JPH06314523A - 複層型シースケーブルの製造方法および製造装置 - Google Patents
複層型シースケーブルの製造方法および製造装置Info
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- JPH06314523A JPH06314523A JP5128392A JP12839293A JPH06314523A JP H06314523 A JPH06314523 A JP H06314523A JP 5128392 A JP5128392 A JP 5128392A JP 12839293 A JP12839293 A JP 12839293A JP H06314523 A JPH06314523 A JP H06314523A
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- Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
- Manufacturing Of Electric Cables (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 電力ケーブルあるいは通信ケーブルにおい
て、PVC等で形成した内層シースの表面に材質の異な
るシース材料を用いた外層シースを設けた複層型シース
ケーブルとして製造する際に、2つの被覆層の間の密着
性を良好に設定できるようにする。 【構成】 例えば、ケーブルコア1に対してPVCによ
る内層シース2とナイロンなどによる外層シース3を形
成するために、積層押出装置10において、2つの押出
しヘッド12、15を所定の間隔Lを介して配置し、2
つの押出しヘッドの間に冷却装置20を配置する。そし
て、PVCシースの表面を急激に冷却して、その後で、
ナイロンシースを重ねて押出被覆する。また、前記押出
しヘッド15では、ケーブルコアに被覆した内層の表面
が、押出しノズルの内面に接触しないように、押出しヘ
ッドの中心部の孔を大きく形成し、シースの防食性能に
支障が生じたりすることがないようにする。
て、PVC等で形成した内層シースの表面に材質の異な
るシース材料を用いた外層シースを設けた複層型シース
ケーブルとして製造する際に、2つの被覆層の間の密着
性を良好に設定できるようにする。 【構成】 例えば、ケーブルコア1に対してPVCによ
る内層シース2とナイロンなどによる外層シース3を形
成するために、積層押出装置10において、2つの押出
しヘッド12、15を所定の間隔Lを介して配置し、2
つの押出しヘッドの間に冷却装置20を配置する。そし
て、PVCシースの表面を急激に冷却して、その後で、
ナイロンシースを重ねて押出被覆する。また、前記押出
しヘッド15では、ケーブルコアに被覆した内層の表面
が、押出しノズルの内面に接触しないように、押出しヘ
ッドの中心部の孔を大きく形成し、シースの防食性能に
支障が生じたりすることがないようにする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電力ケーブル或いは通
信ケーブルの外周に、性質の異なるプラスチック材料に
よる複層プラスチックシースを施したケーブルの製造方
法および装置に関し、特に、ケーブルコア上にシース形
成材料を積層被覆する押出しヘッドを、所定の間隔を介
して配置し、2層の被覆を連続して行い得るように構成
したケーブルの製造方法および製造装置に関する。
信ケーブルの外周に、性質の異なるプラスチック材料に
よる複層プラスチックシースを施したケーブルの製造方
法および装置に関し、特に、ケーブルコア上にシース形
成材料を積層被覆する押出しヘッドを、所定の間隔を介
して配置し、2層の被覆を連続して行い得るように構成
したケーブルの製造方法および製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ケーブルのシース(防食層)を、2層の
性質の異なる材料を用いて構成することは、特殊な目的
に対応させて従来より用いられている。そのような2層
型シースを有するケーブルでは、内層シースを一般のケ
ーブルに用いられているようなポリエチレンや塩化ビニ
ル等を用いて所定の厚さに被覆し、その内層シースの外
側に、別の材料を用いた外層シースを被覆して、それ等
の2層の被覆により、ケーブルの耐久性等を向上させる
ことができるようにしている。例えば、気候の温暖な地
域では、高圧送配電用ケーブルを地中に埋設した際に、
蟻の被害が発生することを防止するために、従来より、
ケーブルの内層シースの表面に、ナイロンによる被覆を
形成し、蟻がシースを食い破ることを防止する手段が用
いられている。前記防蟻ケーブル用シースを形成する方
法として、従来より、2つの層の被覆を同時押出しによ
り形成する方法と、2つの層を別に押出して形成する方
法との、2種類の方法が用いられている。前記同時押出
し方法を用いる場合には、1つの押出しヘッドに対し
て、2つのノズルを配置し、2つの押出機から供給され
る材料を、ケーブルコアの表面に対して2層に押出し
て、被覆層を形成できるようにしている。
性質の異なる材料を用いて構成することは、特殊な目的
に対応させて従来より用いられている。そのような2層
型シースを有するケーブルでは、内層シースを一般のケ
ーブルに用いられているようなポリエチレンや塩化ビニ
ル等を用いて所定の厚さに被覆し、その内層シースの外
側に、別の材料を用いた外層シースを被覆して、それ等
の2層の被覆により、ケーブルの耐久性等を向上させる
ことができるようにしている。例えば、気候の温暖な地
域では、高圧送配電用ケーブルを地中に埋設した際に、
蟻の被害が発生することを防止するために、従来より、
ケーブルの内層シースの表面に、ナイロンによる被覆を
形成し、蟻がシースを食い破ることを防止する手段が用
いられている。前記防蟻ケーブル用シースを形成する方
