JP2008222930A - ポリアミド系樹脂組成物及び複合成形体 - Google Patents

ポリアミド系樹脂組成物及び複合成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】塩素含有樹脂(例えば、塩化ビニル樹脂など)に対して直接的に接着可能なポリアミド系樹脂組成物を提供する。
【解決手段】前記樹脂組成物を、ポリアミド系樹脂と、脂環式第3級アミン類(1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−ノネン−5、およびこれらの塩など)とで構成する。このような樹脂組成物において、脂環式第3級アミン類の割合は、ポリアミド系樹脂100重量部に対して0.001〜5重量部程度であってもよい。
【選択図】なし

Description

本発明は、塩素含有樹脂に対して直接接着するために有用なポリアミド系樹脂組成物、この樹脂組成物で構成された樹脂部材と塩素含有樹脂で構成された樹脂部材とが、接着剤を用いることなく一体に直接接着した複合成形体、この複合成形体の製造方法および前記複合成形体で構成されたケーブル(防蟻ケーブルなど)に関する。
意匠性や装飾性を向上させたり、良好な感触(例えば、ソフトな感触)を付与したり、異なる樹脂の特性をバランスよく付与する等の目的で、異なる樹脂を組み合わせた複合体(複合成形体)が提案されている。このような複合成形体は、通常、接着剤を介して、複数の成形部材を接着させることにより製造されている。しかし、このような接着剤を使用する方法は、工程が長く不経済であるばかりでなく、有機溶剤等による環境汚染も問題となる。
一方、製造工程の合理化や環境対策の観点から、複数の成形部材を熱融着する方法も採用されている。しかし、熱融着が可能な異種材料の組み合わせは大きく制限されており、また、十分な接合強度を得るための成形条件の設定も容易でない。
このような状況は、ポリアミド系樹脂で構成された成形部材を含む複合体においても同様であり、例えば、特開平8−104805号公報(特許文献1)には、管状内層と、この管状内層の外周面に直接積層形成された外層とを備えた燃料ホースであって、上記管状内層がフッ素樹脂を用いて形成され、上記外層が、カルボン酸(ナフトエ酸、ソルビン酸など)の1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7塩を含有するポリアミド樹脂を用いて形成され、上記カルボン酸の1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7塩の含有割合が、上記ポリアミド樹脂100重量部に対し、0.5〜10重量部の範囲に設定されていることを特徴とする燃料ホースが開示されている。
以上のように、ポリアミド系樹脂と直接的に接着可能な樹脂やその接着条件は、未だ十分に知られていないのが現状であり、このような中、他の樹脂に接着可能なポリアミド系樹脂が求められている。
特開平8−104805号公報(特許請求の範囲)
従って、本発明の目的は、塩素含有樹脂(例えば、塩化ビニル樹脂など)に対して直接的に接着可能なポリアミド系樹脂組成物、この樹脂組成物で構成された樹脂部材と、塩素含有樹脂で構成された樹脂部材とが直接接着した複合成形体、この複合成形体を製造する方法および前記複合成形体で構成されたケーブルを提供することにある。
本発明の他の目的は、簡便にかつ効率よく、塩素含有樹脂(例えば、塩化ビニル樹脂など)に対して直接的かつ強固に接着可能なポリアミド系樹脂組成物、この樹脂組成物で構成された樹脂部材と、塩素含有樹脂で構成された樹脂部材とが直接接着した複合成形体、この複合成形体を製造する方法、および前記複合成形体で構成されたケーブルを提供することにある。
本発明者は、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、ポリアミド系樹脂と特定のアミン類とを組み合わせた樹脂組成物が、塩素含有樹脂に対して直接的に接着可能であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の樹脂組成物は、塩素含有樹脂に直接接着させるための樹脂組成物であって、ポリアミド系樹脂と、脂環式第3級アミン類とで構成されている。前記樹脂組成物において、脂環式第3級アミン類は、架橋又は縮合環式第3級アミン類であってもよく、例えば、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−ノネン−5およびこれらの塩から選択された少なくとも1種であってもよい。特に、前記脂環式第3級アミン類は、脂環式第3級アミン類が、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5、およびこれらの塩から選択された少なくとも1種で構成されていてもよい。
