JP3753481B2 - 複合成形体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリアミド樹脂部とポリエステル樹脂部との接着性が高く、種々の成形品として有用な複合成形体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリアミド樹脂は高い機械的特性(特に靭性,耐衝撃性,潤滑性や耐磨耗性など)を有している反面、耐候性、耐湿性が十分でない。一方、ポリエステル樹脂は、耐候性,電気絶縁性,寸法安定性などが高いものの、耐衝撃性が十分でない。また、ポリアミド樹脂とポリエステル樹脂は、互いに接着性が小さいだけでなく、他の樹脂との接着性も十分でない。そのため、複合化により両者の利点を有効に発現させることが検討されている。
【0003】
特開平5−169602号公報には、ポリアミド樹脂をベースとする内層及び外層の間に、線状結晶性ポリエステルとポリアミドとを含む中間層を介在させることにより、内層と外層とを密着結合させた多層プラスチック管が開示されている。ドイツ特許第3827092号明細書には、ポリアミド樹脂層とポリエステル樹脂層との間に接着層を介在させた多層成形体が開示されている。しかし、これらの多層成形体では、中間層(接着層)を介在させる必要がある。
【0004】
特開平5−245993号公報には、ポリアミドを基礎とするポリアミド層と、部分結晶性の熱可塑性ポリエステル及びエポキシ化合物の混合物からなるポリエステル層とが摩擦接続的に互いに結合されている熱可塑性多層複合材料が開示されている。しかし、熱可塑性ポリエステルにエポキシ化合物を添加混合すると、ポリエステル樹脂の特性である耐候性、耐薬品性が低下するだけでなく、接着性も十分ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、接着層を介することなく、ポリアミド樹脂部とポリエステル樹脂部とが強固に密着した複合成形体及びその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、ポリアミド樹脂とポリエステル樹脂の特性を有効に発現できる複合成形体及びその製造方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、耐候性、耐薬品性に優れるだけでなく、高い接着性で接着した複合成形体及びその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するため鋭意検討の結果、脂肪族ポリアミド樹脂に反応性官能基を有する化合物(以下、単に反応性化合物という場合がある)を配合してポリエステル樹脂と多層成形することにより、接着性に優れた複合成形体(又は多層成形体)が得られることを見い出した。
すなわち、本発明の複合成形体(又は多層成形体)は、脂肪族ポリアミド樹脂と反応性官能基を有する化合物とを含む少なくとも1つの樹脂部と、この樹脂部に接合された少なくとも1つのポリエステル樹脂部とで構成されている複合成形体であって、前記脂肪族ポリアミド樹脂の溶融粘度がポリエステル樹脂の溶融粘度よりも小さい前記反応性官能基を有する化合物としては、例えば、ポリアミド樹脂よりも低い溶融粘度を有する化合物や、低分子化合物などを用いるのが有利である。前記樹脂部において、脂肪族ポリアミド樹脂と反応性官能基を有する化合物との割合は、前者/後者=70/30〜99.5/0.5(重量部)程度の範囲から選択してもよい。前記反応性官能基には、エポキシ基,イソシアネート基などが含まれる。前記ポリエステル樹脂はポリアルキレンテレタレート樹脂やポリアルキレンナフタレート樹脂であってもよい。
本発明の方法では、脂肪族ポリアミド樹脂と反応性官能基を有する化合物とで構成された少なくとも1つの樹脂部と、少なくとも1つのポリエステル樹脂部とを融着させることにより、複合成形体を製造する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の複合成形体は、主たる成分がポリアミド樹脂であるポリアミド樹脂部と、主たる成分がポリエステル樹脂であるポリエステル樹脂部とで構成され、前記ポリアミド樹脂部には反応性化合物が含有されている。そして、接着層を介することなく、ポリアミド樹脂部とポリエステル樹脂部とが直接接合して複合化している。以下、これらの成分について説明する。
【0008】
[ポリアミド樹脂]
ポリアミド樹脂とは、酸アミド結合−CONH−を有する高分子化合物の総称であり、例えば、脂肪族ポリアミド(ポリアミド6、ポリアミド9、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド4−6、ポリアミド4−10、ポリアミド6−6、ポリアミド6−10、ポリアミド6−11、ポリアミド6−12、ポリアミド11−12、これらのポリアミド原料を共重合させたコポリアミドなど)の他、芳香族ポリアミド(例えば、メタキシリレンジアミンとアジピン酸との反応により生成するポリアミドMXD−6,テレフタル酸とトリメチルヘキサメチレンジアミンとの反応により生成する非晶性芳香族ポリアミドなど)、変性ポリアミド樹脂(ダイマー酸を酸成分とするポリアミド,N−アルコキシメチル化ポリアミドなど)、ポリアミドエラストマー(変性ポリオレフィンをグラフ共重合させた耐衝撃性ポリアミド,ポリエーテルをソフトセグメントとするポリアミドなど)などが挙げられる。これらのポリアミド樹脂は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
