JP2008218985A - 導電性高分子固体電解コンデンサ - Google Patents

導電性高分子固体電解コンデンサ Download PDF

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Abstract

【課題】高耐電圧でインピーダンス特性にも優れた電解コンデンサを提供する。
【解決手段】電解質層と、該電解質層を挟んで対向するように配置される陽極および陰極と、を少なくとも備える電解コンデンサであって、該陽極は、陽極金属と誘電体膜とからなり、該電解質層は、少なくとも2種類のイオン液体と導電性高分子とを含有する電解コンデンサに関する。本発明においては、該電解質層が誘電体膜の表面の全域を覆うように形成されることが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、耐電圧特性およびインピ-ダンス特性に優れる導電性高分子固体電解コンデンサに関する。
近年、導電性高分子を電解質として用いた導電性高分子固体電解コンデンサは、その優れたインピ-ダンス特性により市場を拡大しつつある。電解コンデンサは一般にアルミニウム、タンタル、ニオブ等の弁金属を陽極金属とし、その表面に形成された酸化皮膜を誘電体膜とし、さらに誘電体膜上に形成された電解質層を挟んで陰極を形成した構成となっている。この導電性高分子固体電解コンデンサにおける電解質には二つの重要な作用がある。一つは極めて薄い酸化皮膜を保護・修復する作用であり、他の一つは陽極上の誘電体から静電容量を引き出す役目の事実上の陰極としての作用である。導電性高分子固体電解コンデンサは、典型的には、固体であるポリピロ-ルあるいはポリチオフェン誘導体等の導電性高分子を電解質として用いたものである。これらの導電性高分子は、通常の液体を電解質として用いた電解コンデンサと比べてその電気伝導度(すなわち電子伝導性)がはるかに高いため、該導電性高分子を電解質とするコンデンサでは内部インピ-ダンスを低減することができ、特に高周波回路用コンデンサとして優れた特性を発揮する。
しかしながら、導電性高分子は本質的にイオン伝導性を有していないので、電解コンデンサの酸化皮膜の修復性(すなわち陽極酸化作用)の点では、従来の電解液をもちいたコンデンサに比較して劣るものであった。この結果、電解コンデンサにおいては高耐電圧のコンデンサを作ることができない、という欠点があった。具体的には、通常アルミニウムを陽極としてもちいた電解コンデンサでは、たとえば40V化成を行なった場合、実使用上の電圧は16V程度であり、タンタルを用いた電解コンデンサでは、たとえば24V化成を行なった場合、実使用上の電圧は12V程度である。ここで、40V化成とは、弁金属表面に誘電体の酸化皮膜を形成する際に印加する直流電圧が40Vであることを意味し、理想的には40Vの耐電圧を有するコンデンサが得られるはずである。化成電圧を大きくして実使用上の耐電圧を上げることは原理的には可能であるが、その場合には化成電圧が高くなるに従ってコンデンサ容量が小さくなり、さらに化成電圧を高くしても実使用上の耐電圧はそれに比例して上昇しないという問題がある。
典型的な電解コンデンサには、アルミニウムを陽極金属としたアルミ電解コンデンサと、タンタルを陽極金属としたタンタル電解コンデンサとがある。タンタル電解コンデンサには、通常、タンタル粉末を焼結して得られる多孔性電極を用いることが多い。一方、アルミ電解コンデンサにはチップ型コンデンサと捲回型コンデンサとの二種類がある。チップ型電解コンデンサの製造においては、陽極箔上に電解重合法または化学重合法により導電性高分子電解質を形成した後、カーボンペースト・銀ペーストを塗布し、それらを積層・乾燥してコンデンサ素子を作製する。チップ型の電解コンデンサは上記の様な構成で作製されるため非常にすぐれた周波数特性を有しているが、一方で素子作製技術が極めて困難で不良率が高いのが欠点である。一方、捲回型電解コンデンサは、表面に誘電体酸化皮膜を形成した、アルミ等の弁金属から形成される陽極箔と、陰極箔と、さらに該陰極箔と該陽極箔との間に設けられたセパレ−タと、からなる。コンデンサの作製は、これらを捲回した後に、導電性高分子のモノマーを含浸、重合して電解質を形成することによって行なう。
セパレータは連通多孔質基材から構成され、合成高分子またはセルロース繊維からなる連通多孔質基材、ガラス繊維からなる連通多孔質基材または不織布等が挙げられる。上記の合成高分子としては、たとえば、ポリオレフィン、ポリエステル、ナイロン、ポリアミド、ポリイミド、フッ素化ポリオレフィン等が挙げられる。また、上記のセルロース繊維としては、再生セルロース繊維として、ビスコースレーヨン、キュプラレーヨン等、また非木材パルプ繊維として、マニラ麻、紅麻、サイザル麻、エスパルト草等、さらに木材パルプ繊維として、針葉樹パルプ繊維、広葉樹パルプ繊維等、が挙げられる。上記のうち、ポリオレフィンおよびセルロース繊維は特に好ましく用いられる。セパレータは捲回型コンデンサのショートを防止するために不可欠であるが、コンデンサのインピーダンス特性を悪くするという問題がある。すなわち、捲回型の電解コンデンサは大容量化には有利であるが高周波特性には劣る物となる。
以上のように、導電性高分子電解コンデンサには代表的な二種類の構造があるが、いずれの構造においても、高周波特性を維持しつつ、誘電体層を厚くすることによる静電容量の低下を招くことなく、高い耐電圧を得る、という大きな課題が存在していたこの様な課題を解決するために、本発明者らはイオン液体と導電性高分子とからなる電解質をすでに開発した(特許文献1)。これはイオン液体がすぐれた弁金属の陽極酸化作用を有し、たとえばアルミニウムの酸化膜の欠陥を修復できることを発見して成されたもので、この発明により高耐電圧の電解コンデンサが実現できた。しかしながら、多くのイオン液体は優れたイオン伝導性を有しているものの電子伝導性は有していないため、高耐電圧のコンデンサを実現するために多量のイオン液体を加えた場合にはコンデンサのインピーダンス特性が悪くなるという問題がある。また、イオン液体の量が少ない場合には良好なインピーダンス特性が得られるが、肝心の耐電圧特性は多量のイオン液体を加えた場合のようには向上しない。すなわちイオン液体と導電性高分子とからなる電解質で、良好な耐電圧特性と良好なインピーダンス特性というトレードオフの関係にある特性をいかにして両立するかということが大きな課題であった。