法として、従来より、2つの層の被覆を同時押出しによ
り形成する方法と、2つの層を別に押出して形成する方
法との、2種類の方法が用いられている。前記同時押出
し方法を用いる場合には、1つの押出しヘッドに対し
て、2つのノズルを配置し、2つの押出機から供給され
る材料を、ケーブルコアの表面に対して2層に押出し
て、被覆層を形成できるようにしている。
【0003】また、別押出し方法を用いる場合には、最
初にケーブルコアの表面に、PE(ポリエチレン)やP
VC(ポリ塩化ビニル)等のシース形成材料を押出し
て、内層シースを所定の厚さで形成しておき、前記内層
シースの表面に、性質の異なるシース形成材料例えばナ
イロンによる被覆を後で押出しにより形成するようにし
ている。また、前記内層シースの表面に被覆する外層
は、任意の厚さで形成できるようにする。そして、例え
ば、防蟻ケーブルのように内層にPVCを用い、外層に
ナイロンを被覆した複層シースを用いることにより、地
中にケーブルを埋設した場合でも、ケーブルシースを蟻
が食い破ることを防止し、ケーブルの安全を維持できる
ようにされる。
初にケーブルコアの表面に、PE(ポリエチレン)やP
VC(ポリ塩化ビニル)等のシース形成材料を押出し
て、内層シースを所定の厚さで形成しておき、前記内層
シースの表面に、性質の異なるシース形成材料例えばナ
イロンによる被覆を後で押出しにより形成するようにし
ている。また、前記内層シースの表面に被覆する外層
は、任意の厚さで形成できるようにする。そして、例え
ば、防蟻ケーブルのように内層にPVCを用い、外層に
ナイロンを被覆した複層シースを用いることにより、地
中にケーブルを埋設した場合でも、ケーブルシースを蟻
が食い破ることを防止し、ケーブルの安全を維持できる
ようにされる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述したよ
うに、ケーブルの表面に2層の被覆を形成する際に、前
記従来の被覆形成方法のうち、同時押出し方法を用いる
と、2つの被覆材料の融点が異なることによる問題が発
生することがある。つまり、防蟻ケーブルの場合で説明
すると、外層として用いるナイロン樹脂の押出温度は2
20℃であり、内層として用いるPVCの押出温度が1
80℃であるために、両材料の押出樹脂温度が大きく相
違する。そして、ケーブルコア上に最初に被覆したPV
Cシースに対してナイロンによる被覆を連続して行った
場合に、高温で押出されるナイロンによりPVCシース
の表面が変質(溶融)し、これら2層の層間が融着一体
化(固着)してしまい、ケーブルを接続する際の端末口
出し時に、段剥ぎ処理ができなくなるという問題が発生
する。その他に、溶融PVCから発生したガスが、2つ
の層の間に残り、層間剥離が生じる等の不都合が発生す
る。また、1つの押出しヘッドに2つのノズル部材を配
置した場合には、各々の樹脂材料が逆流しやすくなり、
異物が絶縁体の中に混入する等の問題が発生する。
うに、ケーブルの表面に2層の被覆を形成する際に、前
記従来の被覆形成方法のうち、同時押出し方法を用いる
と、2つの被覆材料の融点が異なることによる問題が発
生することがある。つまり、防蟻ケーブルの場合で説明
すると、外層として用いるナイロン樹脂の押出温度は2
20℃であり、内層として用いるPVCの押出温度が1
80℃であるために、両材料の押出樹脂温度が大きく相
違する。そして、ケーブルコア上に最初に被覆したPV
Cシースに対してナイロンによる被覆を連続して行った
場合に、高温で押出されるナイロンによりPVCシース
の表面が変質(溶融)し、これら2層の層間が融着一体
化(固着)してしまい、ケーブルを接続する際の端末口
出し時に、段剥ぎ処理ができなくなるという問題が発生
する。その他に、溶融PVCから発生したガスが、2つ
の層の間に残り、層間剥離が生じる等の不都合が発生す
る。また、1つの押出しヘッドに2つのノズル部材を配
置した場合には、各々の樹脂材料が逆流しやすくなり、
異物が絶縁体の中に混入する等の問題が発生する。
【0005】また、別押出し方法を用いる場合には、ケ
ーブルコア上にまず内層となるPVCシースを被覆して
おき、その後で、時間差をおいて別の装置を用いてナイ
ロンによる被覆を形成する手法が用いられる。ところ
が、2つの被覆層の形成の作業を、各々別の装置を用い
て行うことは、中間製品の管理が面倒であることや、作
業工程が複雑になること等により、ケーブルの製造コス
トが上昇する原因ともなる。また、PVCシースが冷却
された状態で、その表面にナイロンによる被覆を押出し
により形成する場合には、両部材の密着性を良好に維持
することができないという問題がある。そして、別押出
し方法により構成した防蟻ケーブルを、ケーブルドラム
に巻いて施工現場に搬入し、そのケーブルを布設する際
に、外層を構成するナイロンにしわが生じたりして、非
常に見映えの良くない状態が発生することがある。
ーブルコア上にまず内層となるPVCシースを被覆して
おき、その後で、時間差をおいて別の装置を用いてナイ
ロンによる被覆を形成する手法が用いられる。ところ
が、2つの被覆層の形成の作業を、各々別の装置を用い
て行うことは、中間製品の管理が面倒であることや、作
業工程が複雑になること等により、ケーブルの製造コス
トが上昇する原因ともなる。また、PVCシースが冷却
された状態で、その表面にナイロンによる被覆を押出し
により形成する場合には、両部材の密着性を良好に維持
することができないという問題がある。そして、別押出
し方法により構成した防蟻ケーブルを、ケーブルドラム
に巻いて施工現場に搬入し、そのケーブルを布設する際
に、外層を構成するナイロンにしわが生じたりして、非
常に見映えの良くない状態が発生することがある。
【0006】
【発明の目的】本発明は、前述したような従来の材質の
異なる2種類のプラスチックシースを設けた複層型シー
スケーブルの問題を解消するもので、融点(押出樹脂温
