JP2008218920A - 導電性高分子固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高耐電圧でインピーダンス特性にも優れた導電性高分子固体電解コンデンサの製造方法を提供する。
【解決手段】イオン液体と導電性高分子とを含有する電解質を、陽極金属と誘電体からなる陽極、および陰極で挟持する電解コンデンサの製造方法であって、前記誘電体層にイオン液体を含有する液体を接触させる工程と、イオン液体を含有する導電性高分子のモノマーを重合させる電解質を形成する工程とを含むことにより、所望の耐電圧とインピーダンス特性を有する導電性高分子固体電解コンデンサを製造することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、耐電圧特性およびインピーダンス特性に優れる導電性高分子固体電解コンデンサの製造方法に関する。
近年、導電性高分子を電解質として用いた導電性高分子固体電解コンデンサは、その優れたインピーダンス特性により市場を拡大しつつある。
電解コンデンサは一般にアルミニウム、タンタル、ニオブ等の弁金属を陽極金属とし、その表面に形成された酸化皮膜を誘電体膜とし、さらに誘電体膜上に形成された電解質層を挟んで陰極を形成した構成となっている。この導電性高分子固体電解コンデンサにおける電解質には二つの重要な作用がある。一つは極めて薄い酸化皮膜を保護・修復する作用であり、他の一つは陽極上の誘電体から静電容量を引き出す役目の事実上の陰極としての作用である。
導電性高分子固体電解コンデンサは、典型的には、固体であるポリピロールあるいはポリチオフェン誘導体等の導電性高分子を電解質として用いたものである。これらの導電性高分子は、通常の液体を電解質として用いた電解コンデンサと比べてその電気伝導度(すなわち電子伝導性)がはるかに高いため、該導電性高分子を電解質とするコンデンサでは内部インピーダンスを低減することができ、特に高周波回路用コンデンサとして優れた特性を発揮する。
しかしながら、導電性高分子は本質的にイオン伝導性は有していないので、電解コンデンサの酸化皮膜の修復性(すなわち陽極酸化作用)の点では、従来の電解液を用いたコンデンサに比較して劣るものであった。この結果、電解コンデンサにおいては高耐電圧のコンデンサを作ることができない、という欠点があった。具体的には、通常アルミニウムを陽極として用いた電解コンデンサでは、たとえば40V化成を行なった場合、実使用上の電圧は16V程度であり、タンタルを用いた電解コンデンサでは、たとえば24V化成を行なった場合、実使用上の電圧は12V程度である。ここで、40V化成とは、弁金属表面に誘電体の酸化皮膜を形成する際に印加する直流電圧が40Vであることを意味し、理想的には40Vの耐電圧を有するコンデンサが得られるはずである。化成電圧を大きくして実使用上の耐電圧を上げることは原理的には可能であるが、その場合には化成電圧が高くなるに従ってコンデンサ容量が小さくなり、さらに化成電圧を高くしても実使用上の耐電圧はそれに比例して上昇しないという問題がある。
典型的な電解コンデンサには、アルミニウムを陽極金属としたアルミ電解コンデンサと、タンタルを陽極金属としたタンタル電解コンデンサとがある。タンタル電解コンデンサには、通常、タンタル粉末を焼結して得られる多孔性電極をもちいることが多い。一方、アルミ電解コンデンサにはチップ型コンデンサと捲回型コンデンサとの二種類がある。
チップ型電解コンデンサの製造においては、陽極箔上に電解重合法または化学重合法により導電性高分子電解質を形成した後、カーボンペースト・銀ペーストを塗布し、それらを積層・乾燥してコンデンサ素子を作製する。チップ型の電解コンデンサは上記の様な構成で作製されるため非常にすぐれた周波数特性を有しているが、一方で素子作製技術が極めて困難で不良率が高いのが欠点である。
一方、捲回型電解コンデンサは、表面に誘電体酸化皮膜を形成した、アルミ等の弁金属から形成される陽極箔と、陰極箔と、さらに該陰極箔と該陽極箔との間に設けられたセパレ−タと、からなる。コンデンサの作製は、これらを捲回した後に、導電性高分子のモノマーを含浸、重合して電解質を形成することによって行なう。
セパレータは連通多孔質基材から構成され、合成高分子またはセルロース繊維からなる連通多孔質基材、ガラス繊維からなる連通多孔質基材または不織布等が挙げられる。上記の合成高分子としては、たとえば、ポリオレフィン、ポリエステル、ナイロン、ポリアミド、ポリイミド、フッ素化ポリオレフィン等が挙げられる。また、上記のセルロース繊維としては、再生セルロース繊維として、ビスコースレーヨン、キュプラレーヨン等、また非木材パルプ繊維として、マニラ麻、紅麻、サイザル麻、エスパルト草等、さらに木材パルプ繊維として、針葉樹パルプ繊維、広葉樹パルプ繊維等、が挙げられる。上記のうち、ポリオレフィンおよびセルロース繊維は特に好ましく用いられる。
セパレータは捲回型コンデンサのショートを防止するために不可欠であるが、コンデンサのインピーダンス特性を悪くするという問題がある。すなわち、捲回型の電解コンデンサは大容量化には有利であるが高周波特性には劣る物となる。
以上のように、電解コンデンサには代表的な二種類の構造があるが、いずれの構造においても耐電圧が大きくできないという課題が存在していた。
この様な問題点を解決するために、本発明者らはイオン液体と導電性高分子とからなる電解質をすでに開発した(特許文献1)。これはイオン液体がすぐれた弁金属の陽極酸化作用を有し、たとえばアルミニウムの酸化膜の欠陥を修復できることを発見して成されたもので、この発明により高耐電圧の電解コンデンサが実現できた。しかしながら、多くのイオン液体は優れたイオン伝導性を有しているものの電子伝導性は有していないため、高耐電圧のコンデンサを実現するために多量のイオン液体を加えた場合にはコンデンサのインピーダンス特性が悪くなるという問題がある。
