JP2008222015A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ウォームホイールを傾倒させる外力がウォームホイールに伝達されることを防止してウォームとウォームホイールとの噛合関係を円滑に行うことができる電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】ステアリングホイールから伝達される操舵力に、ウォーム35を介して伝達される電動モータ32で発生する操舵補助力を加えるウォームホイール31と、該ウォームホイール31の出力を転舵輪側に伝達する出力軸46とを備えた電動パワーステアリング装置であって、前記ウォームホイール31の回転軸と前記出力軸46とを分割して互いに揺動可能に嵌合させた構成を有する。
【選択図】図2
【解決手段】ステアリングホイールから伝達される操舵力に、ウォーム35を介して伝達される電動モータ32で発生する操舵補助力を加えるウォームホイール31と、該ウォームホイール31の出力を転舵輪側に伝達する出力軸46とを備えた電動パワーステアリング装置であって、前記ウォームホイール31の回転軸と前記出力軸46とを分割して互いに揺動可能に嵌合させた構成を有する。
【選択図】図2
Description
本発明は、ステアリングホイールから伝達される操舵力に、ウォームを介して伝達される電動モータで発生する操舵補助力を加えるウォームホイールと、該ウォームホイールの合成出力を転舵輪側に伝達する出力軸とを備えた電動パワーステアリング装置に関する。
この種の電動パワーステアリング装置としては、例えばステアリングコラム内にステアリンクホイールを装着するステアリングシャフトを回動自在に保持し、このステアリングホイールにハウジング内でウォームギヤのウォームホイールを連結し、ウォームを電動モータに連結した場合に、ウォームとウォームホイールとの噛み合い部に不可避的な隙間(バックラッシュ)が存在するため、この噛み合い部が走行時の振動によりががたつき、この新たな振動がハウジングからステアリングコラム、ステアリングシャフトを介してステアリングホイールに伝達されることを防止するために、ハウジングとステアリングホイールとの間にゴム製のスリーブ等の緩衝部材を設けるようにした電動パワーステアリング装置付ステアリングコラム装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、ステアリングホイールから入力された操舵力をピニオン及びラックを有するステアリングギヤ機構を介して転舵輪に伝達する際に、前記ピニオンの軸に電動モータで発生する操舵補助力をウォーム及びこれに噛合するウォームホイールを介して伝達するようにした電動パワーステアリング装置において、バックラッシュ調整機構によってウォーム軸の第2の端部を第2の軸受を介して付勢して、ウォームをウォームホイールに向けて偏倚させ、このときウォーム軸の第1の端部がラジアル方向に変位するが、この変位をモータ軸及びウォーム軸の端部に設けた動力伝達継手をXY2方向にスライド可能に構成することで許容するようにした動力舵取装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2000−313340号公報(第2頁、図1)
特開2001−80529号公報(第1頁、図3,図6)
しかしながら、上記特許文献1に記載の従来例にあっては、ウォームとウォームホイールとの間に生じるバックラッシュによって発生する振動をステアリングホイールに伝達しないように緩衝部材を設けているが、減速機構としてウォーム及びウォームホイールで構成されるウォームギヤを適用した場合、外部からの入力によってウォームホイールが傾倒してウォームとの噛合関係を円滑に行うことができない場合が生じるときには対応できないという未解決の課題がある。
同様に、上記特許文献2に記載の従来例にあっても、ウォームとウォームホイールとの間のバックラッシュを調整する際に、ウォームとモータ軸との間に生じる変位を動力伝達継手で解消することはできるが、ウォームホイールが外力によって傾倒されてウォームとの噛合関係を円滑に行うことができない場合が生じるときには対応できないという未解決の課題がある。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、ウォームホイールを傾倒させる外力がウォームホイールに伝達されることを防止してウォームとウォームホイールとの噛合関係を円滑に行うことができる電動パワーステアリング装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1に係る電動パワーステアリング装置は、ステアリングホイールから伝達される操舵力に、ウォームを介して伝達される電動モータで発生する操舵補助力を加えるウォームホイールと、該ウォームホイールの出力を転舵輪側に伝達する出力軸とを備えた電動パワーステアリング装置であって、前記ウォームホイールの回転軸と前記出力軸とを分割して互いに揺動可能に嵌合させたことを特徴としている。
また、請求項2に係る電動パワーステアリング装置は、請求項1に係る発明において、前記ウォームホイールの回転軸は前記ステアリングホイールを装着するステアリングシャフトに連結されていることを特徴としている。
さらに、本発明の請求項3に係る電動パワーステアリング装置は、請求項1に係る発明において、ピニオンと該ピニオンに噛合するラックとを有するステアリングギヤ機構を有し、前記出力軸は前記ピニオンの軸であることを特徴としている。
さらに、本発明の請求項3に係る電動パワーステアリング装置は、請求項1に係る発明において、ピニオンと該ピニオンに噛合するラックとを有するステアリングギヤ機構を有し、前記出力軸は前記ピニオンの軸であることを特徴としている。