一方、電極箔をあらかじめイオン液体に含浸させて、しかる後に化学重合法や電解重合法で電解質を形成する方法も開示されている(特許文献2)。しかし、この方法では静電容量および容量含浸率が向上することは記載されているが、良好な耐電圧特性を実現できることについての記載はない。
国際公開第2005/012599号パンフレット 特開2006−24708号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は高耐電圧でインピーダンス特性にも優れた電解コンデンサを提供することである。
本発明者らは、上記導電性高分子固体コンデンサの電解質にイオン液体を添加する検討を鋭意実施した結果、イオン液体の種類によって耐電圧を高める効果が異なること、特定のイオン液体を少量添加することでインピーダンス特性が向上すること、インピーダンス特性の向上効果もイオン液体の種類によって異なることを見出した。
これらの結果、1種類のみのイオン液体を用いた場合には、イオン液体の添加量や添加方法の最適化のみでは、高耐電圧を有し、インピーダンス特性を有するコンデンサの電解質を得ることが困難であり、2種類以上のそれぞれの特性パラメータに対する効果の異なるイオン液体を組合せることによって上記課題を解決できることを発見し本発明を成すに至った。
すなわち、本発明は、電解質層と、該電解質層を挟んで対向するように配置される陽極および陰極と、を少なくとも備える電解コンデンサであって、該陽極は、陽極金属と誘電体膜とからなり、該電解質層は、誘電体膜に接して形成され、少なくとも2種類以上のアニオンの異なるイオン液体と導電性高分子とを含有してなる電解コンデンサに関する。
本発明の電解コンデンサにおいては、高イオン伝導性領域が誘電体膜の表面の全域を覆うように形成されることが好ましい。
本発明の電解コンデンサにおいては、上記の導電性高分子が、イオン液体と導電性高分子とを含む複合体として形成され、かつ、上記の高イオン伝導性領域が、イオン液体および/または該複合体からなることが好ましい。
本発明の電解コンデンサにおいては、上記の導電性高分子の全部が、イオン液体と導電性高分子とを含む複合体として形成されていることにより、電解質層の全域にイオン液体を存在させることができる。
本発明の電解コンデンサにおいては、イオン液体のカチオン成分が、イミダゾリウムカチオン、ピリジニウムカチオン、ピロリジウムカチオン、アンモニウムカチオン、トリアジン誘導体カチオンから選択される少なくともいずれかからなることが好ましい。
本発明の電解コンデンサにおいては、イオン液体のアニオン成分が、ROSO ,RSO ,ROOSO ,RCOOSO ,ROCOOSO ,RCOO,BF ,PF ,N(SOCF (但し、式中、Rは置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基を表す)から選択される少なくともいずれかからなることが好ましい。
上記のイオン液体は、各々、インピーダンス特性に優れるものと耐圧特性に優れるものがあり、これらを好適に組み合わせて使用することにより、高耐圧低インピーダンスの電解コンデンサが実現される。インピーダンスを低減させることを目的として添加されるイオン液体としては、そのアニオン成分がROSO ,RSO であるものが挙げられるが、ROSO は加水分解により相当するアルコールと硫酸アニオンに分解することがあり、安定性の観点からはRSO が好ましい。
一方、誘電体膜の修復能力に優れる、すなわち耐圧特性に優れるイオン液体としては、そのアニオン成分がRCOO,BF ,PF ,N(SOCF であるものが挙げられ、好ましくはPF ,N(SOCF である。これらを用いることで、特に耐圧特性に優れた電解コンデンサを得ることができる。
高耐圧低インピーダンスの両立のためには、インピーダンス特性に優れる1種以上のイオン液体と耐圧特性に優れる1種以上のイオン液体の組み合わせを用いることが好ましい。用いるイオン液体の種類や配合比は特に限定されるものではなく、望むコンデンサ特性が得られるよう適宜、選択すればよい。
本発明の電解コンデンサにおいては、導電性高分子が、ポリチオフェンまたはその誘導体、ポリピロールまたはその誘導体、ポリアニリンまたはその誘導体、ポリキノンまたはその誘導体から選ばれる少なくともいずれかからなることが好ましい。
また、該導電性高分子が、ポリ−(2,3−ジヒドロチエノ−[3,4−b]−1,4−ジオキシン)(3,4−エチレンジオキシチオフェンともいう)またはポリピロールからなることが好ましい。
本発明はまた、上記の電解コンデンサを得るための製造方法であって、陽極金属と誘電体膜とからなる陽極を形成する陽極形成工程と、誘電体膜に接して電解質層を形成する電解質層形成工程と、電解質層の表面に陰極を形成する陰極形成工程とを含み、電解質層形成工程が、少なくとも2種類以上のイオン液体と重合性物質とを含む化学重合用組成物に陽極を浸漬した後、重合性物質を化学重合法により重合させることによって、イオン液体と導電性高分子とを含む複合体を形成する化学重合工程とを含み、化学重合工程は、1回のみ行なわれ、または、複数回繰り返される、電解コンデンサに関する。本発明において、電解質に含まれるアニオンの供給原材料である2種類以上のイオン液体と電解質を形成するために消費されたモノマーのモル比は、それぞれイオン液体について0.01:1以上10:1以下とされることが好ましく、さらに好ましくは0.01:1以上0.6:1以下であることが好ましい。0.01:1以下ではインピーダンスや耐電圧の向上効果が小さく、0.6:1以上だと逆にインピーダンスが増大してしまう。10:1以上では電解質としての形状を保つ強度が得られない。 本発明の電解コンデンサの製造方法においては、化学重合工程において得られる導電性高分子が、ポリ−(2,3−ジヒドロチエノ−[3,4−b]−1,4−ジオキシン)か、ポリピロールであることが好ましい。前者の場合は、工程が安定で良質の電解質を得やすく、後者の場合は、工程を安定化させれば安価で良質の電解質を得ることができる。
本発明の電解コンデンサは、例えばこれらのモノマーの化学重合時にモノマーとともにイオン液体を介在させればよいし、重合後にイオン液体に浸漬させることによっても製造できる。
イオン液体のカチオン成分は、イミダゾリウムカチオン、ピリジニウムカチオン、ピロリジウムカチオン、アンモニウムカチオン、トリアジン誘導体カチオンから選択される少なくともいずれかからなることが好ましいが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明の効果は、おもにイオン液体のアニオン成分によって支配されることが多く、あまりカチオンの種類の影響を受けない。ただし、塩として存在するイオン液体が特定の環境下で固体となるカチオンを選定することは好ましくない。
