JP2008215381A - 軸受用の保持器およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ポケット隅部の逃げ溝の形状を、保持器の強度が低下しないものとする。
【解決手段】ポケット13隅部の逃げ溝12bを、柱部円弧面12aに沿って湾曲する形状とした。直線状に逃げ溝を形成する場合と比べて、柱部12根元部分の肉厚を大きくできるため、強度の低下が抑えられる。この逃げ溝12bは、外周に切刃を有し、偏心ウェイトが取り付けられたエンドミルを、その回転軸が円弧面12aの軸心と平行となるようにポケット13に挿し入れて偏心回転させ、円弧を描く切刃で円弧面12aの根元部分を抉ることにより形成できる。
【選択図】図3
【解決手段】ポケット13隅部の逃げ溝12bを、柱部円弧面12aに沿って湾曲する形状とした。直線状に逃げ溝を形成する場合と比べて、柱部12根元部分の肉厚を大きくできるため、強度の低下が抑えられる。この逃げ溝12bは、外周に切刃を有し、偏心ウェイトが取り付けられたエンドミルを、その回転軸が円弧面12aの軸心と平行となるようにポケット13に挿し入れて偏心回転させ、円弧を描く切刃で円弧面12aの根元部分を抉ることにより形成できる。
【選択図】図3
Description
この発明は、ポケット隅部の逃げ溝の形状に特徴のある軸受用の保持器と、その製造方法に関する。
円筒ころ軸受用の保持器として、円環部と、円環部から軸方向に延びる複数の柱部とを有し、隣接する柱部間にころ収納ポケットを設けた、いわゆるくし型のものがある。
このような保持器は、ころ収納ポケットにころを収納した際に、ポケットの隅部に、ころの端面外周部分が当たって干渉しやすい。
このため、従来、ポケット隅部に干渉を防止する逃げ溝を形成することが行われている(特許文献1)。
このため、従来、ポケット隅部に干渉を防止する逃げ溝を形成することが行われている(特許文献1)。
図6のように、こうした従来の逃げ溝22bは、先端および外周に切り刃を有するエンドミルEを、保持器20の外面側から径方向に移動させることにより、保持器20の径方向に直線状に形成されている。
ところで、図示のように、このような保持器20の柱部22の対向面22aは、ころの転動面に沿うように、円弧面となっている。
そのため、ポケット13隅部の逃げ溝22bを保持器20の径方向に直線状に形成すると、柱部22の対向面22aは、径方向の中間部よりも外側部分と内側部分が深く抉られてしまう。
そのため、ポケット13隅部の逃げ溝22bを保持器20の径方向に直線状に形成すると、柱部22の対向面22aは、径方向の中間部よりも外側部分と内側部分が深く抉られてしまう。
このように、ポケット13隅部に従来の形状の逃げ溝22bを形成すると、保持器20の強度が大きく低下してしまう問題があった。
特開2006−266504号公報
そこで、この発明は、ポケット隅部に逃げ溝を形成することによる、保持器の強度の低下を抑えることを課題とする。
上記した課題を解決するため、この発明のころ軸受用の保持器においては、ポケットの隅部に、柱部の円弧面に沿って湾曲する逃げ溝を形成したのである。
このようにすると、従来の直線状の逃げ溝を形成する場合に比べて、柱部の径方向の内側と外側部分の肉厚を大きくできるため、保持器の強度の低下が抑えられる。
また、逃げ溝は、潤滑剤溜まりとしても機能するが、柱部円弧面に沿って湾曲した形状となっているため、ポケット内のころに効率的に潤滑剤を送り込むことができる。
また、逃げ溝は、潤滑剤溜まりとしても機能するが、柱部円弧面に沿って湾曲した形状となっているため、ポケット内のころに効率的に潤滑剤を送り込むことができる。
このような逃げ溝は、先端外周に切刃が設けられたエンドミルを、その回転軸がころ収納ポケットの対向する円弧面の軸心に対して平行となるように、ころ収納ポケットに挿し入れた状態で、偏心回転させ、その切り刃でポケット隅部を抉ることにより形成できる。
ここで、エンドミルの偏心回転を実現するには、エンドミルに偏心ウェイトを取り付けて、重心の回転軸からのずれに伴うブレを利用するのが簡単である。
逃げ溝を、凹円弧面に沿って湾曲した形状に形成することにより、柱部の逃げ溝が形成された部分の肉厚を従来に比べて大きくできるため、保持器の強度の低下が抑えられる。
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態について説明する。
図1に示す、複列円筒ころ軸受1は、内輪2と、外輪3と、これら内外輪2,3の間に配置された二列の円筒ころ4と、各列の円筒ころ4をそれぞれ保持する一対の保持器10とからなる。