また、イオン液体の量が少ない場合には良好なインピーダンス特性が得られるが、肝心の耐電圧特性は期待する程度には向上しない。すなわちイオン液体と導電性高分子とからなる電解質では、良好な耐電圧特性と良好な電気特性とをいかにして両立するかということが大きな課題であった。
電極箔をあらかじめイオン液体に含浸させて、しかる後に化学重合法や電解重合法で電解質を形成する方法も開示されている(特許文献2)。しかし、この方法では、静電容量および容量含浸率が向上することは、記載されているが、良好な耐電圧特性が得られるということは記載されていない。複数のイオン液体や、複数の添加方法を用いることによってのみこれらの特性を両立させることができると考えられる。
国際公開第2005/012599号パンフレット 特開2006−24708号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は高耐電圧でインピーダンス特性にも優れた電解コンデンサの製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記導電性高分子固体コンデンサの電解質にイオン液体を添加する検討を鋭意実施した結果、イオン液体の種類によって耐電圧を高める効果が異なること、特定のイオン液体を少量添加することでインピーダンス特性が向上すること、インピーダンス特性の向上効果もイオン液体の種類によって異なること、さらに電解質へのイオン液体の添加方法によってもこれらの効果が異なることを見出した。
これらの結果、1種類のイオン液体を用いた場合や、ひとつの添加方法のみを用いた場合には、充分な高耐電圧性能とインピーダンス特性を有するコンデンサの電解質を得ることが困難であるが、2種類以上のそれぞれの特性パラメータに対する効果の異なるイオン液体の組合せを用いることや、複数の添加方法を活用することで上記課題を解決できることを発見し本発明を成すに至った。とくに複数のイオン液体と複数の添加方法を組合せることで、上記課題を最も有効に解決することができる。ここで複数の添加方法とは、導電性高分子を形成する前に、誘電体を予めイオン液体を添加した液体に接触させる方法と、導電性高分子を形成する工程でイオン液体を添加する方法を示している。
すなわち、本発明は、電解質層と、該電解質層を挟んで対向するように配置される陽極および陰極とを少なくとも備える電解コンデンサの製造方法であって、該陽極は、陽極金属と誘電体膜とからなり、該誘電体膜を、イオン液体を含む液体に接触させた後、該電解質層を誘電体膜に接して形成し、該電解質層の少なくとも一部はイオン液体と導電性高分子とを含有してなる電解コンデンサの製造方法に関する。
本発明の電解コンデンサの製造方法においては、電解質層が誘電体膜の表面の全域を覆うように形成されることが好ましい。本発明の対象となる電解コンデンサにおいては、上記の電解質の少なくとも一部が、イオン液体と導電性高分子とを含む複合体として形成されている。
本発明の電解コンデンサにおいては、イオン液体のカチオン成分は、イミダゾリウムカチオン、ピリジニウムカチオン、ピロリジウムカチオン、アンモニウムカチオン、トリアジン誘導体カチオンから選択される少なくともいずれかからなることが好ましいが本発明はこれに限定されるものではない。本発明の効果は、おもにイオン液体のアニオン成分によって支配されることが多く、あまりカチオンの種類の影響を受けない。ただし、塩として存在するイオン液体が特定の環境下で固体となるカチオンを選定することは好ましくない。
本発明の電解コンデンサの製造方法においては、イオン液体のアニオン成分が、ROSO 、RSO 、ROOSO 、RCOOSO 、ROCOOSO 、RCOO、BF 、PF 、FCSO 、N(SOCF (但し、式中、Rは置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基を表す。さらにRはフッ素原子を含む脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基であってもよい。)から選択される少なくともいずれかからなることが好ましい。
特に、前記電解質層を形成する電解質層形成工程で用いられるイオン液体のアニオン成分が、ROSO 、RSO 、ROOSO 、RCOOSO 、ROCOOSO から選択される少なくともいずれかからなることが好ましい。
本発明の対象とする電解コンデンサにおいては、導電性高分子が、ポリチオフェンまたはその誘導体、ポリピロールまたはその誘導体、ポリアニリンまたはその誘導体、ポリキノンまたはその誘導体から選ばれる少なくともいずれかからなることが好ましい。
また、該導電性高分子が、ポリ−(2,3−ジヒドロチエノ−[3,4−b]−1,4ジオキシン)(PEDOT)またはポリピロールからなることが好ましい。
本発明はまた、上記の電解コンデンサを得るための製造方法であって、陽極金属と誘電体膜とからなる陽極を形成する陽極形成工程、形成した陽極表面と液体を接触させる陽極表面処理工程、その誘電体膜に電解質層を形成する電解質層形成工程、および、電解質層の表面に陰極を形成する陰極形成工程から成る。さらに、陽極表面処理工程で接触させる液体がイオン液体を含有しており、電解質層形成工程が、少なくともイオン液体と重合性物質とを含む化学重合用組成物に陽極を浸漬した後、重合性物質を化学重合法により重合させることによって、イオン液体と導電性高分子とを含む複合体を形成する化学重合工程とを含み、化学重合工程は、1回のみ行なわれるか、または、複数回繰り返される、電解コンデンサの製造方法に関する。しかし、複数回の化学重合工程を繰り返す場合には、必ずしも、すべての化学重合工程で用いるすべての化学重合用組成物にイオン液体を含んでいる必要はなく、一部にイオン液体を用いない化学重合組成物を用いることは可能であり、本発明の実施形態のひとつとして挙げることができる。
本発明の電解質層形成工程において用いられる化学重合用組成物に含まれるイオン液体と電解質を形成するために消費されたモノマーのモル比は、0.001:1以上10:1以下とされることが好ましく、さらに好ましくは0.001:1以上0.6:1以下であることが好ましい。