本発明の電解コンデンサの製造方法においては、イオン液体のアニオン成分が、ROSO ,RSO ,ROOSO ,RCOOSO ,ROCOOSO ,RCOO,BF ,PF ,N(SOCF (但し、式中、Rは置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基を表す)から選択される少なくとも2種類以上からからなることが好ましい。
本発明によれば、電解質層を構成する導電性高分子に少なくとも2種類以上のアニオンを介在させることにより、耐電圧特性およびインピーダンス特性が高度に両立された電解コンデンサを得ることが可能となる。
本発明に係る電解コンデンサは、電解質層と該電解質層を挟んで対向するように配置される陽極および陰極と、を少なくとも備え、該陽極は、陽極金属と誘電体膜とからなる。また電解質層はイオン液体と導電性高分子とを少なくとも含有し、該電解質層は誘電体膜に接して形成される。本発明においては、少なくとも2種類以上のイオン液体のアニオンが電解質層に含まれる。
電解質に含まれる少なくともイオン液体のアニオンの1種はコンデンサのインピーダンスを低減させることを目的として導入される。さらにもう1種のイオン液体のアニオンはコンデンサの耐電圧を向上させるために導入され、本発明の電解コンデンサにおける誘電体膜の修復・保護の役割を良好に発揮する。
前述したとおり、本発明者らの検討結果では、導電性高分子の化学重合の際に特定のイオン液体を介在させると、導電率を向上させる効果が見られる。詳しい原因は不明だが、重合機構と関係して導電性高分子の重合度やモルフォロジー、ドーピングに影響を与えていることが推定される。しかしイオン液体は本質的に電子伝導性を有しないため、電解質層全体のイオン液体の含有率を高めていくと、該電解質層全体の電子伝導性が低下するために電解コンデンサとしての良好なインピーダンス特性を得ることが困難となる。このため、良好なインピーダンス特性を示す導電性高分子電解質へのイオン液体添加量には適正値が存在する。この値は、イオン液体の種類、特にアニオンの種類に依存する。従って、導入するイオン液体を一種類のみに限定するならば、なるべく少量でインピーダンス低減効果のあるイオン液体を選定することが望ましい。
一方、コンデンサの耐電圧に注目すると、電解質中にイオン液体を導入することにより、電解コンデンサにおける誘電体膜の修復・保護作用の効果が見られ、コンデンサの耐電圧が向上することは、前に述べたとおりである。また、この耐電圧向上の効果もイオン液体の種類、特にアニオンの種類に依存する。さらに、耐電圧についてはイオン液体の導入量を増すに従って向上する傾向が見られるが、自己支持性等の強度の問題があり極端な量を導入することはできない。さらに前述したインピーダンスの低下が見られる量の導入は素子特性上好ましくないことは自明のとおりである。従って、導入するイオン液体を一種類のみに限定するならば、なるべく少量で耐電圧向上の効果があるイオン液体を選定し、インピーダンスに悪影響のない量を導入することが望ましい。
本発明者らの検討結果では、コンデンサの耐電圧向上効果は、イオン液体のアニオン種に依存する傾向が大きいことがわかっている。これは、誘電体層の欠陥修復や、陽極酸化に対して、アニオンの影響が大きいことによるものと考えられる。しかし、アニオン種が同じでも、これらの効果が異なる現象が見られる。具体的には、イオン液体ではなく個体塩を導入した場合、アニオン種が同じでも耐電圧の向上効果は低下する。イオン液体と同等の効果を期待するためにはさらに多くのアニオンが必要になる。
例えば、導電性高分子の重合反応を担う重合促進剤として鉄塩を用いることが多いが、そのアニオン種が同じでも重合促進剤の添加による耐電圧向上の効果はイオン液体と比較してはるかに小さい。これは、電解質中にアニオンが個体塩として存在するためだと推定される。このことは、イオン液体がコンデンサの動作温度に於いて液体状態で存在することが好ましいことを示している。また、液体から個体、個体から液体の相転移を繰り返すと、しだいにコンデンサの漏れ電流が大きくなる場合があり、使用状態や輸送・保管過程で相転移を起こすイオン液体は好ましくない。電解質に含まれるアニオンの供給原材料である2種類以上のイオン液体が25℃以上、好ましくは0℃以上、さらに好ましくは−40℃以上で液体の塩であることが本発明の導電性高分子固体電解コンデンサを得るために望まれる。
本発明では、このような導電性高分子固体コンデンサの電解質への適用の効果を利用して、耐電圧とインピーダンスの両立を図るため、少なくとも2種類以上のアニオンを含むイオン液体を導電性高分子電解質層へ導入する。イオン液体の導入方法は、導電性高分子を形成させる前に誘電体をイオン液体に浸漬する方法、導電性高分子のモノマーや酸化剤などの重合促進剤に混入させる方法、重合後浸漬する方法、あるいはそれらの組合せ、および繰り返しが可能であるが、いずれによっても本発明を実施することができる。さらに、イオン液体の濃度が異なる電解質層を積層することも可能である。例えば、導電性高分子のモノマーや、酸化剤などの重合促進剤にイオン液体を混入させる方法で、イオン液体の濃度を変えて複数回重合を行なえば、所望のイオン液体の濃度分布を持たせた電解質層を形成することができる。
本発明の電解コンデンサの電解質層においては、導電性高分子の全部がイオン液体と導電性高分子とを含む複合体として形成されていても良く、また該導電性高分子の一部のみが該複合体として形成され、残りの部分が導電性高分子単独で形成されていてもよい。
本発明において用いられるイオン液体は、イオンのみから構成されているにもかかわらず常温近傍で液体であるものを指し、イミダゾリウム等のカチオンと適当なアニオンとの組み合わせで構成される。本発明においては、電解質層の形成時に、該イオン液体を、重合促進剤、水や有機溶媒等の溶媒、等と共存させて使用することを可能とする観点から、親水性、親油性のイオン液体を用いることが好ましく、特に、水溶性、油溶性のイオン液体が特に好ましい。
本発明において好適に用いられるイオン液体を構成するカチオン成分としては、たとえばイミダゾリウムカチオン、ピリジニウムカチオン、ピロリジウムカチオン、アンモニウムカチオン、トリアジン誘導体カチオン等を例示することができる。中でもイミダゾリウムカチオンは取り扱いのし易さの観点から好ましく用いられる。
イオン液体を構成するアニオン成分としては、ROSO ,RSO ,ROOSO ,RCOOSO ,ROCOOSO ,RCOO,BF ,PF ,N(SOCF 等を例示することができるが、これに限定されるものではない。