度)の異なる2種類のシース形成材料を重ねて被覆する
際に、両被覆材料の融着一体化(固着)を防止できると
ともに密着性を良好に維持し、作業性の良好な押出し形
成装置を提供することを目的としている。
異なる2種類のプラスチックシースを設けた複層型シー
スケーブルの問題を解消するもので、融点(押出樹脂温
度)の異なる2種類のシース形成材料を重ねて被覆する
際に、両被覆材料の融着一体化(固着)を防止できると
ともに密着性を良好に維持し、作業性の良好な押出し形
成装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用】本発明は、ケ
ーブルコア上に、少なくとも2種類の性質の異なるプラ
スチック材料による複層プラスチックシースを形成して
なる複層型シースケーブルの製造方法に関する。本発明
においては、前記複層プラスチックシース形成材料を、
ケーブルコア上に押出して積層被覆するための押出しヘ
ッドを、所定の間隔を介して配置し、前記2つの押出し
ヘッドの間に温度調整手段を配置し、内側の被覆層に対
する冷却を行う方法を用いることができる。また、本発
明で、前記ケーブルコア上に被覆する内層のシース材料
を、PEまたはPVC等を用い、外層をナイロンのよう
な硬い材料を用い、内外の層の厚さをケーブルの使用場
所等に対応させて設定することもできる。
ーブルコア上に、少なくとも2種類の性質の異なるプラ
スチック材料による複層プラスチックシースを形成して
なる複層型シースケーブルの製造方法に関する。本発明
においては、前記複層プラスチックシース形成材料を、
ケーブルコア上に押出して積層被覆するための押出しヘ
ッドを、所定の間隔を介して配置し、前記2つの押出し
ヘッドの間に温度調整手段を配置し、内側の被覆層に対
する冷却を行う方法を用いることができる。また、本発
明で、前記ケーブルコア上に被覆する内層のシース材料
を、PEまたはPVC等を用い、外層をナイロンのよう
な硬い材料を用い、内外の層の厚さをケーブルの使用場
所等に対応させて設定することもできる。
【0008】さらに、本発明においては、前記2つの押
出しヘッドの間に冷却手段を配置して、ケーブルコアを
被覆する内側の被覆層に対する冷却を行う際に、内側の
被覆層の表面に対して急激な冷却作用を付与することに
より、外側の被覆層を構成する材料に対する熱の影響が
生じない温度に設定するとともに、内側の被覆層からの
ガスの発生を抑止する状態で、外側の被覆層を形成する
方法を用いることが可能である。前述した方法に加え
て、本発明においては、前記複層プラスチックシース形
成材料をケーブルコアの表面に押出して被覆するための
押出しヘッドを、所定の間隔を介して配置し、前記2つ
の押出しヘッドの間に内側の被覆層に対する冷却を行う
温度調整手段を配置するとともに、前記外側の被覆層を
被覆する押出しヘッドは、リング状のノズルの内側部材
の中心に配置し、内層シースを被覆したケーブルコアを
外傷防止可能に案内するために、前記ノズルの内側部材
に設ける開口を、内層シースの被覆外径よりも大径に形
成した装置を用いることができる。
出しヘッドの間に冷却手段を配置して、ケーブルコアを
被覆する内側の被覆層に対する冷却を行う際に、内側の
被覆層の表面に対して急激な冷却作用を付与することに
より、外側の被覆層を構成する材料に対する熱の影響が
生じない温度に設定するとともに、内側の被覆層からの
ガスの発生を抑止する状態で、外側の被覆層を形成する
方法を用いることが可能である。前述した方法に加え
て、本発明においては、前記複層プラスチックシース形
成材料をケーブルコアの表面に押出して被覆するための
押出しヘッドを、所定の間隔を介して配置し、前記2つ
の押出しヘッドの間に内側の被覆層に対する冷却を行う
温度調整手段を配置するとともに、前記外側の被覆層を
被覆する押出しヘッドは、リング状のノズルの内側部材
の中心に配置し、内層シースを被覆したケーブルコアを
外傷防止可能に案内するために、前記ノズルの内側部材
に設ける開口を、内層シースの被覆外径よりも大径に形
成した装置を用いることができる。
【0009】前述したように、2つの押出しヘッドの間
に冷却装置を配置して、内層シースの表面を冷却した状
態で、この表面上に材質の異なるシース材料を用いた外
層シースを被覆する装置を用いることにより、押出樹脂
温度の低い内層の表面が、押出樹脂温度の高い外層によ
り溶融して融着一体化(固着)を生じることがなく、こ
れら2層の層間を適度の密着状態(両層が固着一体化せ
ず、しかも、簡単に層間剥離しない密着状態)に維持す
ることができる。また、本発明の装置では、従来の同時
押出し方法に比較して、2つの押出しヘッドを若干の間
隔を介して配置し、2つの層を順次形成する手段を用い
るために、2層被覆ケーブルの製造コストに大きな差は
なく、別押出し方式に比較して大幅に製造コストを引き
下げることができる。そして、2つの被覆層の間に隙間
が形成されたりすることがないために、ケーブルを布設
する際に、ナイロンの層にしわが生じることがなく、特
殊目的のケーブルとしての機能を良好に発揮することが
できる。
に冷却装置を配置して、内層シースの表面を冷却した状
態で、この表面上に材質の異なるシース材料を用いた外
層シースを被覆する装置を用いることにより、押出樹脂
温度の低い内層の表面が、押出樹脂温度の高い外層によ
り溶融して融着一体化(固着)を生じることがなく、こ
れら2層の層間を適度の密着状態(両層が固着一体化せ
ず、しかも、簡単に層間剥離しない密着状態)に維持す
ることができる。また、本発明の装置では、従来の同時
押出し方法に比較して、2つの押出しヘッドを若干の間
隔を介して配置し、2つの層を順次形成する手段を用い
るために、2層被覆ケーブルの製造コストに大きな差は
なく、別押出し方式に比較して大幅に製造コストを引き
下げることができる。そして、2つの被覆層の間に隙間
が形成されたりすることがないために、ケーブルを布設
する際に、ナイロンの層にしわが生じることがなく、特
