▼ 重合法により製造する。
球形トナーとしては、トナーの形状係数SF1が100〜140、SF2が100〜120であるものが好適に用いられる。更に好ましくは、SF1が100〜130、SF2が100〜115のものがよい。本発明でいう形状係数を示すSF1、SF2とは、日立製作所製FE−SEM(S−800)を用いトナー像を100個無作為にサンプリングし、その画像情報をインターフェースを介してニレコ社製画像解析装置(Luzex3)に導入して解析を行い、下式より算出して得られる値により、夫々定義されるものである。
【0009】
【数1】
【0010】
トナーの形状係数SF1は球形度合を示し、140より大きいと、球形から徐々に不定形となる。SF2は凸凹度合を示し、120より大きいとトナー表面の凸凹が顕著となる。
トナー形状が画像特性に及ぼす作用効果としては、球形とすることでトナーの転写効率を大幅に向上させることが可能となる。又、粉砕トナーのような不定形トナーでは、ローラ転写において、転写ローラ押圧が高いとトナーが感光体に機械的に押しつけられて転写不良となる、いわゆる”文字の中抜け”が発生し易くなるが、球形トナーではこの”文字の中抜け”も発生し難くなる。
そして、このような球形トナーを得る方法としては、重合トナーを得る方法が好ましく、中でも、比較的容易に、球形で粒度分布がシャープな4〜8μm粒径の微粒子トナーが得られる、常圧下での、又は加圧下での懸濁重合方法が特に好ましい。
【0011】
即ち、近年の電子写真の高画質化の一環として、トナーの小粒径化が求められているが、粒子を粉砕するのに必要なエネルギーは、トナー粒径の−2乗に比例するので、粉砕法によるトナーの小粒径化は困難である。これに対し、重合法は化学反応を用いてトナー粒子を生成するため、トナーの小粒径化が容易であり、且つシャープな粒径分布も得られ易い。従って、重合法により得られる球形トナーは、高品位な画像形成に適している。
【0012】
又、懸濁重合法によれば低軟化点物質を内包化せしめることが可能である。具体的には、水系媒体中での材料の極性を主要単量体より低軟化点物質の方を小さく設定し、更に少量の極性の大きな樹脂又は単量体を添加せしめることによって、低軟化点物質が外殻樹脂で被覆された所謂コア/シェル構造を有するトナーが得られる。
このようなコア/シェル構造を有する重合トナーでは、コア物質として低軟化点物質を用いることで、従来よりも少ない熱量での熱定着が可能となる。更に、コア物質として高離型性物質を用いることで、定着ローラへのトナー溶着を防ぐことも可能である。これによって定着器にシリコーンオイル等の離型剤を塗布する必要が無くなるため、定着器構成が簡潔になり、定着器の低価格化、メンテナンスフリーを達成することもできる。
【0013】
又、トナー表面を外添剤によって被覆し、トナー同士、若しくは感光体間に微小な間隙を設けることで、重合トナーの流動性を更に向上させたり、転写効率を100%近くにまで向上させることが可能となる。その意味で、トナー表面の外添剤被覆率は、5〜99%、更に好ましくは、10〜99%であることが好ましい。尚、トナー表面の外添剤被覆率は、日立製作所製FE−SEM(S−800)を用い、トナー像を100個無作為にサンプリングし、その画像情報をインターフェースを介してニレコ社製画像解析装置(Luzex3)に導入して解析を行って算出される。
【0014】
この際に使用される外添剤としては、トナーに添加した時の耐久性の点から、トナー粒子の重量平均径の1/3以下の粒径であることが好ましい。この添加剤の粒径とは、電子顕微鏡におけるトナー粒子の表面観察により求めたその平均粒径を意味する。外添剤としては、例えば、酸化アルミニウム、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化錫、酸化亜鉛等の金属酸化物、窒化ケイ素等の窒化物、炭化ケイ素等の炭化物、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の金属塩、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、カーボンブラック、シリカ等が用いられる。
これら外添剤は、トナー粒子100重量部に対し、0.01〜10重量部程度が用いられ、好ましくは、0.05〜5重量部が用いられる。これら外添剤は、単独で用いても、又、複数併用してもよい。夫々、疎水化処理を行ったものがより好ましい。
【0015】
以上述べたことをまとめると、先ず、球形であるトナーを用いることで、下記に挙げる(1)及び(2)のメリットが得られる。
(1)転写効率の向上
(2)転写中抜けの改善
更に、重合法により前記球形トナーを製造することで、下記に挙げた(3)及び(4)のことが可能となる。
(3)トナーの小粒径化が容易
(4)トナーの粒径分布がシャープ(トリボ分布がシャープ)
更に、重合法として懸濁重合法によりトナーにコア/シェル構造を持たせることで、下記に挙げた(5)及び(6)が達成される。
(5)定着性の向上と耐ブロッキング性の両立
(6)コア部に離型剤を用いることによる定着部オイル塗布部材の簡素化
この結果、画像形成装置全体としての高画質化と低コスト化が図られる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の一成分現像剤を用いる一成分現像装置(以下、単に一成分現像装置と呼ぶ)においては、画像濃度、非画像部へのトナー付着(カブリ)、トナー飛散等の良好な現像特性を得るために、規制部材により現像スリーブ上のトナーを均一に摺擦し、摩擦帯電し、且つ安定したトナー薄層を形成する必要がある。
