JP2008213313A - 金型再生用シートおよびそれを用いた金型クリーニング方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】吸引孔が形成された金型のクリーニングに用いても、吸引孔に詰まらせることなくクリーニングすることができる金型再生用シートおよびそれを用いた金型クリーニング方法を提供する。
【解決手段】通気性シート1の片面もしくは両面に、未加硫ゴム系組成物または熱硬化性樹脂系組成物からなるクリーニング材料層2が厚み10〜150μmの範囲内で形成され、そのクリーニング材料層に貫通孔3が分布形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】通気性シート1の片面もしくは両面に、未加硫ゴム系組成物または熱硬化性樹脂系組成物からなるクリーニング材料層2が厚み10〜150μmの範囲内で形成され、そのクリーニング材料層に貫通孔3が分布形成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、成形金型の型面をクリーニングする際に用いられる金型再生用シートおよびそれを用いた金型クリーニング方法に関するものである。
半導体素子をトランスファー成形によって樹脂封止する工程では、通常、金型を用いた樹脂成形が繰り返し行われる。そして、その繰り返し数(ショット数)が多くなるにつれて、金型の型面に、樹脂から滲出した成分,ばり,塵埃等の汚れが蓄積する。このような汚れは、成形品を金型から取り出す際の離型性を低下させ、また、成形品の表面に肌荒れ等を生じさせる。そこで、一定の成形繰り返し数(ショット数)毎に、金型の型面がクリーニングされる。
このクリーニング方法として、クリーニングシートを用いる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この方法は、上金型と下金型の間にクリーニングシートを挟んだ状態で型締めすることにより、そのクリーニングシートをキャビティ内に充填させ、その状態で加熱成形することにより、クリーニングシートに上記汚れを付着させ、その後、そのクリーニングシートを脱型し、上記汚れをクリーニングシートと共に金型の型面から取り除く方法である。
また、最近では、金型の型面の汚れを防止するために、図7に示すように、樹脂封止材料が、例えば上金型11の型面に直接接触しないよう、プラスチックフィルム20を介在させる方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この方法は、上金型11の型面にプラスチックフィルム20を密着させ、その状態で樹脂封止を行い、成形毎に上記プラスチックフィルム20を取り替える方法である。この方法における上記プラスチックフィルム20の型面への密着は、上金型11の型面に形成された複数の吸引孔13で、プラスチックフィルム20を吸引することにより行われる。
しかしながら、上記プラスチックフィルム20を用いる方法であっても、上金型11の型面が全く汚れないわけではなく、プラスチックフィルム20を透過する樹脂封止材料の低分子成分やプラスチックフィルム20自体の成分が原因となって、型面が汚れる。そのため、依然として定期的なクリーニングが必要となる。このクリーニングに、従来のクリーニングシートを単に用いると、そのクリーニングシートを構成するクリーニング材料が上記吸引孔13に詰まる。このため、吸引孔13が形成されている上金型11のクリーニングは、成形装置から上金型11を取り外し、金型洗浄用の洗浄液を用いて洗浄している。
特開2004−130819号公報
特開2007−36273号公報
しかしながら、クリーニングの度に成形装置から上記上金型11を取り外して洗浄する方法では、その上金型11の取り外し作業だけでなく、洗浄後に上金型11を成形装置に組み付ける作業も必要となる。しかも、洗浄中、生産(樹脂封止)を止めることができない場合は、代わりの上金型を準備する必要もある。このため、上金型11を取り外して洗浄する方法では、上金型11の脱着や代わりの上金型の準備に費用がかさむという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、吸引孔が形成された金型のクリーニングに用いても、吸引孔に詰まらせることなくクリーニングすることができる金型再生用シートおよびそれを用いた金型クリーニング方法の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、通気性シートの片面もしくは両面に、未加硫ゴム系組成物または熱硬化性樹脂系組成物からなるクリーニング材料層が厚み10〜150μmの範囲内で形成され、そのクリーニング材料層に貫通孔が分布形成されている金型再生用シートを第1の要旨とする。
また、本発明は、成形空間を形成する一対の上金型と下金型との間に金型再生用シートを挟んだ状態で加熱成形することにより、上記成形空間の型面の汚れを上記金型再生用シートに付着させ、その後、上記汚れを金型再生用シートと共に上記型面から取り除く金型クリーニング方法であって、上記上金型および下金型の少なくとも一方が、型面に吸引孔が形成されている金型であり、上記金型再生用シートが、本発明の金型再生用シートであり、上金型と下金型との間に金型再生用シートを挟んだ状態では、上記吸引孔が形成されている型面に金型再生用シートのクリーニング材料層が当接している金型クリーニング方法を第2の要旨とする。