さらにまた、請求項4に係る電動パワーステアリング装置は、請求項1乃至3の何れか1つに係る発明において、前記ウォームホイールの軸及び前記出力軸の何れか一方が雄軸とされ、他方が前記雄軸に嵌合する雌軸とされ、前記雄軸に軸方向の端部へ行くに従い幅狭となる凸部が形成されていることを特徴としている。
なおさらに、請求項5に係る電動パワーステアリング装置は、請求項1乃至3の何れか1項に係る発明において、前記ウォームホイールの軸及び前記出力軸の何れか一方が雄軸とされ、他方が前記雄軸に嵌合する雌軸とされ、前記雄軸及び雌軸の嵌合部に弾性体が介装されていることを特徴としている。
なおさらに、請求項5に係る電動パワーステアリング装置は、請求項1乃至3の何れか1項に係る発明において、前記ウォームホイールの軸及び前記出力軸の何れか一方が雄軸とされ、他方が前記雄軸に嵌合する雌軸とされ、前記雄軸及び雌軸の嵌合部に弾性体が介装されていることを特徴としている。
また、請求項6に係る電動パワーステアリング装置は、ステアリングホイールの操舵力がウォームホイールを介して伝達されるピニオン及びピニオンに噛合するラックを有するステアリングギヤ機構と、前記ウォームホイールにウォームを介して操舵補助力を伝達する電動モータとを備えた電動パワーステアリング装置であって、前記ウォームホイールの軸と前記ピニオンの軸とを分割して互いに揺動可能に嵌合させたことを特徴としている。
さらに、請求項7に係る電動パワーステアリング装置は、請求項6に係る発明において、前記ウォームホイールの軸及び前記ピニオンの軸の何れか一方が雄軸とされ、他方が前記雄軸に嵌合する雌軸とされ、前記雄軸に外周端部に行くに従い幅狭となる凸部が形成されていることを特徴としている。
さらにまた、請求項8に係る電動パワーステアリング装置は、請求項6又は7に係る発明において、前記ウォームホイールの軸及び前記ピニオンの軸の何れか一方が雄軸とされ、他方が前記雄軸に嵌合する雌軸とされ、前記雄軸及び雌軸の嵌合部に弾性体が介装されていることを特徴としている。
さらにまた、請求項8に係る電動パワーステアリング装置は、請求項6又は7に係る発明において、前記ウォームホイールの軸及び前記ピニオンの軸の何れか一方が雄軸とされ、他方が前記雄軸に嵌合する雌軸とされ、前記雄軸及び雌軸の嵌合部に弾性体が介装されていることを特徴としている。
本発明によれば、電動パワーステアリング装置を、ステアリングホイールから伝達される操舵力に、ウォームを介して伝達される電動モータで発生する操舵補助力を加えるウォームホイールと、該ウォームホイールの出力を転舵輪側に伝達する出力軸とを備えた場合に、ウォームホイールの回転軸と出力軸とを分割して互いに揺動可能に嵌合させることにより、出力軸側からウォームホイールを傾動させる外力が伝達されたときに、この外力を出力軸がウォームホイールの回転軸に対して揺動することにより、ウォームホイールを傾動させる外力がウォームホイールの回転軸に伝達されることを確実に防止する。
ここで、出力軸とウォームホイールの回転軸とを互いに揺動可能に嵌合させるために、出力軸及びウォームホイールの回転軸の何れか一方を雄軸とし、他方を雌軸とし、雄軸に軸方向の端部に行くに従い幅狭となる凸部を形成し、この凸部を雌軸の嵌合溝に嵌合させることにより、出力軸とウォームホイールの回転軸とを揺動可能とすることが好ましい。
また、ウォーム及びウォームホイールで構成されるウォームギヤはステアリングコラム側に設けてステアリングシャフトに操舵力を伝達する形式の電動パワーステアリング装置と、ピニオン及びラックを有するステアリングギヤ機構のピニオンに操舵力を伝達する形式の電動パワーステアリング装置との何れかにも適用することができる。
また、ウォーム及びウォームホイールで構成されるウォームギヤはステアリングコラム側に設けてステアリングシャフトに操舵力を伝達する形式の電動パワーステアリング装置と、ピニオン及びラックを有するステアリングギヤ機構のピニオンに操舵力を伝達する形式の電動パワーステアリング装置との何れかにも適用することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明を、ピニオン軸をアシストする電動パワーステアリング装置に適用した場合の一実施形態を示す全体構成図、図2は図1におけるステアリングギヤ機構の拡大断面、図3は図2のウォームホイール軸及びピニオン軸の嵌合部における拡大断面図、図4は図2のウォームホイール軸及びピニオン軸の雌軸部及び雄軸部を示す分解図、図5は図4のA−A線断面図、図6は図4のB−B線断面図、図7は緩衝部材を示す斜視図である。
図1は本発明を、ピニオン軸をアシストする電動パワーステアリング装置に適用した場合の一実施形態を示す全体構成図、図2は図1におけるステアリングギヤ機構の拡大断面、図3は図2のウォームホイール軸及びピニオン軸の嵌合部における拡大断面図、図4は図2のウォームホイール軸及びピニオン軸の雌軸部及び雄軸部を示す分解図、図5は図4のA−A線断面図、図6は図4のB−B線断面図、図7は緩衝部材を示す斜視図である。
図1において、STは車両の操舵を行う操舵機構であって、この操舵機構STは、ステアリングホイール1と、このステアリングホイール1が上端に装着されたステアリングシャフト2と、このステアリングシャフト2を回転自在に保持するステアリングコラム3とを有する。
ステアリングコラム3の下端から突出するステアリングシャフト2が自在継手17A、中間シャフト18及び自在継手17Bを介してステアリングギヤ機構6の入力軸21に連結されている。
ステアリングコラム3の下端から突出するステアリングシャフト2が自在継手17A、中間シャフト18及び自在継手17Bを介してステアリングギヤ機構6の入力軸21に連結されている。
ステアリングギヤ機構6は、図2に示すように、ウォームギヤハウジング20とこのウォームギヤハウジング20と一体に取付けられるステアリングギヤハウジング40とを有する。