又、従来の非磁性一成分現像剤を用いる現像装置では、非磁性現像剤供給部材105により現像スリーブ102上のトナーを1度剥ぎ取って過去のトナー履歴を除去した後に、新たなトナー層を現像スリーブ上に供給する必要がある。この際、現像スリーブ102上のトナーを完全に剥ぎ取ることが出来ないと、トナーのチャージアップやハーフトーンにおける画像ムラが発生し、画像品位を著しく落としてしまう。
これに対し、先に説明した重合トナーのような球形トナーを一成分現像剤、特に非磁性一成分現像剤として用いたときには以下の問題点が生じる。
【0017】
先ず第1に、前記した重合トナー等の球形トナーは球形であるが故に、不定形で凹凸が多い粉砕トナーと比べた場合に、摩擦が小さく滑り易く、現像剤規制部材103表面をスリ抜けてしまい、現像剤担持体102上に均一なトナー薄層(トナー塗布量0.3〜1.0mg/cm2)を形成するのが困難である。そして、現像スリーブと摩擦帯電されずに現像剤規制部材103をスリ抜けたトナーは、現像スリーブに鏡像力で付着することが出来ずに現像スリーブから飛散して画像形成装置を汚染したり、出力画像の品位を落とす。
【0018】
又、第2に、球形トナーは球形であるが故に、不定形で凹凸が多い粉砕トナーと比べると摩擦が小さく滑り易く、現像剤供給部材105表面をスリ抜けてしまい、現像剤供給部材105によって現像スリーブ102上からメカニカルに剥ぎ取るのが難しくなる。従って、現像スリーブ102上に残留トナー層が形成されてしまい、現像剤供給部材105による新たなトナー供給が阻害される。このため、現像スリーブ上におけるトナーのチャージアップとトナーコート量の低下を生じ、コートムラやコート不良等によって様々な画像劣化をもたらす。
【0019】
そして第3に、球形トナーは球形であるが故に、摩擦帯電量が低下するという問題がある。これに対し、特に、非磁性一成分現像装置においては、球形トナーに十分なトリボを与えないと、現像スリーブ上のトナーコート量が減少したり、不均一になってしまい、画像濃度の低下やハーフトーン画像の画像ムラとして出力画像の品位を著しく低下させてしまう。
【0020】
又、先に説明したコア/シェル構造を有する重合トナーの場合には、前述したようなメリットが存在し、トナー中の低軟化物質はトナーの定着温度を低下させることができるものの、トナー自体の強度が低下するため、現像ブレード並びに現像剤供給ローラを低い当接圧で現像スリーブに当接させる必要があり、上記したトナー薄層を形成する場合に行なわれる現像剤の規制や、現像スリーブ上のトナーの剥ぎ取りは更に難しくなっていた。即ち、トナーを球形化することは、転写時におけるメリットがあるものの、同時に現像時において上記した種々の問題点が発生するため、画像形成装置全体としての最適化が困難となっていた。
【0021】
従って、本発明の目的は、現像時における現像ブレード上への安定したトナー薄層の形成、及びトナーへの安定したトリボ付与の実現と、転写時における高い転写効率の達成の両立がなされ、高品位の出力画像が容易に得られる画像形成装置を提供することにある。
又、本発明の他の目的は、装置の小型化、トナーの有効活用が達成された高品位の安定したカラー出力画像が容易に得られる画像形成装置を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、像担持体と、一成分現像剤によって像担持体上の潜像を可視化せしめる現像手段と、可視化された像担持体上のトナー像を被転写材に転写する転写手段とを備えた画像形成装置において、転写時における上記一成分現像剤のトナー形状係数SF1が、上記現像手段内のトナー形状係数SF1よりも小さくなるように構成され、上記一成分現像剤が、トナーと同極性である第1の外添剤と、トナーと逆極性である第2の外添剤の少なくとも2種類の粒子が外添されており、第1の外添剤の一成分現像剤に対する重量混合率をM 1 、第2の外添剤の一成分現像剤に対する重量混合率をM 2 、第1の外添剤の摩擦帯電量(C/kg)の絶対値をQ 1 、第2の外添剤の摩擦帯電量(C/kg)の絶対値をQ 2 、第2の外添剤が一成分現像剤の表面上を占める面積被覆率をαとした場合に、これらが下記式を満足するように構成されていることを特徴とする画像形成装置である。
Q 1 ×M 1 ×α<Q 2 ×M 2
【0023】
【発明の実施の形態】
次に、好ましい実施の形態を挙げて、本発明を具体的に説明する。
本発明者らは、上記した従来技術の課題を解決すべく鋭意研究の結果、一成分現像剤を使用して像担持体上の潜像を現像する現像手段と、可視化された像担持体上のトナー像を転写する転写手段を備えた画像形成装置において、転写時における一成分現像剤のトナー形状係数SF1を、現像手段内のトナー形状係数SF1よりも小さくなるように構成すれば、現像手段内で使用されるトナーの形状は非球形であるので、球形トナーを使用した場合と異なりトナーの摩擦及び摺擦を容易にすることができ、現像ブレード表面に対してのトナー薄層の形成が容易になされ、且つトナーに対するトリボ付与性が向上する。一方、転写時においては、トナー形状係数SF1を小さくして、転写に用いられるトナーの形状を球形化することで、転写効率の向上及び転写中抜けの防止を達成できることを知見して本発明に至った。