上記のイオン液体は、各々、インピーダンス特性に優れるものと耐圧特性に優れるものがあり、これらを好適に組み合わせて使用することにより、高耐圧低インピーダンスの電解コンデンサが実現される。インピーダンスを低減させることを目的として添加されるイオン液体としては、そのアニオン成分がROSO ,RSO であるものが挙げられるが、ROSO は加水分解により相当するアルコールと硫酸アニオンに分解することがあり、安定性の観点からはRSO が好ましい。前記のようにRは置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基を表すが、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ter−ブチル基などの炭化水素基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基などのフルオロアルキル基が挙げられ、特に優れたインピーダンス特性を付与するためにはフルオロアルキル基が好ましく、トリフルオロメチル基が特に好ましい。また、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基としては、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、p−メトキシフェニル基、p−クロロフェニル基などが挙げられ、特にインピーダンス低減効果が高いことから、p−トリル基であることが好ましい。
一方、誘電体膜の修復能力に優れる、すなわち耐圧特性に優れるイオン液体としては、そのアニオン成分がRCOO,BF ,PF ,N(SOCF であるものが挙げられ、好ましくはPF ,N(SOCF である。これらを用いることで、特に耐圧特性に優れた電解コンデンサを得ることができる。
本発明に好ましく用いられるイオン液体として、具体的には、メチル・エチルイミダゾリウム−p−トルエンスルホン酸、ブチル・メチルイミダゾリウム−p−トルエンスルホン酸、メチル・エチルイミダゾリウム−トリフルオロメタンスルホン酸、ブチル・メチルイミダゾリウム−トリフルオロメタンスルホン酸がインピーダンス低減を目的として、エチル・メチルイミダゾリウム−BF4、ブチル・メチルイミダゾリウム−BF4、ブチル・エチルイミダゾリウム−F3CSO2NSO2CF3 -、エチル・メチルイミダゾリウム−F3CSO2NSO2CF3 -が高耐圧特性付与の目的のために好適に用いられる。無論、本発明にとって好ましいイオン液体はこれらに限定されるものではない。
高耐圧低インピーダンスの両立のためには、インピーダンス特性に優れる1種以上のイオン液体と耐圧特性に優れる1種以上のイオン液体の組み合わせを用いることが好ましい。用いるイオン液体の種類や配合比は特に限定されるものではなく、望むコンデンサ特性が得られるよう適宜、選択すればよい。
本発明における電解質層に含まれる導電性高分子としては、導電性が高く、耐熱性等の安定性に優れることから、たとえば、ポリチオフェンまたはその誘導体、ポリピロールまたはその誘導体、ポリアニリンまたはその誘導体、ポリキノンまたはその誘導体から選ばれる少なくともいずれかが特に好ましく用いられる。たとえば、ポリチオフェンの誘導体としては、3,4−エチレンジオキシチオフェン1,4−ジオキシチオフェンモノマーから合成されるポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)や、3−メチルチオフェンモノマーから合成されるポリアルキルチオフェン等を挙げることができる。PEDOTは電子伝導性の観点から本発明の目的には特に好ましいが、これらに限定されるものではない。ポリピロールの誘導体としては、ピロール骨格を有し、水酸基、カルボキシル基、アルキル基等の置換基を持つもの等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。ポリアニリンの誘導体としては、ポリアニリン骨格にアルキル基、シアノ基、スルホン基、カルボキシル基を有するもの等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。ポリキノンの誘導体としては、置換基を有するベンゾキノンモノマーから合成されるポリベンゾキノン誘導体や、置換基を有するナフトキノンモノマーから合成されるポリナフトキノン誘導体や、置換基を有するアントラキノンモノマーから合成されるポリアントラキノン誘導体等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。特に、ポリ−(2,3−ジヒドロチエノ−[3,4−b]−1,4−ジオキシン)またはポリピロールからなる導電性高分子は、導電性、耐熱性の点で好ましく用いられる。

本発明の電解コンデンサは、少なくとも2種類以上のイオン液体と導電性高分子が共存する電解質層を用いて形成され、電解質層と、該電解質層を挟んで対向するように配置される陽極および陰極と、を少なくとも備える。本発明の電解コンデンサは、チップ型、捲回型のいずれにも形成され得る。チップ型の電解コンデンサは、典型的には、表面に誘電体膜が形成された陽極金属からなる陽極の該誘電体膜の上に、電解質層、陰極がこの順で積層されたコンデンサ素子と、該コンデンサ素子と電気的に接続された接続端子とを備える構成とされる。一方、捲回型の電解コンデンサは、典型的には、径方向内側から、表面に誘電体膜が形成された陽極金属からなる陽極の該誘電体膜の上に電解質層、セパレータ、陰極、セパレータがこの順で配置されるように積層、捲回されたコンデンサ素子と、該コンデンサ素子と電気的に接続された接続端子とを備える構成とされる。なおセパレータにおいては、通常、たとえばポリオレフィンやセルロース繊維等からなるセパレータ材料と導電性高分子とが複合化されている。
本発明の電解コンデンサの陽極としては、電解コンデンサにおいて従来公知のものが好ましく使用でき、たとえば陽極金属として、アルミニウム等の電極箔の表面にエッチングを施してエッチング孔を形成したものや、タンタル等からなる粉体電極を用い、該陽極金属の表面に陽極酸化等の方法によって形成された酸化皮膜からなる誘電体膜を組合せることにより、陽極金属と誘電体膜とからなる陽極を形成できる。上記の陽極酸化は、陽極金属をたとえばアジピン酸アンモニウム水溶液等に浸漬して化成電圧を印加することにより行なうことができる。