殊目的のケーブルとしての機能を良好に発揮することが
できる。
【0010】
【実施例】図示される例にしたがって、本発明の複層型
シースケーブルの製造装置を説明する。図1に示される
例では、2つの押出しヘッド12、15を所定の間隔L
を介して配置し、ケーブルコア1の表面にプラスチック
の内層シースの被覆2と、材質の異なるプラスチックに
よる外層シース3とを連続して行う押出機11、14を
配置した積層押出装置10を設けている。前記積層押出
装置10における押出機11、14は、従来の被覆層形
成装置に用いられるものと同様な装置を使用することが
できる。また、前記2つの押出機11、14に対して、
それぞれ接続される押出しヘッド12、15は、従来の
ケーブルのプラスチック被覆を押出すために使用される
ノズル装置と同様な構成の装置を使用する。
シースケーブルの製造装置を説明する。図1に示される
例では、2つの押出しヘッド12、15を所定の間隔L
を介して配置し、ケーブルコア1の表面にプラスチック
の内層シースの被覆2と、材質の異なるプラスチックに
よる外層シース3とを連続して行う押出機11、14を
配置した積層押出装置10を設けている。前記積層押出
装置10における押出機11、14は、従来の被覆層形
成装置に用いられるものと同様な装置を使用することが
できる。また、前記2つの押出機11、14に対して、
それぞれ接続される押出しヘッド12、15は、従来の
ケーブルのプラスチック被覆を押出すために使用される
ノズル装置と同様な構成の装置を使用する。
【0011】本発明においては、前記ケーブルコア1の
移動経路に対して、上流側に配置する押出しヘッド12
と、下流側に配置する押出しヘッド15との間隔Lを設
定し、両押出機11、14の間に冷却装置20を配置し
ている。また、前記2つの押出しヘッドの間隔Lは、1
0〜500mm程度に設定し、2層の被覆を連続した状態
で形成することができるようにされる。そして、ケーブ
ルコア1の表面に対して、所定の厚さで内層シース2の
被覆層を形成した直後に、冷却装置20から冷風を吹き
付けて、内層シース2の表面を急激に冷却させるように
する。その後で、押出しヘッド15から押出されるナイ
ロンの外装シース3を被覆することにより、2つの被覆
層の間に、適度の密着状態が形成できるようにし、隙間
が生じたりすることがないようにする。
移動経路に対して、上流側に配置する押出しヘッド12
と、下流側に配置する押出しヘッド15との間隔Lを設
定し、両押出機11、14の間に冷却装置20を配置し
ている。また、前記2つの押出しヘッドの間隔Lは、1
0〜500mm程度に設定し、2層の被覆を連続した状態
で形成することができるようにされる。そして、ケーブ
ルコア1の表面に対して、所定の厚さで内層シース2の
被覆層を形成した直後に、冷却装置20から冷風を吹き
付けて、内層シース2の表面を急激に冷却させるように
する。その後で、押出しヘッド15から押出されるナイ
ロンの外装シース3を被覆することにより、2つの被覆
層の間に、適度の密着状態が形成できるようにし、隙間
が生じたりすることがないようにする。
【0012】例えば、前記ケーブルが防蟻ケーブルの場
合には、ケーブルコアの表面に被覆する内層シース形成
材料としてPVC(ポリ塩化ビニル)を用いる。そし
て、前記PVCの溶融温度が180℃である場合に、冷
却装置20から冷たい風を吹き付けることにより、ケー
ブルコアの表面に被覆されたPVCによる内層シース2
に対し、その表面を急激に冷却させることができる。そ
の後で、内層シース2の表面に重ねる状態で押出される
ナイロンの外層シース3は、PVCの押出樹脂温度に比
較して、非常に高温な状態(220℃)で押出されて
も、内層シース2の表面が冷却された状態にあるので、
両層の間で融着等が発生することがなくなる。そして、
PVCによる内層シース2とナイロンによる外層シース
3の間で、密着性を良好な状態に設定でき、ドラムから
巻き戻した状態でも、ナイロンシース3がPVCシース
2に対して滑りを生じたりすることがなく、ナイロンシ
ース3にしわが形成されたりすることがないものとな
る。
合には、ケーブルコアの表面に被覆する内層シース形成
材料としてPVC(ポリ塩化ビニル)を用いる。そし
て、前記PVCの溶融温度が180℃である場合に、冷
却装置20から冷たい風を吹き付けることにより、ケー
ブルコアの表面に被覆されたPVCによる内層シース2
に対し、その表面を急激に冷却させることができる。そ
の後で、内層シース2の表面に重ねる状態で押出される
ナイロンの外層シース3は、PVCの押出樹脂温度に比
較して、非常に高温な状態(220℃)で押出されて
も、内層シース2の表面が冷却された状態にあるので、
両層の間で融着等が発生することがなくなる。そして、
PVCによる内層シース2とナイロンによる外層シース
3の間で、密着性を良好な状態に設定でき、ドラムから
巻き戻した状態でも、ナイロンシース3がPVCシース
2に対して滑りを生じたりすることがなく、ナイロンシ
ース3にしわが形成されたりすることがないものとな
る。
【0013】前記図1に示される積層押出装置10にお
いて、ナイロンのシース層3を形成するために用いられ
る押出しヘッドは、図2に示されるように構成したもの
を用いている。前記図2に示される押出しヘッド15に
おいては、一般の押出成形ノズルの場合と同様に、本体
の内側に内側部材16を配置し、本体と内側部材16の
間に、リング状のノズル開口17を設けて、ナイロンの
シース層3を押出して被覆することができる。前記内側
部材16の中心部に形成する孔は、PVCシース2を被
覆したケーブルを案内するために用いるが、前記孔の内
径D2は、PVCシース2を被覆したケーブルコアの外
径D1に対して、D1<D2の関係に設定している。前
記D1とD2の直径の差は、5〜50mmに設定すること
ができるもので、例えば、押出しヘッド15の中心部を
通過するケーブルが、若干振動した場合でも、PVCシ