また、前記脂環式第3級アミン類は、脂環式第3級アミンとフェノール樹脂との塩で構成されていてもよい。特に、前記脂環式第3級アミン類は、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7とフェノール樹脂との塩、および1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5とフェノール樹脂との塩から選択された少なくとも1種で構成されていてもよい。
また、前記樹脂組成物において、脂環式第3級アミン類の割合は、ポリアミド系樹脂100重量部に対して0.001〜5重量部程度であってもよい。特に、脂環式第3級アミン類の割合が、ポリアミド系樹脂100重量部に対して0.5重量部未満(例えば、0.007〜0.4重量部程度)であってもよい。本発明の樹脂組成物では、脂環式第3級アミン類をこのような小割合で含んでいるだけでも、塩素含有樹脂に対する高い接着性を有している。
本発明には、前記樹脂組成物で構成された樹脂部材(A)と、塩素含有樹脂で構成された樹脂部材(B)とが直接接着した複合成形体も含まれる。このような複合成形体において、前記塩素含有樹脂は、塩化ビニル系樹脂(例えば、ポリ塩化ビニルなど)および塩化ビニリデン系樹脂から選択された少なくとも1種であってもよい。
また、本発明には、前記樹脂組成物又は樹脂部材(A)と、塩素含有樹脂又は樹脂部材(B)とを加熱下で接触(又は接合)させ、前記複合成形体を製造する方法も含まれる。
本発明の複合成形体は、被覆材(例えば、ケーブルの被覆材)に用いるための複合成形体(又は部材)として有用である。例えば、前記複合成形体は、ケーブルを好適に構成してもよい。そのため、本発明には、前記複合成形体で構成されたケーブル(特に、防蟻ケーブル)も含まれる。
本発明の樹脂組成物(ポリアミド系樹脂組成物)は、ポリアミド系樹脂と特定のアミン類とで構成されているため、塩素含有樹脂(例えば、塩化ビニル樹脂など)に対して直接的に接着可能である。特に、アミン類の種類や割合を調整することにより、接着剤などを要せず、簡便にかつ効率よく、塩素含有樹脂に対して直接的かつ強固に接着可能である。
[樹脂組成物]
本発明の樹脂組成物(ポリアミド系樹脂組成物)は、ポリアミド系樹脂と、脂環式第3級アミン類とで構成されている。そして、このような樹脂組成物は、塩素含有樹脂(又は塩素含有樹脂で構成された樹脂部材)に直接接着させるための樹脂組成物として好適に用いることができる。
(ポリアミド系樹脂)
ポリアミド系樹脂としては、脂肪族ポリアミド系樹脂(又は脂肪族ポリアミド)、脂環族ポリアミド系樹脂(又は脂環族ポリアミド)、芳香族ポリアミド系樹脂(又は芳香族ポリアミド)などが挙げられ、各種ホモポリアミド及びコポリアミドなどが使用できる。
脂肪族ポリアミド系樹脂のうち、ホモポリアミドとしては、脂肪族ジアミン成分[テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ドデカンジアミンなどのC4−16アルキレンジアミン(好ましくはC4−14アルキレンジアミン、特にC6−12アルキレンジアミン)]と脂肪族ジカルボン酸成分[例えば、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの炭素数4〜20程度のアルキレンジカルボン酸(C4−16アルカンジカルボン酸、特にC6−14アルカンジカルボン酸)、これらの低級アルキルエステル(メチルエステルなどのC1−4アルキルエステル)、酸ハライドなど]との縮合物(例えば、ポリアミド46、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド1010など)、ラクタム[ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどの炭素数4〜20(好ましくは炭素数4〜16)程度のラクタムなど]又はアミノカルボン酸[ω−アミノウンデカン酸などの炭素数4〜20(好ましくは炭素数4〜16)程度のアミノカルボン酸など]のホモポリアミド(例えば、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12など)などが例示できる。また、コポリアミドとしては、前記脂肪族ジアミン成分、前記脂肪族ジカルボン酸成分、前記ラクタム、前記アミノカルボン酸などの脂肪族ポリアミドを構成し得るモノマー成分が共重合したコポリアミド、例えば、6−アミノカプロン酸と12−アミノドデカン酸との共重合体;6−アミノカプロン酸、12−アミノドデカン酸、ヘキサメチレンジアミン及びアジピン酸の共重合体;ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸、水添ダイマー酸及び12−アミノドデカン酸の共重合体;ポリアミド6/11,ポリアミド6/12,ポリアミド66/11,ポリアミド66/12などが挙げられる。