【0024】
又、一成分現像剤に、トナーと同極性である第1の外添剤と、トナーと逆極性である第2の外添剤の少なくとも2種類の粒子を外添させておけば、第1の外添剤によってトナーの帯電性及び流動性を向上させることができると共に、現像時及び転写時に印加する電界によって、上記第2の外添剤を一成分現像剤中から分離させることが容易にできるので、現像手段内における一成分現像剤の形状と、転写時における一成分現像剤の形状とを変化させて、トナーの形状係数SF1を適宜に制御させることが可能となることを知見した。これにより、上記した構成を有する本発明の画像形成装置を容易に得ることができる。
【0025】
又、好ましくは、上記の場合に、トナーと逆極性である第2の外添剤の一成分現像剤表面上に占める面積被覆率αを50%以下とすれば、一成分現像剤を本来の帯電極性に安定して帯電させることができ、画像濃度と非画像部カブリを共に良好にし得ることがわかった。
【0026】
更に、上記の第1の外添剤の現像剤に対する重量混合率をM1、第2の外添剤の現像剤に対する重量混合率をM2、第1の外添剤の摩擦帯電量の絶対値をQ1、第2の外添剤の摩擦帯電量の絶対値をQ2、第2の外添剤が一成分現像剤表面上に占める面積被覆率αとしたときに、これらがQ1×M1×α<Q2×M2の関係を有するように構成すれば、現像時及び転写時において、トナーと逆極性である第2の外添剤を一成分現像剤から良好に分離することが可能となるので、上記した本発明の効果を更に向上させることが可能となる。
【0027】
又、本発明の画像形成装置においては、好ましくは、第1の外添剤として一次粒径が1nm〜100nmのものを使用し、第2の外添剤として一次粒径が0.1〜2μmのものを使用することで、第1の外添剤の存在によって良好な転写性が達成され、第2の外添剤の使用によって、更に良好なトナー帯電付与及びトナー規制を行うことが可能となる。即ち、第2の外添剤の一次粒径を0.1〜2μmと大きな粒径のものを使用することで、トナー形状係数SF1の値を増加させて非球形化することができると共に、現像/転写時において第2の外添剤を分離し易くできる。第1の外添剤の一次粒径を1nm〜100nmと、第2の外添剤に比較して小さいものとすることで良好な転写特性が得られる。
【0028】
更に、本発明の画像形成装置においては、使用する一成分現像剤の形状を、上記のような外添剤を外添する以前においては、形状係数SF1が100〜130、SF2が100〜120を満足するものを使用し、第1の外添剤と第2の外添剤を添加した後においては、形状係数SF1が130〜170、SF2が120〜160を満足のするものを使用することによって、高い転写効率を達成すると共に、現像手段における安定したトナー帯電性及びトナー規制を行うことが可能となる。
【0029】
又、本発明においては、一部又は全部を重合法により形成した一成分現像剤を使用することで、本発明に好適な、小粒径で、トリボ分布もシャープなトナーを低コストで得ることが可能となり、経済的にも有用な画像形成装置が得られる。又、その際に、一成分現像剤の一部または全体を、その融点が40〜90℃である低軟化点物質で構成すれば、定着温度の低減と、耐ブロッキング性能との両立が図れ、更に、定着ローラに塗布する離型剤の量の低減を達成できる。
【0030】
更に、本発明の画像形成装置においては、現像剤担持体を像担持体と一定の現像間隙を持って対向配置し、該現像間隙に交番電界を形成することにより、上記の構成を有する本発明に好適な一成分現像剤を、現像剤担持体と像担持体間で往復動作させれば(以下、これをジャンピング現像法と呼ぶ)、この交番電界によって、トナーと逆極性である第2の外添剤を一成分現像剤から現像時に効果的に分離することが可能となる。又、その際に、現像剤担持体と像担持体との間隔に印加する交互電界の振幅を2kV/mm〜5kV/mmとすることで、トナーと逆極性である第2の外添剤を一成分現像剤から充分に分離することができるようになる結果、転写効率を向上させることが可能となる。
【0031】
又、本発明の画像形成装置においては、転写後に像担持体上に残余した一成分現像剤を現像手段において回収することで、クリーナレスシステムを採用した一成分現像装置が得られ、装置の小型化、トナーの有効活用が達成される。
【0032】
以下、本発明で使用した摩擦帯電量を測定する方法について説明する。
図8は、トナーの摩擦帯電量を測定する装置の説明図である。先ず、そこに500メッシュのスクリーン43のある金属製の測定容器42に、現像剤を約0.5〜1.5g入れて金属製の蓋44をする。この際、容器内に入れる二成分現像剤としては、50〜100ml容量のポリエチレン製のビンに入れ、約10〜40秒間手で振とうしたものを用いる。そして、この時の測定容器42全体の重量を量りW1(kg)とする。次に、吸引機41(測定容器42と接する部分は少なくとも絶縁体)において、吸引口47から吸引し風量調節弁46を調節して真空計45の圧力を250mmAqとする。この状態で充分、好ましくは2分間吸引を行い、樹脂を吸引除去する。この時の電位計49の電位をV(ボルト)とする。ここで48はコンデンサーであり容量をC(F)とする。また吸引後の測定容器42全体の重量を量りW2(kg)とする。このトナーの摩擦帯電量は下式のごとく計算される。
【0033】
【数2】
【0034】
【実施例】
以下、本発明の実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。