ース2の表面が内側部材の孔の内面に接して、その表面
に傷が付いたりすることがないようにされる。
いて、ナイロンのシース層3を形成するために用いられ
る押出しヘッドは、図2に示されるように構成したもの
を用いている。前記図2に示される押出しヘッド15に
おいては、一般の押出成形ノズルの場合と同様に、本体
の内側に内側部材16を配置し、本体と内側部材16の
間に、リング状のノズル開口17を設けて、ナイロンの
シース層3を押出して被覆することができる。前記内側
部材16の中心部に形成する孔は、PVCシース2を被
覆したケーブルを案内するために用いるが、前記孔の内
径D2は、PVCシース2を被覆したケーブルコアの外
径D1に対して、D1<D2の関係に設定している。前
記D1とD2の直径の差は、5〜50mmに設定すること
ができるもので、例えば、押出しヘッド15の中心部を
通過するケーブルが、若干振動した場合でも、PVCシ
ース2の表面が内側部材の孔の内面に接して、その表面
に傷が付いたりすることがないようにされる。
【0014】また、前記図1に示されるように、2つの
押出しヘッドの間に配置する冷却装置20は、内層シー
ス2の表面を冷却する作用を発揮するものであるから、
例えば、複数のノズルをケーブルコアの周囲に配置し
て、空気を吹き付ける機構を構成することができる。そ
の他に、本発明の積層押出装置に用いる冷却装置では、
図3に示されるように構成された部材を使用することが
できる。前記図3に示される例においては、押出しヘッ
ド15による被覆層形成部分を通って、内層シース2を
被覆したケーブルに対して、円弧状に曲げた溝型部材2
1を配置して、前記溝型部材21の内側に開口部を位置
させている。前記溝型部材21に対しては、別体に配置
するクーラー24との間にエアーパイプ23を接続し、
クーラーから供給される冷風を、溝型部材の開口から吹
き付けるようにする。前記溝型部材21は、ケーブルコ
アの下部から供給される冷気を、開口部22からケーブ
ルコアの周囲に吹きつける状態に案内し、その冷気を上
部から逃がすようにして、内層シース2の表面のみを冷
却する作用を発揮できるようにする。
押出しヘッドの間に配置する冷却装置20は、内層シー
ス2の表面を冷却する作用を発揮するものであるから、
例えば、複数のノズルをケーブルコアの周囲に配置し
て、空気を吹き付ける機構を構成することができる。そ
の他に、本発明の積層押出装置に用いる冷却装置では、
図3に示されるように構成された部材を使用することが
できる。前記図3に示される例においては、押出しヘッ
ド15による被覆層形成部分を通って、内層シース2を
被覆したケーブルに対して、円弧状に曲げた溝型部材2
1を配置して、前記溝型部材21の内側に開口部を位置
させている。前記溝型部材21に対しては、別体に配置
するクーラー24との間にエアーパイプ23を接続し、
クーラーから供給される冷風を、溝型部材の開口から吹
き付けるようにする。前記溝型部材21は、ケーブルコ
アの下部から供給される冷気を、開口部22からケーブ
ルコアの周囲に吹きつける状態に案内し、その冷気を上
部から逃がすようにして、内層シース2の表面のみを冷
却する作用を発揮できるようにする。
【0015】本発明においては、前記図3に示されるよ
うに、内層シース2を被覆したケーブルに対して、比較
的狭い範囲で、冷風を吹き付けることにより、押出しヘ
ッドから押出されてケーブルコアの表面に被覆されるP
VCの内層シース2を急激に冷却することができる。し
たがって、前記冷却装置20により、PVCシース2の
表面の温度を急激に低下させることができるので、外層
シース3となるナイロンを次の押出しヘッドから押出し
て被覆する際には、PVCシース2の表面の冷却された
部分に重ねた部分では、ナイロンが若干冷却される状態
となる。また、表面が冷却された状態のPVCシース2
の表面に対して、高温のナイロンシース3を被覆するこ
とにより、前記ナイロンの熱によりPVCシース2の表
面が再び高温に加熱されるが、その加熱作用によって、
PVCシース2の表面とナイロンシース3の内面との密
着性を良好な状態で設定することができ、防蟻ケーブル
をドラムに巻いた後で、ケーブルの布設現場でドラムか
ら引き出した際に、ナイロンの層にしわ等が発生するこ
とがなくなる。
うに、内層シース2を被覆したケーブルに対して、比較
的狭い範囲で、冷風を吹き付けることにより、押出しヘ
ッドから押出されてケーブルコアの表面に被覆されるP
VCの内層シース2を急激に冷却することができる。し
たがって、前記冷却装置20により、PVCシース2の
表面の温度を急激に低下させることができるので、外層
シース3となるナイロンを次の押出しヘッドから押出し
て被覆する際には、PVCシース2の表面の冷却された
部分に重ねた部分では、ナイロンが若干冷却される状態
となる。また、表面が冷却された状態のPVCシース2
の表面に対して、高温のナイロンシース3を被覆するこ
とにより、前記ナイロンの熱によりPVCシース2の表
面が再び高温に加熱されるが、その加熱作用によって、
PVCシース2の表面とナイロンシース3の内面との密
着性を良好な状態で設定することができ、防蟻ケーブル
をドラムに巻いた後で、ケーブルの布設現場でドラムか
ら引き出した際に、ナイロンの層にしわ等が発生するこ
とがなくなる。
【0016】前述したように、本発明のケーブル製造方
法を用いることにより、PVCの内層シースをケーブル
コアに被覆した直後に、その表面を急激に冷却する手段
を用いて、高温のPVC等からガスが発生することを抑
制することができる。したがって、PVCによる内層シ
ースの表面に外層シースとなるナイロンを被覆した状態
で、2つの層の間にガスの気泡等が残ることがなく、ナ
イロンシースをPVCシースの表面に密着させる状態で
重ねることができる。なお、本発明においては、前記図
1に示されるように、2つの押出しヘッドの間に冷却装
置を配置して、PVCによる内層シースを形成した直後