脂環族ポリアミド系樹脂としては、少なくとも脂環族ジアミン及び脂環族ジカルボン酸から選択された少なくとも一種を構成成分とするホモポリアミド又はコポリアミドなどが挙げられ、例えば、ポリアミド系樹脂を構成するジアミン成分及びジカルボン酸成分のうち、少なくとも一部の成分として脂環族ジアミン及び/又は脂環族ジカルボン酸を用いることにより得られる脂環族ポリアミドなどが使用できる。前記ジアミン成分及びジカルボン酸成分として、脂環族ジアミン及び/又は脂環族ジカルボン酸と共に、前記例示の脂肪族ジアミン及び/又は脂肪族ジカルボン酸を併用するのが好ましい。このような脂環族ポリアミド系樹脂は、透明性が高く、いわゆる透明ポリアミドとして知られている。
前記脂環族ジアミンとしては、ジアミノシクロヘキサンなどのジアミノシクロアルカン(ジアミノC5−10シクロアルカンなど);ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4’−アミノシクロヘキシル)プロパンなどのビス(アミノシクロアルキル)アルカン[ビス(アミノC5−8シクロアルキル)C1−3アルカンなど]などが挙げられる。また、前記脂環族ジカルボン酸としては、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸などのシクロアルカンジカルボン酸(C5−10シクロアルカン−ジカルボン酸など)、これらの低級アルキルエステル(メチルエステルなどのC1−4アルキルエステル)、酸ハライドなどが挙げられる。
脂環族ポリアミド系樹脂のうち、前記脂肪族ジカルボン酸と脂環族ジアミンとの縮合体(ホモ又はコポリアミド)などが好ましい。
芳香族ポリアミド系樹脂には、前記脂肪族ジアミン成分及び脂肪族ジカルボン酸成分のうち少なくとも一方の成分が芳香族成分であるポリアミド、例えば、ジアミン成分が芳香族成分であるポリアミド[MXD−6などの芳香族ジアミン(メタキシリレンジアミンなど)と脂肪族ジカルボン酸との縮合体など]、ジカルボン酸成分が芳香族成分であるポリアミド[脂肪族ジアミン(トリメチルヘキサメチレンジアミンなど)と芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸など)との縮合体など]などが含まれる。
なお、ポリアミド系樹脂には、ジアミン成分及びジカルボン酸成分が芳香族成分であるポリアミド[ポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)などの全芳香族ポリアミド(アラミド)など]などを使用してもよい。このような全芳香族ポリアミドは、通常、他のポリアミド系樹脂と併用する場合が多い。
ポリアミド系樹脂には、さらに、ダイマー酸をジカルボン酸成分とするポリアミド、少量の多官能性ポリアミン及び/又はポリカルボン酸成分を用い、分岐鎖構造を導入したポリアミド、変性ポリアミド(N−アルコキシメチルポリアミドなど)、ポリアミドブロック共重合体(ポリアミドエラストマー)なども含まれる。
前記ポリアミドブロック共重合体は、ポリアミド鎖(又はポリアミドブロック)をハードセグメントとするポリアミドエラストマーであり、例えば、ポリアミド−ポリエーテルブロック共重合体[すなわち、ポリアミド鎖をハードセグメントとし、ポリエーテル鎖(又はポリエーテルブロック)をソフトセグメントとするブロック共重合体]、ポリアミド−ポリエステルブロック共重合体、ポリアミド−ポリカーボネートブロック共重合体などが含まれる。
ポリアミドブロック共重合体において、ポリアミド鎖を構成するポリアミドとしては、前記例示のポリアミド(脂肪族ポリアミド、脂環族ポリアミドなど)などが挙げられる。
代表的なポリアミドブロック共重合体には、ポリアミド−ポリエーテルブロック共重合体が含まれる。ポリアミド−ポリエーテルブロック共重合体において、ポリエーテル鎖を構成するポリエーテルとしては、例えば、ポリアルキレングリコール[例えば、ポリテトラメチレングリコール(ポリテトラメチレンエーテルグリコール)、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、これらの共重合体(例えば、ポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイドブロック共重合体など)などのポリC2−6アルキレングリコール、好ましくはポリC2−4アルキレングリコール]などが挙げられる。
このようなポリアミドブロック共重合体は、反応性末端基(a)を有するポリアミドブロックと、前記反応性末端基(a)に対して反応性の反応性末端基(b)を有するブロック(例えば、ポリエーテルブロック、ポリエステルブロック、ポリカーボネートブロックの何れか、又はこれらの組み合わせ)とを共重縮合することにより得られる。例えば、ポリアミド−ポリエーテルブロック共重合体(ポリエーテルアミド系のポリエーテルポリアミドブロック共重合体)は、アミノ基を末端基として有するポリアミドブロック(又はポリアミド)とカルボキシル基を末端基として有するポリオキシアルキレンブロック(ポリエーテルブロック又はポリエーテル)とを共重縮合するか、又は、カルボキシル基を末端基として有するポリアミドブロック(又はポリアミド)とアミノ基を末端基として有するポリオキシアルキレンブロック(ポリエーテルブロック、例えば、ポリエーテルポリアミンなど)とを共重縮合することにより得てもよい。なお、アミノ基を末端基として有するポリエーテルとしては、ハンツマン社、サンテクノケミカル株式会社らが提供しているジェファーミン(登録商標)と称される一連のポリエーテルを使用してもよい。