実施例1
図1に、本実施例の画像形成装置を示す。
先ず、図1に示した像担持体である感光ドラム10は、図中の矢印方向に周速100mm/sec.で回転しており、一次帯電器13により−700Vという表面電位に設定されている。そして、この感光ドラム10上には、露光手段14によって原稿画像に応じた露光がなされて、静電潜像が形成される。ここで、画像部である明部電位は−150Vであり、非画像部である暗部電位は−700Vである。
又、上記感光ドラム10と対向して現像装置40が設けられているが、該現像装置40は、現像剤を担持するための現像スリーブ3を有し、該現像スリーブ3は、上記の感光ドラム10と250μmの間隙を持って配置されている。そして、現像スリーブ3上に担持されたトナーを、現像電源4による電界によって飛翔せしめ、感光ドラム10上の静電潜像をトナー像化する。
更に、上記のようにして形成された感光ドラム上のトナー像は、転写帯電器11によって被転写紙上に転写され、その後、不図示の定着手段により加熱、押圧されて被転写紙上に固定される。その際、転写帯電器11は、被転写紙のドラム側に60μAのコロナ放電電流を流すように制御されており、被転写紙裏面には充分なポジ電荷が付与される。
又、被転写紙に転写されずに、感光ドラム10上に残留したトナーは、クリーニング装置12によって感光ドラム表面から剥ぎ取られて除去される。
【0035】
以下、本実施例の画像形成装置で使用した現像装置40について詳細に説明する。
現像装置40の現像剤容器中にはトナー撹拌部材6が設けられている。該トナー撹拌部材6は、図中の矢印方向に回転しており、現像剤容器中のトナーを、現像スリーブ3並びに現像剤供給ローラ5に向けて搬送している。
又、現像装置40は、現像スリーブとして、アルミニウムからなる直径16φの導電性円柱スリーブ3を有し、該現像スリーブは、図示されていない間隙規制部材によって、対向する前記感光ドラム10と250μmの間隔を保って配置されている。
【0036】
又、この現像スリーブ3には、ウレタンスポンジ製の現像剤供給ローラ5が当接されている。この現像剤供給ローラ5は直径が8mmであり、図1に示したように、現像スリーブ3に侵入量1mmで当接されており、図示されていないギアによって現像スリーブ3とカウンタ方向に周速50mm/sec.で駆動されている。このように、現像剤供給ローラ5が現像スリーブ3と逆方向に回転することで、現像剤供給ローラ5は、現像スリーブ3上のトナー履歴(いわゆるゴースト)を除去すると同時に、新たにトナーを現像スリーブ3上に供給する。現像剤供給ローラ5は、連泡のスポンジでできており、アスカーC硬度で20゜の低硬度品である。この現像剤供給ローラ5は、柔らかいほど、トナー供給時或いは除去時のトナー劣化を抑制できる。
【0037】
又、現像スリーブ3には、トナー量を規制するための部材として、現像剤規制部材1が当接されている。該現像剤規制部材1は、現像スリーブ3上に担持されるトナーを摩擦帯電し、現像に適した極性及び帯電量を有するトナーとすると同時に、現像スリーブ3上にトナー薄層7を形成して、現像領域(ドラム対向位置)に搬送されるトナー量を規制している。
そして、上記の現像スリーブ3によって、現像領域に搬送されたトナーは、現像時に、現像スリーブ3に印加される現像電源4によって感光ドラムとの間に生じる現像電界により、現像スリーブ3から感光ドラム100上に飛翔され、感光ドラム100上の潜像に付着されて、感光ドラム100上の潜像をトナー像として可視化する。
【0038】
本実施例においては、上記した構成を有する画像形成装置に搭載する一成分現像剤の主成分として、粉砕法により製造した粉砕トナーを球形化処理して得られた球形トナーを用いた。本実施例で使用した一成分現像剤は、負帯電性非磁性一成分現像剤であり、粉砕トナーを後述する方法で球形化した球形トナーに、ネガ帯電性の第1の外添剤と、ポジ帯電性の第2の外添剤の2種類の外添剤が外添したものである。以下、本実施例で使用した一成分現像剤について、詳しく説明する。
【0039】
本発明の一成分現像剤を製造する方法としては、結着樹脂としてスチレン−アクリル共重合体を主成分とする樹脂を用い、これに、低軟化点物質である離型剤、着色剤としてのカーボンブラック、荷電制御剤としてのモノアゾ染料の金属錯体塩を含有させて、加圧ニーダーやエクストルーダー又はメディア分散機を用いて均一に分散せしめた後、機械的又はジェット気流下でターゲットに衝突させ、所望のトナー粒径に微粉砕化せしめた後、塑性球形化処理を行う。そして、更に分級工程を経て粒度分布をシャープ化せしめてトナー化する。
【0040】
上記した塑性球形化処理を行うための具体的装置としては、奈良機械(株)「ハイブリダイゼーション・システム」、ターボ工業(株)「ターボミル」等があり、例えば、ハイブリダイゼーション・システムは回転板にブレードが装着されており、回転板が高速回転をすることにより、循環気流中のトナーが高速回転するブレードに激突する。この際、トナーの凸部分が衝撃エネルギーにより塑性変形をうけて滑面化されトナー全体としては、球形方向への形状変化を起こす。
尚、この際に球形化する手段としては、その他、トナーの表面をスプレードライヤーを用いて熱風により溶融して球形化したり、トナーを熱気流中に分散してその表面を溶融して球形化する方法等が提案されており、このような製造方法により作成された球形化トナーを本実施例に用いてもよい。