ウォームギヤハウジング20は自在継手17Bに連結される入力軸21を回転自在に支持する軸収容部22と、この軸収容部22の下端に連接する下端を開放したウォームギヤ収容部23と、このウォームギヤ収容部23の下端を閉塞し且つ軸収容部22と同軸上の開口24aを有するカバー部24とで構成されている。
ウォームギヤハウジング20は自在継手17Bに連結される入力軸21を回転自在に支持する軸収容部22と、この軸収容部22の下端に連接する下端を開放したウォームギヤ収容部23と、このウォームギヤ収容部23の下端を閉塞し且つ軸収容部22と同軸上の開口24aを有するカバー部24とで構成されている。
軸収容部22は、入力軸21を転がり軸受25によって回転自在に支持すると共に、この入力軸21と対向する内周面にトルクセンサ26が配設されている。
ウォームギヤ収容部23には、ウォームギヤハウジング20に内装された転がり軸受27及びカバー部24に内装された転がり軸受28によってウォームホイール軸29が回転自在に支持されている。このウォームホイール軸29は上端側が前述した入力軸21にトーションバー30を介して連結され、転がり軸受27及び28間にウォームホイール31が一体に形成されている。
ウォームギヤ収容部23には、ウォームギヤハウジング20に内装された転がり軸受27及びカバー部24に内装された転がり軸受28によってウォームホイール軸29が回転自在に支持されている。このウォームホイール軸29は上端側が前述した入力軸21にトーションバー30を介して連結され、転がり軸受27及び28間にウォームホイール31が一体に形成されている。
このウォームホイール31には、ウォームギヤハウジング20の外側に固定された電動モータ32の出力軸に連結されたウォーム軸34に一体に形成されたウォーム35が噛合され、電動モータ32で発生する操舵補助力がウォーム35及びウォームホイール31で構成される減速機構36で減速されてウォームホイール軸29に伝達される。
また、ステアリングギヤハウジング40は、ウォームギヤハウジング20の軸収容部22と同軸上に形成された上端を開放するピニオン収容部41と、このピニオン収容部41の上端側に形成された取付フランジ部42と、ピニオン収容部41の下端側に連接されたラック収容部43とで構成されている。
また、ステアリングギヤハウジング40は、ウォームギヤハウジング20の軸収容部22と同軸上に形成された上端を開放するピニオン収容部41と、このピニオン収容部41の上端側に形成された取付フランジ部42と、ピニオン収容部41の下端側に連接されたラック収容部43とで構成されている。
そして、ピニオン収容部41の上端がカバー部24の開口24aの外側に形成された凹部24b内に嵌合され、取付フランジ部42がウォームギヤハウジング20と一体にボルト締めされている。
ピニオン収容部41には、転がり軸受44及び45によって出力軸としてのピニオン軸46が前述した入力軸21、ウォームホイール軸29と同軸上に回転自在に支持され、このピニオン軸46の下端側にピニオン47が一体に形成され、このピニオン47にラック48が噛合されている。ラック48のピニオン47とは反対側の外周部にピニオン47及びラック48間のバックラッシュを調整するバックラッシュ調整機構49が配設されている。
ピニオン収容部41には、転がり軸受44及び45によって出力軸としてのピニオン軸46が前述した入力軸21、ウォームホイール軸29と同軸上に回転自在に支持され、このピニオン軸46の下端側にピニオン47が一体に形成され、このピニオン47にラック48が噛合されている。ラック48のピニオン47とは反対側の外周部にピニオン47及びラック48間のバックラッシュを調整するバックラッシュ調整機構49が配設されている。
そして、ラック48が、図1に示すように、ラック軸50を介し、さらにタイロッド51を介して図示しない転舵輪に連結されている。
そして、前述したウォームホイール軸29とピニオン軸46とが、図2〜図4に示すように嵌合されている。すなわち、ウォームホイール軸29の下端が雌軸60とされ、ピニオン軸46の状態が雌軸60に嵌合する雄軸70とされ、雌軸60に対して雄軸70が軸直角方向に揺動可能に構成されている。
そして、前述したウォームホイール軸29とピニオン軸46とが、図2〜図4に示すように嵌合されている。すなわち、ウォームホイール軸29の下端が雌軸60とされ、ピニオン軸46の状態が雌軸60に嵌合する雄軸70とされ、雌軸60に対して雄軸70が軸直角方向に揺動可能に構成されている。
ここで、雌軸60は、図4及び図5に示すように、内周面に120°間隔で回転伝達用の3つの回転伝達用凹部61が軸方向に延長して形成されていると共に、隣接する回転伝達用凹部61の中間部に弾性体としての後述する緩衝部材80を嵌合させる嵌合凹部62が軸方向に延長して形成されている。
回転伝達用凹部61は、内周縁から半径方向に外側に行くに従って徐々に幅狭となるように形成され、嵌合凹部62についても内周縁から半径方向に外側に行くに従って徐々に幅狭となるように形成されている。回転伝達用凹部61は、その回転方向の両側面間の距離が、図5に示すように、雌軸60の内周面から半径方向の外方に行くに従い徐々に狭くなるようにハの字状に形成されている。嵌合凹部62も同様に回転方向の両側面がハの字状とされ、この嵌合凹部62の側面間の距離が回転伝達用凹部61の側面間の距離と同一に設定されて、回転伝達用凹部61と同一形状に設定されている。
回転伝達用凹部61は、内周縁から半径方向に外側に行くに従って徐々に幅狭となるように形成され、嵌合凹部62についても内周縁から半径方向に外側に行くに従って徐々に幅狭となるように形成されている。回転伝達用凹部61は、その回転方向の両側面間の距離が、図5に示すように、雌軸60の内周面から半径方向の外方に行くに従い徐々に狭くなるようにハの字状に形成されている。嵌合凹部62も同様に回転方向の両側面がハの字状とされ、この嵌合凹部62の側面間の距離が回転伝達用凹部61の側面間の距離と同一に設定されて、回転伝達用凹部61と同一形状に設定されている。