前記ポリアミドブロック共重合体において、ソフトセグメント(ポリエーテルブロック、ポリエステルブロック、ポリカーボネートブロックなど)の数平均分子量は、例えば、100〜10,000程度の範囲から選択でき、好ましくは300〜6,000(例えば、300〜5,000)、さらに好ましくは500〜4,000(例えば、500〜3,000)程度であってもよい。なお、上記ポリアミドブロック共重合体における前記ブロック(ソフトセグメント)の割合は、ポリアミドブロック共重合体全体に対して、例えば、10〜90重量%(例えば、10〜80重量%)、好ましくは20〜90重量%(例えば、20〜75重量%)、さらに好ましくは30〜90重量%(例えば、30〜70重量%)程度であってもよい。また、前記ポリアミドブロック共重合体において、ポリアミドブロック(ポリアミドセグメント)と、前記ブロック(ソフトセグメント)との割合(重量比)は、特に制限されず、例えば、前者/後者=9/1〜2/8、好ましくは9/1〜2.5/7.5、さらに好ましくは8/2〜3/7、特に7/3〜4/6程度であってもよい。
なお、市販のポリアミドエラストマーは、通常、アミノ基をほとんど有していない場合が多い。
前記ポリアミド系樹脂は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。また、ポリアミド系樹脂は、複数のポリアミド系樹脂のブレンド又はアロイであってもよい。
好ましいポリアミド系樹脂は、脂肪族ポリアミド系樹脂、脂環族ポリアミド系樹脂(特に、透明ポリアミド)などであり、これらのポリアミド系樹脂と芳香族ポリアミド系樹脂とを併用してもよい。また、ポリアミドブロック共重合体も好ましい。
ポリアミド系樹脂の数平均分子量は、6,000〜100,000、好ましくは8,000〜50,000、さらに好ましくは10,000〜30,000程度である。
また、ポリアミド系樹脂の相対粘度は、例えば、1.2〜2.7、好ましくは1.4〜2.7、さらに好ましくは1.6〜2.7程度であってもよい。
また、ポリアミド系樹脂の溶融粘度は、荷重2.16kgおよび230℃の条件下において、0.1〜80cm/10分、好ましくは0.2〜50cm/10分、さらに好ましくは0.3〜20cm/10分程度であってもよい。塩素含有樹脂(ポリ塩化ビニルなど)の溶融粘度は比較的大きい場合が多く、塩素含有樹脂とポリアミド系樹脂とを接着させる場合には、ポリアミド系樹脂の溶融粘度と塩素含有樹脂の溶融粘度を対応させるのが好ましい。このような点から、上記のような範囲の相対粘度又は溶融粘度のポリアミド系樹脂は塩素含有樹脂に接着させる上で好ましい。
なお、ポリアミド系樹脂(又は樹脂組成物)は、アミノ基を有していてもよい。このようなアミノ基を有するポリアミド系樹脂は、通常のポリアミド系樹脂(カルボキシル基を有するポリアミド系樹脂など)に比べて、塩素含有樹脂に対する接着に有利な場合がある。
(脂環式第3級アミン類)
脂環式第3級アミン類としては、脂環式第3級アミン又はその誘導体(例えば、塩など)などが含まれる。
脂環式第3級アミンとしては、例えば、単環式第3級アミン(例えば、N,N−ジメチルピペラジンなどのN,N−ジアルキルアザシクロアルカンなど)、架橋環式第3級アミン[又は非縮合架橋環式第3級アミン、例えば、アザビシクロアルカン(例えば、1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン、1−アザビシクロ[3.2.2]ノナン、9−メチル−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン、9−メチル−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−オンなどの)などの1つの窒素原子を有する架橋環式第3級アミン;ジアザビシクロアルカン(例えば、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]−オクタン(トリエチレンジアミン、いわゆる「DABCO」)など)、テトアザシクロアルカン(例えば、1,3,5,7−テトラアザトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン(ヘキサメチレンテトラミン)など)などの2以上(例えば、2〜6、好ましくは2〜4)の窒素原子を有する架橋環式第3級アミン]、縮合環式第3級アミン[例えば、縮合2環式第3級アミン(例えば、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(いわゆる「DBU」)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5(いわゆる「DBN」)などのジアザビシクロアルケンなど)などの2つ以上の窒素原子を有する縮合環式第3級アミン]などが挙げられる。