【0041】
本実施例で使用した現像剤は、具体的には下記のようにして製造した。先ず、上記の製造方法によって、平均粒径8μmで、トナーの形状係数SF1=115、SF2=110の球形トナーを得た。この球形トナーは、前述した測定法による摩擦帯電量が−38μC/gであった。
尚、摩擦帯電量の測定の際には、粒径50μmのフェライトキャリア9.7g中に外添剤を0.3g混入し、ポリエチレン容器中で300回振とうした後に測定を行った。
【0042】
本実施例においては、上記の球形トナー100重量部に対して、トナーと同極性であるネガ帯電性の外添剤を1.5wt%に加え、更に、トナーと逆極性であるところのポジ帯電性の外添剤0.8%を各トナー粒子表面に付着せしめて、図2(a)に示したように、球形トナーを非球形化したものを用いた。上記2種類の外添剤を外添した後の球形トナーT1のトナー形状係数は、SF1=150、及びSF2=135であった。
【0043】
本実施例において、ネガ帯電性の外添剤(第1の外添剤)として用いたのはBET法による比表面積が300m2/g、一次粒径が8nmである疎水性シリカであり、摩擦帯電量は−110μC/gであった。このようなトナーと同極性であるネガ帯電性外添剤の効果としては、トナーの帯電性の向上、トナー流動性の向上等の、従来の外添剤の効果をトナーに付与することである。
【0044】
又、ポジ帯電性の外添剤(第2の外添剤)としては、一次粒径0.5μmのPMMA粒子を添加した。本実施例で使用したこのポジ帯電性外添剤の摩擦帯電量は+40μC/gであった。このトナーと逆極性であるポジ帯電性外添剤の作用は、一次粒径0.5μmの粒子を球形トナーに付着させることで、トナー形状を適度に非球形化し、トナーの滑り性の制御を可能とすることにある。この結果、トナーが現像ブレードをすり抜けず、良好なトナー帯電と均一なトナー薄層を得ることが可能となる。又、トナーが現像剤供給ローラをすり抜けないことで、現像スリーブ上のトナーのチャージアップを防ぎ、画像再現性が向上する。
【0045】
ここで、トナーT1表面におけるネガ帯電性外添剤とポジ帯電性外添剤は、模式的に表すと、図2(a)のように存在している。本発明においては、この際、ポジ帯電性外添剤の被覆率αを50%以下とすることで、外添剤を含めたトナー全体のトリボを安定してネガに帯電することが出来るため、カブリの少ない良好な画像を得ることが出来る。前述した測定方法によると、本実施例で使用した球形トナーT1表面における外添剤被覆率は、ネガ帯電性外添剤が80%、ポジ帯電性外添剤が22%であった。
【0046】
又、本発明においては、トナー表面に付着するポジ帯電性外添剤の効果を高めるためには、図2(a)に示したように、ポジ帯電性外添剤の個々の粒子表面にネガ帯電性外添剤が付着しても、ポジ帯電性外添剤自体はポジ特性を示すことが好ましい。具体的には、ネガ帯電性外添剤の摩擦帯電量の絶対値をQ1、外添量をM1、ポジ帯電性外添剤の摩擦帯電量の絶対値をQ2、外添量M2、ポジ帯電性外添剤のトナーT1表面に占める面積被覆率αとしたときに、
Q1×M1×α<Q2×M2
となる条件を満足するように構成する。このようにすれば、ポジ帯電性外添剤を安定してポジ極性に帯電し、現像/転写時におけるポジ外添剤の分離を容易にし、本発明における効果を安定して得ることが可能となる。
【0047】
更に、使用するポジ帯電性外添剤(第2の外添剤)としては、球形ではなく不定形であり、粒径が大きな粒子を用いることが好ましいことがわかった。このようにすれば、少ない外添量でもトナーの滑り性の制御を可能にし得る。又、先にも述べたように、ポジ外添剤の一次粒径を0.1〜2μmとすることで、容易にトナー形状係数SF1を増加させて非球形化できると共に、現像/転写時には、ポジ外添剤をトナー表面から容易に分離し易くできた。ネガ帯電性外添剤(第1の外添剤)については、一次粒径が1nm〜100nmのものを使用することで良好な転写特性が達成された。
【0048】
又、本発明においては、ポジ帯電性外添剤の添加により、トナーの形状係数SF1を増加させ、トナーの形状を非球形化することで現像時における良好なトナーコート性を得ると同時に、ジャンピング現像法を適正化することで、図2(b)に示したように、感光ドラム上の潜像を現像したトナー像を形成しているトナーからポジ帯電性外添剤をトナーから分離することによって、転写時におけるトナー形状係数SF1の値を低下して球形化し、転写効率の向上や、転写中抜けの防止の向上を図るとよい。
【0049】
このため本実施例においては、現像電源より現像バイアスとして、現像スリーブ3に、1.5kVpp、周波数2kHzの交流電圧と、−500Vの直流電圧を印加することで、現像スリーブ3上から、250μmの間隙をもって対向している感光ドラム上の静電潜像にトナーを飛翔せしめ、トナー像を形成している。
【0050】
図3(a)に示したように、ジャンピング現像法によれば交番電界により現像スリーブ3と感光ドラム10上の画像部VL、非画像部Vd間において、トナ−の転移及び逆転移を発生させることで、ポジ帯電性の外添剤(第2の外添剤)を効果的に、ネガ帯電性であるトナー表面から分離し、現像スリーブ3もしくは非画像部に回収する。これは、適切な交番電界の印加によって、1度感光ドラム10上の画像部に付着したトナーに対しても、再度現像スリーブ3側に飛翔させることを可能とすることで、ポジ帯電性外添剤のトナー表面からの分離の機会を増大させ、より確実に分離させることが可能なためと考えられる。又、このジャンピング現像によれば、正規に帯電した負極性のトナーは、画像部に対して適度なエッジ効果を生じるので、鮮明なエッジシャープネスと非画像部に近い潜像である中間調画像の再現性を向上させ、且つ正極性のトナーに関しては、現像スリーブ3に回収することが可能となるため、後述するDC現像法に比べて非画像部におけるカブリの発生も削減できる。