本発明者は、吸引孔が形成された金型の型面のクリーニングに従来のクリーニングシートを用いた際にクリーニング材料が吸引孔に詰まる原因について研究を重ねた。その結果、従来のクリーニングシートは、上金型と下金型の間に挟んだ際にクリーニング材料の広がる量(流動量)が多く、そのため、クリーニング材料が吸引孔に深く流入して詰まるという知見を得た。すなわち、従来のクリーニングシートは、クリーニング材料の割合が多く、そのため、上金型と下金型の間に挟んだ際のクリーニング材料の変形量が多く、その変形量がそのまま流動量となり、吸引孔に流入し易くなっているのである。
そして、本発明者は、上記吸引孔が詰まる原因究明結果に基づき、さらに研究を重ねた。その結果、通気性シートの片面もしくは両面に、クリーニング材料層を厚み10〜150μmの範囲内と薄く形成し、そのクリーニング材料層に貫通孔を分布形成すると、吸引孔にクリーニング材料が詰まることなく、クリーニングできることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の金型再生用シートを型締めすると、金型再生用シートは、厚み方向に圧縮される。その際、通気性シート内の通気用空隙が通気性シートの厚み方向に圧縮され、クリーニング材料層の変形が抑制される(変形を吸収する)。これにより、クリーニング材料層を構成するクリーニング材料が広がり難くなり、その広がる量(流動量)が抑制される。さらに、クリーニング材料層には貫通孔が分布形成されているため、型締めの際に、クリーニング材料層は、上記貫通孔を埋めるように変形する。これによっても、クリーニング材料が広がり難くなり、その広がる量(流動量)が抑制される。しかも、クリーニング材料層の厚みが薄い(10〜150μm)ことから、型締めの際の、クリーニング材料が広がる量(流動量)は少ない。これらのことから、本発明の金型再生用シートを、吸引孔が形成された金型で型締めすると、クリーニング材料の流動量は少なく、クリーニング材料が吸引孔の奥深くまで至らない。そのため、吸引孔にクリーニング材料が詰まることがない。また、上記型締めした際の、本発明の金型再生用シートと金型の型面との間のエアは、クリーニング材料層に分布形成された貫通孔から通気性シート内に取り込まれる。このため、エア溜まりができなくなり、クリーニング材料層の表面が型面に当接する。しかも、上記型締めの際の、貫通孔が埋める変形と相俟って、クリーニング材料が型面に隙間なく当接する。そして、この状態で、加熱成形すると、クリーニング材料が加硫等され、その加硫等されたクリーニング材料に、金型の型面の汚れが付着し、金型の型面をクリーニングできるようになる。
本発明の金型再生用シートは、通気性シートの片面もしくは両面に、クリーニング材料層が厚み10〜150μmの範囲内で形成され、そのクリーニング材料層に貫通孔が分布形成されているため、これら通気性シートとクリーニング材料層の薄さ(10〜150μm)とクリーニング材料層に分布形成された貫通孔とが相俟って、クリーニング材料の広がる量(流動量)を少なくして、金型の型面をクリーニングすることができる。このため、吸引孔が形成された金型の型面をクリーニングしても、吸引孔にクリーニング材料が詰まることがない。
特に、上記通気性シートが、秤量200〜1200g/m2 の範囲内、厚み0.8〜5mmの範囲内である場合には、通気性シート内の通気用空隙の容積をより適正化することができ、型締めした際の、通気性シートの厚み方向の圧縮量、ひいてはクリーニング材料の流動抑制量をより適正化することができる。これにより、吸引孔にクリーニング材料がより詰まらなくなり、しかも、クリーニング性がより向上する。
また、上記貫通孔が、直径0.1〜0.3mmの範囲内である場合には、型締めした際に、クリーニング材料の流動抑制量をより適正化することができ、これにより、本発明の金型再生用シートと金型の型面との間のエアを、より適正に通気性シート内に導きながら、上記貫通孔が完全に埋まるようにクリーニング材料がより適正に流動する。このため、金型の型面全面にクリーニング材料がより適正に当接するようになり、クリーニング性がより向上する。しかも、吸引孔にクリーニング材料がより詰まらなくなる。
そして、上記金型再生用シートを複数枚積層してなる金型再生用シートは、キャビティの容積に応じて適正な厚みにすることができ、クリーニング性を向上させることができる。
本発明の金型クリーニング方法は、吸引孔が形成された金型の型面のクリーニングに、本発明の金型再生用シートを用いるため、吸引孔にクリーニング材料を詰まらせることなく、金型の型面をクリーニングすることができる。
つぎに、本発明の実施の形態を図面にもとづいて詳しく説明する。
図1(a),(b)は、本発明の金型再生用シートの第1の実施の形態を示している。この実施の形態の金型再生用シートは、通気性シート1の片面に、未加硫ゴム系組成物または熱硬化性樹脂系組成物からなるクリーニング材料層2が厚み10〜150μmの範囲内で形成されており、さらに、そのクリーニング材料層2に貫通孔3が分布形成されている。