また、脂環式第3級アミンの塩としては、前記例示の脂環式第3級アミンの塩、例えば、脂環式第3級アミンとカルボン酸[例えば、飽和脂肪酸(例えば、ギ酸、酢酸、オクチル酸、2−エチルヘキサン酸、ステアリン酸などの飽和C1−40脂肪酸)、不飽和脂肪酸(ソルビン酸など)などの脂肪酸;芳香族カルボン酸(例えば、安息香酸、ナフトエ酸、サリチル酸、ヒドロキシナフトエ酸などのC6−14芳香族モノカルボン酸、フタル酸などのC6−14芳香族ジカルボン酸など)など]との塩、脂環式第3級アミンとスルホン酸[例えば、p−トルエンスルホン酸などのアレーンスルホン酸(C6−14アレーンスルホン酸など)など]との塩、脂環式第3級アミンとメルカプト基を有する化合物(例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾールなど)との塩、脂環式第3級アミンとフェノール性水酸基を有する化合物との塩{例えば、フェノールなどのフェノール類、フェノール樹脂[例えば、ノボラック樹脂(フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂など)など]など}、無機酸塩(塩酸塩、炭酸塩など)、脂環式第3級アミンのアンモニウム塩又はオニウム塩(例えば、テトラフェニルボレート塩など)などが挙げられる。
なお、前記塩は、脂環式第3級アミンとこのアミンに対して塩を形成可能な化合物(前記カルボン酸、フェノール性水酸基を有する化合物など)とを含んでいればよく、いずれか一方の成分の当量が他方の成分の当量を越える混合物であってもよい。
脂環式第3級アミン類は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
これらの脂環式第3級アミン類のうち、DABCO、DBU、DBNおよびこれらの塩が好ましい。より好ましい態様では、脂環式第3級アミン類は、DBU、DBNおよびこれらの塩から選択された少なくとも1種で構成してもよい。
また、好ましい脂環式第3級アミン類には、脂環式第3級アミンのフェノール樹脂塩[例えば、DBUとフェノール樹脂との塩(DBUのフェノール樹脂塩)、およびDBNとフェノール樹脂との塩(DBNのフェノール樹脂塩)から選択された少なくとも1種]で構成してもよい。このようなフェノール樹脂塩は、ポリアミド系樹脂に対する相溶性が高いためか、塩素含有樹脂に対する接着性をより一層向上するのに有利である。
なお、脂環式第3級アミン類において、脂環式第3級アミンのpKa(第1pKa)は、例えば、8以上(例えば、8.5〜14程度)、好ましくは9.5以上(例えば、10〜13.7)、さらに好ましくは11以上(例えば、11.5〜13.5程度)、特に12以上(例えば、12.2〜13程度)であってもよい。
本発明の樹脂組成物において、脂環式第3級アミン類の割合は、ポリアミド系樹脂100重量部に対して、例えば、0.001〜5重量部(例えば、0.003〜3重量部)、好ましくは0.005〜2.5重量部(例えば、0.008〜2.2重量部)、さらに好ましくは0.01〜2重量部(例えば、0.05〜1.5重量部)、特に0.07〜1.2重量部(例えば、0.1〜1重量部)程度の範囲から選択でき、0.5重量部未満(例えば、0.004〜0.45重量部、好ましくは0.007〜0.4重量部)とすることもできる。
なお、本発明の樹脂組成物は、各種添加剤(例えば、フィラー又は補強剤(強化繊維など)、安定剤(紫外線吸収剤、酸化防止剤、熱安定剤など)、着色剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、帯電防止剤)、耐衝撃性付与剤などの他の成分を含んでいてもよい。これらの他の成分は、単独で又は2種以上組み合わせて前記樹脂組成物に含まれていてもよい。
[複合成形体]
本発明の樹脂組成物(ポリアミド系樹脂組成物)は、塩素含有樹脂に直接接着させるための
樹脂組成物として有用である。そのため、本発明には、前記樹脂組成物で構成された樹脂部材(A)と、塩素含有樹脂で構成された樹脂部材(B)とが直接接着した複合成形体(複合体)も含まれる。
樹脂部材(A)は、前記樹脂組成物で構成(又は形成)されている。樹脂部材(A)の形状は、特に制限されず、所望の複合成形体の形状に応じて、例えば、板状、シート状、管状などであってもよい。樹脂部材(A)は、前記樹脂組成物を慣用の成形方法(押出成形、射出成形、圧縮成形、ブロー成形など)を利用して製造でき、また、樹脂組成物の形態で成形しつつ樹脂部材(B)と接着させることもできる。