本発明の電解コンデンサの製造方法においては、化学重合工程において得られる導電性高分子が、ポリ−(2,3−ジヒドロチエノ−[3,4−b]−1,4ジオキシン)か、ポリピロールであることが好ましい。前者の場合は、工程が安定で良質の電解質を得やすく、後者の場合は、工程を安定化させれば安価で良質の電解質を得ることができる。
本発明の電解コンデンサの製造方法では、例えばこれらのモノマーの化学重合時にモノマーとともにイオン液体を介在させればよい。重合後に酸化剤などの重合促進剤を除去するための洗浄を行なった後、再度イオン液体に浸漬させることによって、酸化剤の少ない電解コンデンサを製造することもできる。
イオン液体と導電性高分子とを少なくとも含有する電解質を、陽極金属と誘電体からなる陽極、および、陰極で挟持してなる電解コンデンサの製造方法であって、陽極金属上の誘電体層に、イオン液体を含有する液体を接触させた後、イオン液体を含む重合性溶液を用いて電解質層を形成することにより、耐電圧特性およびインピーダンス特性が高度に両立された電解コンデンサを得ることが可能となる。
本発明に係る電解コンデンサは、電解質層と該電解質層を挟んで対向するように配置される陽極および陰極とを少なくとも備え、該陽極は、陽極金属と誘電体膜とからなる。また電解質層はイオン液体と導電性高分子とを少なくとも含有し、該電解質層は誘電体膜に接して形成される。本発明においては、少なくともイオン液体のアニオンが電解質層に含まれる。
電解質に含まれるイオン液体は、コンデンサのインピーダンスを低減させることを目的として導入される。さらにイオン液体のアニオンはコンデンサの耐電圧を向上させることも可能で、本発明の電解コンデンサにおける誘電体膜の修復・保護の役割を良好に発揮する。
前述したとおり、本発明者らの検討結果では、導電性高分子の化学重合の際に特定のイオン液体を介在させると、導電率を向上させる効果が見られる。詳しい原因は不明だが、重合機構と関係して導電性高分子の重合度やモルフォロジー、ドーピングに影響を与えていることが推定される。しかしイオン液体は本質的に電子伝導性を有しないため、電解質層全体のイオン液体の含有率を過剰に高めていくと、該電解質層全体の電子伝導性が低下し電解コンデンサとしての良好なインピーダンス特性を得ることが困難となる。このため、良好なインピーダンス特性を示す導電性高分子電解質へのイオン液体添加量には適正値が存在する。この値は、イオン液体の種類、特にアニオンの種類に依存する。従って、導入するイオン液体を一種類のみに限定するならば、なるべく少量でインピーダンス低減効果のあるイオン液体を選定することが望ましい。
一方、コンデンサの耐電圧に注目すると、電解質中にイオン液体を導入することにより、電解コンデンサにおける誘電体膜の修復・保護作用の効果が見られ、コンデンサの耐電圧が向上することは、前に述べたとおりである。また、この耐電圧向上の効果もイオン液体の種類、特にアニオンの種類に依存する。さらに、耐電圧についてはイオン液体の導入量を増すに従って向上する傾向が見られるが、自己支持性等の強度の問題があり極端な量を導入することはできない。さらに前述したインピーダンスの低下が見られる量の導入は素子特性上好ましくないことは自明のとおりである。従って、導入するイオン液体を一種類のみに限定するならば、なるべく少量で耐電圧向上の効果があるイオン液体を選定し、インピーダンスに悪影響のない量を導入することが望ましい。
本発明者らの検討結果では、コンデンサの耐電圧向上効果は、イオン液体のアニオン種に依存する傾向が大きいことがわかっている。これは、誘電体層の欠陥修復や、陽極酸化に対して、アニオンの影響が大きいことによるものと考えられる。しかし、アニオン種が同じでも、これらの効果が異なる現象が見られる。具体的には、イオン液体ではなく個体塩を導入した場合、アニオン種が同じでも耐電圧の向上効果は低下する。イオン液体と同等の効果を期待するためにはさらに多くのアニオンが必要になる。
例えば、導電性高分子の重合反応を担う重合促進剤として鉄塩を用いることが多いが、そのアニオン種が同じでも重合促進剤の添加による耐電圧向上の効果はイオン液体と比較してはるかに小さい。これは、電解質中にアニオンが個体塩として存在するためだと推定される。このことは、イオン液体がコンデンサの動作温度に於いて液体状態で存在することが好ましいことを示している。また、液体から個体、個体から液体の相転移を繰り返すと、しだいにコンデンサの漏れ電流が大きくなる場合があり、使用状態や輸送・保管過程で相転移を起こすイオン液体は好ましくない。電解質に含まれるアニオンの供給原材料であるイオン液体が25℃以上、好ましくは0℃以上、さらに好ましくは‐40℃以上で液体の塩であることが本発明の導電性高分子固体電解コンデンサを得るために望まれる。
本発明者らは、このような導電性高分子固体コンデンサの電解質への適用の効果を利用して、少なくとも2種類以上のアニオンを含むイオン液体を導電性高分子電解質層へ導入することにより、耐電圧とインピーダンスの両立がある程度可能であることを発見した。さらに有効な手段として、本発明者らは、イオン液体の導入方法を考案し、その組合せによってこれらのコンデンサ特性が著しく向上できることを発見し、本発明を完成させるに至った。イオン液体の導入方法は、導電性高分子を形成させる前に誘電体をイオン液体に浸漬する方法、導電性高分子のモノマーや酸化剤などの重合促進剤に混入させる方法、重合後浸漬する方法、あるいはそれらの組合せ、および繰り返しが可能である。本発明に於いては、前二者すなわち導電性高分子を形成させる前に誘電体をイオン液体に浸漬する方法と化学重合時の導電性高分子のモノマーや酸化剤などの重合促進剤に混入させる方法を組合せることで実施することができる。