陰極としてはたとえばカーボンペーストおよび銀ペースト等が従来公知の方法で形成され得る。陽極および陰極はそれぞれ端子に接続される。このようにして陽極と電解質膜と陰極とを少なくとも備える電解コンデンサが形成され得る。
以下、本発明の電解コンデンサの典型的な製造方法の例について説明する。本発明の電解コンデンサにおいて特に言及していないコンデンサの構成要素については特に制限されるものではなく、従来公知のものを適宜適用することができる。なお以下においてはエッチング孔を設けた陽極を用い、チップ型の電解コンデンサを形成する場合を例に説明するが、本発明はこれに限定されない。
本実施の形態においては、化学重合工程によって電解質層の形成を行なう場合について説明する。本実施の形態における電解コンデンサの製造方法は、陽極金属と誘電体膜とからなる陽極を形成する陽極形成工程と、誘電体膜に接して電解質層を形成する電解質層形成工程と、電解質層の表面に陰極を形成する陰極形成工程とを含む。該電解質層形成工程は、イオン液体と重合性物質とを少なくとも含む化学重合用組成物に陽極を浸漬した後、重合性物質を化学重合法により重合させることによって、イオン液体と導電性高分子とを含む複合体を形成する化学重合工程からなる。化学重合工程は、1回のみ行なわれ、または、複数回繰り返されることができる。
また、該化学重合工程は、化学重合用組成物におけるイオン液体と重合性物質との質量比を変えながら複数回繰り返されることができる。
本実施の形態の方法では、化学重合工程において、イオン液体と導電性高分子とを含む複合体を形成する。すなわち、該複合体においては少なくとも2種類のイオン液体を含有する。
(陽極形成工程)
電解コンデンサの陽極は、たとえばアルミニウム箔等の陽極金属の表面をエッチングしてエッチング孔を形成した後、陽極酸化による酸化皮膜からなる誘電体膜を形成して作製する。陽極酸化は、陽極金属をアジピン酸ナトリウム水溶液等の酸化剤に浸漬し、所定の化成電圧を印加して行なう方法等、従来公知の方法で行なうことができる。
次に、上述のような方法で形成した陽極の誘電体膜表面に電解質層を形成する。
(電解質層形成(化学重合)工程)
次に、イオン液体と重合性物質とを少なくとも含む化学重合用組成物に浸漬し、引き上げた後、該重合性物質を化学重合法により重合させ、イオン液体と導電性高分子とを含む複合体を形成する。
化学重合用組成物に配合するイオン液体としては、前述したような本発明において好適に用いられる種々のイオン液体を使用できる。化学重合用組成物に溶媒が配合される場合には、該溶媒と相溶するイオン液体を用いることが好ましい。この場合、より均一な構造の電解質層を形成することができる。
重合性物質としては、電解質層における目的の導電性高分子を与える原料モノマー、原料オリゴマー等が例示できる。たとえば、電解質層に含有される導電性高分子としてポリチオフェンを与えるモノマーとしては、3,4−エチレンジオキシチオフェン1,4−ジオキシチオフェンモノマー、チオフェンモノマー、3−ヘキシルチオフェンモノマー、3−オクチルチオフェンモノマー、3−ブチルチオフェンモノマー、3−シクロヘキシルチオフェンモノマー等が例示できる。また、化学重合法で好ましく形成される導電性高分子を与える原料モノマーとしては、ピロールモノマー、アニリンモノマー、1,4−フェニレンビニレンモノマー等を例示できる。
化学重合法における複数のイオン液体と原料モノマーとの好ましい組合せとしては、たとえば、イミダゾリウムカチオンおよびスルホン酸アニオンからなるイオン液体、同じくイミダゾリウムカチオンおよびテトラフルオロボレートアニオンからなるイオン液体と3,4−エチレンジオキシチオフェン1,4−ジオキシチオフェンモノマーとの組合せが例示できる。該組合せは、1種類のイオン液体と導電性高分子からなる電解質よりも誘電体膜に対する修復能力が高く、一方で重合によって得られるポリチオフェンの電気伝導度が高いので、優れた耐電圧特性およびインピーダンス特性を両立させる電解コンデンサが実現できる点で好ましい。
化学重合用組成物には、溶媒を含有させることが好ましく、この場合化学重合をより均一に進行させることができる。溶媒としては、特に制限されるものではないが、たとえば、水、ブタノール、エタノール、メタノール、アセトン等を挙げることができる。
化学重合用組成物におけるイオン液体のモル数(N), (N)と重合性物質のモル数(B)との好ましいモル比(N/B)および(N/B)は、1/100〜10/1の範囲内であり、より好ましい質量比は1/100〜6/10の範囲内である。上記のモル比(N/B)および(N/B)で1/100よりもイオン液体が少ない場合、耐電圧向上効果が小さくなる傾向がある。一方、上記のモル比(N/B)および(N/B)で10/1よりもイオン液体が多い場合、過剰なイオン液体の存在により電解コンデンサにおける電解質層の電気伝導度が低下し、得られる電解コンデンサのインピーダンス特性が低下するばかりでなく機械的強度を著しく損なう傾向がある。
なお、ここで示した好ましい範囲とは、化学重合用組成物におけるモル比を示したものであり、実際の電解質層におけるイオン液体の好ましい範囲を示したものではない。化学重合用組成物中に含有されるイオン液体の最適範囲は上記の通りであるが、実際に形成された電解質層中に存在するイオン液体の量は、化学重合用組成物中の比率に比べて少なくなっていると予想される。それは、化学重合した導電性高分子は化学重合工程において用いる溶媒に溶解しないのに対して、イオン液体は該溶媒に通常溶解するため、化学重合工程や洗浄過程等においてイオン液体が抜け出してしまう現象が生じることによる。

本発明を実施するに当たっての、イオン液体と化学重合組成物のモル比の範囲は、上述したとおりであるが、イオン液体の種類や、化学重合組成物によって最適値が異なるので、最適配合を得るための一般的な考え方について以下に述べる。化学重合用組成物にイオン液体を少量添加すると、インピーダンスを低減できることが多い。ただし、多くの場合、その添加量が過剰になると逆にインピーダンスが高くなる。従って、インピーダンス特性のみに注目すると適切なイオン液体の添加量が存在し、その量はイオン液体の種類によって異なる。
一方、コンデンサの耐電圧もイオン液体の添加によって向上する。耐電圧は、一般には、イオン液体の添加量を増加させるほど高くなる。ただし、液体であるため、その添加量が大過剰になると電解質そのものの形状を維持できなくなる。耐電圧の向上効果もイオン液体の種類によって異なる。注目すべき点は、インピーダンス特性向上の効果と、耐電圧向上の効果が異なるメカニズムによって発現するため、インピーダンス特性を向上させる効果の高いイオン液体が、必ずしも耐電圧を向上させる効果が高いとは限らない。