また、図示のように、内輪2の外周面は、その軸方向中央および両側に鍔部2aが設けられており、この鍔部2aの間に形成される二列の軌道面2bと、これに対向する外輪3内周面の二列の軌道面3aの間に、各円筒ころ4は挟み込まれ、その転動面が軌道面2b、3aに接している。
この内輪2は、工作機械等の主軸外周に嵌め合わされ、外輪3は、ハウジング等の開口周に嵌め合わされ、主軸が回転すると、これに従って内輪2が回転し、軌道面2b、3aに沿って円筒ころ4が回転することにより、軸受1は主軸を回転可能な状態で支持している。
図2のように、実施形態の保持器10は、円環部11と、円環部11から保持器10の軸方向に延びる複数の柱部12とからなる、いわゆるくし型保持器である。
図示のように、柱部12は、円環部11の円周方向に等間隔を置いて並列しており、隣接する柱部12間には、円筒ころ4を回転可能に収納するポケット13が形成されている。
図示のように、柱部12は、円環部11の円周方向に等間隔を置いて並列しており、隣接する柱部12間には、円筒ころ4を回転可能に収納するポケット13が形成されている。
また、図3のように、保持器10の柱部12は、円環部11の円周方向に隣接する柱部12の対向面12aが、円筒ころ4の転動面に沿って円弧状に凹んだ円弧面となっている。
また、図示のように、ポケット13の隅部に相当する柱部対向面12aの根元部分には、円弧面12aに沿って湾曲した円弧状の逃げ溝12bが設けられている。
この逃げ溝12bは、後述するように、柱部対向面12aの根元部分をエンドミル30で抉ることにより形成されている。
この逃げ溝12bは、後述するように、柱部対向面12aの根元部分をエンドミル30で抉ることにより形成されている。
このように、逃げ溝12bは、柱部12の円弧面12aに沿って湾曲しているため、従来のように、保持器の径方向に直線状に逃げ溝が形成されている場合に比べて、柱部12の根元部分の径方向内側と外側部分の厚みが大きくなっている。
また、従来と異なり、円環部11には、逃げ溝が形成されていない。
そのため、逃げ溝12bの形成に伴う保持器10の強度の低下が抑えられている。
なお、この逃げ溝12bは、潤滑剤溜まりとしても機能するが、柱部円弧面12aに沿って湾曲した形状であるため、ポケット13内のころに潤滑剤を送り込みやすくなっており、軸受1の潤滑性が向上している。
また、従来と異なり、円環部11には、逃げ溝が形成されていない。
そのため、逃げ溝12bの形成に伴う保持器10の強度の低下が抑えられている。
なお、この逃げ溝12bは、潤滑剤溜まりとしても機能するが、柱部円弧面12aに沿って湾曲した形状であるため、ポケット13内のころに潤滑剤を送り込みやすくなっており、軸受1の潤滑性が向上している。
この保持器10の逃げ溝12bは、以下のようにして形成される。
まず、図4(a)のように、逃げ溝12bの形成されていないくし型保持器のポケット13に、先端外周のみに切り刃が設けられた特殊なエンドミル30を、その回転軸が円弧面12aの軸心と平行になるように挿し入れる。
まず、図4(a)のように、逃げ溝12bの形成されていないくし型保持器のポケット13に、先端外周のみに切り刃が設けられた特殊なエンドミル30を、その回転軸が円弧面12aの軸心と平行になるように挿し入れる。
次に、図4(b)のように、エンドミル30を回転させる。
すると、このエンドミル30には、偏心ウェイト32が取り付けられており、重心が回転軸からずれているため、軸がぶれて偏心回転となる。
すると、このエンドミル30には、偏心ウェイト32が取り付けられており、重心が回転軸からずれているため、軸がぶれて偏心回転となる。
そのため切刃31が、ほぼ円弧を描いた状態で、柱部円弧面12aの根元部分に当たり、この部分が柱部円弧面12aにそって円弧状に抉り取られるため、円弧面12aに沿って湾曲する逃げ溝12bが形成される。
図5に保持器の他の例を示す。
これは、主として単列ころ軸受に用いられるものであって、保持器本体10´と、円環状の蓋14と、これらをかしめて一体化するための鋲15とからなる、いわゆる鋲かしめ保持器である。
これは、主として単列ころ軸受に用いられるものであって、保持器本体10´と、円環状の蓋14と、これらをかしめて一体化するための鋲15とからなる、いわゆる鋲かしめ保持器である。
保持器本体10´の構成は、保持器10とほぼ同様であるが、柱部12の端面から内部にかけては、軸方向に延びる差し込み穴12cが設けられている点が異なる。
また、保持器本体10´の柱部円弧面12aの根元部分には、保持器10と同様に、円弧面12aに沿って湾曲した逃げ溝12bが形成されている。
また、保持器本体10´の柱部円弧面12aの根元部分には、保持器10と同様に、円弧面12aに沿って湾曲した逃げ溝12bが形成されている。