に、内層シースの表面に対する冷却の作用を行うため
に、2つの押出しヘッドの間の間隔Lを、10〜500
mmの範囲で設定することができる。前記2つの押出しヘ
ッド12、15の配置間隔Lは、冷却装置を配置するた
めのスペースとして用いることの他に、PVCシースの
表面を所定の温度にまで冷却するための空間として使用
する。しかし、前記間隔Lを設定する際には、ケーブル
コアのサイズや、押出しヘッドの前後の位置で、ケーブ
ルを支持するローラ部材等の支持性能にしたがって、押
出しヘッドの配置間隔を変化させることができる。
法を用いることにより、PVCの内層シースをケーブル
コアに被覆した直後に、その表面を急激に冷却する手段
を用いて、高温のPVC等からガスが発生することを抑
制することができる。したがって、PVCによる内層シ
ースの表面に外層シースとなるナイロンを被覆した状態
で、2つの層の間にガスの気泡等が残ることがなく、ナ
イロンシースをPVCシースの表面に密着させる状態で
重ねることができる。なお、本発明においては、前記図
1に示されるように、2つの押出しヘッドの間に冷却装
置を配置して、PVCによる内層シースを形成した直後
に、内層シースの表面に対する冷却の作用を行うため
に、2つの押出しヘッドの間の間隔Lを、10〜500
mmの範囲で設定することができる。前記2つの押出しヘ
ッド12、15の配置間隔Lは、冷却装置を配置するた
めのスペースとして用いることの他に、PVCシースの
表面を所定の温度にまで冷却するための空間として使用
する。しかし、前記間隔Lを設定する際には、ケーブル
コアのサイズや、押出しヘッドの前後の位置で、ケーブ
ルを支持するローラ部材等の支持性能にしたがって、押
出しヘッドの配置間隔を変化させることができる。
【0017】前述したように、2つの押出しヘッドを配
置するケーブル製造装置は、図4に示されるような装置
に組み合わせて構成することができる。前記図4に示さ
れる装置では、ケーブルコア1に対して、押出装置10
の2つの押出しヘッド12、15を用いて、複層のシー
スの押出しを行う。また、前記2つの押出しヘッド1
2、15の間には、冷却装置20を配置して、2層のシ
ースの積層を良好に行い得るようにする。前記積層押出
装置10の下流部には、被覆したシースの表面を徐冷す
るために、水槽30を配置しており、積層シースを設け
たケーブルを冷却している。
置するケーブル製造装置は、図4に示されるような装置
に組み合わせて構成することができる。前記図4に示さ
れる装置では、ケーブルコア1に対して、押出装置10
の2つの押出しヘッド12、15を用いて、複層のシー
スの押出しを行う。また、前記2つの押出しヘッド1
2、15の間には、冷却装置20を配置して、2層のシ
ースの積層を良好に行い得るようにする。前記積層押出
装置10の下流部には、被覆したシースの表面を徐冷す
るために、水槽30を配置しており、積層シースを設け
たケーブルを冷却している。
【0018】前記水槽30の下流部には加熱装置32を
配置して、冷却されたケーブル最外層のナイロンシース
に適度の柔軟性を付与している。この加熱装置32によ
るナイロンシースの加熱は、下流側に配置する無端ベル
ト・チェーン式引取機35で引取る際に、当該シースに
外傷が発生しない程度の温度まで加熱することが望まし
い。また、前記引取機35の下流部には、加熱装置37
を配置して、シースの外層をさらに加熱して軟化させ、
巻取機38に巻き取らせるようにする。したがって、例
えば、2層のシースの外層がナイロンであっても、巻取
機38の巻取ドラムにケーブルを巻き取る際に、ナイロ
ン層にしわが生じたりすることが防止され、複層のシー
スの間に隙間等が形成されることを防止することができ
る。そして、巻取ドラムに巻いた状態で、布設現場に搬
送してケーブルを繰り出す際にも、ケーブル表面にしわ
等が生じたりすることを防止できる。なお、前記図4に
示される装置において、引取機35の下流部に配置する
加熱装置37は、ケーブルの種類によっては必要としな
いことが多くある。特に、寒冷地での寒い時期にケーブ
ルを製造する場合の他は、巻き取りの直前部で加熱しな
くても、問題が生じることは少なく、一般のナイロンの
外層シースを設けた防蟻ケーブルの場合でも、水槽の直
後の位置に配置する加熱装置32のみで対応させること
ができる。
配置して、冷却されたケーブル最外層のナイロンシース
に適度の柔軟性を付与している。この加熱装置32によ
るナイロンシースの加熱は、下流側に配置する無端ベル
ト・チェーン式引取機35で引取る際に、当該シースに
外傷が発生しない程度の温度まで加熱することが望まし
い。また、前記引取機35の下流部には、加熱装置37
を配置して、シースの外層をさらに加熱して軟化させ、
巻取機38に巻き取らせるようにする。したがって、例
えば、2層のシースの外層がナイロンであっても、巻取
機38の巻取ドラムにケーブルを巻き取る際に、ナイロ
ン層にしわが生じたりすることが防止され、複層のシー
スの間に隙間等が形成されることを防止することができ
る。そして、巻取ドラムに巻いた状態で、布設現場に搬
送してケーブルを繰り出す際にも、ケーブル表面にしわ
等が生じたりすることを防止できる。なお、前記図4に
示される装置において、引取機35の下流部に配置する
加熱装置37は、ケーブルの種類によっては必要としな
いことが多くある。特に、寒冷地での寒い時期にケーブ
ルを製造する場合の他は、巻き取りの直前部で加熱しな
くても、問題が生じることは少なく、一般のナイロンの
外層シースを設けた防蟻ケーブルの場合でも、水槽の直
後の位置に配置する加熱装置32のみで対応させること
ができる。
【0019】さらに、本発明においては、前記ケーブル
に対して2層のシースを形成する際に、積層押出装置の
上流部に配置する送出機と、水槽の下流部に配置する引
取機との間で、ケーブルに張力を付与する状態で、シー
スの被覆を行うようにしている。したがって、前記押出