本発明の基本形態は、陽極金属と誘電体膜とからなる陽極を形成する陽極形成工程、形成した陽極表面と液体を接触させる陽極表面処理工程、その誘電体膜に電解質層を形成する電解質層形成工程、および、電解質層の表面に陰極を形成する陰極形成工程から成る。陽極表面と接触させる液体にイオン液体が含有されていればよい。さらに電解質形成工程に用いられる化学重合組成物の少なくとも一部にイオン液体が含有されていることが必要である。
特に効果的なのは陽極表面処理工程に用いるイオン液体に耐電圧向上効果の高いイオン液体を用いて、電解質層形成工程にインピーダンス低減効果の高いイオン液体を用いることであるが、場合によってはこの二つのイオン液体は同じ物であってもよい。
電解質層形成工程で用いる化学重合用組成物は、複数回工程を繰り返す場合は、つねに同じ組成物である必要はなく、一部にイオン液体を含まない化学重合用組成物を用いることも可能である。また、重合促進剤などの不要成分を除くために電解質層形成工程中、あるいは、工程後に水等で洗浄することも可能であり、さらに、その後にイオン液体を含む液体に接触させて再度イオン液体を導入することも可能である。
さらに、イオン液体の濃度が異なる電解質層を積層することも可能である。例えば、導電性高分子のモノマーや、酸化剤などの重合促進剤にイオン液体を混入させる方法で、イオン液体の濃度を変えて複数回重合を行なえば、所望のイオン液体の濃度分布を持たせた電解質層を形成することができる。本発明の対象となる電解コンデンサの電解質層においては、導電性高分子の全部がイオン液体と導電性高分子とを含む複合体として形成されていても良く、また該導電性高分子の一部のみが該複合体として形成され、残りの部分が導電性高分子単独で形成されていてもよい。
<イオン液体>
本発明において用いられるイオン液体は、イオンのみから構成されているにもかかわらず常温近傍で液体であるものを指し、イミダゾリウム等のカチオンと適当なアニオンとの組合せで構成される。本発明においては、電解質層の形成時に、該イオン液体を、重合促進剤、水、有機溶媒等の溶媒、等と共存させて使用することを可能とする観点から、用いる溶媒によって、親水性、及び、親油性のイオン液体を使い分けて用いることが好ましい。
本発明において好適に用いられるイオン液体を構成するカチオン成分としては、たとえばイミダゾリウムカチオン、ピリジニウムカチオン、ピロリジウムカチオン、アンモニウムカチオン、トリアジン誘導体カチオン等を例示することができる。中でもイミダゾリウムカチオンは取り扱いのし易さの観点から好ましく用いられる。
イオン液体を構成するアニオン成分としては、ROSO 、RSO 、ROOSO 、RCOOSO 、ROCOOSO 、RCOO、BF 、PF 、FCSO 、N(SOCF 等を例示することができるが、これに限定されるものではない。ここで、Rは置換基、特に脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基を示す。Rはフッ素原子を含む置換基であってもよい。さらにRはそれ自身が置換基を有していてもよい。中でも、スルホン酸アニオン(−SO )、硫酸アニオン(−SO 2−)、BF を含むアニオンを有するイオン液体は誘電体膜に対する修復能力が高い点で本発明の目的にとって特に好ましい。
本発明に好ましく用いられるイオン液体として、具体的には、メチル・エチルイミダゾリウムp−トルエンスルホン酸、ブチル・メチルイミダゾリウムp−トルエンスルホン酸、エチル・メチルイミダゾリウム−BF、ブチル・メチルイミダゾリウム−BF、ブチル・エチルイミダゾリウム−FCSONSOCF 、エチル・メチルイミダゾリウム−FCSONSOCF 等が挙げられる。しかしながら、本発明にとって好ましいイオン液体はこれらに限定されるものではない。
<導電性高分子>
本発明における電解質層に含まれる導電性高分子としては、導電性が高く、耐熱性等の安定性に優れることから、たとえば、ポリチオフェンまたはその誘導体、ポリピロールまたはその誘導体、ポリアニリンまたはその誘導体、ポリキノンまたはその誘導体から選ばれる少なくともいずれかが特に好ましく用いられる。
たとえば、ポリチオフェンの誘導体としては、1,4−ジオキシチオフェンモノマーから合成されるポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)や、3−メチルチオフェンモノマーから合成されるポリアルキルチオフェン等を挙げることができる。PEDOTは電子伝導性の観点から本発明の目的には特に好ましいが、これらに限定されるものではない。
ポリピロールの誘導体としては、ピロール骨格を有し、水酸基、カルボキシル基、アルキル基等の置換基を持つもの等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
ポリアニリンの誘導体としては、ポリアニリン骨格にアルキル基、シアノ基、スルホン基、カルボキシル基を有するもの等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
ポリキノンの誘導体としては、置換基を有するベンゾキノンモノマーから合成されるポリベンゾキノン誘導体や、置換基を有するナフトキノンモノマーから合成されるポリナフトキノン誘導体や、置換基を有するアントラキノンモノマーから合成されるポリアントラキノン誘導体等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
特に、ポリ−(2,3−ジヒドロチエノ−[3,4−b]−1,4ジオキシン)またはポリピロールからなる導電性高分子は、導電性、耐熱性の点で好ましく用いられる。
なお、本発明においては、前述のイオン液体と導電性高分子との組合せとして、たとえば、イミダゾリウムカチオンおよびスルホン酸アニオン(−SO )からなるイオン液体とポリピロールとの組合せが好ましく例示できる。該組合せは、イオン液体の誘電体膜に対する修復能力が高く、一方で導電性高分子の電気伝導度が高いために、優れた耐電圧特性およびインピーダンス特性を持つ電解コンデンサが実現できる点で好ましい。
<電解コンデンサ>