これに対して、雄軸70は、図3及び図6に示すように、外周面に雌軸60の回転伝達用凹部61に係合する回転伝達用凸部71が120°間隔で軸方向に延長して形成されていると共に、隣接する回転伝達用凸部71の中間部に緩衝部材80が嵌合する嵌合凹部72が形成されている。
ここで、回転伝達用凸部71は、図6に示すように、軸直角方向から見て、軸方向の中央部71aが雌軸60の回転伝達用凹部61に嵌合する断面略台形状に形成され、この中央部71aから軸方向の両端に向かうに従って徐々に幅狭となるようにクラウニング加工が施されている。
ここで、回転伝達用凸部71は、図6に示すように、軸直角方向から見て、軸方向の中央部71aが雌軸60の回転伝達用凹部61に嵌合する断面略台形状に形成され、この中央部71aから軸方向の両端に向かうに従って徐々に幅狭となるようにクラウニング加工が施されている。
また、回転伝達用凸部71は、後述するように雌軸60の嵌合凹部62及び雄軸70の嵌合凹部72内に緩衝部材80を嵌合させた状態で、図3で誇張して示すように、回転伝達用凹部61の回転方向両側の側面と回転伝達用凸部71の回転方向両側の側面との間に僅かな間隙が形成されるように側面間の幅が回転伝達用凹部61の側面間の幅より短く設定されている。
一方、弾性体としての緩衝部材80は、図7に示すように、炭素鋼板、ステンレス鋼板等の金属バネ材(例えばSUS301)に対してプレス加工で箱曲げを施して形成された断面が略逆台形枠状の板バネ部81と、この板バネ部81の内側に充填されたアクリルエチレンゴム等のエラストマーでなる弾性材86とで構成されている。
ここで、板バネ部81は、平板状の底板部82と、この底板部82の左右両端から約75°程度折り曲げて上外方に傾斜延長する傾斜側板部83a及び83bと、これら傾斜側板部83a及び83bの上端から円弧面となるように約105°程度折り曲げて底板部82と平行な互いに当接する上板部84a及び84bと、これら上板部84a及び84bの内側端面に下方に折り曲げた突合せ部85a及び85bとで断面が略逆台形枠状に形成され、突合せ部85a及び85bを離間させる方向の弾性力が付与されている。
ここで、板バネ部81は、平板状の底板部82と、この底板部82の左右両端から約75°程度折り曲げて上外方に傾斜延長する傾斜側板部83a及び83bと、これら傾斜側板部83a及び83bの上端から円弧面となるように約105°程度折り曲げて底板部82と平行な互いに当接する上板部84a及び84bと、これら上板部84a及び84bの内側端面に下方に折り曲げた突合せ部85a及び85bとで断面が略逆台形枠状に形成され、突合せ部85a及び85bを離間させる方向の弾性力が付与されている。
なお、板バネ部81の各部の折り曲げ角度は任意に設定することができ、傾斜側板部83a及び83bが下端から上方に行くに従い両者間の幅が広くなるように形成されていればよい。
ここで、板バネ部81内への弾性材86の充填は一例として射出成形によって行う。この場合、射出成形を行う前に、板バネ部81の内周面に接着材を塗布しておき、この接着材で板バネ部81と弾性材86とを剥離不能に接着することが好ましい。
ここで、板バネ部81内への弾性材86の充填は一例として射出成形によって行う。この場合、射出成形を行う前に、板バネ部81の内周面に接着材を塗布しておき、この接着材で板バネ部81と弾性材86とを剥離不能に接着することが好ましい。
すなわち、射出成形では、射出成形機の金型におけるキャビティ内に板バネ部81をセットした状態で、前述した弾性材86を射出成形して加圧充填する。このとき、弾性材86の硬度をHs80以上、例えばHs90とすれば、緩衝部材80の寸法精度の向上も図ることができる。
すなわち、金型のキャビティ内に板バネ部81をセットした状態で、板バネ部81の内側に弾性材86を射出成形して充填することにより、充填された弾性材86によって板バネ部81の形状(底板部82及び傾斜側板部83a,83bの形状)を金型の内周面に押し付けることにより、この金型の内周面の形状に沿うように板バネ部81の形状を矯正することができる。つまり、金型のキャビティ内に、圧力を加えつつ注入した弾性材86により、板バネ部81をキャビティの内面に押し付けて、板バネ部81の形状を、キャビティの内周面形状に合致させることができる。このような場合には、プレス成形後の板バネ部81のみ状態で、この板バネ部81の寸法誤差が大きくても(寸法精度を高度に維持しなくても)、弾性材86を加圧注入して充填した射出成形後に、高精度の緩衝部材80を得ることができる。
すなわち、金型のキャビティ内に板バネ部81をセットした状態で、板バネ部81の内側に弾性材86を射出成形して充填することにより、充填された弾性材86によって板バネ部81の形状(底板部82及び傾斜側板部83a,83bの形状)を金型の内周面に押し付けることにより、この金型の内周面の形状に沿うように板バネ部81の形状を矯正することができる。つまり、金型のキャビティ内に、圧力を加えつつ注入した弾性材86により、板バネ部81をキャビティの内面に押し付けて、板バネ部81の形状を、キャビティの内周面形状に合致させることができる。このような場合には、プレス成形後の板バネ部81のみ状態で、この板バネ部81の寸法誤差が大きくても(寸法精度を高度に維持しなくても)、弾性材86を加圧注入して充填した射出成形後に、高精度の緩衝部材80を得ることができる。
なお、上述した射出成形を行わなくても、緩衝部材80の必要な寸法精度及び剛性(弾性)が得られる場合には、弾性材86を省略して板バネ部81のみとしても良い。但し、板バネ部81を形成するためには(断面を逆台形枠状の板バネ部81とするためには)、プレス加工を複数工程施すことにより、徐々に所望の形状に形成する箱曲げを行う必要がある。このようなプレス加工を複数工程施した後の板バネ部81のみの状態では、形状にバラツキを生じ易く、寸法精度を高度に維持しにくくなる可能性がある。なお、このような形状のバラツキに拘らず板バネ部81のみで動力伝達を滑らかに行えるようにするために、板バネ部81の弾力(予圧量)を予め大きく設定しておくことも考えられる。