好ましいポリアミド樹脂は、脂肪族ポリアミド樹脂、例えば、ポリアミド6、ポリアミド6−6、ポリアミド6−10、ポリアミド6−11、ポリアミド6−12、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド11−12などである。
【0009】
これらのポリアミド樹脂の数平均分子量は、例えば、5000以上(例えば、0.7×104 〜100×104 程度)、好ましくは1×104 以上(例えば、2×104 〜50×104 程度)である。ポリアミド樹脂の融点は、例えば、150〜300℃、好ましくは160〜270℃程度である。
ポリアミド樹脂のカルボキシル基濃度やアミノ基濃度は適当に選択でき、例えば、カルボキシル基含有量40〜120mg eq/kg程度であってもよく、アミノ基含有量3〜20mg eq/kg程度であってもよい。
【0010】
これらのポリアミド樹脂は、慣用の方法、例えば、ラクタムの開環重合、アミノカルボン酸の縮合重合、ジカルボン酸成分とジアミン成分との縮合重合、これらの方法を組み合わせた共重合方法などの方法で製造することができる。
【0011】
[反応性官能基を有する化合物]
本発明の特色は、ポリエステル樹脂ではなく前記ポリアミド樹脂に、反応性官能基を有する化合物を添加することにより、接着剤層を介在させることなく、ポリアミド樹脂部(ポリアミド樹脂層など)とポリエステル樹脂部(ポリエステル樹脂層など)とを強固に接着させる点にある。特に、高い密着性の複合体(積層体など)を得るためには、同じ溶融温度において、前記ポリアミド樹脂として、ポリエステル樹脂の溶融粘度よりも小さな溶融粘度を有するポリアミド樹脂を用いるのが有利である。すなわち、多層成形などの複合成形を行う場合、溶融粘度の小さなポリアミド樹脂に反応性化合物を添加すると、成形時にポリアミド樹脂部の表面に多くの反応性化合物が滲出(ブリード)するためか、高い密着力でポリアミド樹脂部(ポリアミド樹脂層など)とポリエステル樹脂部(ポリエステル樹脂層など)とを接合(又は積層)できる。例えば、ポリアミド樹脂としてナイロン12を用いた場合、ポリエステル樹脂の融点が一般に170〜280℃程度(ポリアルキレンテレフタレート樹脂では220〜260℃程度)であるのに対して、ナイロン12の融点はポリエステル樹脂よりも低い170℃程度であり、ナイロン12の方がポリエステル樹脂よりも溶融粘度が低い。なお、高い密着力を得るためには、反応性化合物として、ポリアミド樹脂の溶融粘度よりも低い溶融粘度の反応性化合物を用いるのが有利である。
【0012】
さらに、反応性化合物の反応性が高すぎると、ポリアミド樹脂との溶融混練工程などで反応し、ポリアミド樹脂部の表面での反応性化合物の反応性基の濃度が低下するようである。そのため、反応性化合物としては、適度(例えば、比較的温和)な反応性を有する化合物を用いるのが有利である。
【0013】
反応性化合物の官能基としては、カルボキシル基又はアミノ基に対して反応性を有する官能基、例えば、エポキシ基、イソシアネート基、酸無水物基などが挙げられる。好ましい反応性官能基はエポキシ基やイソシアネート基である。
このような官能基を有する化合物のうち、エポキシ化合物としては、例えば、グリシジルエーテル型エポキシ化合物、グリシジルエステル型エポキシ化合物、グリシジルアミン型化合物、環状脂肪族エポキシ化合物、複素環式エポキシ化合物などが含まれる。
グリシジルエーテル型エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂,ビスフェノールF型エポキシ樹脂,ビスフェノールAD型エポキシ樹脂など)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、アリルグリシシルエーテルなど)が例示でき、グリシジルエステル型エポキシ化合物としては、例えば、ジグリシジルフタレート、ジグリシジルテトラヒドロフタレート、ジグリシジルヘキサヒドロフタレート、ジメチルグリシジルフタレート、ダイマー酸グリシジルエステル、シクロアリファティックジグリシジルエステル,グリシジル(メタ)アクリレートなどが例示でき、グリシジルアミン型化合物としては、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルトルイジンなどが例示できる。環状脂肪族エポキシ化合物には、シクヘキセン環の二重結合がエポキシ化された化合物が含まれ、複素環式エポキシ化合物としては、トリグリシジルイソシアヌレート,ヒダントイン型エポキシ樹脂などが例示できる。これらのエポキシ化合物は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0014】