【0051】
図3(b)に、交流電圧を印加しないDC現像方法のバイアス概念図を示すと、現像スリーブの電位をVdc=−500V、感光体上の画像部の電位をVL=−150V、非画像部の電位をVd=−700Vとすると、正規に帯電した負極性のトナーは感光ドラム上の潜像の画像部に付着してトナー像を形成する。しかしながら、図3(a)のようにトナーを強い電界により往復動作させることがないため、1度ドラム上に付着してしまったトナーからはポジ帯電性外添剤を充分に除去できない。又、逆極性に帯電した正極性のトナーは、非画像部に付着して、いわゆる画像カブリを形成し易く、画像品位を落としてしまう。
【0052】
ここで、本発明において現像電界として用いた交番電界の振幅と現像剤のSF1並びに転写効率の関係について説明する。ここで現像電界振幅Aは、現像電源のピークトゥピーク交流電圧Vpp、現像スリーブと感光ドラム間の距離をSDとすると、下記の関係がある。
A=Vpp/2SD
【0053】
図4に示したように、DC現像方法(図4中の、現像電界振幅が0kV/mmの部分)では現像後転写前のドラム上トナーの形状係数は、SF1=150であり、現像装置中のトナーとほぼ同じでであった。その結果、転写効率は77%しかなかった。一方、図4からもわかるように、現像間隙に交番電界を形成し、且つ現像電界振幅を2kV/mm以上とすることで、ポジ帯電性外添剤をトナー表面から分離し、転写前のトナー形状係数SF1を130以下まで低下させた。その結果、トナーが球形化された後に転写されるため、転写効率は95%まで向上した(図中の×印のグラフ参照)。この際、現像電界振幅を5kV/mm以上とすると、潜像条件によってはリークが発生するため、現像電界の振幅としては、2kV/mm以上5kV/mm以下とすることが望ましい。
【0054】
ここで、本発明で使用する球形トナーとしては、外添する以前の形状係数SF1が100〜130、SF2が100〜120の範囲にあり、且つ第1の外添剤と第2の外添剤を外添した後の形状係数SF1が130〜170、SF2が120〜160の範囲である球形トナーを用いたときに、上記したような範囲の現像電界振幅を与えれば、現像時におけるトナーコートと転写効率を両立することができた。
【0055】
即ち、本実施例のように構成することで、画像形成装置における現像手段内ではトナー形状係数SF1の値が大きい非球形化トナーとなるので、トナーの摩擦や摺擦を容易にすることができ、現像ブレードにおいてトナー薄層形成が容易になされ、並びにトナーの有するトリボ付与性が向上するので、トナー供給部材における現像スリーブ上の残留トナーの確実な剥ぎ取りが可能となる。一方、感光体ドラム上に設けられたトナー像の転写時には、トナー形状係数SF1を低下させてトナーを球形化し、転写時において生じる、転写効率の向上、転写中抜けの防止を向上することが可能となる。
【0056】
実施例2
本実施例の画像形成装置は、クリーナレスタイプの画像形成装置であって、該画像形成装置には一成分現像剤であるコア/シェル構造を有する重合トナーを適用した。
以下、図5を参照しながら、より詳細に説明する。本実施例の構成は、基本的に実施例1とほぼ同様であるが、図5に示したように、転写後の感光ドラム10上の残留トナーを回収するクリーニング装置が存在せず、残留トナーは、一次帯電器13によりネガに帯電された後、現像手段により回収されるクリーナレスシステムである。従って、クリーナレスシステムは画像形成装置の小型化、トナーの有効活用が可能となるというメリットを有する。
しかしながら、クリーナレスシステムにおいては、感光ドラム10上に残留したトナーが多量に存在すると、次の画像形成プロセス時において、感光ドラム10の帯電不良、露光不良によって画像不良を発生してしまう場合がある。そこで、安定したクリーナレスシステムを得るには、転写効率を100%近くまで高めることが望まれる。
【0057】
本実施例では、使用する一成分現像剤を製造する際に、前述した高い転写効率が得られる球形トナーを簡易に得ることのできる懸濁重合法を用いることで、トナーの小粒径化が容易になると同時に、トナーの粒径分布をシャープにして画像の高精細化を達成し、更に、懸濁重合法によりトナーにコア/シェル構造を持たせることで、定着性の向上と耐ブロッキング性の両立を達成した。更に、この際にコア部に離型剤を用いることにより、従来の装置の定着部におけるオイル塗布部材の簡素化をも可能にした。
【0058】
以下に本実施例に用いた重合トナーT2について説明する。
本実施例におけるトナーT2は、懸濁重合法により製造されたトナーであり、以下のようにして得た。
先ず、イオン交換水710gに、0.1M−Na3PO4水溶液450gを投入し、60℃に加温した後、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12,000rpmにて攪拌した。これに1.0M−CaCl2水溶液68gを徐々に添加し、Ca3(PO4)2を含む水系媒体を得た。
【0059】