樹脂部材(B)は、塩素含有樹脂(又はその組成物)で構成(又は形成)されている。
塩素含有樹脂(塩素系樹脂)としては、例えば、塩素含有ビニル系樹脂が挙げられる。塩素含有ビニル系樹脂としては、例えば、塩素含有ビニル系単量体(例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデンなど)の単独又は共重合体などが含まれる。塩素含有ビニル系単量体の共重合体としては、塩素含有ビニル系単量体の共重合体、塩素含有ビニル系単量体と他の共重合性単量体との共重合体、非塩素系ポリマーに塩素含有ビニル系単量体がグラフト共重合したグラフト共重合体などが挙げられる。
共重合性単量体としては、例えば、ビニルエステル類(例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどの脂肪族カルボン酸ビニルエステル)、(メタ)アクリル系単量体(例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミドなど)、オレフィン類(例えば、エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのC2−6オレフィンなど)、ビニルエーテル類(例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテル)、シアン化ビニル類(例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなど)、スチレン系単量体(例えば、スチレン、メチルスチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレンなど)、不飽和カルボン酸(例えば、クロトン酸、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸など)及びそのエステルなどが挙げられる。これらの共重合性単量体は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
また、グラフト共重合体において、非塩素系ポリマーとしては、上記共重合性単量体のポリマー(例えば、ポリ酢酸ビニルなど)、縮合系樹脂(例えば、ポリウレタンなど)などが挙げられる。
代表的な塩素含有樹脂には、塩化ビニル系樹脂[塩化ビニルを重合成分とする樹脂、例えば、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル系共重合体(塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル−塩化ビニルグラフト共重合体など)など]、塩化ビニリデン系樹脂[例えば、塩化ビニリデン系共重合体(例えば、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−(メタ)アクリレート共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体など)など]などが挙げられる。
塩素含有樹脂は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
なお、樹脂部材(B)を構成する塩素含有樹脂は、他の成分を含んでいてもよい。すなわち、樹脂部材(B)は、塩素含有樹脂で構成された樹脂組成物(塩素含有樹脂組成物)で構成してもよい。塩素含有樹脂組成物に含まれる他の成分としては、前記と同様の成分(例えば、可塑剤、着色剤、安定剤など)が例示できる。他の成分は単独で又は2種以上組み合わせて塩素含有樹脂組成物に含まれていてもよい。
なお、樹脂部材(B)の形状もまた、前記樹脂部材(A)の場合と同様に特に制限されず、複合成形体としての形状に応じて適宜選択できる。樹脂部材(B)の成形方法もまた樹脂部材(A)の場合と同様である。
複合成形体の構造及び形状は、特に限定されず、例えば、二次元的構造(シート状、板状など)、三次元的構造(例えば、棒状、チューブ状、ケーシング、ハウジングなど)などが挙げられる。
本発明の複合成形体では、樹脂部材(A)と樹脂部材(B)とが、接着剤(又は接着剤層)などを介することなく、直接的に接着している。しかも、このような樹脂部材(A)と樹脂部材(B)との接着強度(接合強度)は、比較的大きく[例えば、30N/cm以上(30N/cm〜凝集破壊)であり、好ましくは40N/cm以上(40N/cm以上〜凝集破壊)、特に50N/cm以上(50N/cm以上〜凝集破壊)]、樹脂部材(A)と樹脂部材(B)とが強固に接着している。
(複合成形体の製造方法)
本発明の複合成形体は、前記樹脂組成物(ポリアミド系樹脂組成物)又は樹脂部材(A)と、塩素含有樹脂(又は塩素含有樹脂組成物)又は樹脂部材(B)とを加熱下で接触(又は接合)させることにより製造できる。通常、前記樹脂組成物又は樹脂部材(A)、及び塩素含有樹脂又は樹脂部材(B)のうち少なくとも一方を加熱して、両方を接触(又は接合)させる(又は一方と他方とを接触)させて製造する場合が多い。