このため、少量でインピーダンス特性を向上させるイオン液体と、少量で耐電圧向上効果の高いイオン液体の両者を添加することにより、総添加量を抑制し、インピーダンス特性と高耐電圧を両立させることができる。さらに、電解質の中でのイオン液体の分布については、一般的に以下のことがいえる。高周波領域おけるインピーダンスは、電解質全体の導電率によってその特性が決まるので、導電性高分子を含む電解質全体にわたってインピーダンス低減効果の高いイオン液体を添加することが好ましい。一方、耐電圧の向上効果は、誘電体に近い部分の電解質が寄与するため、耐電圧添加効果の高いイオン液体は、電解質の誘電体近傍に多く存在させることが好ましい。極端な場合は、誘電体から離れた領域の電解質には、耐電圧向上効果の高いイオン液体を添加しないことも本発明を実施するうえで可能となる。
このことを実施するための具体的な例としては、化学重合工程を、1回のみではなく、複数回行い、化学重合要素生物中のイオン液体の添加量を変化させることによって実施できる。
化学重合用組成物に含まれる溶媒は、化学重合工程の加熱プロセスにおいて順次蒸発するため、化学重合工程の終了時には、イオン液体と導電性高分子とを含む複合体が形成される。
化学重合用組成物には、イオン液体および重合性物質以外に、重合促進剤や界面活性剤等を含有していてもよい。重合促進剤は重合触媒として使用されるが、その例としてパラトルエンスルホン酸第二鉄、ナフタレンスルホン酸第二鉄、n−ブチルナフタレンスルホン酸第二鉄、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸第二鉄等が挙げられる。中でもドーパントとしてのパラトルエンスルホン酸第二鉄を重合促進剤として用いるのが好ましい。
化学重合用組成物における重合性物質と重合促進剤との混合比率は、特に制限されるものではないが、原料モノマー:重合促進剤の混合割合はモル比で、1:0.1〜1:5の範囲内であるのが好ましく、1:0.3〜1:3の範囲内であるのがより好ましい。このような混合比率で化学重合用組成物を調製することで、特に電子伝導性の高い電解質層が得られる。
上述したイオン液体、重合性物質、重合促進剤を含む化学重合用組成物を用いる場合、たとえば導電性高分子がPEDOTの場合では、加熱処理を、20〜140℃、特に20〜120℃の温度で0.5〜10時間行なうのが好ましい。温度が20℃以上である場合、重合反応が良好に進行し、また温度が140℃以下である場合、反応が速く進みすぎることがなく緻密な化学重合層を形成できる。
前述したとおり、化学重合工程は、1回のみ行なわれても良く、また、化学重合用組成物におけるイオン液体と重合性物質とのモル比を一定とし、または該モル比を変えながら複数回繰り返されてもよい。特に、工程毎に、化学重合用組成物中のイオン液体の濃度を段階的に低くすることによって、電解質層の陽極側の表面に、イオン液体が高濃度で存在する高イオン伝導性領域を確実に形成し、かつ、電解質層全体でのイオン液体の含有率を低く抑えることができる。これにより、インピーダンス特性および耐電圧特性に優れた電解コンデンサを得ることができる。
(陰極形成工程)
上記のような方法によって電解質層を形成した後、従来公知の方法で、カーボンペースト、銀ペーストの塗布等により陰極を形成する。なお、電解コンデンサの大容量化のため、必要に応じてカーボンペーストや銀ペーストが乾燥する前に、陽極、電解質層、陰極からなる素子を複数積層してコンデンサ素子を形成してもよい。
上記の陰極形成工程の後、陽極および陰極にそれぞれ端子を接続して、本発明の電解コンデンサを得ることができる。
陽極金属がアルミニウムである電解コンデンサでは、たとえば40V化成を行なった場合、イオン液体を用いない通常の化学重合法で電解質層を形成した場合には、コンデンサの破壊電圧はたとえば20V〜35Vの間にばらつき、安全性を考慮した実使用上の電圧はたとえば16V程度となる。これに対して、本実施の形態の方法で電解質層を形成した電解コンデンサでは、コンデンサの耐電圧はたとえば35V〜45Vの狭い範囲で安定して得られ、安全性を考慮しても、従来の電解コンデンサの約2倍の耐電圧、すなわち30Vの実使用耐電圧を得ることが可能となる。しかも、インピーダンス特性はイオン液体なしで作製した電解コンデンサとほぼ同等の特性とすることができる。このような傾向は、タンタルを陽極金属に用いた電解コンデンサでも同様に見られる。
(比較例1)
陽極金属としてのアルミニウムエッチド箔(サイズ:4×3.3mm)を、3質量%アジピン酸アンモニウム水溶液に浸漬し、10mV/secの速度で0から40Vまで上げ、つづけて40Vの定電圧を40分間印加して化成処理し、該アルミニウムエッチド箔の表面に酸化皮膜からなる誘電体膜を形成した。これを脱イオン水の流水により10分洗浄してから105℃で5分乾燥を行ない、陽極金属と誘電体膜とからなる陽極を作製した。得られた陽極の液中容量は4.2μFであった。
導電性高分子の原料モノマー、すなわち重合用物質として、3,4−エチレンジオキシチオフェンモノマー、重合促進剤としてパラトルエンスルホン酸第二鉄、溶媒として1−ブタノールを用い、以下の配合割合で配合して、電解質層の形成に用いる化学重合用組成物を調製した。
・導電性高分子の原料モノマー 1g
・重合促進剤 2g
・溶媒 3g
この化学重合用組成物を、よく乾燥した30cmのビーカーで混合し、次に該化学重合用組成物中に、陽極を浸漬し、引き上げた後、100℃で1時間、さらに140℃で1時間の加熱処理を行なった。浸漬および加熱処理を3回繰り返し、陽極の表面が均一に電解質で覆われる様にした(化学重合工程)。以上により電解質層を形成した。
上記で得られた電解質層の上に、カーボンペースト(日本黒鉛(株)製の「バニーハイトFU」)を塗布、乾燥後、さらに銀ペースト(日本黒鉛(株)製の「エブリオームME」)を塗布乾燥し、陰極を形成した。銀ペーストからリード線を引き出し、端子に接続した。この様にして得られた本発明の電解コンデンサを、20Vで1時間エージングした後、10KHzと100KHzにおけるインピーダンス、および耐電圧(V)を測定した。
なお耐電圧の値は、20mV/秒の速度で電圧を上昇させ、10mAの電流が流れた電圧を耐電圧と定義した。得られた特性を表1に示す。インピーダンス(10KHzおよび100KHz)はそれぞれ2.5Ωと0.4Ω、耐電圧(V)は39.2Vであった。
(比較例2)