例えば、雌軸60と雄軸70との回転方向のガタツキ量(ずれ量)は、寸法精度によるが約0.5度程度になり、この雌軸60の外径が20mm程度であれば、これら雌軸60と雄軸70との回転方向(円周方向)に関する相対変位量(ガタツキ量)は0.09mm程度になる。これに対して、プレス加工のみにより形成された板バネ部81の寸法公差は、約0.5度程度になり、回転方向に関する変位量で0.1mm程度になるのが一般的である。このような寸法公差に拘らず、板バネ部81のみの弾性に基づいて上述したガタツキを抑える(動力伝達を滑らかに行う)ためには、上述のように板バネ部81の組付け状態での弾力(予圧量)を大きく設定しておくことが考えられる。
但し、上述したように弾力を大きく設定する場合、組付け状態での板バネ部81の変形量(ひずみ量)が大きくなり、この分、板バネ部81に加わる内部応力も大きくなる可能性がある。
特に、板バネ部81の寸法を確保できない場合(板バネ部81の大きさが小さい場合)には、上記変形量に対する応力の増大量も大きくなり、この応力の徒に大きくなる可能性がある。これに対して、上述したように射出成形により板バネ部81の外面の形状を矯正(補正)すれば、緩衝部材80の寸法精度を高度に維持することができる。
特に、板バネ部81の寸法を確保できない場合(板バネ部81の大きさが小さい場合)には、上記変形量に対する応力の増大量も大きくなり、この応力の徒に大きくなる可能性がある。これに対して、上述したように射出成形により板バネ部81の外面の形状を矯正(補正)すれば、緩衝部材80の寸法精度を高度に維持することができる。
例えば、プレス加工後の状態で、最終的に必要とする形状よりも曲げの程度を不足気味とし、射出成形に伴い金型の内面の形状に矯正することで、最終的に必要とされる形状を高精度に得ることもできる。このように寸法精度を高度に維持できるため、緩衝部材80の弾力(予圧量)を大きく設定する必要がなく、緩衝部材80に大きな応力が加わることを防止することができる。
そして、緩衝部材80が板バネ部81の上板部84a,84b及びこれに連接する傾斜側板部83a,83bの一部を雌軸60の嵌合凹部62に嵌合させると共に、底板部82及びこれに連結する傾斜側板部83a,83bの一部を雄軸70の嵌合凹部72に嵌合されて、雌軸60及び雄軸70の回転方向に弾性変形可能とされている。このように、緩衝部材80を雌軸60及び雄軸70間に嵌合させ、雌軸60及び雄軸70間に捩じりトルクが付与されていない状態では、前述したように、互いに対向する雌軸60の回転伝達用凹部61における回転方向の両側面及び雄軸70の回転伝達用凸部71における回転方向の両側面間に僅かな間隙が形成されている。
また、雌軸60の内周面における回転伝達用凹部61より外側位置(図4において右側)に止め輪係合凹部63が形成され、同様に雄軸70の回転伝達用凸部71より右側に止め輪係合凹部73が形成され、雌軸60に雄軸70を挿通して嵌合させた状態で、止め輪係合凹部63及び73間にOリング、Cリング等でなる止め輪90が係合して、雌軸60及び雄軸70の嵌合状態が固定される。ここで、雌軸60の止め輪係合凹部63の深さは、止め輪90の断面径の半分程度に設定されている。
そして、雌軸60及び雄軸70との嵌合は、先ず、雄軸70の止め輪係合凹部73内に止め輪90を装着すると共に、雄軸70の嵌合凹部72内に緩衝部材80の底板部82及びこれに連接する傾斜側板部83a,83bを嵌合させる。この状態で、各緩衝部材80の円周方向の幅を弾性的に縮めながら、雌軸60の回転伝達用凹部61又は嵌合凹部62と雄軸70の回転伝達用凸部71とを対向させた状態で、雄軸70を雌軸60に挿入する。この雄軸70の挿入時に止め輪90も雄軸70の止め輪係合凹部73内に埋め込まれる外径まで縮径させる。
この雄軸70を雌軸60に挿入する挿入作業は、雌軸60に形成されている回転伝達用凹部61及び嵌合凹部62が互いに同一形状に形成されているので、雄軸70の回転伝達用凸部71及び緩衝部材80は夫々回転伝達用凹部61及び嵌合凹部62の何れにも嵌合させることができ、雌軸60と雄軸70との回転方向の位相合わせを行う必要がなく、挿通作業を容易に行うことができる。このため、雄軸70の回転伝達用凸部71を挿入した雌軸60凹部が回転伝達用凹部61となり、緩衝部材80を挿通した雌軸60の凹部が嵌合凹部62となる。
その後、雄軸70を雌軸60の最深部まで挿入すると、雄軸70の係合凹部73に係合させた止め輪90が雌軸60の係合凹部63に対向することになり、これによって止め輪90が拡径して係合凹部63内に挿入され、係合凹部63及び73間に止め輪90が存在することにより、雌軸60及び雄軸70とが相対変位を阻止された状態で結合される。
次に、上記第1の実施形態の動作を説明する。
次に、上記第1の実施形態の動作を説明する。
先ず、運転者がステアリングホイール1を操舵することにより、その操舵力がステアリングシャフト2、自在継手17A、中間シャフト18、自在継手17Bを介してステアリングギヤ機構6に伝達される。
このステアリングギヤ機構6では、自在継手17Bから伝達される操舵力が入力軸21に伝達され、この入力軸21からトーションバー30を介してウォームホイール軸29に伝達され、このウォームホイール軸29に嵌合するピニオン軸46に伝達される。そして、ピニオン軸46に形成されたピニオン47からラック48に伝達されて回転力が車幅方向の直線運動力に変換されてラック軸50及びタイロッド51を介して図示しない転舵輪に伝達されて、これら転舵輪が転舵される。