より詳しく説明すると、上記通気性シート1は、その表面および内部に通気用空隙が形成されたものであり、その通気用空隙により、通気性を有するものとなっている。そして、その通気性能としては、JIS Z 1096に準じて測定した通気量が1cm3 /cm2 /秒以上、好ましくは5〜90cm3 /cm2 /秒の範囲内のものが好ましい。このような通気性シート1としては、内部の通気用空隙の形成性の観点から、和紙製シート、布帛シート,連続発泡体製シート等が好ましい。そのうち布帛シートとしては、織布,不織布,編布等があげられ、なかでも不織布が好ましい。また、連続発泡体製シートとしては、スポンジ等があげられる。さらに、上記通気性シート1としては、クリーニング時の温度(通常、150〜180℃)に耐えるものが用いられる。
また、上記通気性シート1としては、秤量が200〜1200g/m2 の範囲内であり、厚みが0.8〜5mmの範囲内のものを用いることが好ましい。すなわち、通気性シート1の秤量が200g/m2 を下回り、厚みが0.8mmを下回ると、通気性シート1内の通気用空隙の容積が小さくなり、金型のクリーニングの際に、通気性シート1の厚み方向の圧縮量が小さくなる。このため、クリーニング材料層2の変形量が多くなり、クリーニング材料層2を構成するクリーニング材料が金型の吸引孔13(図2,3参照)に流入し易くなる傾向にある。しかも、上記クリーニング材料層2に分布形成された貫通孔3から通気性シート内に取り込めるエア量が少なくなり、金型再生用シートと金型の型面との間のエアを、効果的に取り込み難くなり、その結果、クリーニング材料が金型の型面全面に当接し難くなり、クリーニング性が悪化するおそれがある。逆に、通気性シート1の秤量が1200g/m2 を上回り、厚みが5mmを上回ると、金型のクリーニングの際に、通気性シート1の厚み方向の圧縮量が大きくなるため、クリーニング材料層2の変形量を抑制することができ、クリーニング材料が金型の吸引孔13(図2,3参照)に流入し難くなるものの、通気性シート1のクッション性(厚み方向の圧縮量が大きいこと)から、クリーニング材料層2を金型の型面に圧接させる圧接力が弱く、その結果、クリーニング材料が金型の型面全面に当接し難くなり、クリーニング性が悪化するおそれがある。しかも、機能上無駄なボリュームとなりコストが高くなる。
さらに、上記通気性シート1は、表面に形成されている通気用空隙により、表面が粗面に形成されている。このため、通気性シート1の表面に形成されるクリーニング材料層2は、その底部が通気性シート1内に埋入し、その投錨性(アンカー効果)により、通気性シート1とクリーニング材料層2との密着力が強力になっている。これにより、クリーニング後に金型再生用シートを脱型する際に、通気性シート1とクリーニング材料とが一体になった状態で取り出すことができ、クリーニング材料が金型の型面に残ったままになることがない。
例えば、上記通気性シート1として不織布を用いる場合、その表面および内部に通気用空隙を形成し易い観点から、長繊維を用いることが好ましく、その長繊維の材料としては、例えば、ナイロン(6−ナイロン、6,6−ナイロン等),ポリエステル,ポリプロピレン,レーヨン等の熱可塑性樹脂があげられ、これらのうち、クリーニング時の温度に対する耐熱性の観点からポリエステル,レーヨンが好ましい。
そして、上記通気性シート1の片面に形成されるクリーニング材料層2は、上述したように、厚み10〜150μmの範囲内に形成されている。その理由は、クリーニング材料層2の厚みが10μmを下回ると、金型のクリーニングの際に、金型の型面の汚れを充分に付着させることができず、クリーニング性に劣るからであり、逆に、クリーニング材料層2の厚みが150μmを上回ると、金型のクリーニングの際に、クリーニング材料が広がり易くなり、金型の吸引孔13(図2,3参照)にクリーニング材料が詰まり易くなるからである。
さらに、上記クリーニング材料層2に分布形成されている貫通孔3は、直径が0.1〜0.3mmの範囲内に形成されていることが好ましい。すなわち、貫通孔3の直径が0.1mmを下回ると、金型のクリーニングの際に、金型再生用シートと金型の型面との間のエアを通気性シート内に導くことが困難になる傾向にある。逆に、貫通孔3の直径が0.3mmを上回ると、金型のクリーニングの際に、貫通孔3が埋まり難くなる傾向にあり、このため、金型の型面全面にクリーニング材料が当接しなくなるおそれがあり、クリーニング性が悪化するおそれがある。
また、上記貫通孔3の分布密度は、例えば、金型の型面の形状がエア溜まりの発生し易い形状であれば密に設定され、逆に、エア溜まりの発生し難い形状であれば疎に設定され、特に限定されないが、通常、4〜25個/cm2 の範囲内に設定される。
なお、上記クリーニング材料層2の色は、特に限定されるものではないが、白色ないし灰色のような淡色とすることが好ましい。その理由は、金型の型面から除去すべき汚れは、黒色等の濃色であるため、クリーニング後に、金型再生用シートに上記汚れが付着したことを肉眼で容易に確認することができ、クリーニングの状況を容易に確認することができるからである。上記淡色にするためには、クリーニング材料を調製する上記未加硫ゴム系組成物または熱硬化性樹脂系組成物に白色系顔料等を添加する。