本発明の対象となる電解コンデンサは、少なくとも一部にイオン液体と導電性高分子が共存する電解質層を用いて形成され、電解質層と、該電解質層を挟んで対向するように配置される陽極および陰極とを少なくとも備える。本発明の電解コンデンサは、チップ型、捲回型のいずれにも形成され得る。チップ型の電解コンデンサは、典型的には、表面に誘電体膜が形成された陽極金属からなる陽極の該誘電体膜の上に、電解質層、陰極がこの順で積層されたコンデンサ素子と、該コンデンサ素子と電気的に接続された接続端子とを備える構成とされる。一方、捲回型の電解コンデンサは、典型的には、径方向内側から、表面に誘電体膜が形成された陽極金属からなる陽極の該誘電体膜の上に電解質層、セパレータ、陰極、セパレータがこの順で配置されるように積層、捲回されたコンデンサ素子と、該コンデンサ素子と電気的に接続された接続端子とを備える構成とされる。なおセパレータにおいては、通常、たとえばポリオレフィンやセルロース繊維等からなるセパレータ材料と導電性高分子とが複合化されている。
本発明の電解コンデンサの陽極としては、電解コンデンサにおいて従来公知のものが好ましく使用でき、たとえば陽極金属として、アルミニウム等の電極箔の表面にエッチングを施してエッチング孔を形成したものや、タンタル等からなる粉体電極を用い、該陽極金属の表面に陽極酸化等の方法によって形成された酸化皮膜からなる誘電体膜を組合せることにより、陽極金属と誘電体膜とからなる陽極を形成できる。上記の陽極酸化は、陽極金属をたとえばアジピン酸アンモニウム水溶液等に浸漬して化成電圧を印加することにより行なうことができる。
陰極としてはたとえばカーボンペーストおよび銀ペースト等が従来公知の方法で形成され得る。陽極および陰極はそれぞれ端子に接続される。このようにして陽極と電解質膜と陰極とを少なくとも備える電解コンデンサが形成され得る。
以下、本発明の電解コンデンサの典型的な製造方法の例について説明する。本発明の電解コンデンサにおいて特に言及していないコンデンサの構成要素については特に制限されるものではなく、従来公知のものを適宜適用することができる。なお以下においてはエッチング孔を設けた陽極を用い、チップ型の電解コンデンサを形成する場合を例に説明するが、本発明はこれに限定されない。
<電解コンデンサの製造>
本実施の形態においては、化学重合工程によって電解質層の形成を行なう場合について説明する。本実施の形態における電解コンデンサの製造方法は、陽極金属と誘電体膜とからなる陽極を形成する陽極形成工程と、形成した陽極表面とイオン液体を含む液体を接触させる陽極表面処理工程と、誘電体膜に接して電解質層を形成する電解質層形成工程と、電解質層の表面に陰極を形成する陰極形成工程とを含む。該電解質層形成工程は、イオン液体と重合性物質とを少なくとも含む化学重合用組成物に陽極を浸漬した後、重合性物質を化学重合法により重合させることによって、イオン液体と導電性高分子とを含む複合体を形成する化学重合工程からなる。化学重合工程は、1回のみ行なわれるか、または、複数回繰り返すことができる。また、該化学重合工程は、化学重合用組成物におけるイオン液体と重合性物質との質量比を変えながら複数回繰り返すこともできる。
(陽極形成工程)
電解コンデンサの陽極は、たとえばアルミニウム箔等の陽極金属の表面をエッチングしてエッチング孔を形成した後、陽極酸化による酸化皮膜からなる誘電体膜を形成して作製する。陽極酸化は、陽極金属をアジピン酸ナトリウム水溶液等の重合促進剤に浸漬し、所定の化成電圧を印加して行なう方法等、従来公知の方法で行なうことができる。
(陽極表面処理工程)イオン液体浸漬工程
次に、上記陽極形成工程で形成した誘電体表面にイオン液体を含む液体を接触させて表面にイオン液体の薄膜を形成する。具体的な例としては、イオン液体を含む液体に浸漬することや霧状の液体を噴霧することがあげられる。液体はイオン液体そのものでもよいし、アルコールなどの揮発性の溶媒にイオン液体を溶解させたものでもよい。イオン液体は複数の混合物であってもよいし、単体であってもよい。また、液体への接触時、あるいは、接触後に雰囲気を減圧にすることで気泡などによる接触阻害を回避することができ、微細部にイオン液体を充填することもできる。
液体への浸漬後、加熱し、揮発成分を除去することができる。イオン液体は、不揮発性であるため加熱後も誘電体表面に残存する。イオン液体の種類は、目的によって異なる。後述する電解質層形成工程で用いるイオン液体と同じ物であってもよいし、同じ物を含んでいてもよい。耐電圧の向上効果の高いイオン液体を用いることが効果的である。
なお、特殊な本工程の実施形態として、イオン液体を含む電解液中で陽極酸化および/または修復化成を行なうことが考えられる。誘電体上にイオン液体を接触させるこのような工程後に、イオン液体と導電性高分子を含む電解質を形成させることで本発明を実施することも可能となる。
(電解質層形成工程)化学重合工程
次に、上記でイオン液体を付着させた陽極を、イオン液体と重合性物質とを少なくとも含む化学重合用組成物に浸漬し、引き上げた後、該重合性物質を化学重合法により重合させ、イオン液体と導電性高分子とを含む複合体を形成する(化学重合工程)。
化学重合用組成物に配合するイオン液体としては、前述したような本発明において好適に用いられる種々のイオン液体が使用できる。イオン液体としては、前述のイオン液体浸漬工程において用いられたものと同じ種類のイオン液体を用いても良く、また異なる種類のイオン液体を用いてもよい。化学重合用組成物に溶媒が配合される場合には、該溶媒と相溶するイオン液体を用いることが好ましい。この場合、より均一な構造の電解質層を形成することができる。
重合性物質としては、電解質層における目的の導電性高分子を与える原料モノマー、原料オリゴマー等が例示できる。たとえば、電解質層に含有される導電性高分子としてポリチオフェンを与えるモノマーとしては、1,4−ジオキシチオフェンモノマー、チオフェンモノマー、3−ヘキシルチオフェンモノマー、3−オクチルチオフェンモノマー、3−ブチルチオフェンモノマー、3−シクロヘキシルチオフェンモノマー等が例示できる。また、化学重合法で好ましく形成される導電性高分子を与える原料モノマーとしては、ピロールモノマー、アニリンモノマー、1,4−フェニレンビニレンモノマー等を例示できる。