次に、下記の処方を60℃に加温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12,000rpmにて均一に溶解、分散した。
【0060】
次に、これに、重合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10gを溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
前記で得た水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、60℃、N2雰囲気下において、TK式ホモミキサーにて10,000rpmで10分間攪拌し、重合性単量体組成物を造粒した。その後、パドル攪拌翼で攪拌しつつ、80℃に昇温し、10時間反応させた。
【0061】
重合反応終了後、減圧下で残存モノマーを留去し、冷却後、塩酸を加えリン酸カルシウムを溶解させた後、ろ過、水洗、乾燥をして、重量平均径約7.5μmのシャープな着色懸濁粒子を得た。このようにして得られた本実施例で使用する重合トナーT2の形状は、形状係数SF1=110、SF2=109の球状の重合トナーが得られた。又、トナーT2の摩擦帯電量は−30μC/gであった。
【0062】
ここで、トナーの表面部分を重合法により形成する場合には、分散媒中にプレトナー(モノマー組成物)粒子を存在させ、必要な部分を重合反応により生成するため、表面性については、かなり平滑化されるのでトナーの滑り性は非常に高い。従って、現像ブレード上に塗布されるトナーを均一なトナー層及び帯電量に規制する(以下、単に規制及び帯電という)のが難しい。更に、重合トナーにコア/シェル構造を持たせれば、前述したようなメリットが得られるものの、トナー中の低軟化物質はトナー自体の強度を低下させるため、現像ブレード並びに現像剤供給ローラは低い当接圧で現像スリーブに当接する必要があり、現像スリーブ上での規制及び剥ぎ取り、又、ブレードによるクリーニングを更に難しくしていた。
【0063】
そこで本実施例において使用する重合トナーT2には、上記のようにして得た重合トナーT2100重量部に対して、トナーと同極性であるネガ帯電性の外添剤を1.8wt%に添加し、更に、トナーと逆極性であるところのポジ帯電性の外添剤0.8%を添加して、実施例1の場合と同様に、これらの外添剤を各トナー粒子表面に付着せしめてある。
ここでネガ帯電性である第1の外添剤として用いたのはBET法による比表面積が300m2/g、一次粒径が8nmである疎水性シリカであり、ブローオフ法により測定した摩擦帯電量は−110μC/gであった。このようなトナーと同極性であるネガ帯電性外添剤の添加の効果としては、トナー帯電性の向上、トナー流動性の向上等の従来の外添剤の効果をトナーに付与することである。
【0064】
一方、本実施例においては、ポジ帯電性である第2の外添剤として、平均粒径1μmのメラミン−ホルムアルデヒド樹脂粒子を添加した。本実施例におけるポジ帯電性外添剤の摩擦帯電量は+55μC/gであった。トナーと逆極性であるポジ帯電性外添剤の添加の効果としては、実施例1と同様でトナーの滑り性の制御であり、現像装置内においてはトナー形状係数SF1を大きくして非球形化することで、現像ブレードにおけるトナーの規制及び帯電の安定化と、現像剤供給ローラにおける現像スリーブ上の残留トナーの剥ぎ取りを容易にする。更に、本実施例では、所定の交番電界下にて感光ドラム上に現像することで、感光ドラム上のトナーT2からポジ帯電性外添剤を除去し、球形化することで良好な転写特性を得る。
【0065】
本実施例ではポジ帯電性外添剤の粒径を大きくし、且つ摩擦帯電量を大きくすることで、SF1及びSF2の値が共に100に近い重合トナーT2でも、実施例1の球形トナーT1同様に滑り性を制御することが可能となった。
又、本実施例で使用したトナー表面に対するポジ帯電性外添剤の面積被覆率αは14%であるため、ポジに帯電した反転トナーは微量であり、長期耐久においても安定したトナートリボが得られた。
ネガ帯電性外添剤の摩擦帯電量の絶対値Q1、外添量をM1、ポジ帯電性外添剤の摩擦帯電量の絶対値Q2、外添量M2、ポジ帯電性外添剤のトナーT1表面に占める面積被覆率αとしたときに、Q1×M1×α<Q2×M2なる条件を満たすため、ポジ帯電性外添剤を安定してポジ極性に帯電し、現像/転写時におけるポジ外添剤の分離を容易にし、転写時にはトナー形状係数を低下し、球形化して転写効率を向上している。
【0066】
本実施例においても実施例1同様の現像条件(現像間隙距離250μm、交流電圧1.5kVpp 2kHz)により、トナーに適切な交番電界が印加されているため、感光ドラム上の潜像を充分に現像すると共に、感光ドラム上のトナーからポジ帯電性外添剤を除去している。本実施例では、現像装置中の重合トナーT2の形状係数SF1=145であるのに対し、現像後転写前の感光ドラム画像部上の重合トナーT2の形状係数SF1=113であり、転写効率は98%であった。又、微量に存在する逆極性に帯電した反転トナーは、実施例1と同様に、交番電界により現像スリーブ側に戻して画像カブリを防止することが可能である。
【0067】