また、円環状の蓋14には、その円周方向に等間隔を置いて並列する貫通孔14aが設けられており、鋲15を、この貫通孔14aを通して保持器本体10の差し込み穴12cに差し込み、かしめるようになっている。
この保持器は、柱部12内部には差し込み穴12cが設けられているため、柱部12が中空で強度的に弱く、従来のような直線状の逃げ溝を形成すると、柱部12が大きく抉られるためさらに強度が落ち問題である。
しかし、本例では、逃げ溝12bは柱部円弧面12aに沿って湾曲しているため、柱部12の肉厚を大きくでき、その強度の低下が抑えられている。
しかし、本例では、逃げ溝12bは柱部円弧面12aに沿って湾曲しているため、柱部12の肉厚を大きくでき、その強度の低下が抑えられている。
1 軸受
2 内輪
2a 鍔部
2b 軌道面
3 外輪
3a 軌道面
4 円筒ころ
10 保持器
10´ 保持器本体
11 円環部
12 柱部
12a 対向面(凹円弧面)
12b 逃げ溝
12c 差し込み穴
13 ポケット
14 蓋
14a 貫通孔
15 鋲
20 保持器
21 円環部
22 柱部
22a 対向面(凹円弧面)
22b 従来の逃げ溝
30 特殊エンドミル
31 切刃
32 偏心ウェイト
E 通常エンドミル
2 内輪
2a 鍔部
2b 軌道面
3 外輪
3a 軌道面
4 円筒ころ
10 保持器
10´ 保持器本体
11 円環部
12 柱部
12a 対向面(凹円弧面)
12b 逃げ溝
12c 差し込み穴
13 ポケット
14 蓋
14a 貫通孔
15 鋲
20 保持器
21 円環部
22 柱部
22a 対向面(凹円弧面)
22b 従来の逃げ溝
30 特殊エンドミル
31 切刃
32 偏心ウェイト
E 通常エンドミル
Claims (3)
- 円環部と、円環部から軸方向一方に延びる複数の柱部とを有し、隣接する柱部間をころ収納ポケットとし、隣接する柱部の対向面をころの転動面に沿う円弧面に形成した軸受用の保持器において、
前記ころ収納ポケットの隅部に、柱部の円弧面に沿って湾曲する逃げ溝を形成したことを特徴とする軸受用の保持器。 - 円環部と、円環部から軸方向一方に延びる複数の柱部とを有し、隣接する柱部間をころ収納ポケットとし、隣接する柱部の対向面をころの転動面に沿う円弧面に形成し、ころ収納ポケットの隅部に逃げ溝を形成する軸受用の保持器の製造方法において、
先端外周に切刃が設けられたエンドミルを、その回転軸がころ収納ポケットの対向する円弧面の軸心に対して平行となるように、ころ収納ポケットに挿し入れた状態で偏心回転させ、その切刃によりころ収納ポケットの隅部に、柱部の円弧面に沿って湾曲する逃げ溝を形成することを特徴とする軸受用の保持器の製造方法。 - 上記エンドミルの偏心回転を、エンドミルに偏心ウェイトを取り付けることにより行う請求項2に記載の軸受用の保持器の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007049722A JP2008215381A (ja) | 2007-02-28 | 2007-02-28 | 軸受用の保持器およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007049722A JP2008215381A (ja) | 2007-02-28 | 2007-02-28 | 軸受用の保持器およびその製造方法 |
Publications (1)
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JP2008215381A true JP2008215381A (ja) | 2008-09-18 |
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JP2007049722A Pending JP2008215381A (ja) | 2007-02-28 | 2007-02-28 | 軸受用の保持器およびその製造方法 |
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JP (1) | JP2008215381A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103443485A (zh) * | 2011-03-31 | 2013-12-11 | 谢夫勒科技股份两合公司 | 滚动轴承保持架及其制造方法 |
-
2007
- 2007-02-28 JP JP2007049722A patent/JP2008215381A/ja active Pending
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