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネートなどが挙げられる。
芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、m−又はp−フェニレンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、1,3−又は1,4−キシリレンジイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4′,4″−トリイソシアネートなどが例示できる。
【0015】
脂環族ジイソシアネートとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンなどを挙げることができる。脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネートなどが例示できる。
【0016】
イソシアネート化合物は、遊離のイソシアネート基を有する誘導体、例えば、ダイマー、トリマー、ビュレット、アロファネート、及びイソシアネート化合物とポリオールとの付加体などであってもよい。
【0017】
反応性化合物は、低分子化合物であってもよく高分子化合物(例えば、反応性樹脂)であってもよい。一般には、作業性、混和性などの点から反応性樹脂を用いるのが有利である。
ポリアミド樹脂と反応性化合物との割合は、ポリエステル樹脂部との密着性が損なわれない範囲で選択でき、例えば、ポリアミド樹脂/反応性化合物=70/30〜99.5/0.5(重量部)、好ましくは70/30〜99/1(重量部)、さらに好ましくは75/25〜98/2(重量部)程度であり、75/25〜95/5(重量部)程度の割合で用いると確実に密着性を向上できる。なお、反応性化合物の使用量が多過ぎると、ポリアミド樹脂の特性が損なわれやすいだけでなく、使用量のわりには接着性がさほど向上せず、少な過ぎるとポリエステル樹脂部との接着性が低下する。
【0018】
[ポリエステル樹脂]
本発明において、ポリエステル樹脂とは、主鎖にエステル結合を有する高分子化合物の総称であり、例えば、ポリアルキレンテレフタレート樹脂(ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂などのポリC2-6 アルキレンテレフタレート樹脂など)、ポリアルキレンナフタレート樹脂(ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂などのポリC2-6 アルキレンナフタレート樹脂など)、ポリシクロアルキレンテレフタレート樹脂又はポリシクロアルキレンナフタレート樹脂(ジオール成分がシクロヘキサンジメタノールなどの脂環族ジオールで構成されたポリ−1,4−シクロヘキシルジメチレンテレフタレート樹脂など)、ポリエステルエラストマー、変性ポリエステル樹脂[これらのポリエステル樹脂のジオール成分及び/又はジカルボン酸成分の一部が他のジオール(例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなど)及び/又はジカルボン酸(例えば、フタル酸,イソフタル酸,アジピン酸など)で置換した変性ポリエステル樹脂]などが含まれる。これらのポリエステル樹脂は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0019】
ポリエステル樹脂の融点は、例えば、170〜300℃、好ましくは200〜280℃(例えば、220〜280℃)程度である。
好ましいポリエステル樹脂は、ポリアルキレンテレフタレート樹脂(ポリブチレンテレフタレート樹脂など),ポリアルキレンナフタレート樹脂(ポリエチレンナフタレート樹脂など)である。
【0020】
[その他の成分]
ポリアミド樹脂及び/又はポリエステル樹脂には、単体の特性を損なわない限り、他の熱可塑性樹脂を配合してもよい。また、ポリアミド樹脂及び/又はポリエステル樹脂には、必要に応じて種々の添加剤、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの安定剤、難燃剤、強化剤、可塑剤、帯電防止剤、充填剤、着色剤などを添加してもよい。さらに、ポリアミド樹脂部には、必要に応じてポリアミド樹脂と反応性化合物との触媒(例えば、アミン触媒,酸無水物触媒など)を添加してもよい。
【0021】
[複合成形体の製造方法]
本発明における複合成形体(多層積層体など)は、ポリアミド樹脂部(ポリアミド樹脂層など)とポリエステル樹脂部(ポリエステル樹脂層など)とを直接的に融着させて接合する慣用の成形方法(例えば、積層方法)により得ることができる。通常、ポリアミド樹脂および反応性化合物を含むポリアミド樹脂組成物と、ポリエステル樹脂とを溶融混練し、例えば、多色成形機や多層成形機(多層押出し成形機、多層射出成形機、多層中空成形機,多層ブロー成形機など)やその他の成形機を用いて成形することにより複合成形体を得ることができる。また、ポリアミド樹脂部(ポリアミド樹脂層)及びポリエステル樹脂部(ポリエステル樹脂層)のうち一方の樹脂部(樹脂層)に、溶融押し出し成形した他方の樹脂部(樹脂層)を直接ラミネート(熱ラミネート)してもよい。