つぎに、上記クリーニング材料層2の形成材料である、上記未加硫ゴム系組成物または熱硬化性樹脂系組成物について説明する。すなわち、クリーニング材料は、つぎの(A)および(B)に示すクリーニングの内容に応じて、その未加硫ゴム系組成物または熱硬化性樹脂系組成物に混合されている成分が異なる。すなわち、上記クリーニングには、(A)金型の型面(キャビティ表面)の汚れを除去することと、(B)金型の型面(キャビティ表面)から汚れを除去した後、その金型の型面(キャビティ表面)に離型性を付与することとが含まれる。
まず、上記(A)、すなわち汚れ除去を目的とする場合のクリーニング材料2の第1例について説明する。この第1例は、未加硫ゴムと、下記の一般式(1)で表されるグリコールエーテル類との混合物からなる未加硫ゴム生地を母材とするものである。
上記一般式(1)で表されるグリコールエーテル類としては、エチレングリコールジメチルエーテル,ジエチレングリコールジメチルエーテル,トリエチレングリコールジメチルエーテル,テトラエチレングリコールジメチルエーテル,ポリエチレングリコールジメチルエーテル,ジエチレングリコールモノメチルエーテル,ジエチレングリコールモノエチルエーテル,ジエチレングリコールモノプロピルエーテル,ジエチレングリコールモノブチルエーテル,ジエチレングリコールジエチルエーテル,ジエチレングリコールプロピルエーテル,ジエチレングリコールジブチルエーテル,エチレングリコールモノメチルエーテル,エチレングリコールモノエチルエーテル,エチレングリコールモノプロピルエーテル,エチレングリコールモノブチルエーテル等をあげることができる。
上記一般式(1)で表されるグリコールエーテル類の中でも、n=1〜2、R1 ,R2 のいずれかが水素の場合には他方が炭素数1〜4のアルキル基であり、また、R1 ,R2 がともにアルキル基の場合には、炭素数が1〜4のアルキル基であることが好適である。なお、上記nが3以上の値をとるときには、ゴムとの相溶性が低下するという事態を招き、またアルキル基の炭素数が5以上の場合には、金型の型面(キャビティ表面)の汚れに対する浸透性が悪くなるという傾向がみられるようになる。
上記のグリコールエーテル類は、そのまま、もしくは水ないしはメタノール,エタノール,n−プロパノールのようなアルコール類、トルエン,キシレンのような有機溶媒と混合して使用してもよい。有機溶媒と混合するときには、有機溶媒の量を、通常、グリコールエーテル類100重量部(以下「部」と略す)に対し50部以下にすることが行われ、最も一般的には20部以下にすることが行われる。また、従来から使用されている離型剤を必要に応じて適量併用しても差し支えはない。離型剤を併用する場合には、その使用量を、未加硫ゴム生地とグリコールエーテル類の合計量100部に対し10部以下にすることが行われ、最も一般的には2〜5部にすることが行われる。
未加硫ゴムとしては、天然ゴム(NR),クロロプレンゴム(CR),ブタジエンゴム(BR),ニトリルゴム(NBR),エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM),エチレンプロピレンゴム(EPM),スチレンブタジエンゴム(SBR),ポリイソプレンゴム(IR),ブチルゴム(IIR),シリコーンゴム(Q),フッ素ゴム(FKM)等の単独もしくは混合物を主成分とし、さらに加硫剤が配合され、必要に応じて加硫促進剤,補強剤等が配合されているもの等が用いられる。この未加硫ゴムは、金型内において加硫され加硫ゴムとなる。上記の未加硫ゴムとして好ましいのはEPDM,EPM,SBR,NBR,BRもしくはこれらの混合物である。なお、上記主成分とは、全体の過半を占める成分のことをいう趣旨である。
上記EPDMは、エチレン,エチレン以外のα−オレフィンおよび非共役二重結合を有する環状または非環状のモノマーからなる共重合物である。これについて詳述すると、EPDMはエチレン,エチレン以外のα−オレフィン(特にプロピレン)および以下に列挙するポリエンモノマーからなるターポリマーであり、上記ポリエンモノマーとしては、ジシクロペンタジエン、1,5−シクロオクタジエン、1,4−シクロオクタジエン、1,6−シクロドデカジエン、1,7−シクロドデカジエン、1,5,9−シクロドデカトリエン、1,4−シクロヘプタジエン、1,4−シクロヘキサジエン、ノルボルナジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン、2−メチルペンタジエン−1,4、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、メチル−テトラヒドロインデン、1,4−ヘキサジエン等である。各モノマーの共重合割合は、好ましくはエチレンが30〜80モル%,ポリエンが0.1〜20モル%で残りがα−オレフィンとなるようなターポリマーである。より好ましいのはエチレンが30〜60モル%のものである。そして、ムーニー粘度ML1+4 (100℃)が20〜70のものがよい。