化学重合法におけるイオン液体と原料モノマーとの好ましい組合せとしては、たとえば、イミダゾリウムカチオンおよびスルホン酸アニオンからなるイオン液体、同じくイミダゾリウムカチオンおよびテトラフルオロボレートアニオンからなるイオン液体と1,4−ジオキシチオフェンモノマーとの組合せが例示できる。該組合せは、1種類のイオン液体と導電性高分子からなる電解質よりも誘電体膜に対する修復能力が高く、一方で重合によって得られるポリチオフェンの電気伝導度が高いので、優れた耐電圧特性およびインピーダンス特性を持つ電解コンデンサが実現できる点で好ましい。
化学重合用組成物には、溶媒を含有させることが好ましく、この場合化学重合をより均一に進行させることができる。溶媒としては、特に制限されるものではないが、たとえば、水、ブタノール、エタノール、メタノール、アセトン等を挙げることができる。
化学重合用組成物におけるイオン液体のモル数(N), (N)と重合性物質のモル数(B)との好ましいモル比(N/B)および(N/B)は、1/100〜10/1の範囲内であり、より好ましいモル比は1/100〜0.6/1の範囲内である。上記のモル比(N/B)および(N/B)で1/100よりもイオン液体が少ない場合、耐電圧向上効果が小さくなる傾向がある。一方、上記のモル比(N/B)および(N/B)で10/1よりもイオン液体が多い場合、過剰なイオン液体の存在により電解コンデンサにおける電解質層の電気伝導度が低下し、得られる電解コンデンサのインピーダンス特性が低下する傾向がある。
なお、ここで示した好ましい範囲とは、化学重合用組成物における組成を示したものであり、実際の電解質層におけるイオン液体の好ましい範囲を示したものではない。化学重合用組成物中に含有されるイオン液体の最適範囲は上記の通りであるが、実際に形成された電解質層中に存在するイオン液体の量は、化学重合用組成物中の比率に比べて少なくなっていると予想される。それは、化学重合した導電性高分子は化学重合工程において用いる溶媒に溶解しないのに対して、イオン液体は該溶媒に通常溶解するため、化学重合工程や洗浄過程等においてイオン液体が抜け出してしまう現象が生じることによる。
化学重合用組成物に含まれる溶媒は、化学重合工程の加熱プロセスにおいて順次蒸発するため、化学重合工程の終了時には、イオン液体と導電性高分子とを含む複合体が形成される。
化学重合用組成物には、イオン液体および重合性物質以外に、重合促進剤や界面活性剤等を含有していてもよい。酸化剤は重合触媒として使用されるが、その例としてパラトルエンスルホン酸第二鉄、ナフタレンスルホン酸第二鉄、n−ブチルナフタレンスルホン酸第二鉄、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸第二鉄等が挙げられる。中でもドーパントとしてのパラトルエンスルホン酸第二鉄を重合促進剤として用いるのが好ましい。
化学重合用組成物における重合性物質と重合促進剤との混合比率は、特に制限されるものではないが、原料モノマー:重合促進剤の混合割合はモル比で、1:0.1〜1:5の範囲内であるのが好ましく、1:0.3〜1:3の範囲内であるのがより好ましい。このような混合比率で化学重合用組成物を調製することで、特に電子伝導性の高い電解質層が得られる。
化学重合用組成物に少量添加すると、添加しない場合よりインピーダンスを低減できるイオン液体が存在する。ただし、添加量が過剰になると逆にインピーダンスが高くなる。従って、インピーダンス特性のみに注目すると適切な添加量が存在し、その量はイオン液体の種類によって異なる。
一方、コンデンサの耐電圧もイオン液体の添加によって向上する。耐電圧は、一般には添加量を増加させるほど高くなる。ただし、液体であるため、大過剰に添加すると電解質そのものの形状を維持できなくなる。耐電圧の向上効果もイオン液体の種類によって異なる。注目すべきは、インピーダンス特性向上の効果と、耐電圧向上の効果が異なるメカニズムによって発現するため、インピーダンス特性を向上させる効果の高いイオン液体が必ずしも耐電圧を向上させる効果が高いとは限らないことである。
また、耐電圧を向上させるイオン液体は、誘電体表面付近の電解質中に存在する場合に効果的に作用すると考えられる。一方、インピーダンス特性を向上させるイオン液体は電解質形成時に作用するため電解質全体に存在することが望ましい。しかも、前述した通り、過剰に存在すると、逆にインピーダンスの増加を招くため少量で存在することが望ましい。
本発明の製造方法によって、電解コンデンサを製造した場合、陽極表面処理工程の効果で誘電体表面付近の電解質中のイオン液体濃度を高めることができ、良好な耐電圧特性を得ることができる。その際、電解質層形成工程で用いる化学重合用組成物のイオン液体濃度を低くしておくと、耐電圧特性と良好なインピーダンス特性を両立させることができる。さらに、有効な手段として、複数のイオン液体を用いることを挙げることができる。すなわち、陽極表面処理工程と、電解質層形成工程で用いるイオン液体を種類の異なるものにすることで効果を高めることができる。この場合には、陽極表面処理工程で耐電圧向上効果の高いイオン液体を用い、電解質層形成工程ではインピーダンス特性向上効果の高いイオン液体を用いることが望ましい。
上述したイオン液体、重合性物質、重合促進剤を含む化学重合用組成物を用いる場合、たとえば導電性高分子がPEDOTの場合では、加熱処理を、20〜140℃、特に20〜120℃の温度で0.5〜10時間行なうのが好ましい。温度が20℃以上である場合、重合反応が良好に進行し、また温度が140℃以下である場合、反応が速く進みすぎることがなく緻密な化学重合層を形成できる。