化学重合用組成物の配合を以下のとおりとした以外は、比較例1と同様の方法で、陽極箔と電解質を形成し、同様の方法で電解コンデンサを作製し、同様の測定を行なった。なお、配合に含まれるイオン液体Aは、ブチルメチルイミダゾリウムビストリフルオロスルホンイミド(BMImTFSI)である。
・導電性高分子の原料モノマー 1g
・重合促進剤 2g
・溶媒 3g
・イオン液体A 0.210g(モノマーに対するモル比0.1)
得られた特性を表1に示す。インピーダンス(10KHzおよび100KHz)はそれぞれ1.4Ωと0.2Ω、耐電圧(V)は49.4Vであり、比較例1に対して、インピーダンス(10KHzおよび100KHz)は低減し、耐電圧は向上した。
(比較例3)
化学重合用組成物の配合を以下のとおりとした以外は、比較例1と同様の方法で、陽極箔と電解質を形成し、同様の方法で電解コンデンサを作製し、同様の測定を行なった。なお、配合に含まれるイオン液体Aは、比較例2と同じBMImTFSIである。
・導電性高分子の原料モノマー 1g
・重合促進剤 2g
・溶媒 3g
・イオン液体A 1.052g(モノマーに対するモル比0.5)
得られた特性を表1に示す。インピーダンス(10KHzおよび100KHz)はそれぞれ4.9Ωと1.2Ω、耐電圧(V)は54.8Vであり、比較例2に対して、耐電圧はさらに向上したものの、インピーダンス(10KHzおよび100KHz)が増大した。
(比較例4)
化学重合用組成物の配合を以下のとおりとした以外は、比較例1と同様の方法で、陽極箔と電解質を形成し、同様の方法で電解コンデンサを作製し、同様の測定を行なった。なお、配合に含まれるイオン液体Aは、エチルメチルイミダゾリウムパラトルエンスルホン酸(EMImPTSO)である。
・導電性高分子の原料モノマー 1g
・重合促進剤 2g
・溶媒 3g
・イオン液体A 0.141g(モノマーに対するモル比0.1)
得られた特性を表1に示す。インピーダンス(10KHzおよび100KHz)はそれぞれ0.5Ωと0.2Ω、耐電圧(V)は43.8Vであり、比較例2と同様に、比較例1に対して、インピーダンス(10KHzおよび100KHz)は低減し、耐電圧は向上した。ただし、比較例2と比べると、インピーダンスは小さいものの、耐電圧向上の効果も小さくなっている。このイオン液体EMImPTSOは、比較例2のイオン液体BMImTFSIと比較して、インピーダンス低減効果は高いものの、耐電圧向上の効果は小さいことが明らかとなった。
(実施例1)
化学重合用組成物の配合を以下のとおりとした以外は、比較例1と同様の方法で、陽極箔と電解質を形成し、同様の方法で電解コンデンサを作製し、同様の測定を行なった。なお、配合に含まれるイオン液体Aは、比較例2および3で用いたBMImTFSIであり、イオン液体Bは比較例4および5で用いたEMImPTSOである。
・導電性高分子の原料モノマー 1g
・重合促進剤 2g
・溶媒 3g
・イオン液体A 0.210g(モノマーに対するモル比0.1)
・イオン液体B 0.141g(モノマーに対するモル比0.1)
得られた特性を表1に示す。インピーダンス(10KHzおよび100KHz)はそれぞれ0.5Ωと0.3Ω、耐電圧(V)は56.5Vであった。2種類のイオン液体を併用することで、比較例2、3よりも低いインピーダンスを維持しつつ、比較例4,5より高い耐電圧を得ることができ、インピーダンスと耐電圧を両立させることができた。
(比較例5)
化学重合用組成物の配合を以下のとおりとした以外は、比較例1と同様の方法で、陽極箔と電解質を形成し、同様の方法で電解コンデンサを作製し、同様の測定を行なった。なお、配合に含まれるイオン液体Aは、ブチルメチルイミダゾリウムPF(BMImPF6)である。
・導電性高分子の原料モノマー 1g
・重合促進剤 2g
・溶媒 3g
・イオン液体A 0.724g(モノマーに対するモル比0.5)
得られた特性を表1に示す。インピーダンス(10KHzおよび100KHz)はそれぞれ28Ωと9.4Ω、耐電圧(V)は51.7Vであり、比較例1と比べると、耐電圧は大きく向上するものの、インピーダンスが大きく増加することがわかった。エチルメチルイミダゾリウムPF6は、耐電圧向上効果はあるもののこの濃度領域ではインピーダンス低減効果が観測できないイオン液体であった。
(実施例2)
化学重合用組成物の配合を以下のとおりとした以外は、比較例1と同様の方法で、陽極箔と電解質を形成し、同様の方法で電解コンデンサを作製し、同様の測定を行なった。なお、配合に含まれるイオン液体Aは、比較例4で用いたEMImPTSOであり、イオン液体Bは比較例5で用いたBMImPF6である。
・導電性高分子の原料モノマー 1g
・重合促進剤 2g
・溶媒 3g
・イオン液体A 0.141g(モノマーに対するモル比0.1)
・イオン液体B 0.145g(モノマーに対するモル比0.1)
得られた特性を表1に示す。インピーダンス(10KHzおよび100KHz)はそれぞれ2.0Ωと0.6Ω、耐電圧(V)は50.2Vであった。EMImPTSOを併用することで、BMImPF6を添加した場合も低いインピーダンスを維持しつつ、比較例5と同程度の耐電圧を得ることができ、インピーダンスと耐電圧を両立させることができた。
(実施例3)
化学重合用組成物の配合を以下のとおりとした以外は、比較例1と同様の方法で、陽極箔と電解質の1層目を形成した。ただし、比較例1では、浸漬及び加熱を3回繰り返したが、ここでは1回のみ実施した。このとき用いた化学重合用組成物の配合は以下のとおりであった。なお、配合に含まれるイオン液体Aは、比較例2および3で用いたBMImTFSIであり、イオン液体Bは、比較例7で用いたBMImCFSOである。
・導電性高分子の原料モノマー 1g
・重合促進剤 2g
・溶媒 3g
・イオン液体A 0.210g(モノマーに対するモル比0.1)
・イオン液体B 0.203g(モノマーに対するモル比0.1)
得られた特性を表1に示す。インピーダンス(10KHzおよび100KHz)はそれぞれ0.4Ωと0.2Ω、耐電圧(V)は49.1Vであった。BMImCFSOを併用することで、BMImTFSIを添加した比較例2、3よりも低いインピーダンスを維持しつつ、比較例2と同等の高い耐電圧を得ることができ、インピーダンスと耐電圧を両立させることができた。
(比較例6)
化学重合用組成物の配合を以下のとおりとした以外は、比較例1と同様の方法で、陽極箔と電解質を形成し、同様の方法で電解コンデンサを作製し、同様の測定を行なった。なお、配合に含まれるイオン液体Aは、BMImCHF(CFCHSOである。
・導電性高分子の原料モノマー 1g
・重合促進剤 2g
・溶媒 3g