上記SBRとしては、スチレン含量が15〜30モル%でムーニー粘度ML1+4 (100℃)が20〜80、好ましくは35〜60のものが好適である。
上記NBRとしては、アクリロニトリル含量が20〜60モル%、好ましくは25〜45モル%でムーニー粘度ML1+4 (100℃)が20〜85、好ましくは30〜70のものを用いることが好適である。
上記BRとしては、1,2ポリブタジエンあるいは1,4ポリブタジエンを単独もしくは混合して用い、ムーニー粘度ML1+4 (100℃)が20〜85、好ましくは30〜60のものが好適である。
そして、上記グリコールエーテル類は、上記未加硫ゴムと混合することによって未加硫ゴム生地となる。この場合、グリコールエーテル類は、未加硫ゴム100部に対して、通常10〜60部配合される。好ましいのは15〜25部程度である。そして、上記グリコールエーテル類の沸点は130〜250℃程度であるのが好ましい。すなわち、金型成形は、通常150〜185℃で行われるのであり、上記グリコールエーテル類の沸点が130℃未満であれば、クリーニング時の蒸発が著しく、したがって、クリーニング作業環境の悪化現象を生じる恐れがあり、逆に250℃を超えると、蒸発が困難となって加硫ゴム中に残存し、加硫ゴムの、金型からの取り出しの際の強度が弱くなって崩形等するため、金型の型面から汚れを充分剥離することができ難くなり、クリーニング作業性を低下させる傾向がみられるからである。
なお、上記未加硫ゴム生地を母材とするクリーニング材料2には、上記未加硫ゴムに、補強剤としてシリカ,アルミナ,炭酸カルシウム,水酸化アルミニウム,酸化チタン等の無機質補強剤(充填剤)を配合することも可能である。この場合、補強剤の使用量は、未加硫ゴム100部に対して10〜50部に設定することが好適である。また、先に述べたように、離型剤を配合することも可能である。上記離型剤としては、ステアリン酸,ステアリン酸亜鉛,カルナバワックス,モンタンワックス,ステアリルエチレンジアミド等があげられる。これらを未加硫ゴム100部に対して1〜10部配合することが可能である。
つぎに、上記(A)、すなわち汚れ除去を目的とする場合のクリーニング材料2の第2例について説明する。この第2例は、未加硫ゴムと、イミダゾール類およびイミダゾリン類の少なくとも一方(イミダゾール類および/またはイミダゾリン類)との混合物からなる未加硫ゴム生地を母材とするものである。この第2例では、上記第1例と異なる部分を主に説明する。
上記イミダゾール類としては、下記の一般式(2)で表されるイミダゾール類を用いることが好結果をもたらす。このようなイミダゾール類の代表例としては、2−メチルイミダゾール,2−エチル−4−メチルイミダゾール,2−フェニルイミダゾール,1−ベンジル−2−メチルイミダゾール等や、2,4−ジアミノ−6〔2’−メチルイミダゾリル(1’)〕エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6〔2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)〕エチル−s−トリアジン等があげられる。
上記イミダゾリン類としては、下記の一般式(3)で表されるイミダゾリン類を用いることが好結果をもたらす。このようなイミダゾリン類の代表例としては、2−メチルイミダゾリン、2−メチル−4−エチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、1−ベンジル−2−メチルイミダゾリン、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾリン、2,4−ジアミノ−6〔2’メチルイミダゾリニル−(1’)〕エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6〔2’−メチル−4’−エチルイミダゾリニル−(1’)〕エチル−s−トリアジン、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾリン、1−シアノエチル−2−メチル−4−エチルイミダゾリン等があげられる。
つぎに、上記(A)、すなわち汚れ除去を目的とする場合のクリーニング材料2の第3例について説明する。この第3例は、未加硫ゴムと、アミノアルコール類との混合物からなる未加硫ゴム生地を母材とするものである。この第3例では、上記第1例と異なる部分を主に説明する。
上記アミノアルコール類としては、つぎのようなアミノアルコール類を用いることが好結果をもたらす。すなわち、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパノール、3−アミノプロパノール、2−アミノプロパノール等があげられる。
つぎに、上記(A)、すなわち汚れ除去を目的とする場合のクリーニング材料2の第4例について説明する。この第4例は、熱硬化性のメラミン樹脂混合物からなる未硬化樹脂を母材とするものである。この第4例では、上記第1例〜第3例と異なる部分を主に説明する。