このステアリングギヤ機構6では、自在継手17Bから伝達される操舵力が入力軸21に伝達され、この入力軸21からトーションバー30を介してウォームホイール軸29に伝達され、このウォームホイール軸29に嵌合するピニオン軸46に伝達される。そして、ピニオン軸46に形成されたピニオン47からラック48に伝達されて回転力が車幅方向の直線運動力に変換されてラック軸50及びタイロッド51を介して図示しない転舵輪に伝達されて、これら転舵輪が転舵される。
このとき、ステアリングギヤ機構6では、入力軸21とウォームホイール軸29との間に生じる捩じれトルクがトルクセンサ26で検出されると共に、車両の車速を図示しない車速センサで検出し、操舵トルクと車速とに基づいて図示しない操舵補助制御装置で、操舵状態での最適な操舵補助力を発生するように電動モータ32を駆動制御する。
このため、電動モータ32で発生された操舵補助力がウォーム35及びウォームホイール31を介してウォームホイール軸29に伝達されてステアリングホイール1から入力される操舵力に加算され、このウォームホイール軸29から大きな操舵トルクが出力され、これがピニオン軸46に伝達されることにより、ステアリングホイール1を軽く操舵することができる。
このため、電動モータ32で発生された操舵補助力がウォーム35及びウォームホイール31を介してウォームホイール軸29に伝達されてステアリングホイール1から入力される操舵力に加算され、このウォームホイール軸29から大きな操舵トルクが出力され、これがピニオン軸46に伝達されることにより、ステアリングホイール1を軽く操舵することができる。
このとき、ステアリングギヤ機構6におけるウォームホイール軸29とピニオン軸46との間の回転力の伝達は、以下のように行われる。
すなわち、例えば車両が停車していて、ステアリングホイール1に操舵力が伝達されていない非操舵状態では、トルクセンサ26で検出される操舵トルクが略“0”であり、車速も“0”であるので、制御装置から電動モータ32に駆動信号が出力されず、電動モータ32は停止状態にある。このため、ウォームホイール軸29とピニオン軸46との間に捩じれトルクが作用しないので雌軸60及び雄軸70が、図3に示すように、緩衝部材80の弾性によって、雌軸60の回転伝達用凹部61の側壁と雄軸70の回転伝達用凸部71の側壁とが両者間に僅かな間隙を隔てて対向している。ウォームホイール軸29とピニオン軸46との間のガタツキが緩衝部材80の弾性によって抑制される。
すなわち、例えば車両が停車していて、ステアリングホイール1に操舵力が伝達されていない非操舵状態では、トルクセンサ26で検出される操舵トルクが略“0”であり、車速も“0”であるので、制御装置から電動モータ32に駆動信号が出力されず、電動モータ32は停止状態にある。このため、ウォームホイール軸29とピニオン軸46との間に捩じれトルクが作用しないので雌軸60及び雄軸70が、図3に示すように、緩衝部材80の弾性によって、雌軸60の回転伝達用凹部61の側壁と雄軸70の回転伝達用凸部71の側壁とが両者間に僅かな間隙を隔てて対向している。ウォームホイール軸29とピニオン軸46との間のガタツキが緩衝部材80の弾性によって抑制される。
この状態から、ステアリングホイール1に操舵力を加えると、前述したように電動モータ32で操舵トルクに応じた操舵補助力が発生されて、ウォームホイール軸29に操舵力及び操舵補助力が伝達され、両者が足し合わされてピニオン軸46に伝達される。このとき、ウォームホイール軸29から出力される回転力が雌軸60から雄軸70に伝達される。この場合、雌軸60が図3の矢印aで示すように時計方向に回転する場合には、緩衝部材80の雌軸60の嵌合凹部62に嵌合する部位と雄軸70の嵌合凹部72に嵌合する部位との中間部が撓んで回転伝達用凹部61の回転方向と反対側の側面が雄軸70の回転伝達用凸部71の回転方向とは反対側の側面に当接して雄軸70に回転力を伝達することになり、大きな回転力を雌軸60から雄軸70に、即ちウォームホイール軸29からピニオン軸46に円滑に伝達することができる。
この際、緩衝部材80の回転方向の幅が雌軸60側から雄軸70側に行くに従い徐々に幅狭とされているので、動力伝達を行う際に、傾斜側板部83a,83bに加わる力(応力)を分散することができる。
すなわち、図3における一点鎖線で囲まれた領域Eで示すように、動力伝達時に、雄軸70の嵌合凹部72の内面から緩衝部材80の傾斜側板部82aに剪断力Fが作用すると、この剪断力Fの作用し始めは、嵌合凹部72の一方(図3の左方)の内側面と当接する部分α及びこの部分αと回転方向に対向する雌軸60の嵌合凹部62の他方(図3の右方)の内側面と当接部分βの応力が大きくなる。そして、剪断力Fが更に大きくなると、雄軸70の嵌合凹部72の他方(図3の右方)の内側面と当接する部分γ及び雌軸60の嵌合凹部62の底部と対向する部分δの応力が大きくなってから、上記部分α及びβの応力も大きくなる。このように、各緩衝部材80に加わる応力を、これら緩衝部材80の板バネ部81を構成する傾斜側板部83a,83bだけでなく、これら傾斜側板部83a,83bと各突合せ部85a,85bとの連続部等に分散させることができる。このように緩衝部材80の全体に応力を分散できれば、特に回転開始時の初期のガタツキに基づく応力の増大の程度も緩和でき、耐久性の向上を図ることができる。
すなわち、図3における一点鎖線で囲まれた領域Eで示すように、動力伝達時に、雄軸70の嵌合凹部72の内面から緩衝部材80の傾斜側板部82aに剪断力Fが作用すると、この剪断力Fの作用し始めは、嵌合凹部72の一方(図3の左方)の内側面と当接する部分α及びこの部分αと回転方向に対向する雌軸60の嵌合凹部62の他方(図3の右方)の内側面と当接部分βの応力が大きくなる。そして、剪断力Fが更に大きくなると、雄軸70の嵌合凹部72の他方(図3の右方)の内側面と当接する部分γ及び雌軸60の嵌合凹部62の底部と対向する部分δの応力が大きくなってから、上記部分α及びβの応力も大きくなる。このように、各緩衝部材80に加わる応力を、これら緩衝部材80の板バネ部81を構成する傾斜側板部83a,83bだけでなく、これら傾斜側板部83a,83bと各突合せ部85a,85bとの連続部等に分散させることができる。このように緩衝部材80の全体に応力を分散できれば、特に回転開始時の初期のガタツキに基づく応力の増大の程度も緩和でき、耐久性の向上を図ることができる。