【0022】
複合成形体の製造において、ポリアミド樹脂と反応性化合物は成形前に予め押出し機などにより混練し、必要に応じてペレット化しておいてもよく、成形時にドライブレンドして使用してもよい。
さらに、複合成形体の溶融温度は、ポリアミド樹脂の溶融粘度がポリエステル樹脂の溶融粘度よりも低くなる温度域であるのが有利であり、通常、170〜320℃程度、好ましくは180〜300℃程度の範囲から選択できる。
【0023】
本発明の複合成形体において、接着剤を介することなく、少なくとも1つのポリアミド樹脂部と少なくとも1つのポリエステル樹脂部とが互いに隣接して直接接合している限り、ポリアミド樹脂部とポリエステル樹脂部の数や構造(例えば、層構成)は特に制限されず、複数のポリアミド樹脂部と複数のポリエステル樹脂部とが接合していてもよい。各樹脂部の厚みは、複合成形体の用途に応じて選択でき、特に制限されない。
【0024】
本発明の複合成形体の形状は、シート状、板状、管状、ブロック状などであってもよい。複合成形体は、靭性,耐衝撃性,潤滑性,耐磨耗性や、耐候性,電気絶縁性,寸法安定性,耐薬品性などが要求される種々の材料、例えば、摺動部材,管体,配管部材,シートなどの広い用途に利用できる。
【0025】
【発明の効果】
本発明では、ポリアミド樹脂部に反応性化合物を添加しているため、接着層を介在させることなく、複合成形体のポリアミド樹脂部とポリエステル樹脂部とを強固に密着できる。そのため、ポリアミド樹脂とポリエステル樹脂の特性を有効に発現でき、耐候性、耐薬品性などに優れる成形体を得ることができる。
本発明の方法では、ポリアミド樹脂に反応性化合物を添加し、ポリエステル樹脂部と融着させるという簡単な操作で、ポリアミド樹脂部とポリエステル樹脂部との接着性を大きく改善できる。
【0026】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例
多層成形品の作製に際し、下記の樹脂を用いた。
ポリアミド樹脂:ナイロン12(ダイセルヒュルス(株)製,ダイアミドL1801)
エポキシ樹脂:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成(株)製,YD7020)
ポリエステル樹脂:ポリブチレンテレフタレート樹脂(ポリプラスチックス(株)製,ジュラネックス600FP)
ポリアミド樹脂95重量部とエポキシ樹脂5重量部とをドライブレンドしてポリアミド樹脂組成物を調製し、得られたポリアミド樹脂組成物とポリブチレンテレフタレート樹脂とを別々のスクリューから押出して射出成形し板状の多層成形品を作製した。この多層成形品は、ポリアミド樹脂層(厚み6mm,幅120mm,長さ200mm)内にポリエステル樹脂層(厚み3mm,幅約110mm,長さ約180mm)が埋設された構造を有している。この多層成形品からカッティングにより剪断引張試験用の試験片を調製し、剪断引張試験(引張速度5mm/min )により接着強度を調べた。試験片は、ポリアミド樹脂層の片(厚み3mm,幅25mm,長さ100mm)と、ポリエステル樹脂層の片(厚み3mm,幅25mm,長さ100mm)とが、端部(長手方向の長さ15mm)で重なって接合した形状およびサイズを有している。結果を表に示す。
【0027】
比較例
ポリアミド樹脂にエポキシ樹脂を添加することなく、実施例と同様にして試験片の接着強度を調べた。結果を表に示す。
【0028】
【表1】
Figure 0003753481
表より明らかなように、比較例に比べて実施例の複合成形体では、密着強度が約2.5倍も高い。

Claims (7)

  1. 脂肪族ポリアミド樹脂と反応性官能基を有する化合物とを含む少なくとも1つの樹脂部と、この樹脂部に接合された少なくとも1つのポリエステル樹脂部とで構成されている複合成形体であって、前記脂肪族ポリアミド樹脂の溶融粘度がポリエステル樹脂の溶融粘度よりも小さい複合成形体
  2. 反応性官能基を有する化合物が、脂肪族ポリアミド樹脂よりも低い溶融粘度を有する化合物、及び低分子化合物から選択された少なくとも一種である請求項1記載の複合成形体。
  3. 脂肪族ポリアミド樹脂と反応性官能基を有する化合物との割合が、前者/後者=70/30〜99.5/0.5(重量部)である請求項1記載の複合成形体。
  4. 脂肪族ポリアミド樹脂と反応性官能基を有する化合物との割合が、前者/後者=75/25〜98/2(重量部)である請求項1記載の複合成形体。
  5. 反応性官能基が、エポキシ基又はイソシアネート基である請求項1〜4のいずれかの項に記載の複合成形体。
  6. ポリエステル樹脂がポリアルキレンテレタレート樹脂又はポリアルキレンナフタレート樹脂である請求項1〜5のいずれかの項に記載の複合成形体。
  7. 脂肪族ポリアミド樹脂と反応性官能基を有する化合物とで構成された少なくとも1つの樹脂部と、少なくとも1つのポリエステル樹脂部とを融着させる複合成形体の製造方法。
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