装置10の部分を通るケーブルには、所定の張力が付与
されている状態となっているので、押出しヘッドの部分
を通過する際には、ケーブルが大きく振動したりするこ
とがないようにされる。しかし、前記押出しヘッドの部
分を通るケーブルは、ケーブル自体が真っ直ぐなもので
はなく、若干湾曲しているために、外層の押出しを行う
ヘッドの部分では、ケーブルを案内する開口を大径に形
成して、ケーブルが若干振動しても、内層を被覆したケ
ーブルのシースが、外層の押出しを行うヘッドの開口の
内面に摺動したりすることがないようにされる。
に対して2層のシースを形成する際に、積層押出装置の
上流部に配置する送出機と、水槽の下流部に配置する引
取機との間で、ケーブルに張力を付与する状態で、シー
スの被覆を行うようにしている。したがって、前記押出
装置10の部分を通るケーブルには、所定の張力が付与
されている状態となっているので、押出しヘッドの部分
を通過する際には、ケーブルが大きく振動したりするこ
とがないようにされる。しかし、前記押出しヘッドの部
分を通るケーブルは、ケーブル自体が真っ直ぐなもので
はなく、若干湾曲しているために、外層の押出しを行う
ヘッドの部分では、ケーブルを案内する開口を大径に形
成して、ケーブルが若干振動しても、内層を被覆したケ
ーブルのシースが、外層の押出しを行うヘッドの開口の
内面に摺動したりすることがないようにされる。
【0020】
【発明の効果】本発明のケーブルの製造方法では、前述
したように、2つの押出しヘッドの間に冷却装置を配置
して、内層シースの表面を冷却した状態で材質の異なる
シース材料を用いた外層シースを被覆する装置を用いて
いる。したがって、押出樹脂温度の低い内層シースの表
面が、押出樹脂温度の高い外層シースの押出熱により溶
融して融着一体化(固着)を生じることがなく、これら
2層の層間を適度の密着状態(両層が固着一体化せず、
しかも簡単に層間剥離しない密着状態)に維持すること
ができる。また、本発明の装置では、従来の同時押出し
方法に比較して、2つの押出しヘッドを若干の間隔を介
して配置し、2つの層を順次形成する手段を用いるため
に、2層シース被覆ケーブルの製造コストに大きな差は
なく、別押出し方式に比較して大幅に製造コストを引き
下げることができる。そして、2つの被覆層の間に隙間
が形成されたりすることがないために、ケーブルを布設
する際に、外層シース(ナイロンシース)にしわが生じ
ることがなく、特殊目的のケーブルとしての機能を良好
に発揮することができる。
したように、2つの押出しヘッドの間に冷却装置を配置
して、内層シースの表面を冷却した状態で材質の異なる
シース材料を用いた外層シースを被覆する装置を用いて
いる。したがって、押出樹脂温度の低い内層シースの表
面が、押出樹脂温度の高い外層シースの押出熱により溶
融して融着一体化(固着)を生じることがなく、これら
2層の層間を適度の密着状態(両層が固着一体化せず、
しかも簡単に層間剥離しない密着状態)に維持すること
ができる。また、本発明の装置では、従来の同時押出し
方法に比較して、2つの押出しヘッドを若干の間隔を介
して配置し、2つの層を順次形成する手段を用いるため
に、2層シース被覆ケーブルの製造コストに大きな差は
なく、別押出し方式に比較して大幅に製造コストを引き
下げることができる。そして、2つの被覆層の間に隙間
が形成されたりすることがないために、ケーブルを布設
する際に、外層シース(ナイロンシース)にしわが生じ
ることがなく、特殊目的のケーブルとしての機能を良好
に発揮することができる。
【0021】さらに、本発明の複層シースケーブルを、
防蟻ケーブルとして構成する場合に、内層シースの表面
を冷却した状態で、表面のナイロンの層を被覆する装置
を構成することにより、押出樹脂温度の低いPVC(ま
たはPE)シースの表面が、押出樹脂温度の高いナイロ
ンシースと融着一体化することを防止できる。そして、
従来の複層シースを設けた防蟻ケーブルのように、2つ
の被覆層の間に隙間が形成されたりすることがないため
に、ケーブルを布設する際に、ナイロンの層にしわが生
じることがなく、防蟻ケーブルとしての機能を良好に発
揮することができる。
防蟻ケーブルとして構成する場合に、内層シースの表面
を冷却した状態で、表面のナイロンの層を被覆する装置
を構成することにより、押出樹脂温度の低いPVC(ま
たはPE)シースの表面が、押出樹脂温度の高いナイロ
ンシースと融着一体化することを防止できる。そして、
従来の複層シースを設けた防蟻ケーブルのように、2つ
の被覆層の間に隙間が形成されたりすることがないため
に、ケーブルを布設する際に、ナイロンの層にしわが生
じることがなく、防蟻ケーブルとしての機能を良好に発
揮することができる。
【図1】 本発明の積層押出装置の構成を示す側面図で
ある。
ある。
【図2】 ナイロンを押出す押出しヘッドの構成を示す
説明図である。
説明図である。
【図3】 本発明の冷却装置の構成を示す説明図であ
る。
る。
【図4】 本発明の装置全体の構成を示す説明図であ
る。
る。
1 ケーブルコア、 2 内層シース、 3 外
層シース、5 防蟻ケーブル、 10 積層押出装
置、 11・14 押出機、12・15 押出しヘ
ッド、 16 内側部材、 17 ノズル開口、2
0 冷却装置、 21 溝型部材、 24 クー
ラー、30 水槽、 32・37 加熱装置、 3
5 引取機、38 巻取機。
層シース、5 防蟻ケーブル、 10 積層押出装
置、 11・14 押出機、12・15 押出しヘ
ッド、 16 内側部材、 17 ノズル開口、2
0 冷却装置、 21 溝型部材、 24 クー
ラー、30 水槽、 32・37 加熱装置、 3
5 引取機、38 巻取機。
Claims (4)
- 【請求項1】 ケーブルコア上に、少なくとも2種類の
性質の異なるプラスチック材料による複層プラスチック
シースを形成してなる複層型シースケーブルの製造方法
において、 前記複層プラスチックシース形成材料を、ケーブルコア