同様に、雌軸60が図3で見て反時計方向に回転する場合にも、雌軸60の回転伝達用凹部61の回転方向とは逆側の側面が雄軸70の回転伝達用凸部71の回転方向とは反対側の側面に当接して、大きな回転力を雌軸60から雄軸70に、即ちウォームホイール軸29からピニオン軸46に円滑に伝達することができる。
一方、例えばキックバック現象のように転舵輪からの反力がラック48に伝達されて、この反力によってピニオン軸46が撓んだ場合には、このピニオン軸46の上端側が転がり軸受44によって回転自在に支持されている関係で、雄軸70が雌軸60に対して、その軸心が雌軸60の軸線に対して交差する方向に揺動することになる。
一方、例えばキックバック現象のように転舵輪からの反力がラック48に伝達されて、この反力によってピニオン軸46が撓んだ場合には、このピニオン軸46の上端側が転がり軸受44によって回転自在に支持されている関係で、雄軸70が雌軸60に対して、その軸心が雌軸60の軸線に対して交差する方向に揺動することになる。
このように、雄軸70が雌軸60に対して揺動する状態となると、雌軸60と雄軸70とが分割され、さらに雄軸70に形成された回転伝達用凸部71が図3に示すように、軸方向の中央部71aから軸方向の両端側に行くに従い幅狭となるクラウニング形状とされているので、雄軸70の揺動がクラウニング形状によって許容されると共に、緩衝部材80の弾性によって許容されることになり、雄軸70の揺動が雌軸60には伝達されることを確実に防止することができる。
このため、ウォームホイール軸29は正規の状態を維持して、ウォームホイール31が倒れ込むことを確実に防止し、ウォームホイール31とウォーム35との噛合関係を正常に維持して、電動モータ32で発生する操舵補助力を円滑にウォームホイール31に伝達することができる。
因みに、ウォームホイール軸29とピニオン軸46とが一体に構成されている場合には、転舵輪からの反力がラック48に伝達されてピニオン軸46が撓んだときに、その撓み分がウォームホイール軸29にも影響することによって、ウォームホイール31が正規の位置から倒れ込むことになる。このため、ウォームホイール31とウォーム35との噛合位置が正規の噛合位置からずれることにより、電動モータ32で発生する操舵補助力をウォームホイール31に円滑に伝達することができなくなり、操舵フィーリングが悪化することになるが、本発明では、上述したようにピニオン軸46の撓みによる雄軸70の揺動がウォームホイール軸29の雌軸60に伝達されないので、操舵フィーリングの悪化を確実に防止することができる。
因みに、ウォームホイール軸29とピニオン軸46とが一体に構成されている場合には、転舵輪からの反力がラック48に伝達されてピニオン軸46が撓んだときに、その撓み分がウォームホイール軸29にも影響することによって、ウォームホイール31が正規の位置から倒れ込むことになる。このため、ウォームホイール31とウォーム35との噛合位置が正規の噛合位置からずれることにより、電動モータ32で発生する操舵補助力をウォームホイール31に円滑に伝達することができなくなり、操舵フィーリングが悪化することになるが、本発明では、上述したようにピニオン軸46の撓みによる雄軸70の揺動がウォームホイール軸29の雌軸60に伝達されないので、操舵フィーリングの悪化を確実に防止することができる。
なお、上記実施形態においては、緩衝部材80の上板部84a,84b側に突合せ部85a,85bを形成した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、底板部82側に突合せ部を形成するようにしてもよい。また、板バネ部81の形状としては、上記構成に限定されるものではなく、突合せ部85a,85bを省略すると共に、上板部84a,84bを短くして開放部を形成したり、この開放部を底板部82側に形成したり、板バネ部81を左右に2分割して弾性材86の側面に貼着したりなど、任意の形状とすることができる。この他、エラストマー製の弾性材86に代えて圧縮コイルバネ等のバネ材を適用することもできる。
また、上記実施形態においては、雌軸60及び雄軸70間に緩衝部材80を介装した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図8に示すように、緩衝部材80を省略し、雄軸70の緩衝部材80の嵌合位置に回転伝達用凸部71を形成し、各回転伝達用凸部71の軸方向の平面形状を、軸方向中央部の幅が最大で、この中央部から軸方向の両端部に行くに従い幅狭となる円弧面状の対向側面に形成して、雌軸60に対して雄軸70を揺動可能に連結するようにしてもよい。
さらに、上記実施形態においては、本発明をピニオンに操舵補助力を伝達する形式の電動パワーステアリング装置に適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、ステアリングコラム3に回転自在に支持されたステアリングシャフト2に電動モータで発生した操舵補助力を伝達する形式の電動パワーステアリング装置にも本発明を適用することができる。この場合には、図9に示すように、ステアリングシャフト2と自在継手17Aとの間にウォームホイール及びウォームで構成される減速機構を内装するウォームギヤハウジング100を介装し、このウォームギヤハウジング100に電動モータ110を装着するようにした構成を有する。ここで、ウォームギヤハウジング100では、詳細説明はこれを省略するが、前述した図2に示すウォームギヤハウジング20の構成において、入力軸21がステアリングシャフト2に連結され、ピニオン軸46が自在継手17Aに連結される出力軸101に変更され、さらにラック48が省略されていることを除いては同様の構成を有する。