例えば、複合成形体は、予め成形された樹脂部材(A)(例えば、シート状部材など)と樹脂部材(B)(例えば、シート状部材など)とを加熱下で接触させて製造してもよい。このような方法では、樹脂部材(A)および樹脂部材(B)のいずれの溶融温度よりも低い温度で加熱し、両部材を接触させることができる。このような方法は、押出成形、圧縮成形などを好適に利用できる。
また、前記樹脂組成物又は樹脂部材(A)、及び塩素含有樹脂又は樹脂部材(B)のうち少なくとも一方を加熱、溶融し、両樹脂(又は樹脂部材)を接触させることにより接合してもよい。このような複合成形体は、例えば、熱成形(熱プレス成形、インジェクションプレス成形など)、真空成形、射出成形(インサート射出成形、二色射出成形、コアバック射出成形、サンドイッチ射出成形など)、押出成形(共押出成形、Tダイラミネート成形など)、ブロー成形などの慣用の成形法により前記ポリアミド系樹脂組成物と塩素含有樹脂とを成形過程で接合させる(例えば、熱融着する)ことにより製造できる。
例えば、インサート成形、インジェクションプレス成形などの成形法では、一方の樹脂又はその組成物(例えば、塩素含有樹脂)を加熱溶融し、溶融状態の一方の樹脂(又はその組成物)と、他方の樹脂又はその組成物(例えば、ポリアミド系樹脂組成物)で構成された樹脂部材の少なくとも一部とを接触させて接合させてもよい。また、二色射出成形、共押出成形などの成形法では、ポリアミド系樹脂組成物及び塩素含有樹脂をそれぞれ加熱溶融し、溶融状態のポリアミド系樹脂組成物と溶融状態の塩素含有樹脂とを接触させることにより接合させてもよい。少なくともいずれか一方の樹脂を溶融させて、ポリアミド系樹脂組成物と塩素含有樹脂とを接触させ、接合させた後、通常、冷却することにより、樹脂部材(A)と樹脂部材(B)とが強固に接合した複合成形体を得ることができる。また、目的、用途などに応じて、樹脂部材(A)と樹脂部材(B)とは、少なくとも一部において接合していればよい。
なお、樹脂は、樹脂の融点以上の温度に加熱することにより溶融させることができるが、実質的に結晶化しない樹脂の場合には、樹脂のガラス転移点(Tg)以上の温度に加熱することにより、溶融させることができる。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、塩化ビニル系樹脂などの塩素含有樹脂に対して高い接着性を有しており、ポリアミド系樹脂組成物で構成された樹脂部材と塩素含有樹脂で構成された樹脂部材とが直接接着した複合成形体を得るのに好適である。このような複合成形体は、各種工業部品、例えば、自動車用部品、家電用部品、工業用部品、電気・電子用部品などに好適に使用できる。
特に、本発明の複合成形体は、被覆材[例えば、電線などの芯線(ケーブルコア)を被覆するための被覆材、ホースなど]として有用である。例えば、本発明の複合成形体は、ケーブルを構成するのに好適である。そのため、本発明には、前記複合成形体で構成されたケーブルも含まれる。このようなケーブルは、詳細には、芯線とこの芯線を被覆する前記複合成形体とで構成されている。なお、芯線構造は、テープ芯線構造、多芯線構造などであってもよい。また、芯線と前記複合成形体との間には、テープなどが介在していてもよい。このようなケーブルは、強靱な前記複合成形体で構成されているため、光ファイバーケーブルや防蟻ケーブル(特に防蟻ケーブル)として好適であり、特に、防蟻性を有しているため、防蟻ケーブルとして好適である。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
ポリアミド12(ダイセル・デグサ(株)製、「ダイアミド」、相対粘度2.1)100重量部に、2重量部の1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7のフェノールノボラック樹脂塩(サンアプロ(株)製、「U−CAT841」)を加え、二軸押出機(日本製鋼(株)製、「TEX−α」)を用いてコンパウンド化を行い、得られた樹脂組成物を圧縮成形機(山本水圧(株)製、「HP−50」)を用いてシート化(縦100mm×横100mm×厚み0.5mmのシート)した。
次に、得られたポリアミド樹脂シートと、塩化ビニル樹脂シート[縦100mm×横100mm×厚み0.5mmのシート、大洋塩ビ(株)製の塩化ビニル樹脂を圧縮成形機(山本水圧(株)製、「HP−50」)によりシート化したもの]とを重ね、圧縮成形機を用いて張り合わせることにより、接着試験用サンプルを作成した。
(実施例2)
実施例1において、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7のフェノールノボラック樹脂塩の量を2重量部に代えて、0.01重量部としたこと以外は、実施例1と同様にしてポリアミド樹脂シートおよび接着試験用サンプルを作成した。