従って、上記した本実施例の画像形成装置は、簡易な構成の非磁性一成分現像装置を用いているにもかかわらず、重合トナーを安定して現像スリーブ上にコートし、且つ転写時には転写効率を向上させることができるので、クリーナレスシステムにおける現像部でのトナー回収が容易になって、長期にわたり画像不良の生じない、安定したクリーナレスシステムを実現した画像形成装置となる。この結果、装置の小型化、トナーの有効活用が達成される。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、現像時における現像ブレード上への安定したトナー薄層の形成、及びトナーへの安定したトリボ付与の実現と、転写時における高い転写効率の達成の両立がなされ、高品位の出力画像が容易に得られる画像形成装置が提供される。
又、本発明によれば、装置の小型化、トナーの有効活用が達成された高品位の安定したカラー出力画像が容易に得られる画像形成装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の画像形成装置の概略構成図である。
【図2】本発明で使用する現像剤の表面状態を表す概念図である。(a)は現像前のもの、(b)は現像後のものである。
【図3】図1の画像形成装置における現像バイアスの概念図である。
【図4】現像電界振幅と現像剤形状、転写効率の関係図である。
【図5】実施例2の画像形成装置の概略構成図である。
【図6】従来の電子写真装置の概略構成図である。
【図7】従来の現像装置の概略構成図である。
【図8】摩擦帯電量測定装置の概略構成図である。
【符号の説明】
T1:球形トナー
T2:重合トナー
1:現像剤規制部材
2:金属薄板
3:現像スリーブ
4:現像電源
5:現像剤供給ローラ
6:現像剤撹拌器
7:トナー薄層
10:感光ドラム
11:転写帯電器
12:クリーニング装置
40:現像装置
41:吸引機
42:測定容器
43:導電性スクリーン
44:蓋
45:真空計
46:風量調節弁
47:吸引口
48:コンデンサー
49:電位計
100:感光ドラム
102:現像スリーブ
103:現像ブレード
104:金属薄板
105:現像剤供給ローラ
106:トナー撹拌部材
107:トナー薄層
114:転写帯電器
116:クリーニング装置
117:一次帯電器
123:露光装置
126:定着装置
140:現像装置
140a:現像容器
T:現像剤(トナー)
P:転写材
Claims (10)
- 像担持体と、一成分現像剤によって像担持体上の潜像を可視化せしめる現像手段と、可視化された像担持体上のトナー像を被転写材に転写する転写手段とを備えた画像形成装置において、転写時における上記一成分現像剤のトナー形状係数SF1が、上記現像手段内のトナー形状係数SF1よりも小さくなるように構成され、上記一成分現像剤が、トナーと同極性である第1の外添剤と、トナーと逆極性である第2の外添剤の少なくとも2種類の粒子が外添されており、第1の外添剤の一成分現像剤に対する重量混合率をM 1 、第2の外添剤の一成分現像剤に対する重量混合率をM 2 、第1の外添剤の摩擦帯電量(C/kg)の絶対値をQ 1 、第2の外添剤の摩擦帯電量(C/kg)の絶対値をQ 2 、第2の外添剤が一成分現像剤の表面上を占める面積被覆率をαとした場合に、これらが下記式を満足するように構成されていることを特徴とする画像形成装置。
Q 1 ×M 1 ×α<Q 2 ×M 2 - 一成分現像剤の表面上に占める第2の外添剤の面積被覆率αが50%以下である請求項1に記載の画像形成装置。
- 第1の外添剤粒子の一次粒径が1nm〜100nm、第2の外添剤の一次粒径が0.1〜2μmである請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- 一成分現像剤が、外添される以前の形状係数SF1が100〜130、SF2が100〜120であって、第1の外添剤と第2の外添剤が外添された後の形状係数SF1’が130〜170、SF2’が120〜160の範囲内にある請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 一成分現像剤の一部又は全体が重合法により形成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 一成分現像剤の一部または全体が低軟化点物質からなり、且つ、低軟化点物質の融点が40〜90℃である請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 現像手段が、一成分現像剤を収容する容器と、一定方向に回転することによって像担持体上に形成された静電潜像に一成分現像剤を供給して可視化せしめる現像剤担持体と、該現像剤担持体に対向配置され、現像剤担持体上に一成分現像剤を塗布するための現像剤供給部材と、該現像剤供給部材の現像剤担持体の回転方向下流側に、現像剤担持体に圧接されて設けられている、現像剤担持体上の現像剤の量を規制し、且つ均一に塗布せしめるための現像剤規制部材を備えている請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 現像剤担持体が、像担持体と一定の現像間隙を持って対向配置され、該現像間隙に交互電界を形成して、一成分現像剤を現像剤担持体と像担持体間で往復動作させる請求項7に記載の画像形成装置。
- 交互電界の振幅を2kV/mm〜5kV/mmとする請求項8に記載の画像形成装置。
- 現像手段が、更に転写後に像担持体上に残余した一成分現像剤を回収する請求項7に記載の画像形成装置。
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