この形式の電動パワーステアリング装置でも、出力軸101を揺動させる外力が伝達されたときに、上述した第1の実施形態と同様に出力軸101の揺動を雄軸70の回転伝達用凸部71で許容して、ウォームホイール軸へ揺動が伝達されることを確実に防止して、電動モータ110で発生する操舵補助力を円滑にウォームホイールに伝達して、操舵フィーリングの悪化を確実に防止することができる。
ST…操舵機構、1…ステアリングホイール、2…ステアリングシャフト、3…ステアリングコラム、6…ステアリングギヤ機構、20…ウォームギヤハウジング、21…入力軸、22…軸収容部、23…ウォームギヤ収容部、24…カバー部、29…ウォームホイール軸、30…トーションバー、31…ウォームホイール、32…電動モータ、35…ウォーム、40…ステアリングギヤハウジング、60…雌軸、61…回転伝達用凹部、62…嵌合凹部、70…雄軸、71…回転伝達用凸部、72…嵌合凹部、80…緩衝部材、81…板バネ部、86…弾性材、100…ウォームギヤハウジング、101…出力軸、110…電動モータ
Claims (8)
- ステアリングホイールから伝達される操舵力に、ウォームを介して伝達される電動モータで発生する操舵補助力を加えるウォームホイールと、該ウォームホイールの出力を転舵輪側に伝達する出力軸とを備えた電動パワーステアリング装置であって、
前記ウォームホイールの回転軸と前記出力軸とを分割して互いに揺動可能に嵌合させたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 前記ウォームホイールの回転軸は前記ステアリングホイールを装着するステアリングシャフトに連結されていることを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
- ピニオンと該ピニオンに噛合するラックとを有するステアリングギヤ機構を有し、前記出力軸は前記ピニオンの軸であることを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記ウォームホイールの軸及び前記出力軸の何れか一方が雄軸とされ、他方が前記雄軸に嵌合する雌軸とされ、前記雄軸に軸方向の端部へ行くに従い幅狭となる凸部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記ウォームホイールの軸及び前記出力軸の何れか一方が雄軸とされ、他方が前記雄軸に嵌合する雌軸とされ、前記雄軸及び雌軸の嵌合部に弾性体が介装されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
- ステアリングホイールの操舵力がウォームホイールを介して伝達されるピニオン及びピニオンに噛合するラックを有するステアリングギヤ機構と、前記ウォームホイールにウォームを介して操舵補助力を伝達する電動モータとを備えた電動パワーステアリング装置であって、
前記ウォームホイールの軸と前記ピニオンの軸とを分割して互いに揺動可能に嵌合させたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 前記ウォームホイールの軸及び前記ピニオンの軸の何れか一方が雄軸とされ、他方が前記雄軸に嵌合する雌軸とされ、前記雄軸に外周端部に行くに従い幅狭となる凸部が形成されていることを特徴とする請求項6に記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記ウォームホイールの軸及び前記ピニオンの軸の何れか一方が雄軸とされ、他方が前記雄軸に嵌合する雌軸とされ、前記雄軸及び雌軸の嵌合部に弾性体が介装されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の電動パワーステアリング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007062854A JP2008222015A (ja) | 2007-03-13 | 2007-03-13 | 電動パワーステアリング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2007062854A JP2008222015A (ja) | 2007-03-13 | 2007-03-13 | 電動パワーステアリング装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2008222015A true JP2008222015A (ja) | 2008-09-25 |
Family
ID=39841124
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JP2007062854A Pending JP2008222015A (ja) | 2007-03-13 | 2007-03-13 | 電動パワーステアリング装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010137817A (ja) * | 2008-12-15 | 2010-06-24 | Jtekt Corp | 電動パワーステアリング装置 |
JP2016007984A (ja) * | 2014-06-25 | 2016-01-18 | Kyb株式会社 | 電動パワーステアリング装置 |
-
2007
- 2007-03-13 JP JP2007062854A patent/JP2008222015A/ja active Pending
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