上記熱硬化性のメラミン樹脂混合物としては、一般的にはメラミン−ホルムアルデヒド樹脂を用いることが好結果をもたらす。このメラミン−ホルムアルデヒド樹脂は、市販のメラミン樹脂クリーニング材料であれば特に限定するものではない。
つぎに、上記(B)、すなわち離型性付与を目的とする場合のクリーニング材料2について説明する。この場合は、未加硫ゴムと離型剤との混合物からなる未加硫ゴム生地を母材とするものである。ここでは、上記第1例と異なる部分を主に説明する。
上記離型剤としては、ステアリン酸,ベヘニン酸のような長鎖脂肪酸、ステアリン酸亜鉛,ステアリン酸カルシウムで代表される長鎖脂肪酸の金属塩、カルナバワックス,モンタンワックス,モンタン酸の部分ケン化エステルで代表されるエステル系ワックス、ステアリルエチレンジアミドで代表される長鎖脂肪酸アミド、ポリエチレンワックスに代表されるパラフィン類等があげられる。
このクリーニング材料2は、上記未加硫ゴムと離型剤とを公知の方法、例えばミキシングロール等を用いて混合することによって得ることができ、また、予め未加硫ゴム生地をつくり、これに離型剤を練り込む等の方法によっても得ることができる。これらの場合、離型剤は、未加硫ゴム生地100部に対して、通常、1〜50部配合される。好ましいのは3〜20部である。そして、上記離型剤としては、その融点が200℃以下、また沸点が200℃以上であるものが好ましい。さらに、好ましいのは融点が50〜150℃のものである。すなわち、金型成形は、通常、150〜200℃で行われるのであり、上記離型剤の融点が200℃より高ければ、離型剤が金型の型面に滲出せず、また、沸点が200℃未満であれば、離型剤が金型の型面に滲出しても蒸発してしまうために機能を果たさなくなる傾向がみられるからである。
そして、上記金型再生用シートの製法は、上記通気性シート1およびクリーニング材料を用い、例えば、つぎのようにして行われる。すなわち、まず、上記クリーニング材料を連続式混練り機またはバッチ式混練り機で混練りする。ついで、それをカレンダーロールで所定の厚みに圧延した後、通気性シート1の片面に圧接し、クリーニング材料層2を形成する。そして、平板に直径0.3mmの針を分布配設してなる穿孔具を、上記クリーニング材料層2に押圧することにより、クリーニング材料層2に穿孔処理を施す。そして、それを巻き取るか、または適宜の寸法に切断する。このようにして、上記金型再生用シートを作製することができる。
このような金型再生用シートを用いた金型クリーニング方法は、例えば、つぎのようにして行うことができる。すなわち、まず、図2に示すように、上金型11と下金型12との間に金型再生用シートを挟む。この例では、上金型11の型面に吸引孔13が形成され、下金型12には吸引孔13が形成されておらず、金型再生用シートを上金型11と下金型12との間に挟む際には、金型再生用シートの片側に形成されているクリーニング材料層2を上金型11の型面に対面させるようにする。そして、この状態で型締めする。このとき、金型再生用シートのクリーニング材料層2と上金型11の型面との間のエアは、クリーニング材料層2に分布形成されている貫通孔3から通気性シート1内に取り込まれる。これにより、型面表面部分のエア抜きが促進され、クリーニング材料層2の表面が型面に当接する。しかも、型締めの圧力により、クリーニング材料層2が上記貫通孔3を埋めるように変形し、クリーニング材料が型面に隙間なく当接する。このとき、貫通孔3に流入するクリーニング材料は僅かである。つぎに、この状態で加熱成形する。これにより、未加硫ゴム系組成物からなるクリーニング材料が加熱加硫されて加硫ゴム化し、その加硫ゴム2a(図3参照)に上金型11の型面の汚れが一体化する。その後、図3に示すように、上金型11と下金型12とを離し、金型再生用シートを脱型する。これにより、上記型面の汚れが金型再生用シートと共に取り除かれる。このとき、上記のように貫通孔3に流入したクリーニング材料が僅かであるため、その流入した部分の加硫ゴム2aは他の部分の加硫ゴム2aと一体となって脱型される。このようにして、クリーニングが行われる。
上記金型クリーニング方法では、クリーニング材料2として、未加硫ゴム系組成物からなるものを用いた場合を説明したが、熱硬化性樹脂系組成物からなるクリーニング材料2を用いた場合も、同様にしてクリーニングすることができる。
また、上金型11の型面に離型性を付与する場合も、同様にして行われ、上記加熱加硫の際に、クリーニング材料に含有される離型剤が滲出し、型面に隙間なく離型性を付与する(離型剤を付着させる)ことができる。
図4は、本発明の金型再生用シートの第2の実施の形態を示している。この実施の形態の金型再生用シートは、上記クリーニング材料層2が、通気性シート1の両面に形成されている。それ以外は図1に示す第1の実施の形態の金型再生用シートと同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
この第2の実施の形態の金型再生用シートは、上金型11と下金型12(図2,3参照)の両型面をクリーニングする場合に用いられる。その場合の吸引孔13は、上金型11と下金型12の両型面に形成されていてもよいし、いずれか一方の型面に形成されていてもよい。