(実施例3)
実施例1において、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7のフェノールノボラック樹脂塩の量を2重量部に代えて、0.005重量部としたこと以外は、実施例1と同様にしてポリアミド樹脂シートおよび接着試験用サンプルを作成した。
(実施例4)
実施例1において、ポリアミド12に代えて、ポリアミド612(ダイセル・デグサ(株)製、「ダイアミド」、相対粘度1.8)を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてポリアミド樹脂シートおよび接着試験用サンプルを作成した。
(実施例5)
実施例1において、ポリアミド12に代えて、ポリアミドエラストマー(ダイセル・デグサ(株)製、「ダイアミド」、相対粘度1.9、ポリアミド−ポリエーテルブロック共重合体)を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてポリアミド樹脂シートおよび接着試験用サンプルを作成した。
(実施例6)
実施例1において、2重量部の1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7のフェノールノボラック樹脂塩に代えて2重量部の1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−ノネン−5のフェノールノボラック樹脂塩(サンアプロ(株)製、「U−CAT881」)を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてポリアミド樹脂シートおよび接着試験用サンプルを作成した。
(比較例1)
実施例1において、1,8−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてポリアミド樹脂シートおよび接着試験用サンプルを作成した。
そして、実施例および比較例で得られた接着試験用サンプルを、幅2.5cmの短冊状に切断し、得られた短冊について引っ張り試験を行い、その状態をもって接着強度とした。引っ張り試験には、(株)オリエンテック製の「RTA−1T」を用い、引っ張り速度は50mm/minで行った。
結果を表1に示す。なお、表1において、凝集破壊とは、塩化ビニル樹脂が破壊されることをいい、接着界面で全く離れない状態をいう。
Figure 2008222930

Claims (13)

  1. 塩素含有樹脂に直接接着させるための樹脂組成物であって、ポリアミド系樹脂と、脂環式第3級アミン類とで構成されている樹脂組成物。
  2. 脂環式第3級アミン類が、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5およびこれらの塩から選択された少なくとも1種である請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 脂環式第3級アミン類が、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5、およびこれらの塩から選択された少なくとも1種で構成されている請求項1記載の樹脂組成物。
  4. 脂環式第3級アミン類が、脂環式第3級アミンとフェノール樹脂との塩で構成されている請求項1記載の樹脂組成物。
  5. 脂環式第3級アミン類が、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7とフェノール樹脂との塩、および1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5とフェノール樹脂との塩から選択された少なくとも1種で構成されている請求項1記載の樹脂組成物。
  6. 脂環式第3級アミン類の割合が、ポリアミド系樹脂100重量部に対して0.001〜5重量部である請求項1記載の樹脂組成物。
  7. 脂環式第3級アミン類の割合が、ポリアミド系樹脂100重量部に対して0.007〜0.4重量部である請求項1記載の樹脂組成物。
  8. 請求項1記載の樹脂組成物で構成された樹脂部材(A)と、塩素含有樹脂で構成された樹脂部材(B)とが直接接着した複合成形体。
  9. 塩素含有樹脂が、塩化ビニル系樹脂および塩化ビニリデン系樹脂から選択された少なくとも1種である請求項8記載の複合成形体。
  10. 請求項1記載の樹脂組成物又は樹脂部材(A)と、塩素含有樹脂又は樹脂部材(B)とを加熱下で接触させ、請求項8記載の複合成形体を製造する方法。
  11. 被覆材に用いる請求項8記載の複合成形体。
  12. 請求項8記載の複合成形体で構成されたケーブル。
  13. 防蟻用ケーブルである請求項12記載のケーブル。
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