上に押出して積層被覆するための押出しヘッドを、所定
の間隔を介して配置し、 前記2つの押出しヘッドの間に温度調整手段を配置し、
内側の被覆層に対する冷却を行うことを特徴とする複層
型シースケーブルの製造方法。 - 【請求項2】 前記ケーブルコア上に被覆する内層のシ
ース材料を、PEまたはPVC等を用い、外層をナイロ
ンのような硬い材料を用い、内外の層の厚さをケーブル
の使用場所等に対応させて設定することを特徴とする複
層型シースケーブルの製造方法。 - 【請求項3】 前記2つの押出しヘッドの間に冷却手段
を配置して、ケーブルコアを被覆する内側の被覆層に対
する冷却を行う際に、 内側の被覆層の表面に対して急激な冷却作用を付与する
ことにより、外側の被覆層を構成する材料に対する熱の
影響が生じない温度に設定するとともに、 内側の被覆層からのガスの発生を抑止する状態で、外側
の被覆層を形成することを特徴とする請求項1に記載の
複層型シースケーブルの製造方法。 - 【請求項4】 ケーブルコア上に、少なくとも2種類の
性質の異なるプラスチック材料による複層プラスチック
シースを形成してなる複層型シースケーブルの製造装置
において、 前記複層プラスチックシース形成材料をケーブルコアの
表面に押出して被覆するための押出しヘッドを、所定の
間隔を介して配置し、前記2つの押出しヘッドの間に内
側の被覆層に対する冷却を行う温度調整手段を配置する
とともに、 前記外側の被覆層を被覆する押出しヘッドは、リング状
のノズルの内側部材の中心に配置し、内層シースを被覆
したケーブルコアを外傷防止可能に案内するために、前
記ノズルの内側部材に設ける開口を、内層シースの被覆
外径よりも大径に形成することを特徴とする複層型シー
スケーブルの製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5128392A JPH06314523A (ja) | 1993-04-30 | 1993-04-30 | 複層型シースケーブルの製造方法および製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5128392A JPH06314523A (ja) | 1993-04-30 | 1993-04-30 | 複層型シースケーブルの製造方法および製造装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06314523A true JPH06314523A (ja) | 1994-11-08 |
Family
ID=14983679
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5128392A Pending JPH06314523A (ja) | 1993-04-30 | 1993-04-30 | 複層型シースケーブルの製造方法および製造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06314523A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008222930A (ja) * | 2007-03-14 | 2008-09-25 | Daicel-Evonik Ltd | ポリアミド系樹脂組成物及び複合成形体 |
CN100428370C (zh) * | 2006-06-09 | 2008-10-22 | 王崇 | 双芯双层电缆制造工艺和生产装置 |
CN110853821A (zh) * | 2019-11-29 | 2020-02-28 | 成都大唐线缆有限公司 | 耦型新能源电动汽车充电桩电缆及双层共挤分段发泡设备 |
CN113314275A (zh) * | 2021-06-16 | 2021-08-27 | 龙海旭宏科技有限公司 | 一种高性能阻燃电缆电线材料的制备技术 |
CN113459445A (zh) * | 2021-05-25 | 2021-10-01 | 李雨晴 | 一种通信电缆绝缘外壳冷定型装置 |
CN117310914A (zh) * | 2023-11-23 | 2023-12-29 | 广东长天光电科技有限公司 | 一种耐腐蚀光缆的制备工艺及设备 |
-
1993
- 1993-04-30 JP JP5128392A patent/JPH06314523A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100428370C (zh) * | 2006-06-09 | 2008-10-22 | 王崇 | 双芯双层电缆制造工艺和生产装置 |
JP2008222930A (ja) * | 2007-03-14 | 2008-09-25 | Daicel-Evonik Ltd | ポリアミド系樹脂組成物及び複合成形体 |
CN110853821A (zh) * | 2019-11-29 | 2020-02-28 | 成都大唐线缆有限公司 | 耦型新能源电动汽车充电桩电缆及双层共挤分段发泡设备 |
CN110853821B (zh) * | 2019-11-29 | 2021-01-15 | 成都大唐线缆有限公司 | 耦型新能源电动汽车充电桩电缆及双层共挤分段发泡设备 |
CN113459445A (zh) * | 2021-05-25 | 2021-10-01 | 李雨晴 | 一种通信电缆绝缘外壳冷定型装置 |
CN113314275A (zh) * | 2021-06-16 | 2021-08-27 | 龙海旭宏科技有限公司 | 一种高性能阻燃电缆电线材料的制备技术 |
CN117310914A (zh) * | 2023-11-23 | 2023-12-29 | 广东长天光电科技有限公司 | 一种耐腐蚀光缆的制备工艺及设备 |
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