化学重合工程は、1回のみ行なわれても良く、また、化学重合用組成物におけるイオン液体と重合性物質とのモル比を一定とし、または該モル比を変えながら複数回繰り返されてもよい。特に、工程毎に、化学重合用組成物中のイオン液体の濃度を段階的に低くすることによって、電解質層の陽極側の表面に、イオン液体が高濃度で存在する高イオン伝導性領域を確実に形成し、かつ、電解質層全体でのイオン液体の含有率を低く抑えることができる。これにより、インピーダンス特性および耐電圧特性に優れた電解コンデンサを得ることができる。
(陰極形成工程)
上記のような方法によって電解質層を形成した後、従来公知の方法で、カーボンペースト、銀ペーストの塗布等により陰極を形成する(陰極形成工程)。なお、電解コンデンサの大容量化のため、必要に応じてカーボンペーストや銀ペーストが乾燥する前に、陽極、電解質層、陰極からなる素子を複数積層してコンデンサ素子を形成してもよい。
上記の陰極形成工程の後、陽極および陰極にそれぞれ端子を接続して、本発明の電解コンデンサを得ることができる。
陽極金属がアルミニウムである電解コンデンサでは、たとえば40V化成を行なった場合、イオン液体を用いない通常の化学重合法で電解質層を形成した場合には、コンデンサの破壊電圧はたとえば20V〜35Vの間にばらつき、安全性を考慮した実使用上の電圧はたとえば16V程度となる。これに対して、本実施の形態の方法で電解質層を形成した電解コンデンサでは、コンデンサの耐電圧はたとえば35V〜45Vの狭い範囲で安定して得られ、安全性を考慮しても、従来の電解コンデンサの約2倍の耐電圧、すなわち30Vの実使用耐電圧を得ることが可能となる。しかも、インピーダンス特性はイオン液体なしで作製した電解コンデンサとほぼ同等以上の特性とすることができる。このような傾向は、タンタルを陽極金属に用いた電解コンデンサでも同様に見られる。
(比較例1)
陽極金属としてのアルミニウムエッチド箔(サイズ:4×3.3mm)を、3質量%アジピン酸アンモニウム水溶液に浸漬し、10mV/secの速度で0から40Vまで上げ、つづけて40Vの定電圧を40分間印加して化成処理し、該アルミニウムエッチド箔の表面に酸化皮膜からなる誘電体膜を形成した。これを脱イオン水の流水により10分洗浄してから105℃で5分乾燥を行ない、陽極金属と誘電体膜とからなる陽極を作製した。得られた陽極の液中容量は4.2μFであった。
導電性高分子の原料モノマー、すなわち重合用物質として、PEDOTのモノマー(EDOT)、重合促進剤としてパラトルエンスルホン酸第二鉄、溶媒として1−ブタノールを用い、以下の配合割合で配合して、電解質層の形成に用いる化学重合用組成物を調製した。
・導電性高分子の原料モノマー 1g
・重合促進剤 2g
・溶媒 3g
この化学重合用組成物を、よく乾燥した30cmのビーカーで混合し、次に該化学重合用組成物中に、陽極を浸漬し、引き上げた後、100℃で1時間、さらに140℃で1時間の加熱処理を行なった。浸漬および加熱処理を3回繰り返し、陽極の表面が均一に電解質で覆われる様にした(化学重合工程)。以上により電解質層を形成した。
上記で得られた電解質層の上に、カーボンペースト(日本黒鉛(株)製の「バニーハイトFU」)を塗布、乾燥後、さらに銀ペースト(日本黒鉛(株)製の「エブリオームME」)を塗布乾燥し、陰極を形成した。銀ペーストからリード線を引き出し、端子に接続した。この様にして得られた本発明の電解コンデンサを、20Vで1時間エージングした後、10KHzと100KHzにおけるインピーダンス、および耐電圧(V)を測定した。
なお耐電圧の値は、20mV/秒の速度で電圧を上昇させ、10mAの電流が流れた電圧を耐電圧と定義した。得られた特性を表1に示す。インピーダンス(10KHzおよび100KHz)はそれぞれ2.5Ωと0.4Ω、耐電圧(V)は39.2Vであった。
(比較例2)
化学重合用組成物の配合を以下のとおりとした以外は、比較例1と同様の方法で、陽極箔と電解質を形成し、同様の方法で電解コンデンサを作製し、同様の測定を行なった。なお、配合に含まれるイオン液体Aは、エチルメチルイミダゾリウムパラトルエンスルホン酸(EMImPTSO)である。
・導電性高分子の原料モノマー 1g
・重合促進剤 2g
・溶媒 3g
・イオン液体A 0.141g(モノマーに対するモル比0.1)
得られた特性を表1に示す。インピーダンス(10KHzおよび100KHz)はそれぞれ0.5Ωと0.2Ω、耐電圧(V)は43.8Vであり、比較例1に対して、インピーダンス(10KHzおよび100KHz)は低減し、耐電圧は向上した。
(比較例3)
比較例1と同様の方法で、陽極箔を形成した。然る後、その陽極箔を、EMImPTSOに室温で浸漬した(陽極表面処理工程)。その後、比較例1と同様の方法で、電解質を形成し、同様の方法で電解コンデンサを作製し、同様の測定を行なった。なお、化学重合用組成物の配合には、比較例1と同様にイオン液体は含まれない。
得られた特性を表1に示す。インピーダンス(10KHzおよび100KHz)はそれぞれ2.5Ωと0.4Ω、耐電圧(V)は50.4Vであり、比較例2以上に比較例1に対して耐電圧は向上したが、インピーダンスに関しては大きな改善は認められなかった。
(実施例1)
比較例1と同様の方法で、陽極箔を形成した。然る後、その陽極箔を、EMImPTSOに室温で浸漬した(陽極表面処理工程)。その後、化学重合用組成物の配合を以下のとおりとした以外は、比較例1と同様の方法で、陽極箔と電解質を形成し、同様の方法で電解コンデンサを作製し、同様の測定を行なった。なお、配合に含まれるイオン液体Aは、EMImPTSOである。すなわち、比較例3と同様の陽極表面処理工程と、比較例2と同様の電解質形成工程で電解コンデンサを作製して測定を行なった。
・導電性高分子の原料モノマー 1g
・重合促進剤 2g
・溶媒 3g
・イオン液体A 0.141g(モノマーに対するモル比0.1)
得られた特性を表1に示す。インピーダンス(10KHzおよび100KHz)はそれぞれ0.5Ωと0.2Ω、耐電圧(V)は49.6Vであり、比較例2と同様に、比較例1に対して、インピーダンス(10KHzおよび100KHz)は低減し、耐電圧は比較例2以上に向上した。