図5は、本発明の金型再生用シートの第3の実施の形態を示している。この実施の形態の金型再生用シートは、図1に示す第1の実施の形態の金型再生用シートを同方向に2枚重ねたものである。それ以外は図1に示す第1の実施の形態の金型再生用シートと同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
この第3の実施の形態の金型再生用シートは、例えば、上金型11の型面に吸引孔13が形成され、下金型12には吸引孔13が形成されておらず(図2,3参照)、そのうち上金型11の型面をクリーニングする場合に用いられる。そして、上側の金型再生用シートのクリーニング材料層2を上金型11の型面に対面させるようにして型締めされる。また、この第3の実施の形態の金型再生用シートは、2枚重ねることにより、成形空間の高さに対応させたものとなっている。
なお、この第3の実施の形態では、金型再生用シートを同方向に2枚重ねているが、成形空間の高さに応じて、3枚以上重ねてもよい。
図6は、本発明の金型再生用シートの第4の実施の形態を示している。この実施の形態の金型再生用シートは、図1に示す第1の実施の形態の金型再生用シートを、クリーニング材料層2が外側に面するように2枚重ねたものである。それ以外は図1に示す第1の実施の形態の金型再生用シートと同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
この第4の実施の形態の金型再生用シートは、上金型11と下金型12(図2,3参照)の両型面をクリーニングする場合に用いられる。その場合の吸引孔13は、上金型11と下金型12の両型面に形成されていてもよいし、いずれか一方の型面に形成されていてもよい。また、この第4の実施の形態の金型再生用シートは、2枚重ねることにより、成形空間の高さに対応させたものとなっている。
なお、上記各実施の形態の金型再生用シートは、吸引孔13が形成されていない上金型11等の型面のクリーニングに用いてもよい。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。但し、本発明は、実施例に限定されるわけではない。
〔基材シート〕
基材シートとして、通気性シートと通気性のないシートとを準備した。そのうち通気性シートは、ポリエステル製長繊維を材料とし、下記の表1,2に示す秤量と厚みとを有する各不織布とした。通気性のないシートは、ポリエステル製樹脂シートとした。
基材シートとして、通気性シートと通気性のないシートとを準備した。そのうち通気性シートは、ポリエステル製長繊維を材料とし、下記の表1,2に示す秤量と厚みとを有する各不織布とした。通気性のないシートは、ポリエステル製樹脂シートとした。
〔クリーニング材料〕
クリーニング材料として、未加硫ゴム系組成物からなるものとメラミン樹脂クリーニング材料(市販品)とを準備した。そのうち、未加硫ゴム系組成物からなるものは、エチレンプロピレンゴム100部、シリカパウダー50部、酸化チタン5部、有機過酸化物〔n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート〕2部、イミダゾール{2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1’)〕エチル−s−トリアジン}10部、モンタンワックス5部を混練機で混練することにより、クリーニング材料を調製した。
クリーニング材料として、未加硫ゴム系組成物からなるものとメラミン樹脂クリーニング材料(市販品)とを準備した。そのうち、未加硫ゴム系組成物からなるものは、エチレンプロピレンゴム100部、シリカパウダー50部、酸化チタン5部、有機過酸化物〔n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート〕2部、イミダゾール{2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1’)〕エチル−s−トリアジン}10部、モンタンワックス5部を混練機で混練することにより、クリーニング材料を調製した。
〔実施例1〜5,比較例1〜4〕
上記通気性シートまたは通気性のないシートの両面に、上記クリーニング材料からなるクリーニング材料層を、下記の表1,2に示す厚みに形成した。さらに、直径0.3mmの針を分布配設(9本/cm2 )してなる穿孔具を用いて、クリーニング材料層に穿孔処理を施した(比較例3以外)。
上記通気性シートまたは通気性のないシートの両面に、上記クリーニング材料からなるクリーニング材料層を、下記の表1,2に示す厚みに形成した。さらに、直径0.3mmの針を分布配設(9本/cm2 )してなる穿孔具を用いて、クリーニング材料層に穿孔処理を施した(比較例3以外)。
〔金型のクリーニング〕
このようにして得られた実施例1〜5および比較例1〜4の各金型再生用シートを用いて、金型のクリーニングを行った。この金型は、半導体素子を樹脂封止する際に用いるトランスファー成形用金型の疑似金型であり、上金型と下金型とからなり、これら上金型と下金型の各型面(対向面)は100mm×130mmの長方形となっている。また、型締めした状態での各キャビティの形状は直方体状であり、その寸法は30mm×30mm×1mm(高さ)と30mm×30mm×0.5mm(高さ)の2種類である。また、上金型には、キャビティから距離をおいて直径1.5mmの貫通孔(吸引孔に相当)が2個形成されている。なお、上記クリーニングの条件は、金型再生用シートの寸法を上記型面と同じとし、金型の型締め圧力を30トンとし、成形温度を175℃とし、成形時間を5分間とした。