・イオン液体A 0.225g(モノマーに対するモル比0.1)
得られた特性を表1に示す。インピーダンス(10KHzおよび100KHz)はそれぞれ0.4Ωと0.2Ω、耐電圧(V)は43.7Vであった。これは、同じモル比としては比較例4のEMImPTSOを添加した場合とほぼ同じインピーダンスを維持しつつ、同程度の耐電圧を得ることができることがわかる。
(比較例7)
化学重合用組成物の配合を以下のとおりとした以外は、比較例1と同様の方法で、陽極箔と電解質を形成し、同様の方法で電解コンデンサを作製し、同様の測定を行なった。なお、配合に含まれるイオン液体Aは、BMImCFSOである。
・導電性高分子の原料モノマー 1g
・重合促進剤 2g
・溶媒 3g
・イオン液体A 0.203g(モノマーに対するモル比0.1)
得られた特性を表1に示す。インピーダンス(10KHzおよび100KHz)はそれぞれ0.4Ωと0.3Ω、耐電圧(V)は43.9Vであった。これは、同じモル比としては比較例4のEMImPTSOを添加した場合とほぼ同じインピーダンスを維持しつつ、同程度の耐電圧を得ることができることがわかる。
(実施例4)
化学重合用組成物の配合を以下のとおりとした以外は、比較例1と同様の方法で、陽極箔と電解質を形成し、同様の方法で電解コンデンサを作製し、同様の測定を行なった。なお、配合に含まれるイオン液体Aは、比較例4で用いたEMImPTSOであり、イオン液体Bは比較例5で用いたBMImPF6である。
・導電性高分子の原料モノマー 1g
・重合促進剤 2g
・溶媒 3g
・イオン液体A 0.141g(モノマーに対するモル比0.1)
・イオン液体B 0.450g(モノマーに対するモル比0.2)
得られた特性を表1に示す。インピーダンス(10KHzおよび100KHz)はそれぞれ0.6Ωと0.3Ω、耐電圧(V)は64.5Vであった。EMImPTSOにBMImCHF(CFCHSOを併用することで、EMImPTSOのみを添加した場合と比較して、同等のインピーダンスを維持しつつ高い耐電圧を得ることができ、インピーダンスと耐電圧を両立させることができた。
(実施例5)
化学重合用組成物の配合を以下のとおりとした以外は、比較例1と同様の方法で、陽極箔と電解質の1層目を形成した。ただし、比較例1では、浸漬及び加熱を3回繰り返したが、ここでは1回のみ実施した。このとき用いた化学重合用組成物の配合は以下のとおりであった。なお、配合に含まれるイオン液体Aは、比較例2および3で用いたBMImTFSIであり、イオン液体Bは、比較例4で用いたEMImPTSOである。
・導電性高分子の原料モノマー 1g
・重合促進剤 2g
・溶媒 3g
・イオン液体A 0.421g(モノマーに対するモル比0.2)
・イオン液体B 0.141g(モノマーに対するモル比0.1)
こののちさらにこの1層目の電解質上に、比較例1と同様の方法で電解質の2層目を形成した。このときは浸漬および加熱を2回繰り返した。用いた化学重合用組成物の配合は以下のとおりであった。なお、配合に含まれるイオン液体Bは、比較例4で用いたEMImPTSOである。
・導電性高分子の原料モノマー 1g
・重合促進剤 2g
・溶媒 3g
・イオン液体B 0.141g(モノマーに対するモル比0.1)
すなわち、電解質2層目は、電解質1層目に添加したイオン液体A(BMImTFSI)を添加せずに形成した。そののち、同様の方法で電解コンデンサを作製し、同様の測定を行なった。得られた特性を表1に示す。インピーダンス(10KHzおよび100KHz)はそれぞれ0.5Ωと0.3Ω、耐電圧(V)は61.2Vであった。電解質層は、他の実施例や比較例と異なり2層形成しているにもかかわらず、良好なインピーダンスが得られ、耐電圧特性との両立も実現されていることがわかった。

実施例1〜4、比較例1〜6で得られた電解コンデンサのインピーダンス(10KHzおよび100KHz)と耐電圧(V)の測定結果を表1に示す。
本発明の電解コンデンサにおいては、耐電圧特性およびインピーダンス特性が高度に両立され、該電解コンデンサは、たとえば、電源整流回路、高周波回路、結合回路、各種通信機器等に対して好適に適用され得る。
実施例1で作製した電解コンデンサの電解質層の断面形態を示す図である。
符号の説明
1 陽極金属
2 誘電体膜
3 導電層
4 陰極

Claims (7)

  1. 導電性高分子を電解質層に含む固体電解コンデンサであって、該電解質中に少なくとも2種類のイオン液体が含まれていることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 前記イオン液体が、2種類以上のカチオン種および/または2種類以上のアニオン種を含有することを特徴とする請求項1記載の固体電解コンデンサ。
  3. イオン液体のアニオン成分が、一般式(1)または一般式(2)で表されるイオン液体の群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1または請求項2記載の固体電解コンデンサ。
    OSO 一般式(1)
    SO 一般式(2)
    (上記一般式(1)及び(2)において、Rは置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基を表す)
  4. がフッ素原子を含む脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基であることを特徴とする、請求項3記載の固体電解コンデンサ。
  5. 少なくとも一つのイオン液体のアニオン成分が、一般式(3)で表されるカルボキシアニオンあるいは、BF ,PF ,N(SOCF のいずれかからなるイオン液体の群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
    COO 一般式(3)
    (式中、Rは置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基を表す)
  6. がフッ素原子を含む脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基であることを特徴とする、請求項5記載の固体電解コンデンサ。
  7. イオン液体が、電解質層の膜厚方向にそれぞれ異なる濃度分布で存在していることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
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