(比較例4)
陽極表面処理工程でイオン液体EMImPTSOの代わりにBMImTFSIを用いた以外は、比較例1と同様の方法で、陽極箔と電解質を形成し、同様の方法で電解コンデンサを作製し、同様の測定を行なった。なお、化学重合用組成物の配合には、比較例1と同様にイオン液体は含まれない。
得られた特性を表1に示す。インピーダンス(10KHzおよび100KHz)はそれぞれ2.6Ωと0.6Ω、耐電圧(V)は57.1Vであり、比較例1に対して、インピーダンス(10KHzおよび100KHz)は変わらないものの、耐電圧は大きく向上した。なお、比較例3と比較しても、耐電圧の向上効果は大きく、耐電圧向上の効果は、BMImTFSIがEMImPTSOより高いことがわかる。
(実施例2)
比較例1と同様の方法で、陽極箔を形成した。然る後、その陽極箔を、BMImTFSIに室温で浸漬した(陽極表面処理工程)。その後、化学重合用組成物の配合を以下のとおりとした以外は、比較例1と同様の方法で、陽極箔と電解質を形成し、同様の方法で電解コンデンサを作製し、同様の測定を行なった。なお、配合に含まれるイオン液体Aは、陽極表面処理工程に用いたBMImTFSIである。すなわち、比較例5と同様の陽極表面処理工程と、比較例4と同様の電解質形成工程で電解コンデンサを作製して測定を行なった。これは、イオン液体EMImPTSOの代わりにBMImTFSIを用いて実施例1を実施したことに相当する。
・導電性高分子の原料モノマー 1g
・重合促進剤 2g
・溶媒 3g
・イオン液体A 0.210g(モノマーに対するモル比0.1)
得られた特性を表1に示す。インピーダンス(10KHzおよび100KHz)はそれぞれ1.5Ωと0.2Ω、耐電圧(V)は58.5Vであり、比較例1に対して、インピーダンス(10KHzおよび100KHz)は低減し、耐電圧は比較例4と同等に向上した。
(実施例3)
比較例1と同様の方法で、陽極箔を形成した。然る後、その陽極箔を、BMImTFSIに室温で浸漬した(陽極表面処理工程)。その後、化学重合用組成物の配合を以下のとおりとした以外は、比較例1と同様の方法で、陽極箔と電解質を形成し、同様の方法で電解コンデンサを作製し、同様の測定を行なった。なお、配合に含まれるイオン液体Aは、陽極表面処理工程に用いたEMImPTSOである。すなわち、比較例2と同様の陽極表面処理工程を行なった後EMImPTSOを用いた電解質を形成して電解コンデンサを作製して測定を行なった。これは、陽極表面処理工程にイオン液体BMImTFSIを電解質形成工程にイオン液体EMImPTSOを用いて実施例1または実施例2を実施したことに相当する。
・導電性高分子の原料モノマー 1g
・重合促進剤 2g
・溶媒 3g
・イオン液体A 0.141g(モノマーに対するモル比0.1)
得られた特性を表1に示す。インピーダンス(10KHzおよび100KHz)はそれぞれ0.6Ωと0.2Ω、耐電圧(V)は55.5Vであり、比較例2や実施例1と同様のインピーダンス、および、比較例4や実施例2の耐電圧が同時に実現されたことを意味している。
実施例1〜3、比較例1〜5で得られた電解コンデンサのインピーダンス(10KHzおよび100KHz)と耐電圧(V)の測定結果を表1に示す。
Figure 2008218920
本発明の電解コンデンサにおいては、耐電圧特性およびインピーダンス特性が高度に両立され、該電解コンデンサは、たとえば、電源整流回路、高周波回路、結合回路、各種通信機器等に対して好適に適用され得る。
実施例1で作製した電解コンデンサの電解質層の断面形態を示す図である。
符号の説明
1 陽極金属
2 誘電体膜
3 導電層
4 陰極。

Claims (6)

  1. イオン液体と導電性高分子とを含有する電解質を、陽極金属と誘電体からなる陽極、および陰極で挟持する電解コンデンサの製造方法であって、
    前記誘電体層にイオン液体を含有する液体を接触させる工程と、イオン液体を含有する導電性高分子のモノマーを重合させる電解質を形成する工程とを含む電解コンデンサの製造方法。
  2. 前記陽極金属上の前記誘電体層に、イオン液体を含有する第1の液体に接触させる第1の工程と、前記第1の工程以後に実施される、前記電解質を形成する第2の液体に接触させる第2の工程とを含み、前記第2の液体が、前記導電性高分子のモノマー、および/または、前記モノマーの重合促進剤を含有し、且つ、イオン液体を含有していることを特徴とする請求項1記載の電解コンデンサの製造方法。
  3. 前記第1の液体に含有されるイオン液体の種類が、前記第2の液体に含有されるイオン液体の種類と異なることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電解コンデンサの製造方法。
  4. 前記第2の液体に含有されるイオン液体のアニオン成分が、一般式(1)、および、一般式(2)で表されるイオン液体の群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
    OSO (1)
    SO (2)
    (上記一般式(1)および(2)において、Rは置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基を表す。)
  5. がフッ素原子を含む脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基であることを特徴とする、請求項4記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  6. 前記第1の液体に含有される少なくとも1種のイオン液体のアニオン成分が、前記第2の液体に含有されていないことを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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