このようにして得られた実施例1〜5および比較例1〜4の各金型再生用シートを用いて、金型のクリーニングを行った。この金型は、半導体素子を樹脂封止する際に用いるトランスファー成形用金型の疑似金型であり、上金型と下金型とからなり、これら上金型と下金型の各型面(対向面)は100mm×130mmの長方形となっている。また、型締めした状態での各キャビティの形状は直方体状であり、その寸法は30mm×30mm×1mm(高さ)と30mm×30mm×0.5mm(高さ)の2種類である。また、上金型には、キャビティから距離をおいて直径1.5mmの貫通孔(吸引孔に相当)が2個形成されている。なお、上記クリーニングの条件は、金型再生用シートの寸法を上記型面と同じとし、金型の型締め圧力を30トンとし、成形温度を175℃とし、成形時間を5分間とした。
〔クリーニング性〕
上記金型のクリーニングにおいて、金型再生用シートの充填率を算出し、その充填率が100%のものは、型面を隙間なくクリーニングができたため、○と評価し、上記充填率が100%未満のものは、キャビティのクリーニングが不充分であるため、×と評価し、下記の表1,2に併せて表記した。なお、上記充填率は、キャビティの底面積と、クリーニングによりキャビティ形状に加熱成形された加硫ゴムの底面積(キャビティの底面に接触した面積)との比率により算出した。
上記金型のクリーニングにおいて、金型再生用シートの充填率を算出し、その充填率が100%のものは、型面を隙間なくクリーニングができたため、○と評価し、上記充填率が100%未満のものは、キャビティのクリーニングが不充分であるため、×と評価し、下記の表1,2に併せて表記した。なお、上記充填率は、キャビティの底面積と、クリーニングによりキャビティ形状に加熱成形された加硫ゴムの底面積(キャビティの底面に接触した面積)との比率により算出した。
〔詰まり難さ〕
また、上記貫通孔(吸引孔)に流入したクリーニング材料の長さ(高さ)が1.5mm以内であれば、上記貫通孔(吸引孔)に詰まりがなく良好であるため、○と評価し、その流入長さが1.5mmを超えれば、上記貫通孔(吸引孔)が詰まるため、×と評価し、下記の表1,2に併せて表記した。なお、上記流入長さは、クリーニング後に金型からの剥離(脱型)した金型再生用シートにおいて、上記貫通孔(吸引孔)により成形された凸部の高さを測定することにより求めた。
また、上記貫通孔(吸引孔)に流入したクリーニング材料の長さ(高さ)が1.5mm以内であれば、上記貫通孔(吸引孔)に詰まりがなく良好であるため、○と評価し、その流入長さが1.5mmを超えれば、上記貫通孔(吸引孔)が詰まるため、×と評価し、下記の表1,2に併せて表記した。なお、上記流入長さは、クリーニング後に金型からの剥離(脱型)した金型再生用シートにおいて、上記貫通孔(吸引孔)により成形された凸部の高さを測定することにより求めた。
上記表1,2の結果から、実施例1〜5の金型再生用シートは、比較例2の金型再生用シートよりも、クリーニング材料が詰まり難いことがわかる。また、比較例1,3,4の金型再生用シートでは、クリーニング材料は詰まり難いものの、クリーニング性が劣っていた。
1 通気性シート
2 クリーニング材料層
3 貫通孔
2 クリーニング材料層
3 貫通孔
Claims (6)
- 通気性シートの片面もしくは両面に、未加硫ゴム系組成物または熱硬化性樹脂系組成物からなるクリーニング材料層が厚み10〜150μmの範囲内で形成され、そのクリーニング材料層に貫通孔が分布形成されていることを特徴とする金型再生用シート。
- 上記通気性シートが、和紙製シート,布帛シートまたは連続発泡体製シートである請求項1記載の金型再生用シート。
- 上記通気性シートが、秤量200〜1200g/m2 の範囲内、厚み0.8〜5mmの範囲内である請求項1記載の金型再生用シート。
- 上記貫通孔が、直径0.1〜0.3mmの範囲内である請求項1記載の金型再生用シート。
- 請求項1記載の金型再生用シートを複数枚積層してなる金型再生用シート。
- 成形空間を形成する一対の上金型と下金型との間に金型再生用シートを挟んだ状態で加熱成形することにより、上記成形空間の型面の汚れを上記金型再生用シートに付着させ、その後、上記汚れを金型再生用シートと共に上記型面から取り除くクリーニング方法であって、上記上金型および下金型の少なくとも一方が、型面に吸引孔が形成されている金型であり、上記金型再生用シートが、請求項1〜5のいずれか一項に記載の金型再生用シートであり、上金型と下金型との間に金型再生用シートを挟んだ状態では、上記吸引孔が形成されている型面に金型再生用シートのクリーニング材料層が当接していることを特徴とする金型クリーニング方法。
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